2022年度 大学入学共通テスト 本試験 地学 解答・解説

目次

解答

解説

第1問

問1:正解③

<問題要旨> 

地球の階層構造の形成と各層の特徴に関する知識を問う問題です。

<選択肢> 

①【誤】 

地球全体の平均密度(約 5.5 g/cm3)に比べ、地殻の密度(約 2.7 ~ 3.0 g/cm3)は明らかに小さいです。 

②【誤】 

マントルは固体であり、S波(横波)を伝えます。液体である外核ではS波は伝わりません。 

③【正】 

マグマオーシャンの時期に、高密度の鉄が中心部へ沈降して核が形成されました。 

④【誤】 

モホ面は「化学組成」の違いによる境界です。硬さ(剛性)による境界は、リソスフェアとアセノスフェアの境界です。

問2:正解②

<問題要旨> 

地球の熱源と地殻熱流量の分布に関する問題です。

<選択肢> 

①【正】 

微惑星の衝突エネルギーは、初期地球の主要な熱源です。 

②【誤】 

地殻熱流量は、中央海嶺(ア)で高く、海溝付近(イ)などの古いプレート沈み込み帯で低くなります。 

③【正】 

放射性同位体の崩壊熱は、現在も地球内部を加熱し続けています。 

④【正】 

マントル対流は、地球内部の熱を効率よく表面へ運ぶ役割を担っています。

問3:正解④

<問題要旨> 

火成岩の分類とマグマの性質についての問題です。

<選択肢>

①【誤】

SiO2 含有量が多いほど岩石の色は明るくなります。玄武岩は SiO2 が少なく黒っぽいです。 

②【誤】 

深成岩は、地下深くでゆっくり冷却されるため、結晶が大きく成長した「等粒状組織」となります。 

③【誤】 

流紋岩は 

$SiO_2$ が多いため、石英や長石が主成分です。カンラン石は塩基性岩に多く含まれます。 

④【正】 

SiO2 含有量が多いマグマは粘性が高く、ガスが抜けにくいため爆発的な噴火になりやすいです。

問4:正解④

<問題要旨> 

地震波の性質と初期微動継続時間(PS時間)の計算問題です。

<選択肢> 

①【誤】 

一般にP波の速度はS波よりも速いです。

②【誤】 

PS時間は震源距離に比例して長くなります。 

③【誤】 

P波は「縦波」であり、振動方向は進行方向と平行です。 

④【正】 

PS時間 = ( 1 / Vs - 1 / VP ) × 震源距離 で計算されます。

P波 8 km/s、S波 4 km/s、距離 80km ならば、

20秒 - 10秒 = 10秒 となり、一致します。

問5:正解②

<問題要旨> 

重力異常と地殻の厚さ(アイソスタシー)の関係を問う問題です。

<選択肢> 

①【誤】 

重力は遠心力の影響で、赤道で最も小さく、極で最大になります。 

②【正】 

フリーエア異常がほぼゼロである地域は、アイソスタシーが成立していると判断されます。 

③【誤】 

高い山脈では、密度の小さい地殻が深く根を張っている(山根)ため、ブーゲー異常は大きな「負」の値になります。 

④【誤】 

地殻はマントルより軽いため、地殻が厚いほど、その下の重いマントルが地表から遠ざかり、重力(ブーゲー異常)は小さくなります。

第2問

問1:正解②

<問題要旨> 

堆積岩の種類と、地層の対比(鍵層)に関する問題です。

<選択肢> 

①【正】 

チャートは放散虫などの二酸化ケイ素質の殻を持つ生物遺骸からなります。 

②【誤】 

凝灰岩(火山灰)は、広範囲に短時間で堆積するため、離れた地域の地層を対比する「鍵層」として非常に有効です。 

③【正】 

石灰岩はサンゴやフズリナなどの炭酸カルシウム質の遺骸からなります。 

④【正】 

礫岩は、泥岩や砂岩に比べて粒径が大きく、沿岸に近い環境で堆積します。

問2:正解⑤

<問題要旨> 

地質図の読み取りと、走向・傾斜、および不整合の関係を問う問題です。

<選択肢> 

不整合面は泥岩層の上、砂岩層の下にあります。 等高線と地層境界線の交点から走向を判断します。 泥岩層の境界は北西-南東に延びており、南西に傾斜しています。

⑤【正】 

不整合面によって下の泥岩層が削られており、その上に砂岩層が平行ではなく重なっているため、傾斜不整合の可能性があります。

問3:正解⑦

<問題要旨> 

放射性同位体を用いた絶対年代の測定に関する計算問題です。

<選択肢> 

親要素が 1/8 に減少しているということは、半減期(H)を n 回経たとすると 1/2n = 1/8。

よって n = 3、つまり半減期の3倍の時間が経過しています。 年代 = 3 × 1.3 × 109 = 3.9 × 109 年。 

⑦【正】 上記計算結果に合致する数値です。

問4:正解①

<問題要旨> 

示準化石と地質時代の対応に関する問題です。

<選択肢> 

①【正】 三葉虫は古生代の示準化石です。 

②【誤】 アンモナイトは中生代の示準化石です。 

③【誤】 フズリナは古生代末に絶滅しました。 

④【誤】 ビカリアは新生代(第三紀)の示準化石です。

問5:正解①

<問題要旨> 

地球史における生物の変遷(大絶滅と進化)に関する問題です。

<選択肢> 

①【正】 

古生代末(P-T境界)には、地球史上最大規模の大量絶滅が起こりました。 

②【誤】 

鳥類は中生代(ジュラ紀頃)に出現しました。 

③【誤】 

硬骨魚類の出現よりも、多細胞生物の出現(エディアカラ生物群など)の方がはるかに先です。 

④【誤】 

全球凍結(スノーボールアース)は、古生代が始まる前の原生代に起こりました。

問6:正解②

<問題要旨> 

大気中の酸素濃度の変化とその影響についての問題です。

<選択肢> 

①【正】 

初期の大気には酸素がほとんど含まれていませんでした。 

②【誤】 

ストロマイト(シアノバクテリア)の活動によって酸素が増加したのは、約25億年前(原生代初期)からであり、顕生代(古生代以降)ではありません。 

③【正】 

大気中の酸素濃度が上昇したことで、成層圏にオゾン層が形成され、紫外線が遮断されました。 

④【正】 

オゾン層による紫外線の遮蔽により、生物の陸上進出が可能になりました。

第3問

問1:正解③

<問題要旨> 

大気の鉛直構造(層圏)と温度変化の理由に関する問題です。

<選択肢> 

①【誤】

対流圏では、高度が上がるほど温度が下がります(気温減率)。 

②【誤】 

成層圏では、高度が上がるほど温度が「上昇」します。 

③【正】 

成層圏上部で温度が高いのは、オゾンが紫外線を吸収して加熱されるためです。 

④【誤】 

高度 80km 付近(中間圏界面)が、地球大気で最も温度が低い領域です。

問2:正解③

<問題要旨> 

飽和水蒸気量と相対湿度の関係を問う基礎的な計算問題です。

<選択肢> 

25℃ の飽和水蒸気圧は 31.7hPa。

露点が 15℃ ということは、現在の水蒸気圧が 15℃ の飽和水蒸気圧17.1hPa に等しいことを意味します。

相対湿度 = (17.1 / 31.7) × 100 ≒ 54%

③【正】 上記計算結果に最も近い値です。

問3:正解③

<問題要旨> 

温室効果のメカニズムと地球の放射収支に関する問題です。

<選択肢> 

①【誤】 

地球が吸収するのは主に太陽からの「可視光線」を中心とした短波放射です。 

②【誤】 

温室効果ガスは、地球放射(赤外線)を吸収します。太陽放射を主に吸収するのはオゾン層などです。 

③【正】 

大気が地球放射を吸収し、その一部を地表へ再放射することで、地表温度が保たれています。 

④【誤】 

温室効果が全くなければ、地球の平均気温は氷点下(約-18℃)になると試算されています。

問4:正解③

<問題要旨> 

転向力(コリオリの力)と気圧傾度力のバランスに関する問題です。

<選択肢> 

①【誤】 

転向力は北半球では進行方向に対して「右」向きに働きます。 

②【誤】 

地衡風は、等圧線に「平行」に吹きます。 

③【正】 

低気圧の周囲では、気圧傾度力(中心向き)と転向力(外向き)が釣り合い、反時計回りに風が吹きます。

④【誤】 

地上風は、摩擦力の影響で等圧線を横切り、低気圧の中心に向かって吹き込みます。

問5:正解②

<問題要旨> 

海水温の鉛直分布(混合層・水温躍層・深層)に関する問題です。

<選択肢> 

①【誤】 

表層の混合層は、風による攪拌によって水温が一様になっています。 

②【正】 

水温躍層では、深くなるにつれて急激に水温が低下します。 

③【誤】 

深層(約 1000m 以深)の水温は、緯度に関わらず数度程度で一定しており、変化は非常に小さいです。 

④【誤】 

低緯度海域の方が、表層と深層の温度差が大きいため、水温躍層が発達しています。

問6:正解⑥

<問題要旨> 

海水の塩分と密度の関係、および深層循環に関する問題です。

<選択肢> 

⑥【正】 

北大西洋の北端や南極周辺では、低温で塩分が高い(海氷形成時の排塩などによる)高密度の海水が沈み込み、深層循環の起点となります。 (他の選択肢は、蒸発や降水、結氷による塩分変化の記述に矛盾があります。)

第4問

問1:正解②

<問題要旨> 

天動説と地動説の歴史的背景と金星の満ち欠けに関する問題です。

<選択肢> 

①【誤】 

ガリレオは望遠鏡を用いて金星の満ち欠けを観測し、地動説を支持しました。 

②【正】 

天動説では、金星は常に太陽と地球の間に位置するとされていたため、大きく満ちた金星を観測することは説明できませんでした。 

③【誤】 

ケプラーは惑星の公転軌道が「楕円」であることを発見しました。

④【誤】 

ニュートンは万有引力の法則を確立しました。

問2:正解③

<問題要旨> 

恒星の明るさ(等級)と距離の関係(年周視差)に関する問題です。

<選択肢> 

①【誤】 

星の明るさが100倍異なると、等級は「5等級」差になります。 

②【誤】 

年周視差が小さいほど、その星は地球から「遠い」位置にあります。 

③【正】 

絶対等級とは、すべての恒星を 10pc(約32.6光年)の距離に置いたと仮定した時の明るさです。 

④【誤】 

見かけの等級が同じでも、距離が異なれば星自体の明るさ(光度)は異なります。

問3:正解①

<問題要旨> 

太陽の構造と現象(黒点・光球・コロナ)に関する問題です。

<選択肢> 

①【正】 

黒点は周囲よりも温度が低いため、暗く見えます。 

②【誤】 

光球の上層にあるコロナの温度は、100万度以上の高温です。 

③【誤】 

太陽の主なエネルギー源は、中心部での「核融合」反応です。 

④【誤】 

黒点は太陽の強い磁場によって、対流が妨げられることで形成されます。

問4:正解④

<問題要旨> 

銀河系の構造と構成天体(散開星団・球状星団)に関する問題です。

<選択肢> 

①【誤】 

銀河系の中心方向は、いて座の方向にあります。 

②【誤】 

散開星団は、若い星が集まったもので、主に銀河円盤部に分布します。 

③【誤】 

球状星団は、年老いた星が集まったもので、銀河ハローに分布します。 

④【正】 

太陽系は銀河系の中心から約 2.8 万光年(8.5kpc)離れた銀河円盤内に位置しています。

問5:正解②

<問題要旨> 

宇宙の膨張(ハッブルの法則)と遠方の銀河の観測に関する問題です。

<選択肢> 

①【誤】 

宇宙背景放射は、宇宙誕生直後(約38万年後)の熱い時代の名残です。 

②【正】 

ハッブルの法則によれば、遠方の銀河ほど大きな速度(後退速度)で我々から遠ざかっています。 

③【誤】 

遠ざかる銀河からの光は、ドップラー効果により波長が長く(赤っぽく)なる「赤方偏移」を示します。 

④【誤】 

宇宙の膨張は、銀河そのものが動くというより、空間自体が膨張していると考えられています。

問6:正解④

<問題要旨>

河川の作用(侵食・堆積)によって形成される平野部の地形に関する問題です。

<選択肢>

①【誤】

扇状地は、川が山間部から平野部に出るところで、流速が急に遅くなるために土砂が堆積して形成されます。

②【誤】

自然堤防は、河川が氾濫した際に、流路の両側に土砂が堆積して周囲よりわずかに高くなった微高地です。

③【誤】

三角州(デルタ)は、河川が海や湖に流れ込む河口付近で、細かい砂や泥が堆積して形成される低地です。

④【正】

河川が蛇行を繰り返す中で、洪水などをきっかけに流路が短絡(ショートカット)されることがあります。その際、取り残された旧河道に水が溜まったものが三日月湖(牛殺し湖)です。

第5問

問1:正解④

<問題要旨>

沿岸流や波の作用によって形成される海岸地形(砂州・ラグーン)に関する問題です。

<選択肢>

①【誤】

砂礫が海岸から海に突き出すように細長く堆積した地形は「砂嘴(さし)」と呼ばれます。

②【誤】

砂州が発達して島と陸地を繋いだものは「陸繋島(りくけいとう)」、その砂州自体は「陸繋砂州(トンボロ)」と呼ばれます。

③【誤】

「砂丘」は、風によって運ばれた砂が堆積してできた丘状の地形を指します。

④【正】

湾の入り口を塞ぐように砂州が発達すると、外海から切り離された湖が形成されます。これを「ラグーン(潟湖:せきこ)」と呼びます。サロマ湖や中海などが代表例です。

問2:正解②

<問題要旨>

日本の季節現象である「梅雨」のメカニズムと停滞前線の性質に関する問題です。

<選択肢>

①【誤】

シベリア高気圧は冬に発達する冷たく乾燥した気団であり、梅雨の原因ではありません。

②【正】

梅雨前線は、北側の冷たいオホーツク海高気圧(気団)と南側の暖かい小笠原高気圧(気団)が勢り合う場所に形成される「停滞前線」です。

③【誤】

梅雨前線付近では、暖かい気団が冷たい気団の上に乗り上げることで広範囲に雲が発達し、長雨をもたらします。下降気流が発生しているわけではありません。

④【誤】

梅雨明けは、太平洋高気圧(小笠原高気圧)の勢力が強まり、前線を北へ押し上げることで起こります。

問3:正解③

<問題要旨>

台風の構造と、進行方向による風速の違い(危険半円)に関する問題です。

<選択肢>

①【誤】

台風は熱帯低気圧の一種であり、中心気圧が低いほど勢力が強く、周囲からの風の吹き込みが激しくなります。

②【誤】

台風の中心(台風の目)では、雲がなく風も弱い「静穏な状態」となります。

③【正】

北半球の台風では、反時計回りに風が吹き込みます。進行方向の「右側」では、台風自体の風と移動速度が重なり合うため、左側に比べて風速が非常に強くなります(危険半円)。

④【誤】

台風は上陸すると、海面からの水蒸気供給が断たれ、地表との摩擦が増えるため、急速に勢力が衰えます。

問4:正解②

<問題要旨>

地震に伴う地盤災害(液状化)のメカニズムと発生しやすい場所に関する問題です。

<選択肢>

①【誤】

津波は地震による海底の上下変動で発生する波であり、液状化とは直接のメカニズムが異なります。

②【正】

水分を多く含んだ砂質の地盤(埋立地や旧河道など)において、強い揺れによって砂の粒子が浮遊状態になり、地盤が液体のように振る舞う現象を液状化と呼びます。

③【誤】

液状化が起こると、地中の水分が砂と共に地表へ噴き出す「噴砂」が見られることがあります。地盤が固くなることはありません。

④【誤】

岩盤が露出しているような山地では液状化は起こりにくく、水分を含んだ未固結な砂地盤で顕著に発生します。

問5:正解③

<問題要旨>

火山の噴火に伴う災害(火砕流)の特徴と危険性に関する問題です。

<選択肢>

①【誤】

溶岩流は温度は高いですが、粘性によっては移動速度が遅く、人間が歩いて避難できる場合もあります。

②【誤】

火山灰は広範囲に降下し、視界不良や家屋の倒壊、健康被害をもたらしますが、火砕流ほどの瞬発的な破壊力はありません。

③【正】

火砕流は、高温の火山ガスと火山砕屑物が混じり合い、時速 100km 以上の猛スピードで斜面を流れ下ります。温度も数百数度に達し、遭遇すると極めて致命的です。

④【誤】

火山泥流(ラハール)は、噴火による融雪や降雨で火山灰が泥水となって流れる現象です。

問6:正解④

<問題要旨>

防災情報の収集とハザードマップの活用に関する問題です。

<選択肢>

①【誤】

ハザードマップは行政(市区町村など)が作成・公開しており、誰でも閲覧可能です。

②【誤】

震源からの距離だけでなく、その土地の地盤の揺れやすさや浸水リスクなども考慮して作成されています。

③【誤】

ハザードマップに記載がないからといって、災害が絶対に起きないわけではありません。想定を超える規模の災害も考慮する必要があります。

④【正】

ハザードマップは、地形や地質、過去の災害履歴に基づき、洪水・土砂崩れ・津波などの危険箇所を予測して地図化したものであり、避難計画に不可欠です。

問7:正解②

<問題要旨>

地球環境問題(酸性雨)の原因物質と影響に関する問題です。

<選択肢>

①【誤】

フロンガスは、成層圏のオゾン層を破壊する主な原因物質です。

②【正】

化石燃料の燃焼などで発生する硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)が、大気中で水分と反応して硫酸や硝酸となり、雨に溶け込むことで酸性雨となります。

③【誤】

二酸化炭素は主な温室効果ガスであり、地球温暖化の原因ですが、酸性雨の主因(強い酸性をもたらす原因)ではありません。

④【誤】

酸性雨は森林の立ち枯れや湖沼の酸性化による生態系への悪影響、石像の腐食などを引き起こします。

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