2021年度 大学入学共通テスト 本試験 数学Ⅱ・B 解答・解説

2021年度 大学入学共通テスト 本試験「数学Ⅱ・B」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。

目次
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解答

解説

2021年度 大学入学共通テスト 本試験「数学Ⅱ・数学B」の全設問について、正解と考え方を解説します。第1問・第2問は必答、第3問〜第5問は2問を選択して解答します(計4問・100点)。各設問の見出しをタップすると解説が開きます。

第1問 〔1〕 三角関数(合成と、係数 p による場合分け)

y = sinθ + p cosθ の最大値を、p を具体的な数から一般の文字へと広げながら求める設問です。p > 0 のときは合成が使えますが、p < 0 になると合成した角 α が定義域の外に出てしまいます。誘導が sin の合成から cos の合成に切り替わるのも、そこに理由があります。

sin(π/ア):正解 sin(π/3)(配点2)

<問題要旨>
sin(π/ア) = √3/2 かつ cos(π/ア) = 1/2 を満たす値を求めます。

<考え方>
sin と cos が同時に条件を満たす角は π/3 です。ここで作った角が、次の合成でそのまま使われます。

イ:正解 2(配点2)

<問題要旨>
y = sinθ + √3 cosθ を イ sin(θ + π/3) の形に合成します。

<考え方>
合成の係数は √(1² + (√3)²) = 2 です。展開して元の式に戻ることを確かめておくと安心です。

2 sin(θ + π/3)
= 2( sinθ cos(π/3) + cosθ sin(π/3) )
= 2( sinθ·(1/2) + cosθ·(√3/2) )
= sinθ + √3 cosθ  ○
π/ウ,エ:正解 π/6,2(配点2)

<問題要旨>
問題A の最大値と、そのときの θ を求めます。

<考え方>
0 ≦ θ ≦ π/2 なので θ + π/3 は π/3 以上 5π/6 以下を動きます。この中に π/2 が入っているので、sin は 1 まで到達できます。

θ + π/3 = π/2  →  θ = π/6
このとき y = 2·1 = 2
π/オ,カ:正解 π/2,1(配点1)

<問題要旨>
問題B で p = 0 のときの最大値と、そのときの θ を求めます。

<考え方>
y = sinθ そのものです。0 ≦ θ ≦ π/2 では単調に増加するので、右端で最大になります。

θ = π/2 のとき y = sin(π/2) = 1
キ:正解 ⑨(配点2)

<問題要旨>
p > 0 のとき、y = sinθ + p cosθ を √キ cos(θ − α) の形に表します。

<考え方>
与えられた加法定理 cos(θ−α) = cosθ cosα + sinθ sinα と係数を比べます。sinθ の係数が 1、cosθ の係数が p になればよい、という2本の式が立ちます。

√K cos(θ − α) = (√K cosα) cosθ + (√K sinα) sinθ

 √K sinα = 1
 √K cosα = p

両辺を2乗して足すと K(sin²α + cos²α) = 1 + p²
 → K = 1 + p²
ク:正解 ①(配点1)

<問題要旨>
sinα の分子を求めます。

<考え方>
上の連立から √(1+p²)·sinα = 1、つまり sinα = 1/√(1+p²) です。分子は 1 になります。

ケ:正解 ③(配点1)

<問題要旨>
cosα の分子を求めます。

<考え方>
同じく √(1+p²)·cosα = p なので cosα = p/√(1+p²)。分子は p です。p > 0 なので sinα も cosα も正、確かに 0 < α < π/2 に収まります。

コ,サ:正解 ①,⑨(配点2)

<問題要旨>
p > 0 のときの最大値と、そのときの θ を求めます。

<考え方>
y = √(1+p²) cos(θ−α) なので、θ − α = 0、つまり θ = α のとき cos が 1 になり最大です。0 < α < π/2 なので、この θ は定義域 0 ≦ θ ≦ π/2 の中にちゃんとあります。

θ = α のとき最大値 √(1 + p²)
シ,ス:正解 ②,①(配点2)

<問題要旨>
p < 0 のときの最大値と、そのときの θ を求めます。

<考え方>
p < 0 だと cosα = p/√(1+p²) が負になり、α は 0 < α < π/2 の外に出てしまうので、上の議論は使えません。素直に、0 ≦ θ ≦ π/2 で sinθ と p cosθ のそれぞれがどこで最大になるかを見ます。

sinθ    は θ = π/2 で最大(値 1)
p cosθ  は p < 0 なので cosθ が最小のとき最大
        cosθ の最小は θ = π/2(値 0)→ p cosθ = 0

両方が同時に θ = π/2 で最大 → y の最大値は 1

第1問 〔2〕 指数関数(2ˣ の和と差でつくる二つの関数)

f(x) = (2ˣ + 2⁻ˣ)/2、g(x) = (2ˣ − 2⁻ˣ)/2 という、双曲線関数と呼ばれる関数を題材にした設問です。f が偶関数・g が奇関数で、f² − g² = 1 が成り立つ——三角関数と似た性質が並ぶのが面白いところで、最後は「加法定理に似た式のうち、本当に成り立つのはどれか」を問われます。

セ:正解 1(配点1)

<問題要旨>
f(0) を求めます。

<考え方>
2⁰ = 1 を代入するだけです。f(0) = (1+1)/2 = 1。

ソ:正解 0(配点1)

<問題要旨>
g(0) を求めます。

<考え方>
同じく g(0) = (1−1)/2 = 0 です。三角関数でいう cos0 = 1、sin0 = 0 に対応しています。

タ:正解 0(配点1)

<問題要旨>
f(x) が最小になる x を求めます。

<考え方>
2ˣ > 0、2⁻ˣ > 0 なので相加平均・相乗平均の関係が使えます。等号は 2ˣ = 2⁻ˣ のときで、これは x = 0 のときです。

f(x) = (2ˣ + 2⁻ˣ)/2 ≧ √(2ˣ · 2⁻ˣ) = √1 = 1
等号成立は 2ˣ = 2⁻ˣ  →  x = −x  →  x = 0
チ:正解 1(配点1)

<問題要旨>
そのときの最小値を求めます。

<考え方>
上の不等式から最小値は 1 です。f(0) = 1 と一致しています。

log₂(√ツ−テ):正解 log₂(√5−2)(配点2)

<問題要旨>
g(x) = −2 となる x を求めます。

<考え方>
t = 2ˣ とおくと t の分数方程式になり、整理すると t の 2 次方程式です。t > 0 で絞ります。

(2ˣ − 2⁻ˣ)/2 = −2  →  t − 1/t = −4
両辺 t 倍して  t² + 4t − 1 = 0
 t = (−4 ± √(16+4))/2 = −2 ± √5

t = 2ˣ > 0 より t = √5 − 2
 x = log₂(√5 − 2)
ト:正解 ⓪(配点1)

<問題要旨>
f(−x) を f(x), g(x) で表します。

<考え方>
x を −x に置きかえると 2ˣ と 2⁻ˣ が入れ替わりますが、f は和なので変わりません。f(−x) = f(x)、すなわち偶関数です。

ナ:正解 ③(配点1)

<問題要旨>
g(−x) を f(x), g(x) で表します。

<考え方>
g は差なので、入れ替えると符号が反転します。g(−x) = −g(x)、すなわち奇関数です。

ニ:正解 1(配点2)

<問題要旨>
{f(x)}² − {g(x)}² を求めます。

<考え方>
和の 2 乗と差の 2 乗の差なので、展開すると交差項だけが 4 倍で残ります。

{f}² − {g}² = [ (2ˣ + 2⁻ˣ)² − (2ˣ − 2⁻ˣ)² ] / 4
          = [ 4 · 2ˣ · 2⁻ˣ ] / 4
          = 2ˣ⁻ˣ = 1

(三角関数の cos²θ + sin²θ = 1 に対応する関係)
ヌ:正解 2(配点2)

<問題要旨>
g(2x) を f(x), g(x) で表します。

<考え方>
2 乗の差は和と差の積に分けられます。三角関数の 2 倍角 sin2θ = 2 sinθ cosθ と同じ形になります。

g(2x) = (2²ˣ − 2⁻²ˣ)/2
     = (2ˣ − 2⁻ˣ)(2ˣ + 2⁻ˣ) / 2
     = 2 · (2ˣ − 2⁻ˣ)/2 · (2ˣ + 2⁻ˣ)/2
     = 2 f(x) g(x)
ネ:正解 ①(配点3)

<問題要旨>
(A)〜(D) のうち、つねに成り立つ式を選びます。

<考え方>
花子さんの助言どおり、β に 0 を入れてみるのが最短です。f(0) = 1, g(0) = 0 なので、右辺がすっきり潰れて反例がすぐ見つかります。

β = 0 を代入して調べる(f(0)=1, g(0)=0)

(A) f(α) = f(α)·0 + g(α)·1 = g(α)   … α=0 で 1 = 0 となり不成立
(C) g(α) = f(α)·1 + g(α)·0 = f(α)   … α=0 で 0 = 1 となり不成立
(D) g(α) = f(α)·0 − g(α)·1 = −g(α)  … g(α) ≡ 0 となり不成立

(B) f(α) = f(α)·1 + g(α)·0 = f(α)   … 反例が出ない

残った (B) は、実際に右辺を計算すると左辺に一致します。

f(α)f(β) + g(α)g(β)
= [ (2^α+2^−α)(2^β+2^−β) + (2^α−2^−α)(2^β−2^−β) ] / 4
= [ 2·2^(α+β) + 2·2^−(α+β) ] / 4
= (2^(α+β) + 2^−(α+β)) / 2
= f(α + β)  ○

第2問 (1) 微分・積分(2次関数の接線と、囲まれた面積)

「y 軸との交点における接線」は、y = ax² + bx + c なら y = bx + c——つまり 1 次以下の項をそのまま残したもの、という一点に尽きます。これに気づくと (1) は暗算で終わり、後半の面積計算に時間を回せます。

ア:正解 3(配点1)

<問題要旨>
① y = 3x² + 2x + 3 と ② y = 2x² + 2x + 3 の、y 軸との交点の y 座標を求めます。

<考え方>
x = 0 を代入すると、どちらも定数項の 3 が残ります。

イx+ウ:正解 2x+3(配点2)

<問題要旨>
その交点における接線の方程式を求めます。

<考え方>
微分して x = 0 を代入すると、どちらも傾きは 1 次の係数 2 になります。接点が (0, 3) なので接線は y = 2x + 3 です。

① y′ = 6x + 2  →  y′(0) = 2
② y′ = 4x + 2  →  y′(0) = 2

接線 : y = 2x + 3
エ:正解 ④(配点2)

<問題要旨>
選択肢のうち、y 軸との交点における接線が y = 2x + 3 になるものを選びます。

<考え方>
y = ax² + bx + c の接線は y = bx + c なので、b = 2 かつ c = 3 であるものを探すだけです。x² の係数は何でも構いません。

⓪ b=−2, c=−3  ×
① b= 2, c=−3  ×
② b= 2, c=−3  ×
③ b=−2, c= 3  ×
④ b= 2, c= 3  ○
⑤ b=−2, c= 3  ×
オ:正解 c(配点1)

<問題要旨>
曲線 y = ax² + bx + c 上の、x = 0 に対応する点の y 座標を求めます。

<考え方>
x = 0 を代入して c です。

カx+キ:正解 bx+c(配点2)

<問題要旨>
その点における接線 ℓ の方程式を求めます。

<考え方>
y′ = 2ax + b なので x = 0 での傾きは b。点 (0, c) を通るので y = bx + c です。「2 次の項を落としたものが接線になる」と覚えておくと速く済みます。

クケ/コ:正解 −c/b(配点1)

<問題要旨>
接線 ℓ と x 軸との交点の x 座標を求めます。

<考え方>
bx + c = 0 を解くだけです。x = −c/b。

ac^サ/(シ b^ス):正解 ac³/(3b³)(配点4)

<問題要旨>
a, b, c が正の実数のとき、曲線と接線 ℓ、および直線 x = −c/b で囲まれた図形の面積 S を求めます。

<考え方>
(曲線)−(接線)を作ると 2 次の項だけが残り、ax² というきわめて簡単な形になります。これを x = −c/b から x = 0 まで積分します。

(ax² + bx + c) − (bx + c) = ax²

S = ∫[−c/b → 0] ax² dx
  = a [ x³/3 ](−c/b から 0 まで)
  = a ( 0 − (−c/b)³/3 )
  = a c³ / (3b³)
セ:正解 ⓪(配点3)

<問題要旨>
③ で a = 1 とし、S を一定に保ちながら正の実数 b, c を変えるときの、b と c の関係を表すグラフを選びます。

<考え方>
S = c³/(3b³) が一定ということは、c³/b³ が一定、つまり c/b が一定です。c は b の定数倍になるので、原点を通る右上がりの直線になります。

c³ / (3b³) = S(一定)
(c/b)³ = 3S
c/b = (3S)^(1/3)(正の定数)

c = (正の定数)× b   → 原点を通る直線

第2問 (2) 微分(3次関数と接線の差を調べる)

後半は 3 次関数です。同じく「y 軸との交点における接線は 1 次以下の項をそのまま残したもの」なので、f(x) − g(x) は ax³ + bx² という 2 項だけになります。ここまで簡単になれば、共有点も最大値もすぐ求まります。

ソ:正解 5(配点1)

<問題要旨>
④⑤⑥ の 3 次関数のグラフの、y 軸との交点の y 座標を求めます。

<考え方>
x = 0 を代入すると、3つとも定数項の 5 が残ります。

タx+チ:正解 3x+5(配点2)

<問題要旨>
その交点における接線の方程式を求めます。

<考え方>
微分して x = 0 を代入すると、3つとも傾きは 1 次の係数 3 になります。

④ y′ = 12x² + 4x + 3  →  y′(0) = 3
⑤ y′ = −6x² + 14x + 3 →  y′(0) = 3
⑥ y′ = 15x² − 2x + 3  →  y′(0) = 3

接線 : y = 3x + 5
ツ:正解 d(配点1)

<問題要旨>
曲線 y = ax³ + bx² + cx + d 上の、x = 0 に対応する点の y 座標を求めます。

<考え方>
x = 0 を代入して d です。

テx+ト:正解 cx+d(配点2)

<問題要旨>
その点における接線の方程式を求めます。

<考え方>
y′ = 3ax² + 2bx + c より x = 0 での傾きは c。点 (0, d) を通るので y = cx + d です。2 次関数のときと同じく、2 次以上の項を落としたものが接線になります。

ナ:正解 ②(配点3)

<問題要旨>
h(x) = f(x) − g(x) について、a, b, c, d が正の実数であるときの y = h(x) のグラフの概形を選びます。

<考え方>
差を取ると cx と d が消えて、たった 2 項になります。因数分解すると x = 0 が重解であることがすぐ見えます。

h(x) = (ax³ + bx² + cx + d) − (cx + d)
     = ax³ + bx²
     = x²(ax + b)

零点 : x = 0(重解・接する), x = −b/a(< 0 で交わる)

h′(x) = 3ax² + 2bx = x(3ax + 2b)
 極値をとるのは x = −2b/(3a)(極大)と x = 0(極小、値 0)

左から上がってきて x = −b/a で x 軸を横切り、極大を作ったあと下がって原点で x 軸に接し、再び上がる形です。

ニヌ/ネ,ノ:正解 −b/a,0(配点2)

<問題要旨>
y = f(x) と y = g(x) のグラフの共有点の x 座標を求めます。

<考え方>
h(x) = 0 を解くだけです。x²(ax + b) = 0 より x = 0(重解)と x = −b/a。

ハヒフ/ヘホ:正解 −2b/(3a)(配点3)

<問題要旨>
x が −b/a と 0 の間を動くとき、|f(x) − g(x)| が最大になる x を求めます。

<考え方>
この区間では h(x) > 0 なので、|h| の最大は h の極大値そのものです。区間の両端では h = 0 なので、内部の極大点が答えになります。

h′(x) = x(3ax + 2b) = 0  →  x = 0, −2b/(3a)

−b/a < −2b/(3a) < 0 なので、この点は区間の内部にある
両端は h = 0、内部で h > 0 だから、ここが最大

x = −2b/(3a)

第3問 確率分布と統計的な推測(高校生の読書時間の調査)

二項分布の正規近似と、母平均の信頼区間を扱う設問です。(4)(5) は計算ではなく「信頼区間とは何か」を問うています。標本が変われば区間も動く、けれども区間の幅は標本の大きさと母標準偏差だけで決まる——この二点を押さえていれば、計算せずに答えが出ます。

ア:正解 ③(配点2)

<問題要旨>
母比率 0.5 のとき、100 人中で全く読書をしなかった生徒の数 X が従う分布を選びます。

<考え方>
「同じ確率で起こる試行を独立に 100 回」なので二項分布です。試行回数 100、確率 0.5 の B(100, 0.5) になります。

イウ:正解 50(配点2)

<問題要旨>
X の平均(期待値)を求めます。

<考え方>
二項分布 B(n, p) の平均は np です。

E(X) = 100 × 0.5 = 50
エ:正解 5(配点2)

<問題要旨>
X の標準偏差を求めます。

<考え方>
二項分布 B(n, p) の分散は np(1−p) です。

V(X) = 100 × 0.5 × 0.5 = 25
σ(X) = √25 = 5
オ:正解 ①(配点2)

<問題要旨>
母比率 0.5 のとき、全く読書をしなかった生徒が 36 人以下となる確率 p₅ の近似値を求めます。

<考え方>
X を正規分布 N(50, 5²) で近似し、標準化して正規分布表を引きます。

z = (36 − 50) / 5 = −2.8

P(X ≦ 36) ≒ P(Z ≦ −2.8)
        = 0.5 − P(0 ≦ Z ≦ 2.8)
        = 0.5 − 0.4974
        = 0.0026 ≒ 0.003
カ:正解 ②(配点1)

<問題要旨>
母比率を 0.4 としたときの確率 p₄ と、p₅ の大小を比べます。

<考え方>
母比率が 0.4 なら平均は 40 まで下がるので、36 はぐっと平均に近づきます。標準化した値を比べるだけで大小がわかります。

平均 = 100 × 0.4 = 40
標準偏差 = √(100 × 0.4 × 0.6) = √24 ≒ 4.9

z = (36 − 40) / 4.9 ≒ −0.82
 P(Z ≦ −0.82) ≒ 0.21

p₄ ≒ 0.21 、p₅ ≒ 0.003 なので p₄ > p₅
キクケ:正解 408(配点2)

<問題要旨>
母平均 m に対する信頼度 95% の信頼区間 C₁ ≦ m ≦ C₂ について、C₁ + C₂ を求めます。

<考え方>
信頼区間は標本平均を中心に左右対称なので、両端の和は標本平均の 2 倍です。幅を計算する必要すらありません。

C₁ + C₂ = 2 × 204 = 408
コサ.シ:正解 58.8(配点2)

<問題要旨>
C₂ − C₁ を求めます。

<考え方>
信頼区間の幅は 2 × 1.96 ×(標準誤差)です。標準誤差は母標準偏差を √n で割ったものです。

標準誤差 = 150 / √100 = 150 / 10 = 15

C₂ − C₁ = 2 × 1.96 × 15 = 58.8
ス:正解 ③(配点2)

<問題要旨>
母平均 m と C₁, C₂ の関係を選びます。

<考え方>
信頼度 95% とは「同じ手順を繰り返せば、そのうち約 95% の区間が母平均を含む」という意味です。いま手元にある 1 本の区間が母平均を含むかどうかは分かりません。したがって C₁ ≦ m も m ≦ C₂ も、必ず成り立つとは限りません。

セ:正解 ③(配点1)

<問題要旨>
図書委員会が別に行った調査で全く読書をしなかった生徒の数 n と、校長先生の調査結果 36 の大小を答えます。

<考え方>
同じ母集団から取った別の無作為標本なので、結果はばらつきます。36 より大きいことも小さいことも等しいこともあり得るため、大小は決まりません。

ソ,タ:正解 ②,④(配点4・各2)

<問題要旨>
図書委員会の調査による信頼区間 D₁ ≦ m ≦ D₂ と、校長先生の調査による C₁ ≦ m ≦ C₂ について、正しいものを二つ選びます。

<考え方>
「幅」と「位置」を分けて考えるのがこつです。幅は標本の大きさ 100 と母標準偏差 150 だけで決まるので必ず等しくなります。一方、位置は標本平均しだいなので自由に動き、まったく重ならないこともあり得ます。

幅 : どちらも 2 × 1.96 × 150/√100 = 58.8
  → C₂ − C₁ = D₂ − D₁ が必ず成り立つ … ④ 正しい

位置 : 標本平均が離れれば区間も離れる
  → D₂ < C₁ や C₂ < D₁ となる場合もある … ② 正しい

(⓪ 標本平均が一致するとは限らない / ① 二つの区間が必ず一部重なるとは限らない
  ③ ⑤ 幅は等しいので、大小がつくことはない)

第4問 数列(等差数列と等比数列を結ぶ漸化式)

等差数列 {aₙ} と等比数列 {bₙ} を一本の関係式で結び、そこから公差 p と公比 r を逆算する設問です。「① の両辺を bₙ で割る」という誘導に素直に乗ると、bₙ₊₁/bₙ = r だけが残ってきれいに片づきます。後半は同じ形の漸化式を2回繰り返す構成なので、前半の型がそのまま使えます。

ア+(n−1)p:正解 3+(n−1)p(配点1)

<問題要旨>
初項 3、公差 p の等差数列 {aₙ} の一般項を書きます。

<考え方>
等差数列の一般項は(初項)+(項番号 − 1)×(公差)です。aₙ = 3 + (n−1)p。

イ rⁿ⁻¹:正解 3rⁿ⁻¹(配点1)

<問題要旨>
初項 3、公比 r の等比数列 {bₙ} の一般項を書きます。

<考え方>
等比数列の一般項は(初項)×(公比)^(項番号 − 1) です。bₙ = 3rⁿ⁻¹。

ウ aₙ₊₁=r(aₙ+エ):正解 2aₙ₊₁=r(aₙ+3)(配点2)

<問題要旨>
① の両辺を bₙ で割って整理します。

<考え方>
r ≠ 0 なのですべての n で bₙ ≠ 0。割ると bₙ₊₁/bₙ が現れ、これが公比 r です。

aₙbₙ₊₁ − 2aₙ₊₁bₙ + 3bₙ₊₁ = 0

両辺を bₙ で割る
 aₙ·(bₙ₊₁/bₙ) − 2aₙ₊₁ + 3·(bₙ₊₁/bₙ) = 0
 aₙ r − 2aₙ₊₁ + 3r = 0

 2aₙ₊₁ = r(aₙ + 3)
オ,カ,キ:正解 2,6,6(配点2)

<問題要旨>
④ に ② と ③ を代入して整理します。

<考え方>
左辺・右辺とも n の 1 次式になるので、n を含む項と定数項に分けて整理します。

2(3 + np) = r( 3 + (n−1)p + 3 )
6 + 2np    = r( 6 + np − p )
6 + 2np    = 6r + rnp − rp

2np − rnp = 6r − rp − 6
(2 − r)np = r(6 − p) − 6

両辺に −1 を掛けて
(r − 2)pn = r(p − 6) + 6
ク:正解 3(配点2)

<問題要旨>
⑤ がすべての n で成り立つことから r と p を求めます。

<考え方>
n についての恒等式なので、n の係数と定数項がそれぞれ 0 でなければなりません。p ≠ 0 が効いてきます。

n の係数 : (r − 2)p = 0、p ≠ 0 より r = 2
定数項   : r(p − 6) + 6 = 0
         2(p − 6) + 6 = 0
         2p − 6 = 0  →  p = 3

(このとき aₙ = 3n > 0、bₙ = 3·2ⁿ⁻¹ > 0 で確かに正)
(ケ/コ)n(n+サ):正解 (3/2)n(n+1)(配点2)

<問題要旨>
{aₙ} の初項から第 n 項までの和を求めます。

<考え方>
p = 3 なので aₙ = 3 + 3(n−1) = 3n。3 の倍数の和なので、1 から n までの和を 3 倍するだけです。

Σ aₖ = Σ 3k = 3 · n(n+1)/2 = (3/2) n(n + 1)
シ,ス:正解 3,1(配点2)

<問題要旨>
{bₙ} の初項から第 n 項までの和を求めます。

<考え方>
r = 2 なので初項 3、公比 2 の等比数列です。公比が 1 でないときの和の公式に当てはめます。

Σ bₖ = 3(2ⁿ − 1) / (2 − 1) = 3(2ⁿ − 1)
(セ aₙ₊₁)/(aₙ+ソ):正解 (4aₙ₊₁)/(aₙ+3)(配点2)

<問題要旨>
⑥ を cₙ₊₁ について解きます。

<考え方>
⑥ を cₙ₊₁ でくくると、aₙ + 3 が現れます。aₙ > 0 なので 0 で割る心配はありません。

aₙcₙ₊₁ − 4aₙ₊₁cₙ + 3cₙ₊₁ = 0
cₙ₊₁(aₙ + 3) = 4aₙ₊₁cₙ

cₙ₊₁ = 4aₙ₊₁ / (aₙ + 3) · cₙ
タ:正解 ②(配点2)

<問題要旨>
数列 {cₙ} がどのような数列かを選びます。

<考え方>
p = 3 のとき aₙ = 3n なので、係数 4aₙ₊₁/(aₙ + 3) の中身が約分できて、n によらない定数になります。

aₙ = 3n, aₙ₊₁ = 3(n + 1)

4aₙ₊₁ / (aₙ + 3) = 4·3(n+1) / (3n + 3)
              = 12(n+1) / (3(n+1))
              = 4

cₙ₊₁ = 4cₙ  → 公比 4 の等比数列(1 より大きい)
(チ/q)(dₙ+u):正解 (2/q)(dₙ+u)(配点2)

<問題要旨>
⑦ を dₙ₊₁ について解きます。

<考え方>
⑥ のときと同じく、両辺を bₙ で割って bₙ₊₁/bₙ = r = 2 を使います。

dₙbₙ₊₁ − q dₙ₊₁ bₙ + u bₙ₊₁ = 0

両辺を bₙ で割る
 dₙ r − q dₙ₊₁ + u r = 0
 q dₙ₊₁ = r(dₙ + u) = 2(dₙ + u)

 dₙ₊₁ = (2/q)(dₙ + u)
q>ツ:正解 q>2(配点1)

<問題要旨>
{dₙ} が公比 0 より大きく 1 より小さい等比数列となるための、q についての条件を求めます。

<考え方>
展開すると dₙ₊₁ = (2/q)dₙ + (2/q)u。等比数列になるには定数項が 0 でなければならず、そのとき公比は 2/q です。

公比 = 2/q
0 < 2/q < 1

2/q > 0 より q > 0、そのうえで 2 < q
 → q > 2
u=テ:正解 u=0(配点1)

<問題要旨>
同じ条件のうち、u についての条件を求めます。

<考え方>
dₙ₊₁ = (2/q)dₙ + (2/q)u が等比数列の漸化式になるのは、定数項 (2/q)u が 0 のときだけです。q ≠ 0 なので u = 0 です。

第5問 ベクトル(正十二面体と、正五角形の対角線)

正五角形の対角線の長さ a が黄金比 (1+√5)/2 になることを前半で導き、それを正十二面体に持ち込む設問です。図形は立体ですが、実際に使うのは「対角線は辺の a 倍」という一つの事実と、OA₁, OA₂, OA₃ という 3 本のベクトルの内積がすべて等しいことだけです。最後は内積 0 から直角、長さが等しいことから正方形、と2段階で結論します。

アイ:正解 36(配点2)

<問題要旨>
正五角形 OA₁B₁C₁A₂ で ∠A₁C₁B₁ と ∠C₁A₁A₂ の大きさを求めます。

<考え方>
正五角形の内角は 108° です。1 辺と 1 辺ではさまれた二等辺三角形を取り出すと、底角が求まります。

正五角形の内角 = 180° × (5 − 2) / 5 = 108°

△A₁B₁C₁ は A₁B₁ = B₁C₁ = 1 の二等辺三角形で、頂角は内角の 108°
 底角 = (180° − 108°) / 2 = 36°

∠A₁C₁B₁ = 36°(∠C₁A₁A₂ も同様に 36°)
ウ:正解 a(配点2)

<問題要旨>
A₁A₂ を B₁C₁ で表します。

<考え方>
∠A₁C₁B₁ = ∠C₁A₁A₂ = 36° が等しいので錯角が等しく、A₁A₂ と B₁C₁ は平行です。A₁A₂ は対角線で長さ a、B₁C₁ は辺で長さ 1、向きも同じなので a 倍になります。

エ−オ:正解 a−1(配点3)

<問題要旨>
B₁C₁ を OA₁ と OA₂ で表し、a の満たす方程式を導きます。

<考え方>
B₁ から C₁ まで、B₁ → A₂ → O → A₁ → C₁ と遠回りして足していきます。A₂B₁ と A₁C₁ はどちらも対角線なので、辺のベクトルの a 倍として書けます。

A₂B₁ = a OA₁ ,  A₁C₁ = a OA₂ に注意して

B₁C₁ = B₁A₂ + A₂O + OA₁ + A₁C₁
     = −a OA₁ − OA₂ + OA₁ + a OA₂
     = (a − 1)(OA₂ − OA₁)

一方 B₁C₁ = (1/a)(OA₂ − OA₁) だったので
 1/a = a − 1
 a² − a − 1 = 0
 a > 0 より a = (1 + √5)/2
(カ+√キ)/ク:正解 (3+√5)/2(配点2)

<問題要旨>
|OA₂ − OA₁|² を求めます。

<考え方>
これは対角線 A₁A₂ の長さの 2 乗、すなわち a² です。a² = a + 1 を使うと計算が速く済みます。

|OA₂ − OA₁|² = |A₁A₂|² = a²

a² = a + 1(a² − a − 1 = 0 より)
   = (1 + √5)/2 + 1
   = (3 + √5)/2
(ケ−√コ)/サ:正解 (1−√5)/4(配点3)

<問題要旨>
OA₁ · OA₂ を求めます。

<考え方>
|OA₂ − OA₁|² を内積で展開します。OA₁, OA₂ はどちらも長さ 1 の辺ベクトルです。

|OA₂ − OA₁|² = |OA₂|² − 2 OA₁·OA₂ + |OA₁|²
           = 1 − 2 OA₁·OA₂ + 1

2 − 2 OA₁·OA₂ = (3 + √5)/2
2 OA₁·OA₂ = 2 − (3 + √5)/2 = (1 − √5)/2

OA₁·OA₂ = (1 − √5)/4
シ:正解 ⑨(配点3)

<問題要旨>
OA₁ · OB₂ を求めます。

<考え方>
OB₂ = OA₃ + a OA₂ を代入して展開します。OA₁·OA₂ も OA₁·OA₃ も同じ値になる(どの 2 本も対称な位置にある)ことがかなめです。

k = OA₁·OA₂ = OA₁·OA₃ = (1 − √5)/4 とおく

OA₁·OB₂ = OA₁·(OA₃ + a OA₂)
       = k + a k = (1 + a)k

1 + a = 1 + (1+√5)/2 = (3 + √5)/2

(1 + a)k = (3+√5)/2 × (1−√5)/4
        = (3 − 3√5 + √5 − 5) / 8
        = (−2 − 2√5)/8
        = (−1 − √5)/4
ス:正解 ⓪(配点3)

<問題要旨>
OB₁ · OB₂ を求めます。

<考え方>
OB₁ = OA₂ + a OA₁、OB₂ = OA₃ + a OA₂ を代入して展開します。a² = a + 1 を使うと項がまとまり、最後にきれいに 0 になります。

OB₁·OB₂ = (OA₂ + a OA₁)·(OA₃ + a OA₂)
       = OA₂·OA₃ + a|OA₂|² + a OA₁·OA₃ + a² OA₁·OA₂
       = k + a + a k + a² k
       = a + k(1 + a + a²)

1 + a + a² = 1 + a + (a + 1) = 2a + 2 = 3 + √5

= (1+√5)/2 + (1−√5)/4 × (3+√5)
= (1+√5)/2 + (−2 − 2√5)/4
= (1+√5)/2 − (1+√5)/2
= 0

内積が 0 なので、OB₁ と OB₂ は垂直です。

セ:正解 ⓪(配点2)

<問題要旨>
四角形 OB₁DB₂ がどのような四角形かを答えます。

<考え方>
B₂D = OB₁ ということは、O から B₁ へのベクトルと B₂ から D へのベクトルが等しいということです。これだけで平行四辺形が確定します。あとは直角かどうか、辺の長さが等しいかどうかを確かめます。

① B₂D = OB₁(ベクトルとして等しい)→ 平行四辺形

② OB₁·OB₂ = 0 → 隣り合う辺が垂直 → 長方形

③ 長さを比べる
 |OB₁|² = |OA₂ + a OA₁|² = 1 + 2ak + a²
      2ak = 2 × (1+√5)/2 × (1−√5)/4 = (1−5)/4 = −1
      a² = a + 1
  → |OB₁|² = 1 − 1 + a + 1 = a + 1 = (3 + √5)/2

 |OB₂|² も同じ形なので同じ値
  → 隣り合う辺の長さが等しい

長方形かつ隣辺が等しい → 正方形

※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

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