2017年度 大学入試センター試験 本試験「地理A」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。
解答
解説
2017年度(平成29年度)センター試験本試験「地理A」の全問題について、当サイトが独自に作成した解答・解説です。第1問から第5問まで、大問ごとに設問を折りたたんで掲載しています。知りたい設問をクリックしてご覧ください。
地理Aは全5問・34問構成で、第1問が地理の基礎と日本の自然災害、第2問が世界の生活・文化、第3問がラテンアメリカの地誌、第4問が地球的課題、第5問が地域調査(長崎県壱岐島)です。地図・統計表・雨温図・衛星画像・地形図・景観写真と、あらゆる資料が登場するので、資料の種類ごとに読み取りの手順を決めておくことが得点につながります。
第1問 地理の基礎的事項/日本の自然環境と災害(配点23)
A(問1〜問5)が地図・気候・植生・水資源といった地理の基礎、B(問6〜問8)が日本の水害・地震災害と地形図の読図です。教科書の基本事項で解ける設問が中心で、ここを取り切れるかが全体の得点を左右します。
問1:正解 ②(配点2)
<問題要旨>
中世の世界図であるTOマップについて、適当でないものを選ぶ問題。
<考え方>
TOマップはキリスト教的な世界観を表した図で、聖地イェルサレムを中心に据え、東(オリエンス)を上にして描かれます。外周を大洋(MARE OCEANVM)が囲むので①③④はいずれも正しい記述です。②の「聖典コーラン(クルアーン)の記述にもとづいている」がイスラームの世界図についての説明であり、TOマップの説明として誤りです。
問2:正解 ②(配点3)
<問題要旨>
メルカトル図法の特色と利用について、下線部から適当でないものを選ぶ問題。
<考え方>
メルカトル図法は正角円筒図法で、地図上の直線は経線と一定の角度で交わる等角航路(航程線)を表します。最短経路である大圏航路は、この図法では一般に曲線になるので②が誤りです。①の円筒投影、③の羅針盤との関係、④の高緯度ほど面積が拡大される点は、いずれも正しい記述です。
問3:正解 ③(配点3)
<問題要旨>
図2中のD〜G付近の植生景観と人間活動のうち、Eに該当するものを選ぶ問題。
<考え方>
Eはスカンディナビア半島にあたります。冷帯(亜寒帯)の針葉樹林(タイガ)が広がり、林業とパルプ・製材業が発達しているので③です。Dはカナダ東部で、サトウカエデから樹液(メープルシロップ)がとれる広葉樹林なので②。Fは東アフリカで、疎林と草原のサバナに野生動物が生息し、サファリ観光の資源になっているので④。Gはモンゴル付近で、ステップの草原と砂漠化対策の①です。
問4:正解 ①(配点3)
<問題要旨>
標高10m以下の臨海地域における人口と、それに占める都市人口の割合を示した表から、アジアを選ぶ問題。
<考え方>
アジアは世界人口の約6割を占め、しかも人口規模の大きい沿岸低地(ガンジス・メコン・長江の各デルタなど)を抱えるため、臨海低地の人口が450百万人と桁違いに多くなります。よって①。人口規模から考えれば、②〜④のような数十百万人という値はヨーロッパ・北アメリカ・アフリカのものです。
問5:正解 ③(配点3)
<問題要旨>
乾燥地域の水資源と人間活動についての空欄ア・イを埋める問題。
<考え方>
ア=乾燥地域のオアシス農業を支えるのは地下水です。井戸のほか、イランのカナート、北アフリカのフォガラのような地下水路が使われます。イ=湿潤な地域を水源とし、乾燥地域を貫いて海まで流れ出る河川は外来河川で、ナイル川やティグリス・ユーフラテス川が代表例です。内陸河川は海に達せず内陸湖や砂漠で消える河川なので当てはまりません。よって③。
問6:正解 ①(配点3)
<問題要旨>
沖積平野でみられる水害対策について、適当でないものを選ぶ問題。
<考え方>
霞堤は、上流側と下流側の堤防を重ねて開口部を設けた不連続堤です。洪水時にはその開口部から水を堤内地へ逆流させて一時的に貯め、下流へ流れる水の勢いを弱めるはたらきをします。「河川水を速やかに流下させる」という①の説明は逆なので、これが誤りです。②の河川改修、③の水屋、④の遊水地はいずれも正しい記述です。
問7:正解 ③(配点3)
<問題要旨>
同一の原因による災害発生後の状況を撮影した4枚の写真から、災害の原因を選ぶ問題。
<考え方>
マンホールが地面より高く抜け上がり、建物の入り口に段差ができ、地面が砂と水に覆われる——これらはすべて地震による液状化の典型的な現象です。地盤が液体のようにふるまうため、軽い地下構造物は浮き上がり、重い建物は沈下し、地下水とともに砂が噴き出します(噴砂)。よって③。火山灰(①)や土石流(④)なら灰や礫が一様に堆積し、マンホールが抜け上がることはありません。
問8:正解 ①(配点3)
<問題要旨>
1931年発行の5万分の1地形図から読み取れることがらについて、カ・キの正誤の組合せを選ぶ問題。
<考え方>
カ=海岸線に沿って砂丘の高まりがあり、その上に針葉樹の記号(海岸林)が並んでいます。標高は数mから10m程度なので、大きな津波なら乗り越える可能性があり、正しい記述です。キ=鉄道の北側には水田の記号と湿地の記号が広がっており、周囲より低い土地なので大雨時の浸水が考えられます。これも正しい記述です。よってカ正・キ正の①。
第2問 世界の生活・文化(配点18)
宗教建築、民族と言語、グローバル化、主食、気候と農産物、食料供給量と、生活文化の分野を写真・地図・統計で問う大問です。
問1:正解 ③(配点3)
<問題要旨>
世界遺産に登録された宗教建築物の写真から、イスラーム(イスラム教)のものを選ぶ問題。
<考え方>
③は大きなドームと4本以上のミナレット(尖塔)をもつモスクで、イスラームの建築物です。①は岩山の上に建つ修道院(モン・サン・ミシェル)でカトリック、②は色鮮やかな玉ねぎ型ドームが集まる聖堂でロシア正教、④は高い塔状の祠堂をもつ寺院で仏教です。ドームとミナレットの組合せがイスラーム建築の目印になります。
問2:正解 ④(配点3)
<問題要旨>
民族や言語について、下線部から適当でないものを選ぶ問題。
<考え方>
インドネシアの公用語はインドネシア語、スイスの公用語はドイツ語・フランス語・イタリア語・ロマンシュ語の4つで、どちらも英語を公用語としていません。よって④が誤りです。①の民族の定義、②のドイツ語・フランス語がインド・ヨーロッパ語族に属すること、③の中国語の方言差は、いずれも正しい記述です。
問3:正解 ①(配点3)
<問題要旨>
文化や経済のグローバル化について、適当でないものを選ぶ問題。
<考え方>
ロックンロールの世界的な流行は事実ですが、それによって「各地の伝統的な楽器の大半が失われた」という事実はありません。むしろ伝統楽器と融合した音楽(ワールドミュージック)が生まれてもいます。よって①が誤り。②の現地に合わせた商品開発、③の国際分業、④の日本アニメの海外放映は、いずれもグローバル化の実例として正しい記述です。
問4:正解 ①(配点3)
<問題要旨>
伝統的に米・トウモロコシ・肉/魚を主食としている地域を示した図から、ア〜ウとの組合せを選ぶ問題。
<考え方>
アは東アジア・東南アジア・南アジアのモンスーンアジアに広がっており、米。イはメキシコから中央アメリカ、アンデス、アフリカ南部に分布しており、原産地である中南米を含むトウモロコシ。ウはシベリアからアラスカ、カナダ北部といった高緯度で、農耕が難しく狩猟・漁労に依存する肉・魚です。よって①。
問5:正解 ④(配点3)
<問題要旨>
図1中のA〜Dでみられる気候と農産物について、Aに該当するものを選ぶ問題。
<考え方>
Aはイベリア半島南部の地中海沿岸です。夏は高温乾燥・冬は温暖湿潤の地中海性気候で、乾燥に強いブドウ・オリーブ・柑橘類が栽培されるので④。Bは東南アジアの熱帯雨林気候でアブラヤシの①、Cはオーストラリア内陸の乾燥気候で羊の放牧の②、Dは北アメリカ五大湖周辺の温暖湿潤気候で大豆・トウモロコシの③です。
問6:正解 ①(配点3)
<問題要旨>
1人1日当たりの食料供給量と、その中で牛乳・乳製品が占める割合の表から、オランダを選ぶ問題。
<考え方>
オランダは酪農が盛んな先進国なので、供給量が最も多く(3,193kcal)、牛乳・乳製品の割合も高い(15.0%)①が該当します。④は供給量が最も少ない一方で乳製品の割合が16.3%と高く、乳製品の消費が多いパキスタン。②は供給量が多めで乳製品が5.7%のメキシコ、③は乳製品が0.7%と極端に低いインドネシアです。乳製品の割合は、酪農の有無と食文化の両方を映します。
第3問 ラテンアメリカ(配点21)
地形・気候・人口構成・食文化・農業・経済・観光と、ラテンアメリカを多面的に扱う地誌の大問です。衛星画像と雨温図の読み取りが含まれます。
問1:正解 ③(配点3)
<問題要旨>
図1中のX〜Zにおける海岸付近の衛星画像ア〜ウとの組合せを選ぶ問題。
<考え方>
アは大河が幾筋にも分かれて海に注ぐ三角州で、アマゾン川河口にあたるY。イは海岸に沿って浅瀬(サンゴ礁)が白く帯状に写っており、カリブ海に面したユカタン半島付近のX。ウは氷食を受けた深い入り江が櫛の歯のように並ぶフィヨルドで、チリ南部のZです。よって③。緯度と地形の対応(低緯度=サンゴ礁、高緯度=フィヨルド)が手がかりになります。
問2:正解 ②(配点3)
<問題要旨>
図1中のカ〜ケのいずれかの地点の雨温図から、ケに該当するものを選ぶ問題。
<考え方>
ケはアルゼンチンのラプラタ川沿岸(パンパ)です。南半球なので1月が最暖・7月が最寒となり、年間を通じて降水がある温帯なので②。①は年中高温で夏に雨が多い熱帯のカ(カリブ海沿岸)、③は年較差が小さく降水がほとんどない海岸砂漠のキ(ペルー海岸)、④は南半球の冬(6〜8月)に雨が集中する地中海性気候のク(チリ中部)です。
問3:正解 ④(配点3)
<問題要旨>
白人と先住民との混血が人口の過半数を占める国を選ぶ問題。
<考え方>
白人と先住民の混血はメスチソ(メスチーソ)と呼ばれます。メキシコは人口の6割前後をメスチソが占めるので④。①のアルゼンチンはヨーロッパ系白人が大半、②のキューバは白人とムラート(白人と黒人の混血)、③のブラジルは白人・ムラートが多数を占めます。
問4:正解 ③(配点3)
<問題要旨>
ペルーの料理に関連することがらについて、空欄サ・シを埋める問題。
<考え方>
サ=チーズを使ったソースは、乳製品を用いる食文化をもつヨーロッパ系移民の影響です。シ=アンデス高地では、標高が高く空気が乾燥しているため日中と夜間の気温差(日較差)が大きく、夜の冷え込みで凍らせ、日中に踏んで水分を抜く保存食チューニョがつくられました。よって③。
問5:正解 ③(配点3)
<問題要旨>
ラテンアメリカにおける農作物の主な産地を示した図から、大豆を選ぶ問題。
<考え方>
大豆はブラジル南部からアルゼンチンのパンパにかけて大規模に栽培されており、この範囲に集中する③が該当します。①はカリブ海の島々とブラジル沿岸に広がるサトウキビ、②は中央アメリカからエクアドルの熱帯低地に点在するバナナ、④はチリ中部の地中海性気候地域に限られるブドウです。
問6:正解 ④(配点3)
<問題要旨>
ラテンアメリカの社会経済的状況について、最も適当なものを選ぶ問題。
<考え方>
1995年に発足したMERCOSUR(南米南部共同市場)は、ブラジル・アルゼンチンなどが域内の関税撤廃と経済統合をめざす枠組みで、④が正しい記述です。①は先進国へ向かう移民がむしろ増えているので誤り。②は大土地所有制が残る一方、農家の大半は小規模なので誤り。③のモノカルチャー経済は一次産品に依存する経済であり、「工業製品の輸出に特化」という説明は誤りです。
問7:正解 ③(配点3)
<問題要旨>
カリブ海諸国の観光客到着数と居住地別割合の図について、適当でないものを選ぶ問題。
<考え方>
図では、マイアミに近いバハマやアメリカ合衆国領ヴァージン諸島の円が大きく、遠いグレナダやマルティニークの円が小さくなっています。つまりマイアミから離れるほど観光客は少ない傾向にあり、「離れるほど観光客は多い」とする③が誤りです。①の外貨獲得、②の気候とビーチ、④の旧宗主国との結びつき(グレナダはイギリス、マルティニークはフランス)は、いずれも正しい記述です。
第4問 地球的課題(配点18)
人口、少子化と保育支出、食料問題、エネルギー、森林減少、都市交通と、地球規模の課題を統計と図で問う大問です。
問1:正解 ③(配点3)
<問題要旨>
1950年を100とした人口指数の推移から、東アジアに該当するものを選ぶ問題。
<考え方>
東アジアは1950年代から70年代にかけて人口が急増しましたが、中国の一人っ子政策や日本・韓国の少子化により1980年代以降は伸びが鈍り、2010年に約240まで頭打ちになる③が該当します。①は現在も高い増加率が続くサハラ以南のアフリカ、②は南アジア、④はほぼ横ばいの西ヨーロッパです。
問2:正解 ④(配点3)
<問題要旨>
GDPに対する保育・幼児教育への公的支出の比率と合計特殊出生率の図から、国群とA〜Cとの組合せを選ぶ問題。
<考え方>
Cは公的支出が1.5〜2.0%と突出して高く、出生率も1.9前後と高いので、手厚い家族政策で知られるスウェーデン・デンマーク。Aは支出が0.5%以下で出生率も1.4前後と低く、少子化が深刻なドイツ・日本。残るBが、支出は少ないものの移民の流入などで出生率1.9前後を保つアメリカ合衆国・オーストラリアです。よって④。
問3:正解 ②(配点3)
<問題要旨>
アフリカで食料問題が発生する背景について、適当でないものを選ぶ問題。
<考え方>
フェアトレードは、途上国の生産者から適正な価格で継続的に買い取る仕組みで、生産者の生活水準を引き上げることを目的としています。「生活水準が悪化している」とする②が誤りです。①の干ばつ、③の紛争・内戦、④の商品作物優先(プランテーション由来のモノカルチャー)は、いずれも食料問題の背景として正しい記述です。
問4:正解 ③(配点3)
<問題要旨>
1次エネルギーの1人当たり供給量と自給率の表から、ロシアを選ぶ問題。
<考え方>
ロシアは石油・天然ガスの大輸出国なので、自給率が100%を大きく超える183%の③です。①は1人当たり供給量が最大級で自給率86%のアメリカ合衆国、②は資源に乏しく自給率2%のシンガポール、④は2000年から2013年にかけて供給量が0.92→2.21と2倍以上に急増した中国です。自給率が100%を超えるかどうかで輸出国と輸入国を切り分けるのが第一歩です。
問5:正解 ①(配点3)
<問題要旨>
世界各地の森林の減少について、最も適当なものを選ぶ問題。
<考え方>
サハラ以南アフリカでは、調理や暖房の燃料を薪炭に依存する人口が多く、人口増加とともに薪の需要が増えて森林が過剰に伐採されています。よって①。②はオーストラリア北東部の森林減少を先住民の焼畑に帰する点が誤り。③は東南アジア島嶼部のマングローブ伐採の主因がエビの養殖池であり、茶ではないので誤り。④はロシア東部で砂糖用テンサイの大規模栽培は行われていないので誤りです。
問6:正解 ①(配点3)
<問題要旨>
パークアンドライド方式を推進する都市の交通網の図について、無料駐車場の凡例と説明文の組合せを選ぶ問題。
<考え方>
パークアンドライドは、郊外の駅まで自家用車で行き、そこで公共交通に乗り換えてもらう仕組みです。したがって乗り換えを促す郊外の駅の駐車場は無料にする必要があり、図で市街地から離れた鉄道沿線に広く分布するアが無料駐車場、都心部に集中するイが有料駐車場です。説明文は、公共交通の利用を促して自動車通行を抑えるEがパークアンドライド、都心に入る自動車に課金するFがロードプライシングなので①。
第5問 地域調査(長崎県壱岐島)(配点20)
高校生が壱岐島を調査するという設定で、地勢図・新旧地形図・景観写真・統計を順に読み解いていきます。地理Aの地域調査は毎年この形式なので、図の読み取り手順を身につけておきたい大問です。
問1:正解 ①(配点3)
<問題要旨>
20万分の1地勢図から読み取れる壱岐島の地形について、適当でないものを選ぶ問題。
<考え方>
壱岐島は玄武岩の溶岩台地からなる平坦な島ですが、島の中央南寄りに岳ノ辻(標高212m)があり、図中にも100mを超える標高点が読み取れます。「最も高い地点の標高は100m以下」とする①が誤りです。②の地点X付近の沖積平野と内海への流域、③の島西部のリアス海岸、④の赤瀬鼻の海食崖は、いずれも図から読み取れます。
問2:正解 ③(配点3)
<問題要旨>
1926年と2006年の2万5千分の1地形図を比べ、この地域の変化を選ぶ問題。
<考え方>
1926年の図には芦辺港の南北を結ぶ渡船の記号がありますが、2006年の図では代わりに「芦辺大橋」が架けられ、渡船の記号は消えています。よって③。①は当田触へ向かう道路が寸断されておらず誤り。②は港の南北両岸に造成地や建物が広がり、水田がみられるのは一方だけなので誤り。④の梅ノ木ダムは2006年の図にありますが、発電所の記号はないので誤りです。
問3:正解 ①(配点3)
<問題要旨>
図3中のア〜ウの地点から矢印の方向を撮影した写真A〜Cとの組合せを選ぶ問題。
<考え方>
Aは平坦に開けた水田の向こうに低い丘陵が横たわる景観で、図の西側の谷底平野から北東を向いたア。Bは手前に造成された草地があり、その先に集落と港湾施設が見える景観で、港の北側から南を向いたイ。Cは左右から山地が迫る細長い谷の奥に水面が見える景観で、南東の谷筋から港の方向を向いたウです。よって①。
問4:正解 ③(配点2)
<問題要旨>
壱岐島の伝統的な民家にみられる背戸山(せどのやま)が形成された主な目的を選ぶ問題。
<考え方>
図4の模式図では、樹林が母屋の北西側を半円状に囲んでいます。日本海側の島である壱岐島では、冬に北西から強い季節風が吹きつけるため、それを防ぐ屋敷林として樹林が残されてきました。よって③。②のフェーン現象は山地を越えた風が高温乾燥になる現象で、平坦な島の屋敷林の目的とは結びつきません。④のやませは東北地方の太平洋側に吹く冷涼な北東風です。
問5:正解 ④(配点3)
<問題要旨>
漁業協同組合職員との会話文の空欄カ・キを埋める問題。
<考え方>
カ=壱岐島の周辺には対馬海流(暖流)が流れ込んでおり、これが好漁場の要因のひとつです。真珠の養殖が可能なことも暖流の証拠になります。キ=表1では、壱岐市は沿岸漁業の経営体が93.5%(全国78.5%)、漁船1隻の経営体が93.6%(全国85.4%)と、いずれも全国より小規模側に偏っています。したがって経営規模は「小さい」。よって④。
問6:正解 ①(配点3)
<問題要旨>
長崎県内の指標を市町ごとに示した図から、指標名とE〜Gの組合せを選ぶ問題。
<考え方>
Gは長崎市・佐世保市・諫早市など人口5万人以上の市が集まる本土側で上位となっており、病院や大学病院が集中する人口1,000人当たりの医師数。Fは対馬・壱岐・五島など離島だけが上位で本土側がほぼ下位なので、小規模校が多い地域ほど高くなる小学校の複式学級率。残るEは、離島に加えて長崎市・佐世保市といった商業集積のある市も上位になっており、居住する市町内で買い物をする割合です。よって①。
問7:正解 ③(配点3)
<問題要旨>
壱岐島の自然災害や防災について、調査の目的と方法として適当でないものを選ぶ問題。
<考え方>
AMeDAS(アメダス)は降水量・気温・風向風速・日照時間などの気象データを観測するシステムで、被災家屋や被災者の数といった被害の情報は含まれません。被害の数は自治体や消防庁の災害報告で調べるべきなので③が誤りです。①の気象庁サイトでの風速・波高、②の郷土史での災害史、④の海岸地形の観察は、いずれも目的と方法が対応しています。
※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

