2022年度 大学入学共通テスト 本試験 現代社会 解答・解説

目次

解答

解説

第1問

問1:正解1

<問題要旨>
地方自治における首長と議会の選出方法や、地方自治体の組織・運営上のしくみを問う問題です。住民による首長・議会の直接選挙や、解職の手続き(リコールやイニシアティブなど)に関する基本知識を正しく理解しているかが試されます。

<選択肢>
① 正
(理由説明)
地方自治体の首長と議会の議員を、それぞれ別々の選挙で直接選ぶしくみは「二元代表制」と呼ばれます。国政(国会)とは異なり、地方公共団体では住民が首長(市町村長や知事)と議会(市町村議会や都道府県議会)をそれぞれ直接選挙するため、相互の独立性が確保されます。

② 誤
(理由説明)
地方議会議員の被選挙権は「満18歳以上」ではなく、一般に「満25歳以上」(地方公共団体によっては要件が異なる場合もありますが、少なくとも18歳ではありません)と定められています。

③ 誤
(理由説明)
「イニシアティブ(住民発案)」は条例の制定・改廃の請求などを指し、副知事・副市町村長などの解職請求(リコール)とは区別されます。解職の直接請求はリコールと呼ばれる手続きです。

④ 誤
(理由説明)
副知事や副市町村長などの解職を直接請求する場合、その請求先は選挙管理委員会ではなく、地方自治法の規定により首長や議会に対して行うことになります。選挙管理委員会は、リコールの署名を審査する立場にはありますが、「請求先」そのものではありません。

問2:正解4

<問題要旨>
公務員制度(とりわけ国家公務員)に関する基本的な法制度の理解を問う問題です。一般職の国家公務員の人事管理を担う機関や、公務員の争議行為に対する扱い、国民が受けた損害賠償請求の権利など、憲法や関連法令の正確な知識が求められます。

<選択肢>
ア 誤
(理由説明)
かつて一般職の国家公務員の幹部人事は人事院が一元的に扱ってきましたが、現在は「内閣人事局」が幹部人事を統括しています。したがって「幹部人事を一元管理しているのは人事院である」というのは現行制度とは異なります。

イ 正
(理由説明)
公務員の争議行為(ストライキなど)は国家公務員法・地方公務員法で禁止されています。これは公共の利益を損なう恐れがあるとして、厳格に制限されてきた制度的背景があります。

ウ 正
(理由説明)
日本国憲法第17条により、公務員の不法行為によって被害を受けた場合、国家や公共団体に対する賠償請求権が保証されています。また国家賠償法などにより具体的な請求手続きや補償が規定されています。

エ・オ・カ(問題文により割愛のもの)

問3:正解3

<問題要旨>
非拘束名簿式比例代表制(ドント式など)での議席配分を題材にした問題です。政党の得票と個人の得票を合算した総票数を、1、2、3…と順に割り算して議席を配分する方式(ドント式)や、その際に個人得票の大きい候補から当選していく仕組みを正しく理解する必要があります。

<選択肢>
(選択肢①~⑥の組合せはいずれもカ、キ、クに該当する候補者名が異なるだけなので、ここでは正・誤を一括して説明します)

  • ドント式では政党ごとの「政党名での得票」+「個人名での得票」の合計から議席を配分します。
  • さらに同一政党内では、個人名での得票数に応じて上位から当選者が決まる仕組みが多く採用されています。ただし、党全体の議席数が少ない場合は、個人名票が少なくても繰り上がり当選することがあります。
  • 問題文中の事例に即して計算すると、カ・キ・クに当てはまる最適な候補者の組合せは③となるように設定されています。
問4:正解5

<問題要旨>
「一票の格差」問題への対応策に関する問題です。国政選挙においては、人口の少ない選挙区を合区(統合)して定数を調整したり、都市部と地方部で定数配分に差を設けたりする方法など、最高裁判所の判例や国会審議を通じた具体的な是正策が論じられてきました。

<選択肢>
サ:議員定数1人あたりの人口が少ない複数の選挙区を合区し、定数を統合して減らす方法 → (合区による是正策)
シ:各都道府県の人口とは無関係に、一律で各都道府県に議員定数1を配分する → (人口を考慮しないので格差是正としては不適)
ス:議員定数1人あたりの人口が少ない選挙区の議員定数を増やす → (むしろ格差を拡大する可能性が高い)

(1) サとシとス
(2) サとシ
(3) サとス
(4) シとス
(5) サ ← 正解
(6) シ
(7) ス
(8) 考えられるものはない

(理由説明)

  • 「シ」は人口を考慮せず一律に配分するため、格差是正になりません。
  • 「ス」は人口が少ない選挙区の定数を増やす方法で、いっそう格差を拡大しうるため是正策とはいえません。
  • 「サ」のみが実際に用いられている「合区」などの手法に該当し、格差是正の現実的対応といえます。
問5:正解4

<問題要旨>
国連PKO(平和維持活動)の予算分担率と部隊・要員の派遣数の推移に関する資料から読み取れる内容を問う問題です。PKO予算を多く拠出する国や、要員を多く派遣している国が年代によってどのように変化しているかが焦点になります。

<選択肢>
① 誤
(理由説明)
2019年のPKO予算分担率をみると、上位5か国(アメリカ・中国・日本・ドイツ・イギリス)を合計しても約60%台であり、80%を超えるわけではありません。

② 誤
(理由説明)
国連安全保障理事会の常任理事国(アメリカ・イギリス・フランス・ロシア・中国)の拠出を合計しても、70%を占めるには至りません。

③ 誤
(理由説明)
2020年3月末時点のPKO要員派遣数で上位10か国に含まれている中国は、同時に予算分担率でも上位に入っています。よって「いずれにおいても上位10か国に入っている加盟国がない」というのは誤りです。

④ 正
(理由説明)
1990年末時点では、カナダや北欧諸国などアジア・アフリカ以外の国が派遣数上位を占めていましたが、2020年3月末時点ではエチオピア・バングラデシュ・ルワンダ・ネパールなどアジアやアフリカ諸国が主力となっています。実際、資料からも当時と比べて大きく派遣国が変動していることが読み取れます。

問6:正解2

<問題要旨>
南北問題やODA(政府開発援助)の歴史的経緯・国際的動向に関する基本知識を問う問題です。1970年代以降の開発戦略のキーワードや、日本のODA実績などを正しく理解している必要があります。

<選択肢>
① 誤
(理由説明)
新国際経済秩序(NIEO)樹立宣言が採択されたのは1974年の国連総会であり、1992年の地球サミット(国連環境開発会議)とは別です。

② 正
(理由説明)
1970年代には「基本的ニーズ(BHN)」の考え方が重視され始め、最低限必要な衣食住や教育など人間が生活するうえで不可欠なものを充足する方策が議論されました。

③ 誤
(理由説明)
1990年代の日本はODA拠出額で世界第1位となる年が続きました。「最高順位が2位にとどまった」というのは事実と異なります。

④ 誤
(理由説明)
DAC(開発援助委員会)はOECD(経済協力開発機構)の下部組織であり、IMF(国際通貨基金)とは別の国際機関の枠組みです。

問7:正解3

<問題要旨>
企業やNGO等による社会貢献活動や、公正な取引による途上国支援、NPO法人制度、ODAの形態などに関する基本用語が正しく理解されているかを問う問題です。選択肢にある用語の意味を取り違えていないかがポイントとなります。

<選択肢>
① 誤
(理由説明)
企業の慈善寄付活動などは「フィランソロピー」「CSR(企業の社会的責任)」等と呼ばれるもので、「コンプライアンス(法令順守)」とは意味が異なります。

② 誤
(理由説明)
企業やNGOなどが途上国の一次産品を適正価格で買い取り販売する取り組みは「フェアトレード」と呼ばれるのが一般的で、「マイクロクレジット(小口融資)」とは別の枠組みです。

③ 正
(理由説明)
日本では特定非営利活動促進法(NPO法)により、公益活動を行う団体が法人格を得やすくなりました。ボランティア団体などが国内外で公益の増進を目的に活動しやすくするための法整備です。

④ 誤
(理由説明)
専門家派遣は「技術協力」に分類されることが多く、有償資金協力(円借款)とは別のODA形態として整理されます。有償資金協力は貸付条件こそ優遇されますが「資金の返済」が前提であるのに対し、専門家派遣は人材育成やノウハウ提供を目的とする無償に近い形です。

問8:正解2

<問題要旨>
社会と人間の関わりに関する思想家の見解を踏まえた問題です。アリストテレスの人間観や、幕末・維新期に活躍した思想家(問題文中では佐久間象山が取り上げられている)の主張が正しく紹介されているかが問われます。

<選択肢>
X アリストテレスは、人間を「ポリス的(社会的)動物」と述べています。
Y 佐久間象山が「孝」を宇宙万物の根本原理としてすべての人が実践すべきと主張したかどうかは史実上疑問が残ります。佐久間象山は「東洋道徳・西洋芸術(技術)」論などを展開したことで知られますが、儒教思想や「孝」の絶対性を宇宙万物の原理とはしていません。

① X=正 Y=正
② X=正 Y=誤 ← 正解
③ X=誤 Y=正
④ X=誤 Y=誤

(理由説明)

  • Xは古代ギリシアの哲学者アリストテレスの有名な言葉で、「人間は本性的にポリス的動物(社会的動物)である」という趣旨は正しい。
  • Yは佐久間象山の実際の主張とかけ離れています。佐久間は儒教を学んだ人物ではありますが、孝を宇宙万物の根本原理とまで位置づけたという記録は定かではなく、問題文のような表現は疑わしいため「誤」と判断できます。

第2問

問9:正解1

<問題要旨>
高校で学んだ「科学的なものの見方・考え方」や「課題探究の方法」にかかわる論理的手法を扱う問題です。具体的には、観察・調査を通じて一般的規則を導く「帰納法」や、公正な検証に基づく推論方法などの基本を問うています。

<選択肢>
① 正
(理由説明)
個々の具体的事例を観察・調査して、共通する一般的な規則や法則を見いだす手法は「帰納法」と呼ばれます。

② 誤
(理由説明)
「二つの対立する考え方の中から、より発展した考え方によって一つにまとめていく方法」は一般には「弁証法的思考」などと呼ばれることがありますが、「演繹法」とは、一般的原理から個別の結論を導く論理的推論の方法を指すため不適切です。

③ 誤
(理由説明)
「ブレインストーミング」は意見やアイデアを自由に出し合う発想法であり、「現地に出掛けて情報を収集する」というのはフィールドワークなどにあたります。

④ 誤
(理由説明)
「ロールプレイ」は、設定された役割を演じることで理解を深めたり訓練を行ったりする手法です。選択肢にあるように「肯定側と否定側に分かれて主張を戦わせる」方法は、むしろ「ディベート」に近い内容です。

問10:正解8

<問題要旨>
エリクソンの理論をもとに心理学者マーシャが提唱した「アイデンティティ・ステイタス(Identity Status)」の4分類に関する問題です。職業選択などの領域で、本人が「危機(迷いや模索)」を経験しているか、そして「関与(コミットメント)」しているかどうかによって、A〜D(アイデンティティ達成/モラトリアム/早期完了/拡散)のいずれに該当するかを考えます。問題文に示される事例(ア〜エ)を分類に当てはめる理解が求められます。

<選択肢(A〜Dとア〜エの組合せ)>
正解は「A→ウ、B→エ、C→ア、D→イ」のように対応する選択肢(8)が該当します。以下、代表的な理由を示します。

  • A(アイデンティティ達成):危機を経験し、積極的に関与している。
    → ウは、高校時代に進路に悩む(危機)→ 地域活性化事業に取り組み、大学でも研究を深め将来に生かすという強いコミットメントがみられる。
  • B(モラトリアム):現在まさに危機を経験しつつ、関与は曖昧。
    → エは、自分が何をしたいのか分からないまま、本やボランティアなどで模索(危機の最中)しているが、まだ確たる方向は定まっていない(コミットメントが曖昧)。
  • C(早期完了/フォークロージャー):危機を経験せず、もしくは形だけで済ませて、すでに強く関与している。
    → アは、幼少期からの周囲の期待どおりにバレエダンサーになる道を進み、疑問や迷い(危機)を経験した形跡はない。しかしバレエ団入団など強くコミットしている。
  • D(アイデンティティ拡散):危機を経験していない、または経験しても特に関与していない。
    → イは、将来を深く考えずに「今楽しければそれでいいや」という状態で、積極的な決断や行動をとっていないため拡散状態と考えられる。
問11:正解3

<問題要旨>
下線部(c)「自分を守る心の働き」として一例に挙げられる「防衛機制」の具体例を問う問題です。心理学上、防衛機制には投影・反動形成・昇華など多様な形態がありますが、ここでは選択肢の内容が防衛機制に当たるかどうかが焦点になっています。

<選択肢>
① 正(防衛機制の一例)
(理由説明)
自分の頑固さを認めずに相手のせいにする行為は「投影」と呼ばれる防衛機制です。自分が持つ感情や特性を他者に帰属させることで自分を守ろうとします。

② 正(防衛機制の一例)
(理由説明)
満たされない気持ちを創作活動など社会的に価値のある方向へ転換する「昇華」は、防衛機制の代表的なパターンとされます。

③ 誤(防衛機制とはいえない例)
(理由説明)
勉強方法が原因で成績が伸び悩んだ者が、先生に相談して方法を改める行為は、問題解決策を合理的に求めたものです。自分の感情を歪ませず、客観的助言を受け入れる前向きな対応であり、防衛機制としては説明できません。

④ 正(防衛機制の一例)
(理由説明)
腹立たしさと裏腹に、むしろ過剰に好意的に接するのは「反動形成」にあたります。自分の中にある負の感情を抑圧して、反対の行動をとることで自分を守ろうとする典型例です。

問12:正解4

<問題要旨>
企業に関する基礎的な概念を問う問題です。M&Aやカルテル、中小企業の定義、地場産業など、日本の企業実態に関する正しい理解が必要になります。

<選択肢>
① 誤
(理由説明)
「M&A(Mergers and Acquisitions)」は企業の合併や買収を指す用語であり、新たな生産技術や製品の研究開発そのものを表す言葉ではありません。

② 誤
(理由説明)
「カルテル」は同業種の企業同士が価格や生産量などを協定することで競争を制限する行為を指し、「企業合同」とは異なる概念です。

③ 誤
(理由説明)
日本の中小企業基本法において、中小企業の定義は資本金額や従業員数などを基準に定めています。「自己資本比率」で定義するわけではありません。

④ 正
(理由説明)
地域に定着している中小企業が支える産業は「地場産業」と呼ばれます。特定の地域固有の資源や伝統、特産品を基盤とする中小企業による産業形態を指す用語です。

問13:正解6

<問題要旨>
下線部(e)に関する「若者に関連する日本の法制度」についての正誤を問う問題です。ここでは少年法や民法改正による成年年齢の変更、国民年金法の加入年齢などが論点となっています。

<選択肢(ア〜ウ)>
ア:少年法で定められている「少年」とは、18歳未満ではなく「20歳未満」の者を指します(ただし罪を犯した際の扱い等で詳細な区分があります)。よって「18歳未満の者を指す」という文言は誤りです。
イ:改正後の民法(2022年4月施行)によって成年年齢は満18歳に引き下げられるため、これは正しい内容です。
ウ:国民年金法による強制加入年齢は20歳から60歳までと定められています。よって「18歳から義務づけられる」というのは誤りです。

したがって、正しい記述はイのみであり、それをすべて選んだ組合せが「6」となります。

第3問

問14:正解2

<問題要旨>
日本のバブル経済(1980年代後半)とその崩壊(1990年代初頭)に至る過程を振り返ったうえで、景気や金融政策、株式・不動産価格の推移などを年代順に整理する問題です。プラザ合意を契機に円高が進行し、国内景気を下支えするための政策を背景として資産価格のバブルが発生、その後の金融引き締め策などで株価・不動産価格が急落し、銀行の不良債権問題へとつながっていく一連の流れが求められます。

<選択肢(ア〜オ)>
ア:不動産価格の下落による融資焦げ付き
イ:不況への対策として日銀が低金利政策
ウ:プラザ合意による急激な円高
エ:東証日経平均株価が史上最高値を付けた後、利上げで株式相場が急落
オ:株式・不動産相場が実体以上に高騰し、資産効果で消費・投資が拡大

選択肢①〜⑥はいずれも「ウ・イ・オ・エ・ア」などの順序の違いを問うものですが、正解例としては以下のような流れになります。

  1. ウ(1985年プラザ合意 → 急激な円高 → 輸出関連産業の不振)
  2. イ(日銀の金融緩和や低金利政策で景気を刺激 → バブルの土台)
  3. オ(株・不動産価格が実体以上に高騰 → 資産効果で消費・投資が過熱)
  4. エ(利上げなどの金融引き締め → 1990年代初頭から株式相場が急落)
  5. ア(不動産価格下落で融資焦げ付き → 金融機関の不良債権問題の深刻化)
問15:正解3

<問題要旨>
バブル崩壊後、不況が長期化した要因としてしばしば指摘される「金融機関の不良債権問題」の分類を問う問題です。金融再生委員会規則などで規定された不良債権の段階ごとの概念(「破産更生債権及びこれらに準ずる債権」「危険債権」「要管理債権」など)を正しく理解しているかが焦点です。

<選択肢>
① [破産更生債権及びこれらに準ずる債権]
② [危険債権]
③ [要管理債権]
④ いずれにも当てはまらない(不良債権ではない)

正解となる事例(問題文中の「今期の業績が赤字に転落し、返済の遅れが懸念されるため、銀行がリスケジュール等の救済措置を行った会社に対する債権」)は、いまだ破産手続や経営破綻状態まで至っていないが、返済遅延や業績の悪化があるため「要管理債権」に相当すると判断されます。

問16:正解1

<問題要旨>
信用創造の仕組みを図解した問題です。準備預金制度(支払準備率)をもとに、銀行が受け入れた預金の一部を中央銀行に預けながらも残りを貸し出すことで、社会全体の預金通貨量が何倍にも増えていくプロセスを正しく理解しているかが試されます。

<選択肢(①〜⑧)>
(ア = 支払準備率のパーセント、イ = 貸し出す金額、ウ = 最終的に増大した預金の合計額、などの組み合わせ)

選択肢①(ア30% イ490万円 ウ1960万円)や選択肢②(ア70% イ490万円 ウ2190万円)などの組み合わせが提示されますが、問題文の数値例に従って計算すると、支払準備率・各社へ貸し出される金額・最終的な預金増加額が正しく整合する組合せが①となります。

問17:正解3

<問題要旨>
貨幣(通貨)の4つの機能として、①価値尺度(value measure) ②交換(流通)手段 ③支払手段 ④価値貯蔵(保蔵)手段、がよく挙げられます。提示された事例が、そのいずれの機能を表しているかを正しく把握することが求められます。

<選択肢>
① 誤
(理由説明)
「タオルを売って貨幣に換えて傘を買った」という内容は、貨幣が「交換手段」(②)として機能している例です。問題文では「価値尺度」または「支払手段」などかどうかを検討する必要がありますが、ここではモノをいったん貨幣に換えて別のモノを手に入れるという点で交換手段がメインになります。

② 誤
(理由説明)
「資産価値をまとめて日本円に換算し、合計して比較する」は、貨幣をモノの価格を測る基準として用いているため「価値尺度」(①)にあたる事例です。

③ 正
(理由説明)
「会社員が余った収入をそのまま持っていてもいずれ腐敗・劣化してしまうわけではないため、貨幣として保管し口座に積み立てる」というのは、貨幣を「価値貯蔵(保蔵)手段」(④)として使っている例の典型です。選択肢③には「外の自宅庭で農作物を〜」「腐敗してしまうので貨幣に換える」などの内容が書かれており、腐敗のリスクなく価値を貯めておける点が強調されています。

④ 誤
(理由説明)
「町工場の社長が約束手形を振り出す」などは、貨幣とは別の信用決済手段にあたります。問題文の例では、手形そのものは貨幣とみなされないので「貨幣の支払手段」の直接的な例とはいえません。

問18:正解1

<問題要旨>
男女雇用機会均等法の規定内容に関する問題です。セクシュアル・ハラスメントの防止措置や、女性の妊娠・出産を理由とする不利益取扱いの禁止など、事業主に課される義務が正しく理解されているかが焦点となります。

<選択肢>
ア:セクシュアル・ハラスメントによって就業環境が害されないよう必要な措置を講ずる義務
イ:違反に従わなかった事業主の企業名公表制度
ウ:妊娠・出産を理由とした不利益取扱いの禁止

① アとイとウ
② アとイ
③ アとウ
④ イとウ
⑤ ア
⑥ イ
⑦ ウ
⑧ 正しいものはない

  • アは正しい。男女雇用機会均等法ではセクハラ防止措置の義務を事業主に課している。
  • イは正しい。男女雇用機会均等法の改正により、行政指導に従わない場合、事業主名の公表が行われる制度がある。
  • ウも正しい。妊娠や出産を理由とする不利益取扱いは法律で禁じられている。

しかし、選択肢全体からア・イ・ウをすべて選んだ組合せが「①」のため、これが「正しいものすべてを選べ」という設問に対し該当します。

問19:正解2

<問題要旨>
日本の男女別・年齢階級別の労働力率の推移(1979年・1999年・2019年など)を示すグラフの読み取り問題です。女性の労働力率はM字カーブが特徴的でしたが、近年は結婚・出産期以降の就業率が上昇しており、M字カーブが緩やかになっている傾向が見られます。選択肢A〜Dの折れ線はそれぞれ異なる年・性別に対応しているため、正しく読み分ける必要があります。

<選択肢>
① A
② B
③ C
④ D

問題文中のグラフはA〜Dに対応した折れ線があり、1979年女性は比較的深いM字カーブ、1999年女性はそれよりもややカーブが緩やかになり、2019年女性ではさらに就業率が高まっている。男性はいずれの年でも高い水準かつ年齢が上がるにつれ徐々に低下する形をとる。これらの特徴を総合すると、最も妥当な折れ線は「B」が2019年の女性の労働力率を表していると考えられます。

第4問

問20:正解2

<問題要旨>
配布プリントの内容を受けて、「個人の価値観や能力を大切にすること」「多様な人々が活躍できる仕組みを整えること」をキーワードに、自治体や企業などが行っている取り組みの具体例を問う問題です。特に、これまで何らかの制限や不便を感じていた集団に対し、ルールや制度を変えて平等な参加を促す施策がポイントとなります。

<選択肢>
① 誤
(理由説明)
「女性管理職比率の数値目標を引き上げる」取り組みは、女性の登用を進めるための企業の自発的数値目標です。これ自体は女性活躍を促す一例ですが、問題文の説明では「一人一人の活躍を促すための取り組み」の具体性が必ずしも十分とはいえません。

② 正
(理由説明)
「一般の投資家にも財務情報を公開し、幅広い人々が株式購入できるようにした」というのは、これまで限られた層にしか開放されていなかった企業参加の機会を広げる事例です。「資金調達のため」だけではなく、多様な立場の人々が企業経営に関与できる形を整備したと言え、個人の能力や権利を尊重する取り組みとして適切です。

③ 誤
(理由説明)
「障害者が参加できるスポーツ大会を企画する」こと自体は良い取り組みですが、単にルールや用具を工夫して参加しやすくしただけでは、企業や自治体の取り組みとしての「個人の活躍促進」の視点が十分伝わりにくい面があります。もちろん意義ある施策ですが、問題文の意図と必ずしも合致しない可能性が高いです。

④ 誤
(理由説明)
「同性パートナーシップ制度を導入して公営住宅への入居を可能にした」取り組みは、性的マイノリティへの配慮として注目される事例です。こちらも多様性を尊重する例ではありますが、問題文で示す「資金を広く募り、誰でも参加しやすい仕組みを作る」内容とは直接的に結びつかないため、最も適切とはいえません。

問21:正解1

<問題要旨>
下線部(α)「人間の共同性」を新しく構築する際、文化的・社会的背景の異なる人々と対話・共生していくことの重要性に関する問題です。公民権運動やアパルトヘイト撤廃など、具体的な歴史上の例が挙げられており、どの人物・運動が「人種差別の撤廃や平等な社会の実現」に尽力したかを問う内容になっています。

<選択肢>
① 正
(理由説明)
キング牧師(マーティン・ルーサー・キングJr.)はアメリカ公民権運動のリーダーとして知られ、人種差別撤廃や平等社会の実現を訴え続けました。米国における公民権法の成立などに大きく貢献し、非暴力の抵抗運動を展開したことで有名です。

② 誤
(理由説明)
マララ・ユスフザイ氏はパキスタン出身の女性教育活動家で、アパルトヘイト撤廃運動が行われた南アフリカ共和国とは異なる文脈です。アパルトヘイト撤廃にはネルソン・マンデラ氏などが関わりました。

③ 誤
(理由説明)
フーコーはフランスの思想家で、「権力」と「知」の関係、あるいは監獄や医療など社会制度の構造を論じました。「いわゆる未開社会の『野生の思考』」などは、レヴィ=ストロースが扱ったテーマに近く、フーコーの主張としてはズレがあります。

④ 誤
(理由説明)
リースマンは「対話的理性」に基づく合意の形成を追究したというよりも、『孤独な群衆』において、他人志向型や伝統志向型などの社会類型を論じたアメリカの社会学者です。ハーバーマスであれば「対話的理性(コミュニケーション的行為)」を重視しています。

問22:正解2

<問題要旨>
医療に関する「自己決定」として、インフォームド・コンセント、リビング・ウィル、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性や生殖に関する権利)などの用語の意味を組み合わせる問題です。患者が治療方針に納得し、延命治療の可否や出産・避妊などについて自己決定する仕組みを正しく理解しているかが問われます。

<選択肢(A〜Cとア〜ウの組合せ)>

  • A:インフォームド・コンセント → 医師の説明と患者の同意
  • B:リプロダクティブ・ヘルス/ライツ → 性や生殖に関する女性の主体的決定
  • C:リビング・ウィル → 将来、本人が意思表示できなくなったときのための延命治療等の意思表示

問題文から、ア(医師が病状などを説明、患者が同意)、イ(患者が将来の治療に関する意思を文書で示す)、ウ(出産や妊娠など女性が自身で決定する)に対応させると「A→ア、B→ウ、C→イ」となる組合せが該当します。

① A→ア B→イ C→ウ
② A→ア B→ウ C→イ ← 正解
③ A→イ B→ア C→ウ
…(以下略)

問23:正解7

<問題要旨>
ミニレポートの中で、筆者が「日本文化の特質を罪の文化ではなく『恥の文化』だと言い表す」「年中行事や通過儀礼を家族や友人・地域の人たちと行うことで一体感が強まる」等の発言をしている場面があり、「ア~ウ」に当てはまる語句を正しく組み合わせる問題です。「共通の価値規範に縛られるのか、あるいはそこから解放されるのか」という視点も盛り込まれています。

<選択肢>
① ア「共通の価値規範から解放された」 イ「罪の文化」 ウ「年中行事」
② ア「共通の価値規範から解放された」 イ「罪の文化」 ウ「通過儀礼」
③ ア「共通の価値規範から解放された」 イ「恥の文化」 ウ「年中行事」
④ ア「共通の価値規範から解放された」 イ「恥の文化」 ウ「通過儀礼」
⑤ ア「共通の価値規範に拘束された」 イ「罪の文化」 ウ「年中行事」
⑥ ア「共通の価値規範に拘束された」 イ「罪の文化」 ウ「通過儀礼」
⑦ ア「共通の価値規範に拘束された」 イ「恥の文化」 ウ「年中行事」 ← 正解
⑧ ア「共通の価値規範に拘束された」 イ「恥の文化」 ウ「通過儀礼」

(理由説明)

  • ミニレポートでは、日本の文化を「恥の文化」と表現している。よってイは「恥の文化」。
  • また、「お正月や節分、クリスマスといった年中行事」を仲間と行うことで「一体感が強まる」という記述があるため、ウには「年中行事」が入る。
  • 筆者は「共通の価値規範に縛られるのでは」といった表現を用いているため、アは「共通の価値規範に拘束された」を選ぶのが妥当と判断される。
問24:正解2

<問題要旨>
情報通信技術(ICT)の発展に伴う「著作権侵害」への注意を問う問題です。違法アップロードされた音楽や映像をダウンロードする行為、著作権保護が施されていない音楽CDの私的コピーなど、著作物の取り扱いに関する法的な正誤判断が焦点となります。

<選択肢(ア・イの正誤組合せ)>
ア:違法アップロードの音源を知りながらダウンロードするのは著作権侵害にあたるか
イ:保護手段のないCDデータを私的使用目的でスマートフォンにコピーすると著作権侵害になるか

① ア=正 イ=正
② ア=正 イ=誤 ← 正解
③ ア=誤 イ=正
④ ア=誤 イ=誤

(理由説明)

  • 違法アップロードされたオリジナル楽曲を「それと知りながらダウンロード」する行為は、いわゆる「違法ダウンロード」に該当し、著作権侵害として処罰対象となり得ます。そのため「ア=正」。
  • 一方、著作権法では私的使用を目的とする場合、技術的保護手段のないCD音源を自分のスマホへ複製する行為は認められています。したがって「イ=誤」となります(これは著作権法第30条の私的複製の規定による)。
問25:正解4

<問題要旨>
下線部(ζ)にかかわる「日本における個人情報保護の法整備」をめぐる問題です。通信の秘密を守る法や住民票ネットワーク(マイナンバー制度等)、コンピュータアクセスの禁止規定、個人情報保護法にもとづく開示・利用停止請求などが論点になります。

<選択肢>
① 誤
(理由説明)
「組織的犯罪の捜査に際し、電話やインターネットの通信内容を取得するための手続きを定める法律」は通信傍受法などが該当しますが、これは「特定秘密保護法」とはまったく別の法律です。

② 誤
(理由説明)
住民基本台帳ネットワークにおける住民票コードやマイナンバー制度は「個人番号」を活用しますが、必ずしも「一人一人に個人番号を付して管理」する仕組みが住民基本台帳ネットワークそのものではありません。マイナンバー制度は別の枠組みとして運用されており、問題文との単純な混同に注意が必要です。

③ 誤
(理由説明)
「他人のパスワードを無断で利用してアクセスすること」は、不正アクセス禁止法で禁止されており、違法行為にあたります。よって「禁止されていない」は誤りです。

④ 正
(理由説明)
「個人情報保護法」によって、本人は自分の個人情報の開示・訂正・利用停止を請求する権利を持ちます。これは一定の要件を満たした場合に認められる権利であり、選択肢の記述はその概要を正しく示しています。

第5問

問26:正解3

<問題要旨>
「場面Ⅰ」で取り上げられている都道府県別の高齢化率と合計特殊出生率の順位、および転入・転出の状況(資料3)を照らし合わせて、会話文中の X・Y・Z に当てはまる組合せを問う問題です。高齢化率が高い地域が合計特殊出生率も高いのか低いのか、さらに大都市圏と地方圏で転入超過・転出超過がどのように推移しているかを把握する必要があります。

<選択肢(X~Y に入る記述:ア~エ、Z に入る記述:カ~ク)>

  • ア:「高齢化率の順位が高く,合計特殊出生率の順位も高い」
  • イ:「高齢化率の順位が高く,合計特殊出生率の順位は低い」
  • ウ:「高齢化率の順位が低く,合計特殊出生率の順位は高い」
  • エ:「高齢化率の順位が低く,合計特殊出生率の順位も低い」
  • カ:「東京圏が転出超過している一方で,地方圏は転入超過になっている」
  • キ:「大阪圏より名古屋圏の方が,転入超過になっている時期が多い」
  • ク:「地方圏が転出超過している一方で,東京圏は転入超過になっている」

正解は③「X→ア Y→エ Z→ク」となります。以下,理由を示します。

① X=ア/Y=ウ/Z=カ → 誤
② X=ア/Y=ウ/Z=キ → 誤
③ X=ア/Y=エ/Z=ク → 正
(理由)

  • X=ア:島根県や高知県など,高齢化率が上位でありながら,合計特殊出生率も高めの地域があることから「高齢化率の順位が高く,合計特殊出生率の順位も高い」ケース。
  • Y=エ:東京や神奈川など,大都市圏は高齢化率が低い一方で,出生率も低い傾向がある。
  • Z=ク:資料3を見ると,地方圏は長期的にみれば転出超過が続き,東京圏は転入超過になる時期が多い。この状況を会話の中で「地方圏から大都市圏に人が動く」と説明している。

④ X=ア/Y=エ/Z=カ → 誤
⑤ ~ ⑨ 省略

問27:正解7

<問題要旨>
「場面Ⅱ」で示された社会資本の整備・補修に関して,X=「生活の向上を主たる目的とする社会資本」,Y=「経済の発展を主たる目的とする社会資本」と定義されています。選択肢にはア~ウに「a」と「b」があり,各々が具体的に生活向上や経済発展のために整備されているかを見極める問題です。

<選択肢(a~b,ア~ウ)>

  • ア:a「作物を栽培する農地に水を供給する用水路」
    b「各家庭に飲用可能な水を公共的に供給する水道」
  • イ:a「工業団地と港湾施設を結ぶ,貨物輸送のための専用道路」
    b「地域住民が散歩することを目的とした遊歩道」
  • ウ:a「人々が憩い,遊ぶための場として造成された都市公園」
    b「大規模工場の建設が可能となるインフラが整備された土地」

問題文では,
X=生活の向上を主たる目的(住民の福祉や安全・衛生のための施設)
Y=経済の発展を主たる目的(生産・輸送・産業振興のための施設)
という区分が求められます。

正解⑦は「ア→b イ→b ウ→a」と「ア→a イ→b ウ→a」などの組合せを並べたとき,実際には

  • ア(a):農業用水路 → これは「経済発展が主目的」(農産物の生産性向上)。
    ア(b):家庭用水道 → これは「生活向上が主目的」。
  • イ(a):工業団地と港湾専用道路 → 「経済発展が主目的」。
    イ(b):遊歩道 → 「生活向上が主目的」。
  • ウ(a):都市公園 → 「生活向上が主目的」。
    ウ(b):工場用インフラ → 「経済発展が主目的」。

問題の構成上,「アのa と b」「イのa と b」「ウのa と b」を X と Y に仕分けし,かつ「a は X,b は Y」などの組み合わせを問う形になっているため,最終的に「⑦」が適切な対応として挙がっています(具体的には選択肢を読み比べの上で確認)。

問28:正解4

<問題要旨>
自治体とNPO(非営利組織)が協働する三つの形態(A 共催,B 補助,C 委託)に関して,それぞれがどのような仕組みかを把握しているかが問われます。さらに,少子高齢化や防災・地域交通などの具体的事業例(ア・イ・ウ)との組合せが正しくマッチしているかを判断する問題です。

<選択肢(A~Cとア~ウ)>

  • A:共催 … 自治体とNPOが,労力や資金を出し合い,ともに事業を実施する。
  • B:補助 … NPOが自主的に企画した事業を行う際に,自治体が資金支援する。
  • C:委託 … 自治体が本来担う事業の一部をNPOに依頼し,NPOが独自の工夫をしながら実施する。
  • ア:子ども支援センターの運営をNPOに委ね,NPOが親子同士の交流事業などを展開。
  • イ:防災拠点や避難所をNPOが円滑に運営できるよう,地域住民とともに実地訓練を計画。
  • ウ:高齢者の外出支援サービスをNPOが始めたが,自治体が運営費用の一部を予算化してNPOの負担を減らす。

正解④は「A→イ,B→ウ,C→ア」です。

  • A(共催):イのように自治体とNPOがともに実働(地域住民も巻き込み,防災の取り組みを共同で行う)
  • B(補助):ウのようにNPOが始めた事業に自治体が予算支援する
  • C(委託):アのように本来の公的サービス(子育て支援センターの運営など)をNPOに委任する
問29:正解3

<問題要旨>
農業地域が直面している課題(課題A:既存の農業者の収入を安定・拡大する,課題B:地域の環境を保全する)と,農業関係者や自治体職員へのヒアリング内容(ア~エ)を整理して,どの項目がAに対応し,どの項目がBに対応するかを問う問題です。

課題A:どうすれば既存の農業者の収入を安定・拡大できるか
課題B:どうすれば農業が営まれている地域の環境を保全できるか

<選択肢(ア~エ)>
ア:大都市圏の人々にも買ってもらえるような特産品コーナーを設置
イ:住民やボランティアが農道沿いの草を刈り,花を植えることで良好な景観を維持
ウ:この地域特有の生態系に関心をもつ人々が訪問できる拠点を整備
エ:市場ニーズが大きい品種に転換し,高価で取引されるように工夫

正解③は「A→アとエ,B→イとウ」となるパターンです。

  • 課題A(収入安定・拡大):ア(販路拡大),エ(品種転換・付加価値向上)
  • 課題B(環境保全):イ(花を植えて景観維持),ウ(生態系に配慮した拠点づくり)
問30:正解2

<問題要旨>
日本の地方圏において,地域の持続可能性を高めるための具体的な取り組み例を問う問題です。提示されたア~ウの内容から,住民・行政・企業など多様な主体による連携や,外部の資源を活用した施策を読み取り,どれが「身近な地域で実行できる取り組み」として該当するかを判断します。

<選択肢(ア~ウの組合せ)>

  1. アとイとウ
  2. アとイ
  3. アとウ
  4. イとウ
  5. 上の観点に直接基づく取り組みはない

選択肢に挙げられている事例:
ア:空き家の有効利用のため,地域リーダーがICT環境を整えつつ移住促進 → 地域の資源(空き家)と行政モデル事業の組合せ
イ:多文化共生をNPOが取り組み,自治体の助成金を活用して商店・病院などの多言語マップを作る → 外部デザイナーの力を取り込む
ウ:閉鎖したゴルフ場の跡地で太陽光発電 → 外国企業が開発,地域外のリソースを活用

正解2「アとイ」を選ぶ理由:

  • ア:既存の空き家をテレワーク等に活用して移住者を呼び込む施策は,行政や地元の主体が協力し合えば比較的身近に実行可能な地域振興策。
  • イ:多言語マップを作成し,地域を住みやすくする取り組みも,NPOと自治体・外部デザイナーの協働で実行可能と考えられる。
  • ウ:ゴルフ場を外国企業が買収して太陽光発電 → 大きな資本や許認可が必要になり,地元だけでは決定しにくい大規模投資の色合いが強い。問題文の「身近な地域」で即座に実行できるイメージからはやや離れる。

したがって「アとイ」が,観点に直接基づく取り組みとして最も適切です。

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