2024年度 大学入学共通テスト 本試験「英語(リーディング)」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。
解答
解説
2024年度(令和6年度)大学入学共通テスト本試験の英語(リーディング)は、第1問から第6問までの6大問、解答番号は1から49まで、満点100点・試験時間80分です。配点は第1問が10点、第2問が20点、第3問が15点、第4問が16点、第5問が15点、第6問が24点。第1問・第2問・第3問・第6問にはA・Bの区分があります。
素材は、第1問がイベントのチラシと市内ツアーの案内、第2問が部活動の勧誘チラシと旅行保険のレビュー、第3問が体験記のブログと学校新聞の記事、第4問が教室のデザインを論じた記事とアンケートの結果、第5問が雑誌に載った物語、第6問が時間の知覚を扱った論説と唐辛子を扱った科学記事です。いずれも読んで終わりではなく、写真を選ぶ・出来事を並べ替える・ハンドアウトやノートやスライドの空所を埋めるといった、読み取った内容を別の形にまとめ直す作業が求められます。
つまずきやすいのは次の3点です。第一に、第2問には事実と意見を区別させる設問があり、書き手の評価が入った言い方かどうかで切ります。第二に、第3問B問1と第5問問1の並べ替えで、本文の時系列が前後して語られるため、起きた順に組み直す必要があります(第5問問1は5つの候補から4つを選ぶ形で、起きていない出来事を外す判断も要ります)。第三に、第4問問3と第6問B問2の「誤っている項目を1つ外す」型で、その項目がどの見出しの下に置かれているかを意識して読まないと外す先を誤ります。
第1問
Aは米国の語学学校が開く国際交流イベントのチラシ、Bは観光局が出した市内ツアー3コースの案内を読む問題です。Aは参加の条件と当日できることを、Bは3コースを横に並べて共通点・相違点と新旧を読み取ります。
A 問1:正解④
<問題要旨>
イベントに無料で参加するために必要なことを選ぶ設問。チラシには入場料5ドルと明記されており、その例外がどこに書かれているかを探す。
<考え方>
根拠はチラシの前書きの部分。主催校の学生は入場料が不要で、受付で学生証を提示するように、と書かれている。無料になる条件はこの1か所だけなので、それを言い換えた選択肢を取る。
<選択肢>
①【誤】
母国から写真を持参する、という内容。写真や品物は展示用に申し出る話で、期限までに職員に知らせるよう求められているだけであり、入場料とは結びつかない。
②【誤】
展示について職員に相談する、という内容。これも展示の申し出に関する案内で、無料参加の条件ではない。
③【誤】
学生ロビーで用紙に記入する、という内容。学生ロビーにあるのは受付で、書類に記入するという記述はない。本文にない情報の追加。
④【正】
主催校の学生であることの証明を示す、という内容。学生証を受付で提示すれば入場料がかからない、という記述にそのまま対応する。
A 問2:正解①
<問題要旨>
イベント当日にできることを選ぶ設問。チラシは3つの丸印で、各地の料理、言語と意思の伝え方、ダンスの公演という3つの催しを並べている。
<考え方>
根拠は2つ目の丸印。基本のあいさつを書いてみることに加えて、それらの文化圏の人が表情や手をどう使って意思を伝えるかを学べる、と書かれている。これがジェスチャーの学習にあたる。ほかの選択肢は、各項目に書かれている内容とずれていないかを1つずつ確かめれば落とせる。
<選択肢>
①【正】
さまざまな文化のジェスチャーについて学べる、という内容。表情や手の使い方を学べるという記述に対応する。
②【誤】
ダンスの大会に出る、という内容。ダンスは公演を見たあとに出演者から基本のステップを教わる形で、競う催しではない。
③【誤】
外国語で短編小説を読む、という内容。書いてみるのはあいさつなどの基本表現で、読み物に関する記述はない。
④【誤】
各国の料理を作ってみる、という内容。1つ目の丸印は各地の料理を味わうという案内で、調理の体験ではない。
B 問1:正解④
<問題要旨>
この街にあるものとして正しい記述を選ぶ設問。3コースの説明文に散らばる建物・施設の情報を突き合わせる。
<考え方>
芸術コースの説明が根拠。午前は芸術地区で画廊から始め、昼食後は通りの向かいにあるコンサートホールで演奏会を楽しむ、という流れが書かれている。画廊とホールが同じ地区にあることがここで確定する。他の3つは、年代・場所・体験内容のいずれかが本文と食い違う。
<選択肢>
①【誤】
街ができたときに建てられた250年前の教会、という内容。教会の建設は19世紀半ばで、案内が出された2024年から見て約175年前にあたる。年数が合わない。
②【誤】
町の中心にある独自のフットボール練習場、という内容。練習施設があるのは郊外で、独自の設計と紹介されているのはホッケーの競技場のほう。場所と対象の両方がずれている。
③【誤】
来場者が自分の作品を作れるアトリエ、という内容。アトリエでは芸術家が制作する様子を見学するとあり、来場者が制作するとは書かれていない。
④【正】
画廊とコンサートホールの両方がある芸術地区、という内容。芸術地区の説明にそのまま対応する。
B 問2:正解③
<問題要旨>
3コースすべてに共通することを選ぶ設問。「すべてに当てはまるか」を問う型なので、1つでも外れるコースがあれば落とせる。
<考え方>
各コースの訪問先を屋内か屋外かで分けて確かめる。歴史コースは教会と邸宅(屋内)に庭と公園(屋外)、芸術コースは画廊とホール(屋内)に彫刻公園(屋外)、スポーツコースは屋外の練習場と競技場内の展示ホール(屋内)。3つとも両方を含む。「すべての」を含む設問は、反例を1つ探して残りを消す手順が速い。
<選択肢>
①【誤】
街の歴史的な出来事を学ぶ、という内容。歴史コースには当てはまるが、芸術コースとスポーツコースには歴史的事件に関する記述がない。
②【誤】
人が技能を披露するのを見る、という内容。芸術コースの制作風景とスポーツコースの練習・試合は当てはまるが、歴史コースには該当する場面がない。
③【正】
屋内と屋外の両方で過ごす、という内容。3コースとも屋内の施設と屋外の場所を含んでいる。
④【誤】
公共交通機関を使って移動する、という内容。歴史コースは路線バス、スポーツコースは地下鉄を使うが、芸術コースは地区内を歩いて回る形で、交通機関の記述がない。
B 問3:正解①
<問題要旨>
ツアーで訪れる場所のうち最も新しいものを選ぶ設問。案内の末尾に2024年1月という日付があり、これを基準に各施設の年代を比べる。
<考え方>
本文に出てくる年代を並べる。教会は19世紀半ば、市長邸は20世紀初頭、平和公園は第二次世界大戦の直後、彫刻公園は数年前、ホッケーの競技場は昨秋の完成。案内が2024年1月に出ていることから、昨秋がいちばん近い。数値と時期を書き出してから当てにいく設問。
<選択肢>
①【正】
ホッケーの競技場。昨秋完成とあり、案内の日付から見て最も新しい。
②【誤】
市長邸。20世紀初頭の建物で、100年以上前にあたる。
③【誤】
平和公園。第二次世界大戦の直後に開園し、1960年代には多くの集会の場になったとある。
④【誤】
彫刻公園。新しい工房とともに数年前に整備されたもので、昨秋完成の競技場より古い。
第2問
Aは英国の高校にある戦略ゲーム部の勧誘チラシと部員の感想、Bは米国に半年留学した学生が書いた旅行保険のレビューを読む問題です。どちらも、書かれている事実の確認に加えて、事実と意見を区別する設問と、書き手の姿勢を問う設問が置かれています。
A 問1:正解①
<問題要旨>
チラシの内容として正しいものを選ぶ設問。勧誘文・活動一覧・部員の感想のどこに書かれているかを探す。
<考え方>
根拠は勧誘文の最後の2文で、入部は本校の全生徒に開かれており、腕前を問わず歓迎する、と書かれている。部員の感想の最終行にも、入部時は完全な初心者だったが困らなかった、という発言がある。同じ内容が2か所にあるので確認しやすい。
<選択肢>
①【正】
まったくの初心者も歓迎される、という内容。腕前を問わないという勧誘文と、初心者だった部員の感想の両方に対応する。
②【誤】
部員がコンピュータのプログラムを編集する、という内容。活動一覧にあるのはソフトを使って対局を分析することで、プログラムを書き換える記述はない。
③【誤】
プロの棋士が正式な実演を行う、という内容。基本の手を学ぶ相手は部員による実演で、外部のプロではない。実演する側の入れ替え。
④【誤】
他校の生徒も入部できる、という内容。入部が開かれているのは本校の生徒で、対象が広げられている。
A 問2:正解②
<問題要旨>
部の活動として述べられていないものを選ぶ設問。活動一覧の6項目を1つずつ選択肢に当てていく。
<考え方>
一覧には、部員の実演から基本の手を学ぶ/部の仲間とオンラインで対局する/部のウェブページでこつを共有する/各ゲームの歴史と作法を学ぶ/ソフトで対局を分析する/地域大会と全国大会に参加する、の6つが挙がっている。オンラインの対戦相手は部の仲間と明記され、ソフトは分析のために使うとされているので、機械と対戦するという活動はここにない。書かれている3つを先に消してから残りを取るのが確実。
<選択肢>
①【誤(活動として述べられている)】
部員以外と対局する、という内容。地域大会・全国大会への参加が挙がっており、部外の相手と指す機会があることになる。
②【正(述べられていない)】
コンピュータと対戦する、という内容。オンライン対局の相手は部の仲間と明記され、ソフトの用途は対局の分析に限られている。
③【誤】
インターネット上で対局の考え方を共有する、という内容。部のウェブページでこつを共有する、に対応する。
④【誤】
戦略ゲームの成り立ちを調べる、という内容。各ゲームの歴史と作法を学ぶ、に対応する。
A 問3:正解①
<問題要旨>
部員の感想のうち、意見にあたるものを選ぶ設問。確かめれば真偽が決まる記述(事実)と、書き手の評価や感じ方を含む記述(意見)を分ける型。
<考え方>
感想欄の6つを、事実か評価かで仕分ける。「いくつかのゲームに共通点があると知るのは面白い」は、共通点の存在という事実に「面白い」という評価が加わった言い方で、これが意見にあたる。残りは、書かれている中身が事実として本文と食い違うか、意見として述べられていないかのどちらかで落ちる。
<選択肢>
①【正】
異なるゲームを見比べるのは面白い、という内容。共通点を知るのは面白いという感想に対応し、評価を含む言い方になっている。
②【誤】
囲碁についての動画が多く役立つ、という内容。動画を共有するという感想はチェスの実戦的な戦略についてのもので、囲碁は助言をくれる仲間がいるという別の感想。2つの感想の内容を混ぜている。
③【誤】
部員は大会でこつを学ぶ、という内容。大会について述べられているのは、他の参加者と戦略を語り合うのが好きだということで、こつを学ぶとは言っていない。
④【誤】
例会は学外で行われる、という内容。例会は校内の学生センターの一室で開かれるとあり、事実として誤っている。
A 問4:正解④
<問題要旨>
勧誘文と部員の感想の両方に出てくる内容を選ぶ設問。片方にしかない内容は落ちるので、2か所で確認できるかが判定の軸になる。
<考え方>
勧誘文には、気を散らされずに論理的に深く考える力がつくとあり、感想の1行目には、授業中も頭がすっきりして集中できるとある。どちらも集中して物事に向かう力の話で、これが2か所に共通する内容。残りの選択肢は、片方にしかないか、本文の記述と食い違う。
<選択肢>
①【誤】
新入部員は経験を示さなければならない、という内容。腕前を問わず歓迎するという記述と正反対。
②【誤】
良い打ち手になるにはオンラインの支援が欠かせない、という内容。オンライン対局は活動の一つとして挙がるだけで、不可欠とまでは書かれていない。程度の拡大。
③【誤】
将棋は論理的で刺激的なゲームだ、という内容。将棋は学べるゲームの例として名前が挙がるだけで、そのゲーム単体を評した記述は勧誘文にも感想にもない。
④【正】
戦略ゲームは集中力を高める、という内容。勧誘文と感想の両方に対応する記述がある。
A 問5:正解②
<問題要旨>
この部がどんな生徒に向いているかを推論する設問。活動の中身と開催条件から、実現できることと実現できないことを分ける。
<考え方>
活動一覧の6項目は、基本の手を学ぶ・対局する・こつを共有する・歴史と作法を学ぶ・分析する・大会に出る、といずれも上達に直結する。一方、ゲームの制作、英国式の礼儀作法、週末の活動は、いずれもチラシの記述で否定されるか、まったく触れられていない。
<選択肢>
①【誤】
自分でコンピュータの戦略ゲームを作りたい生徒、という内容。制作に関する活動はない。ソフトは分析に使うだけ。
②【正】
戦略ゲームの腕を上げたい生徒、という内容。挙げられている活動がいずれも上達につながる。
③【誤】
戦略ゲームを通して英国式の正しい作法を学びたい生徒、という内容。学ぶのは各ゲームの作法であって、一般的な礼儀作法ではない。語の意味のすり替え。
④【誤】
週末に部室で戦略ゲームをして過ごしたい生徒、という内容。例会は水曜の午後と明記されている。
B 問1:正解①
<問題要旨>
レビューの内容として正しいものを選ぶ設問。3つのプランの料金と内容が段落ごとに分けて書かれているので、どの段落の話かを取り違えないことが要になる。
<考え方>
最上位のプランの段落が根拠。月100ドルで、アプリと電話によって24時間体制の医療の支援が受けられる、と書かれている。これが「昼夜を問わず医療の支援が受けられる」にあたる。残りは、対象範囲・共通の特典・筆者が選んだプランのいずれかを取り違えたもので、該当段落に戻れば落とせる。
<選択肢>
①【正】
最も高いプランでは昼夜を問わず医療の支援が受けられる、という内容。24時間の医療支援という記述に対応する。
②【誤】
最も安いプランはどんな理由でも入院費が無料、という内容。最安のプランが対象とするのは救急の手当に限られる。範囲の拡大。
③【誤】
中位のプランには一度の健康診断が含まれない、という内容。健康診断はすべてのプランに含まれると明記されている。
④【誤】
筆者のプランは毎月100ドルを超えた、という内容。筆者が選んだのは月75ドルの中位のプラン。100ドルは最上位のプランの額。
B 問2:正解①
<問題要旨>
最も安いプランに含まれないものを選ぶ設問。最安のプランの段落に並ぶ特典を、選択肢に1つずつ当てる。
<考え方>
最安のプランには、他と同じ24時間の電話支援、救急の手当への対応、必要と判断された場合の割安なタクシー手配が挙げられている。メールによる情報提供は中位のプランの段落にしか出てこない。「どの段落に書かれているか」で切るのが確実。
<選択肢>
①【正】
メールでの支援。週1回の健康情報のメールは中位のプランの特典として書かれており、最安のプランにはない。
②【誤】
救急の手当。最安のプランが対象とするのはこれだと明記されている。
③【誤】
電話の相談窓口。他のプランと同じく24時間の電話支援があると書かれている。
④【誤】
移動の手配。必要と判断されれば病院までのタクシーを割安で手配してくれる、とある。
B 問3:正解①
<問題要旨>
保険会社についての記述A〜Eから、本文と合う2つの組合せを選ぶ設問。組合せの形なので、明らかに誤っている記述を1つ見つければ複数の選択肢をまとめて落とせる。
<考え方>
本文で会社について述べられているのは、オンラインで15分足らずで申し込めてすぐに補償が始まったこと、支払い方法は自由で通常は月ごとであること。これでAとDが残る。Bの学生向けの奨学金制度は記述がなく、Cの服薬の管理は旅行前の準備として読者に呼びかけた話で会社の機能ではない。Eは「すぐに補償が始まった」と正面から食い違う。
<選択肢>
①【正】
AとD。月ごとの支払いが可能であること、インターネットで申し込めることの両方が本文にある。
②【誤】
AとE。Aは正しいが、Eの「申込書の処理に数日かかる」は、登録後すぐに補償が始まったという記述と矛盾する。
③【誤】
BとD。Dは正しいが、Bの学生向けの奨学金制度は本文にない情報。
④【誤】
BとE。BもEも本文と合わない。
⑤【誤】
CとD。Dは正しいが、Cの服薬の管理は冒頭で旅行前の準備として触れられているだけで、保険会社が行うこととしては書かれていない。
B 問4:正解③
<問題要旨>
筆者が自分の選んだプランについて述べた意見を選ぶ設問。筆者が選んだのは中位のプランなので、その段落にある評価の言葉を探す。
<考え方>
中位のプランの段落の後半が根拠。月75ドルは安くはなかったが、半年分を前払いしたことで選べた15パーセントの割引は良かった、と評価している。「良かった」という評価語が入っているのはここだけで、これが意見にあたる。他の選択肢は、内容が別のプランの話か、本文に対応する記述がない。
<選択肢>
①【誤】
そのプランのせいで健康を意識できなくなった、という内容。中位のプランには健康を保つこつを知らせるメールが付いており、向きが逆。
②【誤】
電話の支援に満足できなかった、という内容。電話支援への不満を述べた箇所はない。
③【正】
費用を抑える選択肢が魅力的だった、という内容。前払いによる割引を良かったと評価した記述に対応する。
④【誤】
折れた足の治療が補償された、という内容。それは最上位のプランを選んでいた友人の話で、筆者の話ではない。主体の入れ替え。
B 問5:正解②
<問題要旨>
筆者の姿勢を最もよく表すものを選ぶ設問。個々のプランの説明ではなく、文章全体の組み立てと冒頭・末尾の主張から判断する。
<考え方>
冒頭の段落が根拠。海外へ行く前に考えるべきこととして、服装、費用、必要なら薬を挙げ、そのうえで旅行保険にも入るべきだと述べている。末尾でも、困ったときに支えてもらえると分かっていることの大切さで締めており、出発前の備えを重く見る姿勢が一貫している。
<選択肢>
①【誤】
スマートフォンのアプリが役立つと考えている、という内容。アプリは最上位のプランの説明で触れられるだけで、筆者がその良し悪しを述べた箇所はない。
②【正】
旅行の準備を大切だと考えている、という内容。冒頭で出発前に考えるべきことを並べ、保険もその一つだと位置づけている。
③【誤】
米国の医療制度は世界で独特だと感じている、という内容。医療制度そのものへの言及はない。
④【誤】
友人には別の病院の方が良かったと考えている、という内容。友人の件では補償がすべてを賄ったと述べており、病院の良し悪しには触れていない。
第3問
Aは日本のフォトラリーに参加した英国人のブログと大会規則、Bは学校新聞に載った「南の島へのバーチャル遠足」の体験記を読む問題です。Aは4枚の絵から本文に合う写真を選ぶ設問と、書き込むコメントを選ぶ設問、Bは4人の感想を出来事の順に並べる設問が中心になります。
A 問1:正解②
<問題要旨>
ブログ本文中のリンクをたどると現れる写真を4枚の絵から選ぶ設問。本文の横に大会規則が並べられており、3人全員が写ること、携帯電話が使えないことなどが手がかりになる。
<考え方>
本文後半の出来事の順序で決まる。最後の目標へ向かう途中で道に迷い、猿を連れた男性に助けを求め、身振りで道を教わり、その男性と一緒に写真を撮って別れ、そのあとで市役所に戻った、という流れ。ブログはこの写真について、あの男性の温かさを思い出させる、と書いているので、3人と男性がそろって写り、しかも市役所に戻る前の場面でなければならない。
<選択肢>
①【誤】
武者の像の前に3人が並ぶ絵。像は最後の目標で、そこへは時間切れでたどり着けず断念しているので、この写真は撮れない。
②【正】
山並みを背にした屋外で、3人と猿を抱いた男性が並ぶ絵。道を尋ねた場所で、別れる前に撮った1枚にあたる。
③【誤】
市役所前のゴールの垂れ幕の下で、3人と男性が並ぶ絵。男性とは市役所に戻る前に別れており、時系列が合わない。
④【誤】
市の博物館の前に3人が並ぶ絵。最初の目標での写真で、男性が写っておらず、男性の温かさを思い出すという説明に対応しない。
A 問2:正解②
<問題要旨>
このブログへの書き込みとしてふさわしいコメントを選ぶ設問。本文の事実関係を取り違えていないかが判定の軸になる。
<考え方>
本文で確定する事実を4つ押さえる。目標にしたのは5か所で、最後の1か所は断念したこと。19か所を回ったのは優勝チームであって書き手たちではないこと。金メダルは男性の親切を指す比喩であること。携帯電話は規則で使えず、カメラは主催者の貸与であること。この4点に反しないものが1つだけ残る。
<選択肢>
①【誤】
金メダルを着けた姿の写真が見たい、という内容。金メダルは実際の表彰ではなく、男性の親切を指す比喩として使われている。
②【正】
健闘をねぎらい、また日本に来て挑戦してほしい、という内容。断念して終わったという結末に矛盾せず、英国に戻った相手への言葉としても自然。
③【誤】
3時間で19か所を回ったのかと驚く内容。19か所は優勝チームの記録で、書き手のチームのものではない。主体の入れ替え。
④【誤】
携帯電話を買い替えたのかと尋ねる内容。規則で携帯電話は使えず、写真は貸与されたカメラで撮っている。
B 問1:正解 18=① 19=② 20=③ 21=④
<問題要旨>
記事に添えられた4人の生徒の感想を、バーチャル遠足で起きた順に並べる設問。記事本文は時間の流れに沿って書かれている。
<考え方>
記事の段落の流れが根拠。まず車に乗った形で島を巡って地理と熱帯雨林を見る、次に海に潜った形でサンゴ礁と海の生き物を観察する、夕方に体育館でテントを張る、そして天井に映した星空を観察する、という順。③と④はどちらも夕方の出来事だが、記事は「テントを張り、天井に仮設のプラネタリウムを作った」と書いており、設営が先で観察が後になる。
<選択肢>
18=①
ジャングルで美しい鳥と大蛇を見た、という感想。車で移動しながら熱帯雨林を眺めた最初の場面に対応する。
19=②
以前はもっと多くの生き物がいたと知って衝撃を受けた、という感想。サンゴ礁を見たあと10年前の画像と見比べた場面に対応する。
20=③
体育館にキャンプ地を作ったのが妙だが楽しかった、という感想。夕方にテントを張った場面に対応する。
21=④
星空の上映中に言葉を失った、という感想。テントの設営のあとに行われた観察の場面に対応し、③の次に来る。
B 問2:正解③
<問題要旨>
この遠足で学ばなかったものを選ぶ設問。記事が扱った3つの場面を選択肢に当てていく。
<考え方>
記事が扱うのは、島の地理と熱帯雨林、海の生き物とサンゴ礁の変化、そして夜空の星座と流れ星と天の川の3つ。天候についての記述はあるが、それは冬の悪天候で遠足に期待が高まったという、生徒たちが住む土地の話であって、島の季節ごとの天候ではない。場所の取り違えで落とす設問。
<選択肢>
①【誤(学んだ)】
海の生態系。サンゴ礁を観察し、多様な海の生き物について学んでいる。
②【誤(学んだ)】
夜の空。仮設のプラネタリウムで星座・流れ星・天の川を観察している。
③【正(学んでいない)】
季節ごとの天候。冒頭の悪天候は生徒たちの住む土地の話で、島の季節と天候を扱った箇所はない。
④【誤(学んだ)】
樹木と植物。車での移動中に熱帯雨林の様子を眺めている。
B 問3:正解②
<問題要旨>
帰り道に見上げた夜空に何が見えたと考えられるかを選ぶ設問。本文に直接の記述はなく、2か所の記述をつないで導く推論の型。
<考え方>
根拠は2か所。夜の観察の場面で教師が、人工の光を作りすぎたせいで自分たちの町の夜空ではほとんど何も見えない、と説明している。そして最終段落で、天候が回復し、雲も月もない空を見上げて、教師の言葉が本当だったと実感した、とある。条件が良くてもほとんど見えなかった、という筋で1つに決まる。
<選択肢>
①【誤】
流れ星。体育館の上映で見たもので、帰り道の空で見たとは書かれていない。
②【正】
わずかな星だけ。人工の光でほとんど見えないという教師の言葉を実感した、という結びに合う。
③【誤】
満月。月の出ていない空だったと明記されている。
④【誤】
天の川。これも上映で見たもので、人工の光の下では見えないという説明と真っ向から食い違う。
第4問
教室のデザインを論じた記事(色と複雑さ・個別性・自然さの3本柱からなる枠組み)と、英語部の部室についてのアンケート(利用目的を示す棒グラフと6人の自由記述)を読み、討論用のハンドアウトの空所を埋める問題です。記事の枠組みと資料の数字・発言を突き合わせる出題が続きます。
問1:正解③
<問題要旨>
ハンドアウトの冒頭「SINとは何か」に入る説明を選ぶ設問。3つの頭文字が何を表すかはすぐ下の行に別に書かれているので、ここには枠組みの性格を言う一般的な説明が入る。
<考え方>
記事の第1段落が根拠。教室を良くしようとするとき、設計の判断のよりどころになる考え方が要る、として、この枠組みが役立つかもしれないと紹介している。つまり計画の際に従う型であって、色の手引きでも優先順位のつけ方でもない。最終段落に、どの要素も等しく重要だと書かれていることも、優先順位の案を落とす根拠になる。
<選択肢>
①【誤】
どの色が教室に適するかを示す手引き、という内容。色は3本柱のうち1本目の一部にすぎず、枠組み全体の説明になっていない。範囲が狭すぎる。
②【誤】
教室で生徒と教師の要望に優先順位をつける方法、という内容。記事の最終段落は、自然さが優先されがちだがどの要素も等しく重要だと述べており、優先順位をつける枠組みではない。
③【正】
教室の環境を計画するときに従うモデル、という内容。設計時に考慮すると役立つ枠組み、という紹介にそのまま対応する。
④【誤】
教室が生徒の成績にどう影響するかを理解する仕組み、という内容。成績との関係を測るという話は記事にない。本文にない情報の追加。
問2:正解④
<問題要旨>
「色と複雑さ」の見出しの下、「床を色鮮やかな敷物で覆う」に続く2つ目の提案を選ぶ設問。記事の指針とアンケートの不満の両方に合うものを探す。
<考え方>
この柱は色と複雑さの2面からなる。記事は、壁に物を貼りすぎると視覚的に気が散るので、壁面の2割から3割は空けておくとよいと述べている。アンケートでは、壁がポスターで埋まっていて落ち着かないという発言がある。両方が重なる提案が1つだけ残る。ほかの選択肢は、別の柱の話か、記事の指針と食い違う。
<選択肢>
①【誤】
画面をより良い場所へ移す、という内容。晴れた日に画面が見えにくいという光の問題で、「自然さ」の柱にあたる。
②【誤】
壁を1面ずつ違う色に塗る、という内容。記事は明るい色を使うなら1つの壁、床、窓の覆い、家具のいずれかに、としており、色を使いすぎないよう戒めている。指針と逆向き。
③【誤】
本を棚に並べる、という内容。収納は「個別性」の柱にあたる。本が整理されていないという不満への対応ではあるが、この見出しの下の提案としては合わない。
④【正】
掲示物を減らす、という内容。壁面を空けておくという記事の指針と、壁がポスターだらけという不満の両方に対応する。
問3:正解④
<問題要旨>
「自然さ」の見出しの下に並ぶ提案A〜Eのうち、この見出しにそぐわないものを1つ外す設問。項目そのものの良し悪しではなく、どの柱に属するかで判断する。
<考え方>
記事によれば、この柱が扱うのは自然光と人工照明の質と量、そして室温の2つ。Aの日よけは入りすぎる自然光を抑えるもの、Cの画面の移動は晴れた日に見えにくいという光の問題への対応、Eの照明は光が足りない場所への対応で、いずれも光。Bは温度の調整。残るDだけが家具の配置の話で、光にも温度にも関わらない。
<選択肢>
①【誤】
A。窓に日よけを付けるのは、入りすぎる自然光を抑える提案で、この柱に属する。
②【誤】
B。温度を調節できるようにする提案で、記事が明示している項目にそのまま対応する。
③【誤】
C。画面を窓から離すのは、晴れた日に画面と白板が見えにくいという不満への、光の面からの対応。
④【正】
D。ソファを壁際に置くのは家具の配置の話で、光とも温度とも関係がない。ここから外す。
⑤【誤】
E。暗い隅に照明を置くのは、光が足りないと読み書きしづらいという記述に対応する。
問4:正解 27=⑤ 28=④
<問題要旨>
「大多数の部員は部室を(27)しており、それは(28)の発言にも表れている」という議題文を完成させる設問。棒グラフの人数と自由記述の照合が求められる。
<考え方>
グラフは回答者38人。最も多いのは睡眠の32人で、これが過半数にあたる。次に多いのは日本語での雑談の30人だが、選択肢にあるのは「日本語を使わない」という逆向きの内容なので合わない。そのうえで、睡眠に触れた発言を自由記述の中から探すと1つに絞れる。
<選択肢>
27=⑤
「昼寝をする」。睡眠の32人は回答者38人中で最も多く、過半数にあたる。本を借りることに近い項目は8人、行きにくさや不安はグラフの項目になく、「日本語を使わない」は日本語での雑談が30人という数字と正反対になる。
28=④
ソファが心地よくて部室をよく睡眠に使ってしまう、と書いた発言。残る5人は、画面の見えにくさと温度、採光と本の乱れと掲示物、椅子と机の不便さと日本語の使用、部室が遠いこと、灰色の多さと英語表現の掲示にそれぞれ触れており、睡眠には言及していない。
問5:正解③
<問題要旨>
「グラフと(29)の発言の両方を踏まえて、英語をもっと話すよう促す決まりを設けるべきか」という議題の空所を埋める設問。グラフの数字と対応する発言を探す。
<考え方>
グラフでは、日本語での雑談が30人であるのに対し、英語での雑談は4人にとどまる。この開きと同じ問題を指摘している発言は、英語部なのに日本語で話す部員が多い、と書いたものだけ。グラフと発言の両方が要るという条件がついているので、言語に触れた発言かどうかで切る。
<選択肢>
①【誤】
画面と白板の見えにくさ、温度が調節できないことを述べた発言。使用言語には触れていない。
②【誤】
窓際のまぶしさと反対側の暗さ、本の乱れ、掲示物の多さを述べた発言。言語の話ではない。
③【正】
椅子と机の不便さに加えて、英語部なのに日本語で話す部員が多いと指摘した発言。グラフの30人対4人という数字と重なる。
④【誤】
壁の外国の写真が英語を話したくさせること、ソファの心地よさを述べた発言。使用言語の問題としては述べられていない。
⑤【誤】
部室が遠くてほとんど行かない、という発言。ハンドアウトでは別の項目として扱われている。
⑥【誤】
灰色が多くて好きではないこと、英語の日常表現の掲示が良いことを述べた発言。掲示物の話で、部員が実際に話す言語には触れていない。
第5問
英語の雑誌に載った物語「Maki’s Kitchen」を読み、発表用のノート(あらすじの並べ替え、主人公についての情報、場面の解釈)を完成させる問題です。現在の場面から始まって電話・高校時代・その後へと行き来する構成なので、出来事を起きた順に組み直す作業が要になります。
問1:正解 30=④ 31=⑤ 32=① 33=②
<問題要旨>
5つの出来事から4つを選び、起きた順に並べる設問。高校卒業が起点、Makiが第二の進路を考え始めるところが終点として、すでにノートに書かれている。
<考え方>
まず起きていない出来事を外す。Makiは大学進学を志して予備校に通ったが、家業を継ぐために計画を断念しており、学位は得ていない。残る4つに年を当てると、卒業のちょうど1年後にMakiが家業で働き始め(Takuyaが電話した日が初出勤日)、Takuyaは喫茶店で働き始めて1年後にMakiの言葉に背中を押されて独立を決め、Kasumiは昇進を重ねて今年副社長になり、その後に新聞記事を見てTakuyaに電話をかけている。
<選択肢>
30=④
Makiが家業で働き始める。卒業の1年後、Takuyaが電話をかけた日が彼女の初出勤日だったと書かれている。
31=⑤
Takuyaが自分の事業を始める気になる。喫茶店で働き始めて1年後、Makiの励ましを受けて仕事を辞め、焙煎の機械を買っている。
32=①
Kasumiが会社の副社長になる。卒業8か月後の昇進から着実に昇り、今年その地位に就いたとある。
33=②
KasumiがTakuyaに連絡を取る。副社長になった後、新聞記事を読んで電話をかけた場面で、物語の冒頭で触れられる「数週間前の電話」にあたる。
③は選ばない
Makiが大学の学位を取る、という出来事は起きていない。進学の計画は家業を継ぐために取りやめており、この5つのうちで唯一実現していない出来事になる。
問2:正解②
<問題要旨>
ノートの人物紹介欄に入るMakiの年齢を選ぶ設問。年齢そのものは書かれていないので、本文の数字から計算する。
<考え方>
電話の場面で、先月あったのは20周年の同窓会だと述べられ、卒業して20年になるとも言われている。高校卒業を18歳とすれば、現在はおよそ38歳。Makiが家業に入ったのは19歳という記述とも矛盾しない(卒業の1年後にあたる)。数字を先に出してから選択肢に当てる。
<選択肢>
①【誤】
30代前半。卒業から20年が経っているので、計算より10年近く若くなってしまう。
②【正】
30代後半。18歳で卒業して20年後、およそ38歳にあたる。
③【誤】
40代前半。卒業からの年数を20年より長く見積もることになり、本文の数字と合わない。
④【誤】
40代後半。同じ理由で合わない。差はさらに大きい。
問3:正解 35=① 36=②
<問題要旨>
Makiが2人の友人をどう支えたかをまとめる欄。「励ましに加えて何をしたか」を、Takuyaについてと Kasumiについてそれぞれ選ぶ設問。
<考え方>
Takuyaについては、Makiが自分の店に彼の豆を使っていると掲げ、その宣伝が豆の評判を町に広げた、という記述が根拠。Kasumiについては、化粧品の訪問販売で苦しんでいたときに、勤め先がやっている化粧の講習会の方が向いていると提案し、それが当たって昇進につながった、という記述が根拠。焙煎の機械を買ったのはTakuya自身、都市への移動はKasumiの昇進に伴う会社の配置なので、いずれもMakiの行為ではない。
<選択肢>
35=①
商品を人々に知らせた。Makiは店に「Takuyaのコーヒーを使っている」という掲示を出し、それが宣伝になって豆が町で知られるようになった、と書かれている。
36=②
成功する事業の案を出した。Makiは勤め先の化粧の講習会に目を付け、Kasumiはそちらの方が向いていると勧め、その案が当たって昇進につながっている。
残る③④⑤が不可
焙煎の機械を買ったのはTakuya自身、より大きな都市への移動はKasumiの昇進に伴う会社の配置であって、どちらもMakiの行為ではない。また、Makiが2人に必要な技術を教えた場面もない。
問4:正解③
<問題要旨>
電話の途中で2人の間に気まずい沈黙が生まれた理由を選ぶ設問。沈黙そのものの説明が本文にあるので、それを言い換えたものを取る。
<考え方>
沈黙の直前、2人はMakiが同窓会に来なかったこと、長く会っていないこと、彼女がいなかったら自分たちはどうなっていたか、を口にしている。そして沈黙の場面には、言葉にせずに罪悪感を伝え合った、と書かれている。Kasumi自身も、自分の仕事に没頭して、Makiが予備校をやめたときに支えてやれなかったと振り返っており、この後悔が沈黙の中身にあたる。
<選択肢>
①【誤】
自分たちの成功について話したくない、という内容。直前までTakuyaの成功を祝う会話をしており、話題を避けてはいない。
②【誤】
長く話していなかった、という内容。久しぶりであることは事実だが、それは会話が弾んでいた場面でも同じで、罪悪感という本文の記述を説明できない。
③【正】
友人をもっと大切にしなかったことを悔いている、という内容。罪悪感という記述と、Kasumiの回想に対応する。
④【誤】
Makiが自分たちの成功を妬んでいると思っている、という内容。Makiが妬んだという記述はどこにもない。本文にない情報の追加。
問5:正解②
<問題要旨>
最後の場面でKasumiが口にした「皮肉」という語が何を指すかを選ぶ設問。直前のTakuyaの発言との対比で決まる。
<考え方>
Takuyaは、Makiが人をとてもよく理解していて、他人の長所を見つけてその活かし方を示してくれる、自分たちがその証拠だ、と述べる。それを受けてKasumiが、自分自身に対しては同じことができなかったのが皮肉だ、と言う。つまり、他人に向けられる力が自分には向いていない、という対比。欠点の話ではなく、持っている力の使い道の話である点を外さないこと。
<選択肢>
①【誤】
いろいろなことを試したがらない、という内容。Makiは別のことをしてみたいと時折空想する人物として描かれており、向きが逆。
②【正】
自分自身の才能に気づいていない、という内容。他人の長所は見抜けるのに自分にはその目を向けられなかった、という対比にそのまま対応する。
③【誤】
自分に欠けている能力を分かっていない、という内容。話題になっているのは欠けているものではなく、すでに持っている力をどう活かすかである。
④【誤】
自分の夢を追いたいと思っていない、という内容。別のことをしてみたいという願望は描かれており、皮肉の指す中身とも違う。
第6問
Aは「時間の知覚」を扱う論説を読んで発表用ノートの段落見出し・内容のまとめ・自分で考えた具体例を埋める問題、Bは唐辛子の辛さの正体と健康への影響を扱う科学記事を読んで6枚の発表スライドを仕上げる問題です。Aは段落構成の把握と定義にあてはまる例を選ぶ力、Bは記事とスライドの照合と誤りの発見が問われます。
A 問1:正解 39=⑥ 40=②
<問題要旨>
ノートの段落見出しのうち、第1段落と第4段落にあたるものを6つの候補から選ぶ設問。第2・第3・第5・第6段落の見出しはすでに埋まっているので、消去も使える。
<考え方>
第1段落は、時計で測る時間と、人が心の働きで捉える時間という2つを対比して導入している。第4段落は、感情の状態が時間の意識に影響するという主張から始まり、楽しいとき・退屈なとき・恐ろしいときの例が並ぶ。ノートで第4段落の下位項目としてスカイダイビングが挙がっていることが決め手になる。
<選択肢>
39=⑥
時間の種類。第1段落は時計で測る時間と心理的な時間という2つを対比して示している。生物学的な仕組みは「人にはそれを測る仕組みがない」と否定される側なので、見出しにはならない。
40=②
感情の影響。第4段落は感情の状態が時間の意識に影響することを扱い、恐怖の例としてスカイダイビングの研究が挙がる。ノートの下位項目と一致する。
残る③④⑤が不可
記憶の種類は第2段落の内容の一部にすぎず段落の主題にならない。年齢による違いは第5段落の見出しとしてすでに置かれている。進行中の研究に相当する段落はこの論説にない。
A 問2:正解①
<問題要旨>
第5段落のまとめ「年を重ねると時間は速く進むように感じられるが、(41)」に続く内容を選ぶ設問。
<考え方>
第5段落は、子どもは新しい情報と経験が続くので一日が記憶に残り、振り返ると長く感じられる、大人は新しいことが減るので一日が記憶に残りにくい、と述べる。そのうえで、転職や転居のような大きな変化が起きると日常が揺さぶられ、その人にとっての時間の流れ方は子どもに近づく、と続く。子どもの側は時間が長く感じられるのだから、大きな変化は時間を遅く感じさせる方向に働く。変化の大きさと、速い・遅いの向きの2点で選択肢を切る。
<選択肢>
①【正】
年齢を問わず大きな生活の変化は時間を遅く感じさせる、という内容。子どもに近づくという記述と、子どもは時間が長く感じられるという記述をつなぐと、この向きになる。
②【誤】
年齢を問わず大きな変化は時間を速く感じさせる、という内容。速い・遅いの向きが逆で、子どもに近づくという記述と合わない。
③【誤】
大人の小さな変化は時間を遅く感じさせる、という内容。本文が挙げるのは転職・転居という大きな変化で、小さな変化についての記述はない。
④【誤】
子どもの小さな変化は時間を速く感じさせる、という内容。子どもについては時間が長く感じられると述べられており、向きが逆。
A 問3:正解③
<問題要旨>
後から見積もる測り方(retrospective timing)の具体例として、自分で考えたものを選ぶ設問。定義にあてはまるかどうかだけで決まる。
<考え方>
第2段落の定義が根拠。記憶から引き出した情報をもとに、過ぎた時間の長さを後から見積もる働きだと説明されている。したがって、すでに終わったことを振り返ってその所要時間を言う例が該当する。記憶を使うだけでは足りず、時間の長さを見積もっていることが要る点に注意する。
<選択肢>
①【誤】
同級生からの連絡を待つ、という例。これから起きることへの期待で、過ぎた時間を見積もる場面ではない。
②【誤】
母親の携帯番号を覚える、という例。記憶は使うが、時間の長さを見積もってはいない。
③【正】
今日何時間働いたかを振り返る、という例。終わったことを記憶から呼び出して長さを見積もっており、定義にそのまま当てはまる。
④【誤】
明日会議があると思い出す、という例。予定の想起で、経過した時間の見積もりではない。
A 問4:正解①
<問題要旨>
進行中に見積もる測り方(prospective timing)の具体例を選ぶ設問。前問と対になっており、定義の違いで切る。
<考え方>
第3段落の定義が根拠。何かをしている最中に時間の経過を追う働きで、思い出せる情報の量ではなく、活動中に時間そのものへどれだけ注意を向けているかが使われる、と説明されている。したがって、活動の最中であることと、経過時間を意識していることの両方を満たす例を取る。
<選択肢>
①【正】
今どれくらい走ったかを推し量る、という例。走っている最中に経過時間を意識しており、定義の2つの条件をともに満たす。
②【誤】
合宿の日程表を作る、という例。これから先の予定を組む作業で、経過している時間を測ってはいない。
③【誤】
駅でテニスの指導者に偶然会う、という例。時間の知覚とまったく関係がない。
④【誤】
前回の家族旅行を思い返す、という例。終わったことを振り返る側で、こちらは後から見積もる測り方にあたる。
B 問1:正解④
<問題要旨>
スライド2は唐辛子とわさびの特徴を3行で対比した表。唐辛子側の1行目「油のような成分」に対応する、わさび側の1行目を選ぶ設問。
<考え方>
対比の軸をそろえて考える。唐辛子の辛味の元は重くて油のような成分だと記事は述べ、わさびについては成分の密度が低く、蒸発しやすいので鼻に一気に抜ける、と説明する。スライドの2行目「気体に変わる」と3行目「一気に来る辛さ」が後半2つの記述に対応しているので、1行目には成分そのものの性質を言う語が入る。また、記事は辛さが味覚ではないと明言している点も、選択肢を落とす根拠になる。
<選択肢>
①【誤】
焼けるような味、という内容。記事は辛さが甘味・塩味・酸味と違って味覚ではないと明言しており、味として言い表すことができない。
②【誤】
火のような感覚、という内容。これは唐辛子の成分がもたらす感覚として説明されているもので、わさび側の特徴ではない。
③【誤】
長く続く感覚、という内容。これも唐辛子側の特徴で、スライドの唐辛子側3行目と重なってしまう。わさびは一気に来て抜けると説明されている。
④【正】
軽い化合物、という内容。成分の密度が低いという記述に対応し、唐辛子の「重く油のような成分」と正しく対になる。
B 問2:正解④
<問題要旨>
スライド3は唐辛子の辛味成分の良い働きをA〜Eの5つ並べたもの。記事に照らして誤っている1つを選ぶ設問。
<考え方>
5つを記事の該当箇所に1つずつ当てる。長く口にし続けると受容体が反応しなくなって痛みが和らぐこと、脂肪をエネルギーに変えて筋肉に送ること、代謝を速めること、抗菌の働きで食品が長持ちし食中毒が減ることは、いずれも書かれている。一方、この成分が受容体を刺激するのは、その人が痛みやストレスを感じているときに起きることと似ている、とされ、受容体自体もストレスを引き起こすものとして説明されている。したがってストレスを減らすという項目が記事と食い違う。
<選択肢>
①【誤(記事と合う)】
A。長く口にし続けると受容体が反応しなくなり、痛みが一時的に和らぐという記述がある。
②【誤(記事と合う)】
B。脂肪をエネルギーに変え、筋肉により多くのエネルギーを送るという記述に対応する。
③【誤(記事と合う)】
C。代謝を速めるという記述がそのままある。
④【正(誤りはこれ)】
D。記事では、この成分が受容体を活性化させるのは痛みやストレスを感じるときに近いとされ、受容体はストレスを引き起こすものと説明されている。ストレスを減らすとは書かれていない。
⑤【誤(記事と合う)】
E。抗菌の働きで微生物の繁殖が抑えられ、食品が長持ちして食中毒が減るという記述に対応する。
B 問3:正解 46・47=②・③(順序不問)
<問題要旨>
スライド4「悪い働き」に入る2つを選ぶ設問。短い時間に強い唐辛子を食べすぎた場合に起きることが問われる。順序は問われない。
<考え方>
記事の終盤が根拠。世界でも特に辛い品種を短時間に何個も食べた人が訴えた症状として、腹の不調、下痢、手のしびれ、心臓発作に似た症状が挙げられている。ここに載っているものだけを取る。皮膚が焼けるという記述は、非常に辛い品種に「触れた」場合の話であって、食べた場合の症状として並べられてはいない点に注意する。
<選択肢>
46・47=②【正】
腹に痛みが出るかもしれない、という内容。挙げられている症状のうち腹の不調に対応する。
46・47=③【正】
手の感覚が失われるかもしれない、という内容。挙げられている症状のうち手のしびれに対応する。
①【誤】
有害な細菌を活発にするかもしれない、という内容。記事はむしろこの成分に微生物の繁殖を抑える働きがあるとしており、向きが逆。
④【誤】
指が焼けるように感じるかもしれない、という内容。皮膚が焼けるのは非常に辛い品種に触れた場合の話で、食べたときの症状としては挙げられていない。
⑤【誤】
鼻が痛み出すかもしれない、という内容。鼻に抜ける辛さはわさびの成分が蒸発することの説明で、唐辛子の食べすぎの症状ではない。別の箇所の内容の混入。
B 問4:正解③
<問題要旨>
スライド5「辛さへの耐性」に入る、記事から推し量れる内容を選ぶ設問。直接そう書かれた1文はなく、2か所をつないで導く。
<考え方>
根拠は2か所。長く口にし続けると受容体が反応しなくなるという記述と、暑い地域の人は唐辛子をよく使うので、繰り返し口にするうちに辛い食べ物に強くなる傾向があるという記述。この2つから、いま辛さに弱い人でも慣れうる、と言える。なお、わさびは辛さの尺度に載せられないと明言されているので、尺度の数値とわさびを結びつける選択肢は成り立たない。
<選択肢>
①【誤】
唐辛子に強い人は食べ物に使われる香辛料に注意を払う、という内容。そうした記述は記事にない。
②【誤】
わさびに強い人は唐辛子の悪い働きを恐れている、という内容。2つの耐性を結びつけた記述はない。
③【正】
唐辛子に弱い人もその辛さに慣れることができる、という内容。繰り返し口にすると強くなるという記述から導ける。
④【誤】
わさびに弱い人は高い辛さの数値に耐えられない、という内容。わさびは辛さの尺度に載せられないと明言されており、数値と結びつけられない。
B 問5:正解⑤
<問題要旨>
スライド6の結びの言葉としてふさわしいものを選ぶ設問。記事全体がどう締めくくられているかで決まる。
<考え方>
記事の結論は、悪い影響もあるが不快感はふつう数時間のうちに収まる、辛い食べ物は世界中で好まれ食卓に彩りを添えている、量に気をつければ食べても安全だ、というもの。利点を多く挙げたうえで前向きに締める言い方を選ぶ。記事に書かれていない要素(性格、自信、体質)を持ち込んだものは落ちる。
<選択肢>
①【誤】
怖がらなくてよい、辛い物を食べれば自信がつく、という内容。自信についての記述は記事にない。
②【誤】
辛さは一瞬で消えると覚えておく、という内容。不快感は数時間のうちに収まるとあり、唐辛子の成分による感覚は長く残るとも説明されている。程度の言い過ぎ。
③【誤】
辛さの好みは性格で決まる、という内容。性格との関係は述べられていない。
④【誤】
わさびに弱い体質は治らない、という内容。そうした記述はなく、慣れうるという記事の流れとも合わない。
⑤【正】
辛い物を勧められたら、体に良い面もあると思い出す、という内容。健康上の利点を多く挙げたうえで、量に注意すれば安全だとまとめた結論に合う。
※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

