2020年度 大学入試センター試験 本試験「倫理」の問題冊子をPDFで公開しています。全設問の解答・解説も無料で読めます。印刷して実戦形式の演習にお使いください。
目次
この問題の概要
大学入試センター試験としては最後の年度です。試験時間60分・満点100点。大問4題・小問37問はすべて必答で、第1問28点・第2問24点・第3問24点・第4問24点という配点でした。第1問が現代の諸課題、第2問が源流思想、第3問が日本思想、第4問が西洋近現代思想という定番の並びです。この年はクワイン・ノージック・ノディングズ・ホネットといった二十世紀後半の思想家が第1問と第4問に集中し、教科書の後ろのほうまで学習できているかが問われました。全体の難易度は標準です。
| 大問 | 出題内容 | 配点 | 難易度 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 第1問 | 現代の諸課題(クワインの「ノイラートの船」、AIと人間の仕事、ノージックの自由と再分配、ノディングズのケアの倫理、遺伝と環境、ユニバーサルデザインの発想、情報社会の権利、国連難民高等弁務官事務所と支援活動、青年期の延長、友達関係をめぐる会話のまとめ) | 28 | ★★★★☆ | 配点が最も大きく、現代思想の人物が集中する。ノージックとノディングズは教科書でも扱いが薄いので、ここで差がつきやすい |
| 第2問 | 源流思想と「旅」(人間の生のあり方、プラトンのイデアと洞窟の比喩、大乗仏教と上座部仏教、諸子百家、儒教と仏教の修養、イエスとパウロの罪と救済、イスラームの巡礼、トマス・アクィナス、本文のまとめ) | 24 | ★★★☆☆ | 「旅」を軸にギリシア・インド・中国・キリスト教・イスラームが一巡する。問17の巡礼は語句の空欄補充なので、ハッジとカーバ神殿を知っていれば取れる |
| 第3問 | 日本思想(空也と念仏の民間布教、無常観と日本の美意識、古代日本の思想と外来思想、山鹿素行の士道論、江戸の民衆に生き方を説いた思想家、徳富蘇峰、近代日本の市民道徳、久松真一と一期一会、伝統をどう受け継ぐか) | 24 | ★★★★☆ | 4題の中で最も細かい。江戸期の民衆思想家(鈴木正三・安藤昌益・二宮尊徳ら)は出自と主張を対にして覚えておくと、問24のような組合せで迷わない |
| 第4問 | 西洋近現代思想(ルネサンスのヒューマニズムと宗教改革、社会契約説と基本的権利、デカルト・スピノザ・モンテーニュ・パスカルの理性観、カントとヘーゲルの自由、J.S.ミル、ベーコンとヒュームの経験論、ニーチェ、ホネットの承認論、身体と理性) | 24 | ★★★☆☆ | 近世から現代までが順に並ぶので、教科書の章立てどおりに復習していれば取り組みやすい。問36のホネットは新しい人物だが、「承認」という語から内容が推測できる |
対策のポイント: 倫理は用語の暗記だけでは頭打ちになります。思想家ごとに「何を批判して、何を代わりに置いたか」という一文を作っておくと、初見の人物が出ても立ち位置を推測できます。この年のように現代思想が厚い場合、教科書の最終章を後回しにしていると失点がまとまるので、通史を一度終えたら現代から復習し直すのが効果的です。各設問の詳しい解き方は上の「解答・解説はこちら」からどうぞ。
※ 難易度は当サイトの独自評価です(★1 基礎 〜 ★5 難)。

