解答
解説
第1問
問1:正解4
<解説>
問題文の図は、断層の様式と力のはたらき方の組み合わせを問うものです。通常、上下方向のずれで上盤(上側のブロック)が押し上げられている場合は「逆断層」に分類されます。さらに、逆断層は水平的に圧縮する力が加わって生じるため、断層面の周辺では水平方向への圧縮応力が想定されます。図のブロックのずれ方からも、東西方向の圧縮力で上盤が押し上げられる逆断層の特徴に合致します。
問2:正解3
<解説>
地球の内部構造を、「流動のしやすさ」と「物質組成」で区分したとき、リソスフェア(かたい岩石圏)とアセノスフェア(軟らかい岩石圏)は流動のしやすさによる区分、地殻とマントルは主に組成の違いによる区分にあたります。地表から数十~百数十kmほどの深さまでは、地殻と上部マントルの一部が一体となったリソスフェアをなすことが多く、その下にアセノスフェアが続きます。よって、図中の a・b は流動特性による区分(リソスフェア・アセノスフェア)、c・d は物質組成による区分(地殻・マントル)と考えられます。
問3:正解1
<解説>
地層Bが堆積してから地層Cが堆積するまでの間に生じたできごとについて、断層の活動や岩体の貫入・傾斜・侵食などが順次起こったかどうかを読み取ります。図を見ると、地層Bに貫入した花こう岩Aがあり、地層Bの上部が侵食されている様子がわかります。また、地層Bが多少傾いていることも確認できます。一方で、断層Dのずれ方と他の地層との切り合い関係から、地層Bが“その時期”に断層活動で明確にずれたとは考えにくい、という点が読み取れます。そのため「地層Bが断層Dの活動によってずれた」という説明が、BからCの堆積開始までに起こった現象としては当てはまらない(誤り)と判断できます。
問4:正解3
<解説>
地層Bは古生代後期の植物化石を含む石炭層をもつ堆積岩であると示されており、石炭紀(古生代後期)に繁栄した巨大なシダやリンボク類(フウインボクなど)が代表的です。一方、地層Cの方はヌンムリテス(大型有孔虫)の化石が含まれるなど、新生代(特に古第三紀)にあたる可能性が高い層と考えられます。この時代の植物化石としてはメタセコイア(現代にも近縁種が分布する針葉樹)が知られています。よって、古生代後期のフウインボクが地層B、新生代のメタセコイアが地層Cから産出する組み合わせが適切です。
問5:正解1
<解説>
火成岩を構成する鉱物は、有色鉱物(黒雲母や輝石・カンラン石など)と無色鉱物(石英や長石など)に大別できます。一般に、鉄やマグネシウムを多く含むのは有色鉱物の方で、マントル上部を構成する岩石(かんらん岩質のペリドタイトなど)も有色鉱物主体です。そのため「鉄やマグネシウムをより多く含む鉱物=有色鉱物」「マントル上部を主に構成する鉱物=有色鉱物」という対応になります。
問6:正解1
<解説>
花こう岩(グラニット)は地下深部でゆっくり冷却・固化した深成岩で、結晶粒がほぼ同じ大きさでそろった等粒状組織を示すことが多く、石英を含む酸性岩の代表例です。一方、流紋岩(リュウモンガン)は地表付近で急冷する火山岩で、火山ガラスや細かい結晶が流れるように配列した流紋状組織を示すことが多く、同じく石英を含む酸性岩に分類されます。したがって、花こう岩の特徴(a)は等粒状組織、両方に共通して含まれる鉱物(b)は石英、流紋岩の特徴(c)は流紋状組織と整理できます。
第2問
問7:正解4
<解説>
梅雨前線は日本付近で、暖かく湿った空気をもたらす太平洋高気圧と、冷たく湿った空気をもつオホーツク海高気圧の境界に形成されます。太平洋高気圧は海洋性の暖かい空気を供給し、オホーツク海高気圧も陸地性よりは湿度の高い海洋性の空気をもつため、両方とも湿潤な性質をもつ空気が衝突して梅雨前線が生じることになります。
問8:正解2
<解説>
梅雨前線をはさんだ北側と南側で吹く風向を考察します。梅雨前線の北側にはオホーツク海高気圧に由来する冷涼な空気があり、一般に北寄りの風が吹き込みやすくなります。一方、南側には太平洋高気圧の影響で暖かい空気があり、南寄りの風が吹き込みやすくなります。そのため、前線の北側A点では北寄りの風、南側B点では南寄りの風になると考えられます。
問9:正解3
<解説>
津波の速度は水深が深いほど速く、浅いほど遅くなります。図を見ると、水深約2000mの区間(XからBまで、およそ100km)を津波が伝わるのにかかる時間は十数分程度、続いて水深約150mの区間(BからAまで、およそ50km)での伝播にはさらに二十数分かかることが読み取れます。具体的には、XからBまでが12分前後、BからAまでが22分前後となる組合せが図の情報に最も合致します。
第3問
問10:正解2
<解説>
太陽を構成する元素として最も大量なのは水素で、現在の宇宙に存在する水素の多くは、宇宙誕生期(ビッグバン)のころに生成されたと考えられています。太陽内部での核融合反応によって新たに水素が生まれているわけではないため、「太陽の主成分は水素、起源はビッグバン」という組み合わせが適切といえます。
問11:正解4
<解説>
太陽面の黒点は地球と同程度、あるいはそれ以上の大きさをもつ場合が多く、直径が地球の数倍にもなることがあります。また、地球から見た太陽の自転周期はおよそ25~27日程度とされています。問題文中の観察記録から黒点が数日で移動しており、太陽の自転が二週間程度よりも長いことが示唆されるため、黒点の大きさが地球の数倍、かつ自転周期が約27日という組み合わせがふさわしいと判断できます。
問12:正解1
<解説>
金星は大気中に二酸化炭素を大量に含み、地表付近の大気圧は地球の90倍ほどにも達します。そのため「金星表面での大気圧よりも地球の方が高い」と述べるのは誤りです。実際には金星の方が高圧の大気をもっています。
第4問
問13:正解4
<解説>
火山の噴火予測には、地下のマグマや火山ガスの動きを知るために地形の変化や地殻変動を観測します。火山周辺で山体が膨張するときは、マグマだまりの圧力が高まっている場合が考えられ、噴火の可能性が高まります。そうした観測結果をもとに噴火予測が行われるため、「山体の膨張などの地殻変動時、火山の噴火の予測に用いられる」という説明が適切です。
問14:正解1
<解説>
火山ハザードマップを作成する際には、地質調査によって過去の噴火で生じた火山噴出物の分布や層序を調べる方法(方法a)と、歴史的な記録を集めて、いつどのような噴火が起こったかを整理する方法(方法b)の両方が有効です。いずれも火山活動の履歴や特徴を把握するために欠かせない手段であり、組み合わせて考察することで、より正確なハザードマップの作成に役立ちます。
問15:正解1
<解説>
フロンガス(CFC)などによる成層圏オゾンの破壊が問題視されています。実際には、フロンガスによって成層圏のオゾン量は減少し、地表に到達する紫外線量が増加するため、生物や人間に有害な影響が及びます。「フロンガスにより成層圏のオゾンが増加する」という説明は事実とは逆です。