2023年度 大学入学共通テスト 追試験 地理A 解答・解説

2023年度 大学入学共通テスト 追試験「地理A」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。

目次
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解答

解説

第1問 地理的技能と日本の自然災害・防災(配点20)

Aで正距方位図法・陰影起伏図・地形図の読み取りという地理的技能を、Bで日本の地震・ハザードマップ・伝統的な備えを扱う大問です。「適当でないもの」を選ぶ形式が3問あるので、消去法で確実に潰していく姿勢が求められます。

問1:正解 ①(解答番号1/配点3)

<問題要旨>

地点Dを中心とした正距方位図法による世界地図(図1)について述べた文として、適当でないものを選ぶ問題です。図中には線分D—Eと線分F—Gが同じ長さで示されています。

<考え方>

正距方位図法で正しく表されるのは「図の中心からの距離」と「図の中心からの方位」だけです。中心を通らない2地点の間では、距離も方位も正しくありません。この一点で①と②③④を切り分けられます。

<選択肢>

①【適当でない】

線分D—Eは中心Dを通るので実距離を正しく表しますが、線分F—Gは中心を通らないので実距離を表しません。図上で同じ長さでも、地球上の実距離は等しくなりません。

②【適当】

正距方位図法は中心から離れるほど形や面積のひずみが大きくなり、外周付近では極端に引き伸ばされます。

③【適当】

正距方位図法では中心からの方位が正しく表されます。図1で地点Hは地点Dから見て右上(北東)の方向にあります。

④【適当】

地図の外周は中心Dの対蹠点にあたり、そこまでの距離は地球一周(約4万km)の半分、つまり約2万kmです。

正解【①】

適当でないものを選ぶ問題なので①が正解です。

問2:正解 ⑤(解答番号2/配点4)

<問題要旨>

ある平野の氾濫原について陰影をつけて起伏を表現した地図(図2)の地点Lでみられる地形(a 旧河道/b 後背湿地/c 自然堤防)と、その土地利用(ア 主に集落や畑/イ 主に水田)の組合せを選ぶ問題です。

<考え方>

氾濫原の三点セットは高さの順で覚えます。自然堤防(微高地)> 一般の氾濫原 > 後背湿地・旧河道(低湿地)。陰影起伏図では、まわりよりわずかに高く帯状に浮き上がって見えるのが自然堤防、細長くくぼんで蛇行しているのが旧河道です。土地利用は、水はけのよい微高地が集落・畑、水はけの悪い低地が水田になります。

<選択肢>

地点Lの地形=c(自然堤防)【正】

地点Lは、蛇行した旧河道のくぼみに挟まれて帯状に高まっている部分にあります。旧河川が氾濫のたびに岸に砂を堆積させてできた自然堤防です。

a(旧河道)【誤】

旧河道は図2で細長く曲がりくねってくぼんでいる部分で、地点Lそのものではありません。

b(後背湿地)【誤】

後背湿地は自然堤防の背後に広がる平坦な低地で、図2では地点J周辺のように区画された水田が広がる範囲にあたります。

土地利用=ア(主に集落や畑)【正】

自然堤防は周囲よりわずかに高く水はけがよいため、古くから集落や畑に利用されてきました。水田になるのは水の得やすい後背湿地の側です。

正解【⑤】

地形=c、土地利用=アの組合せなので⑤が正解です。

問3:正解 ①(解答番号3/配点3)

<問題要旨>

かつて宿場町として栄え、現在は旧街道沿いに伝統的な建物が並ぶ二つの地域の地形図(図3のPとQ)について述べた文として、適当でないものを選ぶ問題です。

<考え方>

等高線の間隔と並び方から、街道が「尾根の上」を通るのか「谷の底」を通るのかを読み分けます。等高線が高いほうへ食い込んでいれば谷、低いほうへ張り出していれば尾根です。集落の位置がその線の上にあるかを確かめます。

<選択肢>

①【適当でない】

Pの宿場町は、等高線が低いほうへ張り出す尾根状の高まりの上を通る街道に沿って形成されています。両側は谷になっており、「尾根に挟まれた谷底」ではありません。

②【適当】

Pの旧街道沿いは、南西へ向かうにつれて等高線の数値が小さくなり、標高が低くなっていきます。

③【適当】

Qの宿場町は谷沿いの緩やかな斜面上にあり、街道は西へ向かってゆるやかに傾斜する面を通っています。

④【適当】

Qの地図では、かつての宿場町であった集落の西側を、太い実線で示された国道が南北に走っています。

正解【①】

適当でないものを選ぶ問題なので①が正解です。

問4:正解 ④(解答番号4/配点3)

<問題要旨>

日本列島周辺で発生する地震の特徴と、その被害や対策について述べた文章中の下線部①〜④のうち、適当でないものを選ぶ問題です。

<考え方>

海溝型地震の発生機構、直下型地震の被害の特徴、耐震化、緊急地震速報の4点です。とくに緊急地震速報は「予知」ではないという点が、防災分野で繰り返し問われます。

<選択肢>

①【適当】

海溝型地震は、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む際に大陸プレートの先端が引きずり込まれ、蓄積したひずみが限界に達して急速に解放されることで発生します。

②【適当】

直下型(内陸型)地震は震源が浅く、人々の居住地と震源が近いと揺れが強く伝わるため被害が大きくなりやすくなります。

③【適当】

建物の倒壊による被害を減らすため、建築基準法の改正や既存建築物の耐震補強が進められています。

④【適当でない】

緊急地震速報は、震源に近い観測点でP波(初期微動)をとらえ、その情報を大きな揺れであるS波(主要動)が届く前に知らせる仕組みです。地震の発生そのものを事前に予知しているわけではありません。

正解【④】

適当でないものを選ぶ問題なので④が正解です。

問5:正解 ①(解答番号5/配点4)

<問題要旨>

海に面したある地域について、地形の起伏を表した地図と、自然災害の種類別の危険度を示した3枚の地図(カ〜ク)が示されています。液状化・河川による洪水・地震の揺れと、カ〜クとの正しい組合せを選ぶ問題です。

<考え方>

それぞれの災害が「どこで起きるか」を先に決めます。液状化は地下水位が高く砂層のゆるい埋立地・干拓地、洪水は河川の流路に沿った低地、地震の揺れは軟弱地盤の平野部全体で高くなります。分布の形(帯状か、面的か、埋立地に限られるか)で見分けます。

<選択肢>

液状化=カ【正】

カは、地形の起伏図で平坦に描かれた海沿いの埋立地にあたる範囲が集中的に「高」となっています。液状化は埋立地や干拓地など、地下水位が高くゆるく堆積した砂層で起こりやすい現象です。

洪水=キ【正】

キは、内陸から海へ流れ下る河川の流路に沿って帯状に危険度が分布しています。河川の氾濫による浸水の想定範囲を示していると読めます。

地震の揺れ=ク【正】

クは平野部の広い範囲が一様に「中」以上で覆われ、埋立地でとくに「高」となっています。軟弱地盤ほど揺れが増幅されるという性質と合致します。

正解【①】

液状化=カ、洪水=キ、地震の揺れ=クの組合せなので①が正解です。

問6:正解 ⑤(解答番号6/配点3)

<問題要旨>

日本のいくつかの地域における、自然環境や自然災害に対する備えを撮影した3枚の写真(サ〜ス)と、その特徴を述べた文X(強風から家屋を守る)・Y(洪水時の浸水被害を軽減する)・Z(積雪時の移動通路を確保する)との組合せを選ぶ問題です。

<考え方>

それぞれの写真に何が写っているかを、備えの「かたち」から読み取ります。通りに沿って庇が長く張り出していれば通路の確保、家のまわりを樹木が囲んでいれば防風、堤防や盛土の上に建物があれば浸水対策です。

<選択肢>

サ=Z(積雪時の移動通路)【正】

町並みの家々から庇が長く張り出し、その下が連続した歩行空間になっています。雪国で発達した雁木(がんぎ)で、積雪時にも通行できるようにするための工夫です。

シ=X(強風から家屋を守る)【正】

水田の中に、樹木に囲まれた家屋が点在しています。家のまわりに植えられた屋敷林(防風林)で、散居村などでみられる強風対策です。

ス=Y(洪水時の浸水被害を軽減する)【正】

堤防状に高く盛られた土地の上に家屋が建っています。低平地で浸水を避けるために宅地をかさ上げした備えです。

正解【⑤】

サ=Z、シ=X、ス=Yの組合せなので⑤が正解です。

第2問 世界の生活・文化(配点20)

伝統的な楽器、自然環境に対応した住居、アフリカの宗教分布、食文化の接触、ヨーロッパの観光、時差の利用と、生活文化を多角的に扱う大問です。なお公開されている問題冊子では、問1の写真1(ア〜ウの3枚すべて)が省略されています。

問1:正解 ⑥(解答番号7/配点3)

<問題要旨>

伝統的な楽器の演奏や儀式の様子を撮影した写真ア〜ウと、図1中の地域A〜Cとの組合せを選ぶ問題です。Aはユーラシア内陸部(モンゴル・中央アジア付近)、Bは東南アジアの島嶼部(ジャワ島付近)、Cはシベリア北東部(極北の先住民の居住域)を指しています。なお公開されている問題冊子では写真が3枚とも省略されているため、ここでは各地域を代表する楽器・儀式から対応を示します。

<考え方>

手がかりは地域の自然環境と生業です。乾燥した草原で遊牧が営まれる内陸部、熱帯の島で稲作と王朝文化が発達した地域、寒冷なツンドラで狩猟・トナカイ飼育が営まれる極北。それぞれに結びつく楽器を思い出します。

<選択肢>

ア=C(シベリア北東部)【正】

極北の先住民の間では、シャーマンが儀式で用いる片面太鼓が広く知られています。トナカイの皮を張った太鼓を打ち鳴らして精霊と交信する儀礼です。

イ=B(東南アジアの島嶼部)【正】

ジャワ島・バリ島では、青銅製の打楽器を中心とする合奏音楽ガムランが、寺院の儀礼や影絵芝居の伴奏として演奏されます。

ウ=A(ユーラシア内陸部)【正】

モンゴルの馬頭琴(モリンホール)に代表される弦楽器が、遊牧民の生活と結びついて伝えられてきました。

正解【⑥】

ア=C、イ=B、ウ=Aの組合せなので⑥が正解です。

問2:正解 ④(解答番号8/配点3)

<問題要旨>

図1中の地点x(大西洋に面した島)とy(北極圏内)でみられる、自然環境に対応した住居を撮影した写真2について述べた文章中の下線部①〜④のうち、適当でないものを選ぶ問題です。

<考え方>

高緯度の高床式住居は、日本の雪国のイメージで解くと必ず外します。北極圏は降水量が少なく多雪ではありません。高床にする理由は、建物から出る熱で永久凍土が融け、地盤が沈下して建物が傾くのを防ぐためです。

<選択肢>

①【適当】

地点xは北緯50〜60度付近の大西洋上の島にあたり、年間を通して偏西風(強い西風)が卓越します。

②【適当】

樹木の乏しい島では、周囲で得られる石を積んで壁とし、屋根には草(芝や藁)を用いた伝統的住居がつくられてきました。写真の住居もその形です。

③【適当】

寒冷地では熱が逃げるのを防ぐため、窓を小さくして断熱性を高めます。

④【適当でない】

北極圏は降水量がきわめて少なく、多雪地帯ではありません。床面を地表から離す高床式にするのは、建物の熱が地面に伝わって永久凍土を融かし、地盤が沈下して建物が傾くのを防ぐためです。

正解【④】

適当でないものを選ぶ問題なので④が正解です。

問3:正解 ③(解答番号9/配点4)

<問題要旨>

アフリカのいくつかの国における宗教別の人口割合を示した図2について、凡例EとF(イスラームとキリスト教のいずれか)のうちイスラームに該当するものと、文章中の空欄サ(アフリカ東部でFの教徒が多い背景となった交易に利用されたもの)との組合せを選ぶ問題です。

<考え方>

アフリカの宗教分布は南北で分かれます。サハラ以北と西アフリカの内陸〜サヘルはイスラーム、中部・南部はヨーロッパの植民地支配とともに広まったキリスト教。東アフリカ沿岸のイスラームは、インド洋を往来したダウ船の交易によるものです。この帆船が利用したのは季節ごとに向きを変える風でした。

<選択肢>

イスラーム=F【正】

図2で北部・北西部の国はFが大部分を占めています。また文章は「Eは北東部の一部の国で古くから信仰され、中部や南部では植民地期以降に教徒が増えた」としており、これはエチオピアの正教会と、植民地化に伴うキリスト教の拡大を指すのでE=キリスト教です。したがってF=イスラームになります。

イスラーム=E【誤】

Eを植民地期以降に中部・南部で増えた宗教と説明している以上、Eはキリスト教です。

サ=季節風【正】

インド洋では、夏に南西風、冬に北東風と半年ごとに向きの変わる季節風(モンスーン)が吹きます。アラビア半島とアフリカ東岸を結ぶダウ船はこの風を利用して往復し、その交易を通じてイスラームが広まりました。

サ=貿易風【誤】

貿易風は低緯度で年間を通じて一定の向きに吹く風で、往復の航海には向きません。インド洋交易の特徴を説明する語としてはあてはまりません。

正解【③】

イスラーム=F、サ=季節風の組合せなので③が正解です。

問4:正解 ③(解答番号10/配点3)

<問題要旨>

ベトナムでみられる、表面が硬いパンに具を挟んだ料理(写真3)について、空欄タ(このパンに影響を与えた国。中国かフランス)と、空欄チ(この地域の伝統的な調味料の説明。J 魚と塩を原料とする発酵液体/K トマトと塩を原料とするペースト)の組合せを選ぶ問題です。

<考え方>

写真の細長い硬いパンはバゲットです。ベトナムがどの国の植民地支配を受けたかを思い出せばタは決まります。チは、東南アジアの食文化を特徴づける調味料が何かを考えます。

<選択肢>

タ=フランス【正】

ベトナムは19世紀後半からフランス領インドシナに組み込まれ、バゲットやコーヒーなどフランスの食文化が持ち込まれました。この料理はバインミーと呼ばれます。

タ=中国【誤】

中国からは箸の使用や麺の文化が伝わっていますが、表面の硬いバゲット状のパンは中国由来ではありません。

チ=J【正】

ベトナムのヌクマム(ニョクマム)に代表される魚醤です。小魚を塩漬けにして発酵させた液体調味料で、タイのナンプラーや日本のしょっつるも同系統です。

チ=K【誤】

トマトと塩を原料とするペーストは地中海沿岸やラテンアメリカの食文化に結びつくもので、東南アジアの伝統的な調味料ではありません。

正解【③】

タ=フランス、チ=Jの組合せなので③が正解です。

問5:正解 ⑥(解答番号11/配点4)

<問題要旨>

ヨーロッパのいくつかの国について、2018年の外国人延べ宿泊者数に占める上位3か国とその割合、および2019年の国際観光収支を示した表1のP〜Rが、イギリス・スペイン・ドイツのいずれにあたるかを選ぶ問題です。国際観光収支は、外国人旅行者の国内支出から自国民の海外旅行支出を差し引いた値です。

<考え方>

まず国際観光収支の符号で大きく2つに分けます。地中海のリゾートに大量の外国人客を受け入れる国は大幅な黒字、逆に自国民が盛んに海外へ出かける国は赤字になります。そのうえで、上位に挙がる国が地続きの隣国か大西洋の対岸かを見ます。

<選択肢>

Q=スペイン【正】

国際観光収支が+517億ドルと唯一の大幅黒字です。地中海沿岸のリゾートに北ヨーロッパから大量の観光客が訪れる国で、その1位がR(イギリス)で26.8%を占めることとも符合します。

P=ドイツ【正】

国際観光収支が−501億ドルと最も大きな赤字で、自国民の海外旅行支出が非常に大きいことを示します。宿泊者の上位がオランダ13.0%、スイス7.9%と陸続きの隣国で占められている点も、ヨーロッパ中央に位置する国の特徴です。

R=イギリス【正】

国際観光収支は−190億ドルの赤字。宿泊者の1位がアメリカ合衆国10.9%で、大西洋を挟んだ英語圏との結びつきが表れています。

正解【⑥】

イギリス=R、スペイン=Q、ドイツ=Pの組合せなので⑥が正解です。

問6:正解 ④(解答番号12/配点3)

<問題要旨>

地域間の時差を利用した事例としては適当でないものを選ぶ問題です。

<考え方>

「時差の利用」とは、地域によって時刻が異なることを積極的に活かす行為です。同じ地域の中で時刻の基準そのものをずらす制度は、地域間の時差を利用したことにはなりません。

<選択肢>

①【適当】

アメリカ合衆国とインドはほぼ昼夜が逆転します。両国の企業が連携すれば、一方が就業を終えた作業を他方が引き継ぎ、24時間の開発体制を組めます。

②【適当】

キリバスは日付変更線をまたぐ位置にあり、東端の島は世界で最も早く日付が変わります。この時差を目当てに観光客が訪れています。

③【適当】

開催地とアメリカ合衆国との時差を考慮して競技時間を決めれば、現地では早朝や午前でも、アメリカ合衆国では視聴しやすい時間帯になります。

④【適当でない】

サマータイム(夏時間)は、日照時間の長い夏季に時計を1時間進めて明るい時間帯を有効に使う制度です。自国の時刻の基準を季節でずらすものであり、地域間の時差を利用したものではありません。

正解【④】

適当でないものを選ぶ問題なので④が正解です。

第3問 東南アジア(配点20)

東南アジアの気候と植生、地形と交通、農作物の分布、宗教と祝祭日、産業構造、輸出依存度と人口という6つの切り口で地域を読み解く大問です。統計地図・棒グラフ・表と、資料の種類が毎問変わります。

問1:正解 ③(解答番号13/配点3)

<問題要旨>

図2中の地点B(インドシナ半島南部)に該当する降水量のグラフ(図1のア〜ウ)と、その気候区でみられる特徴的な植生の模式図(図3のjとk)の組合せを選ぶ問題です。図1は3〜5月・6〜8月・9〜11月・12〜2月の4期に分けた降水量、図3のjは樹高20m前後の樹木がまばらに立ち下草に草原が広がる景観、kは樹高40m近い樹木が密生する景観です。

<考え方>

東南アジアの降水パターンは、赤道に近いほど年中多雨、緯度が上がるほど雨季と乾季の差が大きくなります。地点Bは北緯10度付近で、南西モンスーンの吹く5〜11月が雨季、12〜4月が乾季です。植生は、乾季がはっきりしていれば疎林と草原(サバナ)、年中多雨なら多層構造の熱帯雨林になります。

<選択肢>

降水量=イ【正】

イは6〜8月が1220mm、9〜11月が1050mmと多く、12〜2月がわずか130mmと極端に少なくなっています。雨季(およそ5〜11月)と乾季(12〜4月)がはっきり分かれる、インドシナ半島南部の降水パターンと一致します。

降水量=ア【誤】

アは12〜2月も730mmと多く、年間を通じて雨が多いパターンです。赤道により近い地点にあたります。

降水量=ウ【誤】

ウは6〜8月に1410mmが集中し、12〜2月がほぼ0mmと乾季が極端に長い、より内陸的なパターンです。

模式図=j【正】

jは樹高20m前後の樹木がまばらに立ち、その下に草原が広がる景観で、乾季に落葉する疎林(サバナ)を表しています。乾季のはっきりした地点Bの気候に対応します。

模式図=k【誤】

kは樹高40m近い高木が密生する多層構造で、年中高温多雨の熱帯雨林の景観です。

正解【③】

降水量=イ、模式図=jの組合せなので③が正解です。

問2:正解 ④(解答番号14/配点3)

<問題要旨>

図2中のカ(インドネシア東部の島々を囲む範囲)〜ケ(インドシナ半島の大河川)に関する文章中の下線部①〜④のうち、適当でないものを選ぶ問題です。

<考え方>

ケはインドシナ半島を南北に貫き、河口に広大なデルタを形成する河川です。この河川の下流域で世界的に知られる作物が何かを考えます。低湿なデルタで大規模に栽培されるのは、水を必要とする作物です。

<選択肢>

①【適当】

カの範囲は環太平洋造山帯とアルプス=ヒマラヤ造山帯が交わる位置にあたり、多数の火山が分布し地震も多発しています。

②【適当】

キの島はジャワ島で、インドネシアの人口の半分以上が集中する同国最大の人口を擁する島です。棚田を含む稲作も盛んです。

③【適当】

クの海峡はマラッカ海峡で、インド洋と南シナ海を結び、南アジア・西アジアと東アジアをつなぐ海上交通の要衝となっています。

④【適当でない】

ケの河川はメコン川です。河口部にはメコンデルタが広がり、下流域は世界有数の「米」の産地です。ベトナムは世界有数の米輸出国であり、綿花栽培地帯ではありません。

正解【④】

適当でないものを選ぶ問題なので④が正解です。

問3:正解 ④(解答番号15/配点3)

<問題要旨>

東南アジアにおける農作物の主な栽培地点を示した図4のP〜Rと、それぞれの景観を撮影した写真1のサ〜スとの組合せを選ぶ問題です。サは道路の両側に同じ形の樹木が整然と並ぶ大規模農園、シは水を張った田に苗が植えられた景観、スは丘陵地に樹木が茂る景観です。

<考え方>

図4は色の濃い部分ほど標高が高いことを示しています。Pはインドシナ半島中部の低平な平野、Qはその東側の内陸、Rはボルネオ島です。それぞれの地域を代表する作物と、写真の景観を突き合わせます。

<選択肢>

P=シ(水田)【正】

Pはチャオプラヤ川の流域にあたる低平な平野で、東南アジア有数の稲作地帯です。写真シの水を張った田はこの景観にあたります。

Q=ス【正】

Qはインドシナ半島南東部の内陸にあたり、天然ゴムの栽培が盛んな地域です。写真スの丘陵地に茂る樹木がこれにあたります。

R=サ(アブラヤシ農園)【正】

Rはボルネオ島で、マレーシア・インドネシアがともに世界有数の生産国であるアブラヤシ(油やし)のプランテーションが広がっています。写真サの、道路の両側に同じ形の樹木が整然と並ぶ景観がそれです。

正解【④】

P=シ、Q=ス、R=サの組合せなので④が正解です。

問4:正解 ⑥(解答番号16/配点4)

<問題要旨>

東南アジアのいくつかの国における、宗教に関係する祝祭日を時期別に示した表1のタ〜ツが、シンガポール・タイ・フィリピンのいずれにあたるかを選ぶ問題です。

<考え方>

祝祭日の「宗教の種類の数」に注目します。一つの宗教でまとまっている国、キリスト教が中心の国、複数の宗教の祝日が並ぶ国という三つのパターンに分かれます。

<選択肢>

チ=タイ【正】

万仏節・灌仏節・仏誕節・三宝節と、並んでいるのはすべて仏教の祝祭日です。国民の9割以上が上座仏教を信仰するタイにあたります。

タ=フィリピン【正】

聖木曜日・聖金曜日・聖土曜日・諸聖人の日・聖マリアの祝日・クリスマスと、キリスト教(カトリック)の祝祭日が中心です。スペインによる植民地支配を受けた歴史を反映しています。ラマダーン明け祝日があるのは、南部のミンダナオ島にムスリムが居住するためです。

ツ=シンガポール【正】

聖金曜日(キリスト教)、ラマダーン明け祝日・イスラム教犠牲祭(イスラーム)、仏誕節(仏教)、ヒンドゥー灯明祭(ヒンドゥー教)、クリスマスと、4つの宗教の祝祭日が並んでいます。華人・マレー系・インド系からなる多民族国家の特徴です。

正解【⑥】

シンガポール=ツ、タイ=チ、フィリピン=タの組合せなので⑥が正解です。

問5:正解 ③(解答番号17/配点3)

<問題要旨>

東南アジアにおける、第1次産業就業者の割合/1人当たりGNI/GDPに占める製造業の割合/GDPに占める石油収入の割合のいずれかを国別に示した図5の①〜④から、第1次産業就業者の割合に該当するものを選ぶ問題です。

<考え方>

第1次産業就業者の割合は、経済発展の水準と逆の分布になります。したがって「所得の低い内陸の国で高位、所得の高い都市国家や資源国で低位」という塗り分けを探せば決まります。1人当たりGNIや石油収入は、まさにその逆の分布になります。

<選択肢>

③【正しい】

ミャンマー・ラオス・カンボジア・ベトナムといったインドシナ半島の国々が高位、マレーシアやフィリピンが低位となっています。農業に従事する人口の割合が高い国と低い国の分布に一致します。

①【誤り】

ミャンマー・ラオスに加えてマレー半島部やボルネオ島北部が高位となっており、第1次産業就業者の分布としては不自然です。

②【誤り】

マレー半島部とボルネオ島北部が高位で、これらは石油・天然ガスの産出や製造業の集積で知られる地域です。

④【誤り】

マレーシア・ブルネイが高位、ミャンマー・ラオス・タイが低位という、経済水準の高い国ほど高くなる分布です。1人当たりGNIに対応します。

正解【③】

第1次産業就業者の割合に該当するのは③です。

問6:正解 ①(解答番号18/配点4)

<問題要旨>

東南アジアのいくつかの国を、輸出依存度(GDPに対する輸出額の割合)と人口によって4つに分類した表2について、空欄X〜Zに当てはまる国群(マ インドネシア・ミャンマー/ミ カンボジア・マレーシア/ム タイ・ベトナム)の組合せを選ぶ問題です。

<考え方>

まず人口5000万人の線で切ります。インドネシア(約2.7億)、フィリピン(約1.1億)、ベトナム(約9600万)、タイ(約7000万)、ミャンマー(約5400万)が5000万人以上。マレーシア(約3200万)、カンボジア(約1600万)、ラオス、シンガポール、ブルネイが5000万人未満です。次に輸出依存度で切ります。国内市場が大きい国ほど依存度は低く、加工貿易型の国ほど高くなります。

<選択肢>

X=マ(インドネシア・ミャンマー)【正】

どちらも人口5000万人以上です。インドネシアは国内市場が大きく輸出依存度は2割程度、ミャンマーも同様に低く、ともに「人口5000万人以上・輸出依存度50%未満」に入ります。同じ枠にフィリピンが並んでいることとも整合します。

Y=ミ(カンボジア・マレーシア)【正】

どちらも人口5000万人未満です。カンボジアは縫製品、マレーシアは電子部品の輸出に大きく依存しており、輸出依存度は50%を超えます。同じ枠にシンガポールが並んでいることとも整合します。

Z=ム(タイ・ベトナム)【正】

どちらも人口5000万人以上で、加工貿易型の工業化が進み輸出依存度が50%を超えています。とくにベトナムは輸出額がGDPに匹敵する水準です。

正解【①】

X=マ、Y=ミ、Z=ムの組合せなので①が正解です。

第4問 都市への人口集中とその課題(配点20)

高校生のサヤさんたちが、都市への人口集中とそれに伴う課題を発展途上国と先進国とで比較しながら探究するという設定の大問です。都市人口率と首位都市、大都市圏の発展段階モデル、マニラと東京の人口推移、交通渋滞対策、そしてスラム問題までを扱います。

問1:正解 ④(解答番号19/配点3)

<問題要旨>

いくつかの国における都市人口率(2015年)、都市人口の増加率(1990〜2015年)、総人口に占める首位都市の人口割合を示した表1のア〜ウが、イギリス・タイ・ブラジルのいずれにあたるかを選ぶ問題です。

<考え方>

3つの指標を順に使って絞ります。都市人口率が飛び抜けて低ければ都市化がまだ途上、都市人口の増加率が低ければ都市化がすでに完了、首位都市の割合が低ければ大都市が分散している国です。

<選択肢>

ウ=タイ【正】

都市人口率が47.7%と3つの中で際立って低く、都市人口の増加率は96.7%と最も高くなっています。都市化が現在進行中の発展途上国の姿です。首位都市バンコクの割合12.4%は、国内人口の1割強を一都市が占める一極集中型を示します。

イ=イギリス【正】

都市人口率82.6%と高い一方、都市人口の増加率は20.9%と最も低くなっています。産業革命以来の都市化が早くに完了した国の特徴です。首位都市ロンドンの割合は12.7%です。

ア=ブラジル【正】

都市人口率85.8%と高く、増加率も60.0%と大きい一方、首位都市の割合が5.8%と際立って低くなっています。サンパウロ・リオデジャネイロ・ブラジリアなど大都市が複数分散している国土構造を反映しています。

正解【④】

イギリス=イ、タイ=ウ、ブラジル=アの組合せなので④が正解です。

問2:正解 ②(解答番号20/配点3)

<問題要旨>

日本の大都市圏における発展段階モデル(図1)の地点a〜dのうち、「インフラストラクチャーが十分に整備されないままに無秩序な開発が相次ぎ、居住環境に課題のみられる住宅地が形成されるようになった」という問題に当てはまる地点を選ぶ問題です。

<考え方>

図1は4段階のモデルです。第1段階は中心都市だけが人口割合を伸ばす都市化、第2段階は中心都市に加え郊外の内側が伸びる郊外化の始まり、第3段階は郊外全体が伸びて中心都市が減る郊外化の進行(ドーナツ化)、第4段階は再び中心都市が伸びる再都市化。設問の問題文が指しているのはスプロール現象で、これは郊外化が始まって都市が外へ広がり出した段階に生じます。

<選択肢>

②(地点b)【正】

bは第2段階で、中心都市に隣接する郊外の内側が人口割合を伸ばし始めた範囲にあります。都市が外へ広がり始めるこの時期に、道路や上下水道などの整備が追いつかないまま住宅地が虫食い状に広がるスプロール現象が起こります。

①(地点a)【誤り】

aは第1段階の郊外地域で、まだ人口割合が低下している範囲です。無秩序な宅地開発が問題になる段階ではありません。

③(地点c)【誤り】

cは第3段階の中心都市で、人口割合が低下している範囲です。ここで問題になるのはインナーシティ問題(都心部の空洞化・老朽化)です。

④(地点d)【誤り】

dは第4段階の中心都市で、再開発によって人口割合が再び上昇している範囲です。

正解【②】

最も適当なものを選ぶ問題なので②が正解です。

問3:正解 ③(解答番号21/配点4)

<問題要旨>

マニラ大都市圏と東京大都市圏における中心都市と周辺地域、およびそれぞれの国における両大都市圏以外の地域の人口推移を示した図2について、会話文中の下線部f〜hの正誤の組合せを選ぶ問題です。

<考え方>

fは東京大都市圏の周辺地域で人口増加が鈍った理由、gはマニラ大都市圏の中心都市で人口増加が大きい理由、hは今後の人口移動の見通しです。gは「誰が移動しているのか」に注目してください。発展途上国の大都市へ流入するのは、仕事を求める若年層です。

<選択肢>

f【正】

東京大都市圏の周辺地域(埼玉・千葉・神奈川)は、高度経済成長期からバブル期にかけて住宅取得を目的とした流入が続きましたが、その後は流入が細り、当時移り住んだ世代がそのまま高齢化しています。図2で周辺地域の増加が近年ほぼ横ばいになっていることと整合します。

g【誤】

発展途上国の大都市へ流入するのは、農村での就業機会が乏しく仕事を求める若年層が中心です。高齢者が利便性を求めて大都市へ移り住むのは、むしろ先進国でみられる動きです。

h【正】

図2でマニラ大都市圏以外の地域の人口は1980年の約50百万人から2015年の約95百万人へと増え続けています。人口を送り出す側の母数が増え続けている以上、大都市圏への流入は今後も続くと考えられます。

正解【③】

f=正、g=誤、h=正なので③が正解です。

問4:正解 ③(解答番号22/配点3)

<問題要旨>

先進国の都市交通にかかわる取組みのうち、交通渋滞解消のための取組みとしては適当でないものを選ぶ問題です。

<考え方>

判定の基準は一つです。「都市中心部を走る自動車の台数が減るかどうか」。台数が減らない取組みは、ほかにどんな効果があっても渋滞の解消にはなりません。

<選択肢>

①【適当】

パークアンドライドです。郊外の駅に車を置いて鉄道に乗り換えさせることで、都心部へ流入する自動車の台数が減ります。

②【適当】

シェアサイクルと駐輪場の整備によって自動車から自転車への転換が進めば、走行する自動車が減ります。

③【適当でない】

ガソリン自動車から電気自動車への転換は、排出ガスによる大気汚染を減らす取組みです。走行する自動車の台数は変わらないため、交通渋滞の解消にはつながりません。

④【適当】

ロードプライシング(混雑課金)です。都心部に乗り入れる自動車に課金することで流入台数を抑えます。ロンドンやシンガポールで導入されています。

正解【③】

適当でないものを選ぶ問題なので③が正解です。

問5:正解 ②(解答番号23/配点4)

<問題要旨>

ジャカルタにおける交通手段の利用割合の変化を示した表2と、鉄道・地下鉄の路線および都心部に向かう鉄道の乗車率を示した図3をもとにした会話文について、下線部①〜④のうち誤りを含むものを選ぶ問題です。乗車率は、朝の時間帯の都心方面への乗客数を収容可能乗客数で割ったものです。

<考え方>

表2と図3のどちらか一方だけを見ると引っかかります。表2で鉄道の利用割合は1.3%→1.4%とごくわずかですが、図3の乗車率は175〜272%です。「利用割合が小さいこと」と「車内が空いていること」は別の話だ、という点が最大のポイントです。

<選択肢>

①【正しい】

表2でバスは32.8%→2.4%、徒歩・自転車は40.3%→17.0%と大幅に低下する一方、バイクは13.1%→62.8%、自家用車は8.7%→12.0%と上昇しています。

②【誤りを含む】

鉄道の利用割合が小さいことは表2の通りですが、図3の乗車率は175%・200%・232%・272%といずれも定員を大きく超えており、車内は極度に混雑しています。「車内の混雑も少ない」は図3と矛盾します。

③【正しい】

図3で地下鉄(2019年)の実線は都心部と周辺地域を結んでおり、点線で示された計画路線がさらに延びています。

④【正しい】

交通渋滞は、走行中の自動車やバイクによる騒音・大気汚染をもたらし、沿道の生活環境に影響を及ぼします。

正解【②】

誤りを含むものを選ぶ問題なので②が正解です。

問6:正解 ④(解答番号24/配点3)

<問題要旨>

発展途上国において都市への人口流出を引き起こす農村側の要因(空欄F。雇用機会か余剰労働力)と、都市において発生する問題(空欄G。空き家かスラム)の組合せを選ぶ問題です。

<考え方>

人口移動はプッシュ要因(押し出す力)とプル要因(引き寄せる力)で説明します。ここで問われているのは「農村側の要因」なので、農村から人を押し出す力です。都市問題の側は、発展途上国の大都市で起こることと先進国で起こることを取り違えないようにします。

<選択肢>

F=余剰労働力【正】

農村では人口増加や農業の機械化によって働き口に対して人が余り、その余剰労働力が都市へ押し出されます。「雇用機会の増加」では、むしろ人は農村にとどまるので流出の説明になりません。

F=雇用機会【誤】

農村の雇用機会が増えれば流出は抑えられます。矢印の向きと逆です。

G=スラム【正】

急激な人口流入に住宅供給と都市基盤の整備が追いつかず、上下水道や電力の乏しい過密な居住地区(スラム)が形成されます。資料1の解決策に「上下水道の整備」「安定的な電力供給」が挙げられていることとも対応します。

G=空き家【誤】

空き家の増加は、人口が減少する先進国の地方都市や郊外で問題になるものです。人口が流入する発展途上国の大都市の問題ではありません。

正解【④】

F=余剰労働力、G=スラムの組合せなので④が正解です。

第5問 高知県須崎市周辺の地域調査(配点20)

香川県高松市の高校に通うセイラさんたちが、高知県須崎市周辺で地域調査を行うという設定です。ニホンカワウソを入り口に、公共交通機関、地形と土地利用の変化、農業、津波対策、生物多様性までをたどります。新旧地形図の比較(問3)が最大の山場です。

問1:正解 ②(解答番号25/配点3)

<問題要旨>

高知県と香川県から東京都・愛知県・大阪府・福岡県への公共交通機関別の旅客数を示した図1の凡例ア〜ウが、航空・鉄道・バスのいずれにあたるかを選ぶ問題です。

<考え方>

四国から本州・九州への移動は、距離と鉄道網の有無で使う手段が変わります。高知県は瀬戸大橋から遠く、東京へは航空が中心。香川県は瀬戸大橋で岡山とつながり、新幹線に乗り継げます。「高知県→東京都でほぼ100%を占める凡例は何か」から出発するのが最短です。

<選択肢>

ア=航空【正】

高知県から東京都への旅客の9割以上を占めています。高知龍馬空港と羽田を結ぶ路線が移動の主役であることを示しています。香川県から東京都でも約8割と大きく、高松空港からの路線が使われています。

ウ=鉄道【正】

香川県から愛知県(約88%)・福岡県(約75%)で圧倒的な割合を占めます。瀬戸大橋を渡って岡山で新幹線に乗り継ぐルートで、東海道・山陽新幹線の沿線へは鉄道が優位になります。

イ=バス【正】

香川県から大阪府で約78%と最も高くなっています。高松—大阪間は高速バスが多数運行され、運賃の安さから広く利用されています。高知県から大阪府でも約33%を占めます。

正解【②】

航空=ア、鉄道=ウ、バス=イの組合せなので②が正解です。

問2:正解 ③(解答番号26/配点3)

<問題要旨>

須崎市周辺の地形図(図2)と、その矢印方向の景観を立体的に示した図3について述べた文として、適当でないものを選ぶ問題です。

<考え方>

地形図と鳥瞰図を行き来しながら、地名の位置関係を確認します。とくに駅の立地は、周囲が山地なのか海岸低地なのかを図3の立体表現で確かめられます。

<選択肢>

①【適当】

図2で須崎湾から北西へ伸びる国道は、新荘川に沿って走っています。河川がつくった谷が交通路として利用されている典型例です。

②【適当】

須崎湾は入り組んだ湾入と半島が交互に並ぶリアス海岸で、土地の沈降または海面上昇によって谷が海に沈んでできた沈水地形です。

③【適当でない】

図2・図3で吾桑駅は内陸の山あいに位置しており、周囲は等高線が密な斜面に囲まれています。砂州は須崎湾の海岸部に発達する地形であり、吾桑駅の立地とは異なります。

④【適当】

蟠蛇森から吾桑駅にかけての斜面は新荘川とは尾根で隔てられており、別の水系に属します。新荘川の流域には含まれません。

正解【③】

適当でないものを選ぶ問題なので③が正解です。

問3:正解 ④(解答番号27/配点3)

<問題要旨>

須崎市中心部の1936年と2017年の2万5千分の1地形図(図4)に関して述べた文章中の下線部①〜④のうち、最も適当なものを選ぶ問題です。

<考え方>

新旧地形図の比較では、①同じ地名を両図で探して位置を合わせる、②海岸線がどこまで動いたかを見る、③地図記号(建物・工場・ため池・鉄道)の増減を数える、の順に進めます。文章の記述が「どこで」「何が」起きたと言っているかを、必ず両方の図で確かめてください。

<選択肢>

④【最も適当】

2017年図では、池山の北側に「池ノ内」の地名が記され、その周辺に建物や公共施設の記号が並び、新たな住宅地が広がっています。1936年図ではこの一帯は水田と山林でした。

①【適当でない】

2017年図で「富士ヶ浜」は市街地南側の海岸沿いに地名として残っています。鉄道は市街地の北側(山側)を通っており、埋立地上に延伸されたものではありません。

②【適当でない】

湾奥部の工場は、海面を埋め立ててできた平坦な土地の上に立地しています。「斜面に盛土して」建てられたものではありません。

③【適当でない】

2017年図でも池ノ内の水田地帯にはため池の記号が残っています。「完全に埋め立てられ」たとはいえません。

正解【④】

最も適当なものを選ぶ問題なので④が正解です。

問4:正解 ②(解答番号28/配点4)

<問題要旨>

須崎市と高知県における主な野菜の品目別作付面積と産出額を示した表と、東京都中央卸売市場におけるミョウガの生産地別入荷量と市場価格の月ごとの変化を示した図からなる資料2について、適当でないものを選ぶ問題です。

<考え方>

「特化している」という表現は、全体に占める割合が他と比べて高いことを意味します。須崎市と高知県それぞれについて、品目の作付面積を野菜合計で割った割合を出して比べれば、機械的に判定できます。

<選択肢>

①【適当】

高知県のミョウガは産出額94億円÷作付面積108ha=約0.87億円/ha、キュウリは71億円÷117ha=約0.61億円/ha。単位面積当たりの産出額はミョウガのほうが高くなっています。

②【適当でない】

須崎市のミョウガは70ha÷123ha=約57%で、高知県全体の108ha÷2029ha=約5%を大きく上回り、確かに特化しています。しかしショウガは須崎市が6ha÷123ha=約5%で、高知県全体の434ha÷2029ha=約21%を下回っており、むしろ特化していません。

③【適当】

図で入荷量の少ない1〜3月や11〜12月に市場価格は2500円/kg前後まで上がり、入荷量の多い7〜8月には1500円/kg台まで下がっています。

④【適当】

図のどの月も、高知県産(グレー)が高知県以外(白)を上回って過半数を占めています。

正解【②】

適当でないものを選ぶ問題なので②が正解です。

問5:正解 ①(解答番号29/配点3)

<問題要旨>

須崎市周辺でみられる津波への対策事例の写真とその目的をまとめた資料3について、津波への対策の目的として誤りを含むものを選ぶ問題です。

<考え方>

それぞれの構造物が「何をするためのものか」を、形から考えます。閉じるもの(水門・ゲート)は水の侵入を止めるため、伝えるもの(石碑)は記録を残すため、登るもの(階段)は避難するためです。

<選択肢>

①【誤りを含む】

河口部の水門は、津波が河川を遡上して上流の市街地に浸水するのを防ぐために閉じるものです。住民が一時的に避難するための施設ではありません。

②【正しい】

集落の海沿いの堤防は、津波の際にゲートを閉じることで海水の侵入を防ぎ、堤防より陸地側の建物の被害を軽減します。

③【正しい】

津波に関する石碑は、過去の津波がその地点まで到達したことを刻んで後世に伝え、避難の目安とするためのものです。

④【正しい】

ビルの外壁に付けられた幅の広い緩やかな階段は津波避難階段で、高台まで避難する時間がない周辺住民が緊急に垂直避難するためのものです。

正解【①】

誤りを含むものを選ぶ問題なので①が正解です。

問6:正解 ②(解答番号30/配点4)

<問題要旨>

在来種のカモシカと外来種のアライグマの生息分布を5kmメッシュで示した図5のカとキについて、アライグマに当たる分布図(空欄a)と、下線部b「人間の自然への働きかけによって長らく保たれてきた生物多様性についても、働きかけを続けていくこと」に関する取組みの具体例(X 石灰石採掘跡の植林ボランティア/Y 野焼き作業のボランティア)との組合せを選ぶ問題です。

<考え方>

在来種と外来種は分布の「かたち」が違います。在来種のカモシカは本来の生息環境である山地の森林に沿って分布し、外来種のアライグマはペットとして持ち込まれた場所を起点に都市周辺から放射状に広がります。bは「人が手を入れ続けることで保たれてきた自然」=二次的自然を指しているので、手入れをやめると失われる環境を選びます。

<選択肢>

a=カ(アライグマ)【正】

カは大阪平野・名古屋周辺・四国北部など、人口が集中する平野部とその周辺にまとまって分布しています。ペットとして持ち込まれた個体が逃げ出し・遺棄されて定着し、都市の周縁から広がった外来種の分布パターンです。

キ【—】

キは中部山岳・紀伊半島・四国山地・九州山地といった山地の森林に濃く分布しています。標高の高い森林に生息する在来種カモシカの分布です。

b=Y(野焼き)【正】

日本の草原の多くは、人が定期的に野焼きを行って樹林化を防ぐことで維持されてきた二次的自然です。担い手が減って野焼きが途絶えると草原は失われるため、「働きかけを続けていく」取組みの例として適切です。

b=X(植林)【誤】

石灰石の採掘で削り取られた斜面の植林は、人間活動によって破壊された自然を回復させる取組みです。「人間の働きかけによって長らく保たれてきた」自然にはあたりません。

正解【②】

a=カ、b=Yの組合せなので②が正解です。

※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

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