2019年度 大学入試センター試験 本試験「倫理」の問題冊子をPDFで公開しています。全設問の解答・解説も無料で読めます。印刷して実戦形式の演習にお使いください。
目次
この問題の概要
試験時間60分・満点100点。大問4題・小問36問はすべて必答で、第1問28点・第2問24点・第3問24点・第4問24点という配点です。第1問が家族と自己をめぐる現代の課題、第2問が源流思想、第3問が日本思想、第4問が西洋近現代思想という倫理の定番の並びでした。この年はロールズ・藤原惺窩・九鬼周造という三つの原典の抜粋が出題され、知識だけでは決まらない設問が各大問に入りました。全体の難易度は標準です。
| 大問 | 出題内容 | 配点 | 難易度 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 第1問 | 家族と自己(高校生の会話文、生殖技術の発達と家族、家族と食事をともにする頻度の調査、ステレオタイプ、男女共同参画や災害支援などの支え合い、近代日本の家族と結婚、ヤスパース・トルストイ・小林秀雄の自己論、構造主義、ロールズの正義感覚を論じた文章、本文のまとめ) | 28 | ★★★☆☆ | 配点が最も大きい大問。問9のロールズは家族や友情と正義がどうつながるかを本文から読み取る設問で、『正義論』の知識だけでは足りない |
| 第2問 | 源流思想と自然・医療(古代から近世の自然観、ヒポクラテスと医者のモラル、朱子学の理と気、道家と儒家の心身観、諸思想の死生観、安息日にイエスが病人を癒やした場面、イスラームの六信五行、仏教の慈悲、本文のまとめ) | 24 | ★★★☆☆ | 「病を癒やす」という切り口でギリシア・中国・インド・キリスト教・イスラームが一巡する。問13の理気論は「理=原理、気=素材」と一言で押さえておけば取れる |
| 第3問 | 日本思想(古代の神への態度、鎌倉新仏教の開祖たち、中世から近世の武士の精神、幽玄・わび・さびなどの美意識、藤原惺窩が説く主君の心のあり方、幕末の思想家、近代日本のキリスト者、西田幾多郎の絶対無、本文のまとめ) | 24 | ★★★★☆ | 4題の中で最も細かい。問24の藤原惺窩は原典の抜粋で、人物の知識より本文の主張を追う力が要る。美意識の用語は時代と結びつけて覚えておきたい |
| 第4問 | 西洋近現代思想(マキャヴェリの政治思想、ベーコンの四つのイドラ、経験論と合理論とライプニッツ、ヘーゲルの絶対精神と歴史、九鬼周造が論じたニーチェの運命愛、サルトルの実存主義、ダーウィンとスペンサー、本文のまとめ) | 24 | ★★★☆☆ | 「運命」という軸で近世から現代までが並ぶ。問33の九鬼周造は原典だが、ニーチェの運命愛=あるがままの運命を肯定するという一点が分かっていれば選べる |
対策のポイント: 倫理は用語の暗記だけでは頭打ちになります。思想家ごとに「何を批判して、何を代わりに置いたか」という一文を作っておくと、初見の原典が出ても筆者の立ち位置を推測できるようになります。この年のように原典が三つも出る場合、本文を読む時間を確保することが最優先です。知識で即答できる設問を先に処理して、読解に時間を残す進め方をおすすめします。各設問の詳しい解き方は上の「解答・解説はこちら」からどうぞ。
※ 難易度は当サイトの独自評価です(★1 基礎 〜 ★5 難)。

