2025年度 大学入学共通テスト 本試験「旧情報」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。
解答
解説
2025年度(令和7年度)大学入学共通テスト本試験「旧情報」の全6大問・63設問について、解答と考え方をまとめました。100点満点、試験時間60分。旧教育課程履修者のための科目で、新教育課程履修者は選択できません。
第1問と第4問は必答。第2問・第3問から1問、第5問・第6問から1問を選択し、計4問に解答します。必答2問で60点、選択2問で40点という配分です。
新課程の「情報Ⅰ」とは別問題で、プログラミング(第5問)とデータ分析(第6問)が選択どうしで並ぶ構成。プログラムが苦手なら第6問、グラフの読み取りに時間をかけたくなければ第5問——と、自分の得意に合わせて選べるのがこの科目の特徴です。
第1問(必答) 情報社会と情報技術/店舗の情報システム
Aは情報セキュリティ・IPアドレス・7セグメントLED・データ転送速度と、情報技術の基礎を幅広く問う小問集合。Bはスーパーマーケットのレシートとポイントカードを題材に、情報システムの中を情報がどう流れるかを追います。配点35。
ア:正解 ②(配点2)
<考え方>
ディジタル署名が保証するものを二つに分けて考えます。本人であること(authentication)と、内容が変わっていないこと(integrity)です。問題文は前者を先に述べているので、空欄は後者。
よって ア=②(改ざんされていないか)。
①「暗号化されているか」④「盗聴されていないか」は内容を秘密にする働き(機密性)で、これは暗号化の役目。ディジタル署名は中身を隠しません——ここを混同しないことが要点です。
イ:正解 ②(配点2)
<考え方>
128ビットのIPアドレスとは IPv6 のこと。従来の IPv4 は32ビットで、割り当てられるアドレスは約43億個でした。
IPv4:32ビット → 2³² ≒ 43億個 IPv6:128ビット → 2¹²⁸ ≒ 3.4×10³⁸ 個
アドレスが足りなくなった理由は、スマートフォンや家電までインターネットに直接つながる機器が爆発的に増えたこと。よって イ=②。
①「大容量データの送受信」は通信速度の話で、アドレスの長さとは無関係です。
ウ,エ,オ:正解 ①, ②, ⑧(配点3)
<考え方>
7個のLEDそれぞれが「点灯」「消灯」の2状態をとります。全消灯の状態も数えるので、単純な2のべき乗です。
2 × 2 × 2 × 2 × 2 × 2 × 2 = 2⁷ = 128
よって ウエオ=128。
「すべてのLEDが消灯している状態を含めて」という一文が、128 から 1 を引かせないための念押しです。
カ:正解 ⑤(配点3)
<考え方>
桁ごとに使える文字の種類が違う点に注意します。1桁目は大文字8種類、2桁目は小文字5種類、3桁目以降は数字10種類です。
n 桁で表示できる種類 = 8 × 5 × 10^(n−2) n = 2 → 8 × 5 = 40 n = 3 → 400 n = 4 → 4,000 ← 5,000 に届かない n = 5 → 40,000 ← 5,000 を超える
5,000種類を表示するには最低5桁必要なので、カ=5。
4桁で 4,000 という「あと一歩」の数字が用意されているのがこの問題の仕掛けです。
キ,ク:正解 ①, ④(配点4・各2/順序は問わない)
<考え方>
LANケーブルⓍが無線LANルータⒸのWANポートから抜けた——つまり家庭内LANはインターネットから切り離されたが、家庭内の機器どうしの通信は生きている、という状況です。
⓪ ⒺからWebサイトへ → インターネットが必要 ×
① Ⓔから無線LANルータⒸの設定確認 → 家庭内だけで完結 ○
② ⒹからⒻのライブ配信 → Ⓕは「インターネット上の
ライブ配信業者のサイトを経由」する ×
③ ⒶからⒻのライブ配信 → 同上(Ⓕが外に出られない)×
④ ⒶからWebサイトへ → Ⓐは携帯電話会社の回線経由 ○
よって キ・ク=①と④。
②③を切るには、本文の「Ⓕはインターネット上のライブ配信業者のサイトを経由し」という一文を押さえている必要があります。同じ家の中でも、いったん外を経由する通信は止まる——見落としやすい落とし穴です。
ケ:正解 ②(配点2)
<考え方>
1週間後の症状を、つながり方(有線/無線)で仕分けます。
・ⒺからWebサイトを閲覧できた
→ Ⓔは有線(ケーブルⓎ)。ここまでの経路は正常
= Ⓑ・Ⓧ・ⒸのWANポート・Ⓨ は無事
・Ⓕのライブ配信をⒺからもⒶからも見られない
→ Ⓕ(Wi-Fi接続)がインターネットに出られていない
・Ⓓ(Wi-Fi)もWebサイトを見られない
有線のⒺだけが正常で、無線のⒹ・Ⓕが両方だめ
→ 共通する原因は無線LANアクセスポイント機能
よって ケ=②(Ⓒの無線LANアクセスポイント機能)。
「障害の原因は1か所」という条件があるので、症状が出ている機器の共通点を探すのが定石。有線と無線で結果が割れたら、疑うべきは無線側です。
コ:正解 ③(配点2)
<考え方>
単位の接頭語が1000倍ごとであることが明示されています(1kB=1000B)。素直に割り算します。
2 TB = 2,000,000 MB 2,000,000 ÷ 20 = 100,000 秒 100,000 ÷ 3,600 = 27.7… 時間 ≒ 28 時間
よって コ=③(28)。
選択肢が 1.7/2.8/17/28/170/280 と桁だけ違う数で並んでいるので、秒→時間の換算(÷3600)を忘れると 170 や 280 を選んでしまいます。
サ:正解 ②(配点3)
<考え方>
コピーは「USBハードディスクから読む」→「ネットワークディスクへ書く」の二段階。遅い方が全体の速度を決めます(ボトルネック)。実験ではコピー先だけを内蔵ディスクに変えます。
コピー先を変えて速度が【速くなる】
→ ボトルネックは書き込み側(ネットワークディスク)
→ 読み込み側(USBハードディスク)は
まだ限界に達していなかった
X = 速くなる
Y = USBハードディスクからの読み込み速度
よって サ=②。
「速くなったら、変えなかった方はまだ余力があった」という対偶のような読み替えが要点。変えた側(ネットワークディスク)を Y に入れてしまう③が最大の引っかけです。
シ:正解 ⑤(配点2)
<考え方>
「時間帯ごとの総売上額(消費税込)」を出すのに必要な項目を考えます。
必要なもの ・いつ買ったか → 購入時刻(問題文で与えられている) ・いくら買ったか → その買い物の合計金額 図7の⑤「購入した商品の合計金額」= ¥1,193(税込)
よって シ=⑤。
⑥「購入した商品の個数の合計」では金額が出ません。「総売上額」なので金額、しかも税込——レシートのどの数字がそれかを図から正確に選ぶ問題です。
ス,セ:正解 ③, ④(配点2/順序は問わない)
<考え方>
「曜日別の各商品の購買の状況」——どの商品が、どれだけ売れたか、を曜日ごとに見ます。
必要なもの ・いつ → 購入日, 曜日(与えられている) ・どの商品か → ③ 商品コード, 購入商品名 ・どれだけか → ④ 購入した商品の個数
よって ス・セ=③と④。
⑥「購入した商品の個数の合計」はレシート全体で3個という数字なので、商品ごとの個数にはなりません。④(各行の「1個」)と⑥(合計の「3個」)の違いを図で確認しましょう。
ソ:正解 ⓪(配点2)
<考え方>
下線部Aで組み合わせるのは「ポイント会員情報(名前・性別・生年)」と「レシートに印字されている情報」。得られないものを選びます。
① 繰り返し購入される商品 → 会員IDで購買履歴を追える ○ ② ある商品を多く買う年齢層 → 生年+商品コード ○ ③ 年齢・性別別の来店時間帯 → 生年・性別+購入時刻 ○ ⓪ 顧客が商品を購入した理由 → どこにも記録されていない ×
よって ソ=⓪。
購買データから分かるのは「何を・いつ・誰が」であって「なぜ」ではない。動機を知りたければアンケートなど別の調査が要ります——データ分析の限界を突いた良問です。
タ,チ:正解 ③, ⑤(配点3)
<考え方>
図8の三つの流れを押さえます。
(あ)本部 → 配送センター(配送情報など)/(い)店舗 → 本部(売上・購買情報など)/(う)顧客 → 店舗
Ⅰ 店コード (あ)どの店舗へ配送するかの指定に必要 ○ (い)どの店舗の売上かを示すために必要 ○ (う)顧客はポイントカードを出すだけ × → あ, い = ③ Ⅱ ポイント会員ID (あ)配送に会員は関係しない × (い)売上・購買情報を本部で一括管理・分析 ○ (う)顧客が必ずポイントカードを提示する ○ → い, う = ⑤
よって タ=③、チ=⑤。
「過不足なく含む」という指示があるので、必要な流れをすべて挙げ、かつ不要な流れを入れないこと。(い)が両方に入る点を落とさないのがポイントです。
ツ:正解 ⓪(配点2)
<考え方>
メリットⅠ「ログイン時に、現在のポイント数と自宅に近い実店舗の広告チラシが表示される」に必要な条件を選びます。
ポイント数を表示する
→ ネットのアカウントと実店舗のポイント会員IDの
対応付けが必要 …【あ】
自宅に近い実店舗の広告チラシ
→ 住所はネットのアカウントに登録済み
→ 商品コードも在庫も要らない …【い】【う】不要
よって ツ=⓪(あ のみ)。
「広告チラシ」は店舗単位の情報で、個々の商品の在庫とは無関係。必要な条件だけを選ぶ——足しすぎないことが問われています。
テ:正解 ⑥(配点2)
<考え方>
メリットⅡ「その顧客がポイントカードをよく利用する実店舗のうち、その商品の在庫がある実店舗の情報が表示される」を分解します。
「その顧客がよく利用する実店舗」 → ネットのアカウントと会員IDの対応付け …【あ】 「その商品」をネットと実店舗で同一のものと見なす → 共通の商品コード …【い】 「在庫がある実店舗」 → 商品コードと店コードから在庫数を調べる …【う】
三つすべて必要なので テ=⑥(あ, い, う)。
Ⅰ・Ⅱ・Ⅲのうちこれだけが全部そろう設計で、一文の中に三つの要求が入れ子になっていることに気づけるかが分かれ目です。
ト:正解 ③(配点2)
<考え方>
メリットⅢ「商品の購入傾向が実店舗も含めて類似している他の顧客の購入履歴をもとに、おすすめ商品を表示する」——いわゆる協調フィルタリングです。
「実店舗も含めて」購入傾向を比べる → 実店舗の履歴とネットのアカウントを結ぶ …【あ】 → 実店舗の商品とネットの商品を同一視する …【い】 おすすめを「表示」するだけ → 在庫数は不要 …【う】不要
よって ト=③(あ, い)。
Ⅱとの違いは在庫を見るかどうかだけ。「おすすめを見せる」段階では在庫は要りません。Ⅱ・Ⅲを並べて比べると、条件【う】の要否がくっきり分かれます。
第2問(選択) 集金のシミュレーション
10人から6,000円ずつ集金するとき、おつり用の千円札を何枚用意すればよいか——乱数を使ったモンテカルロ型のシミュレーションを追う問題。手元の千円札の増減を一列に追えるかがすべてです。配点15。第3問との選択。
ア:正解 5(配点3)
<考え方>
ルールは二つだけ。r≦3 なら千円札6枚で支払う(手元+6)、r≧4 なら一万円札で支払う(一万円札+1、おつりで千円札−4)。表を初期値から順に埋めます。
r 一万円札 千円札 初期値 0 0 1人目 8 1 −4 2人目 1 1 2 (−4+6) 3人目 6 2 −2 4人目 10 3 −6 5人目 9 4 −10 6人目 4 【5】 −14 ← ア
6人目は r=4 なので一万円札。手元の一万円札は 4 から 1 増えて ア=5。
表の1〜4人目がすでに埋まっているので、そこで規則を確かめてから5人目以降へ進むのが安全な進め方です。
イ,ウ:正解 1, 2(配点3)
<考え方>
アの続きを8人目まで追います。8人目は r=3 なので千円札6枚での支払い、つまり手元が増える側です。
6人目 4 → 千円札 −14 7人目 5 → 千円札 −18 (−14 − 4) 8人目 3 → 千円札 −12 (−18 + 6) ← −イウ
よって イウ=12(表の欄は「− イ ウ」なので −12)。
千円札で支払われた回はプラス6。ここで符号を取り違えると以降がすべてずれます。
エ,オ:正解 1, 8(配点3)
<考え方>
「手元の千円札の枚数」の最小値を探し、その絶対値だけ事前に用意すればよい、という考え方です。10人目まで表を完成させます。
1人目 −4 2人目 2 3人目 −2 4人目 −6 5人目 −10 6人目 −14 7人目 −18 ← 最小 8人目 −12 9人目 −16 10人目 −10 最小値 −18 → 絶対値 18 枚
よって エオ=18。
最後の10人目まで追い切ることが大切です。7人目でいったん −18 まで落ちたあと戻るので、途中の最小値を見落とさないこと。
カ:正解 ①(配点3)
<考え方>
図1は10,000回のシミュレーションについて「手元の千円札の最小値」の分布を表したヒストグラムです。選択肢を一つずつグラフと照合します。
⓪ 全員が一万円札のケースはなかった
→ そのとき最小値は −40。グラフに約310回ある ×
① 最後まで千円札が不足しなかった=最小値が 0
→ 横軸 0 の棒は約800回
800 / 10,000 = 8 % ≦ 1割 ○
② 別の乱数でも結果はまったく同じ
→ 乱数なので一致しない ×
③ 全員が千円札で支払ったケースが1回以上ある
→ その確率は 0.3¹⁰ ≒ 0.0000059
10,000回での期待値 0.06回。あるとは言えない ×
よって カ=①。
③は「最小値0=全員が千円札」と早合点させる引っかけ。最小値が0になるのは「1人目が千円札で、以後も0を下回らない」場合全般で、全員千円札とは別物です。
キ:正解 ②(配点3)
<考え方>
千円札20枚を用意した場合、手元は 20 からスタート。一万円札の人ごとに −4、千円札の人ごとに +6 です。起こらないケースを選びます。
⓪ 最初が千円札でも途中で不足する 26 → 以降9人全員が一万円札なら 26,22,18,14,10,6,2,−2 → 不足する ○(起こる) ① 用意した千円札を一度も使わない 全員が千円札なら 20→26→…→80 ○(起こる) ② 千円札の人が5人いて途中で不足する 一万円札は5人 → 減少は最大 4×5 = 20 最悪でも 20 − 20 = 0 で、負にならない → 不足しない ×(起こらない) ③ 一万円札の人が8人いて不足せず終える 千円札2人を先に:20→26→32 その後8人:32 − 32 = 0(常に 0 以上)○(起こる)
よって キ=②。
②の決め手は「一万円札は最大5人 → 減少は最大20枚 → 手元は最小でも0」という上限の見積もり。順番を工夫しても負にできない、と言い切れるかどうかです。
第3問(選択) 通信プランの比較
モバイルルータの「デイリープラン」と「定額プラン」を比べ、どこで有利不利が入れ替わるかを考える問題。広告の「1日あたり◯◯円〜」という表示の意味を読み解くのが主題です。配点15。第2問との選択。
ア:正解 ③(配点2)
<考え方>
デイリープランは「利用した1日あたり500円、上限10,000円」。10日間なら上限には届きません。
500 × 10 = 5,000 円(< 上限 10,000 円)
よって ア=③(5,000)。
同じ10日間で定額プランは7,500円なので、短期間ならデイリーの方が安いことがここで確認できます。
イ,ウ:正解 1, 5(配点2)
<考え方>
「1日あたりの通信料金」で二つのグラフが交わる点を求めます。デイリーは上限に達するまで一定の500円、定額は 7,500 円を日数で割った値です。
デイリー:1日あたり 500 円(一定) 定額 :1日あたり 7,500 ÷ n 円 500 = 7,500 ÷ n n = 15
よって イウ=15。
図2の表でも 15日目の前後で大小が入れ替わります。「定額プランは使うほど1日あたりが安くなる」という右下がりの曲線と、水平なデイリーの直線の交点です。
エ:正解 ②(配点2)
<考え方>
データ通信量の節約になるかどうかを、一つずつ検討します。前提は「データはタブレットPC内に保存し、クラウドは使わない」。
あ 必要なアプリや資料を自宅のWi-Fiで事前にDL
→ モバイルルータを通らない 【正】
い 写真撮影時の解像度を低くする
→ 撮った写真は端末内に保存されるだけ
通信は発生しないので節約にならない 【誤】
う オンライン会議でカメラをオフにする
→ 映像を送らない分、通信量が減る 【正】
正・誤・正の組合せは エ=②。
「い」が誤りだと見抜くには、問題文末尾の「データはタブレットPC内の記憶装置に保存され、クラウドのストレージサービスは利用しない」という条件が効きます。この一文は飾りではありません。
オ:正解 ①(配点3)
<考え方>
定額プランで追加料金がまったく発生しない条件は、31日間の合計が 50 GB 以内に収まることです。
31 日間の合計 ≦ 50 GB 1 日あたり = 50 ÷ 31 = 50/31 GB
よって オ=①(50/31)。
選択肢に 50/32 や 50/20 が並びますが、契約期間は31日間。分母が日数そのものである、という素直な式です。
カ:正解 ②(配点2)
<考え方>
毎日2GBのとき、何日目から追加料金が発生するかを数え、そこから31日目までの日数を数えます。問題文が「26日目から」と教えてくれているので、日数を数えるだけです。
25 日目終了時点:2 × 25 = 50 GB(ちょうど) 26 日目に 50 GB を超える 追加対象は 26, 27, 28, 29, 30, 31 日目の 6 日間 500 × 6 = 3,000 円
よって カ=②(3,000)。
両端を含めて数えるので 31 − 26 + 1 = 6 日。ここで 5 日と数えて 2,500 円を選ぶのがいちばん多い取りこぼしです。
キ,ク:正解 1, 7(配点2)
<考え方>
毎日3GBのとき、累積が50GBを超える最初の日を求めます。
3n > 50
n > 16.66…
n = 17
確かめ:16 日目終了時 3 × 16 = 48 GB(超えない)
17 日目終了時 3 × 17 = 51 GB(超える)
よって キク=17(17日目から追加料金)。
「50 GB を超えたその日から追加の対象」という広告の但し書きどおり、ちょうど50 GBでは追加されない点に注意します。
ケ:正解 ③(配点2)
<考え方>
「利用日数に関係なく定額プランの方が高い」——つまり 1日目から31日目までどの日数でも定額が高い、という条件を探します。鍵は追加料金なしで使える日数 mです。
毎日 x GB のとき m = 50/x を超えない最大の整数 (m 日目までは追加料金なし) もし m ≧ 15 だと… n = 16 日利用した場合 定額 = 7,500 円 デイリー = 500 × 16 = 8,000 円 → デイリーの方が高くなってしまう × よって m ≦ 14 が必要 50/x < 15 ⟺ x > 50/15
よって ケ=③(50/[イウ] = 50/15)。
イウ=15 が二つのプランの損益分岐点でした。そこで追加料金が始まっていれば、以後デイリーに逆転される余地がなくなる——(2)の答えがそのまま伏線になっている、よくできた構成です。
第4問(必答) 暗証番号と顔認証による入室システム
生体認証の性質、ネットワーク機器のセキュリティ設定、個人情報保護、そして二つの認証方式を AND で組むか OR で組むか——認証システムの設計を、実験データを添えて一通り考えさせる大問。配点25。
ア,イ:正解 ④, ⑥(配点4・各2/順序は問わない)
<考え方>
顔・指紋・虹彩・静脈すべてに共通する性質を選びます。一つでも当てはまらない方式があれば切ります。
⓪ 推測されにくい情報を設定する → パスワードの話 × ① 認証部位と機器を接触させる → 顔・虹彩は非接触 × ② 複数人で一つの認証情報を共有 → 生体は個人固有 × ③ 照明環境で性能が変化 → 静脈・指紋には当てはまらない × ④ 個人的特徴をシステムに登録する必要がある ○ ⑤ 情報漏洩によるなりすましが起きやすい → 逆 × ⑥ 利用者が認証情報を覚えておく必要がない ○
よって ア・イ=④と⑥。
③は本文のすぐ後に出てくる顔認証の話に引きずられやすい選択肢ですが、設問は「これらすべての生体認証方式に共通する」。一つの方式だけの特徴は答えになりません。
ウ:正解 ②(配点1)
<考え方>
「小型コンピュータにアクセスする際にパスワードを入力するように設定した」——この設定が何を防ぐかを考えます。
パスワードで本人確認をする → 権限のない者を入口で止める(アクセス制御)
よって ウ=②(小型コンピュータの管理者でない者がアクセスすることを防ぐ)。
④「通信の盗聴を防ぐ」のは暗号化の役目で、パスワードの設定では防げません。
エ:正解 ①(配点1)
<考え方>
「アクセス元と日時の記録が残るように設定した」——これはログ(記録)の話です。
ログを取る目的 → 起きたことを後から追跡・検証できるようにする
よって エ=①(不正アクセスが疑われたときの証拠を残す)。
ログは事前に防ぐ(予防)ものではなく事後に追う(検知・追跡)もの。ウの「防ぐ」とエの「残す」の対比が、そのまま答えの対比になっています。
オ,カ:正解 ⓪, ⑤(配点2・各1/順序は問わない)
<考え方>
顔画像は個人情報のなかでも本人を特定できる生体情報。個人情報保護の基本原則に沿うものを選びます。
⓪ 利用について事前に本人の同意を得る ○(同意原則) ⑤ 事前に示した目的以外に使用しない ○(目的外利用の禁止) ① 照明条件を一定にする → 認証精度の話で保護とは別 × ② 高精細な画像を撮影 → むしろリスクが増える × ③ 認証局に登録 → 認証局は電子証明書の機関 × ④ 誰かわからない顔画像 → 認証が成立しない × ⑥ 住所や生年月日も記録 → 集めすぎ。保護に反する ×
よって オ・カ=⓪と⑤。
「同意を得る」「目的外に使わない」は個人情報保護法の根幹。精度向上のための工夫(①②)と保護のための決まり(⓪⑤)を混同しないことが要点です。
キ,ク:正解 ①, ⓪(配点3)
<考え方>
図2(プログラムA)と図3(プログラムB)から、登録者の受理回数と未登録者の却下回数をそれぞれ合計して比べます。各人10回ずつ、5人ずつです。
【登録者を受理する性能】 A:8+8+10+9+10 = 45 / 50 B:8+9+10+10+10 = 47 / 50 → B の方が高い … キ = ① 【未登録者を却下する性能】 A:10+9+10+10+10 = 49 / 50 B:10+9+10+8+10 = 47 / 50 → A の方が高い … ク = ⓪
よって キ=①、ク=⓪。
「どちらのプログラムが優れているか」ではなく二つの指標で逆の結果になるのがこの設問の眼目。本人を通しやすくすれば他人も通りやすくなる——認証の精度には常にこのトレードオフがあります。
ケ,コ:正解 ①, ⓪(配点3)
<考え方>
部員(顔を登録済み・暗証番号を知っている)が、二つの方法でどうなるかを考えます。
方法1(暗証番号 AND 顔認証) 暗証番号 → 必ず合う 顔認証 → 登録者でも約1割は却下される AND なので顔認証が却下されれば入れない → 入室できる可能性が高いが、できない場合もある … ケ=① 方法2(暗証番号 OR 顔認証) 暗証番号が合えばその時点で解錠 → 必ず入室できる … コ=⓪
よって ケ=①、コ=⓪。
図2で登録者にも却下が出ている(登録者1・2は10回中2回却下)ことが、ケが⓪でない根拠です。「顔認証は完璧ではない」という本文の一言を、実験データで裏づける構成になっています。
サ,シ:正解 ②, ⓪(配点3)
<考え方>
今度は暗証番号を知っている部外者(顔は未登録)で同じ比較をします。
方法1(AND)
暗証番号 → 合う
顔認証 → 未登録者は約98%却下される
(図2では50回中1回だけ受理)
→ 入室できない可能性が高いが、できる場合もある … サ=②
方法2(OR)
暗証番号が合えばその時点で解錠
→ 必ず入室できる … シ=⓪
よって サ=②、シ=⓪。
サで③「入室できない」と言い切れないのは、図2の未登録者2が10回中1回受理されているから。グラフの1マスが答えを決めています。
ス:正解 ③(配点2)
<考え方>
ケ〜シをまとめます。方法2では部員も部外者も「必ず入室できる」——ここから危険性と利便性を読み取ります。
方法2は
部員 :必ず入室できる(利便性は高い)
部外者:暗証番号さえ知っていれば必ず入れる
(危険性は方法1より高い)
よって ス=③(高いが、部員は確実に入室できる)。
この直後に本文が「方法1と方法2はそれぞれ一長一短があり」と続きます。安全性と使いやすさは両立しない——その気づきが方法3(記録を残す)へつながる、大問全体の転換点です。
セ:正解 ④(配点2)
<考え方>
方法3のフローチャートで状況Yに至る道筋は一つだけ——「顔認証が却下され、その後に暗証番号が合った」場合です。プログラムAの受理率は図2の平均を使います。
プログラムAの受理の割合(平均) 登録者 :45 / 50 = 90 % → 却下は 10 % 未登録者 : 1 / 50 = 2 % → 却下は 98 % (あ) 部員(登録済み・暗証番号を知っている) 顔認証で却下 …… 10 % → その後 暗証番号は必ず合う(100 %) 状況Y = 10 %
よって セ=④(10)。
まず図2から却下の割合を出すのが第一歩。受理率90%をそのまま答えにしないよう、状況Yは「却下→番号が合う」の経路だと確認しましょう。
ソ:正解 ⑧(配点2)
<考え方>
(い) 部外者で顔は未登録、暗証番号は知っている場合です。
顔認証で却下される …… 98 % → その後 暗証番号は合う(100 %) 状況Y = 98 %
よって ソ=⑧(98)。
顔認証をすり抜けて状況Xになるのは残り2%だけ。暗証番号を知っている部外者は、ほぼ確実に状況Yとして記録される——方法3が「証拠を残す」仕組みとして働いていることが数字で見えます。
タ:正解 ⓪(配点2)
<考え方>
(う) 部外者で顔も未登録、暗証番号も知らない場合です。
顔認証で却下される …… 98 % → 暗証番号は合わない (「知らない者が偶然正しい番号を入力することはない」) 番号が合わない → 状況Z 状況Y = 0 %
よって タ=⓪(0)。
この人が状況Yに至ることはありえないので0%。フローチャートで「番号が合った」の No の分岐が状況Zである、という一点だけで決まります。
第5問(選択) 工芸品の担当割当てとプログラム
合宿で複数の工芸品を部員に割り当てる作業を、手作業 → 配列を使った処理 → 一覧を自動生成するプログラム、と段階的にプログラム化していく問題。「最も早く空きになる部員に次を渡す」という一つの規則を、最後まで一貫して適用できるかが問われます。配点25。第6問との選択。
ア:正解 2(配点1)
<考え方>
図1の割当図を読み取ります。各部員の行に、担当した工芸品の番号と製作期間の矢印が書かれています。
部員1:工芸品1 を 1〜4 日目 部員2:工芸品2 を 1 日目、工芸品4 を 2 日目 部員3:工芸品3 を 1〜3 日目
工芸品4を担当しているのは部員2なので ア=2。
イ:正解 2(配点1)
<考え方>
同じく図1から、工芸品4の製作開始日を読みます。表1より工芸品4の製作日数は1日です。
部員2の行: 1 日目 … 工芸品2 2 日目 … 工芸品4 ← 開始日も終了日も 2 日目
よって イ=2(2日目から1日間)。
ウ:正解 2(配点2)
<考え方>
規則「最も早く空きになる部員(複数いる場合はそのうち最小の番号の部員)が、空きになった日付から次の工芸品を担当する」を、工芸品5に適用します。
工芸品4まで終えた時点の「空きになる日」 部員1 → 5 日目(工芸品1が 4 日目まで) 部員2 → 3 日目(工芸品4が 2 日目まで) 部員3 → 4 日目(工芸品3が 3 日目まで) 最も早いのは部員2(3 日目)
よって ウ=2。
各部員が「いつ空くか」を毎回書き出すのが確実な手順です。
エ:正解 3(配点2)
<考え方>
担当が決まったら、開始日は「その部員が空きになった日付」です。
部員2 が空きになるのは 3 日目 → 工芸品5 の開始は 3 日目
よって エ=3。
オ:正解 5(配点2)
<考え方>
終了日は「開始日 + 製作日数 − 1」。表1より工芸品5の製作日数は3日です。
3 + 3 − 1 = 5 工芸品5:部員2 が 3 日目 〜 5 日目
よって オ=5。
ここで −1 を忘れると6日目としてしまいます。「3日間かけるなら 3・4・5 日目」と実際に日付を並べて確かめる癖をつけましょう。
なお最後まで割り当てると 工芸品9 は「部員1:7日目〜9日目」となり、図2に印刷された行と一致します。与えられている最終行が検算になる——見落とさないようにしたい仕掛けです。
カ:正解 4(配点2)
<考え方>
配列 Akibi は「添字=部員番号、要素=その部員が空きになる日付」。図1の状況(工芸品4まで)での部員3の値を答えます。
部員3 は工芸品3 を 1〜3 日目に製作 → 4 日目から空き Akibi[1] = 5、Akibi[2] = 3、Akibi[3] = 4
よって カ=4。
ウで確かめた「空きになる日」の一覧が、そのまま配列 Akibi の中身になっています。
キ:正解 ①(配点3)
<考え方>
図4は配列の最小値のある添字を求める定番の型です。tantou に暫定の答えを持ち、より小さい要素が見つかったら更新します。
(03) tantou = 1 ← 暫定で部員1 (04) buin を 2 から buinsu まで (05) もし【 Akibi[buin] < Akibi[tantou] 】ならば (06) tantou = buin 比べるのは「日付」どうし(要素)であって 部員番号(添字)ではない → ⓪② は誤り
よって キ=①(Akibi[buin] < Akibi[tantou])。
不等号が <(イコールを含まない)ことにも意味があります。同じ日付が並んだとき更新しないので、「複数いる場合はそのうち最小の番号の部員」という規則がそのまま実現されるのです。
ク:正解 1(配点2)
<考え方>
Akibi = [5, 6, 4, 4, 4]、buinsu = 5 として図4を手で追い、(06)行目の代入が何回起きるかを数えます。
tantou = 1(Akibi[1] = 5) buin = 2: 6 < 5 ? → No buin = 3: 4 < 5 ? → Yes → tantou = 3 ★1回目 buin = 4: 4 < 4 ? → No(< なので更新しない) buin = 5: 4 < 4 ? → No 代入は 1 回、最終的に tantou = 3
よって ク=1で、表示は「次の工芸品の担当は部員3です。」となり問題文と一致します。
4が三つ並ぶのはキの不等号を確かめさせるため。≦ にしてしまうと代入は3回、担当は部員5になってしまいます。
ケ:正解 ①(配点2)
<考え方>
(05)行目は、工芸品1番から順に割り当てていく外側のループです。
(05) 【 kougeihin 】を 1 から【 kougeihinsu 】まで
1 ずつ増やしながら繰り返す
よって ケ=①(kougeihin)。
⓪buin と ②tantou は内側の処理で使う変数。何を1から順に回すのか——工芸品の番号です。
コ:正解 ④(配点2)
<考え方>
外側ループの終わりの値は、工芸品の総数です。
(02) kougeihinsu = 9 ← 工芸品数が代入された変数 (05) kougeihin を 1 から kougeihinsu まで
よって コ=④(kougeihinsu)。
③buinsu(部員数)と取り違えないこと。似た名前の変数を、役割で区別する——プログラムを読むときの基本です。
サ:正解 ②(配点3)
<考え方>
(10)行目の表示で、終了日にあたる部分です。オで確かめたとおり「開始日 + 製作日数 − 1」。
開始日 = Akibi[tantou] 製作日数 = Nissu[kougeihin] 終了日 = Akibi[tantou] + Nissu[kougeihin] − 1
よって サ=②(Nissu[kougeihin] − 1)。
添字が kougeihin(工芸品番号)である点に注意。Nissu は工芸品ごとの製作日数を並べた配列なので、部員番号 tantou では引けません。
シ:正解 ⓪(配点3)
<考え方>
(11)行目は、担当した部員が次に空きになる日付への更新です。
今回の製作は Akibi[tantou] 日目から
Nissu[kougeihin] 日間
最終日 = Akibi[tantou] + Nissu[kougeihin] − 1
次に空きになる日 = 最終日 + 1
= Akibi[tantou] + Nissu[kougeihin]
よって シ=⓪(Nissu[kougeihin])。
サが −1 あり、シが −1 なし——「最終日」と「次に空く日」は1日ずれるという、この大問を通じて繰り返されてきた考え方の総仕上げです。
第6問(選択) 図書館利用の活性化とデータ分析
ブレーンストーミング → KJ法による整理 → Webアンケートの設計 → 集計とランキング → グラフの読み取り → テキストマイニング、と問題解決の一連の流れをそのまま大問にした構成。配点25。第5問との選択。
ア,イ:正解 ①, ⑤(配点2・各1/順序は問わない)
<考え方>
ブレーンストーミングの四原則——批判厳禁・自由奔放・質より量・結合便乗——に沿うものを選びます。
⓪ この議論の中で最終案を必ず決める → 発散の場なので × ① 一人による複数意見を許容する → 質より量 ○ ② 他人の意見への批判も推奨する → 批判厳禁に反する × ③ 既に出た意見とは必ず異なる方向性 → 結合便乗を禁じてしまう × ④ 非現実的な意見は避ける → 自由奔放に反する × ⑤ 奇抜な意見も歓迎する → 自由奔放 ○
よって ア・イ=①と⑤。
③は一見もっともらしいのですが、ブレーンストーミングでは他人の案に便乗して発展させること(結合便乗)を歓迎します。「必ず異なる方向性」はその逆です。
ウ,エ,オ:正解 ③, ②, ④(配点2)
<考え方>
KJ法でグループ化された意見から、各グループの共通項を言い当てます。
ウ:言葉の表現力が養われる/漢字に強くなる/教養が身に付く → 読書によって得られるもの … ③ 効果 エ:おすすめ本発表会の開催/ブックトークの実施/朗読会の実施 → 企画として行う催し … ② イベント オ:スマートフォンで読めない/部活動などで時間がない/ 読みたい本がない → 読書を妨げているもの … ④ 阻害要因
よって ウエオ=③, ②, ④。
すでに表題がついている「図書館の改善」「調査」「毎日の活動」と比べると、同じ粒度の言葉を選べばよいと分かります。⓪貸出延長・⑤書籍リストは個別の案であって表題になりません。
カ:正解 ③(配点1)
<考え方>
単一回答形式——選択肢から一つだけ選ぶ形式の特徴です。
一人が一つだけ選ぶ → 各選択肢の人数を足すと全回答者数にちょうど一致 → 全体に対する割合として表せる
よって カ=③(一つの帯グラフや円グラフによって、全回答者数に対する各選択肢を選択した人数の割合を表すことが多い)。
合計が100%になるからこそ、帯グラフや円グラフが使えるのです。
キ:正解 ①(配点1)
<考え方>
複数回答形式——選択肢から複数選べる形式の特徴です。
一人が二つ以上選べる
→ 各選択肢の人数の合計が
全回答者数を上回ることがある
よって キ=①。
だから複数回答のグラフは合計が100%を超えることがあり、円グラフでは表せません。第6問の図3がまさにこの形式(横棒グラフ)です。
ク:正解 ⑤(配点1)
<考え方>
自由記述回答形式——文章で自由に答えてもらう形式の特徴です。
選択肢を用意しない → 調査者が想定していなかった意見も出てくる → ただし分類・集計は難しい
よって ク=⑤(調査者が考え付かなかった視点や意見が得られる可能性がある)。
④「全回答を容易に分類できる」は逆で、分類が難しいからこそ問6でテキストマイニングを使うことになります。
ケ:正解 ⓪(配点2)
<考え方>
「個人推薦順位を考慮しつつ推薦する人数が多いほどおすすめ度が高くなる」——この条件を満たす集計方法を選びます。
個人おすすめ度 = 4 − 個人推薦順位 1位 → 3 点、2位 → 2 点、3位 → 1 点 グループおすすめ度 = 【合計】 推薦する人が増えるほど点が積み上がる ○ もし【平均】なら 推薦者が1人でも10人でも平均は変わりうる → 「人数が多いほど高く」を満たさない ×
よって ケ=⓪(合計)。
①平均を選ばせるのがこの設問の狙い。「人数が多いほど」という条件が、合計と平均を分ける決め手です。
コ:正解 ⑤(配点2)
<考え方>
「おすすめ度ランキング」を作り、上から10件を抽出します。
おすすめ度が高い順に並べたい → 大きい値から小さい値へ = 降順
よって コ=⑤(降順)。
④昇順は小さい順。表計算ソフトの並べ替えでもこの二語を取り違えないようにしましょう。
サ,シ:正解 ①, ⑤(配点4・各2/順序は問わない)
<考え方>
図2の区分ごとの人数を先に出しておくと、図3の割合から実人数を計算できます。有効回答数は992人です。
1冊未満 992 × 0.498 ≒ 494 人
1冊以上3冊未満 992 × 0.302 ≒ 300 人
3冊以上 992 × 0.200 ≒ 198 人
① 「リクエストできるようにする」を選んだ人数
1冊未満 494 × 0.30 ≒ 148 人
1〜3冊未満 300 × 0.42 ≒ 126 人
3冊以上 198 × 0.61 ≒ 121 人
→ 1冊未満が最も多い ○
② 「本を読む意味や効果を明確に」を選んだ人数
1冊未満 494 × 0.20 ≒ 99 人
1冊以上(2区分合計)
300×0.26 + 198×0.22 ≒ 122 人
→ 99 < 122 なので誤り ×
③ 「電子書籍」を選んだ人数
494×0.09 + 300×0.11 + 198×0.14 ≒ 105 人
105 / 992 ≒ 10.6 % → 3割に届かない ×
④ 「先生が薦める本」を選んだ人数
494×0.08 + 300×0.10 + 198×0.11 ≒ 92 人
→ 約200人ではない ×
⑤ 図3の7案すべてで 1冊未満(白)の棒が最も短い ○
よって サ・シ=①と⑤。
この設問の肝は「割合」と「人数」の区別です。図3は区分の中での割合なので、人数を比べるには図2の区分人数を掛ける必要があります。①で3冊以上の割合が61%と最も高いのに人数では最少になる——ここが最大の見どころ。⓪は「必ず増える」と断定しており、アンケートの結果から因果は言えません。
ス:正解 ⓪(配点2)
<考え方>
自由記述の回答を人が読んでまとめるときに起きがちなことを考えます。
人が読んで解釈する → 読み手の経験や先入観が入り込む → 解釈が主観的になりがち
よって ス=⓪(主観的)。
この一文が、次のセ「定量的に分析する」と対になっています。
セ:正解 ②(配点2)
<考え方>
テキストマイニングが何をする手法かを述べた部分です。
語句の出現頻度や語句同士の関係性を → 数値として数え、量的に扱う = 定量的に分析する
よって セ=②(定量的)。
主観的(ス) ⇔ 定量的(セ)という対比が、テキストマイニングを使う理由そのものです。①定期的・③恒常的は頻度や継続性の話で、文脈に合いません。
ソ:正解 ⑦(配点2)
<考え方>
表2で隠された22回の語句を、図4の円の大きさから特定します。円の直径は出現頻度に比例します。
手がかり ・22回なので「机」「電子書籍」(19回)より大きく 「リラックス」(26回)より小さい ・表2にすでにある語(電子書籍・読書・最新)は除外 図4にあって表2に無い語のうち、 この大きさに当てはまるのは「文献調査」
よって ソ=⑦(文献調査)。
①Wi-Fi・④自由は図4でごく小さい円、⑤推薦や「スペース」はより大きい円(表2の30回・29回にあたる)。円の大小を数値の順序に読み替えるのがこの設問の作業です。
タ:正解 ⑥(配点2)
<考え方>
図4で隠された語句を、線の太さから特定します。線の太さは二つの語句が同じ回答文中に現れる頻度に比例します。
条件 ・「本」とも「マンガ」とも線で結ばれている ・「本」より「マンガ」との線の方が太い ・円の大きさは「読書」(40回)に近い 「最新のマンガ」「最新の本」として自然に共起し、 表2で 37 回の語句 → 最新
よって タ=⑥(最新)。
表2で隠されていない語のうち、図4に円として現れていないのが「最新」——表と図を突き合わせて消去法で埋めると確実です。
チ:正解 ③(配点2)
<考え方>
図4で直接つながっている語句だけを根拠に、生徒の要望を読み取ります。線がなければ同じ回答文に現れていない、と明記されています。
例示された要望「飲食やスマートフォンの許可」 → 飲食 — 許可、スマートフォン — 許可 が結ばれている ⓪ リラックスできて読書がはかどるスペース スペース — リラックス は○だが 「読書」と「スペース」に線がない × ① 勉強になる学習マンガ 「学習」は図4に存在しない × ② 勉強にも利用できるWi-Fiの設置 Wi-Fi — 設置 は○だが 「勉強」と Wi-Fi/設置 に線がない × ③ 文献調査に使える机やスペース 机 — 文献調査、スペース — 文献調査、机 — スペース すべて結ばれている ○ ④ スマートフォンで読める電子書籍 スマートフォンは「許可」とだけ結ばれている ×
よって チ=③。
「円と円を直接接続する線がない場合は、それらの語句が同時に出現する回答文はない」という但し書きが判定基準。意味として自然かどうかではなく、線があるかどうかで決める——共起ネットワークの読み方そのものを問う、大問の締めくくりにふさわしい設問です。
※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

