2023年度 大学入学共通テスト 追試験「地学」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。
解答
解説
2023年度(令和5年度)大学入学共通テスト 追試験「地学」の全問解説です。第1問が20点、第2問が18点、第3問が24点、第4問が18点、第5問が20点で、あわせて100点満点。すべて必答で、解答番号は1〜28です。大問の中がA〜Cの文章に分かれているものは、この記事も分野ごとに見出しを分けています。各設問の見出しをタップすると、その問題の考え方と手順が開きます。まちがえた設問だけを選んで確認してください。
第1問 ハワイ諸島の地学現象(ホットスポット・鉱物・海洋・天球)
小問5題で20点。ハワイ諸島を軸に、プレート運動の速度計算から鉱物の構造、エクマン吹送流、天体観測まで幅広く問われます。問1は海山列の年代差と距離から速度を求める計算で、単位を cm/年 にそろえるところがポイントです。
問1:正解 ④(解答番号1/配点4)
<問題要旨>
図1(ハワイ諸島から連なる海山列を示す地形図。推古海山6500万年前、雄略海山4300万年前、その間 1300 km、雄略海山からハワイ諸島まで 3500 km)から、太平洋プレートの移動方向と速度が、およそ4300万年前に「ほぼ ア 向き約 イ cm/年」から「ほぼ ウ 向き約 8.1 cm/年」に変化したことがわかる、という文章の空欄を選びます。
<考え方>
ホットスポットは動かないので、海山列は「プレートが動いた軌跡」です。古い海山ほど、プレートが運んでいった先にあります。速度は「距離 ÷ 年代差」で、km と cm、年の単位変換に注意します。
【海山列の並び】 推古海山(6500万年前)… 北 雄略海山(4300万年前)… 折れ曲がり点 ハワイ諸島(現在) … 南東 ホットスポットは動かないので プレートは「新しい方から古い方へ」 動いてきたことになる 【4300万年前より前の向き】 雄略海山 → 推古海山 の向き = 北北西 ア = 北北西 【その速度】 距離 1300 km 年代差 6500 − 4300 = 2200 万年 1300 km = 1.3×10⁸ cm 2200 万年 = 2.2×10⁷ 年 速度 = 1.3×10⁸ ÷ 2.2×10⁷ = 5.9 cm/年 イ = 5.9 【4300万年前より後の向き】 ハワイ諸島 → 雄略海山 の向き = 西北西 ウ = 西北西 【検算】 3500 km = 3.5×10⁸ cm 4300 万年 = 4.3×10⁷ 年 3.5×10⁸ ÷ 4.3×10⁷ = 8.1 cm/年 問題文の値と一致 ✓ よって ④
問2:正解 ③(解答番号2/配点4)
<問題要旨>
ハワイの玄武岩質マグマが冷える際に最初に晶出した鉱物の名前と、その鉱物の SiO₄ 四面体の配列の組合せを選びます。
<考え方>
ボーエンの反応系列で最初に晶出する有色鉱物を思い出します。そのうえで、その鉱物のケイ酸塩構造が「独立」か「連結」かを確認します。
【最初に晶出する鉱物】 玄武岩質マグマが冷えるとき 最も高温で晶出するのは かんらん石 (かんらん石 → 輝石 → 角閃石 → 黒雲母 の順に晶出する) かんらん石 = ③ または ④ 【SiO₄ 四面体の配列】 かんらん石 SiO₄ 四面体が1つずつばらばらに存在し 互いにつながらない(独立四面体構造) Mg や Fe のイオンがすき間を埋める 輝石 … 単鎖状 角閃石 … 複鎖状 黒雲母 … 層状(シート状) 石英・長石… 立体網目状 → 図では四面体がばらばらに並ぶ ③ (④ は四面体が連結した網目状) よって ③
問3:正解 ①(解答番号3/配点4)
<問題要旨>
浮遊ごみが偏西風帯と貿易風帯の間に集まる理由について、水面近くの海水に風によってつくられる流れ(エ)と、それを風下から見て右にずらす力(オ)の組合せを選びます。
<考え方>
風によって生じる海面付近の流れの名前と、北半球で流れを右にずらす力の名前を思い出します。潮流と起潮力は月や太陽の引力による現象で、風とは関係ありません。
【エ 風がつくる流れ】 エクマン吹送流 海上風が海面を引きずってつくる流れ 潮流は月・太陽の引力(起潮力)による 潮の満ち引きに伴う流れで 風がつくるものではない エ = エクマン吹送流 【オ 右にずらす力】 北半球では、地球の自転により 運動する物体に コリオリの力(転向力) がはたらき、進行方向の右にそれる 起潮力は月・太陽が及ぼす潮汐の力で 流れを曲げる力ではない オ = コリオリの力 【集積のしくみ】 偏西風帯(西風)→ 流れは南向きにずれる 貿易風帯(東風)→ 流れは北向きにずれる → 両者の間に集まる よって ①
問4:正解 ②(解答番号4/配点4)
<問題要旨>
ハワイ島のマウナケア(北緯19°)で空を観察すると、天の北極の地平線からの高さは カ となります。また、北緯36°の東京では さそり座の星アンタレスの南中高度は 28°ですが、より緯度の低いマウナケアでは キ となります。
<考え方>
天の北極の高度=その地点の緯度、という基本を使います。キは南中高度の公式で、まず東京のデータからアンタレスの赤緯を逆算します。
【カ 天の北極の高度】 天の北極の地平線からの高さは その地点の緯度に等しい マウナケアは北緯19° カ = 19° 【キ アンタレスの南中高度】 南中高度の公式(北半球) h = 90° − 緯度 + 赤緯 東京(北緯36°)で h = 28° 28 = 90 − 36 + δ 28 = 54 + δ δ = −26° (アンタレスは南天の星なので 赤緯が負になる) マウナケア(北緯19°)では h = 90 − 19 + (−26) = 71 − 26 = 45° キ = 45° よって ②
問5:正解 ①(解答番号5/配点4)
<問題要旨>
日本やハワイでみられる地学現象について述べた文として最も適当なものを、下線部に注意して選びます。
<考え方>
大阪(北緯約35°)とホノルル(北緯約21°)の緯度の違いが軸になります。太陽高度、フーコーの振り子の回転、大気大循環の帯、そして島の成り立ちを一つずつ確かめます。
① 冬至の南中時に地表面が受け取る 単位時間・面積当たりの太陽放射エネルギーは 大阪よりホノルルのほうが大きい 低緯度ほど太陽高度が高く 同じ面積が受ける光が強い ホノルルのほうが低緯度 ○ ② フーコーの振り子の振動面が一日に 回転する角度は大阪よりホノルルが大きい 回転角は 360° × sin(緯度) 大阪(35°)… 約 206° ホノルル(21°)… 約 129° 大阪のほうが大きい × ③ 大阪もホノルルも一年を通して 亜熱帯高圧帯に属する ホノルルは亜熱帯高圧帯だが 大阪は中緯度で、季節により 偏西風帯にも入る × ④ 日本列島もハワイ諸島もおもに付加体からなる 日本列島は沈み込み帯の付加体を含むが ハワイ諸島はホットスポットの 火山島で付加体ではない × よって ①
第2問 A 太陽と地磁気
太陽から吹き出す荷電粒子と地球磁場の関係を確認する1問です。磁気圏が太陽と反対側に長く伸びていることを図でイメージできれば決まります。
問1:正解 ⑥(解答番号6/配点4)
<問題要旨>
太陽が放出する荷電粒子の流れ(ア)、荷電粒子が侵入できない地球のまわりの領域(イ)、そして イ の形が引き伸ばされている方向(ウ)の組合せを選びます。
<考え方>
太陽から来るのは電磁波(太陽放射)だけでなく荷電粒子の流れもあります。その名前と、地球磁場がつくる領域の名前、そしてその形を順に確認します。
【ア 荷電粒子の流れ】 太陽風 太陽から吹き出す高温のプラズマの流れ (おもに陽子と電子) 太陽放射は光や赤外線などの電磁波 荷電粒子の流れではない ア = 太陽風 【イ 荷電粒子が侵入できない領域】 磁気圏 地球磁場が及ぶ範囲で 太陽風の荷電粒子をさえぎる 成層圏は大気の層の名前で 磁場とは関係ない イ = 磁気圏 【ウ 引き伸ばされる方向】 太陽風が太陽側から吹きつけるので 太陽側は押しつぶされ 反対側は長く尾を引く(磁気圏尾) ウ = 太陽と反対側 よって ⑥
第2問 B 固体地球(ジオイド・海洋底の年代・地震のエネルギー)
ジオイドの起伏から地下の密度を推定し、海洋底の年代分布からプレートの動きを読み、最後に地震のエネルギーの式を使います。問4は「M が2大きい=エネルギー1000倍」を面積比と組み合わせる計算です。
問2:正解 ①(解答番号7/配点4)
<問題要旨>
図1(周囲と異なる密度の層 A が存在する地域のジオイドの起伏の模式図)について、この地域の鉛直線の方向を示した図 a・b と、層 A の密度について述べた文の組合せを選びます。
<考え方>
図1でジオイドが凹んでいるか盛り上がっているかを見ます。ジオイドが下がっている=その真下の質量が少ない、と読みかえられます。鉛直線は質量の多い側に引き寄せられます。
【図1 の読み取り】
層A が盛り上がっている真上で
ジオイドが 凹んでいる
ジオイドが下がる
= そこの重力が小さい
= 真下の質量が少ない
→ 層A の密度は周囲より 小さい
【鉛直線の向き】
鉛直線(重力の向き)は
質量の多いほうへ引き寄せられる
層A は質量が少ない(質量の欠損)
→ 鉛直線は層A から 遠ざかる 向きに傾く
→ 中央から外へ開く(発散する)
図a … 左側は左下向き、中央は真下
右側は右下向き(発散) ○
図b … 左側は右下向き、中央は真下
右側は左下向き(収束) ×
(もし層A の密度が大きければ
ジオイドは盛り上がり
鉛直線は b のように収束する)
鉛直線の方向 = a
A の密度 = 周囲より小さい
よって ①
問3:正解 ③(解答番号8/配点4)
<問題要旨>
図2(世界の海洋底の年代分布)を参照し、海洋底に関して述べた文として誤っているものを選びます。
<考え方>
海洋底の年代は中央海嶺で最も若く、離れるほど古くなります。年代の縞模様が中央海嶺に対して対称に並ぶので、海嶺の位置と拡大方向がそのまま読み取れます。
【図2 の読み方】
淡い色 = 若い(0〜25 百万年)
濃い色 = 古い(225 百万年前まで)
最も若い帯が中央海嶺の位置
【選択肢の判定】
① プレート発散境界は、大西洋ではほぼ中央に
太平洋では東寄りに位置する
大西洋中央海嶺は大西洋のほぼ中央
東太平洋海嶺は太平洋の東寄り 正しい
② 南アメリカ西岸の下に沈み込むプレートは
東北日本の下に沈み込むプレートより若い
南米西岸沖(ナスカプレート)は淡い色
日本の東(太平洋プレート)は濃い色
正しい
③ 大西洋の中央海嶺では、海洋底が拡大する
方向はおおむね南北である
大西洋中央海嶺は南北にのびており
拡大する向きはそれと直角の 東西
→ 誤り ←これ
④ 南緯30°付近では、太平洋の中央海嶺の
拡大速度は大西洋の中央海嶺より速い
東太平洋海嶺は年代の帯の幅が広く
拡大速度が大きい(年10 cm 前後)
大西洋は年2〜4 cm 程度 正しい
よって ③
問4:正解 ③(解答番号9/配点3)
<問題要旨>
地震のエネルギーは、震源断層の面積(長さと幅の積)と断層のずれの量の積に比例します。1995年の兵庫県南部地震(M7)では、長さ50 km・幅15 km の断層が2 m 程度ずれました。2011年の東北地方太平洋沖地震(M9)の震源断層は長さ450 km・幅150 km と推定されています。この断層のずれの量を求めます。
<考え方>
マグニチュードが2大きいとエネルギーは約1000倍です。エネルギー比を面積比で割れば、ずれの量の比が出ます。
【エネルギーの比】
マグニチュードが1大きい → 約32倍
2大きい → 約 32² ≒ 1000倍
M7 → M9 なので
エネルギー比 = 1000
【面積の比】
兵庫県南部地震
50 × 15 = 750 km²
東北地方太平洋沖地震
450 × 150 = 67500 km²
面積比 = 67500 ÷ 750 = 90
【ずれの量の比】
エネルギー ∝ 面積 × ずれ
ずれの比 = エネルギー比 ÷ 面積比
= 1000 ÷ 90
= 11.1
【ずれの量】
2 m × 11.1 = 22.2 m
≒ 22 m
よって ③
第2問 C 岩石と鉱物(深成岩の密度計算)
鉱物の割合と密度から岩石全体の密度を計算し、岩石名まで決めます。体積%なので、そのまま重みをつけて足せばよい設計になっています。
問5:正解 ②(解答番号10/配点3)
<問題要旨>
表1(深成岩 A と深成岩 B に含まれる鉱物の割合、体積%)と表2(主要な鉱物の密度)から、密度が約 3.1 g/cm³ と測定された深成岩(A または B)と、その岩石の名称の組合せを選びます。
<考え方>
体積%が与えられているので「割合 × 密度」を足すだけで岩石の密度が出ます。岩石名は有色鉱物の割合(色指数)から決めます。
【深成岩A の密度】
かんらん石 30 % × 3.4 = 1.02
輝石 30 % × 3.3 = 0.99
斜長石 40 % × 2.7 = 1.08
合計 3.09
→ 約 3.1 g/cm³ ○
【深成岩B の密度】
輝石 20 % × 3.3 = 0.66
角閃石 20 % × 3.1 = 0.62
斜長石 60 % × 2.7 = 1.62
合計 2.90
→ 約 2.9 g/cm³
測定値 3.1 に合うのは 深成岩A
【岩石名】
深成岩A の有色鉱物
かんらん石 30 % + 輝石 30 % = 60 %
→ 色指数が大きい(苦鉄質)
深成岩の分類
花こう岩 … 色指数 小(珪長質)
閃緑岩 … 色指数 中(中間質)
斑れい岩 … 色指数 大(苦鉄質)
かんらん石・輝石を主とするので
→ 斑れい岩
よって ②
第3問 A 地質図と深成岩体(断層・堆積構造・結晶分化作用)
地質図から深成岩体の形と断層のずれを読み取ります。問1は「断層の両側で深成岩の露出幅が違う」ことから上下方向のずれを復元する、この年でいちばん骨のある設問です。
問1:正解 ①(解答番号11/配点4)
<問題要旨>
図1(地質図。堆積岩へ深成岩体が貫入し、南北の走向をもつ断層 Z がある。深成岩と堆積岩の境界面の傾斜は 60° で外向き)中の2点 X と Y を結んだ線に沿った地質断面の模式図として、最も適当なものを選びます(断層の上盤側が移動した向きを矢印で表しています)。
<考え方>
深成岩体はドーム状で、境界面が外向きに 60° 傾いているので下に行くほど広がります。断層をはさんで露出の幅が違えば、狭いほうが「浅い部分」を見ていることになります。
【深成岩体の形】 境界面の傾斜は 60° で外向き → ドーム状で、下に行くほど広がる 【図1 の読み取り】 断層Z は深成岩体の西寄りを南北に走る 断層Z の東側 … 深成岩の露出が広い 断層Z の西側 … 深成岩の露出が狭い (等高線は断層で食い違っていないので 地形は同じ高さで比べられる) 【露出幅の違いが意味すること】 同じ高さの地表で 露出が広い = 岩体の深い部分が見えている 露出が狭い = 岩体の浅い部分が見えている 東側が広い → 東側は深い部分が露出 → 東側が 上昇 して削られた つまり 東側の岩盤が上がった(逆断層) 【選択肢の判定】 断層面が東に傾いている場合 上盤は東側の岩盤 ① 断層面は右(東)に傾き 矢印は断層面に沿って上向き → 上盤(東側)が上昇 ○ ② 断層面は西に傾き 上盤(西側)が上昇 × ③④ 矢印が下向きで 上盤が下降(正断層) × よって ①
問2:正解 ④(解答番号12/配点4)
<問題要旨>
この地域の地層は逆転していないことが確認されています。図1中の地層面の走向・傾斜を測定した場所で、地層の上位を上にして作成したスケッチのうち、上下が逆になっている(誤っている)ものを選びます。
<考え方>
4つの堆積構造それぞれについて「どちらが上か」を判断する決まりを思い出します。級化構造・荷重痕・生痕化石・斜交葉理の4つは、上下判定の定番です。
【上下判定の決まり】 級化構造 下ほど粗く、上ほど細かい 荷重痕 上の砂層が下の泥層に食い込み 境界が下に垂れ下がる 生痕(巣穴)化石 巣穴は上の層から下へ掘られる 斜交葉理(クロスラミナ) 葉理の 上端 が侵食されて切られ 下端は下の面に緩やかに接する 【選択肢の判定】 ① 級化構造 下が砂岩(粗)、上へ細かくなる 正しい ② 荷重痕 上が砂岩、下が泥岩 砂岩が下へ垂れ下がっている 正しい ③ 生痕(巣穴)化石 上の砂岩から下の泥岩へ 巣穴が伸びている 正しい ④ 斜交葉理(クロスラミナ) スケッチでは葉理の下端が切られ 上端が緩やかに接している 上下判定の決まりと逆 → 誤り ←これ よって ④
問3:正解 ②(解答番号13/配点4)
<問題要旨>
深成岩体の露頭3地点(A〜C)を調べたところ、岩石の色は地点 A では黒っぽく、地点 B に向かって次第に白っぽくなり、地点 B から地点 C に向かって再び黒っぽくなっていました。鉱物の種類は A と C では同じ、B では異なっていました。プレパラートのスケッチ a〜d のうち、地点 A と地点 B の組合せを選びます。
<考え方>
まず「深成岩の露頭」なので、組織が等粒状のスケッチだけが候補になります。石基があるものは火山岩なので外します。そのうえで色(有色鉱物の量)で A と B を分けます。
【まず組織で絞る】
a … 石基があり斑晶が散在 → 斑状組織
= 火山岩 ×
d … 石基があり斑晶が散在 → 斑状組織
= 火山岩(玄武岩質) ×
b … 鉱物が組み合わさった等粒状組織 ○
c … 鉱物が組み合わさった等粒状組織 ○
【色(有色鉱物の量)で分ける】
b … 黒雲母・角閃石・石英・斜長石
有色鉱物(黒雲母・角閃石)が多い
→ 黒っぽい
c … 石英・カリ長石・斜長石・黒雲母
無色鉱物が大部分
→ 白っぽい
【対応づけ】
地点A … 黒っぽい → b
地点B … 白っぽい → c
鉱物の種類も
b には角閃石があり、c にはカリ長石がある
→ A と B で種類が異なる(問題文と一致)
地点A = b, 地点B = c
よって ②
問4:正解 ③(解答番号14/配点3)
<問題要旨>
図2(スマートフォンの会話)で、「この岩体が周縁部から中心部へと順に固まったと考えられる」という話から、結晶分化作用が ア に向かって進んだこと、そして周縁部の岩石中の イ 成分の量は中心部の岩石より多いはずだ、という結論に至ります。ア・イ の組合せを選びます。
<考え方>
「周縁部から順に固まった」という一文がそのまま アの答えです。イは結晶分化作用で何が先に晶出し、何が残液に濃集するかを考えます。
【ア 分化が進んだ向き】
会話文に「この岩体が周縁部から中心部へと
順に固まった」とある
→ 結晶分化作用も
周縁部から中心部へ向かって進んだ
ア = 周縁部から中心部
【イ 周縁部に多い成分】
結晶分化作用では
先に晶出する … かんらん石・輝石
(Mg や Fe に富む)
残るマグマ … SiO₂ に富んでいく
先に固まった周縁部
→ 苦鉄質鉱物が多い
→ MgO の量が多い
あとから固まった中心部
→ SiO₂ の量が多い
イ = MgO
(問3で、地点A・C が黒っぽく
中心の地点B が白っぽいことと一致する)
よって ③
第3問 B 地質と気象(パンゲア・ヒマラヤ山脈と大気)
超大陸パンゲアの証拠、ヒマラヤの地層から出る化石、そしてチベット高原が大気に与える影響を確認します。問5は「時代が合っているか」で判断できる設問です。
問5:正解 ④(解答番号15/配点3)
<問題要旨>
現在離れている複数の大陸が、かつて超大陸パンゲアを形成していたという考えを支持することがらとして、適当でないものを選びます。
<考え方>
パンゲアが存在したのは古生代後期〜中生代前期です。証拠となるには、その時代までに存在していた生物や現象でなければなりません。
【パンゲアが存在した時代】 古生代ペルム紀 〜 中生代三畳紀ごろ (約3億〜2億年前) その後ジュラ紀以降に分裂 【選択肢の判定】 ① 石炭紀〜ペルム紀の氷河の痕跡の分布 南アメリカ・アフリカ・インド・ オーストラリア・南極に共通して分布し つなぎ合わせると1つの氷床になる ○ ② ペルム紀〜三畳紀の爬虫類の分布 メソサウルスやリストロサウルスが 海を越えた複数の大陸から見つかる ○ ③ 大陸の海岸線の形 南アメリカ東岸とアフリカ西岸が よく合う(ウェゲナーの出発点) ○ ④ 亜熱帯性被子植物の分布 被子植物が出現・繁栄したのは 中生代白亜紀以降で そのころパンゲアはすでに分裂していた → 支持する証拠にならない ←これ よって ④
問6:正解 ③(解答番号16/配点3)
<問題要旨>
ヒマラヤ山脈に分布するジュラ紀の地層から見つかる化石として、最も適当なものを選びます。
<考え方>
ジュラ紀は中生代です。選択肢の示準化石がそれぞれどの時代のものかを思い出せば決まります。
【選択肢の化石の時代】 ① アノマロカリス 古生代カンブリア紀 (バージェス動物群) × ② フズリナ(紡錘虫) 古生代 石炭紀〜ペルム紀 × ③ アンモナイト 中生代(三畳紀〜白亜紀) ジュラ紀に大いに栄えた ○ ④ カヘイ石(ヌンムリテス) 新生代 古第三紀 × 【背景】 ヒマラヤ山脈は、インド亜大陸と ユーラシア大陸の衝突で テチス海に堆積した地層が 押し上げられてできた → 海に住んでいたアンモナイトの化石が 高山から見つかる よって ③
問7:正解 ①(解答番号17/配点3)
<問題要旨>
地形が大気の運動に与える影響について、チベット高原の存在が偏西風の蛇行を ウ こと、夏季には東南アジア・南アジア陸域の地表付近に大規模な エ が形成されることの組合せを選びます。
<考え方>
大きな山塊が偏西風の流れをどうするかを考えます。エは「大陸が海洋より強く温まる」ことからの帰結で、暖まった空気は上昇します。
【ウ 偏西風の蛇行】 チベット高原は 平均標高4000 m を超える巨大な高原 偏西風はこれを避けて南北に分かれ 大きく蛇行する → 蛇行を 強める ウ = 強める 【エ 夏季の陸上の気圧】 夏は大陸が海洋より強く温まる → 地表付近の空気が暖められて上昇 → 地表の気圧が下がる → 大規模な 低気圧 が形成される (そこへ海洋から湿った空気が吹き込み 南西モンスーンとなって雨季をもたらす) エ = 低気圧 よって ①
第4問 A 500 hPa 等圧面天気図と地衡風
高層天気図の等高度線から気圧の尾根と谷を読み、地衡風の向きと強さを判断します。等高度線の間隔が狭いところほど風が強い、という関係が軸になります。
問1:正解 ③(解答番号18/配点3)
<問題要旨>
図1(ある日の 500 hPa の等圧面天気図)中の北緯40°線に沿って、地点 A〜D を含む範囲で 500 hPa 等圧面高度の東西分布のグラフを作成しました。最も適当なものを選びます。
<考え方>
等高度線が北へふくらんでいるところが気圧の尾根(高度が高い)、南へ垂れ下がっているところが気圧の谷(高度が低い)です。40°N の線をなぞって、尾根と谷がどこに来るかを追います。
【等高度線の読み取り】 図1で 南西(東経112°、北緯30°付近)に 5580 の閉曲線 → 高度が高い 北(東経137°、北緯50°付近)に 5340 の閉曲線 → 高度が低い(寒冷渦) 【北緯40°線に沿って見る】 地点A(東経110°付近) 尾根の西側の斜面 → 中くらい 地点B(東経128°付近) 等高度線が北へふくらんだ尾根 → 高度が 高い 地点C(東経140°付近) 5340 の低気圧の南側で 等高度線が南へ垂れ下がる谷 → 高度が 低い 地点D(東経145°付近) 谷の東側で、高度が急に上がる 【グラフの形】 中くらい → 高い → 低い → 急上昇 ① 単調増加 × ② A が高く B が低い × ③ B が山、C が谷、 そのあと急上昇 ○ ④ A の手前が谷で C が中くらい × よって ③
問2:正解 ⑧(解答番号19/配点4)
<問題要旨>
地衡風を仮定したとき、地点 A〜D の中で風速が最も速い地点と、そこで吹く風の南北風成分の組合せを選びます。
<考え方>
地衡風の速さは気圧傾度に比例するので、等高度線の間隔がいちばん狭いところが最も速くなります。風向は等高度線に平行で、北半球では高度の高いほうを右に見て吹きます。
【風速が最も速い地点】 地衡風では 等高度線の間隔が狭い = 気圧傾度が大きい = 風速が大きい 図1で等高度線が最も混んでいるのは 気圧の谷の東側にあたる 地点D 付近 → 風速が最も速いのは D 【D での風向】 北半球の地衡風は 高度の高いほうを右に見て吹く D は気圧の谷(C 付近)の東側 谷の東側では、南西から北東へ向かう流れ (南西風)になる → 南北方向の成分は 南風 (南から北へ向かう成分) 地点 = D 南北風成分 = 南風 よって ⑧
第4問 B 雲と雨の形成(断熱減率)
乾燥断熱減率と湿潤断熱減率の使い分けを確認する1問です。凝結の潜熱が「冷え方をゆるめる」ことを押さえていれば決まります。
問3:正解 ②(解答番号20/配点4)
<問題要旨>
空気塊が断熱的に上昇するとき、露点に達するまでは ア 断熱減率にしたがい、露点に達すると イ 断熱減率にしたがって温度が低下します。水蒸気の凝結の際に潜熱が放出されるので、湿潤断熱減率は乾燥断熱減率より温度低下の割合は ウ 、という文章の空欄を選びます。
<考え方>
「露点に達する前は水滴ができていない」ことがアの根拠です。ウは、潜熱が放出されると空気が温められるので、冷え方がどうなるかを考えます。
【ア 露点に達するまで】 まだ凝結が始まっていない → 乾燥断熱減率(約 1.0 ℃/100 m) ア = 乾燥 【イ 露点に達したあと】 水蒸気が凝結しはじめる → 湿潤断熱減率(約 0.5 ℃/100 m) イ = 湿潤 【ウ どちらが大きいか】 凝結のときに潜熱が放出される → 空気塊が内側から温められる → 上昇しても冷えにくくなる 湿潤断熱減率(約0.5)は 乾燥断熱減率(約1.0)より 温度低下の割合が 小さい ウ = 小さい よって ②
第4問 C 大気と海洋の大循環(降水量と蒸発量)
緯度ごとの降水量と蒸発量の差から、水蒸気がどこからどこへ運ばれるか、どこの海面の塩分が低いかを読み取ります。差の正負がそのまま答えにつながります。
問4:正解 ③(解答番号21/配点3)
<問題要旨>
図2(海面における年平均降水量と年平均蒸発量、その差の緯度別分布)から、大気のハドレー循環に伴って エ から オ に水蒸気が運ばれる、と考察できます。エ・オ の組合せを選びます。
<考え方>
ハドレー循環は、赤道付近で上昇し、亜熱帯で下降する循環です。地表付近では亜熱帯から赤道へ貿易風が吹き、その風が水蒸気を運びます。図2の差の正負とも一致するか確かめます。
【ハドレー循環の向き】 熱帯(赤道付近)… 上昇気流 亜熱帯(緯度20〜30°)… 下降気流 地表付近では 亜熱帯 → 熱帯 へ貿易風が吹く → 水蒸気は 亜熱帯 から 熱帯 へ運ばれる 【図2 でも確認できる】 差(降水量 − 蒸発量、点線) 亜熱帯(20〜40°)… 負 蒸発量 > 降水量 → 水蒸気を供給する側 熱帯(0〜20°)… 正 降水量 > 蒸発量 → 水蒸気を受け取る側 エ = 亜熱帯 オ = 熱帯 よって ③
問5:正解 ②(解答番号22/配点4)
<問題要旨>
図2から、カ の海面には キ とくらべて塩分の低い海水が分布している、と考察できます。カ・キ の組合せを選びます。
<考え方>
雨が多く蒸発が少ない海域では海水が薄まり、蒸発が多い海域では塩分が濃くなります。図2の点線が正の緯度帯と負の緯度帯を読み分けます。
【差の符号と塩分】 降水量 − 蒸発量 が 正(雨が多い) → 真水が加わり塩分が下がる 負(蒸発が多い) → 水だけが抜けて塩分が上がる 【図2 の点線】 中緯度帯(40〜60°)… 正 亜熱帯 (20〜40°)… 負 熱帯 (0〜20°)… 正 → 塩分が低いのは 熱帯 と 中緯度帯 → 塩分が高いのは 亜熱帯 カ = 熱帯と中緯度帯の両方 キ = 亜熱帯 (実際の海洋でも、表層塩分は 亜熱帯で最も高くなる) よって ②
第5問 A ケンタウルス座α星(光度・年周視差・ハビタブルゾーン)
太陽に最も近い恒星系を題材に、恒星の光度の公式と年周視差から距離を求める計算を確認します。問2はパーセクと光年の換算を覚えているかどうかで決まります。
問1:正解 ②(解答番号23/配点4)
<問題要旨>
恒星 A、B の表面温度をそれぞれ T_A、T_B とし、半径をそれぞれ R_A、R_B とするとき、恒星 A の光度 L_A と恒星 B の光度 L_B の比 L_A/L_B を計算する式として正しいものを選びます。
<考え方>
シュテファン・ボルツマンの法則を思い出します。単位面積から出る放射エネルギーが温度の4乗に比例し、それに表面積を掛けたものが光度です。
【シュテファン・ボルツマンの法則】 単位面積・単位時間あたりの放射 E = σT⁴ 【光度(全表面から出る放射)】 球の表面積 = 4πR² L = 4πR² × σT⁴ = 4πσ R² T⁴ → 光度は 半径の 2 乗 表面温度の 4 乗 に比例する 【比をとる】 L_A / L_B = (R_A² T_A⁴) / (R_B² T_B⁴) = (R_A/R_B)² × (T_A/T_B)⁴ 指数を取り違えた ① や 分母分子が逆の ③④ は誤り よって ②
問2:正解 ④(解答番号24/配点4)
<問題要旨>
恒星 C はプロキシマ・ケンタウリと呼ばれ、その年周視差は約 0.77″ です。地球から恒星 C までの距離として最も適当なものを選びます。
<考え方>
年周視差から距離を出す公式は「距離(パーセク)= 1 ÷ 年周視差(秒)」です。答えの単位が光年なので、パーセクから光年への換算(1 pc ≒ 3.26 光年)を最後に行います。
【年周視差と距離】 距離 d(パーセク) = 1 ÷ 年周視差 p(秒) p = 0.77″ d = 1 ÷ 0.77 = 1.30 パーセク 【光年に直す】 1 パーセク ≒ 3.26 光年 d = 1.30 × 3.26 = 4.2 光年 (プロキシマ・ケンタウリは 太陽に最も近い恒星として知られる) 【選択肢の注意】 ① 0.77 光年 … 視差の値をそのまま書いた誤り ② 1.3 光年 … パーセクのまま ③ 2.5 光年 ④ 4.2 光年 ○ よって ④
問3:正解 ④(解答番号25/配点3)
<問題要旨>
ハビタブルゾーンについて、惑星の表面温度は恒星からの放射による ア と、惑星表面からの放射による イ がつり合うような値になる、したがって恒星の光度が大きくなるほどハビタブルゾーンは ウ 、という文章の空欄を選びます。
<考え方>
恒星からの放射は惑星に入ってくるエネルギー、惑星表面からの放射は出ていくエネルギーです。光度が大きい恒星のまわりで同じ温度になるには、どのくらいの距離が必要かを考えます。
【ア・イ エネルギーの出入り】 恒星からの放射 惑星に届いて惑星を 加熱 する 惑星表面からの放射 宇宙空間へ逃げていき 惑星を 冷却 する この2つがつり合う温度が 惑星の表面温度になる ア = 加熱 イ = 冷却 【ウ 光度との関係】 恒星の光度が大きい → 同じ距離ならより強く加熱される → 液体の水が存在できる温度になるには もっと離れる必要がある → ハビタブルゾーンは 恒星から 遠くなる ウ = 恒星から遠くなる よって ④
第5問 B さまざまな銀河(星形成率と銀河の進化)
星形成率と恒星の総質量の散布図から、銀河が星をつくり始めてからの時間を推定します。問6は「割り算した結果が宇宙の年齢を超えてしまう」ことから、仮定のほうが誤っていたと結論づける流れです。
問4:正解 ②(解答番号26/配点3)
<問題要旨>
恒星のもとになる星間ガスや恒星の形成に関して述べた文として、最も適当なものを選びます。
<考え方>
星間ガスの主成分、密度の高い部分の呼び名、そして原始星の温度と観測される波長を順に確認します。核融合が始まる温度との比較が③の判定に効きます。
① 星間ガスの主成分は一酸化炭素である 主成分は水素(約7割)とヘリウム 一酸化炭素は分子雲を観測するときの 目印に使われる微量成分 × ② 星間ガスの密度が特に高い部分を分子雲という 水素が分子(H₂)として存在するほど 密度が高く低温な領域 ここから恒星が生まれる ○ ③ 原始星の中心部の温度は1億K以上である 水素の核融合が始まるのが約1000万K 原始星はまだそれ以前の段階で 中心温度は数百万K程度 × ④ 原始星は紫外線源として観測される 原始星は濃いガスや塵に包まれており 可視光や紫外線は外に出られない 赤外線源として観測される × よって ②
問5:正解 ①(解答番号27/配点3)
<問題要旨>
活動的な銀河に関して述べた文として、誤っているものを選びます。
<考え方>
セイファート銀河・電波銀河・クェーサーがそれぞれどんな天体かを整理します。とくにセイファート銀河がどの形の銀河に多いかがポイントです。
① セイファート銀河は、巨大な楕円銀河である
ことが多い
セイファート銀河は
中心核が非常に明るい活動銀河で
その多くは 渦巻銀河
→ 誤り ←これ
② 電波銀河のなかには、中心からジェットが
吹き出しているものがある
中心核から細く長いジェットが伸び
その先に電波を強く出す領域(ローブ)
ができる 正しい
③ クェーサーは、恒星状の小さな点源に見える
特に活動的な天体である
非常に遠方にありながら明るく
点状に見えることから名づけられた
正しい
④ 活動的な銀河の中心に巨大ブラックホールが
見つかっているものがある
周囲のガスが落ち込むときに
莫大なエネルギーを放つと考えられる
正しい
よって ①
問6:正解 ④(解答番号28/配点3)
<問題要旨>
図1の銀河 A では、恒星の総質量を星形成率で割ると、恒星が形成され始めたのは現在から約100億年前となります。それに対して銀河 B では約 エ 年前となり、宇宙の年齢である約138億年前よりも前になってしまいます。このことから、銀河 B の星形成率は一定ではなく、過去には オ かったことが予想されます。
<考え方>
図1から銀河 A と B の座標を読み、割り算します。A の値が100億年になることで読み方が正しいか確かめてから、B を同じ手順で計算します。
【図1 の読み取り】
銀河A
恒星の総質量 約 10¹¹ 太陽質量
星形成率 約 10 太陽質量/年
銀河B
恒星の総質量 約 10¹¹ 太陽質量
星形成率 約 0.1 太陽質量/年
【銀河A で読み方を確認】
10¹¹ ÷ 10 = 10¹⁰ 年
= 100 億年
問題文の値と一致 ✓
【銀河B の計算】
10¹¹ ÷ 0.1 = 10¹² 年
= 1 兆年
エ = 1兆
【オ 過去の星形成率】
1兆年は宇宙の年齢138億年をはるかに超える
→ 「星形成率が一定」という仮定が誤り
現在の低い星形成率がずっと続いたとすると
時間が足りなくなるので
過去にはもっと 高 かったはず
オ = 高
よって ④
※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

