2025年度 大学入学共通テスト 本試験 現代社会 解答・解説

2025年度 大学入学共通テスト 本試験「現代社会」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。

目次
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解答

解説

第1問

問1:正解⑦

<問題要旨>

平均年間総労働時間とパート比率の国際比較

表1で1985年と2020年を比べると、平均年間総労働時間の減少幅は日本が2,093→1,598時間で約495時間と最も大きく、フランス1,654→1,407時間、オランダ1,502→1,407時間を上回るのでアは日本。パートタイム労働者比率が15ポイント以上増え2020年に3分の1を超えたのはオランダの19.5%→36.9%なのでイはオランダ。失業対策として一人当たりの労働時間を減らして雇用人数を維持する手法はワークシェアリングであり、ウにはこれが入る。

<選択肢>

①【誤】

ア=フランスが誤り。フランスの減少幅は247時間で、日本の約495時間より小さい。

②【誤】

ア=フランスもウ=フレックスタイム制も誤り。フレックスタイム制は始業・終業時刻を労働者が決める制度で、雇用人数を維持する失業対策ではない。

③【誤】

ア=フランス、イ=日本がともに誤り。日本のパートタイム労働者比率は11.7%→25.8%で14.1ポイント増にとどまる。

④【誤】

ア・イ・ウのすべてが誤り。

⑤【誤】

イ=フランスが誤り。フランスのパートタイム労働者比率は11.7%→13.1%で1.4ポイント増にすぎない。

⑥【誤】

イ=フランス、ウ=フレックスタイム制がともに誤り。

⑦【正】

ア=日本(2,093→1,598時間で減少幅が最大)、イ=オランダ(19.5%→36.9%で15ポイント以上増え2020年に3分の1超)、ウ=ワークシェアリングで、メモの記述とすべて合う。

⑧【誤】

ウ=フレックスタイム制が誤り。エ(フランス)も実施し、法定労働時間を短縮する方法を採った制度はワークシェアリングである。

問2:正解②

<問題要旨>

フルタイム労働者の1週間の時間配分

表2はフルタイム労働者の1週間168時間の配分を男女別・1976年と2006年で示している。②は市場労働時間と通勤・家事等労働時間の合計を比べるもので、1976年は男性48.3+8.0=56.3時間に対し女性43.5+19.6=63.1時間、2006年は男性52.9+8.4=61.3時間に対し女性44.3+18.2=62.5時間となり、いずれの年も男性の方が短い。よって②が表2の説明として最も適当である。

<選択肢>

①【誤】

男性の市場労働時間は48.3→52.9時間、通勤・家事等労働時間は8.0→8.4時間でどちらも長くなっており、「両方とも短い」は成り立たない。

②【正】

市場労働時間と通勤・家事等労働時間の合計は1976年が男性56.3時間・女性63.1時間、2006年が男性61.3時間・女性62.5時間で、いずれの年も男性の方が短い。

③【誤】

男性の余暇時間Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの合計は1976年が30.7+73.5+7.5=111.7時間、2006年が29.2+70.0+7.5=106.7時間で短くなっている。

④【誤】

女性の余暇時間Ⅰは22.9→25.3時間と長くなるが、余暇時間Ⅱは72.9→71.3時間、余暇時間Ⅲは9.1→8.9時間と短くなっている。

問3:正解④

<問題要旨>

労働条件に関わる法律・制度の正誤判定

労働組合法は正当な争議行為について刑事免責・民事免責を定め、労働者および労働組合の法的な責任を問わないとしているので④が正しい。労働基準法の変形労働時間制は一定期間を平均して法定労働時間の枠内に収める仕組みであり、枠を超えることはできない。労働関係調整法に基づき斡旋・調停・仲裁を行うのは労働委員会である。最低賃金法の最低賃金は地域別最低賃金と特定(産業別)最低賃金として定められ、全国一律ではない。

<選択肢>

①【誤】

変形労働時間制は、一定期間を平均して法定労働時間の枠内に収まる範囲で1日の労働時間を調整する制度で、枠を超えて調整することはできない。

②【誤】

労使の主張が対立して当事者だけで解決できないとき、斡旋・調停・仲裁によって解決をはかるのは労働委員会である。労働基準監督署は労働基準法違反を監督する行政機関。

③【誤】

最低賃金は都道府県ごとの地域別最低賃金と特定(産業別)最低賃金として定められており、全国一律ではない。

④【正】

労働組合法は正当な争議行為に刑事免責・民事免責を認め、労働者および労働組合の法的な責任を問わないとしている。

問4:正解⑧

<問題要旨>

終身雇用慣行と長時間労働のつながり

記事は、終身雇用慣行の下で企業が正社員にコストをかけて企業内教育を行い、企業内での熟練を評価するシステムを設けていると述べる。この仕組みでは転職のメリットは小さくなり労働者の転職が減るのでXはb。賃金総額に占める残業代の割合が相対的に高かった日本企業は、普段は正社員の実労働時間を多くしておき、業績悪化時にその総量を減らすことで雇用を維持したのでYはd。バブル経済崩壊後はリストラの一環として雇用調整が行われ離職や転職が増えたのでZはf。

<選択肢>

①【誤】

X=aが誤り。企業内での熟練が評価される仕組みでは転職のメリットは小さくなる。Y=c、Z=eも誤り。

②【誤】

X=a、Y=cがともに誤り。

③【誤】

X=a、Z=eが誤り。

④【誤】

X=aが誤り。企業内教育のコストが無駄になりにくいのは、転職のメリットが小さく転職が減るからである。

⑤【誤】

Y=cが誤り。残業代の割合が高い企業は普段の実労働時間を多くしておき、業績悪化時に減らして雇用を維持した。Z=eも誤り。

⑥【誤】

Y=cが誤り。

⑦【誤】

Z=eが誤り。記事は「雇用の流動化が進んだ」と結んでおり、解雇を避けて配置転換や転勤を増やす対応とは結びつかない。

⑧【正】

X=b(転職のメリットが小さくなり転職が減る)、Y=d(実労働時間を多くしておき業績悪化時に減らす)、Z=f(リストラの一環として雇用調整を実施し離職や転職が増える)で記事と整合する。

問5:正解①

<問題要旨>

長時間労働が第三者に及ぼす外部不経済

姉は、長時間労働で労働者が健康を害して医療費がかかったり家事を分担できなくなったりして、長時間労働をさせている企業とそこで働く労働者以外の第三者に悪い影響が生じていると述べる。市場の取引当事者以外に不利益が及ぶ現象は外部不経済なのでXはa。会話は第三者への悪影響を減らすという方向で結ばれるので、Yにはすべての労働者に適用される年間の総労働時間の上限を法律で決めることに賛成するdが入る。

<選択肢>

①【正】

X=a外部不経済。取引の当事者以外の第三者に悪い影響が及ぶ状態を指す。Y=dで、第三者への悪影響を減らすため総労働時間の上限を法律で定めることに賛成する発言が続く。

②【誤】

Y=eが誤り。上限を法律で決めないことは第三者への悪影響を減らすことにつながらない。

③【誤】

X=bが誤り。情報の非対称性は取引当事者の間で保有する情報量に差がある状態を指し、第三者への影響を表す語ではない。

④【誤】

X=b、Y=eがともに誤り。

⑤【誤】

X=cが誤り。非価格競争はデザインや広告など価格以外の面で競う企業行動を指す。

⑥【誤】

X=c、Y=eがともに誤り。

問6:正解②

<問題要旨>

柔軟な働き方を可能にする企業の取組み

取組みは、最適なワーク・ライフ・バランスの実現のため、個々の労働者が自らのニーズに合わせて勤務場所・労働時間・休み方を選択できる「柔軟な働き方」を企業が可能にするというもの。アは通常の有給休暇とは別にボランティア休暇制度を導入して労働者の希望どおり取得を認めた対応、イはパソコン等を支給したうえで在宅勤務制度の利用を許可した対応で、いずれも労働者のニーズに沿う。ウは本人の希望と異なる扱いをしており該当しない。

<選択肢>

①【誤】

ウは取組みに沿った対応ではないので、含めることはできない。

②【正】

アのボランティア休暇制度もイの在宅勤務制度も、労働者自身のニーズに合わせて休み方や勤務場所を選択できるようにした対応であり、取組みに沿う。

③【誤】

イが抜けており、かつウを含めている点が誤り。

④【誤】

アが抜けており、かつウを含めている点が誤り。

⑤【誤】

イも取組みに沿った対応である。

⑥【誤】

アも取組みに沿った対応である。

⑦【誤】

ウは、休業前と同じ責任や負担、労働時間の仕事への復帰を希望した労働者に短時間正社員制度を適用し責任や負担が軽い仕事を割り当てており、本人のニーズに沿った選択になっていない。

⑧【誤】

アとイが取組みに沿った対応として挙げられるので、「ない」は誤り。

問7:正解③

<問題要旨>

現在の日本の社会保障制度の基本事項

母子福祉法は改正を重ね、現在は父子家庭も対象に含める母子及び父子並びに寡婦福祉法となっているので③が正しい。日本国憲法第25条第2項は社会福祉・社会保障・公衆衛生の向上及び増進に努める主体を国と定めており、国民ではない。日本の社会保障制度は社会保険・公的扶助・社会福祉・公衆衛生の四つの柱から成る。介護保険制度への加入が義務づけられるのは満40歳以上である。

<選択肢>

①【誤】

憲法第25条第2項が社会保障の向上および増進に努めなければならないと定めている主体は国であり、国民ではない。

②【誤】

社会保障制度は社会保険・公的扶助(生活保護)・社会福祉・公衆衛生の四つで構成されており、三つに限られない。

③【正】

母子福祉法は改正を経て、父子家庭も対象とする母子及び父子並びに寡婦福祉法となっている。

④【誤】

介護保険制度への加入が義務づけられるのは満40歳以上である。

第2問

問1:正解①

<問題要旨>

日本の地方自治の仕組みと地方財政

憲法第94条は、地方公共団体が法律の範囲内で条例を制定することができると定めているので①が正しい。憲法第95条は、特定の地方公共団体のみに適用される特別法の制定にはその地方公共団体の住民投票で過半数の同意が必要としている。三位一体の改革は国庫補助負担金の削減・国から地方への税源移譲・地方交付税の見直しを一体で進めるものである。国庫支出金は使途が特定される特定財源である。

<選択肢>

①【正】

憲法第94条は、地方公共団体が財産を管理し事務を処理し行政を執行する権能をもち、法律の範囲内で条例を制定することができると定めている。

②【誤】

憲法第95条により、特定の地方公共団体のみに適用される特別法の制定には、その地方公共団体の住民投票で過半数の同意を得る必要がある。

③【誤】

三位一体の改革は、国庫補助負担金の削減、国から地方への税源移譲、地方交付税の見直しを一体で行う改革で、地方交付税の見直しを含む。

④【誤】

国庫支出金は使途が特定される特定財源である。使途が特定されない一般財源に当たるのは地方税や地方交付税。

問2:正解②

<問題要旨>

地方議会の女性比率と年齢構成の読み取り

表1は2016〜2022年の各地方議会の女性議員の割合、表2は2019年の議員と人口の年齢階層別割合を示す。表1で特別区議会の女性議員割合は26.9%から30.8%まで推移し、市議会(最大17.4%)・都道府県議会・町村議会をすべての年で上回るので②が読み取れる。他の選択肢は、都道府県議会の伸びが1.9ポイントであること、町村議会で2番目に高いのが70歳代であること、40歳代までの合計が人口を下回ることから誤り。

<選択肢>

①【誤】

都道府県議会は9.9%(2016年)から11.8%(2022年)で1.9ポイント増、町村議会も9.8%から12.2%で2.4ポイント増にとどまり、3ポイント以上とはいえない。

②【正】

特別区議会の女性議員の割合は26.9・27.1・27.0・29.9・30.2・30.7・30.8%と推移し、すべての年で他の地方議会(最も高い市議会でも17.4%)を上回る。

③【誤】

表2の町村議会議員は60歳代46.1%が最も高いが、2番目は70歳代の28.2%であり、50歳代は15.1%にとどまる。

④【誤】

都道府県議会議員の40歳代までの合計は0.3+7.2+21.2=28.7%で、人口の6.0+14.3+18.8=39.1%を下回る。

問3:正解①

<問題要旨>

日本の中小企業をめぐる用語の正誤

中小企業と継続的な取引関係をもつ特定の大企業との間にある人材・技術・資本などの密接な関係は系列と呼ばれるので①が正しい。中小企業と大企業との間に技術・生産性・収益性などの格差がある状態は二重構造であり、混合経済は公私の経済部門が併存する体制を指す。中小企業基本法の定義は従業員規模または資本金規模のいずれかを満たせばよい。新技術で未開拓分野を切り開く中小企業はベンチャービジネスである。

<選択肢>

①【正】

中小企業と継続的な取引関係をもつ特定の大企業との間の、人材・技術・資本などの密接な関係を系列と呼ぶ。

②【誤】

中小企業と大企業の間の技術・生産性・収益性などの格差は二重構造と呼ばれる。混合経済は公的部門と民間部門が併存する経済体制を指す語。

③【誤】

中小企業基本法の定義では、業種ごとに従業員規模または資本金規模のいずれかの基準を満たせば中小企業とされ、両方を同時に満たす必要はない。

④【誤】

情報通信やバイオテクノロジーなど未開拓の分野を切り開こうとする中小企業はベンチャービジネスと呼ばれる。ヘッジファンドは高い収益を狙う投資を行うファンド。

問4:正解⑦

<問題要旨>

最低賃金規制と労働市場の超過供給

図では労働サービスの需要と供給が数量L0で一致し、均衡賃金はW0である。政府が均衡より高いW1を最低賃金として定めると、賃金が高いほど働きたい人は増えるので供給曲線上の供給はL2となり、企業の需要は需要曲線上のL1に減る。したがってアはL2、イはL1。供給が需要を上回るので労働市場には超過供給が発生し、それは働きたいのに雇われない人が生じること、すなわち失業が生じていることを意味する。

<選択肢>

①【誤】

ア=L1が誤り。W1はW0より高いので供給は増えてL2となる。

②【誤】

ア=L1、エ=人手不足がともに誤り。

③【誤】

ア=L1が誤り。ウ=超過供給、エ=失業は正しい。

④【誤】

ア=L1、エ=人手不足がともに誤り。

⑤【誤】

ウ=超過需要が誤り。供給L2が需要L1を上回るので超過供給である。

⑥【誤】

ウ=超過需要、エ=人手不足がともに誤り。

⑦【正】

最低賃金W1の下で供給はL2(ア)、需要はL1(イ)となって超過供給(ウ)が発生し、それは働きたいのに雇われない失業(エ)が生じていることを意味する。

⑧【誤】

エ=人手不足が誤り。超過供給は労働サービスが余る状態であり、人手不足ではない。

問5:正解③

<問題要旨>

新方式による小選挙区配分と一票の格差

新方式は各都道府県の人口を数値α(前提より45万)で割り、商の小数第1位を切り上げた値を小選挙区数とする。A県は270万÷45万=6.0なので小選挙区数は6(ア=P)、1区当たり人口は270万÷6=45.0万人(イ=S)。導入後の1区当たり人口はA県45.0万人、B県43.0万人、C県25.0万人で、最も少ないC県と比べて格差が最大になるのはA県(ウ=X)。45.0÷25.0=1.8倍で2倍未満となり、メモの記述とも合う。

<選択肢>

①【誤】

イ=R 38.6が誤り。38.6万人は導入前に7小選挙区だったときの1区当たり人口である。

②【誤】

イ=R、ウ=Yがともに誤り。

③【正】

ア=P 6(270万÷45万=6.0)、イ=S 45.0(270万÷6)、ウ=X A県(45.0÷25.0=1.8倍で2倍未満)。

④【誤】

ウ=Yが誤り。導入後の1区当たり人口はA県45.0万人がB県43.0万人より多く、C県25.0万人との格差が最大になるのはA県である。

⑤【誤】

ア=Q 7が誤り。7は導入前の小選挙区数であり、新方式では6となる。

⑥【誤】

ア=Q、イ=R、ウ=Yがいずれも誤り。

⑦【誤】

ア=Q 7が誤り。

⑧【誤】

ア=Q 7、ウ=Yがともに誤り。

問6:正解④

<問題要旨>

参議院議員選挙で採用される投票方式

参議院議員選挙のうち選挙区選挙は候補者名を書いて投票する方式であり、政党名を書く方式は採用されていないのでアは当てはまらない。比例代表選挙は非拘束名簿式で、投票用紙に名簿登載者の候補者名を書いても、政党名を書いてもよく、どちらも有効票となるのでイとウはともに採用されている。したがって、設問文が挙げる「選挙区選挙の投票で候補者名を書く」以外に採用されている方式はイとウである。

<選択肢>

①【誤】

アは採用されていない。選挙区選挙の投票で政党名を書いても有効票とはならない。

②【誤】

アは採用されておらず、採用されているウが抜けている。

③【誤】

アは採用されておらず、採用されているイが抜けている。

④【正】

参議院の比例代表選挙は非拘束名簿式で、候補者名(イ)を書いても政党名(ウ)を書いても投票できる。

⑤【誤】

アは採用されていない。

⑥【誤】

ウも採用されている方式である。

⑦【誤】

イも採用されている方式である。

⑧【誤】

イとウの二つが採用されているので、「ない」は誤り。

問7:正解④

<問題要旨>

イギリスとアメリカの政治制度の比較

アメリカの大統領は連邦議会が可決した法案に対する拒否権をもち、署名せず議会に差し戻すことができるので④が正しい。イギリスの首相は国民の直接選挙ではなく、下院で多数を占める政党の党首が国王によって任命される。首相が解散を求めうるのは下院であって上院(貴族院)ではない。アメリカで各州から2名ずつ選出されるのは上院であり、下院の議員は各州の人口に比例して配分される。

<選択肢>

①【誤】

イギリスの首相は国民が直接選挙で選ぶのではなく、下院で多数を占める政党の党首が国王によって任命される。

②【誤】

イギリスで首相が解散にかかわるのは下院であり、上院(貴族院)は解散の対象ではない。

③【誤】

アメリカで各州から2名ずつ選出されるのは上院である。下院の議員は各州の人口に比例して配分される。

④【正】

アメリカの大統領は連邦議会が可決した法案に対して拒否権をもち、署名を拒んで議会に差し戻すことができる。

第3問

問1:正解①

<問題要旨>

両議院の権限としての国政調査権

メモは、憲法が国会の両議院の権限として何を規定しているのかを問うている。憲法第62条は、両議院がそれぞれ国政に関する調査を行い、証人の出頭および証言や記録の提出を要求することができると定めており、Xには「国政に関する調査」が入る。恩赦の決定は第73条により内閣の権限、最高裁判所の長官の指名は第6条により内閣の権限、国務大臣の罷免は第68条により内閣総理大臣の権限であって、いずれも両議院の権限ではない。

<選択肢>

①【正】

憲法第62条は、両議院がそれぞれ国政に関する調査を行い、証人の出頭・証言や記録の提出を要求できると定めている(国政調査権)。

②【誤】

恩赦(大赦・特赦・減刑等)の決定は憲法第73条により内閣の権限である。

③【誤】

最高裁判所の長官の指名は憲法第6条により内閣が行い、天皇が任命する。

④【誤】

国務大臣の罷免は憲法第68条により内閣総理大臣の権限である。

問2:正解④

<問題要旨>

司法制度改革と日本の司法の現状

司法制度改革の一環として、法的な情報やサービスを提供する公的機関である法テラス(日本司法支援センター)が設置されており、④が正しい。在外邦人が最高裁判所裁判官の国民審査で投票できないことについて、最高裁判所は違憲と判断している。刑事裁判には確定判決の重大な誤りを正すための再審制度が設けられている。最高裁判所は死刑制度について合憲と判断したことがあり、判断していないというのは誤り。

<選択肢>

①【誤】

最高裁判所は、在外邦人が最高裁判所裁判官の国民審査で投票できないことについて違憲と判断している。

②【誤】

刑事裁判には、確定判決に重大な誤りがある場合に裁判をやり直す再審制度が設けられている。

③【誤】

最高裁判所は死刑制度について合憲と判断しており、判断したことがないという記述は誤り。

④【正】

司法制度改革により、法的な情報やサービスを提供する公的機関として法テラス(日本司法支援センター)が設置されている。

問3:正解③

<問題要旨>

裁判員裁判における量刑評決のルール

会話文Ⅰによれば、被告人に最も不利な意見から順に人数を足し、裁判官1名・裁判員1名を必ず含む過半数になるまで続け、その範囲で最も利益な意見が合議体の判断となる。表では懲役7年が裁判官0名・裁判員3名、懲役6年が裁判官0名・裁判員2名で、合計しても裁判官0名のため条件を満たさない。懲役5年(裁判官1名・裁判員0名)を加えて裁判官1名・裁判員5名の計6名となり条件を満たすので、判断は懲役5年となる。

<選択肢>

①【誤】

懲役7年は裁判官0名・裁判員3名で、裁判官1名を含む過半数という条件を満たさない。

②【誤】

懲役7年と懲役6年を足しても裁判官0名・裁判員5名で、裁判官1名を含む条件を満たさない。

③【正】

さらに懲役5年(裁判官1名・裁判員0名)を加えると裁判官1名・裁判員5名の計6名となり条件を満たす。この範囲で被告人に最も利益な(懲役の期間が一番短い)意見は懲役5年である。

④【誤】

懲役4年まで足す必要はない。懲役5年を加えた段階で条件が満たされ、そこで合議体の判断が決まる。

問4:正解②

<問題要旨>

市場経済を論じた思想家とその主張

シュンペーターは、企業家が新結合(イノベーション)を行い古い構造を壊す創造的破壊を経済発展の原動力とみなしたので②が正しい。政府の市場への政策的な介入による有効需要の創出と完全雇用の達成を主張したのはケインズであり、リカードは比較生産費説を説いた。資本主義の矛盾が克服された搾取のない共産主義社会の実現を唱えたのはマルクスで、リストは保護貿易を主張した。ベバリッジは社会保障の拡充を説いた人物である。

<選択肢>

①【誤】

政府の市場への介入による有効需要の創出と完全雇用の達成を主張したのはケインズ。リカードは比較生産費説を説き自由貿易の利益を論じた。

②【正】

シュンペーターは、企業家精神の発揮による新結合=イノベーションがもたらす創造的破壊を経済発展の原動力とみなした。

③【誤】

資本主義の矛盾が克服された搾取のない共産主義社会の実現を唱えたのはマルクス。リストは後発国の立場から保護貿易を主張した。

④【誤】

ベバリッジは第二次世界大戦中の報告で「ゆりかごから墓場まで」と呼ばれる社会保障の拡充を説いた人物で、自由放任への回帰は主張していない。

問5:正解①

<問題要旨>

グラミン銀行とマイクロクレジット

説明文は、バングラデシュで貧困層に向けて無担保・小口・低利で融資するマイクロクレジットを行ってきた機関とその創設者を問うている。これはグラミン銀行であり、アにはPが入る。グラミン銀行と創設者のムハマド・ユヌスは、貧困層の経済的かつ社会的な自立基盤の確立に貢献したことが評価され、2006年にノーベル平和賞を受賞したのでイにはXが入る。アジアインフラ投資銀行もマイケル・サンデルもこの説明には当てはまらない。

<選択肢>

①【正】

ア=グラミン銀行、イ=ムハマド・ユヌス。両者は貧困層の自立基盤の確立に貢献したとして2006年にノーベル平和賞を受賞した。

②【誤】

イ=マイケル・サンデルが誤り。サンデルはコミュニタリアニズムの立場をとる政治哲学者である。

③【誤】

ア=アジアインフラ投資銀行が誤り。これは中国主導で設立されたインフラ整備向けの国際金融機関である。

④【誤】

ア・イともに誤りで、マイクロクレジットとノーベル平和賞の説明に合わない。

問6:正解③

<問題要旨>

日本国憲法の改正手続と硬性憲法

憲法第96条は、憲法改正は各議院の総議員の3分の2以上の賛成で国会がこれを発議し、国民に提案してその承認を経なければならないと定めており、発議権は国会にあるので③が正しい。日本国憲法は通常の法律より改正手続が厳格な硬性憲法である。改正の承認に必要なのは国民投票における過半数の賛成で、3分の2以上ではない。国民投票法により投票権をもつのは満18歳以上の日本国民である。

<選択肢>

①【誤】

日本国憲法は、通常の法律よりも厳格な改正手続を定める硬性憲法である。

②【誤】

憲法第96条により、改正の承認に必要なのは国民投票における過半数の賛成であり、3分の2以上ではない。

③【正】

憲法第96条は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で国会が憲法改正を発議すると定めており、発議権は国会にある。

④【誤】

国民投票法により、憲法改正の国民投票で投票権をもつのは満18歳以上の日本国民である。

問7:正解⑥

<問題要旨>

ミルとベンサムの功利主義の違い

引用文は最大幸福原理を道徳の基礎としつつ、快楽の種類によってある快楽は他の快楽よりも望ましくより多くの価値をもつことを認めているので、著者は快楽の質の差を容認している(ア=Q)。これに対しαには、快楽は量として計算できるとする功利主義を提唱したベンサム(Z)が入り、イには快楽の量の計算(P)が入る。引用文の著者であるJ.S.ミルは、快楽の量の計算のみを認める功利主義を受け入れなかった。

<選択肢>

①【誤】

ア=P、α=ロールズがともに誤り。引用文は快楽の質の差を認めている。

②【誤】

ア=Pが誤り。またαは授業で紹介された人物で、引用文の著者であるJ.S.ミルとは別人でなければならない。

③【誤】

ア=Pとイ=Qが入れ替わっている。引用文の著者が容認しているのは快楽の質の差である。

④【誤】

α=ロールズが誤り。ロールズは『正義論』で公正としての正義を説いた人物であり、功利主義の提唱者ではない。

⑤【誤】

α=J.S.ミルが誤り。ミルは引用文の著者であり、快楽の量の計算のみを認める立場ではない。

⑥【正】

ア=Q(快楽の質の差を容認)、イ=P(快楽の量の計算)、α=Z(ベンサム)。ミルは量の計算のみを認める功利主義を受け入れなかった。

第4問

問1:正解⑥

<問題要旨>

国連海洋法条約の領海と排他的経済水域

国連海洋法条約によれば、沿岸国の主権が及ぶ水域は領海で、基線(通常は低潮線)から最大12海里までとされるので、アには領海(B)が入る。その外側は原則としてすべての国が自由に利用できる公海となるが、沿岸国は基線から最大24海里までの接続水域と、基線から最大200海里までの範囲で資源に対する一定の権利や管轄権が認められる排他的経済水域(EEZ)を設定できる。したがってαはZの200、イはAとなる。

<選択肢>

①【誤】

ア=排他的経済水域が誤り。沿岸国の主権が及び基線から12海里までとされる水域は領海である。

②【誤】

ア=Aが誤りで、α=Y 188も誤り。

③【誤】

α=Z 200は正しいが、ア=排他的経済水域が誤り。

④【誤】

α=X 176が誤り。排他的経済水域は基線から最大200海里までの範囲に設定できる。

⑤【誤】

α=Y 188が誤り。200海里から接続水域の24海里を引いた数値ではない。

⑥【正】

ア=B領海(基線から最大12海里)、α=Z 200(排他的経済水域は基線から最大200海里)。残るイには排他的経済水域(A)が入る。

問2:正解④

<問題要旨>

国連の主要機関と国際司法裁判所

国際司法裁判所は国家間の紛争を扱うが、紛争当事国が裁判を行うことに同意しない限り裁判を行うことができないので④が正しい。人権問題への対応を強化するため、人権委員会を改組するかたちで人権理事会が設置されたのであって説明が逆である。国連憲章上、国際の平和と安全の維持に主要な責任を負うのは安全保障理事会である。信託統治理事会は最後の信託統治地域の独立にともない1994年に活動を停止している。

<選択肢>

①【誤】

説明が逆である。人権問題に対応する機能を強化するため、人権委員会を改組するかたちで人権理事会が設置された。

②【誤】

国連憲章上、国際の平和と安全の維持に主要な責任を有するのは安全保障理事会であり、国連事務総長ではない。

③【誤】

信託統治理事会は、最後の信託統治地域であったパラオの独立により1994年に活動を停止している。

④【正】

国際司法裁判所は、紛争当事国が裁判を行うことに同意しない限り裁判を行うことができない。

問3:正解④

<問題要旨>

国連通常経費の分担金比率の推移

グラフは中国・日本・ロシア(ソ連)・アメリカの通常経費の分担金比率の推移を示す。中国は2006年には2%程度にとどまるが、2021年には12%程度まで上昇しており、5ポイント以上増えているので④が読み取れる。アメリカは1946年の約40%から段階的に下がり2001年以降は約22%である。ロシアは1990年代末に大きく下がった後2000年代後半から上昇している。日本は加盟した1956年当初の比率が低い。

<選択肢>

①【誤】

アメリカは1946年の約40%から段階的に引き下げられ、2001年以降は約22%で、全体の4分の1(25%)を下回っている。

②【誤】

ロシア(ソ連)の比率は1990年代に大きく下がった後、2000年代後半から上昇しており、1996年から2021年まで一貫して減少してはいない。

③【誤】

日本は国連に加盟した1956年当初の比率が2%程度と低く、4か国のなかで2番目に高い値を維持してはいない。

④【正】

中国の比率は2006年には2%程度だが2021年には12%程度まで上昇しており、5ポイント以上増えている。

問4:正解②

<問題要旨>

青年期をめぐる用語と心理学者の対応

エリクソンは、青年期を大人としての責任や義務が猶予される期間ととらえ、これを心理・社会的モラトリアムと呼んだので②が正しい。青年期の初め頃に性的機能の成熟によって現れる身体的変化の特徴は第二次性徴である。青年期を「第二の誕生」と呼んだのはルソーで、ハヴィガーストは人生の各段階の発達課題を提唱した。何事にも意欲や関心がなくなる無気力な状態はアパシーで、心理的離乳は親からの精神的な自立を指す。

<選択肢>

①【誤】

青年期の初め頃に性的機能の成熟によって現れる身体的変化の特徴は第二次性徴である。第一次性徴は生まれつきの生殖器の差異を指す。

②【正】

エリクソンは、青年期において大人としての責任や義務が猶予されることを心理・社会的モラトリアムと呼んだ。

③【誤】

青年期を「第二の誕生」と呼んだのはルソーである。ハヴィガーストは人生の各段階における発達課題を提唱した。

④【誤】

何事にも意欲や関心がなくなる無気力な状態はアパシー(スチューデント・アパシー)と呼ばれる。心理的離乳は親からの精神的な自立を指す語。

問5:正解①

<問題要旨>

他者との関係を説いた思想家の主張

レヴィナスは、自己に還元できない絶対的な他者との出会いを重視し、他者を中心とする倫理を唱えて、他者に対する「責任」を果たすことが人間の倫理的な生き方であるとしたので①が正しい。「死を待つ人々の家」を設立して社会的弱者の救済に専心したのはマザー・テレサで、シュヴァイツァーは「生命への畏敬」を説いた。家族のなかで育まれる愛情を「仁」の基本としたのは孔子、「孝」を道徳の根源においたのは中江藤樹である。

<選択肢>

①【正】

レヴィナスは、自己に還元できない他者との出会いを重視し、他者に対する「責任」を果たすことが人間の倫理的な生き方であるとした。

②【誤】

「死を待つ人々の家」を設立して社会的弱者の救済に専心したのはマザー・テレサ。シュヴァイツァーはアフリカで医療に従事し「生命への畏敬」を説いた。

③【誤】

親子や兄弟姉妹という家族のなかで育まれる愛情を「仁」の基本としたのは孔子である。老子は無為自然を説いた。

④【誤】

他者を愛し敬う心としての「孝」を道徳の根源におき、陽明学の影響を受けたのは中江藤樹である。本居宣長は国学者で「もののあはれ」を説いた。

問6:正解②

<問題要旨>

主権平等の考え方に基づく表決方法

考え方は、人口や面積、経済力等に関係なくすべての国について同じ扱いをするというもの。アの国際連盟の総会は議決が全会一致とされすべての加盟国の同意を必要としたので、どの国の意思も等しく扱われ当てはまる。イの国連総会は投票による場合すべての加盟国が1票の投票権をもち多数決で決めるので当てはまる。ウの安保理の実質事項は常任理事国だけに拒否権を認めており、すべての国を同じ扱いにしていない。

<選択肢>

①【誤】

ウは考え方に当てはまらないので、含めることはできない。

②【正】

アの国際連盟総会の全会一致制も、イの国連総会の一国一票の多数決も、国の規模や国力にかかわらずすべての国を同じ扱いにしている。

③【誤】

イが抜けており、かつ当てはまらないウを含めている点が誤り。

④【誤】

アが抜けており、かつ当てはまらないウを含めている点が誤り。

⑤【誤】

イも考え方に当てはまる。

⑥【誤】

アも考え方に当てはまる。

⑦【誤】

ウの安保理の実質事項は、理事国9か国以上が賛成しても常任理事国の1か国の反対で決定できないという拒否権を認めており、すべての国を同じ扱いにしていない。

⑧【誤】

アとイの二つが当てはまるので、「ない」は誤り。

問7:正解③

<問題要旨>

軍縮・軍拡の選択と得点表の読み取り

図によれば、両国がともに軍縮を選ぶとA国10点・B国10点で合計20点、A国軍拡・B国軍縮ではA国15点・B国1点で合計16点、A国軍縮・B国軍拡ではA国1点・B国15点で合計16点、両国とも軍拡ではA国5点・B国5点で合計10点となる。したがって両国がともに軍拡を選んだ場合の合計10点が四つの組合せのなかで最小であり、③が図から読み取れる記述となる。

<選択肢>

①【誤】

両国軍縮の合計20点は最大だが、A国の得点の最大は自国が軍拡しB国が軍縮した場合の15点であり、各国の点数も最大になるわけではない。

②【誤】

A国が最大の15点を得るのは、A国が「軍拡」を選択し、かつB国が軍縮を選択した場合である。

③【正】

両国がともに軍拡を選ぶとA国5点・B国5点で合計10点となり、四つの組合せのなかで合計が最小になる。

④【誤】

B国が最大の15点を得るのはB国が軍拡した場合だが、そのために必要なのはA国が「軍縮」を選択することである。

第5問

問1:正解④

<問題要旨>

無医地区・準無医地区の統計の読み取り

資料2で65歳以上の割合を合計すると、無医地区は10.3+41.1=51.4%、準無医地区は9.8+38.6=48.4%でいずれも4割を超え、全国の6.0+23.0=29.0%と比べて22.4ポイント・19.4ポイント高いので④が正しい。資料1では無医地区人口が2014年12.4万人から2019年12.7万人へ増えており、無医地区数と準無医地区数の合計も2014年1,057地区から2019年1,084地区へ増えている。

<選択肢>

①【誤】

資料1の無医地区人口は2014年の12.4万人から2019年の12.7万人へ増えており、1994年から2022年にかけて一貫して減少してはいない。

②【誤】

無医地区数と準無医地区数の合計は2014年が637+420=1,057地区、2019年が590+494=1,084地区で増えており、一貫した減少ではない。

③【誤】

生産年齢人口(15〜64歳)の比率は無医地区42.2%、準無医地区44.0%で、いずれも5割を超えていない。

④【正】

高齢化率は無医地区が10.3+41.1=51.4%、準無医地区が9.8+38.6=48.4%でいずれも4割を超え、全国の29.0%より15ポイント以上高い。

問2:正解③

<問題要旨>

地域医療の取組みを二つの観点で分類

図は「取組みで主目的とされるもの」(疾病予防/救急医療体制の整備)と「取組みで主活用されるもの」(地域内の人的資源/情報通信技術)を組み合わせて分類する。アは地区外の企業がビッグデータで疾病リスクのデータベースを構築し生活習慣を改善した事例で情報通信技術×疾病予防のC。イは救急救命士の資格取得を支援して地域に救急救命士が誕生した事例で地域内の人的資源×救急医療体制の整備のB。ウは自治体と住民が連携した料理教室でAに当たる。

<選択肢>

①【誤】

C=イが誤り。救急救命士の資格取得支援で主に活用されたのは情報通信技術ではなく地域内の人的資源である。

②【誤】

B=ア、C=ウがともに誤り。

③【正】

B=イ(地域内の人的資源×救急医療体制の整備)、C=ア(情報通信技術×疾病予防)。残るウは地域内の人的資源×疾病予防でAに当たる。

④【誤】

C=ウが誤り。食生活改善のための料理教室は情報通信技術を主に活用した取組みではない。

⑤【誤】

B=ウが誤り。料理教室は救急医療体制の整備を主目的とした取組みではない。

⑥【誤】

B=ウ、C=イがともに誤り。

問3:正解②

<問題要旨>

医療費の自己負担と公的給付の論点

ヨシダは利用者の自己負担の割合を高めるべきだと主張し、その目的として医療サービスを本当に必要かどうか考慮せず安易に利用する傾向の抑制を挙げるのでAはア。ミヤギは、自己負担の割合が高まると、特に病気がちで医療サービスを利用せざるを得ない人ほど収入に占める支出の割合が高くなり負担感も重くなると反論するのでBはカ。そのうえで健康を損なうリスクには社会全体の責任で対応すべきという前提を示すのでCはシとなる。

<選択肢>

①【誤】

C=サが誤り。ミヤギは税や社会保険による給付の割合を高めるべきだと述べており、リスクを負う個人ではなく社会全体の責任を前提としている。

②【正】

A=ア(考慮せず安易に)、B=カ(高くなり、負担感も重く)、C=シ(社会全体)で、二人の主張の流れと合う。

③【誤】

B=キが誤り。自己負担の割合が高まれば、医療サービスを利用せざるを得ない人ほど収入に占める支出の割合は高くなる。

④【誤】

B=キが誤りで、C=シは正しいが組合せとして成り立たない。

⑤【誤】

A=イが誤り。慎重に利用する傾向であれば、それを抑制する必要はない。

⑥【誤】

A=イが誤り。

⑦【誤】

A=イ、B=キ、C=サのいずれも誤り。

⑧【誤】

A=イ、B=キがともに誤り。

問4:正解②

<問題要旨>

公的関与の強化に近い医療充実策

下線部ⓑは、国や自治体が関与をさらに強め従来以上に医療サービスに対する財政的支援をしていくという考え方で、民間事業者の参入を促すⓐと対比される。アは無医地区を抱える自治体が公費を財源として医学部生向け奨学金制度を創設した事例、イは自治体の境を越えた搬送受け入れ調整の事業が公費で整備された事例で、いずれも公的な関与と財政支援によるのでⓑに近い。ウは営利を目的とする民間事業者が公費を用いずに始めた有料事業でⓐに近い。

<選択肢>

①【誤】

ウは公費を用いない民間事業者の事業であり、ⓐの考え方に近いので含めることはできない。

②【正】

アもイも自治体が公費を財源として整備した取組みで、国や自治体の関与と財政的支援を強めるⓑの考え方に近い。

③【誤】

イが抜けており、かつⓐに近いウを含めている点が誤り。

④【誤】

アが抜けており、かつⓐに近いウを含めている点が誤り。

⑤【誤】

イもⓑの考え方に近い事例である。

⑥【誤】

アもⓑの考え方に近い事例である。

⑦【誤】

ウは営利を目的とする民間事業者による公費を用いない有料の搬送事業で、ⓐの考え方に近い。

⑧【誤】

アとイの二つがⓑの考え方に近いので、「ない」は誤り。

※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

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