2025年度 大学入学共通テスト 本試験 生物 解答・解説

2025年度 大学入学共通テスト 本試験「生物」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。

目次
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解答

解説

2025年度 本試験「生物」は、満点100点・試験時間60分で、第1問から第5問までの5題すべてが必答です。解答番号は1〜25、解説は採点項目にあわせて全22項目に分けています。配点は第1問18点・第2問20点・第3問20点・第4問18点・第5問24点で、第5問だけが文章A・Bの二つに分かれています。

第1問は、苦味物質PTCに対する感受性の個人差を、苦味受容体遺伝子にある3か所の一塩基多型からたどる問題です。系統の考え方で突然変異の順序を決める設問、遺伝暗号表から塩基を特定して位置を数える設問、棒グラフから顕性・潜性を判定する設問と、遺伝情報の扱い方がひと通り問われます。第2問は、前半がタンパク質とアミノ酸の基礎および酵母の形質転換体の選抜、後半は植物が食害に対抗して合成する酵素をめぐる仮説検証とアロステリック調節です。

第3問は、夏緑樹林の林床で緑葉をつける時期をずらして共存する2種の草本を、光環境・光合成速度と呼吸速度・色素と酵素の量・個体の乾燥重量という4種類のデータから多面的に読ませます。第4問は、卵形成における核相とDNA量の区別に続いて、中胚葉誘導と神経誘導の仕組みを実験結果から組み立て直す問題です。第5問は、イネの発芽を支えるジベレリンの働きと光周性、そしてラッカセイの子房柄が示す正の重力屈性を扱います。

全体として、知識をそのまま答える設問は少なく、与えられた図表の数値を自分で比べ直す作業が得点を分けます。とくに第1問問4・第3問問2・第5問問2は、「条件が1か所だけ違う組どうしで差をとる」「比を計算する」「対数目盛りの値を読む」といった数値の扱いそのものが問われます。第2問問3・第4問問3・第5問問4は、条件を一つだけ変えた実験どうしを突き合わせる、対照実験の読み方で決まります。

第1問(必答) 味覚の多様性(苦味受容体遺伝子の一塩基多型とPTC感受性)

舌の味細胞と味覚の成り立ちを導入に、苦味物質PTCに対する感受性の個人差を、苦味受容体遺伝子Rにある3か所の一塩基多型(SNP1〜3)から読み解く大問です。配点18点。表1に示された4種類の対立遺伝子のアミノ酸の違いが、問2以降すべての土台になります。

問1:正解 ①(解答番号1/配点4)

<問題要旨>
神経が刺激の強さの情報を伝える仕組みについて、ⓐ〜ⓓの4つの記述のうち、関与しているものの組合せを選ぶ設問です。

<考え方>
「全か無かの法則」に戻れば決まります。1本のニューロンは閾値以上の刺激に対して常に同じ大きさの活動電位を発生させるので、活動電位の大きさも伝導速度も刺激の強さでは変わりません。強さを反映して変わるのは、単位時間あたりの興奮の回数と、束の中で興奮するニューロンの本数の二つです。

ⓐ 関与する 閾値はニューロンごとに異なり、刺激が強いほど束の中で興奮するニューロンの数が増える
ⓑ 関与する 刺激が強いほど、単位時間あたりの活動電位の発生頻度が高くなる
ⓒ 関与しない 伝導速度は軸索の直径や髄鞘の有無で決まる量で、刺激の強さでは変わらない
ⓓ 関与しない 全か無かの法則により、活動電位の大きさは刺激の強さによらず一定

関与するのは ⓐ と ⓑ
よって ①

「刺激が強いほど大きな活動電位が出る」は全か無かの法則に反します。強さは「興奮するニューロンの数」と「興奮の頻度」で表されると整理しておきます。

問2:正解 ②(解答番号2/配点4)

<問題要旨>
チンパンジーの遺伝子Rの相同部位がヒトのPAVと同じ配列だったことを手がかりに、ヒトでSNP1〜3を生じさせた突然変異が起こった順序を選ぶ設問です。判断材料は表1の4種類の対立遺伝子のアミノ酸の組合せで、同じ部位に複数回の変異はなく、多型部位の間に組換えもなかったものとされています。

<考え方>
近縁種と一致する型が祖先型である、という系統推定の原則に戻ります。同じ部位に二度変異せず組換えもないので、祖先型PAVから変異が一つずつ積み上がった入れ子の関係になり、古い変異ほど多くの対立遺伝子に共有されます。

【表1を祖先型PAVとの違いで整理する】
 PAV:49番P/262番A/296番V … 祖先型(チンパンジーと同じ配列)
 AAV:49番A/262番A/296番V … SNP1のみ
 AAI:49番A/262番A/296番I … SNP1+SNP3
 AVI:49番A/262番V/296番I … SNP1+SNP2+SNP3

【いくつの型が共有しているかを数える】
 SNP1 AAV・AAI・AVI の3型が共有 → 最も古い
 SNP3 AAI・AVI の2型が共有   → 2番目
 SNP2 AVI の1型だけがもつ    → 最も新しい

 SNP1 → SNP3 → SNP2
よって ②

変異が新しいほど、それをもつ対立遺伝子の種類は少なくなります。「何種類の型が共有しているか」を数えるだけで順序が決まります。

問3(1):正解 ⑤(解答番号3/配点3)

<問題要旨>
SNP2は受容体タンパク質の262番目のアミノ酸をアラニンにするかバリンにするかを決めています。表2の遺伝暗号表を使い、遺伝子RのDNAのセンス鎖では、この多型がどの塩基とどの塩基の間で起きていると考えられるかを選ぶ設問です。

<考え方>
遺伝暗号表から2つのアミノ酸のコドンを並べ、1塩基だけ違う位置を探す、という手順で決まります。そのうえで「センス鎖はRNA合成の鋳型にならない側なので、mRNAと同じ並び(UがTになる)」という対応に直します。

【表2からコドンを並べる】
 アラニン:GCU・GCC・GCA・GCG
 バリン :GUU・GUC・GUA・GUG
 1番目はどちらもG、3番目は共通にそろえられる
 → 1塩基だけ違えられるのはコドンの2番目
 mRNA上では C ⇄ U

【mRNAからセンス鎖に直す】
 センス鎖=鋳型にならない側=mRNAと同じ並び(UのところがT)
 C ⇄ U → C ⇄ T
よって ⑤

鋳型鎖(センス鎖と相補的な側)で答えると G ⇄ A となり②を選んでしまいます。どちらの鎖について問われているかを必ず確かめます。

問3(2):正解 ②(解答番号4/配点3)

<問題要旨>
遺伝子Rから転写されたmRNAについて、翻訳開始の位置(開始コドンの1番目)から塩基を数えたとき、SNP2の位置が何番目になるかを求める設問です。

<考え方>
「n番目のアミノ酸を指定するコドンは、3×(n−1)+1番目から3×(n−1)+3番目までの3塩基」という対応に戻せば決まります。あとは(1)で確かめたコドン内の位置を足します。

【262番目のアミノ酸のコドンが占める位置】
 3×(262−1)+1 = 784 … コドンの1番目
          785 … コドンの2番目
          786 … コドンの3番目

【(1)の結果を当てはめる】
 SNP2はコドンの2番目の塩基
 → 785番目

【検算】1番目のアミノ酸(メチオニン)は 3×(1−1)+1 = 1番目から3番目。開始コドンの位置と一致する。
よって ②

3×262 = 786 として786を選ぶ誤りが目立ちます。786は262番目のコドンの「3番目」の塩基にあたる位置です。

問4:正解 ⑥(解答番号5/配点4)

<問題要旨>
表1の4種類の対立遺伝子をホモ接合でもつ個体と、AVIとPAVをヘテロ接合でもつ個体について、PTCに対する感受性の平均値を第1問の図1に棒グラフで示しています。この図から、受容体の機能への影響が最も小さいアミノ酸変化に対応するSNP(ア)と、AVIによる低感受性が顕性か潜性か(イ)を選ぶ設問です。

<考え方>
一つのSNPの影響を取り出すには、アミノ酸が1か所だけ違う遺伝子型どうしで差をとる、という比べ方に戻ります。顕性・潜性は、ヘテロ接合の値が問題文の定義する0.5の線のどちら側にあるかで判定します。

【ア アミノ酸が1か所だけ違う組で差をとる(第1問の図1)】
 SNP1だけの違い PAV/PAV 約1.0 → AAV/AAV 約0.75  差 約0.25
 SNP3だけの違い AAV/AAV 約0.75 → AAI/AAI 約0.7  差 約0.05
 SNP2だけの違い AAI/AAI 約0.7 → AVI/AVI 約0.3  差 約0.4
 → 影響が最も小さいのは SNP3  ア=SNP3

【イ 0.5の線と比べる】
 AVI/AVI 約0.3 → 0.5以下なので低感受性
 AVI/PAV 約0.9 → 0.5を超えるので低感受性ではない
 → AVIをヘテロでもつと低感受性が現れない  イ=潜性(劣性)
よって ⑥

棒は5本ありますが、差をとってよいのは「アミノ酸が1か所だけ違う2本」だけです。AAI/AAIとAVI/AVIのように2か所違う組で差をとると、どのSNPの影響なのか分けられません。

第2問(必答) アミノ酸の役割と代謝(タンパク質の構造・酵母の選抜・植物のTD酵素による食害防御)

前半はタンパク質とアミノ酸の基礎知識と、酵母の栄養要求性を利用した形質転換体の選抜です。後半は、ガの幼虫Sの食害を感知した植物Aがトレオニン脱アミノ酵素(TD酵素)を合成して反撃する仕組みを、仮説の検証とアロステリック調節の両面から問います。配点20点。

問1:正解 ①・⑥(解答番号6・7/配点6)

<問題要旨>
タンパク質やアミノ酸に関する7つの記述から、適当なものを2つ選ぶ設問です。一次構造から四次構造まで、翻訳の仕組み、膜タンパク質、アミノ酸の代謝と、扱う範囲が広くとられています。

<考え方>
選択肢を一つずつ定義に照らして落としていきます。ペプチド結合ができる場所、tRNAのどこにアミノ酸が結合するか、四次構造とは何かという3点を正確に押さえていれば、残るのは2つになります。

① 正 mRNAのコドンの並びが、翻訳されるアミノ酸の並び=一次構造を決める
② 誤 アミノ酸が結合するのはtRNAの3′末端側。アンチコドンはmRNAのコドンと対合する部分
③ 誤 ペプチド結合は、アミノ酸のアミノ基とカルボキシ基の間にできる。側鎖ではない
④ 誤 αヘリックスとβシートはどちらも二次構造で、一方が集まって他方になるのではない
⑤ 誤 四次構造は複数のポリペプチド鎖が組み合わさった構造。1本の鎖の中の立体構造は三次構造
⑥ 正 チャネル・輸送体・受容体などは、疎水性の部分で脂質二重層を貫通した状態で存在する
⑦ 誤 アミノ酸は脱アミノ反応でアミノ基を外したあと、呼吸基質として利用される
よって ①・⑥

⑦の「窒素を含むから使えない」は、外したアミノ基が肝臓で尿素に変えられて排出されることとセットで覚えておくと確実に落とせます。

問2:正解 ③(解答番号8/配点4)

<問題要旨>
ロイシンを合成できない酵母の変異体Lに、外来遺伝子とロイシン合成酵素遺伝子を1個の環状DNAに載せたプラスミド(第2問の図1)を導入します。導入後にどのような培地で培養すれば、外来遺伝子が入った細胞だけを増やせるかを、ア・イの語句の組合せで選ぶ設問です。

<考え方>
選抜マーカーの考え方に戻ります。プラスミドが入った細胞だけが生き残り、入らなかった細胞は増殖できない条件をつくればよく、それは変異体Lが本来増殖できない条件、すなわちロイシンがない条件です。

変異体L         :ロイシンを合成できない
プラスミドが入った変異体L:プラスミド上のロイシン合成酵素遺伝子が働き、ロイシンを合成できる

【ロイシンを含む培地の場合】
 どちらの細胞も外からロイシンを得られる → 両方が増殖してしまい選抜できない

【ロイシンを含まない培地の場合】
 プラスミドが入らなかった細胞 → ロイシンが得られず増殖できない
 プラスミドが入った細胞    → 自分でロイシンを合成して増殖できる
 → ア=含まない、イ=入った
よって ③

外来遺伝子とロイシン合成酵素遺伝子は同じ1個のプラスミドに載っています。だから「ロイシンをつくれる=外来遺伝子ももっている」と言い切れるわけです。

問3(1):正解 ④(解答番号9/配点5)

<問題要旨>
「植物AのTD酵素は幼虫Sの消化管内でトレオニンを分解し、吸収できるトレオニンの量を減らして幼虫Sの成長を抑える」という仮説を、TD酵素を合成できない植物Aの変異体Mを使って検証します。仮説が正しかった場合に予想される結果を、ウ〜オの語句の組合せで選ぶ設問です。

<考え方>
仮説の検証は、「仮説が正しいなら何が起きるはずか」を、変えた条件ごとに順に言い直す作業です。ここで変えているのはTD酵素の有無(ウ・エ)と、減らされている当の物質を外から補うこと(オ)の2種類だと整理します。

仮説:TD酵素がトレオニンを分解 → 吸収できるトレオニンが減る → 成長が抑えられる

【ウ 変異体M(TD酵素なし)の葉 対 野生株(TD酵素あり)の葉】
 変異体Mではトレオニンが分解されない → 抑制が外れる → 体重の増加は速くなる

【エ 変異体Mの葉+多量のTD酵素 対 変異体Mの葉のみ】
 足りなかったTD酵素を加える → トレオニンが分解される → 体重の増加は遅くなる

【オ 野生株の葉+多量の◯◯ 対 野生株の葉のみ】
 速くなるのは、分解されて不足している当の物質を補ったとき → トレオニン

 ウ=速くなる、エ=遅くなる、オ=トレオニン
よって ④

エで「さらに速くなる」を選ぶと、ウとエが同じ向きの変化になり、TD酵素の有無を入れ替えた意味がなくなります。対照実験は「何を一つだけ変えたか」と「変化の向き」をセットで確かめます。

問3(2):正解 ④(解答番号10/配点5)

<問題要旨>
植物Aの細胞内では、TD酵素は最終産物であるイソロイシンによる非競争的阻害を受けます(第2問の図5)。一方、幼虫Sの消化管内では、TD酵素は部分的に消化されて触媒作用は保ったままアロステリック部位を失います。この条件でのTD酵素の活性とその調節について、正しい記述を選ぶ設問です。

<考え方>
非競争的阻害とフィードバック調節の定義に戻します。阻害物質が結合するのは活性部位ではなくアロステリック部位なので、アロステリック部位を失えば阻害は受けません。基質濃度と反応速度の関係は、これとは別の話として切り分けます。

① 誤 非競争的阻害なので、イソロイシンが結合するのはアロステリック部位。活性部位ではない
② 誤 非競争的阻害では基質と結合部位を奪い合わない。トレオニン濃度を高くしても阻害は解除されない
③ 誤 基質であるトレオニンの濃度が低くなれば反応速度は下がる。上昇はしない
④ 正 消化管内のTD酵素はアロステリック部位を失っているので、イソロイシンの濃度によらず分解を続ける
よって ④

①と②は、どちらも「非競争的」を「競争的」と取り違えると正しく見えてしまいます。競争的阻害なら活性部位を奪い合うので、基質濃度を上げれば阻害が弱まります。

第3問(必答) 種の多様性と植物の物質生産(夏緑樹林の林床に共存する2種の草本)

北半球の夏緑樹林の林床で、種Aと種Bという2種の草本が緑葉をつける時期をずらして共存しています。林床の光環境の季節変化(第3問の図1)、呼吸速度と最大光合成速度(表1)、クロロフィルとルビスコの量(表2)、個体の乾燥重量の変化(第3問の図2)を重ねて読ませる大問です。配点20点。

問1:正解 ③(解答番号11/配点4)

<問題要旨>
複数の生物種の共存に関する4つの記述から、適当でないものを1つ選ぶ設問です。

<考え方>
共存できるかどうかはニッチ(生態的地位)が重なるかどうかで決まる、という原則に戻ります。重なりが大きいほど資源をめぐる競争が激しくなり、競争的排除が起こりやすくなります。

① 適当 被食者と捕食者の個体数が周期的に変動しながら共存する関係は実際にみられる
② 適当 生活空間が同じでも食物が違えば資源を奪い合わずにすみ、共存できる(食いわけ)
③ 適当でない ニッチの重なりが大きいほど競争は激しくなり、競争的排除が起こりやすい。共存しにくくなる
④ 適当 競争の結果として生活空間がずれることで共存が成り立つことがある(すみわけ)
よって ③

②と④はどちらもニッチの重なりを小さくする方向の話です。③だけが向きが逆になっているので、そこに気づけば即決できます。

問2:正解 ②(解答番号12/配点4)

<問題要旨>
林床の光の強さの季節変化と2種が緑葉をつけている期間を示した第3問の図1と、2種の呼吸速度・最大光合成速度をまとめた表1から、考えられる記述ⓐ〜ⓓの組合せを選ぶ設問です。

<考え方>
図と表を、種ごと・季節ごとに数値で突き合わせて判断します。第3問の図1で光の強さが急落する時期(林冠が閉じる時期)と、各種が緑葉をつけている期間との関係が軸になります。

【第3問の図1の読み取り】
 4月〜5月中旬:光の強さは0.4〜1.0で明るい
 6月〜9月  :ほぼ0.0まで落ちる(林冠が閉じている)
 10月以降  :0.1前後まで回復する
 種Aが緑葉をつけているのは光が落ちる前までの期間、種Bは4月下旬から11月まで

【選択肢の判定】
ⓐ 適当 種Aは最大光合成速度が0.68と大きく、緑葉の期間が林冠の展開前に限られる。明るい時期の光を集中して使っている
ⓑ 適当でない 種Bの夏の最大光合成速度は0.17で、種Aの0.68と同程度とはいえない
ⓒ 適当 種Bの最大光合成速度は、林冠に葉がある夏0.17 < 葉がない春0.30
ⓓ 適当でない 最大光合成速度÷呼吸速度は
  春 0.30÷0.015 = 20
  夏 0.17÷0.009 = 約19
  秋 0.24÷0.023 = 約10
  となり、季節変化がある

 適当なのは ⓐ と ⓒ
よって ②

ⓓは「比」を問うているので、呼吸速度と最大光合成速度を別々に眺めるだけでは判定できません。秋は呼吸速度が3季で最大になるため、比が大きく下がります。

問3:正解 ①(解答番号13/配点4)

<問題要旨>
葉の面積当たりのクロロフィル量とルビスコ量をまとめた表2を、光環境(第3問の図1)と光合成速度・呼吸速度(表1)と重ねて読み、ア〜ウに入る語句の組合せを選ぶ設問です。

<考え方>
クロロフィルは光を吸収する色素、ルビスコは二酸化炭素を固定する酵素、という役割の違いに戻します。光が乏しい環境では光を集めるほうに、光が十分な環境では固定するほうに投資するのが有利になります。

【表2の種Bを季節で比べる】
 クロロフィル 春0.28 夏0.44 秋0.32 → 最も多いのは夏
 ルビスコ   春1.5  夏0.50 秋0.78 → 最も少ないのは夏、最も多いのは春

【第3問の図1と対応させる】
 夏は林床の光の強さがほぼ0.0 → 薄暗い  ア=薄暗い
 春は林床の光の強さが0.4〜1.0 → 明るい  イ=明るい

【ウを表1の値で決める】
 最大光合成速度 春0.30 夏0.17 秋0.24 → ルビスコ量(1.5・0.50・0.78)と大小の順が一致する
 呼吸速度    春0.015 夏0.009 秋0.023 → 秋が最大で、ルビスコ量の順と一致しない
 → ウ=最大光合成速度
よって ①

薄暗い林床でクロロフィルを増やすのは、わずかな光をできるだけ吸収するためです。そこで炭酸固定酵素を多く抱えても働く場がないので、ルビスコは減らすほうが合理的になります。

問4:正解 ②・⑥(解答番号14・15/配点8)

<問題要旨>
生きている個体を掘り起こして測った乾燥重量の季節変化を示す第3問の図2と、林床の光環境を示す第3問の図1から、考えられる記述を2つ選ぶ設問です。第3問の図2には、林冠の樹木が葉を広げている期間もあわせて示されています。

<考え方>
乾燥重量が増えるか減るかは、光合成による生産と呼吸による消費の差で決まる、という物質収支に戻します。そのうえで、各種が緑葉をつけている期間(第3問の図1)を重ね、葉がある時期か無い時期かを分けて読みます。

【第3問の図2の読み取り】
 種A(実線):4月 1.0 → 6月初め 3.0(最大) → 11月ごろ 約2.1 → 翌年4月 約1.65
 種B(破線):5月中旬 1.0 → 6月初め 約1.7 → 11月ごろ 約2.1 → 12月 約2.9 → 翌年4月 約2.9
 林冠の樹木が葉を広げている期間:5月中旬から11月ごろまで

【選択肢の判定】
① 適当でない 種Aが緑葉をつけているのは第3問の図1より5月中旬まで。7月には葉がないので「緑葉をつけていても」という前提が成り立たない
② 適当 種Aは6月初めを境に地下部などの非同化器官だけが残り、光合成せずに呼吸で消費するので乾燥重量が減り続ける
③ 適当でない 翌年4月の値は種A 約1.65、種B 約2.9で、どちらも出発点の1.0には戻っていない
④ 適当でない 6月初めの値は種A 3.0、種B 約1.7。種Aのほうが約1か月早く緑葉を出した分だけ大きく、緑葉の出現時期と関係している
⑤ 適当でない 種Bは、葉を広げている約半年で1.0から約2.1、葉を落とした11月以降は短期間で約2.1から約2.9と急増しており、成長の速度は同じでない
⑥ 適当 種Bは林冠が葉を広げている5月中旬から11月の間に1.0から約2.1まで増えており、暗い林床でも正味の物質生産ができている
よって ②・⑥

⑤と⑥はグラフの同じ区間を見ていますが、問うていることが違います。⑥は「増えたかどうか」、⑤は「増え方の速さが同じかどうか」で、⑤は傾きの変化まで見る必要があります。

第4問(必答) 胚発生(アフリカツメガエルの卵形成と中胚葉誘導・神経誘導)

アフリカツメガエルを題材に、前半は卵形成における核相とDNA量の区別、後半は背腹軸に沿った中胚葉誘導と、外胚葉から神経組織ができる仕組みを扱います。配点18点。後半は4種類のタンパク質A〜Dの関係を、与えられた結果から自分で組み立て直す設問が続きます。

問1:正解 ⑤(解答番号16/配点5)

<問題要旨>
卵形成に関する記述ⓐ〜ⓓから、適当なものの組合せを選ぶ設問です。極体の数、核相、DNA量が論点になります。

<考え方>
「核相(染色体のセット数)」と「DNA量」は別物だ、という区別に戻ります。DNA量はS期の複製で2倍になりますが、そのとき核相は変わりません。G1期の卵原細胞を基準にして、各段階を並べ直せば判定できます。

【核相とDNA量を並べる(G1期の卵原細胞のDNA量を2とする)】
 G1期の卵原細胞    核相 2n DNA量 2
 一次卵母細胞     核相 2n DNA量 4(S期の複製後)
 二次卵母細胞・第一極体 核相 n  DNA量 2
 卵・第二極体     核相 n  DNA量 1

【選択肢の判定】
ⓐ 適当でない 極体は第一極体と第二極体をあわせて最大3個。四つにはならない
ⓑ 適当 第一極体のDNA量2は、G1期の卵原細胞のDNA量2と同じ
ⓒ 適当でない 一次卵母細胞のDNA量4が卵の4倍というのは正しいが、核相は2nであって4nではない
ⓓ 適当 二次卵母細胞は核相n・DNA量2で、G1期の卵原細胞と同量

 適当なのは ⓑ と ⓓ
よって ⑤

ⓒは前半が正しいので見落としやすい選択肢です。DNAが複製されても相同染色体のセット数は増えないので、核相は2nのままです。

問2:正解 ③(解答番号17/配点5)

<問題要旨>
タンパク質Aは胞胚期に胚の背側に局在して(第4問の図1)遺伝子Bの発現を活性化し、できたタンパク質Bは背側ほど濃度が高くなります(第4問の図2)。そしてタンパク質Bは、濃度が高いと背側中胚葉を、低いと腹側中胚葉を誘導します。受精卵への操作1では誘導された中胚葉が全て腹側中胚葉に、卵割期の胚への操作2では全て背側中胚葉になりました。この結果を説明するA・Bの分布と濃度の変化を選ぶ設問です。

<考え方>
中胚葉の運命を決めているのはタンパク質Bの濃度だけ、という1本道に戻します。誘導された中胚葉が全て同じ種類になったのだから、タンパク質Bの濃度が胚全体でどちらか一方に振り切れたと読み、その濃度を決めているタンパク質Aにさかのぼります。

筋道:タンパク質Aの分布 → 遺伝子Bの発現 → タンパク質Bの濃度 → 中胚葉の種類

【操作1(誘導された中胚葉が全て腹側中胚葉)】
 タンパク質Bが胚全体で低濃度になっている
 → そのもとになるタンパク質Aも、全体で低い(または働いていない)

【操作2(誘導された中胚葉が全て背側中胚葉)】
 タンパク質Bが胚全体で高濃度になっている
 → タンパク質Aが胚全体に高い濃度で分布している

【選択肢の判定】
① 適当でない タンパク質Aが背側で高いままなら背側中胚葉ができる。全て腹側という結果と合わない
② 適当でない タンパク質Bが背側で高いなら背側中胚葉ができる。全て腹側という結果と合わない
③ 適当 操作していない胚の背側と同程度のタンパク質Aが胚全体に広がれば、タンパク質Bも全体で高濃度になり、全て背側中胚葉になる
④ 適当でない タンパク質Bがどこでも減って均一なら、全て腹側中胚葉になる。操作2の結果と逆
よって ③

操作1と操作2は「タンパク質Bの濃度を全体で低く振り切る/高く振り切る」という対になっています。どちらも濃度勾配が消えている点は共通で、違うのは振り切れた向きだけです。

問3:正解 ①・④(解答番号18・19/配点8)

<問題要旨>
タンパク質Cは初期原腸胚の予定外胚葉域で発現して細胞外に分泌され、タンパク質Dは中胚葉が形成された後に中胚葉の背側で発現して分泌され、タンパク質Cに結合します。予定外胚葉域の断片を4通りの条件で培養した実験1(第4問の図3)の結果から、CまたはDの働きとして適当なものを2つ選ぶ設問です。

<考え方>
実験1の4条件を、条件を一つだけ変えた組どうしで比べる、という対照実験の読み方で決まります。「タンパク質Cの有無だけが違う組」と「タンパク質Dの有無だけが違う組」をつくれば、それぞれの働きが一つずつ取り出せます。

【実験1の4条件と結果】
 (ア) 操作していない胚の断片を、そのまま培養        → 表皮組織
 (イ) 遺伝子Cの発現を阻害した胚の断片を、そのまま培養   → 神経組織
 (ウ) 操作していない胚の断片に、タンパク質Dを加えて培養  → 神経組織
 (エ) 操作していない胚の断片に、タンパク質CとDを加えて培養 → 表皮組織

【条件を一つだけ変えた組で比べる】
 (ア)対(イ):違いはタンパク質Cの有無だけ。Cがあると表皮、なければ神経
  → タンパク質Cは外胚葉の表皮組織への分化を促進している
 (ア)対(ウ):違いはタンパク質Dの有無だけ。Cがあるのに、Dを加えると神経になる
  → タンパク質Dは、外胚葉におけるCの働きを抑制している(DがCに結合することと対応する)
 (ウ)対(エ):Dがある状態にCを足すと表皮に戻る
  → Cを増やせばDによる抑制が打ち消される。上の読み方と矛盾しない

【選択肢の判定】
① 適当 (ア)対(イ)より、外胚葉の表皮組織への分化はタンパク質Cによって促進される
② 適当でない (ア)対(ウ)でDを加えると表皮にならず神経になる。Dは表皮組織への分化に影響している
③ 適当でない Cは神経組織への分化を促進していない。Cがあるとむしろ表皮になる
④ 適当 (ア)対(ウ)より、外胚葉におけるタンパク質Cの働きはタンパク質Dによって抑制される
⑤ 適当でない (エ)でCとDをともに加えると表皮になる。協働して神経組織への分化を促進してはいない
⑥ 適当でない (ウ)対(エ)でCを加えるとDの効果が打ち消される。CはDの働きを促進していない
よって ①・④

神経組織への分化は、外から何かを加えて始まるのではなく、表皮にする信号であるタンパク質Cを外したときに現れます。タンパク質Dの役目はそのCを封じることで、これが神経誘導の実体にあたります。

第5問(必答) A イネの発芽と光周性(ジベレリンの働きと北海道型品種の成り立ち)

明治時代初期の北海道で「赤毛」という品種によってコメの収穫に成功した話を導入に、種子の発芽を支えるジベレリンの働き、フロリゲン遺伝子の発現からみた光周性、交配による品種改良と遺伝情報の関係を扱います。第5問はA・Bあわせて配点24点。

問1:正解 ②(解答番号20/配点4)

<問題要旨>
イネの種子の模式図(第5問の図1)を題材に、発芽に適した条件でジベレリンがどこで合成され、糊粉層で何を誘導し、最終的にどこでグルコースが生じるかを、ア〜ウの語句の組合せで選ぶ設問です。

<考え方>
イネやオオムギの発芽におけるジベレリンの経路をそのまま当てはめます。「胚で合成される → 糊粉層でアミラーゼの合成を誘導する → 分泌されたアミラーゼが胚乳の貯蔵デンプンを分解する」という順路です。

【経路をたどる】
 発芽に適した条件(吸水など)になる
 → 胚でジベレリンが合成される            ア=胚
 → ジベレリンが糊粉層に働き、アミラーゼの合成を誘導する イ=アミラーゼの合成
 → 分泌されたアミラーゼが胚乳の貯蔵デンプンを分解する  ウ=胚乳
 → 生じたグルコースが胚に吸収され、発芽のエネルギー源になる

【ほかの語句で矛盾しないか確かめる】
 イに「デンプンの合成」を入れると、貯蔵物質を使うべき発芽時に逆向きの反応になる
 イに「DNAの複製」を入れると、グルコースが生じる筋道につながらない
よって ②

ジベレリンが直接デンプンを分解するのではありません。糊粉層の細胞でアミラーゼの遺伝子の発現を誘導するという、遺伝子発現の調節が間に入っています。

問2:正解 ②(解答番号21/配点5)

<問題要旨>
本州で栽培されているイネと北海道型のイネを異なる日長で育て、葉に含まれるフロリゲン遺伝子のmRNA量を調べた結果が第5問の図2です。縦軸は対数目盛りで、本州型の明期10時間での値を1とした相対値になっています。この図から、エ〜カに入る語句の組合せを選ぶ設問です。

<考え方>
エ・オ・カはそれぞれ別のことを問うており、一つずつ決めていきます。エは図のどこで両品種の差が大きいかという読み取り、オは「フロリゲンの発現量が多いほど花芽形成が促される」というホルモンの働き、カは日長による発現の変わり方から判定する光周性の型です。イネはもともと短日植物であることが出発点になります。

【第5問の図2を明期の長さごとに読む(縦軸は対数目盛り)】
 明期10時間 本州型 1   北海道型 約2.5
 明期12時間 本州型 約0.7 北海道型 約5.5
 明期14時間 本州型 約0.03 北海道型 約1.7
 明期16時間 本州型 約0.04 北海道型 約0.8

【エ】両品種の差は明期が長いほど大きい。明期14時間では本州型の約0.03に対し北海道型は約1.7
 → エ=長い

【オ】フロリゲン遺伝子のmRNA量が多い → 花芽形成が促される → 開花・結実が早まる
 → 温暖な期間が短い北海道でもコメが実る  オ=花芽の形成が早く

【カ】北海道型は明期が長くても発現が保たれ、日長による変化が本州型ほど大きくない
   明期が長いほど発現が増えるわけではない(明期12時間の約5.5 > 明期16時間の約0.8)ので、長日植物の応答ではない
 → 日長への依存が弱まった  カ=中性
よって ②

公式解答では、①・④・⑥のいずれかを解答した場合に2点が与えられる。

問3:正解 ③(解答番号22/配点4)

<問題要旨>
「ほしたろう」と「北海287号」という二つの純系の品種を交配し、得られた種子に由来する子孫からさまざまな純系の系統をつくり、そこから選抜されたのが「ゆめぴりか」です。「ゆめぴりか」の遺伝情報や染色体に関する記述から、適当でないものを選ぶ設問です。

<考え方>
「純系とはすべての遺伝子座がホモ接合であること」という定義に戻れば、4つとも判定できます。ホモ接合なら、減数分裂でどの配偶子ができても中身は同じになり、また各遺伝子座には両親のどちらか一方に由来する対立遺伝子しか残りません。

前提:「ゆめぴりか」は純系 → すべての遺伝子座がホモ接合

① 適当 ホモ接合なので、花粉がもつ対立遺伝子も胚がもつ対立遺伝子も同じものになる
② 適当 乗換えは起こるが、相同染色体の同じ位置にある対立遺伝子が同一なので、交換しても配偶子の遺伝情報は変わらない
③ 適当でない 各遺伝子座には「ほしたろう」由来か「北海287号」由来のどちらか一方しか残らない。両親の全ての遺伝情報を両方もつことはない
④ 適当 それぞれの遺伝子座は、どちらか一方の親に由来する対立遺伝子のホモ接合になっている
よって ③

③と④は同じ状況を逆から述べた関係になっています。④が成り立つなら③は成り立たない、という形なので、片方を決めればもう片方も決まります。

第5問(必答) B ラッカセイの子房柄の重力屈性(オーキシンによる細胞伸長の制御)

ラッカセイは地上で咲いた花の子房柄が正の重力屈性を示して著しく伸び、子房を土の中に潜り込ませて地中に果実をつくります(第5問の図3)。ふつうの茎が負の重力屈性を示すのとは逆向きのこの現象を、オーキシンの分布と感受性から説明させる文章です。

問4:正解 ④(解答番号23/配点5)

<問題要旨>
子房柄の重力屈性の仕組みを調べた実験1〜3の結果から、導かれる推論として適当な記述を過不足なく含む選択肢を選ぶ設問です。実験は、子房をつけたまま水平にする、子房を切除して水平にする、子房を切除して切断面全体に一様にオーキシンを与えてから水平にする、の3条件です。

<考え方>
実験どうしで変えた条件が一つだけの組をつくり、その差から言えることだけを拾う、という手順で決まります。正解はⓐ〜ⓒそれぞれの当否を独立に判定し、適当なものを過不足なく含む組合せを選ぶ形なので、3つを一つずつ片づけます。

【実験の結果】
 実験1 子房あり                → 正の重力屈性を示す
 実験2 子房を切除               → 重力屈性を示さない
 実験3 子房を切除し、切断面全体に一様にオーキシン → 正の重力屈性を示す

【条件を一つだけ変えた組で比べる】
 実験2対実験3:違いはオーキシンを与えたかどうかだけ。補えば屈性が戻る
  → 実験2で屈性が消えた原因はオーキシンの不足であり、子房が屈性に十分なオーキシンの供給源になっている
 実験1対実験3:実験3には子房がなく、オーキシンは切断面全体に一様に与えられている。それでも一方向に曲がった
  → 重力の方向を感知し、オーキシンの分布を偏らせているのは子房柄自身である

【ⓐ〜ⓒの判定】
ⓐ 適当 実験3で子房がなくても屈性が起こる以上、重力方向の感知は子房柄で行われており、それが屈性に必要である
ⓑ 適当 実験2・3より、屈性に足りる量のオーキシンは子房柄の先端にある子房から供給されている。子房は子房柄の先端の器官で、そこへ外から送り込まれる経路がない
ⓒ 適当でない 実験3では子房がなく、一様に与えたオーキシンから分布の偏りが生じている。子房でのオーキシン輸送の変化は必要ない

 適当なものを過不足なく含むのは ⓐ と ⓑ
よって ④

公式解答では、①・②・⑦のいずれかを解答した場合に2点が与えられる。

問5:正解 ①(解答番号24/配点3)

<問題要旨>
一般に茎を水平にしたとき、上側と下側でオーキシンの濃度と細胞の伸長速度がどうなって負の重力屈性が起こるのかを、キ・クの語句の組合せで選ぶ設問です。キに入る語句は、続く子房柄の説明にも同じものが入ります。

<考え方>
重力屈性は「オーキシンが重力の向きに移動して下側に濃く集まる → 濃度の差が細胞の伸長速度の差を生む → 器官が曲がる」という3段階で起こります。茎ではこの濃度域のオーキシンが伸長を促進することを押さえれば決まります。

【茎を水平にしたとき】
 オーキシンが重力の向きに移動する
 → 上側に比べて下側の濃度が高くなる  キ=高く
 茎ではこの濃度域でオーキシンが細胞の伸長を促進する
 → 上側に比べて下側の伸長速度が大きくなる  ク=大きく
 → 下側がよく伸びるので先端は上を向く=負の重力屈性

【決めたキを子房柄の文に入れて確かめる】
 本文は「下側に比べて上側のオーキシン濃度がキ(=高く)なる」とする
 → 上側がよく伸びる → 先端は下を向く=正の重力屈性 (説明が成り立つ)
よって ①

キは茎の説明と子房柄の説明の両方に同じ語句が入ります。茎で決めたキを子房柄の文に入れ直して、正の重力屈性がきちんと説明できるかを確かめると確実です。

問5:正解 ⑤(解答番号25/配点3)

<問題要旨>
オーキシンの相対的な分布が一般的な茎と同じままでも正の重力屈性を説明できる可能性として、子房柄全体のオーキシン濃度が茎よりどうであればよいか(ケ)と、子房柄のオーキシンに対する感受性が茎よりどうであればよいか(コ)を選ぶ設問です。

<考え方>
オーキシンには最適濃度があり、それを超えると逆に伸長を阻害する、という濃度と成長の関係に戻ります。根が茎より低い濃度で最適になり高濃度では阻害されるのと同じ関係を、子房柄に当てはめればよいことになります。

前提:オーキシンの分布は茎と同じ(水平にすると下側の濃度が高い)
求めるもの:それでも下側の伸長が上側より小さくなり、先端が下を向く条件

【ケ 濃度で説明する】
 子房柄全体のオーキシン濃度が茎より高いとすると
  下側は最適濃度を超えて阻害される濃度域に入る → 下側の伸長が抑えられる
  上側は最適濃度の付近にとどまる        → 上側のほうがよく伸びる
 → 先端は下を向く=正の重力屈性  ケ=高い

【コ 感受性で説明する】
 感受性が高いほど、より低い濃度で最適に達し、それを超えると阻害される
 子房柄の感受性が茎より高いとすると
  同じ濃度・同じ分布でも、下側だけが阻害される濃度域に入る
 → 上側のほうがよく伸び、先端は下を向く  コ=高い

【逆の語句で確かめる】
 ケを「低い」にすると、上側も下側も促進される濃度域にとどまり、茎と同じ負の重力屈性になってしまう
 コを「低い」にしても、下側が阻害される濃度域に届かず、やはり負の重力屈性のままになる
よって ⑤

根が正の重力屈性を示すのと同じ理屈です。根は茎よりオーキシンに対する感受性が高いため、下側に集まったオーキシンが阻害としてはたらき、下へ曲がります。

※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

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