2026年度 大学入学共通テスト 追試験 地理総合・地理探求 解答・解説

2026年度 大学入学共通テスト 追試験「地理総合・地理探求」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。

目次

解答

解説

2026年度大学入学共通テスト追試験の「地理総合,地理探究」は、大問6つ・設問30問、100点満点、試験時間60分で全問必答です。配点は第1問が13点、第2問が12点、第3問が21点、第4問が17点、第5問が20点、第6問が17点で、第3問と第5問が全体の4割を占めます。

第1問は世界各地の生活文化の多様性、第2問は山口県周南地域の地域調査、第3問は世界の自然環境と自然災害、第4問は農水産物と工業製品の生産・貿易、第5問は村落・都市と人口、第6問はオセアニアとその周辺地域を扱います。このうち第1問と第2問は、単独科目「地理総合」の第1問・第2問と同一の問題です。

この回は6つの大問がすべて資料の読み取りで構成され、用語の暗記だけで解ける設問はほとんどありません。つまずきやすいのは、矢印の向きや2×2に配置された表の行と列といった資料の構造そのものを自分で確定させる必要がある設問と、南半球の季節、割合と実数、よく似た統計指標(老年人口率と老年人口の増加率、住宅・光熱と娯楽・文化)の取り違えです。数値を1つでも先に出してから選択肢に向かえば、多くの設問は機械的に決まります。

第1問 世界各地の生活文化の多様性(配点13)

世界各地の祭礼、ワーキングホリデービザによる人の往来、家計消費支出の構成、日本の都道府県別統計地図という4つの資料をもとに、生活文化と社会の地域差を読み取らせる大問です。いずれも印象ではなく数値の大小と分布の偏りで判定させる作りになっています。

問1:正解 ④(解答番号1/配点3)

<問題要旨>

世界地図上に4地点(アンデス高地、ブラジル南東部、スカンディナビア半島南部、インドシナ半島)を示し、祭礼の様子を写した4枚の写真とその説明文のうち、スカンディナビア半島南部の地点周辺でみられるものを選ばせる設問です。写真の説明には祭礼の内容と行われる月が添えられています。

<考え方>

祭礼は、その地域の自然環境(緯度による日照時間、雨季と乾季)や主要作物、宗教と結びついている。高緯度のヨーロッパ北部では冬至の前後に昼が最も短くなるため、日照時間の回復を祝うキリスト教の行事が12月に行われる。行われる月と内容を、4地点それぞれの気候・作物・宗教に突き合わせると、4つとも一対一に対応する。

<選択肢>

①【誤】

サンバのリズムに合わせて踊る祭礼が3月頃に行われるとある。サンバはブラジルの音楽舞踊で、南半球の夏にあたる2〜3月のカーニバルに対応する。ブラジル南東部の地点にあたる。

②【誤】

像に水をかける祭礼が4月に行われるとある。仏像に水をかけて新年を祝う行事は東南アジア大陸部の水かけ祭りで、乾季の終わる4月に行われる。仏教徒が多いインドシナ半島の地点にあたる。

③【誤】

神にトウモロコシの酒をささげる祭礼が6月に行われるとある。トウモロコシはアンデス高地の主要作物で、南半球の冬至にあたる6月に太陽神をまつる祭礼が行われる。アンデス高地の地点にあたる。

④【正】

日が長くなり始めることを祝う祭礼が12月に行われるとある。高緯度地域では冬至の前後に昼が最も短くなるため、12月に日照時間の回復を祝う行事が行われる。白い衣をまとった人々が教会に並ぶ写真とも一致し、スカンディナビア半島南部の地点にあたる。

正解【④】

高緯度ほど冬の日照時間が短いという自然環境の差が祭礼の内容と時期に表れるため、12月に日の長さの回復を祝う④が該当します。

問2:正解 ①(解答番号2/配点4)

<問題要旨>

ワーキングホリデービザによって日本との間を往来した人の数を、3か国について2000年と2018年の双方向で示した図を与え、A〜Cがオーストラリア・韓国・フランスのどれかを判定させる設問です。矢印の太さと数値で、どちらの方向の流れが大きいかが示されています。

<考え方>

矢印の向きを取り違えると3か国すべてが崩れるので、まず日本から出る流れと日本に入る流れを数値ごとに分けて確認する。Aは日本発が8982人から11436人へと圧倒的に大きく、Bは相手国発が973人から6534人へ約6.7倍に急増し、Cは双方とも数百人から1300人台にとどまる。日本人の渡航先として最も多い国、訪日側が多く近年急増した国、双方が小規模な国という3つの型に当てはめる。

<選択肢>

①【正】

オーストラリアA・韓国B・フランスC。日本人のワーキングホリデー渡航先は英語圏のオーストラリアが最も多く、日本発が1万人を超えるAに対応する。訪日側が多く急増したBは距離が近く若年層の往来が多い韓国、双方が1000人前後で釣り合うCが査証発給枠の小さいフランスにあたる。

②【誤】

オーストラリアA・韓国C・フランスB。BはCの約5倍の訪日者があり、発給枠が限られるフランスの規模を大きく超える。韓国とフランスが入れ替わっている。

③【誤】

オーストラリアB・韓国A・フランスC。Aは日本発が相手国発の8倍以上あり、韓国から日本への往来が多いという実態と向きが逆になる。

④【誤】

オーストラリアB・韓国C・フランスA。日本発が相手国発を大きく上回るのはオーストラリアの特徴で、往来がほぼ釣り合うフランスには当てはまらない。

⑤【誤】

オーストラリアC・韓国A・フランスB。Cは双方1000人前後の小規模で、日本人の渡航先として最も多いオーストラリアの規模と合わない。

⑥【誤】

オーストラリアC・韓国B・フランスA。韓国Bは合うが、Cの規模がオーストラリアに合わず、日本発が最大のAをフランスとするのも実態に反する。

正解【①】

日本発が圧倒的に多いAがオーストラリア、訪日が急増したBが韓国、双方が小規模なCがフランスとなる①が正解です。

問3:正解 ④(解答番号3/配点3)

<問題要旨>

日本・アメリカ合衆国・インドの家計消費支出の割合を帯グラフで示し、E〜Gの国名と、凡例カ・キが娯楽・文化と住宅・光熱のどちらにあたるかを組合せで判定させる設問です。帯グラフには食料、外食・宿泊、保健・医療の割合も示されています。

<考え方>

家計消費に占める食料費の割合(エンゲル係数)は、1人当たり所得が低い国ほど高くなる。食料が約36%に達するGは所得水準の低いインド、保健・医療が約22%と3か国で唯一突出するFは公的医療保険の適用範囲が狭いアメリカ合衆国、残るEが日本。凡例はカがどの国でも17〜30%で最大級、キは3〜9%にとどまるので、家計の最大支出項目である住宅・光熱がカ、娯楽・文化がキと決まる。

<選択肢>

①【誤】

アメリカ合衆国E・娯楽・文化カ。Eは保健・医療が約3%しかなく、医療費の家計負担が重いアメリカ合衆国の特徴と合わない。カは3か国すべてで最大の項目であり、娯楽・文化の水準を大きく超える。

②【誤】

アメリカ合衆国E・娯楽・文化キ。娯楽・文化がキという判定は正しいが、Eは食料約17%・保健医療約3%で日本にあたる。

③【誤】

アメリカ合衆国F・娯楽・文化カ。国の判定は正しいが、カは3か国すべてで最大の項目で、娯楽・文化ではなく住宅・光熱である。

④【正】

アメリカ合衆国F・娯楽・文化キ。Fは保健・医療が約22%と3か国で唯一突出し、アメリカ合衆国に対応する。キは3〜9%で住宅・光熱より小さく、娯楽・文化にあたる。

⑤【誤】

アメリカ合衆国G・娯楽・文化カ。Gは食料が約36%と最も高く、所得水準が低いインドの特徴である。カの判定も誤り。

⑥【誤】

アメリカ合衆国G・娯楽・文化キ。娯楽・文化がキは正しいが、食料費の割合が最大のGをアメリカ合衆国とする点が誤り。

正解【④】

保健・医療が約22%で突出するFがアメリカ合衆国、割合が小さいキが娯楽・文化となる④が正解です。

問4:正解 ⑥(解答番号4/配点3)

<問題要旨>

都道府県別の統計を円の大きさで表した3枚の地図J〜Lを与え、それぞれが温泉の源泉数・公立図書館数・スキー場数のどれにあたるかを組合せで判定させる設問です。

<考え方>

自然条件に強く左右される指標と、人口や市町村数にほぼ比例する指標を分けるのが筋道になる。Jは長野・新潟・岐阜・北海道など積雪の多い山地の県に大きな円が集中し、九州や四国にはほとんど円がないのでスキー場数。Lは大分が最大で鹿児島・静岡・北海道が続き、火山地帯に偏るので温泉の源泉数。Kは全都道府県に大小の円が広く分布し、人口の多い都府県で大きくなるので公立図書館数である。

<選択肢>

①【誤】

温泉J・図書館K・スキーL。Jは九州にほとんど円がなく、源泉数が全国最多の大分を含む九州で大きくなるはずの温泉の源泉数には当てはまらない。

②【誤】

温泉J・図書館L・スキーK。Lは大分・鹿児島に大きな円が集まる偏った分布で、市町村数に比例する公立図書館の分布にはならない。

③【誤】

温泉K・図書館J・スキーL。Jは中部山岳と北海道に偏っており、全国に満遍なく置かれる公立図書館の分布とは異なる。

④【誤】

温泉K・図書館L・スキーJ。スキー場がJという判定は正しいが、Kは全国に広く分布しており、火山地帯に偏る源泉数には合わない。

⑤【誤】

温泉L・図書館J・スキーK。温泉がLは正しいが、図書館とスキー場が入れ替わっている。Kは近畿・中国・四国にも円が多く、積雪地に限られるスキー場の分布ではない。

⑥【正】

温泉L・図書館K・スキーJ。Lは大分が最大で火山地帯に偏る温泉の源泉数、Kは全都道府県に分布して人口規模に対応する公立図書館数、Jは積雪の多い山地の県に集中するスキー場数である。

正解【⑥】

火山地帯に偏るLが温泉の源泉数、全国に広く分布するKが公立図書館数、積雪山地に集中するJがスキー場数となる⑥が正解です。

第2問 山口県周南地域の地域調査(配点12)

山口県周南市の高校生が周南地域(周南市・下松市・光市)の発展について行った地域調査という枠組みで、光市の海岸地形の景観写真、新旧地形図の比較、徳山下松港の貨物取引、人口増減と医療機関の分布が順に扱われます。

問1:正解 ②(解答番号5/配点3)

<問題要旨>

光市の地形図上に撮影地点A〜Cと撮影方向の矢印を示し、3枚の景観写真ア〜ウがどの地点からどの方向を撮ったものかを組合せで判定させる設問です。地形図には砂浜、陸繋砂州、岬などの海岸地形が表現されています。

<考え方>

撮影方向の矢印をたどり、その先に地形図上で何があるかを確かめるのが基本になる。Aは北部の砂浜海岸上にあり矢印は南を向き、南側には丘陵性の岬が続く。Bは南部の低地にあり矢印は西を向き、西側には等高線の詰まった急斜面の岬と小さな浜がある。Cは陸繋砂州の基部にあり矢印は北を向き、細長い砂州とその先の陸繋島、さらに湾を越えた市街地と山地が視野に入る。

<選択肢>

①【誤】

A=ア・B=イ・C=ウ。アの砂浜をAとするのは正しいが、イには護岸を伴う細長い砂州と陸繋島が写っており、砂州の基部にあたるCからの眺望である。

②【正】

A=ア・B=ウ・C=イ。アは手前に砂浜、右手すなわち西側に海、奥に岬の丘陵が写り南向きのAと一致する。ウは急斜面の樹林と足元の小さな浜で西向きのB、イは細長い砂州と陸繋島、奥に湾越しの市街地と山地が写り北向きのCと一致する。

③【誤】

A=イ・B=ア・C=ウ。イには砂州と陸繋島が写るが、A付近の海岸は直線的な砂浜で、砂州は存在しない。

④【誤】

A=イ・B=ウ・C=ア。B=ウは正しいが、アの広く開けた砂浜は砂州の基部Cから北を向いた眺望ではない。

⑤【誤】

A=ウ・B=ア・C=イ。C=イは正しいが、ウの急斜面と小さな浜はA付近の平坦な砂浜海岸には見られない。

⑥【誤】

A=ウ・B=イ・C=ア。3つすべてで矢印の先にある地形と写真の内容が食い違う。

正解【②】

矢印の先にある地形(砂浜と岬、急斜面と小さな浜、砂州と陸繋島)で一意に決まり、A=ア・B=ウ・C=イの②が正解です。

問2:正解 ②(解答番号6/配点3)

<問題要旨>

1960年発行の5万分の1地形図と現在の地形図を並べ、周南地域の変化について述べた文章の下線部①〜④から適当でないものを1つ選ばせる設問です。海の埋立て、市役所の位置、市街地化、バイパスの整備目的が下線になっています。

<考え方>

新旧地形図の比較では、主張された施設や土地利用が実際にどこにあるかを両方の図で1つずつ確かめる。市役所の記号は旧図では中心市街地の中にあり、現在の図でも徳山駅の北側の同じ中心市街地内にあって、位置は変わっていない。一方、沿岸の埋立てと工場の立地、北部の正重地区から辻地区にかけての市街地化、バイパスが通過交通を分離するという整備目的は、いずれも図の変化や道路の機能と整合する。

<選択肢>

①【適当】

海の埋立てが進められ工場がつくられた。現在の図では海岸線が直線的になり、旧図で海だった場所に大きな工場の敷地が並んでいる。図の変化と一致する。

②【適当でない】

市役所は中心市街地から郊外に移転した。市役所の記号は新旧いずれの図でも中心市街地の中にあり、郊外へ移転していない。施設の位置を実際と入れ替えた誤りである。

③【適当】

正重地区から辻地区にかけては市街地化が進んだ。旧図で田や畑が広がっていた北部一帯が、現在の図では建物の記号で埋まっている。

④【適当】

周南バイパスは中心市街地を通過する自動車交通量の抑制を主な目的として整備された。バイパスは市街地を迂回させて通過交通を分離する道路であり、整備目的の説明として適当である。

正解【②】

市役所は新旧の図で同じ中心市街地内にあり郊外へ移転していないため、②が適当でありません。

問3:正解 ①(解答番号7/配点3)

<問題要旨>

徳山下松港の貨物取引量の割合を品目別の円グラフで4つ示し、国内と国外、輸出・移出と輸入・移入の組合せのうち、国内への移出に該当するものを選ばせる設問です。あわせて、国内自給率の高い資源を用いて加工する工場が立地していること、石炭を一時貯蔵して国内の他の港へ移出する施設があることが示されています。

<考え方>

4つの円グラフは2×2の表に配置されているので、まず品目から行と列を確定させる。原塩とガソリン・ナフサを含み石炭が過半を占める図は、国内でほとんど生産されない原塩があることから国外からの輸入で確定する。これで右の列が輸入・移入、下の段が国外と決まり、上の段が国内、左の列が輸出・移出となる。求める国内への移出は左の列の上の段である。石灰石が過半を占める図が国内自給率の高い資源の移入、化学薬品とセメントだけの図が国外への輸出となり、いずれも整合する。

<選択肢>

①【正】

化学薬品・セメント・石炭・その他からなる図。左の列の上の段にあたり、国内への移出である。石炭を一時貯蔵して国内の他の港へ移出する施設があるという説明と、石炭が含まれることが一致する。

②【誤】

石灰石・化学薬品・鋼材・その他からなる図。石灰石はセメント工場向けに国内の産地から運び込まれる資源で、国内からの移入にあたる。移出ではない。

③【誤】

化学薬品・セメント・その他からなる図。原料の移入品目を含まず製品だけで構成され、下の段の左の列、すなわち国外への輸出にあたる。

④【誤】

石炭・ガソリン・ナフサ・原塩・その他からなる図。原塩は国内でほとんど生産されず輸入に依存する品目で、この図は国外からの輸入である。

正解【①】

原塩を含む図を国外からの輸入と確定させると2×2の表の向きが決まり、石炭を含む①が国内への移出となります。

問4:正解 ③(解答番号8/配点3)

<問題要旨>

周南地域の人口増減をメッシュで示した図と医療機関の分布図、高速交通網の図と1970年を100とした人口推移のグラフを与え、生徒の会話の下線部①〜④から適当でないものを1つ選ばせる設問です。

<考え方>

会話の中で主張された分布が実際にどこにあるかを図で確かめる。医療機関の分布図では病院の記号は沿岸の市街地に密集しており、高速道路のインターチェンジは内陸に位置してその周辺には病院がほとんど描かれていない。人口推移のグラフでは下松市だけが2000年以降も上昇して112程度に達し、周南市と光市は104程度から94程度まで低下するので、減少の顕著さの比較は成り立つ。巡回診療所の記号は北部の内陸と島に置かれている。

<選択肢>

①【適当】

2000年以降の人口推移をみると、下松市に比べて周南市と光市の人口減少が顕著である。グラフで下松市だけが上昇を続け、周南市と光市は2000年の104程度から2020年の94程度まで下がっている。

②【適当】

人口が増えたメッシュが多く分布しているのは、周南市と下松市の境界付近のうち海に近い地域である。増加したメッシュは沿岸の市街地帯、とくに両市の境界付近にまとまって分布している。

③【適当でない】

高速道路のインターチェンジ周辺に病院が集中している。病院は沿岸の市街地に集中しており、インターチェンジがある内陸側には病院がほとんどない。分布している場所を実際と入れ替えた誤りである。

④【適当】

巡回診療所が開設されているのは、内陸部や島嶼部の住民が医療サービスを受けやすくするためである。巡回診療所の記号は北部の内陸と島に置かれており、医療機関が少ない地域を補う配置になっている。

正解【③】

病院が集中しているのは沿岸の市街地であってインターチェンジ周辺ではないため、③が適当でありません。

第3問 世界の自然環境と自然災害(配点21)

震源の深さ別の分布、世界各地の巨石地形、温帯の都市の気温と降水量、インドネシアの泥炭湿地林の開発、地震と熱帯低気圧の被害、地形別の住家倒壊率という6つの資料で構成され、自然環境の成り立ちと災害リスクを結びつけて考えさせる大問です。

問1:正解 ①(解答番号9/配点3)

<問題要旨>

緯度・経度とも10度の2つの範囲について、1951〜2020年に発生したマグニチュード5以上の地震の震源を深さ別に示した2枚の図ア・イを与え、スマトラ島付近の範囲Bに該当する図と、震源の深さ30km未満を表す凡例(gまたはh)の組合せを選ばせる設問です。範囲Aは南イタリアから西ギリシャ、範囲Bはスマトラ島を含みます。

<考え方>

まず震源帯の形で図を割り当てる。アは左上から右下へ連続する1本の高密度帯で、北西から南東へ延びるスンダ海溝とスマトラ島の走向に一致するのでB。イは左側に散在する震源と右側の密集帯という二重構造で、イタリア半島側とギリシャ側に震源域が分かれるAの特徴である。次に凡例は、沈み込み帯では海溝側で浅く陸側へ向かって深くなるという原則で決める。イでは浅い地殻内地震が多いギリシャ側の密集帯を白丸のgが占め、灰色のhは左中央にまとまった塊(ティレニア海の下の深い震源)をつくる。アでも白丸が海溝側、灰色が陸側に偏っており、g=30km未満と決まる。

<選択肢>

①【正】

B=ア・30km未満=g。アの震源帯は北西から南東へ一直線に延びてスマトラ島の走向と一致し、白丸gは海溝側、灰色hは陸側に分布して沈み込みに伴う深さの変化を示す。

②【誤】

B=ア・30km未満=h。図の割り当ては正しいが、灰色hを浅い震源とすると陸側に向かって浅くなることになり、沈み込み帯の構造と矛盾する。

③【誤】

B=イ・30km未満=g。イは震源が左右2つのまとまりに分かれており、1本の海溝に沿って帯状に並ぶスマトラ島付近の分布にはならない。

④【誤】

B=イ・30km未満=h。図の割り当ても凡例の割り当ても誤りで、深い震源が海溝側に集まることになってしまう。

正解【①】

北西から南東へ1本の帯をつくるアがスマトラ島付近のBで、海溝側に多い白丸gが震源の深さ30km未満を表すので①が正解です。

問2:正解 ③(解答番号10/配点3)

<問題要旨>

世界の3地点カ〜クと、形成の要因が異なる3つの巨石の写真D〜Fを対応させる設問です。Dは最終氷期の氷床により運ばれた巨石、Eは土石流により運ばれた巨石、Fは風化と侵食作用により形成された巨石と説明されています。地点カはベネズエラ北部の海岸山脈、キはイギリス北部、クはオーストラリア東南部の内陸です。写真Eは問題冊子では省略されています。

<考え方>

形成要因を、その地点の気候と地形の成り立ちに戻して結びつける。氷床が運んだ巨石(氷河漂礫)は、最終氷期に大陸氷床に覆われた高緯度地域にしか残らないので、Dはイギリス北部のキ。風化と侵食でできた球状の巨岩(トア)は、乾燥した気候のもとで安定陸塊の花崗岩が風化して残ったものなので、Fはオーストラリア東南部内陸のク。Dとキ、Fとクが確定すれば、残るカにEが割り当たる。実際、カは急峻な山地が連なる変動帯で豪雨のたびに土石流が発生し、巨礫を運び出す条件をそろえている。

<選択肢>

①【誤】

カ=D・キ=E・ク=F。カはカリブ海沿岸の低緯度地域で、最終氷期にも氷床には覆われていない。氷床の分布範囲を取り違えている。

②【誤】

カ=D・キ=F・ク=E。カを氷床の地域とする点が誤りで、乾燥地に典型的な風化残丘を湿潤なイギリス北部に当てるのも無理がある。

③【正】

カ=E・キ=D・ク=F。急峻な変動帯で豪雨が多いカが土石流、最終氷期に氷床に覆われたキが氷河漂礫、乾燥した安定陸塊のクが風化と侵食による巨岩に対応する。

④【誤】

カ=E・キ=F・ク=D。カ=Eは正しいが、クは低緯度側の内陸で最終氷期にも氷床は及んでいない。

⑤【誤】

カ=F・キ=D・ク=E。キ=Dは正しいが、クは起伏の小さい内陸で土石流を起こすような急斜面に乏しく、逆にカは急峻な山地で風化残丘の景観にはなりにくい。

⑥【誤】

カ=F・キ=E・ク=D。3つすべてで、氷床の分布範囲と地形の傾斜という条件が合わない。

正解【③】

氷床に覆われた高緯度のキがD、乾燥した安定陸塊のクがFと決まるため、残る急峻な変動帯のカがEとなり③が正解です。

問3:正解 ②(解答番号11/配点3)

<問題要旨>

ケッペンの気候区分で温帯に属する4都市について、最暖月と最寒月の月平均気温、最多雨月と最少雨月の月降水量を示した図と、4地点サ〜セを示した地図を与え、地点セに該当するものを選ばせる設問です。地点セはオーストラリア南西端にあたります。

<考え方>

雨温図の代わりに4つの数値だけが与えられているので、最多雨月がいつか、気温の年較差、最寒月平均気温の3点で気候区を決める。南半球では7月が冬、12〜1月が夏であることを踏まえると、地点セのような大陸西岸の中緯度では冬に多雨・夏に乾燥する地中海性気候となる。最暖月24.8℃・最寒月13.0℃で年較差は約12℃、最多雨月が7月で138mm、最少雨月が12月で8mmという組合せが、この冬雨・夏乾の南半球型を満たす。

<選択肢>

①【誤】

J。最暖月25.5℃・最寒月0.5℃で年較差が約25℃と大きく、最多雨月は7月の160mm、最少雨月は1月の10mm。夏に多雨で冬に乾燥する北半球の東アジア型で、地点スにあたる。

②【正】

K。最暖月24.8℃・最寒月13.0℃で年較差は約12℃、最多雨月が7月の138mm、最少雨月が12月の8mm。南半球では7月が冬なので冬に多雨・夏に乾燥する地中海性気候となり、オーストラリア南西端の地点セに一致する。

③【誤】

L。最暖月19.0℃・最寒月5.5℃で、最多雨月は11月の70mm、最少雨月は3月の42mm。降水量の年変化が小さく1年を通じて湿潤な西岸海洋性気候で、イギリス南部の地点サにあたる。

④【誤】

M。最暖月15.5℃・最寒月2.0℃と夏が涼しく、最多雨月は12月の290mm、最少雨月でも5月の110mmと降水量そのものが多い。偏西風と暖流の影響を強く受ける高緯度の大陸西岸で、ノルウェー南西岸の地点シにあたる。

正解【②】

最寒月13.0℃、最多雨月が7月で138mm、最少雨月が12月で8mmという冬雨・夏乾の南半球型を示すKが、オーストラリア南西端の地点セにあたります。

問4:正解 ④(解答番号12/配点4)

<問題要旨>

インドネシアのある地域における土地利用の変化を1979年と2006年の2枚の分布図で示し、泥炭湿地林の性質と開発の影響を述べた文章の下線部①〜④から適当でないものを1つ選ばせる設問です。文章では、冠水によって微生物の働きが抑えられ未分解の有機物である泥炭が堆積することが説明されています。

<考え方>

泥炭は、分解されなかった有機物が蓄積したものであり、そのまま炭素の貯蔵庫になっている。したがって排水によって乾燥させ、火入れによって焼失させれば、蓄えられていた炭素は二酸化炭素として大気へ放出される。「地中に蓄積される炭素量の増加」は因果を逆にした記述で、実際には地中の炭素蓄積量は減少し、それが地球温暖化という地球規模の環境問題につながる。

<選択肢>

①【適当】

内陸側ではアカシア林が拡大した。2006年の図では、内陸側の広い範囲がアカシア林の凡例に置き換わっている。製紙原料の植林地として拡大したことが読み取れる。

②【適当】

希少な動植物の個体数減少につながった。天然林・二次林(密)が大規模なプランテーションに置き換われば生息地が失われ、希少種の個体数は減少する。

③【適当】

排水路建設などによる土地の乾燥化を伴う。泥炭湿地を農地にするには水位を下げる必要があり、排水路の建設が土地の乾燥化をもたらす。

④【適当でない】

泥炭の焼失は、地中に蓄積される炭素量の増加をもたらす。泥炭が焼失すれば蓄積されていた有機炭素は二酸化炭素として大気へ放出され、地中の炭素蓄積量は減少する。因果が逆になっている。

正解【④】

泥炭の焼失は地中の炭素を大気へ放出して蓄積量を減らすため、「増加をもたらす」とする④が適当でありません。

問5:正解 ⑥(解答番号13/配点4)

<問題要旨>

1990年から2019年までの地震と熱帯低気圧による自然災害の発生数と死者数を、アメリカ合衆国・オーストラリア・台湾の3か国・地域について示した表を与え、P・Qのどちらが熱帯低気圧か、タ〜ツのどれがアメリカ合衆国かを組合せで判定させる設問です。

<考え方>

発生数が少ないのに死者数が極端に偏る列と、発生数が多い列を分けるのが手がかりになる。タはPが1件で死者0人であり、安定陸塊で被害地震がほとんど起こらないオーストラリアにあたる。この時点でPが地震、Qが熱帯低気圧(サイクロン)と決まる。チはPが9件で死者2477人と極端に致死的で、1回の大地震で約2400人の死者を出した台湾にあたる。残るツがアメリカ合衆国で、Qが69件・死者3015人という多数のハリケーン被害と整合する。

<選択肢>

①【誤】

熱帯低気圧P・アメリカ合衆国タ。Pは発生数が1〜18件と少なく死者数の偏りが大きい地震の型である。またタはPが1件・死者0人で、地震活動が活発なアメリカ合衆国には当てはまらない。

②【誤】

熱帯低気圧P・アメリカ合衆国チ。Pを熱帯低気圧とすると、オーストラリアにあたるタの熱帯低気圧が30年間で1件になってしまい成り立たない。

③【誤】

熱帯低気圧P・アメリカ合衆国ツ。国の判定は正しいが、P・Qの割り当てが逆である。発生数が21〜69件と多いQが熱帯低気圧にあたる。

④【誤】

熱帯低気圧Q・アメリカ合衆国タ。Qが熱帯低気圧という判定は正しいが、タはPが1件・死者0人で被害地震がほぼない国であり、アメリカ合衆国ではない。

⑤【誤】

熱帯低気圧Q・アメリカ合衆国チ。チはPの死者が2477人で、1回の大地震による死者が集中した台湾の特徴である。アメリカ合衆国の地震死者数はこれより1桁以上少ない。

⑥【正】

熱帯低気圧Q・アメリカ合衆国ツ。発生数の多いQが熱帯低気圧で、ツはPが18件・死者69人、Qが69件・死者3015人と、地震とハリケーンの双方が多発するアメリカ合衆国に対応する。

正解【⑥】

発生数が多いQが熱帯低気圧、地震と熱帯低気圧の双方が多いツがアメリカ合衆国となる⑥が正解です。

問6:正解 ①(解答番号14/配点4)

<問題要旨>

日本の内陸部で明治期に発生した大規模地震について、震央からの距離と住家倒壊率の関係を凡例x・yに分けて示した図を与え、沖積低地に該当する凡例と、地震に関連して発生する被害を述べた文章の空欄Sに入る語句の組合せを選ばせる設問です。文章では家屋の傾斜やマンホールの浮き上がりという被害が挙げられています。

<考え方>

同じ震央距離でも地盤の硬軟によって揺れの大きさが変わり、軟弱な堆積物からなる沖積低地では地震動が増幅されて被害が大きくなる。図では震央距離30〜55kmの範囲でxが倒壊率30〜100%と高く、yは1〜30%にとどまるので、x=沖積低地、y=台地である。空欄Sは家屋の傾斜とマンホールの浮き上がりという被害から決まり、これは地下水位の高い砂質地盤が地震動で流動化する液状化の典型的な現象である。土砂崩れでは地中の構造物が浮き上がる説明がつかない。

<選択肢>

①【正】

沖積低地x・S=液状化。xは同じ震央距離でyより倒壊率が1桁高く、地震動が増幅される軟弱な沖積低地にあたる。マンホールの浮き上がりは、液状化によって地盤が流動化した際の典型的被害である。

②【誤】

沖積低地x・S=土砂崩れ。凡例の判定は正しいが、土砂崩れは斜面で起こる現象であり、平坦地で家屋が傾きマンホールが浮き上がる被害を説明できない。

③【誤】

沖積低地y・S=液状化。語句は正しいが、yは倒壊率が低く、揺れが増幅されにくい台地にあたる。

④【誤】

沖積低地y・S=土砂崩れ。凡例も語句も誤りで、倒壊率の高低と地盤の硬軟の関係が逆になっている。

正解【①】

倒壊率が高いxが軟弱な沖積低地であり、家屋の傾斜やマンホールの浮き上がりは液状化による被害なので①が正解です。

第4問 マコトさんたちが探究する世界の貿易(配点17)

生徒のマコトさんたちが世界における貿易について授業で探究するという枠組みで、農水産物の自給率、大豆とトウモロコシの生産と輸出、中間財の国際的な流れ、日本の貿易品の用途別構成の変化、国際特許と技術貿易が順に扱われます。

問1:正解 ②(解答番号15/配点4)

<問題要旨>

日本を含むいくつかの国について、農水産物の品目別自給率をレーダーチャートで示した図を与え、ア・イがイギリスとインドネシアのどちらか、A・Bが穀類と野菜類のどちらかを組合せで判定させる設問です。チャートには穀類・野菜類のほかいも類・果実類・魚介類・肉類が示されています。

<考え方>

国名が示されている日本の値が基準になる。日本の自給率は穀類が約30%、野菜類が約80%なので、日本のチャートでAが約30〜40、Bが約80であることからA=穀類、B=野菜類と決まる。次にアはAが約110と高い一方でBが約40、果実類が約10と極端に低く、小麦の自給率が高く野菜と果実を輸入に頼るイギリスの姿である。イは6項目すべてが100前後で、熱帯の農業国として自給的な生産が中心のインドネシアにあたる。

<選択肢>

①【誤】

イギリス=ア・野菜類=A。国の判定は正しいが、日本のAは約30〜40で、野菜類の約80とは合わない。Aは穀類である。

②【正】

イギリス=ア・野菜類=B。アは穀類が約110と高い一方、野菜類が約40、果実類が約10と低く、イギリスの自給率の形と一致する。日本でBが約80を示すことから野菜類はBである。

③【誤】

イギリス=イ・野菜類=A。イは全項目が100前後で、果実類が極端に低いイギリスの特徴を示さない。Aの判定も誤りである。

④【誤】

イギリス=イ・野菜類=B。野菜類=Bは正しいが、全項目が100前後のイはインドネシアであり、イギリスではない。

正解【②】

日本の値からA=穀類・B=野菜類と決まり、穀類が高く野菜類と果実類が低いアがイギリスとなる②が正解です。

問2:正解 ②(解答番号16/配点3)

<問題要旨>

大豆とトウモロコシについて、2000年の生産量を100とした2020年の指数と2020年の輸出率を国別に示した2枚の散布図を与え、カ・キが大豆とトウモロコシのどちらか、D・Eが中国とブラジルのどちらかを組合せで判定させる設問です。アルゼンチンとアメリカ合衆国は国名が示されています。

<考え方>

国名が示されている2か国の位置で図を確定させるのが早い。大豆はアメリカ合衆国の輸出率が約57%と高く、アルゼンチンは搾油してミールと油で輸出するため大豆そのものの輸出率が約13%と低い。カはアメリカ合衆国が輸出率約57%・指数約152、アルゼンチンが約13%・約243なので大豆である。キはアルゼンチンが約63%・約350、アメリカ合衆国が約15%・約142でトウモロコシ。両図でDは輸出率がほぼ0%で、生産物を国内で消費して輸出しない中国、Eは輸出率が68%・33%と高く生産量も3倍以上に伸びたブラジルである。

<選択肢>

①【誤】

大豆=カ・ブラジル=D。大豆=カは正しいが、Dは輸出率がほぼ0%で、大豆の世界最大の輸出国であるブラジルには当てはまらない。

②【正】

大豆=カ・ブラジル=E。カはアメリカ合衆国の輸出率が約57%、アルゼンチンが約13%という大豆特有の組合せを示す。Eは輸出率68%・生産量指数372で、2000年以降に作付けを急拡大したブラジルに対応する。

③【誤】

大豆=キ・ブラジル=D。キはアルゼンチンの輸出率が約63%と高く、これはトウモロコシの特徴である。Dをブラジルとする点も誤り。

④【誤】

大豆=キ・ブラジル=E。ブラジル=Eは正しいが、アメリカ合衆国の輸出率が約15%にとどまるキは大豆ではなくトウモロコシである。

正解【②】

アメリカ合衆国の輸出率が約57%と高いカが大豆、輸出率が高く生産量も約3.7倍に伸びたEがブラジルとなる②が正解です。

問3:正解 ⑥(解答番号17/配点3)

<問題要旨>

日本・アメリカ合衆国・中国・EUの間の財の輸出額と、輸出額に占める中間財の比率を矢印の太さと濃淡で示した資料を与え、サ〜スが日本・アメリカ合衆国・中国のどれかを組合せで判定させる設問です。資料には素材・中間財・最終財の定義が示されています。

<考え方>

中間財比率が最も高い流れを探すのが最短経路になる。スからサへ向かう矢印だけが中間財比率60%以上を示し、これは部品や加工品を組立拠点へ送る日本から中国への輸出にあたるので、ス=日本、サ=中国と決まる。サからシ、サからEUへ向かう矢印はいずれも3000億ドル以上で中間財比率40%未満、つまり中国から最終製品が大量に流れ込む先であり、シ=アメリカ合衆国となる。EUとスの間の矢印が1000億ドル未満と小さいことも、日本とEUの貿易額の規模と一致する。

<選択肢>

①【誤】

日本=サ・アメリカ合衆国=シ・中国=ス。サは3000億ドル以上の最終財をシとEUへ送り出しており、輸出規模がこれより小さい日本には当てはまらない。

②【誤】

日本=サ・アメリカ合衆国=ス・中国=シ。中間財比率60%以上の矢印がスから出ることになり、最終需要地であるアメリカ合衆国の輸出構成と合わない。

③【誤】

日本=シ・アメリカ合衆国=サ・中国=ス。サからシ、サからEUへ3000億ドル以上の最終財が流れる構図は、アメリカ合衆国ではなく中国のものである。

④【誤】

日本=シ・アメリカ合衆国=ス・中国=サ。中国=サは正しいが、中間財比率60%以上の矢印を出すスを日本ではなくアメリカ合衆国としている点が誤り。

⑤【誤】

日本=ス・アメリカ合衆国=サ・中国=シ。日本=スは正しいが、スから中間財が大量に向かう先は組立拠点である中国であり、アメリカ合衆国ではない。

⑥【正】

日本=ス・アメリカ合衆国=シ・中国=サ。スからサへの矢印だけが中間財比率60%以上で日本から中国への部品輸出にあたり、サからシとEUへ3000億ドル以上の最終財が流れることでサ=中国、シ=アメリカ合衆国と決まる。

正解【⑥】

中間財比率60%以上の矢印を出すスが日本、その相手で最終財を大量に輸出するサが中国、それを受けるシがアメリカ合衆国となる⑥が正解です。

問4:正解 ②(解答番号18/配点4)

<問題要旨>

日本の貿易品を工業用原料・燃料、資本財、耐久消費財、食料・直接消費財などの用途別に分け、タ・チそれぞれについてG・Hの2時点の構成比を帯グラフで示した資料を与え、タ・チが輸出と輸入のどちらか、G・Hが1970年と2020年のどちらかを組合せで判定させる設問です。

<考え方>

加工貿易の構造に戻ると、輸出は機械類を中心とする資本財・耐久消費財の比率が高く、輸入は原油など工業用原料・燃料の比率が高い。タは資本財が34〜51%を占めるので輸出、チは工業用原料・燃料が41〜68%を占めるので輸入である。時点は、輸入における工業用原料・燃料の比率がGで約68%と高く、機械類の輸入が増えたHで約41%へ下がることから、G=1970年、H=2020年と決まる。輸出側でも資本財がGの約34%からHの約51%へ増えており、機械類中心へ移った流れと一致する。

<選択肢>

①【誤】

輸出=タ・2020年=G。輸出=タは正しいが、Gは輸入で工業用原料・燃料が約68%を占めており、燃料の比率が下がった2020年ではなく1970年にあたる。

②【正】

輸出=タ・2020年=H。資本財の比率が高いタが輸出、工業用原料・燃料の比率が高いチが輸入である。チでこの比率が約68%から約41%へ下がり、タで資本財が約34%から約51%へ上がる向きから、Hが2020年となる。

③【誤】

輸出=チ・2020年=G。チは工業用原料・燃料が過半を占めることがあり、機械類中心である日本の輸出構成とは正反対である。

④【誤】

輸出=チ・2020年=H。2020年=Hは正しいが、輸出と輸入が入れ替わっている。

正解【②】

資本財の比率が高いタが輸出で、工業用原料・燃料の比率が約68%から約41%へ下がった向きからHが2020年となる②が正解です。

問5:正解 ⑤(解答番号19/配点3)

<問題要旨>

国際特許の出願件数の推移をいくつかの国について示した図と、日本の技術輸出額・技術輸入額の相手先を円の大きさで示した2枚の地図を与え、生徒の会話の空欄J(日本に当てはまる凡例)と空欄K(日本の技術輸出額を示した地図)の組合せを選ばせる設問です。会話では、日本が外国から受け取る使用料が外国に支払う使用料の数倍に達することが述べられています。

<考え方>

出願件数の推移は、いつ伸びたかで切る。マは2005年ごろまでほぼ0件だが以後急増し2020年に約7.0万件で首位に立つので中国。ミは1995年に約1.7万件で最も多く2014年に約6.1万件のピークを迎えるアメリカ合衆国。ムは1995年の約0.3万件から2019年の約5.2万件まで伸びて以後横ばいとなり、日本に当てはまる。地図は、xが北アメリカ・ヨーロッパ・中国・インド・東南アジアに円が広く分布し、yはアメリカ合衆国に約70%が集中する。日本の技術輸出額は自動車関連を中心に多方面へ広がるので輸出額はx、支払先が偏る輸入額はyである。

<選択肢>

①【誤】

J=マ・K=x。地図の判定は正しいが、マは2005年ごろまでほぼ0件で、1990年代から一定の出願があった日本には当てはまらない。

②【誤】

J=マ・K=y。凡例の判定が誤りであり、yはアメリカ合衆国に約70%が集中する技術輸入額なので空欄Kにも合わない。

③【誤】

J=ミ・K=x。地図の判定は正しいが、ミは1995年時点で約1.7万件と最も多く、この時期の出願件数が少なかった日本ではなくアメリカ合衆国である。

④【誤】

J=ミ・K=y。凡例も地図も誤り。yは1か国に約70%が集中しており、相手先が分散する技術輸出額の分布ではない。

⑤【正】

J=ム・K=x。ムは1995年の約0.3万件から2019年の約5.2万件へ伸びて頭打ちになる推移で、日本にあたる。xは北アメリカからアジアまで円が広く分布し、自動車関連を中心に多方面へ技術を提供する日本の技術輸出額を示す。

⑥【誤】

J=ム・K=y。J=ムは正しいが、yはアメリカ合衆国に約70%が集中する技術輸入額であり、輸出額ではない。

正解【⑤】

1995年の約0.3万件から2019年の約5.2万件へ伸びたムが日本、相手先が広く分散するxが技術輸出額となる⑤が正解です。

第5問 村落・都市と人口(配点20)

集落形成の特徴が景観に残る空中写真、アジアの都市人口率の推移、世界の地域別の人口動態、女性の労働力率と就業構造、日本の人口15〜20万人都市の性格、高齢化と過疎対策という6つの題材で、村落・都市の成り立ちと人口の地域差を扱う大問です。

問1:正解 ⑥(解答番号20/配点3)

<問題要旨>

集落形成の特徴が景観に残る3つの集落の空中写真A〜Cと、それぞれの集落について述べた文ア〜ウ(開拓地の測量・分割制度を背景に形成されたカナダの集落、森林開墾のための道路に沿って形成されたポーランドの集落、防御や灌漁のために周囲に濠をめぐらせた日本の集落)を対応させる設問です。

<考え方>

集落の形(塊状か列状か散在か)と耕地の区画の形が決め手になる。Aは水田に囲まれた塊状の集落で、集落の縁を水路がめぐり社叢の樹林を伴うので、濠をめぐらせた日本の環濠集落=ウ。Bは1本の道路沿いに家屋が一列に並び、その背後に道路と直交する短冊状の細長い耕地が延びるので、森林開墾に伴う路村=イ。Cは正方形の大区画が碁盤目状に整然と並び、その中に農家が散在するので、測量・分割制度に基づくカナダの散村=アである。

<選択肢>

①【誤】

A=ア・B=イ・C=ウ。B=イは正しいが、Aの道路や区画は碁盤目状ではなく測量・分割制度に基づく景観ではない。またCに濠は見られない。

②【誤】

A=ア・B=ウ・C=イ。Bは道路沿いの列状集落で濠をめぐらせた集落ではなく、Cにも道路沿いに家屋が連なる形は見られない。

③【誤】

A=イ・B=ア・C=ウ。Aは家屋が塊状にまとまっており、道路沿いに一列に並ぶ路村の形ではない。

④【誤】

A=イ・B=ウ・C=ア。C=アは正しいが、Aは塊状集落で路村ではなく、Bに濠は見られない。

⑤【誤】

A=ウ・B=ア・C=イ。A=ウは正しいが、碁盤目状の大区画はBではなくCの特徴であり、Cに路村のような家屋の列はない。

⑥【正】

A=ウ・B=イ・C=ア。Aは縁を水路がめぐる塊状集落で日本の環濠集落、Bは道路沿いに家屋が並び背後に短冊状の耕地が延びるポーランドの路村、Cは碁盤目状の大区画に農家が散在するカナダの集落である。

正解【⑥】

濠をめぐらせた塊状のAが日本、道路沿いに短冊状の耕地が並ぶBがポーランド、碁盤目状の区画に農家が散在するCがカナダで⑥が正解です。

問2:正解 ⑤(解答番号21/配点3)

<問題要旨>

アジアのいくつかの国における都市人口率の推移を1960年から2020年まで示した図を与え、E〜Gがインド・サウジアラビア・中国のどれかを組合せで判定させる設問です。

<考え方>

折れ線は出発点と到達点の両端で切る。Eは1960年に約31%と3つの中で最も高く、1990年前後で約77%に達して2020年に約84%と最も高い水準に落ち着くので、石油収入によって急速に都市化したサウジアラビア。Fは1960年に約16%で1970年代まで停滞した後、1990年代以降に急上昇して2020年に約61%となり、農村から都市への移動が制限された時期とその後の都市化が対応する中国。Gは1960年の約18%から2020年の約35%まで緩やかな上昇にとどまり、農村人口が依然として多いインドである。

<選択肢>

①【誤】

インド=E・サウジアラビア=F・中国=G。Eは2020年に約84%に達しており、農村人口が過半を占めるインドの水準を大きく超える。

②【誤】

インド=E・サウジアラビア=G・中国=F。中国=Fは正しいが、Eをインド、約35%にとどまるGをサウジアラビアとするのは実態と正反対である。

③【誤】

インド=F・サウジアラビア=E・中国=G。サウジアラビア=Eは正しいが、Fは2020年に約61%まで上昇しており、インドの約35%とは合わない。

④【誤】

インド=F・サウジアラビア=G・中国=E。3つすべてが誤りで、到達水準の順序が実際と入れ替わっている。

⑤【正】

インド=G・サウジアラビア=E・中国=F。Eは1960年の約31%から2020年の約84%へ最も早く高位に達するサウジアラビア、Fは1970年代の停滞を経て1990年代以降に急上昇し約61%となる中国、Gは約18%から約35%へ緩やかに伸びるインドである。

⑥【誤】

インド=G・サウジアラビア=F・中国=E。インド=Gは正しいが、1960年に約31%と最も高いEを中国、約16%のFをサウジアラビアとするのは逆である。

正解【⑤】

1960年から最も高く2020年に約84%となるEがサウジアラビア、1970年代の停滞後に急上昇するFが中国、約35%にとどまるGがインドで⑤が正解です。

問3:正解 ④(解答番号22/配点3)

<問題要旨>

世界の地域別に合計特殊出生率と老年人口率を示した表を与え、①〜④がアフリカ・東アジア・南アメリカ・ヨーロッパのどれかを判断させ、東アジアに該当するものを選ばせる設問です。南アジアと北アメリカは地域名が示されています。

<考え方>

合計特殊出生率と老年人口率は、人口転換のどの段階にあるかで並ぶ。多産のアフリカは出生率が最も高く老年人口率が最も低い。早くから少産少死に移行したヨーロッパは老年人口率が最も高い。東アジアは出生率が世界で最も低い水準まで下がっている一方、その少子化が近年のことなので老年人口率はヨーロッパほど高くならない。この「出生率は最低だが老年人口率はヨーロッパより低い」という組合せを探せばよい。

<選択肢>

①【誤】

合計特殊出生率4.1・老年人口率3.5%。示された地域の中で出生率が最も高く老年人口率が最も低い、多産で年少人口の割合が大きいアフリカである。

②【誤】

合計特殊出生率1.7・老年人口率10.0%。出生率は置換水準を下回るが老年人口率はまだ10%で、少子化が進みつつある南アメリカである。

③【誤】

合計特殊出生率1.4・老年人口率19.7%。示された地域の中で老年人口率が最も高く、早くから少産少死に移行したヨーロッパである。

④【正】

合計特殊出生率1.1・老年人口率15.1%。出生率は示された地域の中で最も低い一方、老年人口率はヨーロッパの19.7%より低い。近年になって急激に少子化した東アジアの特徴と一致する。

正解【④】

合計特殊出生率が最も低いのに老年人口率はヨーロッパより低いという組合せが、急激な少子化が近年進んだ東アジアを示すため④が正解です。

問4:正解 ③(解答番号23/配点4)

<問題要旨>

いくつかの国における女性の労働力率と、女性就業者に占める第三次産業就業者の割合を散布図で示した図を与え、①〜④がエジプト・カンボジア・ノルウェー・パキスタンのどれかを判断させ、カンボジアに該当するものを選ばせる設問です。

<考え方>

2つの指標を別々に読み、経済発展の段階と社会的な慣行の両方から絞る。女性の労働力率は、女性が家庭外で働くことが一般的でない国では低く、農業や労働集約的な工業に女性が多く従事する国では高くなる。第三次産業の割合は経済のサービス化が進んだ国で高い。カンボジアは女性の労働力率がきわめて高い一方、女性就業者の多くが農業と縫製業に従事するため第三次産業の割合は低い。この「労働力率は高いが第三次産業の割合は低い」という組合せは1つしかない。

<選択肢>

①【誤】

女性の労働力率が約15%、第三次産業が約74%。労働力率は示された国の中で最も低いのに第三次産業の割合は高い。女性の社会進出が限られる一方、働く女性は公務や教育などに偏るエジプトである。

②【誤】

女性の労働力率が約61%、第三次産業が約92%。双方とも高く、女性の就業が一般的で経済のサービス化が進んだノルウェーである。

③【正】

女性の労働力率が約74%、第三次産業が約37%。労働力率は示された国の中で最も高いのに第三次産業の割合は低く、女性が農業と縫製業に多く従事するカンボジアにあたる。

④【誤】

女性の労働力率が約24%、第三次産業が約19%。双方とも低く、女性の就業機会が限られ、働く女性の多くが農業に従事するパキスタンである。

正解【③】

女性の労働力率が約74%と最も高い一方で第三次産業の割合が約37%と低い③が、農業と縫製業に女性就業者が集まるカンボジアです。

問5:正解 ②(解答番号24/配点4)

<問題要旨>

日本の人口15〜20万人の都市カ〜クについて、昼夜間人口比率、外国人居住者の割合、卸売業年間商品販売額を示した表と、3都市の性格を述べた文J〜L(大都市圏郊外に位置し高度経済成長期以降に人口が急増した都市、地方圏に位置し事業所が集積している県庁所在都市、輸送用機械の製造が盛んな地域に位置する地方圏の工業都市)を対応させる設問です。

<考え方>

3つの指標はそれぞれ別の性格を映す。昼夜間人口比率が100を下回れば通勤・通学で人口が流出する住宅都市、卸売業販売額が大きければ問屋や支店が集まる広域の中心都市、外国人居住者の割合が高ければ工場労働者として外国人を受け入れている工業都市である。カは昼夜間人口比率84.9で大幅な流出超過なので大都市圏郊外の住宅都市=J。キは外国人居住者4.8%で3都市中最も高く、輸送用機械の製造が盛んな地域の工業都市=L。クは卸売業販売額2474億円で最も大きく外国人が0.8%と低いので、事業所が集積する地方圏の県庁所在都市=Kである。

<選択肢>

①【誤】

カ=J・キ=K・ク=L。カ=Jは正しいが、事業所が集積する県庁所在都市にあたるのは卸売業販売額が最大のクであり、1504億円のキではない。

②【正】

カ=J・キ=L・ク=K。昼夜間人口比率84.9のカが大都市圏郊外の住宅都市、外国人居住者4.8%のキが輸送用機械の製造が盛んな地域の工業都市、卸売業販売額2474億円のクが事業所が集積する県庁所在都市である。

③【誤】

カ=K・キ=J・ク=L。カは卸売業販売額が753億円と3都市中最も小さく、事業所が集積する県庁所在都市には当てはまらない。

④【誤】

カ=K・キ=L・ク=J。キ=Lは正しいが、クは昼夜間人口比率102.8で流入超過であり、通勤流出が大きい郊外の住宅都市ではない。

⑤【誤】

カ=L・キ=J・ク=K。ク=Kは正しいが、外国人居住者が2.2%と低いカを工業都市、102.1で流入超過のキを郊外の住宅都市とするのは合わない。

⑥【誤】

カ=L・キ=K・ク=J。3つすべてで指標と都市の性格が食い違う。

正解【②】

昼夜間人口比率が84.9と低いカが郊外の住宅都市、外国人居住者4.8%のキが工業都市、卸売業販売額が最大のクが県庁所在都市となる②が正解です。

問6:正解 ①(解答番号25/配点3)

<問題要旨>

老年人口の増加率(2010〜2020年)と老年人口率(2020年)を都道府県別に示した2枚の図P・Qを与え、老年人口率に該当する図と、過疎化が進む農村部の対策を述べた文章の空欄サに入る語句(s=大学生など地域外の人たちとのかかわりをつくる取組み、t=訪日外国人旅行者を対象とした大規模リゾートの開発)の組合せを選ばせる設問です。

<考え方>

老年人口率は高齢者が総人口に占める割合、老年人口の増加率は高齢者の実数の伸びであり、高位となる地域が逆になる点が要である。Pは秋田・山形・島根・山口・高知・和歌山など地方圏が高位、関東や愛知・滋賀・沖縄が低位で、これは老年人口率の分布。Qは埼玉・千葉・神奈川・愛知・滋賀・沖縄など大都市圏や人口が増えた県が高位で、高度経済成長期に流入した世代が高齢化した老年人口の増加率である。空欄サは社会的な共同生活の維持が困難な集落への対策なので、大規模な観光開発ではなく外部の人との関係づくりが該当する。

<選択肢>

①【正】

老年人口率=P・サ=s。Pは地方圏で高位、大都市圏で低位という老年人口率の分布を示す。sは大学生など地域外の人とのかかわりをつくる取組みで、担い手が減った集落の共同生活を支える対策として各地で行われている。

②【誤】

老年人口率=P・サ=t。図の判定は正しいが、訪日外国人旅行者向けの大規模リゾート開発は観光振興策であり、共同生活の維持が困難な集落に対して各地で多く行われている対策ではない。

③【誤】

老年人口率=Q・サ=s。語句は正しいが、Qは大都市圏で高位となっており、高齢者の割合ではなくその増加率の分布である。

④【誤】

老年人口率=Q・サ=t。図の判定も語句の判定も誤りで、指標の意味と対策の性格の両方を取り違えている。

正解【①】

地方圏で高位となるPが老年人口率であり、過疎集落の対策としては地域外の人とのかかわりをつくるsが該当するため①が正解です。

第6問 オセアニアとその周辺地域(配点17)

有袋類の生息域と地形の成り立ち、オセアニアの都市の雨温図、主食となる農作物の消費量、オーストラリアの貿易相手国の変化、オーストラリアへの移民の集住という5つの題材で、オセアニアの自然環境と社会を扱う大問です。

問1:正解 ③(解答番号26/配点3)

<問題要旨>

オーストラリア大陸の周辺における3種の有袋類(クマクスクス・キノボリカンガルー・タスマニアデビル)の生息域を示した図と、生息域の地形的な性格を述べた文ア〜ウを与え、動物名と文の組合せを選ばせる設問です。図には大陸棚の範囲も示されています。

<考え方>

生息域が大陸棚でつながっていたかどうか、変動帯か安定した地域かで分かれる。キノボリカンガルーはニューギニア島の中央山脈とオーストラリア北東部に分布し、ニューギニア島は氷期の海面低下時に大陸棚が陸化してオーストラリア大陸と地続きだったので、急峻な山地の変動帯かつ氷期に地続きというアにあたる。クマクスクスはスラウェシ島に分布し、この島は周囲に大陸棚がなく深い海で隔てられた変動帯の島で、アジア系の哺乳類と近縁な固有種が多いのでイ。タスマニアデビルはタスマニア島に分布し、地殻変動の少ない安定した地域で、かつてオーストラリア大陸にも生息していたのでウである。

<選択肢>

①【誤】

クマクスクス=ア・キノボリカンガルー=イ・タスマニアデビル=ウ。タスマニアデビル=ウは正しいが、クマクスクスの生息域は大陸棚を欠き深い海に囲まれた島で、氷期に大陸と地続きだった地域ではない。

②【誤】

クマクスクス=ア・キノボリカンガルー=ウ・タスマニアデビル=イ。キノボリカンガルーの生息域は急峻な山地が連なる変動帯であり、地殻変動の少ない安定した地域ではない。

③【正】

クマクスクス=イ・キノボリカンガルー=ア・タスマニアデビル=ウ。クマクスクスの生息域は大陸棚より深い海で隔てられた変動帯の島、キノボリカンガルーの生息域は氷期に大陸と地続きだった急峻な山地の変動帯、タスマニアデビルの生息域は安定した地域で、かつて大陸にも生息していた。

④【誤】

クマクスクス=イ・キノボリカンガルー=ウ・タスマニアデビル=ア。クマクスクス=イは正しいが、キノボリカンガルーとタスマニアデビルの生息域の地形的性格が入れ替わっている。

⑤【誤】

クマクスクス=ウ・キノボリカンガルー=ア・タスマニアデビル=イ。キノボリカンガルー=アは正しいが、クマクスクスの生息域は変動帯の島であって地殻変動の少ない安定した地域ではない。

⑥【誤】

クマクスクス=ウ・キノボリカンガルー=イ・タスマニアデビル=ア。3つすべてで生息域の地形的性格が合わない。

正解【③】

深い海で隔てられた変動帯の島に住むクマクスクスがイ、氷期に大陸と地続きだった急峻な山地のキノボリカンガルーがア、安定した地域のタスマニアデビルがウで③が正解です。

問2:正解 ④(解答番号27/配点3)

<問題要旨>

オセアニアのいくつかの都市の位置A〜Dを示した地図と4つの雨温図を与え、ニュージーランド南島南部の都市Dに該当する雨温図を選ばせる設問です。Aはハワイ諸島、Bはパプアニューギニア、Cはオーストラリア南部の内陸にあたります。

<考え方>

南半球か北半球かは気温曲線の山がどちらにあるかで判別できる。1月が低温で7〜8月が高温なら北半球、その逆なら南半球である。地点Dは南半球の高緯度側にあり、偏西風の影響で1年を通じて降水があり気温の年較差も小さい西岸海洋性気候となる。1月が約17℃、6〜7月が約5〜6℃で年較差は約12℃と小さく、月降水量が各月40〜65mmで際立った乾季がないものを選べばよい。

<選択肢>

①【誤】

気温は年間27〜28℃で、月降水量は1月210mm・3月215mmに対して7月25mm・8月25mm。高温で南半球の夏(11〜4月)に多雨、冬に乾季がはっきりするサバナ気候で、パプアニューギニアのBにあたる。

②【誤】

1月が約25.5℃、7月が約10℃で年較差は約15℃、月降水量はどの月も15〜30mm。南半球ではあるが年降水量が300mm程度と少なく、オーストラリア南部の内陸にあたるCである。

③【誤】

1月の約22℃から8〜9月の約26.7℃へ上がり、最暖月が8〜9月。気温の山が北半球の夏にあたるので北半球の都市で、ハワイ諸島のAである。

④【正】

1月が約17℃、6〜7月が約5〜6℃で年較差は約12℃、月降水量は各月40〜65mmでほぼ一定。南半球で夏が涼しく年較差が小さく、年間を通じて湿潤な西岸海洋性気候で、ニュージーランド南島南部のDに一致する。

正解【④】

1月が約17℃、7月が約5〜6℃と南半球型で年較差が約12℃と小さく、降水量が各月40〜65mmで乾季がない④がニュージーランド南島南部のDです。

問3:正解 ⑥(解答番号28/配点4)

<問題要旨>

オセアニアの4つの国における農作物の1人当たり年間消費量を棒グラフで示した図を与え、FとGがサモアとニュージーランドのどちらか、凡例カ〜クが小麦・米・タロイモ類のどれかを組合せで判定させる設問です。オーストラリアとフィジーは国名が示されています。

<考え方>

国名が示されているオーストラリアを基準にする。オーストラリアではカが約87kg、キが約14kg、クが約0.2kgなので、主食として最も多いカが小麦、次のキが米、ほとんど食べられていないクがタロイモ類と決まる。Fはカが約100kg、クが約1.5kgでオーストラリアと似た構成なのでニュージーランド。Gはクが約87kgでフィジーの約70kgを上回って4か国中最大となり、タロイモ類を主食とするサモアにあたる。

<選択肢>

①【誤】

サモア=F・タロイモ類=カ。Fはクが約1.5kgでタロイモ類をほとんど消費しておらず、サモアの食生活と合わない。またカはオーストラリアで約87kgあり、同国でほとんど消費されないタロイモ類ではない。

②【誤】

サモア=F・タロイモ類=キ。キはオーストラリアで約14kgあり、タロイモ類ではなく米である。Fをサモアとする点も誤り。

③【誤】

サモア=F・タロイモ類=ク。タロイモ類=クは正しいが、Fのクは約1.5kgにとどまり、タロイモ類を主食とするサモアではない。

④【誤】

サモア=G・タロイモ類=カ。サモア=Gは正しいが、カはニュージーランドで約100kg、オーストラリアで約87kgと多く、タロイモ類ではなく小麦である。

⑤【誤】

サモア=G・タロイモ類=キ。キはオーストラリアで約14kg、フィジーで約59kgと消費の幅が広く、タロイモ類ではなく米である。

⑥【正】

サモア=G・タロイモ類=ク。Gはクが約87kgで4か国中最大となり、タロイモ類を主食とするサモアにあたる。クがオーストラリアで約0.2kg、Fで約1.5kgとほとんど消費されない点もタロイモ類の特徴と一致する。

正解【⑥】

オーストラリアでほとんど消費されないクがタロイモ類であり、そのクが約87kgで最大となるGがサモアなので⑥が正解です。

問4:正解 ③(解答番号29/配点3)

<問題要旨>

オーストラリアの輸出額と輸入額に占める主な相手国の割合の推移を1965年から2023年まで示した2枚の帯グラフを与え、凡例サ〜スが日本・イギリス・中国のどれかを組合せで判定させる設問です。アメリカ合衆国とニュージーランドは凡例に国名が示されています。

<考え方>

3か国の割合は、それぞれ別の時期に山をつくるので、伸びた時期と縮んだ時期で切る。サは1965年に輸出で約18%、輸入で約26%と最大級を占めるが以後一貫して低下し、2023年には約2%にすぎない。これは1973年にイギリスがECへ加盟して旧宗主国との結びつきが薄れた経過にあたる。スは1990年代までほぼ0%で2000年代以降に急増し、2023年には輸出で約33%、輸入で約28%と最大になるので中国。残るシは1970年代から2000年代まで輸出で最も大きな割合を占め、その後中国に抜かれて低下しており、長くオーストラリア最大の輸出相手国だった日本にあたる。

<選択肢>

①【誤】

日本=サ・イギリス=シ・中国=ス。中国=スは正しいが、サは2023年に約2%まで落ち込んでおり、なお輸出の1割以上を占める日本には当てはまらない。

②【誤】

日本=サ・イギリス=ス・中国=シ。スは2000年代以降に急増しており、割合が低下し続けたイギリスとは正反対の動きである。

③【正】

日本=シ・イギリス=サ・中国=ス。サは1965年に最大級を占めて以後一貫して低下するイギリス、シは1970年代から2000年代まで輸出で最大を占めその後低下する日本、スは2000年代以降に急増して最大となる中国である。

④【誤】

日本=シ・イギリス=ス・中国=サ。日本=シは正しいが、イギリスと中国が入れ替わっている。1965年に最大級だったのはイギリスで、当時の中国の割合はほぼ0%である。

⑤【誤】

日本=ス・イギリス=サ・中国=シ。イギリス=サは正しいが、1990年代までほぼ0%のスを日本とするのは、1970年代から最大の輸出相手国だった実態に反する。

⑥【誤】

日本=ス・イギリス=シ・中国=サ。3つすべてで、割合が伸びた時期と縮んだ時期が入れ替わっている。

正解【③】

一貫して低下するサがイギリス、1970年代から2000年代に最大を占めたシが日本、2000年代以降に急増したスが中国となる③が正解です。

問5:正解 ③(解答番号30/配点4)

<問題要旨>

オーストラリアへの新規流入移民について、五大都市(アデレード・シドニー・パース・ブリズベン・メルボルン)に流入した割合を出身国別に示した表と、大都市の移民集住地を説明した文章を与え、タ・チのうちイギリスに該当する記号と、空欄xに入る語句(都心周辺/郊外)の組合せを選ばせる設問です。

<考え方>

文章が「非英語圏からの移民は雇用機会や同郷の人々のつながりなどから特定地域に定着する傾向がある」と述べているので、五大都市への集中度は非英語圏の出身国で高く、英語圏で低くなると考える。表ではタ92.3%、ベトナム89.7%、インド88.6%、チ84.8%、ニュージーランド84.1%と並び、非英語圏のベトナムやインドを上回るタが中国、英語圏のニュージーランドに近いチがイギリスとなる。空欄xは「初期のアジア系移民の集住地にルーツをもつ特徴的な景観」で観光地にもなっている場所であり、19世紀からの集住地であるチャイナタウンは都心周辺に形成された。

<選択肢>

①【誤】

イギリス=タ・x=都心周辺。xの語句は正しいが、タは五大都市への集中率が92.3%でベトナムやインドを上回り、英語圏で移住先が分散しやすいイギリスには当てはまらない。

②【誤】

イギリス=タ・x=郊外。記号も語句も誤り。19世紀からのアジア系移民の集住地は都心周辺に位置し、郊外は比較的新しい移民の居住地である。

③【正】

イギリス=チ・x=都心周辺。チは84.8%で英語圏のニュージーランドの84.1%に近く、五大都市以外にも分散するイギリスにあたる。初期のアジア系移民の集住地にルーツをもつ景観は都心周辺のチャイナタウンである。

④【誤】

イギリス=チ・x=郊外。イギリス=チは正しいが、19世紀に形成された集住地が残るのは都心周辺であり、郊外ではない。

正解【③】

五大都市への集中率が英語圏のニュージーランドに近いチがイギリスで、初期のアジア系移民の集住地は都心周辺に残るため③が正解です。

※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

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