2021年度 大学入学共通テスト 本試験「倫理」の問題冊子をPDFで公開しています。全設問の解答・解説も無料で読めます。印刷して実戦形式の演習にお使いください。
目次
この問題の概要
大学入学共通テストの第1回にあたる年度です。試験時間60分・満点100点。大問4題・解答番号33はすべて必答で、第1問24点・第2問24点・第3問24点・第4問28点という配点でした。センター試験の「第1問=現代の課題/第2問=源流/第3問=日本/第4問=西洋近現代」という枠が崩れ、「恥」「良心」といった一つのテーマで地域と時代を横断する構成に変わりました。原典の抜粋と高校生の会話文が全面的に使われます。全体の難易度は標準〜やや難です。
| 大問 | 出題内容 | 配点 | 難易度 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 第1問 | 「恥」をめぐる思想(共同体と社会形成、パウロの言葉、エピクロス派とストア派、初期仏教の慙愧、規範と社会秩序、儒家・墨家・道家、イスラームの利子の禁止、ソクラテスとキケロにおける恥と名誉) | 24 | ★★★☆☆ | 「恥」という一語でギリシア・キリスト教・イスラーム・仏教・中国思想が一巡する。地域別の学習しかしていないと戸惑うが、問われる知識自体は基本的 |
| 第2問 | 日本思想(『古事記』とヘシオドス『神統記』の比較、来迎図と浄土信仰、道元の修証一等、江戸の儒者による仏教批判、石田梅岩と井原西鶴、近代日本の思想家、南方熊楠と鎮守の森、高村光太郎が論じた芸術の永遠性) | 24 | ★★★★☆ | 日本思想を原典と図像で問う。問9のように日本神話とギリシア神話を比べさせる出題は共通テストならでは。神話の構造を一般化して考える必要がある |
| 第3問 | 「良心」をめぐる思想(ルターの良心、デカルトの高邁の精神、ルソー『エミール』、キルケゴールの実存の三段階、19〜20世紀の社会改良思想、フッサールの現象学、吉野源三郎『君たちはどう生きるか』、conscience の語源) | 24 | ★★★☆☆ | こちらも「良心」の一語で近世から現代までを貫く。問23の『君たちはどう生きるか』は高校生の議論として提示され、原典を読んだうえで論旨を追う設問 |
| 第4問 | 歴史と記憶(歴史の中で生きる人間、パーソナリティの類型、リップマンとステレオタイプ、エス・自我・超自我と葛藤への対処、バリアフリー、実験動物慰霊碑をめぐる会話、記憶の定着に関する実験、ベンヤミンの「解放」) | 28 | ★★★★☆ | 配点が最も大きい。問31の記憶実験のように、心理学の実験データを読ませる設問が入るのが新しい。ベンヤミンは教科書でも扱いが薄く、本文の読解力が試される |
対策のポイント: 共通テストの倫理は、地域や時代で区切った学習だけでは対応しにくくなりました。「恥」「良心」「記憶」といったテーマで横に串を刺すので、思想家ごとのキーワードに加えて「この人はどんな問いに答えようとしたのか」を一行で言えるようにしておくと強くなります。原典の抜粋は難しく見えても、設問が求めるのは筆者の主張の骨格だけです。各設問の詳しい解き方は上の「解答・解説はこちら」からどうぞ。
※ 難易度は当サイトの独自評価です(★1 基礎 〜 ★5 難)。

