2026年度 大学入学共通テスト 本試験「情報Ⅰ」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。
解答
解説
2026年度 大学入学共通テスト 本試験「情報Ⅰ」は、全46項目・満点100点・試験時間60分です。第1問(必答・配点20)、第2問(必答・配点30)、第3問(必答・配点25)、第4問(必答・配点25)の4大問で、選択問題はなく全問必答です。解答記号は大問ごとにアから振り直されます。
第1問は、記憶装置と情報セキュリティ、クロスステッチの図案を使った2進法・16進法の変換、生年と誕生月の入力インタフェース、電子メールの配送経路という4題の小問集合です。第2問は、住民証明の発行システムを紙媒体から確認依頼コード方式まで4段階で改良していく設計問題(A)と、ゲーム画面の合成を題材にグレースケール画像をビット演算で重ね合わせる問題(B)の2部構成で、配点30と最も重くなっています。第3問はゲーム体験の待ち行列を題材にしたプログラミング、第4問は桜の開花日データの分析です。
この回の特徴は、知識だけで答えられる設問が少なく、図や表の値を自分で読み取ってから考える設問が大半を占めることです。とくに第2問Bと第4問問4は「欲しい結果から必要な条件を逆算する」形になっており、第2問Bはビット演算の性質(1111₂とのANDは相手そのまま、0000₂とのORは相手そのまま)を、第4問問4は実際の開花差dと補正日数cについて「うまく補正できるのはd > c/2のとき」という不等式を自分で立てられるかで決まります。
つまずきやすいのは、第1問問2カからケの変換の順序と切り出す範囲、第3問ソの繰り返し回数(最長待ち時間が10分間以上になった周回も1回実行されている)、第4問問3aの「相関係数が高い」と「任意の2点で大小が保たれる」の混同、同じく問3bケの箱ひげ図のひげの左端の読み取りです。いずれも数値や定義に戻れば確実に切れる設問なので、見た目の印象で選ばないことが得点差になります。
第1問(必答) 情報社会と情報セキュリティ/2進法・16進法/情報デザイン/ネットワーク
配点20の小問集合。記憶装置とセキュリティの知識、クロスステッチの図案を題材にした2進法・16進法の変換、生年と誕生月の入力方法におけるスクロール距離、電子メールの配送経路とDNSという4題が並びます。
ア,イ:正解 ⓪, ③(配点2)
<考え方>
主記憶装置と補助記憶装置の役割分担に戻れば決まる。主記憶装置はCPUが直接読み書きする作業領域で高速・小容量であり電源を切ると内容が消える、補助記憶装置は電源を切っても内容が残る大容量の保存領域で読み書きは主記憶装置より遅い。よってアは①同程度・②高速ではなく⓪低速となる。イは容量が小さいとする⓪・①と、短期的な保存とする⓪・②をいずれも外して、③容量が大きく、データの長期的な保存が残る。
「速度が遅い」と「容量が大きい」はどちらも補助記憶装置の性質なので、セットで覚えると迷わない。キャッシュメモリを問われたときは逆に「高速・小容量」が答えになる。
ウ:正解 ③(配点2)
<考え方>
情報セキュリティの三要素、機密性・完全性・可用性の定義に戻せば決まる。可用性は必要なときに情報やシステムを使える状態を保つことで、バックアップはデータが失われても復旧できるようにするので可用性を高める。よって③が正しい。⓪は、不正アクセス禁止法が禁じるのは他人の識別符号を使ったなりすましなどの不正アクセス行為であり、公開されているWebサイトを閲覧すること自体は対象外なので誤り。①は通信速度とマルウェアの被害の大きさに関係がないので誤り。②のソーシャルエンジニアリングは人の心理や不注意を突いて情報を引き出す手口なので、主記憶装置の増設では防げない。④のファイアウォールは通信の可否を制御するもので、無線LANの電波そのものの盗聴は防げず、対策は通信の暗号化になる。
三要素はそれぞれ「機密性=見せない」「完全性=書き換えさせない」「可用性=使えなくさせない」と言い換えて対応させると、バックアップ・アクセス制御・改ざん検出の振り分けが機械的にできる。
エ,オ:正解 ⓔ, 4(配点2)
<考え方>
図案の1行4マスを、縫うマスを1・縫わないマスを0として左から並べた4桁の2進法の数とみなし、それを16進法の1桁に直すという規則に戻す。まず図1で1行目が1000₂=8₍₁₆₎、4行分で8C8F₍₁₆₎になることを確かめ、同じ手順で図2の4行を読む。図2は上から「×××・」「・×・・」「・・×・」「・×××」なので1110₂、0100₂、0010₂、0111₂となり、下2桁が問題文に与えられた「27」と一致するので桁の並べ方そのものが確かめられる。1行目は14なので16進法ではEで、この設問は当てはまる文字がA〜Fのときⓐ〜ⓕをマークする指示なので、解答欄はⓔをマークする。
図1で規則を確認する 1行目 ×・・・ → 1000₂ = 8₍₁₆₎ 2行目 ××・・ → 1100₂ = C₍₁₆₎ 3行目 ×・・・ → 1000₂ = 8₍₁₆₎ 4行目 ×××× → 1111₂ = F₍₁₆₎ 4行分をつないで 8C8F₍₁₆₎(問題文と一致) 図2を同じ規則で読む 1行目 ×××・ → 1110₂ = 8+4+2 = 14 = E₍₁₆₎ 2行目 ・×・・ → 0100₂ = 4 = 4₍₁₆₎ 3行目 ・・×・ → 0010₂ = 2 = 2₍₁₆₎ 4行目 ・××× → 0111₂ = 4+2+1 = 7 = 7₍₁₆₎ 4行分をつないで E427₍₁₆₎ 下2桁 27 が問題文の「27」と一致する よって エ=E(解答欄はⓔをマークする)、オ=4
3行目と4行目が問題文に与えられた「27」と一致するかを先に確かめると、桁を左右どちらから並べるのかを取り違えていないか検算できる。
カ,キ,ク,ケ:正解 9, 6, 6, 9(配点4)
<考え方>
変換A・B・Cの定義どおりに元の図案35AD₍₁₆₎を3通りに変換し、図3の配置で8×8マスを組んでから中央の4×4マスを切り出す、という手順に戻す。変換Aは各行の2進法4桁を左右反転、変換Bは16進法4桁の並びを左右反転、変換Cはその両方を順に行う。図3は左上が元の図案・右上が変換A・左下が変換B・右下が変換Cなので、網掛けの中央4×4マスは8×8マスの第3行から第6行かつ第3列から第6列に当たる。
元の図案 35AD₍₁₆₎ を2進法で書く 3 = 0011 5 = 0101 A = 1010 D = 1101 変換A(各行の2進法4桁を左右反転) 0011 → 1100 = C 0101 → 1010 = A 1010 → 0101 = 5 1101 → 1011 = B 変換A = CA5B₍₁₆₎ 変換B(16進法4桁の並びを左右反転) 35AD → DA53 変換B = DA53₍₁₆₎ 変換C(変換Aを行った結果に変換Bを行う) CA5B → B5AC 変換C = B5AC₍₁₆₎ 8×8マスを組む(左4列=左側の図案、右4列=右側の図案) 第1行 0011|1100 第2行 0101|1010 第3行 1010|0101 第4行 1101|1011 第5行 1101|1011 第6行 1010|0101 第7行 0101|1010 第8行 0011|1100 中央の4×4マス=第3行から第6行の第3列から第6列を取り出す 第3行 1 0[1 0 0 1]0 1 → 1001 = 9 第4行 1 1[0 1 1 0]1 1 → 0110 = 6 第5行 1 1[0 1 1 0]1 1 → 0110 = 6 第6行 1 0[1 0 0 1]0 1 → 1001 = 9 中央の4×4マス = 9669₍₁₆₎ よって カ=9、キ=6、ク=6、ケ=9
変換Cは「変換Aを行った後、その結果に変換Bを行う」と定義されているので、Bを先に行ったDA53から各行を反転させると別の図案になってしまう。順序を守ることと、切り出す範囲が第3行から第6行・第3列から第6列であることの2点で差がつく。
コ:正解 ⓪(配点2)
<考え方>
スクロール距離は初期値から目的の年までの差の絶対値なので、その平均を最小にする初期値は何かという問題に読み替える。データとの差の絶対値の平均を最小にする値は中央値であり、これは分布の形によらず成り立つ。表1の4候補のうち中央値は1961なので⓪が答えになる。①最頻値1967と②範囲の中央の値1970は、分布が右に長い裾を持つぶんだけ中央値からずれるので平均は大きくなり、③最大値2005は分布の端なのでさらに大きくなる。
差の2乗の和を最小にするのは平均値、差の絶対値の和を最小にするのは中央値。図5のように左右非対称な分布では中央値と最頻値・範囲の中央がずれるので、どちらを最小化する問題なのかを最初に確認する。
サ:正解 ③(配点2)
<考え方>
月リストは1周すると元に戻る巡回リストなので、スクロール距離は単純な差の絶対値ではなく、時計回りと反時計回りの短いほうになるという点に戻す。初期値をmとすると12か月それぞれへの距離は0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 5, 4, 3, 2, 1の並び替えになり、これはmを何にしても変わらない。合計は36、平均は3で初期値に依存しないので③が答えになる。
巡回リストでの距離は min(|m−k|, 12−|m−k|) 初期値を m としたときの12か月分の距離 |m−k| は 0, 1, 2, …, 11 を一巡するので 距離は 0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 5, 4, 3, 2, 1 の並び替えになる 合計 = 0+1+2+3+4+5+6+5+4+3+2+1 = 36 平均 = 36/12 = 3 m = 1 のとき 距離 0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 5, 4, 3, 2, 1 合計36 m = 6 のとき 距離 5, 4, 3, 2, 1, 0, 1, 2, 3, 4, 5, 6 合計36 m = 12 のとき 距離 1, 2, 3, 4, 5, 6, 5, 4, 3, 2, 1, 0 合計36 どの月にしても平均は3で変わらない よって サ=③
上限2100・下限1900で止まる年リストとは違い、月リストは12の下が1・1の上が12でつながっている。この「端がない」ことが平均を初期値に依存させなくしている点が、コとサを対比させた出題の狙い。
シ:正解 ⑤(配点1)
<考え方>
電子メールの宛先は「ユーザ名@ドメイン名」の形で、どちら側の誤りかによって気づくサーバが変わるという切り分けに戻す。「あ」のsinobu@example.ed.jpはドメイン名example.ed.jpが正しいので、送信側メールサーバAはドメイン名を解決して受信側メールサーバBまで配送できる。自分が管理するユーザ名を知っているのはBなので、sinobuというユーザ名が存在しないことを最初に検出するのはBであり、⑤B・ユーザ名が存在しないが答えになる。
「@の右が正しければAは通せる、@の左の誤りはBが気づく」と整理しておくと、続くス・セとの切り分けが速くなる。
ス:正解 ②(配点2)
<考え方>
「い」のexample.ed.jp@sinobuは@の左右が入れ替わっており、ドメイン名に当たるのは@の右のsinobuである。sinobuという文字列に対応するドメイン名は存在しないと問題文にあるので、送信側メールサーバAが宛先のドメイン名を解決しようとした段階で失敗する。最初に検出するのはAで、理由は受信側のドメイン名が存在しないことなので②が答えになる。
下線は綴りの誤りがある箇所を示すだけなので、@のどちら側がユーザ名かはアドレスの形から判断する。@の右がドメイン名という原則を外すと、ユーザ名の誤りと読み違えて⑤を選んでしまう。
セ:正解 ②(配点2)
<考え方>
「う」のsinobu@exmple.ed.jpはユーザ名とドメイン名の両方が誤っているが、問われているのは最初に検出したサーバとその理由である。送信側メールサーバAは宛先のドメイン名exmple.ed.jpを解決できない時点で配送を止めるので、その先にあるユーザ名が存在するかどうかはそもそも確認できない。したがって検出するのはAで、理由は受信側のドメイン名が存在しないことだけとなり、⑥ではなく②が答えになる。
⑥「受信側のドメイン名とユーザ名の両方が存在しない」は事実としては正しいが、Aが検出できる理由ではない。問題文が「同じものを繰り返し選んでもよい」とわざわざ述べているのも、スとセが同じ②になることの目印になっている。
ソ:正解 ⓪(配点1)
<考え方>
ドメイン名から通信先のIPアドレスを求めるしくみを問う設問なので、名前解決を担う仕組みに戻せば決まる。それがDNSなので⓪が答えになる。①WWWはWebページを公開・閲覧するしくみ、②パケット通信はデータを小さく分割して送る方式、③ルーティングは求まったIPアドレスへ届けるための経路選択であり、いずれもIPアドレスそのものを特定するしくみではない。
「ドメイン名からIPアドレス」がDNS、「IPアドレスから経路」がルーティング、と段階を分けて覚えておくと③との取り違えを防げる。
第2問(必答) 情報システムの設計/画像のデジタル表現とビット演算
配点30で4大問中もっとも重い大問。Aは住民証明の発行システムを紙媒体・電子データ・アクセスコード・確認依頼コードと4段階で改良していく流れを追い、Bはゲーム画面の合成を題材にグレースケール画像の画素をAND・OR・NOT演算で重ね合わせる手順を組み立てます。
ア,イ:正解 ②, ④(配点3)(順序は問わない)
<考え方>
図1と図2の違いを、経路に出てくる機器と操作の並びで1つずつ突き合わせれば決まる。図2は請求者が個人保有のPCからインターネットを介して請求できるので②自宅や出先から住民証明(電子データ)を請求できるが当てはまり、入手した住民証明(電子データ)をそのままインターネット経由で提出先へ送れるので④も当てはまる。⓪は請求にPCとインターネット環境が必要になるぶんデジタルデバイドはむしろ残るので誤り。①は図1の多機能プリンタを使う方式の説明で、図2には当てはまらない。③は図2でも手順4の送信操作を請求者が行っているので誤り。
「紙を持参・郵送する手間が消える」ことと「自宅や出先から請求できる」ことは別の利点で、両方が図2の特徴として並んでいる。⓪のような「解消される」という言い切りは、必要になった条件を1つ挙げれば落とせる。
ウ,エ,オ:正解 ④, ⑧, ①(配点3)
<考え方>
アクセスコードを使う方式では、役所が住民証明(電子データ)を渡す相手は提出先であり、請求者が受け取るのはコードだけという設計になる。この点に戻して手順の番号を順にたどる。手順1の請求操作から手順4の送信操作までは図に書かれているので、続く手順5は請求者がPCから提出先へアクセスコードを送る流れ、手順6は提出先がそのコードを役所へ送る流れ、手順7は役所が対応する住民証明(電子データ)を提出先へ渡す流れになる。図3ではウが提出先から役所へ向かう上向きの矢印、エが役所から提出先へ向かう下向きの矢印、オがPCから提出先へ向かう矢印である。
図3の流れを手順の番号順に並べる 手順1 請求操作 請求者 → PC 手順2 コード要求 PC → 役所 手順3 アクセスコード 役所 → PC 手順4 送信操作 請求者 → PC 手順5 アクセスコード PC → 提出先 ……オ 手順6 アクセスコード 提出先 → 役所 ……ウ(上向きの矢印) 手順7 住民証明(電子データ) 役所 → 提出先 ……エ(下向きの矢印) 解答群に当てる オ = 手順5のアクセスコード → ① ウ = 手順6のアクセスコード → ④ エ = 手順7の住民証明(電子データ) → ⑧ よって ウ=④、エ=⑧、オ=①
ウとエは矢印の向きで決まる。提出先から役所へ向かうのがウ、役所から提出先へ向かうのがエで、向きを取り違えると④と⑧が入れ替わってしまう。
カ:正解 ②(配点2)
<考え方>
図2と図3で、請求者が何を手にし何を送っているかを比べれば決まる。図2では請求者が住民証明(電子データ)そのものを入手して提出先へ送るが、図3で請求者が受け取るのはアクセスコードだけで、住民証明(電子データ)は役所から提出先へ直接渡る。よって②請求者が住民証明(電子データ)を送る必要がないが図3の特徴になる。⓪は図2に当てはまる性質で、図3では請求者は内容を見られないので誤り。①提出先が内容を見られることは図2でも図3でも成り立つので違いにならない。③は図3でも役所が提出先へ住民証明(電子データ)を提供しているので誤り。
そもそもこの改良の目的は「請求者が住民証明(電子データ)を勝手に変更してしまうおそれ」をなくすことなので、請求者が中身に触れなくなるという向きに答えがある。
キ:正解 ①(配点2)
<考え方>
図1から図3で役所が最後に送り出しているものを見れば決まる。図1は住民証明(電子データ)を多機能プリンタへ、図2は個人保有のPCへ、図3は提出先へ渡しており、渡す相手は違っても役所が渡しているのは住民情報そのものである。したがって役所の役割は①住民情報を提供することになる。
渡す相手は方式ごとに変わるが「渡しているものは住民情報」という点は3方式で共通しており、そこが図4との対比の起点になる。
ク:正解 ⑤(配点2)
<考え方>
図4で役所がやり取りしている内容を矢印ごとに読めば決まる。提出先は請求者から履歴書などで受け取った住民情報と確認依頼コードを役所へ送り、役所から返ってくるのは正しいかどうかの情報だけで、住民情報そのものは返っていない。つまり役所は住民情報を渡す側から、申告された住民情報が登録内容と合っているかを答える側へ変わっているので、⑤住民情報の正しさを証明が答えになる。
住民情報は請求者自身が提出先に伝えられる、という本文の前提が役割変更の根拠になっている。役所が持つ情報を外に出さずに真偽だけを返す形にすることで、コードが漏れても住民情報は流出しない設計になる。
ケ:正解 ②(配点3)
<考え方>
図3のアクセスコードと図4の確認依頼コードで、コードだけを手に入れた第三者に何ができるかを比べれば決まる。図3ではアクセスコードを役所へ送れば対応する住民証明(電子データ)が手に入るが、図4では確認依頼コードと住民情報を合わせて送っても返るのは正しいかどうかの情報だけで、コードだけでは住民情報を入手できない。よって②が答えになる。⓪コードのコピーを誰も作れないは根拠がなく、③④の「コードに住民情報が含まれる」「含まれない」は図3のアクセスコードにも同じことが言えるので違いにならない。①は図3の性質そのものなので誤り。
問われているのは「図3とは異なり図4の確認依頼コードは」という差なので、両方に当てはまる性質である③④は最初に外せる。ここが本文の「アクセスコードが第三者に漏れると住民情報が流出するおそれ」を解消した点になる。
コ:正解 ⑦(配点1)
<考え方>
ビットごとのOR演算は、どちらかが1なら1になるという表1の真理値表に戻すだけで決まる。1111₂と1010₂の各桁をORすると、1と1で1、1と0で1、1と1で1、1と0で1なので1111₂になる。よって⑦が答えになる。
1111₂ と 1010₂ のビットごとの OR 1 1 1 1 OR 1 0 1 0 ―――――――― 1 1 1 1 よって コ=⑦(1111₂)
1111₂すなわち白色とORをとると、相手が何であっても結果は必ず1111₂の白色になる。図6の白色の部分が図7で白く抜けるのはこの性質による。
サ:正解 ③(配点1)
<考え方>
同じくビットごとのOR演算で、0000₂と0110₂の各桁をORすると、0と0で0、0と1で1、0と1で1、0と0で0なので0110₂になる。よって③が答えになる。
0000₂ と 0110₂ のビットごとの OR 0 0 0 0 OR 0 1 1 0 ―――――――― 0 1 1 0 よって サ=③(0110₂)
0000₂すなわち黒色とORをとると、結果は相手の値そのままになる。図6の黒色の部分に図5(A)の風景がそのまま残るのはこの性質で、コと合わせて「白でふさぐ・黒で通す」という役割分担が見える。
シ:正解 ⓪(配点3)
<考え方>
図7と図5(B)のそれぞれで、キャラクターの部分と背景の部分がどんな値になっているかを書き出し、欲しい図8から必要な演算を逆算する。図7はキャラクターの部分が白色1111₂で背景が図5(A)の風景、図5(B)はキャラクターの部分が絵そのもので背景が白色1111₂である。図8はキャラクターの部分が図5(B)の絵、背景が図5(A)の風景なので、1111₂を相手の値そのままにする演算、すなわちAND演算が必要になる。よって⓪が答えになる。
重なる各点の値を場所ごとに整理する キャラクターの部分 背景の部分 図7 1111₂ 図5(A)の値 図5(B) 図5(B)の絵の値 1111₂ 欲しい図8 図5(B)の絵の値 図5(A)の値 AND演算で確かめる キャラクターの部分 1111₂ AND(絵の値)= 絵の値 ……図8と一致 背景の部分 (図5(A)の値)AND 1111₂ = 図5(A)の値 ……図8と一致 OR演算だとどうなるか キャラクターの部分 1111₂ OR(絵の値)= 1111₂(白いまま) ……図8と一致しない よって シ=⓪(AND演算)
「1111₂とのANDは相手そのまま、0000₂とのORは相手そのまま」が合成の要になる。下線部(a)のORで白く抜いた穴に、ANDで絵をはめ込むという2段構えの手順になっている。
ス:正解 ②(配点3)
<考え方>
図9のどの階調が背景なのかを、面積と明るさの2点から決める。図9は熊が暗い灰色、背景が明るい灰色で、背景は画像の広い面積を占めるので、ヒストグラムでは白に近い側に立つ高く鋭い山が背景に対応し、中央から暗い側に広がるなだらかな山が熊に対応する。背景だけを選ぶには白に近い側の山を覆う範囲を指定すればよいので②が答えになる。⓪は画素がほとんどない黒側の範囲なので何も選べず、①は熊のなだらかな山に当たり、③は2つの山の境目をまたぐ範囲で熊の一部を含み、④はほぼ全階調なので熊まで選んでしまう。
選ぶのは「形がそれらしい範囲」ではなく「背景の画素が集まっている階調」である。背景は一色ではないので幅を持つが、山の裾から白端までを含める②が必要十分になる。
セ,ソ:正解 ③, ⑤(配点2)
<考え方>
図13の左側は「風景画像 AND セ」で、風景の上に黒いシルエットができた画像を作っているので、ANDの性質から必要な画像を逆算する。背景では風景をそのまま残したいので11111111₂すなわち白色、熊の部分では00000000₂にしたいので黒色が必要になり、セは背景が白・熊が黒の画像③になる。ソはセにNOT演算をかけたものなので白と黒が入れ替わり、背景が黒・熊が白の画像⑤になる。
セ に必要な値を AND から逆算する 背景 (風景の値)AND セ = 風景の値 → セ = 11111111₂(白) 熊の部分 (風景の値)AND セ = 00000000₂ → セ = 00000000₂(黒) よって セ は 背景:白/熊:黒 の画像 → ③ ソ = NOT セ 背景 NOT 11111111₂ = 00000000₂(黒) 熊の部分 NOT 00000000₂ = 11111111₂(白) よって ソ は 背景:黒/熊:白 の画像 → ⑤ よって セ=③、ソ=⑤
選択肢の画像は「背景:黒」「熊:黒」のように何が黒いかがラベルで示されている。③と⑤、⓪と①のように白黒が入れ替わった組が並んでいるので、演算から必要な色を先に決めてから選択肢に当てにいく。
タ:正解 ⓪(配点3)
<考え方>
最後のOR演算で図12右の合成画像が得られるように、チに必要な画像を決めてからタを逆算する。左の画像は背景が風景・熊の部分が00000000₂なので、ORで合成するにはチは背景が00000000₂・熊の部分が熊の絵でなければならない。ソは背景が黒・熊が白なので、これと図12中央の熊の画像をANDすると、熊の部分は11111111₂ AND 絵で絵そのまま、背景は00000000₂ AND 背景で00000000₂となり、ちょうど必要な画像になる。よってタは⓪AND演算である。
最後の OR で必要な チ を決める 熊の部分 00000000₂ OR チ = 熊の絵 → チ = 熊の絵 背景 (風景の値)OR チ = 風景の値 → チ = 00000000₂ ソ(背景:黒/熊:白)と熊の画像を AND する 熊の部分 11111111₂ AND(熊の絵)= 熊の絵 ……必要な値と一致 背景 00000000₂ AND(背景の値)= 00000000₂ ……必要な値と一致 OR だとどうなるか 背景 00000000₂ OR(背景の値)= 背景の値 ……黒にならず一致しない よって タ=⓪(AND演算)
問2のシと同じ「1111…1₂とのANDで通す、0000…0₂とのANDでふさぐ」の使い方になっている。手順全体は「ANDで穴をあける→NOTでマスクを反転→ANDで切り抜く→ORで重ねる」という定型なので、1度追えば他の合成にも使える。
チ:正解 ⓪(配点2)
<考え方>
タで確かめたとおり、チは熊の部分が図12中央の熊の絵、背景が00000000₂すなわち黒色の画像である。選択肢のうち熊の絵が残ったまま背景が黒くなっているのは⓪背景:黒なので、これが答えになる。
⑤も背景が黒だが熊が白一色のシルエットなので、熊の絵が残っている⓪と区別する。背景を黒にしておくのは、最後のOR演算で風景をそのまま通すためである。
第3問(必答) アルゴリズムとプログラミング
配点25。文化祭のゲーム体験で、来訪者の到着時刻から待ち時間を求める待ち行列のシミュレーションです。問1で表を手で埋めて規則を言葉にし、問2でそれをプログラムに写し、問3で最長待ち時間が10分間未満になる体験時間を探索する形へ発展させます。
ア,イ,ウ:正解 9, 2, 4(配点3)
<考え方>
体験時間が1人3分で交替時間を考えないので、「開始時刻=自分の到着時刻と直前の人の終了時刻の遅いほう」「終了時刻=開始時刻+3」「待ち時間=開始時刻−到着時刻」の3本で表を上から順に埋めていけばよい。3人目は開始が6分なので終了は9分、4人目は到着10分が3人目の終了9分より後なので待ち時間はない。5人目・6人目も同じ規則で開始時刻を追えば待ち時間が出る。
規則 開始時刻 = 到着時刻と直前の人の終了時刻の遅いほう 終了時刻 = 開始時刻 + 3 待ち時間 = 開始時刻 − 到着時刻 到着 開始 終了 待ち 1人目 0 0 3 0 2人目 3 3 6 0 3人目 4 6 9 2 4人目 10 10 13 0 5人目 11 13 16 2 6人目 12 16 19 4 3人目 終了 = 6 + 3 = 9 ……ア 4人目 到着10 > 直前の終了9 なので 開始 = 10、待ち = 0 5人目 開始 = 最大値(13, 11) = 13、待ち = 13 − 11 = 2 ……イ 6人目 開始 = 最大値(16, 12) = 16、待ち = 16 − 12 = 4 ……ウ よって ア=9、イ=2、ウ=4
5人目と6人目は到着が1分違いなのに待ち時間が2分と4分に開く。前の人が待たされたぶんが後ろへ積み上がっていくのが待ち行列の性質で、問3ではこの積み上がりが10分に達する体験時間を探すことになる。
エ:正解 ③(配点1)
<考え方>
表1で待ち時間が0になるのはどんなときかを見れば決まる。2人目は到着3分で直前の終了3分、4人目は到着10分で直前の終了9分と、いずれも直前の人の終了時刻より後に到着している。つまり比較の基準になるのは直前の来訪者の終了時刻で、それより遅く到着したときは自分の到着時刻から始められ、それ以外のときは直前の人の終了時刻まで待つことになる。よってエは③直前の来訪者の終了時刻である。
空欄エは同じ文中に2回出てくる。「エより遅く到着した場合にはオ、それ以外の場合はエ」という形なので、比較の基準と、待たされたときの開始時刻が同じものになる点を確かめておく。
オ:正解 ⓪(配点1)
<考え方>
直前の人の終了時刻より後に到着したなら待たずにすぐ始められるので、開始時刻は自分の到着時刻になる。よってオは⓪来訪者本人の到着時刻である。同じ文の後半で待ち時間が「来訪者本人の開始時刻とオの差」と書かれていることも、オが到着時刻であることの裏づけになる。
開始時刻の場合分けと待ち時間の式の両方に同じ「本人の到着時刻」が現れる。この対応を押さえると、問2の(08)行目と(10)行目がそのまま書ける。
カ,キ:正解 ①, ②(配点4、各2)(順序は問わない)
<考え方>
(08)行目は、問1のエ・オで言葉にした「開始時刻=到着時刻と直前の人の終了時刻の遅いほう」を関数「最大値」で書き直す行である。i番目の来訪者の到着時刻はTouchaku[i]、直前の来訪者の終了時刻はShuryou[i−1]なので、この2つを最大値の引数にすればよい。よってカ・キは①Shuryou[i−1]と②Touchaku[i]になる。
問1で確認した規則 開始時刻 = 到着時刻と直前の人の終了時刻の遅いほう 配列に置き換える 到着時刻 Touchaku[i] 直前の人の終了時刻 Shuryou[i−1] (08) Kaishi[i] = 最大値(Shuryou[i−1], Touchaku[i]) i = 2 で確かめる Kaishi[2] = 最大値(Shuryou[1], Touchaku[2]) = 最大値(3, 3) = 3 ……表1と一致 i = 3 で確かめる Kaishi[3] = 最大値(Shuryou[2], Touchaku[3]) = 最大値(6, 4) = 6 ……表1と一致 i = 5 で確かめる Kaishi[5] = 最大値(Shuryou[4], Touchaku[5]) = 最大値(13, 11) = 13 ……表1と一致 よって カ=①、キ=②(順序は問わない)
添字がずれると「直前の人」ではなくなる。③Shuryou[i]は自分の終了時刻でまだ求まっていないので使えず、繰り返しがi=2から始まっているのは、i−1=1のときのShuryou[1]が(06)行目で設定済みだからである。
ク:正解 ⑤(配点2)
<考え方>
(09)行目は終了時刻を求める行なので、問1で確認した「終了時刻=来訪者本人の開始時刻と体験時間の和」をそのまま書けばよい。開始時刻はKaishi[i]、体験時間はtaikenなので⑤Kaishi[i] + taikenになる。
終了時刻 = 来訪者本人の開始時刻 + 体験時間 (09) Shuryou[i] = Kaishi[i] + taiken i = 3 で確かめる Shuryou[3] = Kaishi[3] + 3 = 6 + 3 = 9 ……表1と一致 i = 6 で確かめる Shuryou[6] = Kaishi[6] + 3 = 16 + 3 = 19 ……表1と一致 よって ク=⑤
③Kaishi[i] + Shuryou[i]は求めようとしている値を右辺に使ってしまう形で、①Kaishi[i] + Touchaku[i]は時刻と時刻を足すことになり意味を持たない。足すのは時刻ではなく所要時間であるtaikenだと押さえる。
ケ:正解 ②(配点2)
<考え方>
(10)行目で表示するのは待ち時間なので、問1で確認した「待ち時間=来訪者本人の開始時刻と到着時刻の差」を式にする。引かれる側は開始時刻なのでケは②Kaishi[i]になる。
待ち時間 = 来訪者本人の開始時刻 − 来訪者本人の到着時刻 (10) 表示する(i, "人目の待ち時間:", Kaishi[i] − Touchaku[i], "分間") よって ケ=②
ケとコを入れ替えると符号が逆になり、待ち時間が負の値で表示されてしまう。ここは引き算なので順序を問わない設問ではない点に注意する。
コ:正解 ②(配点2)
<考え方>
同じ(10)行目で引く側は本人の到着時刻なので、コは②Touchaku[i]になる。i=5、i=6で計算すると問1のイ・ウと一致することが確かめられる。
i = 5 で確かめる Kaishi[5] − Touchaku[5] = 13 − 11 = 2 ……問1のイと一致 i = 6 で確かめる Kaishi[6] − Touchaku[6] = 16 − 12 = 4 ……問1のウと一致 よって コ=②
待ち時間を配列に保存せずその場で表示しているので、待ち時間用の配列は用意されていない。問3では最長の待ち時間だけを変数saichouに残す形に変わる。
サ:正解 ③(配点2)
<考え方>
(10)行目でsaichouを0にし、(11)から(12)行目で1人目から順に全員を見ていく形なので、(12)行目は「今までの最大値」と「今見ている人の待ち時間」を比べて大きいほうを残す行になる。今までの最大値はsaichou自身なのでサは③saichouである。体験時間3分で追うと最終的にsaichouが4になり、図4の「体験時間3分間:最長待ち時間4分間」と一致する。
(10) saichou = 0 (11) i を 1 から kyakusu まで 1 ずつ増やしながら繰り返す: (12) saichou = 最大値(saichou, Kaishi[i] − Touchaku[i]) 体験時間3分のとき、saichou の変化を1行ずつ追う i = 1 待ち 0 − 0 = 0 saichou = 最大値(0, 0) = 0 i = 2 待ち 3 − 3 = 0 saichou = 最大値(0, 0) = 0 i = 3 待ち 6 − 4 = 2 saichou = 最大値(0, 2) = 2 i = 4 待ち 10 − 10 = 0 saichou = 最大値(2, 0) = 2 i = 5 待ち 13 − 11 = 2 saichou = 最大値(2, 2) = 2 i = 6 待ち 16 − 12 = 4 saichou = 最大値(2, 4) = 4 最長待ち時間 = 4分 ……図4の「体験時間3分間:最長待ち時間4分間」と一致 よって サ=③
変数自身を引数に入れて更新していく書き方は、繰り返しの中で最大値・最小値・合計を求めるときの定型になる。直前の(10)行目でsaichouを0に初期化しているのが、比較の出発点として効いている。
シ:正解 ②(配点2)
<考え方>
(13)行目は「体験時間がtaiken分間の場合の最長待ち時間が10分間未満ならば表示する」ための条件なので、そのまま式にすればsaichou < 10となり②である。図4に表示されているのが最長待ち時間0・2・4・8分間の4行だけで、10分間以上になったものが出ていないことも確認になる。変更後の(03)行目に入る条件も同じsaichou < 10である。
(13) もし saichou < 10 ならば: 図4の実行結果と照らす 体験時間1分間:最長待ち時間 0分間 → 0 < 10 が真なので表示される 体験時間2分間:最長待ち時間 2分間 → 2 < 10 が真なので表示される 体験時間3分間:最長待ち時間 4分間 → 4 < 10 が真なので表示される 体験時間4分間:最長待ち時間 8分間 → 8 < 10 が真なので表示される 体験時間5分間:最長待ち時間 13分間 → 13 < 10 が偽なので表示されない よって シ=②
「10分間以上は待たせられない」なので境界は「10未満なら可」。⓪saichou > 10だと待ち時間ちょうど10分間が許されてしまい、①③のtaikenは体験時間そのものなので条件にならない。
ス:正解 ⓪(配点2)
<考え方>
(03)行目を「(taiken <= 15) and (saichou < 10) の間繰り返す」に変えたので、最初の条件判定を行う前にtaikenとsaichouの両方に値が入っていなければならない。したがって挿入するのはこの繰り返しの外側、(02)行目と(03)行目の間である位置⓪になる。①は繰り返しの本体の先頭なので毎回taikenが1に戻って終わらなくなり、②③は最初の判定より後なので判定に使う変数が未設定になる。
条件判定を先に行う繰り返しに書き換えるときは、判定に使う変数の初期化を必ずループの外に置く。ここでsaichou = 0としておくのは、1回目の判定でsaichou < 10を成り立たせて必ず本体に入るためでもある。
セ:正解 ②(配点2)
<考え方>
「taiken = taiken + 1」は体験時間を1分ずつ増やす行なので、1つの体験時間についての処理をすべて終えたあと、次の条件判定の直前に置く必要がある。それが繰り返しの本体の末尾である位置②になる。①の位置(本体の先頭)に置くと体験時間1分間の場合が調べられず、③の位置は繰り返しが終わったあとなので1度しか実行されない。⓪は繰り返しの外なので体験時間が増えない。
位置②に置いた場合、(03)行目の条件判定は「1つ前の体験時間で求めたsaichou」を見ることになる。この1回分のずれがソの実行回数に効いてくる。
ソ:正解 5(配点2)
<考え方>
配列Kaishiの初期化は(04)行目なので、修正後のプログラムで(03)行目の繰り返しの本体が何回実行されたかを数えればよい。条件判定は1つ前の周回で求めたsaichouを見るので、最長待ち時間が10分間以上になった体験時間の周回もいったん実行され、その次の判定で止まる。体験時間を1分間から順に追うと5分間のときに最長待ち時間が13分間になって表示されず、次の判定でsaichou < 10が偽になって終わるので、本体の実行は1分間から5分間までの5回である。
体験時間ごとに開始・終了・待ち時間を追う(到着時刻 0, 3, 4, 10, 11, 12) taiken = 1 開始 0, 3, 4, 10, 11, 12 終了 1, 4, 5, 11, 12, 13 待ち 0, 0, 0, 0, 0, 0 → saichou = 0(表示される) taiken = 2 開始 0, 3, 5, 10, 12, 14 終了 2, 5, 7, 12, 14, 16 待ち 0, 0, 1, 0, 1, 2 → saichou = 2(表示される) taiken = 3 開始 0, 3, 6, 10, 13, 16 終了 3, 6, 9, 13, 16, 19 待ち 0, 0, 2, 0, 2, 4 → saichou = 4(表示される) taiken = 4 開始 0, 4, 8, 12, 16, 20 終了 4, 8, 12, 16, 20, 24 待ち 0, 1, 4, 2, 5, 8 → saichou = 8(表示される) taiken = 5 開始 0, 5, 10, 15, 20, 25 終了 5, 10, 15, 20, 25, 30 待ち 0, 2, 6, 5, 9, 13 → saichou = 13(10以上なので表示されない) 次の条件判定 (taiken <= 15) and (saichou < 10) → (6 <= 15) and (13 < 10) → 偽 ここで繰り返しが終わる (04)行目が実行されたのは taiken = 1, 2, 3, 4, 5 の5回 よって ソ=5
「10分間以上になった時点でやめる」ので4回と答えたくなるが、10分間以上かどうかが分かるのはその体験時間を計算し終えたあとなので、その周回自体は実行されている。図4に表示された4行より1回多くなる点が差のつくところ。
第4問(必答) データの活用
配点25。気象庁の桜の開花日データを使った分析です。オープンデータと欠損値の扱いから始まり、400度の法則・600度の法則による開花推定日と実際の開花日の差を、表・散布図と相関係数・箱ひげ図・回帰直線と道具を替えながら読み解いていきます。
ア:正解 ①(配点2)
<考え方>
オープンデータの定義に戻せば決まる。オープンデータは誰でも自由に入手でき、加工・編集・再配布ができる形で公開されたデータなので、Aの「誰でも入手可能である」は正しい。一方Bの「加工・編集する場合には利用申請が必須である」は、個別の申請なしに二次利用できることがオープンデータの要件なので誤り。よってA正・B誤の①が答えになる。
出典の表示など利用規約に沿った条件はあるが、それは個別の申請とは別のもの。「申請が必要」「許諾を得る必要がある」という言い回しが出てきたらオープンデータではない、と判断できる。
イ:正解 ③(配点1)
<考え方>
南大東島の2021年の開花日に0が入っていて、その年は開花日の記録がない観測点だったという説明から、この0が値が得られていないことを表していると分かる。記録が取れずに値が入っていないデータは欠損値なので③が答えになる。⓪補数は2進法などで負の数を表す方法、①乱数は無作為に得られる数、②代表値は平均値や中央値などデータ全体を代表する値であり、いずれも当てはまらない。
欠損値を0のまま集計に入れると、1月1日より前の日付として扱われたり平均を大きく引き下げたりする。Tさんが行の除外を選んだのは、欠損値を含む行を計算対象から外す標準的な処理にあたる。
ウ:正解 ②(配点2)
<考え方>
「4月1日より早く開花した観測点の数が、年ごとにどのように変化しているか」を見たいので、横軸は年、縦軸は4月1日より早く開花した観測点の数でなければならない。4月1日より早く開花したとは3月末までに開花したということなので②が答えになる。⓪①は横軸が月なので年ごとの変化が見えず、③は各年の4月に開花した観測点の数なので、数えたい対象そのものが違う。
「何を横軸にすると変化が見えるか」と「数えたい対象が縦軸の定義と一致しているか」を別々に確かめる。折れ線グラフは横軸に時間の経過を置くのが原則で、ここでは年がそれに当たる。
エ,オ:正解 ②, ⑤(配点2)
<考え方>
開花差の定義「実際の開花日を基準にして、開花推定日が早ければ負の値、遅ければ正の値、一致していれば0」に戻して日数を数える。名古屋は実際の開花日が3月17日で、400度開花推定日は3月19日だから2日遅く+2、600度開花推定日は3月16日だから1日早く−1になる。よってエは②、オは⑤である。
開花差 = 開花推定日 − 実際の開花日(遅ければ正、早ければ負) 名古屋 実際の開花日 3月17日 400度開花推定日 3月19日 19 − 17 = +2 → 400度開花差 = 2 ……エ 600度開花推定日 3月16日 16 − 17 = −1 → 600度開花差 = −1 ……オ 甲府で符号の向きを検算する 実際 3月18日、400度推定 3月20日 → 20 − 18 = +2 ……表3の 2 と一致 実際 3月18日、600度推定 3月14日 → 14 − 18 = −4 ……表3の −4 と一致 よって エ=②、オ=⑤
符号の向きを取り違えると⑥と①に入れ替わる。すでに値が埋まっている甲府や旭川で向きを検算しておくと安全で、表3の稚内23・旭川27のように正の値が大きいほど推定日が遅すぎることを意味する。
カ:正解 ③(配点2)
<考え方>
「開花差の絶対値が小さいことを実際の開花日に近いとする」という定義が与えられているので、表3の2つの値の絶対値を比べるだけで決まる。新潟は400度開花差4と600度開花差−1で、絶対値は4と1だから600度開花推定日のほうが近い。奈良は−1と−5で、絶対値は1と5だから400度開花推定日のほうが近い。よって③が答えになる。
新潟 400度開花差 4、600度開花差 −1 |4| = 4、|−1| = 1 1 < 4 なので 600度開花推定日のほうが近い 奈良 400度開花差 −1、600度開花差 −5 |−1| = 1、|−5| = 5 1 < 5 なので 400度開花推定日のほうが近い よって カ=③
表2の新潟と奈良の行は?で隠されているが、表3だけで判定できるように作られている。符号に引かれて「負のほうが早いから近い」と考えないこと。比べるのは絶対値である。
キ,ク:正解 ①, ④(配点4、各2)(順序は問わない)
<考え方>
5つの文を、相関係数の意味・図の端の値・全ペアで成り立つかの3点で1つずつ判定する。①は開花差が0になる観測点の数の比較で、図1の0の目盛り上には400度を表す○が1つに対し600度を表す×が複数あり、拡大図でも0の線上は×のほうが多いので正しい。④は緯度40以上の観測点で400度開花差と600度開花差の差を取ると、どの観測点でも10日前後あって7日を下回るものがないので正しい。⓪は相関係数が400度0.92・600度0.74なので、点の集まりが直線に近いのは400度のほうであり誤り。②は最も緯度が高い観測点の400度開花差が23程度である一方、最大値30は緯度44付近の別の観測点なので誤り。③は相関係数が高いことと、任意の2点で必ず大小関係が保たれることは別で、散布図には緯度が高いのに両方の開花差が小さい組が現れているので誤り。
緯度40以上の観測点で 400度開花差 − 600度開花差 を読み取る 緯度 約40.8 16 − 4 = 12 緯度 約41.8 16 − 1 = 15 緯度 約42.3 17 − 3 = 14 緯度 約43.0 18 − 3 = 15 緯度 約43.8 27 − 8 = 19 緯度 約44.0 30 − 6 = 24 緯度 約45.4 23 − 13 = 10 いずれも7日以上(一週間以上) → ④は正しい 相関係数を比べる 緯度と400度開花差 0.92 緯度と600度開花差 0.74 絶対値が大きいほど点の集まりが直線に近いので、直線に近いのは400度開花差 → ⓪は誤り 最も緯度が高い観測点(緯度 約45.4) 400度開花差 約23 しかし 400度開花差の最大値は 30(緯度 約44) → ②は誤り よって キ=①、ク=④(順序は問わない)
③のように「任意の2つを比較して必ず」と言い切る文は、相関係数がどれだけ高くても保証されない。相関は全体の傾向を表す量で、個々のペアの大小を決めるものではないという区別が問われている。
ケ:正解 ②(配点2)
<考え方>
「G₁では半数以上あるが、G₂では1か所もない」という2つの条件を、箱ひげ図の中央値と両端の値に翻訳する。G₂は最小値が約−12・最大値が約6なので絶対値の最大は約12であり、G₂に1か所もないためには15以上でなければならない。一方G₁はすべて正の値で中央値が約16なので、15以上の値を持つ観測点が半数以上あるが、20以上では半数に届かない。よって②15が答えになる。
箱ひげ図を読む(400度開花差) G₁ 最小 約3 第1四分位数 約7 中央値 約16 第3四分位数 約23 最大 30 G₂ 最小 約−12 第1四分位数 約−5 中央値 約−1 第3四分位数 約3 最大 約6 G₂ に |開花差| が ケ 以上の観測点が1か所もない条件 G₂ の絶対値の最大は |−12| = 12 ケ > 12 が必要 → 候補は 15 か 20 G₁ に |開花差| が ケ 以上の観測点が半数以上ある条件 G₁ はすべて正の値なので |開花差| = 開花差、中央値は 約16 ケ = 15 → 中央値 16 ≧ 15 なので半数以上が15以上 ……成り立つ ケ = 20 → 中央値 16 < 20 なので半数に届かない ……成り立たない よって ケ=②
G₂のひげの左端が−10の目盛りより外側にあることを確かめるのが決め手で、これを−10と読むと①10を選んでしまう。箱ひげ図は分布の中心ではなく端の値で判定する、という原則がそのまま効く設問。
コ:正解 ⓪(配点2)
<考え方>
一致観測点は400度開花差が0の観測点なので、その個数を知るには開花差が0の点を数えられる図が必要である。図1は横軸に緯度・縦軸に開花差を取った散布図で、1点が1観測点に対応するので0の目盛り上の○を数えれば個数が分かり、拡大図が用意されているのもそのためである。箱ひげ図の図2は五数要約しか示さず個々の値を保持しないので0の点の個数は読めない。よって図1だけで分かるので⓪が答えになる。
散布図は1点1観測点なので個数が数えられ、箱ひげ図は個々の値を保持しないので個数は数えられない。何を読み取りたいかで図を選び分ける、というのがこの設問の主題。
サ:正解 ③(配点3)
<考え方>
一致観測点がG₂に存在すると言い切るには、「一致観測点が実際にある」ことと「それがG₁にはない」ことの両方が必要である。前者は図1で開花差0の点が存在することから分かり、後者は図2でG₁の最小値が約3で0より大きい、つまりG₁には開花差0の観測点がないことから分かる。図1はG₁とG₂を区別していないので図1だけでは言えず、図2は0の点があるかどうかを示さないので図2だけでも言えない。よって③図1と図2の両方を組み合わせることでが答えになる。
一致観測点 = 400度開花差が 0 の観測点 図1 から分かること 開花差 0 の目盛り上に○がある → 一致観測点は存在する ただし図1は氷点下かどうかの情報を持たないので G₁ と G₂ を区別できない 図2 から分かること G₁ の最小値は 約3 で 0 より大きい → G₁ に一致観測点はない G₂ の箱は 0 をまたぐが、0 の点があるかどうかは読めない 両方を合わせる 一致観測点は存在する(図1)、かつ G₁ にはない(図2) → 一致観測点は G₂ に存在する よって サ=③
コが「図1だけで」、サが「両方を組み合わせることで」と答えが分かれるのがこの設問の要点。G₁の最小値が0より大きいという一点が、G₂に存在すると言い切るための橋渡しになっている。
シ:正解 ②(配点3)
<考え方>
「うまく補正できる」を先に式にしてから図3の点を当たる。実際の開花差をd、補正日数をcとすると、400度開花推定日は実際の開花日よりd日遅く、400度補正日はそこからc日さかのぼるので実際の開花日よりd−c日遅い。したがってうまく補正できるのは|d−c| < |d|のときで、c > 0なのでこれはd > c/2と同値である。氷点下日数1日ではcが6となり条件はd > 3だが、図3の氷点下日数1日の列には開花差3と2の点があり、この2点は補正できない。氷点下日数が2日以上の点はすべてd > c/2を満たし、回帰直線から大きく下に離れた点Aも氷点下日数約43日でc=29、d=20 > 14.5なので補正できる。よって②が答えになる。
実際の開花差を d、補正日数を c とする 400度開花推定日は実際の開花日より d 日遅い 400度補正日は開花推定日から c 日さかのぼった日なので、実際の開花日より d − c 日遅い うまく補正できる条件 |d − c| < |d| c > 0 なので、これは d > c/2 と同値 氷点下日数 1 日のとき c = 0.55 × 1 + 5.48 = 6.03 → 四捨五入して c = 6 条件は d > 3 図3の氷点下日数1日の列には d = 9, 8, 7, 6, 5, 4, 3, 2 の点がある d = 4 以上 d > 3 を満たす ……うまく補正できる d = 3 |3 − 6| = 3、|3| = 3 で近くならない ……うまく補正できない d = 2 |2 − 6| = 4、|2| = 2 で遠くなる ……うまく補正できない 点A(氷点下日数 約43日、開花差 20) c = 0.55 × 43 + 5.48 = 29.13 → 四捨五入して c = 29 d = 20 > 29/2 = 14.5 ……うまく補正できる 氷点下日数が2日以上のほかの点も d > c/2 を満たす 氷点下日数 15日、d = 13 c = 13.73 → 14 13 > 7 ……うまく補正できる 氷点下日数 22日、d = 16 c = 17.58 → 18 16 > 9 ……うまく補正できる 氷点下日数 38日、d = 27 c = 26.38 → 26 27 > 13 ……うまく補正できる 補正できないのは氷点下日数1日の点の一部だけ よって シ=②
点Aは回帰直線から下に大きく外れているので①を選びたくなるが、判定基準は回帰直線からの距離ではなくd > c/2である。氷点下日数が少ないと補正日数のほうが実際の開花差に比べて大きくなりやすく、行きすぎた補正になるのが失敗の理由で、③④のように回帰直線の上下で切る見方も当たらない。
ス:正解 ①(配点2)
<考え方>
与えられた回帰直線の式に氷点下日数を代入して補正日数を求め、補正方法どおりに400度開花推定日からその日数をさかのぼればよい。氷点下日数18日なので予測値は15.38で、小数第1位を四捨五入して補正日数は15日である。4月23日から15日さかのぼると4月8日なので①が答えになる。
開花差の予測値 = 0.55 × (氷点下日数) + 5.48 = 0.55 × 18 + 5.48 = 9.9 + 5.48 = 15.38 小数第1位を四捨五入して 補正日数 = 15(日) 400度補正日 = 400度開花推定日から補正日数分さかのぼった日 4月23日 の 15日前 = 4月8日 うまく補正できたかを確かめる 実際の開花日 4月12日 補正前 4月23日 と 4月12日 の差 = 11(日) 補正後 4月8日 と 4月12日 の差 = 4(日) 4 < 11 なので実際の開花日に近づいた よって ス=①
「さかのぼる」なので引き算で、4月に15日足して5月にしないこと。ここでd=11、c=15なのでd > c/2=7.5が成り立っており、シで立てた判定式どおりにうまく補正できている。
※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

