2023年度 大学入学共通テスト 追試験 生物基礎 解答・解説

2023年度 大学入学共通テスト 追試験「生物基礎」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。

目次
スポンサーリンク

解答

解説

2023年度(令和5年度)大学入学共通テスト 追試験「生物基礎」の全問解説です。第1問が16点、第2問が18点、第3問が16点で、あわせて50点満点。すべて必答です。各大問がA・Bの2つの文章に分かれており、この記事もA・Bごとに見出しを分けています。各設問の見出しをタップすると、その問題の考え方と手順が開きます。まちがえた設問だけを選んで確認してください。

第1問 A 細胞と DNA 量からの細胞数の推定

会話文をたどりながら、抽出した DNA の量から肝臓の細胞数を推定します。問2は精子(n)と体細胞(2n)で核あたりの DNA 量が2倍違うことに気づけるかが分かれ目で、気づかないと ② を選んでしまいます(②にも部分点2点が与えられます)。

問1:正解 ③(解答番号1/配点3)

<問題要旨>
下線部(a)「細胞」に関する記述として最も適当なものを選びます。

<考え方>
原核細胞と真核細胞のどちらにあるか、で1つずつ確認します。「あらゆる」「特有の」「全て」といった強い言葉は、反例を1つ挙げられれば消せます。

① 核はあらゆる生物の細胞に存在する
  原核生物(細菌など)に核はない ×

② 細胞膜は真核細胞に特有
  原核細胞にも細胞膜はある    ×

③ ミトコンドリアは真核細胞に特有
  原核細胞はミトコンドリアをもたず
  呼吸は細胞膜で行う       ○

④ 光合成は真核細胞に特有の代謝
  シアノバクテリアは原核生物だが
  光合成を行う          ×

⑤ 単細胞生物の細胞は全て原核細胞
  ゾウリムシ・ミドリムシ・酵母などは
  単細胞の真核生物        ×

よって ③
問2:正解 ①(解答番号2/配点4)

<問題要旨>
会話文中の ア(10 g の組織片から得られた DNA が、ブタの精子1個の核に含まれる DNA 量の何倍か)と イ(肝臓全体 1.5 kg の細胞数)に入る数値の組合せを選びます。

<考え方>
アは割り算だけで出ます。イでは、肝臓の細胞は体細胞なので核の DNA 量が精子の2倍であることを使います。ここで2で割らないと ② になります。

【ア 精子の核 DNA の何倍か】
 得られた DNA 9.7 mg
 1 mg = 9.25×10¹⁷ 塩基対

 総塩基対数
  = 9.7 × 9.25×10¹⁷
  = 8.97×10¹⁸ 塩基対

 精子1個の核 = 2.5×10⁹ 塩基対

 倍数 = 8.97×10¹⁸ ÷ 2.5×10⁹
   = 3.59×10⁹
   ≒ 3.6×10⁹ 倍

【イ 肝臓全体の細胞数】
 肝臓の細胞は体細胞(2n)
 → 核の DNA 量は精子(n)の 2 倍

 10 g 中の細胞数
  = 3.59×10⁹ ÷ 2
  = 1.79×10⁹ 個

 肝臓全体は 1.5 kg = 1500 g
  10 g の 150 倍

 細胞数 = 1.79×10⁹ × 150
   = 2.69×10¹¹
   ≒ 2.7×10¹¹ 個

よって ①
(2で割り忘れると 5.4×10¹¹ で ②。
  ② にも部分点2点が与えられます)

第1問 B 転写・翻訳とタンパク質

問5は、5塩基の繰り返しからなる合成 RNA からできるタンパク質のアミノ酸配列を手がかりに、読み枠を決める設問です。5と3で周期がずれるため、繰り返しの中に5種類のコドンが現れます。

問3:正解 ③(解答番号3/配点3)

<問題要旨>
下線部(b)「DNA の遺伝情報はまず mRNA に転写され、タンパク質へと翻訳される」に関する記述として最も適当なものを選びます。

<考え方>
転写の仕組みを図に描いて確かめます。とくに②の「鋳型にならなかった鎖」と mRNA の関係は、相補的なのか同じなのかを取り違えやすいところです。

① mRNA のヌクレオチドは
  T が U になることを除き DNA と同じ構造

  糖も違う
   DNA … デオキシリボース
   RNA … リボース        ×

② 鋳型にならなかった DNA 鎖が
  mRNA に対して相補的

  鋳型鎖と相補的なのが mRNA
  → 鋳型でない鎖は mRNA と
   (T と U の違いを除いて)同じ配列
  「相補的」は逆         ×

③ 呼吸に必要な遺伝子など、様々な種類の
  細胞で共通して発現する遺伝子がある

  生きるために必要な遺伝子は
  どの細胞でも共通して発現している ○

④ ゲノムのどの部分も一生のうちに
  少なくとも一度は転写される

  転写されない領域も多く存在する  ×

よって ③
問4:正解 ③(解答番号4/配点3)

<問題要旨>
下線部(c)に関連して、タンパク質についての記述として誤っているものを選びます。

<考え方>
タンパク質の働きを決めるのは「どのアミノ酸が何個あるか」ではなく「どの順番で並んでいるか」です。ここを言い換えている選択肢を探します。

① 細胞内の代謝のほとんどは
  タンパク質を主成分とする酵素による
                正しい

② アミノ酸の配列はタンパク質の種類に
  よって異なる         正しい

③ アミノ酸の「種類と総数」が決まれば
  働きと性質も決まる

  同じ種類・同じ個数でも
  並ぶ順序が変われば立体構造が変わり
  働きも変わる
  決め手は「配列(順序)」
  → 誤り ←これ

④ 合成された組織や器官とは異なる場所で
  働くタンパク質がある

  ホルモンや血しょう中のタンパク質など
                正しい

よって ③
問5:正解 ②(解答番号5/配点3)

<問題要旨>
「…AAAACAAAACAAAACAAAAC…」という5塩基の繰り返しからなる合成 RNA を用いたところ、「w−x−y−w−z」の繰り返し配列からなるタンパク質1種類だけが合成されました。アミノ酸 y を指定する mRNA の塩基の並びを選びます。

<考え方>
5塩基周期の配列を3塩基ずつ区切ると、15塩基(5と3の最小公倍数)ごとに同じパターンが戻り、5種類のコドンが並びます。「1番目と4番目が同じアミノ酸 w」という条件を満たす読み枠を探すのが鍵です。

【配列に番号をふる】
 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 …
 A A A A C A A A A C  …

【読み枠を1つずつ試す】

 1番目から読む
  AAA / ACA / AAA / CAA / AAC
  1番目と4番目 AAA ≠ CAA ×

 2番目から読む
  AAA / CAA / AAC / AAA / ACA
  1番目と4番目 AAA = AAA ○

 3番目から読む
  AAC / AAA / ACA / AAA / CAA
  AAC ≠ AAA        ×

 4番目から読む
  ACA / AAA / CAA / AAC / AAA
  ACA ≠ AAC        ×

 5番目から読む
  CAA / AAC / AAA / ACA / AAA
  CAA ≠ ACA        ×

【2番目から読む枠に当てはめる】
  w   x   y   w   z
 AAA CAA AAC AAA ACA

 アミノ酸 y は 3番目のコドン
  → AAC

よって ②

第2問 A 心拍出量と血流配分率

安静時と運動時の血流量・血流配分率の表を読む問題です。問2は「配分率(%)」と「血流量(L/分)」を混同すると引っかかります。配分率が減っていても血流量は増えている器官があることに注意してください。

問1:正解 ④(解答番号6/配点3)

<問題要旨>
表1の人の安静時における、1分間当たりの肺循環の血流量として最も適当なものを選びます。

<考え方>
表に並んでいるのはすべて体循環の器官です。まず合計して心拍出量を出します。肺循環と体循環は1本につながった回路なので、通過する血液量は等しくなります。

【安静時の血流量を合計する】
 脳       0.75
 心筋      0.25
 肝臓・消化管  1.25
 腎臓      1.00
 骨格筋     1.00
 皮膚      0.25
 骨・生殖器・その他 0.50

 合計 = 5.00 L/分
 → これが体循環の心拍出量

【肺循環との関係】
 心臓 → 肺 → 心臓 → 全身 → 心臓
 と一続きの回路なので
 同じ時間に流れる血液量は等しい

 肺循環の血流量 = 5.00 L/分

(表の配分率の合計も
  15+5+25+20+20+5+10 = 100 % で
  合計が心拍出量であることを確認できる)

よって ④
問2:正解 ①・④(解答番号7・8/配点4)

<問題要旨>
表1に基づいて、運動時にみられる安静時からの血流配分率の変化と、それに伴ってからだに生じていると考えられる現象の記述のうち、適当なものを二つ選びます。

<考え方>
配分率だけでなく血流量そのものも見比べます。配分率が下がっていても血流量が増えている器官(脳・心筋)があり、そこを混同させる選択肢が並んでいます。

① 骨格筋の配分率が増えた
  → 酸素の供給量が増加
  20 % → 74 %、血流量 1.00 → 18.50
  運動する筋肉に血液が集中する ○

② 皮膚の配分率が増えた
  → 熱の放散が抑制
  皮膚の血流が増えるのは
  体表から熱を逃がすため
  「抑制」ではなく「促進」  ×

③ 心筋の配分率が変化していない
  → エネルギー供給が不足
  配分率は 5 % のままだが
  血流量は 0.25 → 1.25 と5倍
  不足していない       ×

④ 肝臓・消化管の配分率が減った
  → 減った分が血流量の増える器官へ
  25 % → 4 %、血流量も 1.25 → 1.00
  骨格筋などへ回されている ○

⑤ 脳の配分率が減った
  → グルコース供給量が減少
  配分率は 15 % → 4 % だが
  血流量は 0.75 → 1.00 と増加
  供給は減っていない     ×

⑥ 腎臓の配分率は減ったが原尿量は増加
  血流量も 1.00 → 0.75 と減少
  → 原尿量も減る       ×

よって ① と ④
問3:正解 ③(解答番号9/配点3)

<問題要旨>
表1の人が運動をやめたところ、運動中に優位に働いていた自律神経に代わって、それとは異なる自律神経が優位に働きはじめました。この神経が行う作用として誤っているものを選びます。

<考え方>
運動中は交感神経が優位なので、やめたあとは副交感神経が優位になります。副交感神経が分布していない器官はどれかを思い出します。

【どちらの神経か】
 運動中 … 交感神経が優位
 やめた後 … 副交感神経が優位

【副交感神経の作用】
① 瞳孔を縮小させる     ○
② 心臓の拍動数を減少させる ○
③ 立毛筋を収縮させる

  立毛筋には交感神経しか分布せず
  副交感神経の支配を受けない
  (収縮させるのは交感神経)
  → 誤り ←これ

④ 胃のぜん動を促進する   ○
⑤ 気管支を収縮させる    ○

【交感神経と副交感神経の対比】
 瞳孔  交感=拡大 / 副交感=縮小
 拍動  交感=促進 / 副交感=抑制
 気管支 交感=拡張 / 副交感=収縮
 消化管 交感=抑制 / 副交感=促進
 立毛筋 交感=収縮 / 副交感=分布なし

よって ③

第2問 B 血糖濃度の調節

グルコースを投与したブタの血糖濃度と2つのホルモンの変化を追い、どちらがインスリンでどちらがグルカゴンかを判断します。グラフの上がり下がりが血糖と同じ向きか逆向きかを見るだけで決まります。

問4:正解 ③(解答番号10/配点2)

<問題要旨>
図1を踏まえて、「血糖濃度が上昇するとホルモン ア が働き血糖濃度を減少させる。ホルモン ア は イ である。いったん血糖濃度が減少した後、ホルモン ウ が働き血糖濃度を上昇させる。ホルモン ウ は エ である。」の空欄の組合せを選びます。

<考え方>
図1の3つのグラフを重ねて見ます。血糖と同じ動き(20分でピーク)をするホルモンが、血糖を下げるほうです。血糖と逆に動くホルモンが、血糖を上げるほうになります。

【図1の読み取り】
 血糖
  20分でピーク(165)
  45分で最低(117)その後回復

 ホルモンX
  投与直後 1.5 → 20分で最低 0.37
  → 血糖と逆向きに動く

 ホルモンY
  0分 1 → 20分でピーク 39
  → 血糖と同じ向きに動く

【対応づけ】
 血糖が上がったときに増えて
 血糖を下げるホルモン
  = インスリン = Y

 血糖が下がったときに増えて
 血糖を上げるホルモン
  = グルカゴン = X

 ア = Y
 イ = インスリン
 ウ = X
 エ = グルカゴン

(どちらもすい臓のランゲルハンス島から
  分泌される=「同一器官から」と一致)

よって ③
問5:正解 ⑥(解答番号11/配点3)

<問題要旨>
下線部(a)に関連して、血糖濃度が低下したときに分泌されるホルモンの働きについての記述 ⓐ〜ⓒ のうち、適当なものを過不足なく含むものを選びます。

<考え方>
ホルモンごとに「どこに働いて何をするか」を確認します。バソプレシンが何の再吸収を促進するかが最大の分かれ目です。

ⓐ バソプレシンが分泌され
  原尿に含まれる糖の再吸収が促進

  バソプレシンが促進するのは
  「水」の再吸収(腎臓の集合管)
  糖ではない        × 不適当

ⓑ アドレナリンが分泌され
  肝臓でのグリコーゲンの分解が促進

  副腎髄質から分泌され
  グリコーゲン → グルコース
  血糖濃度が上がる     ○ 適当

ⓒ 糖質コルチコイドが分泌され
  タンパク質からのグルコース合成が促進

  副腎皮質から分泌され
  糖新生を促進する     ○ 適当

適当なのは ⓑ と ⓒ

よって ⑥
問6:正解 ②(解答番号12/配点3)

<問題要旨>
ホルモンに関する文章中の オ(標的細胞の何に結合するか)と カ(自律神経系による調節と比べた作用が生じるまでの時間)に入る語句の組合せを選びます。

<考え方>
ホルモンは血液に乗って運ばれ、自律神経は電気信号で直接伝わります。どちらが速いかを考えれば カ が決まります。

【オ 標的細胞の何に結合するか】
 ホルモンは標的細胞のもつ
 「受容体」に結合して作用する

  ATP … エネルギーの通貨
  DNA … 遺伝情報
  どちらもホルモンが直接結合して
  作用を起こす相手ではない

 オ = 受容体

【カ 作用が生じるまでの時間】
 自律神経系
  神経の電気信号で直接伝わる
  → 速い(ぼうこうの排尿調節など)

 ホルモン(内分泌系)
  血液に乗って全身をめぐって届く
  → 遅い。ただし効果は持続的

 カ = 長い

よって ②

第3問 A 森林の光環境とバイオーム

林床の光の量が春と冬に多く夏に少ないという図から、落葉広葉樹の森林(夏緑樹林)だと見抜くのが出発点です。問3は散布図の傾きの違いを読み、温暖化が春植物に不利に働く理由を考えさせます。

問1:正解 ⑥(解答番号13/配点3)

<問題要旨>
図2は日本のバイオームの水平分布と垂直分布です。バイオーム P〜R のうち、図1のような光の量の季節変化を示す極相林が見られるバイオームはどれか、また記述Ⅰ〜Ⅲのうち適当なものはどれかの組合せを選びます。

<考え方>
まず図1の形から森林の種類を決めます。夏に林床が暗く、春と晩秋〜冬に明るいのは、葉が落ちる森林の特徴です。そのうえで図2の P・Q・R がどのバイオームかを、緯度と標高の位置関係から決めます。

【図1が示す森林】
 林床の光の量
  春(4月ごろ)多い
  夏〜秋 少ない
  晩秋〜冬 多い

 → 夏に葉が茂り、冬に葉を落とす
 → 落葉広葉樹林(夏緑樹林)

 (春植物が生育するのも夏緑樹林)

【図2の P・Q・R】
 高緯度・高標高ほど寒い

 P 最も上(寒い)… 針葉樹林
 Q 中間      … 夏緑樹林
 R 最も下(暖かい)… 照葉樹林

 → 夏緑樹林は Q

【記述の判定】
Ⅰ トドマツ・オオシラビソ
  → 常緑針葉樹=針葉樹林(P)×
Ⅱ アラカシ・スダジイ
  光沢のある厚い葉
  → 照葉樹林(R)      ×
Ⅲ ブナ・ミズナラ
  光沢のない薄い葉
  → 夏緑樹林(Q)      ○

Q と Ⅲ

よって ⑥
問2:正解 ⑤(解答番号14/配点3)

<問題要旨>
下線部(a)に関連して、「陽樹の芽ばえは陰樹の芽ばえに比べて ア が高いため、光の弱い森林の林床では生育しにくい。しかし イ に伴って林床に十分な光が差し込むと陽樹の芽ばえも生育できる。このような環境の変化は森林における ウ に貢献している。」の空欄の組合せを選びます。

<考え方>
光補償点と光飽和点を取り違えないことがすべてです。「暗いところで生きられるかどうか」を決めるのは光補償点のほうです。

【ア 光補償点か光飽和点か】
 光補償点
  光合成速度と呼吸速度がつり合う光の強さ
  これより暗いと成長できない

 光飽和点
  それ以上光を強くしても
  光合成速度が増えなくなる光の強さ

 「光の弱い林床で生育しにくい」理由は
 光補償点が高いから

 ア = 光補償点

【イ 何によって林床が明るくなるか】
 高木が倒れて林冠にすき間ができる
  = ギャップの形成

 「一次遷移の開始」は
 火山の噴火跡や新しい岩石地から始まる
 森林の中で起こることではない

 イ = ギャップの形成

【ウ 何に貢献するか】
 ギャップができると陽樹も育つ
 → 陰樹だけの林にならず
  いろいろな樹種が共存できる

 ウ = 生物の多様性の維持

よって ⑤
問3:正解 ④(解答番号15/配点3)

<問題要旨>
下線部(b)に関連して、図3は3月〜4月の平均気温と展葉開始日の関係です。温暖化に伴い春の平均気温が 10℃ まで上昇し、図3の関係が成り立つとすると、春植物 Y について予測される記述を選びます。

<考え方>
2種類の点の「傾き」を比べます。気温が上がったときにどちらの展葉開始日が大きく早まるかで、両者の差が広がるのか縮まるのかが決まります。春植物が光合成できるのは、高木が葉を広げる前の明るい期間だけです。

【図3の傾きを比べる】
 高木X(白丸)
  低温側 4月下旬ごろ
  高温側 3月中旬ごろ
  → 気温の影響を強く受け、大きく早まる

 春植物Y(黒丸)
  低温側も高温側も 3月中旬〜下旬
  → ほぼ横ばい、気温の影響が小さい

【気温が10℃になると】
 高木X はさらに早く展葉する
 春植物Y はあまり変わらない

 → 両者の展葉開始日の差が小さくなる

【春植物への影響】
 春植物が光合成できるのは
 高木が葉を広げる前の
 林床が明るい期間だけ(図1の*の期間)

 差が小さくなる
  = 明るい期間が短くなる
  = 光合成できる期間が短くなる
  → 有機物の合成量は減少する

【選択肢の確認】
① 合成量は変わらない      ×
② Y の展葉が X より遅くなり増加 ×
③ ともに早まり期間が延びて増加 ×
④ 差が小さくなり減少      ○

よって ④

第3問 B 生態系のバランスと生物濃縮

問4は「人間活動が直接影響した生物が二次以上の高次消費者」かつ「食物連鎖で影響が広がった」という二重の条件で絞ります。問5は DDT の濃度の大小から食物網の向きを逆算する、消去法の問題です。

問4:正解 ①・⑤(解答番号16・17/配点4)

<問題要旨>
下線部(c)に関連して、記述①〜⑥のうち、人間活動が直接的に影響した生物が二次以上の高次消費者であり、かつその生物からの食物連鎖により影響が広がった事例を二つ選びます。

<考え方>
条件が2つあるので、まず「直接影響を受けた生物の栄養段階」で絞り、残ったものを「影響の広がり方が食物連鎖によるものか」で確かめます。排泄物や泥の巻き上げは食物連鎖ではありません。

【条件1 二次以上の高次消費者か】
① ラッコ … ウニ(一次消費者)を食べる
   → 二次消費者      ○
② カワウ … 魚を食べる鳥
   → 高次消費者      ○
③ ヤギ … 植物食
   → 一次消費者      ×
④ ホテイアオイ … 植物
   → 生産者        ×
⑤ グリーンアノール … 昆虫を食べる
   → 二次消費者      ○
⑥ コイ … 底生生物などを食べる
   → 影響の中身を次で見る

【条件2 食物連鎖で広がったか】
① ラッコ減 → ウニ増
   → 海藻が食べ尽くされる
   → 動物が姿を消す
   食べる/食べられるでつながる ○

② カワウが去る → 排泄物が減る
   → 植物が繁茂
   食物連鎖ではなく
   排泄物(物質の供給)による ×

⑤ アノール増 → 送粉昆虫が食べられ激減
   → 植物が種子をつけない
   食べる/食べられるでつながる ○

⑥ コイが泥を巻き上げる → 光が遮られる
   食物連鎖ではなく
   物理的な環境の変化    ×

よって ① と ⑤
問5:正解 ⑥(解答番号18/配点3)

<問題要旨>
表1は湖に生息する生物種 A〜C の DDT 濃度(A 13.8、B 2.07、C 0.23 ppm)です。この湖の食物連鎖や食物網として考えられる①〜⑥のうち、表1の結果を考慮することによって否定できるものを選びます。

<考え方>
生物濃縮では、食べる側のほうが食べられる側より濃度が高くなります。各図で「B と C のどちらが食べる側か」を確認し、表1の濃度の大小と矛盾するものを探します。

【表1から読める順序】
 A 13.8 > B 2.07 > C 0.23

 生物濃縮では
 「食べる側 > 食べられる側」

【各図の関係を確認】
(矢印は 食べられる → 食べる)

① プランクトン→C→B→A
  C < B < A で表と一致    ○

② プランクトン→B、プランクトン→C
  B→A、C→A
  B と C はどちらも一次消費者
  A が最上位で一致       ○

③ プランクトン→C、C→B、C→A、B→A
  C が最下位、A が最上位で一致 ○

④ プランクトン→C、C→B、C→A
  C が最下位で一致       ○

⑤ プランクトン→B、プランクトン→C
  B→A
  A が B より上位で一致     ○

⑥ プランクトン→B、B→C、B→A

  C は B を食べる側
  → C > B でなければならない

  実際は C 0.23 < B 2.07
  → 矛盾する ←これ

よって ⑥

※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

スポンサーリンク
投稿を友達にもシェアしよう!
  • URLをコピーしました!
スポンサーリンク
目次