2022年度 大学入学共通テスト 本試験「地学」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。
解答
解説
第1問
問1:正解③
<問題要旨>
大気の鉛直四層それぞれの特徴を判定
表1のA(1902年、ド・ボールによる成層圏の発見)に関連し、対流圏・成層圏・中間圏・熱圏の四層の特徴を問う。対流圏は地表付近ほど気温が高く、水蒸気は海面や地表から供給されるため地表付近で最も多い。成層圏(約10〜50km)はオゾンの紫外線吸収により高度とともに気温が上がる。中間圏(約50〜80km)はその加熱が効かなくなり、高度とともに気温が下がる。熱圏(約80km以上)は気温が上昇し、オーロラはこの層で発生する。極渦は極域の成層圏から対流圏にできる大規模な低気圧性の渦である。
<選択肢>
①【誤】
対流圏の水蒸気は海面や地表からの蒸発で供給されるため、地表付近で最も多く、上空ほど少なくなります。
「最も少ない」は逆の記述です。
②【誤】
オーロラは高度約100〜500kmの熱圏で、太陽風の粒子が大気と衝突して光る現象です。
成層圏(約10〜50km)では発生しません。
③【正】
中間圏(約50〜80km)ではオゾンによる加熱が効かなくなるため、高度とともに気温が低下します。
対流圏と同じく「高度とともに気温が下がる」点が中間圏の特徴です。
④【誤】
極渦は極域の成層圏から対流圏にかけて形成される大規模な低気圧性の渦で、熱圏の現象ではありません。
問2:正解②
<問題要旨>
主系列星や赤色巨星など恒星の性質
表1のB(1905年ヘルツシュプルング、1913年ラッセルによるHR図の概念の完成)に関連する恒星の正誤判定で、誤っているものを選ぶ問題。HR図は横軸に表面温度(スペクトル型)、縦軸に光度(絶対等級)をとり、左上の高温・大光度から右下の低温・小光度へ伸びる主系列に太陽を含む多くの恒星が並ぶ。右上には主系列の段階を終えた赤色巨星が位置する。スペクトル型はO・B・A・F・G・K・Mの順に表面温度が低くなり、太陽はG型である。
<選択肢>
①【正】
太陽は表面温度約5800K、絶対等級+4.8の主系列星で、HR図の主系列のほぼ中央に位置します。
②【誤】
これが誤っているもの=正解です。
主系列星は表面温度が高いものほど半径も大きく、光度は大きくなります。HR図の主系列が左上から右下へ伸びていることがそれを示しています。
③【正】
赤色巨星は中心部の水素を使い果たして主系列の段階を終え、外層が膨張して低温・大光度になった恒星です。
④【正】
スペクトル型はO・B・A・F・G・K・Mの順に表面温度が低くなります。太陽はG型なので、M型の恒星は太陽より低温です。
問3:正解④
<問題要旨>
走時曲線の折れ曲がりとモホ面の深さ
表1のC(1909年、モホロビチッチによる地震波速度の不連続面の発見)に関連する図1の走時曲線の読み取り。震央距離0〜150kmでは地域Aと地域Bの走時曲線が重なっており、直達波の傾き、すなわち地殻内のP波速度は両地域で等しい。折れ曲がり(モホ面を通る屈折波が直達波を追い越す交点距離)は地域Bが約150km、地域Aが約300kmで、それ以遠の傾きは両地域でほぼ等しい。交点距離はモホ面が深いほど遠くなるので、地域Aのモホ面の方が深いと読み取れる。
<選択肢>
①【誤】
折れ曲がり以遠の直線の傾きは地域A・Bでほぼ等しく(震央距離300km→500kmで走時50秒→75秒、すなわち約8km/s)、マントル内のP波速度の違いは読み取れません。
②【誤】
①と同様、第2区間の傾きは両地域でほぼ同じで、地域Aの方が速いとは読み取れません。
③【誤】
折れ曲がりは地域Aが約300km、地域Bが約150kmで地域Aの方が遠く、モホ面は地域Aの方が深くなります。「浅い」は逆です。
④【正】
屈折波が直達波を追い越す交点距離は、モホ面が深いほど遠くなります。
交点距離は地域Aが約300km、地域Bが約150kmなので、地域Aのモホ面の方が深いといえます。
問4:正解④
<問題要旨>
半減期にともなう原子数の減り方
表1のD(1913年、ホームズによる放射年代に基づく地質年代の年表の提示)に関連する問題。放射性同位体の原子数は半減期Tごとに半分になるので、元の原子数に対する比はT後に1/2、2T後に1/4、3T後に1/8、4T後に1/16と変化する。この変化は階段状でも直線的でもなく、時間とともになめらかに減少し、減り方はしだいに緩やかになる指数関数的な曲線を描く。4Tを過ぎても比は0にはならない。図中のTが半減期であることから、T のときにちょうど0.5になるグラフを選べばよい。
<選択肢>
①【誤】
初めの減り方が緩やかで後から急になる曲線ですが、半減期Tのときの比が0.5になっておらず、崩壊のしかたと合いません。
②【誤】
崩壊は連続的に進むので、一定期間まったく変化せず突然半分になるような階段状の変化はしません。
③【誤】
直線的に減少して2Tでゼロになっていますが、半減期が2回過ぎても残りは1/4であり、ゼロにはなりません。
④【正】
T、2T、3T、4Tでそれぞれ1/2、1/4、1/8、1/16と減り、なめらかな曲線を描いて0に近づきます。
半減期Tのときに比がちょうど0.5になっている点が決め手です。
問5:正解②
<問題要旨>
玄武岩質マグマの結晶分化作用の進行
表1のE(1920年代、ボーエンによるマグマの分化に関する原理の提唱)に関連する、玄武岩質マグマの結晶分化作用の問題。ボーエンの反応系列では、有色鉱物(苦鉄質鉱物)はかんらん石→輝石→角閃石→黒雲母の順に晶出し始め、無色鉱物(ケイ長質鉱物)の斜長石はCaに富むものからNaに富むものへ連続的に変化しながら、有色鉱物と並行して晶出する。苦鉄質成分が先に取り除かれていくため、残ったマグマのSiO₂含有量(質量%)は増加し、安山岩質から流紋岩質へと変化していく。
<選択肢>
①【誤】
有色鉱物と無色鉱物は並行して晶出します。
かんらん石や輝石が晶出するのとほぼ同時期に、Caに富む斜長石も晶出します。
②【正】
ボーエンの反応系列の不連続系列そのもので、有色鉱物はかんらん石→輝石→角閃石→黒雲母の順に晶出し始めます。
③【誤】
斜長石はCaに富むもの(灰長石成分)から晶出し、分化が進むにつれてNaに富むもの(曹長石成分)へ変化します。記述は逆です。
④【誤】
苦鉄質鉱物が先に取り除かれるため、残ったマグマのSiO₂含有量(質量%)は増加します。
第2問
問1:正解②
<問題要旨>
アイソスタシーとフリーエア・ブーゲー異常
図1は、アイソスタシーが成り立ち、山の下に地殻が深く落ち込んだ「根」をもつ地域の地形と地下構造である。アイソスタシーが成立していると、山として地表に余分にある質量は、地下でマントルより密度の小さい地殻が深く入り込んだ分の質量不足とつり合っている。そのため、地形の影響を補正しないフリーエア異常はほぼ0で平坦なbになる。一方ブーゲー異常は地形(山体)の引力をあらかじめ差し引くので、地下に残る低密度の根の効果だけが現れ、山の直下で負に大きくなるcになる。
<選択肢>
①【誤】
フリーエア異常がbなのは正しいですが、ブーゲー異常は山の直下で負になるため、正の山型であるaではありません。
②【正】
アイソスタシーが成立していると山の質量超過と地殻の根による質量不足が釣り合うので、フリーエア異常はほぼ0の平坦なbになります。
ブーゲー異常は地形の質量を除去した残りなので、低密度の根がある山の直下で負に大きくなるcです。
③【誤】
フリーエア異常はほぼ0の平坦なbであり、負に凹むcではありません。
④【誤】
フリーエア異常・ブーゲー異常の対応がどちらも逆です。ブーゲー異常が平坦になるのは、地下の密度が一様な場合です。
問2:正解⑤
<問題要旨>
P波とS波のシャドーゾーンの違い
震源から地表に到達するP波とS波の伝わり方を示した模式図a〜cと、地表の影の領域(シャドーゾーン)の対応を問う。S波は横波なので液体である外核を通れず、核に達した波はそこで伝わらなくなり、震央距離約103°より遠い側がすべて影となるaに対応する。P波は外核に入るところで速度が急に下がって大きく屈折するため、震央距離約103°〜143°の帯状の範囲だけが影となり、それより遠方には核を通り抜けた波が届くcに対応する。よってP波がc、S波がaの組合せとなる。
<選択肢>
①【誤】
aをP波とすると核を通り抜けて遠方に届く波が説明できず、bをS波とすると液体の外核をS波が通過することになってしまいます。
②【誤】
P波とS波が入れ替わっています。核を通り抜ける波が描かれたcがP波、核に入った波が届かないaがS波です。
③【誤】
S波をaとするのは正しいですが、bは波がほとんど屈折せずに核を通り抜けて影の領域が狭く、外核での大きな屈折によるP波の影が表現されていません。
④【誤】
S波は液体の外核を通れないので、核を通り抜ける波が描かれたcをS波とすることはできません。
⑤【正】
cは核に入った波が大きく屈折して遠方に届き、震央距離約103°〜143°の帯状の部分だけが影になっており、P波の伝わり方を表します。
aは核に達した波が地表に届かず、約103°より遠い側がすべて影になっており、液体の外核を通れないS波の伝わり方を表します。
⑥【誤】
P波をcとするのは正しいですが、S波は外核を通過できないため、核を貫いているbをS波とすることはできません。
問3:正解⑦
<問題要旨>
地磁気逆転期の水平分力と鉛直分力の向き
千葉県の地層に記録された、約77万年前の最後の地磁気逆転(この逆転を境界とする地質時代がチバニアン)に関する空欄補充。現在の日本は北半球にあるため、地球磁場の水平分力はほぼ北を向き、鉛直分力は下向き(伏角は下向き)である。したがって現在と同じ磁場を示す地層面より上では、ア=下となる。一方、逆転していた時期の磁場は現在と逆向きなので、地層面より下では水平分力がほぼ南(イ)、鉛直分力が上(ウ)となる。よって下・南・上の組合せである。
<選択肢>
①【誤】
アが「上」では現在の北半球の磁場と合いません。日本では伏角が下向きで、鉛直分力は下を向きます。
②【誤】
アが誤りである上に、イ・ウが北・下で現在と同じ向きになり、逆転を表していません。
③【誤】
イ・ウは正しいですが、アが「上」では現在の北半球の磁場と合いません。
④【誤】
アが「上」で現在の磁場と合わず、さらにウが「下」では逆転前の磁場が現在と同じ向きになってしまいます。
⑤【誤】
アは正しいですが、イが「北」では逆転していたことになりません。逆転期は水平分力が南を向きます。
⑥【誤】
アは正しいものの、イ・ウがどちらも現在と同じ向きで、逆転を表していません。
⑦【正】
現在と同じ磁場を示す地層面より上では、北半球の日本では鉛直分力が下向きなのでア=下です。
地層面より下は逆転していた時期なので、水平分力はほぼ南(イ)、鉛直分力は上(ウ)になります。
⑧【誤】
ア・イは正しいですが、ウが「下」では鉛直分力が現在と同じ向きになり、逆転になりません。
問4:正解①
<問題要旨>
地磁気逆転の同時性から分かること
下線部(a)「地磁気の逆転は世界中で同時に起こる」ことの利用について問う。地磁気の逆転は全地球でほぼ同時に起こるため、その記録は世界中の地層や岩石を対比する時間の目印になる。海嶺で生まれた海洋底の玄武岩は、冷えて固まるときの残留磁気に当時の磁場の向きを記録しており、海嶺の両側に対称な地磁気の縞模様ができる。この縞模様を年代が分かっている地磁気逆転の記録と照合すれば、海洋底の各部分の年代を決めることができる。これは海洋底拡大説の有力な証拠にもなった。
<選択肢>
①【正】
海洋底の岩石が記録した地磁気の縞模様を、年代の分かっている地磁気逆転の記録と対比することで、海洋底の年代を決めることができます。
海嶺の両側に対称な縞模様が現れることは、海洋底拡大説の有力な証拠にもなりました。
②【誤】
スーパープルームの上昇速度は地震波トモグラフィーなどから推定されるもので、地磁気逆転の同時性からは分かりません。
③【誤】
ホットスポットの動きは、ホットスポットでできた火山島列の配列と年代から議論されるもので、地磁気逆転の同時性からは分かりません。
④【誤】
地殻の厚さは地震波の速度や重力の測定から求めるもので、残留磁気の逆転記録からは分かりません。
問5:正解①
<問題要旨>
成層火山の形成と溶岩の粘性の関係
図2の写真A(成層火山)と写真B(溶岩ドーム)についての会話文の空欄補充。成層火山は、ほぼ同じ火口から噴火が繰り返され、溶岩と火山砕屑物が交互に積み重なることで円錐形の山体になったものである(エ)。これに対し溶岩ドームは、粘性の高い溶岩がほとんど流れずに火口付近に盛り上がってできる(オ=高い)。また、マグマの粘性はSiO₂含有量が多いほど高くなるので、後半の会話のオも同じく「高い」となる。よってエ=溶岩と火山砕屑物が交互に積み重なる、オ=高い、の組合せ。
<選択肢>
①【正】
成層火山は溶岩と火山砕屑物が交互に積み重なって円錐形になった火山で、写真Aのような姿になります。
溶岩ドームは粘性の高い溶岩が火口付近に盛り上がったもので、SiO₂含有量が多いマグマほど粘性は高くなります。
②【誤】
エは正しいですが、溶岩ドームをつくるのは粘性の高い溶岩です。粘性が低ければ溶岩は薄く広がってしまいます。
③【誤】
オは正しいですが、溶岩だけが大量に流出してできるのは盾状火山で、成層火山ではありません。
④【誤】
エ・オともに誤りです。溶岩だけが大量に流出するのは盾状火山、溶岩ドームをつくるのは粘性の高い溶岩です。
問6:正解②
<問題要旨>
マグマの性質と噴火様式の正誤判定
下線部(b)「火山の噴火様式が異なる」ことに関する文a・bの正誤の組合せ。aについて、マグマに溶けていた揮発性成分(火山ガス成分)は、上昇して圧力が下がると発泡し、気泡が抜けにくいと内部の圧力が高まるため、噴火は爆発的になりやすい。bについて、デイサイト〜流紋岩質マグマはSiO₂に富んで粘性が高く、むしろ爆発的で激しい噴火になりやすい。穏やかに溶岩を流出する噴火が多いのは粘性の低い玄武岩質マグマなので、bは誤りである。よってa正・b誤。
<選択肢>
①【誤】
aは正しいですが、bが誤りです。穏やかに噴火することが多いのは玄武岩質の火山です。
②【正】
aは正しく、揮発性成分に富むマグマは減圧による発泡で爆発的な噴火を起こしやすくなります。
bは誤りで、デイサイト〜流紋岩質マグマは粘性が高く爆発的な噴火になりやすい一方、穏やかに噴火することが多いのは玄武岩質の火山です。
③【誤】
aとbの正誤がどちらも逆になっています。
④【誤】
aは正しい記述なので、aを誤とするこの組合せは成り立ちません。
第3問
問1:正解③
<問題要旨>
片理が発達した岩石と縞模様の岩石の名称
広域変成帯Pから採取した片理が発達した岩石(図1左)と、広域変成帯Qから採取した鉱物が粗粒で縞模様が見られる岩石(図1右)の名称を答える。薄くはがれやすい面構造(片理)が発達するのは結晶片岩で、比較的低温の広域変成作用でつくられる。一方、鉱物が粗粒で白い部分と黒い部分の縞模様(片麻状組織)が見られるのは片麻岩で、より高温の広域変成作用でつくられる。ホルンフェルスや結晶質石灰岩はマグマの熱による接触変成岩の代表例である。
<選択肢>
①【誤】
ホルンフェルスはマグマの熱による接触変成岩で、片理は発達せず緻密で硬い岩石です。広域変成帯Pの岩石には当てはまりません。
②【誤】
アがホルンフェルスである点が誤りで、イの結晶質石灰岩も粗粒な鉱物の縞模様が特徴の岩石ではありません。
③【正】
片理が発達した岩石は結晶片岩で、比較的低温の広域変成作用でつくられます。
鉱物が粗粒で白色部と黒色部の縞模様(片麻状組織)が見られる岩石は片麻岩で、高温の広域変成作用でつくられます。
④【誤】
アは正しいですが、結晶質石灰岩は石灰岩が変成してできた岩石で、縞模様が特徴ではありません。
問2:正解③
<問題要旨>
低温高圧型の変成作用が起こる場所と地質帯
図2のプレートの沈み込み境界の模式図から、低温高圧型の広域変成作用が起こる場所を選ぶ。Xは大陸地殻内部の火山地域の地下で、マグマの熱によって温度が高くなるため高温低圧型の変成作用が起こる。Yは海溝のすぐ内側、付加体が沈み込むプレートとともに地下深部へ引きずり込まれる場所で、温度が上がりにくいまま大きな圧力を受けるので低温高圧型となる。日本列島では低温高圧型が三波川帯、高温低圧型が領家帯に代表され、両者は中央構造線を境に接している。
<選択肢>
①【誤】
エの三波川帯は正しいですが、Xは火山地域の地下で、高温低圧型の変成作用が起こる場所です。
②【誤】
Xで起こるのは高温低圧型で、領家帯がその例です。ここでは低温高圧型の場所を問われているので誤りです。
③【正】
Yは海溝付近で付加体がプレートとともに深部へ引きずり込まれる場所で、温度が上がりにくいまま高圧を受けるため低温高圧型の変成作用が起こります。
日本列島では三波川帯がこの低温高圧型の広域変成帯にあたります。
④【誤】
ウのYは正しいですが、領家帯は花こう岩の貫入をともなう高温低圧型の変成帯です。
問3:正解③
<問題要旨>
年代決定に使う化石の名称と必要な条件
下線部(a)の、柱状試料の深さに応じて有孔虫のある種がいなくなり新しい種が出現することから堆積物の年代が判明した、という記述に関する問題。地層の年代を知るために使われる化石を示準化石という。示準化石に適するのは、生存期間(その種が栄えた期間)が短く、個体数が多く、分布範囲が広い生物である。一方、示相化石は堆積当時の環境を推定するための化石で、サンゴのように生息環境が限られる生物が適する。ここでは年代の決定なので、示準化石と「生存期間が短い」の組合せになる。
<選択肢>
①【誤】
特徴の「生存期間が短い」は示準化石の条件であり、名称の示相化石と合っていません。
②【誤】
示相化石は堆積当時の環境を推定するための化石で、年代を知るために使う化石ではありません。
③【正】
年代を知るために使う化石は示準化石です。
有孔虫のように生存期間が短く、個体数が多く広く分布する生物は、地層の年代を決める示準化石として有効です。
④【誤】
名称は正しいですが、「生息環境が限られる」は示相化石の条件です。示準化石はむしろ広い範囲に分布することが求められます。
問4:正解③
<問題要旨>
酸素同位体比の変動と氷期・間氷期の関係
下線部(b)の酸素同位体比(¹⁸O/¹⁶O)の経年変動のしくみを説明する空欄補充。水分子のうち軽い¹⁶Oを含むものの方が蒸発しやすいので、海洋から蒸発した水の酸素同位体比は元の海洋水よりも小さくなる(オ)。気候が寒冷化して氷河が拡大すると、その¹⁶Oに富む水が氷床として長期間陸上に固定され海洋に戻らないため、残された海洋水は相対的に¹⁸Oに富み、酸素同位体比は大きくなる(カ)。この海洋水の値が有孔虫化石の殻に記録され、図3Bのような変動として読み取れる。
<選択肢>
①【誤】
¹⁶Oを含む水分子の方が蒸発しやすいので、蒸発した水の酸素同位体比は小さくなります。オは「小さく」です。
②【誤】
オ・カともに逆です。蒸発した水は比が小さく、氷床に固定された寒冷期の海洋水は比が大きくなります。
③【正】
¹⁶Oを含む水分子の方が蒸発しやすいため、蒸発した水の酸素同位体比は元の海洋水より小さくなります。
寒冷期にはその¹⁶Oに富む水が氷床として陸上に固定されるので、残る海洋水は¹⁸Oに富み、酸素同位体比は大きくなります。
④【誤】
オは正しいですが、¹⁶Oに富む水が氷床として取り去られるので、残る海洋水の酸素同位体比は大きくなります。
問5:正解②
<問題要旨>
数万年〜10万年周期の気候変動の原因
図3Bに認められる、過去50万年間の数万年〜10万年ほどの周期をもつ酸素同位体比の変動に関連する現象を選ぶ。この周期は氷期と間氷期のくり返しに対応している。地球の公転軌道の離心率の変化(約10万年)、地軸の傾きの変化(約4万年)、歳差運動(約2万年)といった地球の軌道要素の周期的な変化によって、各緯度・各季節が受け取る日射量が変わることが原因と考えられており、これをミランコビッチサイクルという。
<選択肢>
①【誤】
エルニーニョ・南方振動は数年程度の周期をもつ現象で、数万年〜10万年という周期には対応しません。
②【正】
公転軌道の離心率(約10万年)、地軸の傾き(約4万年)、歳差運動(約2万年)の変化による日射量の変動がミランコビッチサイクルで、氷期・間氷期のくり返しの周期と一致します。
③【誤】
海溝型巨大地震の発生間隔は数十年〜数百年程度で、時間スケールの桁が大きく異なります。
④【誤】
超大陸の形成周期(ウィルソンサイクル)は数億年の周期で、数万年〜10万年よりはるかに長い時間スケールです。
問6:正解⑥
<問題要旨>
西南日本の地質帯の分布と形成年代
図aの四万十帯、図bの秋吉帯、図cの飛驒帯(隠岐帯・飛驒帯)の分布と形成年代の組合せを問う。日本列島の土台は、沈み込み帯ができる前の大陸縁辺部の岩石に、海溝にたまった堆積物や地殻の断片が付け加わり、断続的に海洋側へ成長してできた。したがって最も内側(日本海側)に分布する飛驒帯cが最も古い原生代〜古生代、中国地方に分布する秋吉帯bがペルム紀、最も太平洋側の四国・紀伊半島南部などに分布する四万十帯aが最も新しい白亜紀〜古第三紀となる。
<選択肢>
①【誤】
最も太平洋側に分布する四万十帯aを最も古い原生代〜古生代とするのは、内側ほど古いという日本列島の成長の順序と合いません。
②【誤】
四万十帯aを最も古い地質帯とする点が誤りです。四万十帯は最も新しい白亜紀〜古第三紀の付加体です。
③【誤】
秋吉帯bはペルム紀の石灰岩などを含む付加体で、原生代〜古生代の地質帯ではありません。
④【誤】
白亜紀〜古第三紀を四万十帯aとした点は正しいですが、原生代〜古生代にあたるのは秋吉帯bではなく飛驒帯cです。
⑤【誤】
原生代〜古生代の飛驒帯cは正しいですが、ペルム紀を四万十帯a、白亜紀〜古第三紀を秋吉帯bとしており、新旧が逆になっています。
⑥【正】
日本海側に分布する飛驒帯(隠岐帯・飛驒帯)cが、最も古い原生代〜古生代の岩石からなります。
中国地方に分布する秋吉帯bはペルム紀、最も太平洋側の四万十帯aは白亜紀〜古第三紀で、内側から外側へ若くなる配列です。
第4問
問1:正解②
<問題要旨>
露点の読み取りと雲ができる高度の計算
高度0m、温度30℃、水蒸気圧22hPaの空気塊Mについて、露点アと凝結高度Xを求める。露点はその空気の水蒸気圧が飽和水蒸気圧と一致する温度なので、図1の曲線で飽和水蒸気圧が22hPaとなる気温を読み取ればよく、ア=19℃となる。次に、与えられた近似式X=125(T−t)にT=30℃、t=19℃を代入すると、X=125×11=1375mとなる。よってア=19、イ=1375の組合せである。
<選択肢>
①【誤】
露点19℃は正しいですが、X=125×(30−19)=1375mであり、750mにはなりません。
②【正】
図1で飽和水蒸気圧が22hPaになる気温を読むと約19℃で、これが露点です。
X=125(T−t)=125×(30−19)=125×11=1375mとなります。
③【誤】
露点が24℃だと図1から飽和水蒸気圧は約30hPaとなり、与えられた水蒸気圧22hPaと合いません。
④【誤】
イの1375mは正しい値ですが、それは露点が19℃の場合の計算結果です。露点を24℃とすると図1と合いません。
問2:正解③
<問題要旨>
湿潤断熱減率と高度Yより上での空気塊
飽和した後の空気塊Mの温度変化と、高度Yより上での振る舞いを問う空欄補充。飽和した空気塊は、水蒸気の凝結によって放出される潜熱のため冷え方が緩やかになり、湿潤断熱減率0.5℃/100mに従って温度が下がる(ウ=湿潤)。高度Yで空気塊の温度は周囲の大気と等しくなるが、そこからさらに持ち上げると、空気塊は0.5℃/100m、周囲の大気は0.8℃/100mの割合で温度が下がるため、空気塊の方が周囲より温度が高くなる。密度が小さくなるので、空気塊は自ら上昇する(エ)。
<選択肢>
①【誤】
エの内容は正しいですが、雲ができて飽和した後は乾燥断熱減率ではなく湿潤断熱減率に従って温度が下がります。
②【誤】
ウ・エともに誤りです。飽和後は湿潤断熱減率で、周囲(0.8℃/100m)より冷え方が緩やかな空気塊の方が高温になります。
③【正】
飽和した空気塊は凝結による潜熱の放出で冷え方が緩やかになり、湿潤断熱減率0.5℃/100mに従います。
高度Yより上では空気塊が0.5℃/100m、周囲が0.8℃/100mで下がるので空気塊の方が高温・低密度になり、自ら上昇します。
④【誤】
ウは正しいですが、冷え方が緩やかな空気塊の方が周囲より温度が高くなるので、下降ではなく上昇します。
問3:正解①
<問題要旨>
雲粒の形成過程と成長についての正誤
雲の形成に関する記述のうち最も適当なものを、下線部に注意して選ぶ問題。大気中の水蒸気は、過飽和になっても核がなければ凝結しにくく、実際にはエーロゾル(大気中の微粒子)が凝結核となって水滴が生じる。凝結のときには潜熱が放出される。雲粒の落下速度は半径が大きいものほど速く、大きな雲粒が小さな雲粒に追いついて衝突・併合することで成長する。また、温暖前線にともなう雲は上空の氷点下の高度まで広がるため、氷晶も含んでいる。
<選択肢>
①【正】
大気中のエーロゾル(海塩粒子や土壌粒子など)が凝結核となって水蒸気が凝結し、雲粒がつくられます。これが雲粒の主要な形成過程の一つです。
②【誤】
凝結は気体から液体への変化なので、熱を吸収するのではなく潜熱を放出します。
③【誤】
落下速度は半径の大きな雲粒ほど速く、大きな雲粒が小さな雲粒に追いついて衝突・併合して成長します。大小関係が逆です。
④【誤】
温暖前線にともなう雲は乱層雲・高層雲・巻雲などとして上空まで広がり、氷点下の高度では氷晶も含みます。
問4:正解④
<問題要旨>
海水の密度・水温と深層循環の正誤
海水の密度や水温についての正誤判定。海水の密度は水温が低いほど、また塩分が高いほど大きくなるので、同じ水圧でも水温だけでは決まらない。海水の質量が一定のまま密度が減少すれば体積は増えるので、平均海面水位は上がる。中緯度の海洋では夏季に表層が強く暖められて水温躍層が発達するため、表層と深層の水温差は夏季の方が大きい。深層循環は、グリーンランド沖や南極周辺といった極域の表層で、冷却や結氷にともなう高塩分化により密度が大きくなった海水が沈み込むことで生じる。
<選択肢>
①【誤】
海水の密度は水温だけでなく塩分にも左右されます。低温ほど、また高塩分ほど密度は大きくなります。
②【誤】
質量が一定のまま密度が減少すれば体積は増えるので、平均海面水位は下がるのではなく上がります。
③【誤】
中緯度では夏季に表層が強く暖められて水温躍層が発達するため、表層と深層の水温差は夏季の方が大きくなります。
④【正】
深層循環は、グリーンランド沖や南極周辺などの極域で、冷却や結氷にともなう高塩分化によって密度が大きくなった表層の海水が沈み込むことで生じます。
問5:正解②
<問題要旨>
アイソスタシーによる海面のへこみの計算
図2で、上層(密度1024kg/m³)と下層(密度1026kg/m³)の境界面がドーム状に200m盛り上がっているとき、その直上の点Bで海面が低下する量dを求める。周囲の境界面の高さを基準面とし、単位面積あたりの質量が等しいとおく。周囲は基準面から海面まですべて上層で1024×h、ドーム上は基準面から200mが下層で1026×200、その上の海面(dだけ低い)までが上層で1024×(h−200−d)。等号から1024d=(1026−1024)×200=400となり、d=400÷1024≒0.39m、すなわち約0.4mとなる。
<選択肢>
①【誤】
1024d=(1026−1024)×200=400からd≒0.39mとなるので、0.2mでは小さすぎます。
②【正】
基準面を周囲の境界面にとると、1026×200+1024×(h−200−d)=1024×h が成り立ちます。
整理すると1024d=(1026−1024)×200=400となり、d=400÷1024≒0.39m、すなわち約0.4mです。
③【誤】
密度差2kg/m³と盛り上がり200mから求まるdは約0.39mなので、0.6mでは大きすぎます。
④【誤】
0.8mは正しい値の約2倍で、密度差や盛り上がりの扱いが合いません。
問6:正解④
<問題要旨>
点Aの水圧と北半球における地衡流の向き
図2の点A(ドームの頂点)と、同じ深さでドームの外側にある点Cの水圧の比較と、地衡流の向きを問う。AとCの上にあるのはどちらも密度1024kg/m³の上層の海水だが、A上の海面は点Bでdだけ低くなっているため、A上の水柱の方が薄い。したがって点Aの水圧は点Cより低くなる(オ)。中心が周囲より低圧である構造では、圧力傾度力とコリオリの力がつり合う地衡流が生じ、北半球ではAとBを結ぶ線を軸として反時計回り(低気圧性)に海水が流れる(カ)。
<選択肢>
①【誤】
A上の海面はdだけ低く水柱が薄いので、点Aの水圧は点Cより低くなります。
②【誤】
カの反時計回りは正しいですが、オは「高く」ではなく「低く」です。
③【誤】
オは正しいですが、北半球で中心が低圧の構造のまわりに生じる地衡流は反時計回り(低気圧性)です。
④【正】
点Aの上の海面はdだけへこんでいて水柱が薄いため、同じ深さの点Cより水圧は低くなります。
北半球では、中心が低圧の場のまわりで圧力傾度力とコリオリの力がつり合い、反時計回りの地衡流が生じます。
第5問
問1:正解④
<問題要旨>
視太陽時・日本標準時・日周運動の用語
太陽や天体の動きと時刻に関する用語の正誤判定で、誤っているものを選ぶ問題。実際の太陽(視太陽)の動きを観測して決めた時刻が視太陽時、天の赤道上を一定の速さで動く仮想の平均太陽に基づく時刻が平均太陽時で、日本標準時は東経135°の子午線における平均太陽時である。地球の自転によって生じる天体の見かけの運動が日周運動。天球上で太陽が1年かけて移動する道筋は黄道であり、天の赤道は地球の赤道面を天球まで広げた大円で、黄道とは約23.4°傾いている。
<選択肢>
①【正】
実際の太陽(視太陽)の動きを観測して決められた時刻が視太陽時です。日時計が示すのもこの時刻です。
②【正】
日本標準時は、東経135°の子午線における平均太陽時と定められています。
③【正】
地球の自転によって、天体が天の北極と天の南極を結ぶ軸のまわりを1日1回転して見える見かけの運動が日周運動です。
④【誤】
これが誤っているもの=正解です。
天球上で太陽が1年かけて移動する道筋は黄道です。天の赤道は地球の赤道面を天球まで広げた大円で、黄道とは約23.4°傾いています。
問2:正解②
<問題要旨>
西方最大離角にあるときの金星の位置
図1(地球の北極側から見た太陽・金星・地球の位置関係)で、西方最大離角にある金星の位置を選ぶ。最大離角では地球から金星を見る視線が金星の軌道に接し、太陽・金星・地球のなす角が直角になるので、金星は太陽と地球を結ぶ線から大きくずれた接点に位置する。西方最大離角は金星が太陽より西にある場合で、日の出前の東の空に「明けの明星」として見える。図1で地球は太陽の手前(下)にあり公転・自転は反時計回りなので、この位置は地球から見て右下側のbにあたる。
<選択肢>
①【誤】
aは太陽と地球を結ぶ線に近い内合寄りの位置で、太陽とほぼ同じ方向にあるため観測できません。
②【正】
太陽・金星・地球のなす角が直角となり、地球からの視線が金星軌道に接する位置がbです。
この位置の金星は太陽より西にあり、日の出前の東の空に明けの明星として見える西方最大離角にあたります。
③【誤】
cでは太陽・金星・地球のなす角が直角にならず、地球から見た太陽との離角も最大離角より小さくなります。
④【誤】
dは外合に近い側で、地球から見て太陽の向こう側に寄っており、最大離角の位置ではありません。
問3:正解③
<問題要旨>
火星の見かけの運動と太陽・地球の位置
図2の火星の見かけの運動から、2020年4月・2020年10月・2021年4月の太陽・地球・火星の位置関係を選ぶ。ア〜エでは地球は太陽の手前(下)に固定され、公転方向は反時計回りである。地球から見て火星が太陽の正反対にくるウが衝で、火星が地球に接近して一晩中見えるこの時期が2020年10月にあたる。衝の前の2020年4月は火星が太陽より西(図の右側)にあって明け方に見えるイ、衝の後の2021年4月は火星が太陽より東(図の左側)にあって夕方に見えるアとなる。
<選択肢>
①【誤】
2020年10月を衝(ウ)とするのは正しいですが、アとイが逆です。衝の前は太陽より西にあるイ、衝の後は太陽より東にあるアです。
②【誤】
エは火星が太陽の向こう側にある合の位置で、火星が地球に接近した2020年10月の位置関係ではありません。
③【正】
2020年10月は火星が地球から見て太陽の正反対にくる衝(ウ)で、火星が地球に接近して一晩中見えた時期です。
衝の前の2020年4月は火星が太陽より西にあって明け方に見えるイ、衝の後の2021年4月は太陽より東にあって夕方に見えるアです。
④【誤】
2020年4月のイ、2021年4月のアは正しいですが、2020年10月は合(エ)ではなく衝(ウ)です。
問4:正解②
<問題要旨>
渦巻銀河の構造と不規則銀河の特徴
図3の四つの銀河A〜Dについての会話文の空欄補充。銀河Aは渦巻銀河、銀河Bは中心に棒状構造をもつ棒渦巻銀河で、どちらも中心部の膨らんだ部分であるバルジから外側へ渦巻状の腕が伸びており、腕の部分では新しい恒星が生まれている(オ=バルジ)。銀河Cはなめらかな楕円形に見え、年齢10億年以上の古い恒星の集まりで新しい恒星がほとんど生まれていない楕円銀河である。これに対し銀河Dは形が定まらず、新しい恒星が盛んに生まれている不規則銀河である(カ)。
<選択肢>
①【誤】
オは正しいですが、楕円銀河は古い恒星の集まりである銀河Cにあたり、新しい恒星が盛んに生まれている銀河Dではありません。
②【正】
渦巻状の腕は、銀河の中心部にある膨らんだ構造であるバルジから外側へ伸びています。
形の定まらない銀河Dは不規則銀河で、ガスに富み新しい恒星が盛んに生まれています。
③【誤】
ハローは銀河円盤やバルジを球状に取り巻き球状星団などが分布する領域で、腕の出発点ではありません。カも誤りです。
④【誤】
カは正しいですが、渦巻状の腕はハローではなくバルジから外側へ伸びています。
問5:正解③
<問題要旨>
超新星が起こりにくい銀河はどれか
会話文の空欄キに入る銀河の記号を選ぶ。超新星は、会話文にあるように質量が太陽の7〜8倍以上の重くて寿命の短い恒星が進化の最後に起こす爆発である。重い恒星は数百万〜数千万年で寿命を終えるため、新しい恒星が生まれていない銀河には重い星が残っておらず、超新星は起こりにくい。会話文で先生は、銀河Cを年齢が10億年以上の古い恒星の集まりで新しい恒星がほとんど生まれていないと説明しているので、キは銀河Cである。ただしIa型超新星だけはこの銀河Cでも起こる。
<選択肢>
①【誤】
銀河Aは渦巻銀河で、腕の部分では新しい恒星が生まれているので重い星も存在し、超新星は起こり得ます。
②【誤】
銀河Bも棒渦巻銀河で腕の部分で新しい恒星が生まれており、超新星が起こりにくい銀河ではありません。
③【正】
銀河Cは年齢10億年以上の古い恒星の集まりで、新しい恒星がほとんど生まれていないと会話文で説明されています。
寿命の短い重い恒星がすでに存在しないため超新星は起こりにくく、白色矮星の爆発によるIa型だけが起こります。
④【誤】
銀河Dは新しい恒星が盛んに生まれている不規則銀河なので、重い星も多く、超新星は起こりやすい銀河です。
問6:正解④
<問題要旨>
白色矮星のでき方と進化の最終段階
下線部(a)の白色矮星についての正誤判定。太陽程度の質量の恒星は、主系列星の段階を終えると赤色巨星となり、外層のガスを放出して惑星状星雲をつくる。あとに残された中心部の高密度の天体が白色矮星で、地球程度の大きさに太陽程度の質量が詰まっている。中心部の核融合はすでに止まっており、余熱で白く光りながら冷えていく。会話文にあるIa型超新星は、連星をなす白色矮星が相手の星からガスを受け取って限界の質量を超えたときに起こる爆発と考えられている。
<選択肢>
①【誤】
質量が小さくて主系列星になれなかった天体は褐色矮星です。白色矮星は主系列星の段階を経た恒星の最後の姿です。
②【誤】
鉄でできた中心部が重力で押しつぶされるのは、太陽の8倍程度以上の重い星が超新星爆発を起こし、中性子星やブラックホールになる場合の説明です。
③【誤】
ブラックホールに吸い込まれた物質が集まって白色矮星になることはありません。
④【正】
太陽程度の質量の恒星は赤色巨星となった後、外層を放出して惑星状星雲をつくり、中心に残った高密度の芯が白色矮星になります。
問7:正解②
<問題要旨>
太陽の10の10乗倍の明るさの絶対等級
下線部(b)の、Ia型超新星の最大光度が太陽の明るさの100億(10¹⁰)倍に匹敵するという記述から、その最大光度の絶対等級を求める。等級が5等小さくなると明るさは100倍になるので、明るさがn倍のときの等級差は2.5×log₁₀n で表される。n=10¹⁰のとき等級差は2.5×10=25等となり、太陽より25等小さい(明るい)ことになる。太陽の絶対等級は+4.8なので、4.8−25=−20.2、すなわち約−20等となる。
<選択肢>
①【誤】
−45等では太陽より約50等明るいことになり、明るさは10²⁰倍にあたります。10¹⁰倍に対応する等級差は25等です。
②【正】
明るさが10¹⁰倍のとき、等級差は2.5×log₁₀(10¹⁰)=2.5×10=25等です。
太陽の絶対等級+4.8から25等を引いて4.8−25=−20.2となり、約−20等になります。
③【誤】
等級は明るい天体ほど小さい値になります。+30等は太陽よりはるかに暗い天体の値で、意味が逆です。
④【誤】
+55等は太陽より約50等暗い、すなわち10¹⁰分の1の明るさを表しており、逆の関係です。
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