2026年度 大学入学共通テスト 追試験「生物基礎」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。
解答
解説
2026年度 大学入学共通テスト 追試験の生物基礎は、大問3問・設問16問(解答番号は101〜117の17個)で構成されています。満点50点・全問必答・試験時間30分(理科基礎は4科目のうち2科目を選択して計60分)です。理科基礎は物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎が1冊にまとめられた100点満点の冊子なので、生物基礎の解答番号は101番から始まります。配点は第1問が17、第2問が18、第3問が15です。
第1問は「生物の特徴と、遺伝子とその働き」で、Aが細胞観察の会話文を入口にした真核細胞と原核細胞の判別・細菌がもたない構造・酵素による代謝経路の推論、Bが葉の細胞小器官がつくる物質・mRNAの塩基組成から求める2本鎖DNAのGC含量・標識ヌクレオチドを使ったDNA複製の実験です。第2問は「ヒトのからだの調節」で、Aが視床下部による恒常性の維持・瞳孔と自律神経・脳死の判定、Bが鼻血を題材にした体液と血液凝固・粘膜での免疫です。第3問は「植生の遷移と生態系」で、Aが遷移の進み方の正誤判断とギャップの大きさが苗木の成長に及ぼす影響の実験考察、Bが生態系の保全とクマの食性を示す帯グラフの読み取りです。
この回は3つの大問すべてがA・Bに分かれ、身近な観察や出来事を入口にした知識問題が多くを占めます。つまずきやすいのは、第1問問5でグアニンとシトシンの合計を問われているのにアデニンとチミンの合計である32 %を選んでしまう取り違え、第1問問6で「新しく合成された鎖はどちらの娘染色体にも必ず1本入る」ことを見落として片方の極だけが標識される図を選ぶ誤り、第2問問4・問5で血しょうと血清、血小板の集合とフィブリン形成の順序を混同する誤りです。第3問の図は目分量で選ぶと外れます。境界の高さを数値で読み、問われている区分に足し直してから記述に当てるのが確実です。
第1問 A 顕微鏡写真から真核細胞と原核細胞を見分け、酵素による代謝経路を推論する
ツカサさんとナオさんの細胞観察の会話を題材に、タマネギの表皮・イシクラゲ・口腔上皮の顕微鏡写真から真核細胞と原核細胞を判別し、細菌がもたない構造、酵素による連続反応の推論を扱う問1〜問3です。第1問全体の配点は17です。
問1:正解 ⑥(解答番号101/配点3)
<問題要旨>
酢酸オルセイン溶液で染色したタマネギの表皮(図1)、ネンジュモの一種であるイシクラゲ(図2)、口腔上皮(図3)の顕微鏡写真が示され、この3つが真核細胞と原核細胞のどちらかを組合せで選びます。図1は区画された細胞ごとに小さな濃染部が1つずつ、図2は球が数珠状につながって見える細胞の全体が染まっており、図3は細胞内に濃く染まった部分と、周囲にたくさんの粒が見えます。
<考え方>
判定の基準は「核膜で囲まれた核があるか」の一点だけです。図1のタマネギは各細胞の中央に濃く染まった核が1つずつ見えるので真核細胞。図2のイシクラゲはネンジュモの一種、つまりシアノバクテリア(細菌)で、細胞全体が均一に染まり局在する核が見えないので原核細胞。図3の口腔上皮も細胞内に濃く染まった核があるので真核細胞です。スケールバーもこの判断を支えます。図1は100 µm、図2と図3は10 µmの目盛りで、イシクラゲの1つの細胞が数 µmと小さいことが読み取れます。したがって真核細胞・原核細胞・真核細胞の組合せです。よって ⑥。
問2:正解 ③(解答番号102/配点3)
<問題要旨>
ⓐミトコンドリア、ⓑ細胞壁、ⓒ細胞膜、ⓓ核膜の4つの構造のうち、真核細胞はもつが細菌はもたないものの組合せを選びます。
<考え方>
原核生物である細菌は、細胞膜をもち、多くは細胞壁ももっています。一方で膜で囲まれた細胞小器官をもたないため、ミトコンドリアも核膜もありません。よってⓐミトコンドリアとⓓ核膜の組合せです。細胞壁を「植物細胞だけのもの」と思い込むとⓑを選んでしまいますが、細胞壁は細菌にもあるので分ける基準になりません。よって ③。
問3:正解 ④(解答番号103/配点3)
<問題要旨>
図4で、物質W→Xを酵素P、X→Yを酵素Q、Y→Zを酵素Rが進める一方向の代謝経路が与えられます。W〜Zのすべてを含む水溶液に酵素P・Q・Rのいずれか、またはその組合せを加えて一定時間反応させると、反応前に比べてWは減少、Yは増加、Zは増減しなかったという結果でした。加えた酵素の組合せを選びます。
<考え方>
各物質の増減は「自分をつくる反応」と「自分を壊す反応」のどちらが働いたかで決まるので、3つの結果を1つずつ条件に翻訳します。まずWが減少したのはW→Xが進んだためで、酵素Pを加えたことが確定します。次にZが増減しなかったのはY→Zが進んでいないということで、酵素Rは加えていません。最後にYが増加したのは、Yをつくる反応X→Yが進み、かつYを消費する反応Y→Zが進んでいないためで、酵素Qを加えたことになります。酵素PとQを加えてRを加えていない選択肢は1つだけです。よって ④。
第1問 B 葉の細胞小器官がつくる物質、mRNAの塩基組成から求めるDNAのGC含量、標識ヌクレオチドで追うDNAの分配
光合成と呼吸でつくられる物質の区別、mRNAの塩基組成から2本鎖DNAのGC含量を計算する問題、標識ヌクレオチドを使った実験の結果を予想する問題の3問(問4〜問6)です。
問4:正解 ②(解答番号104/配点2)
<問題要旨>
光合成を行っている葉について、「ミトコンドリアのみでつくられるもの」と「ミトコンドリアと葉緑体の両方でつくられるもの」の組合せを、二酸化炭素・酸素・ATPの中から選びます。
<考え方>
呼吸と光合成で、それぞれの細胞小器官が何を取り込み何を出すかを整理すれば決まります。呼吸(ミトコンドリア)は酸素と有機物を使って二酸化炭素と水を出し、ATPをつくります。光合成(葉緑体)は二酸化炭素と水を使って酸素と有機物をつくり、その過程でATPもつくります。したがって二酸化炭素はミトコンドリアのみ、酸素は葉緑体のみ、ATPは両方でつくられる物質です。「ミトコンドリアのみ=二酸化炭素/両方=ATP」の組合せになります。よって ②。
問5:正解 ⑥(解答番号105/配点3)
<問題要旨>
あるmRNAのアミノ酸配列を指定する領域(領域A)の塩基組成を調べると、ウラシルが20 %、アデニンが12 %含まれていました。この領域Aに対応する2本鎖DNAで、グアニンとシトシンを合わせた数が全塩基の何 %になるかを選びます。
<考え方>
mRNAはDNAの一方の鎖(鋳型鎖)を写したものなので、mRNAと同じ配列をもつもう一方の鎖では、ウラシルがチミンに置き換わるだけと考えられます。mRNAでウラシルとアデニンの合計が20+12 = 32 %なので、この鎖ではチミンとアデニンの合計が32 %、残りのグアニンとシトシンの合計は68 %です。相補鎖はアデニンとチミンが入れ替わるだけなので、こちらもアデニンとチミンの合計は32 %、グアニンとシトシンの合計は68 %。2本合わせても68 %のままです。問われているのはグアニンとシトシンの合計なので、アデニンとチミンの合計である32 %を選ばないよう注意します。
mRNA(領域A): U = 20 %,A = 12 %
mRNAと同じ配列をもつ鎖: T = 20 %,A = 12 %
→ G+C = 100 − (20+12) = 68 %
相補鎖: A = 20 %,T = 12 %
→ G+C = 100 − (20+12) = 68 %
2本鎖全体: G+C = (68+68) ÷ 2 = 68 %
よって ⑥
問6:正解 ⑤(解答番号106/配点3)
<問題要旨>
物質Eで標識されたヌクレオチドは細胞内に入り、通常のヌクレオチドと同じようにDNAの複製で使われるため、複製されたDNAを含む染色体では物質Eが検出されます。タマネギの根の先端部には約22時間で1回分裂する細胞が多数あり、根を標識ヌクレオチドを含む水溶液に22時間浸したあと、分裂期後期の細胞(図5のように染色体が両極へ分かれた状態)で物質Eの分布を観察します。予想される結果を、染色体の黒塗りの位置が異なる5つの模式図から選びます。
<考え方>
破ってはいけない性質を2つ挙げれば選択肢は1つに絞れます。1つ目は、細胞周期が約22時間なので、22時間の浸漬の間に各細胞はDNAの複製をちょうど1回行っており、その複製は標識ヌクレオチドがある状態で起こったということです。2つ目は、DNAの複製が半保存的であることです。もとの2本鎖がほどけて各鎖が鋳型になるので、できた2組の2本鎖DNAはどちらも新しく合成された鎖を1本ずつ含みます。この2点から、複製後のすべてのDNAが物質Eを含み、後期に両極へ分かれた染色体はどれも全長にわたって物質Eが検出されると予想できます。片方の極の染色体だけが標識される図は「新生鎖がどちらの娘染色体にも必ず1本入る」ことに反し、染色体の一部だけが標識される図は「複製が染色体全体で起こる」ことに反します。両極の染色体がすべて黒塗りになっている図が答えです。よって ⑤。
第2問 A 視床下部による調節、瞳孔を動かす二つの筋肉と自律神経、脳死の判定
自律神経系と内分泌系が協調して行う無意識の調節を題材に、視床下部が関わる仕組みの誤りを探す問題、瞳孔の大きさを変える筋肉と自律神経の対応、脳死に関する記述の判断を扱う問1〜問3です。第2問全体の配点は18です。
問1:正解 ②(解答番号107/配点3)
<問題要旨>
恒常性の維持に視床下部が関わる仕組みについて、4つの記述のうち誤っているものを選びます。甲状腺、心臓、副腎皮質、すい臓への働きかけがそれぞれ挙げられています。
<考え方>
視床下部からの経路は、「視床下部→脳下垂体前葉→内分泌腺→ホルモン」という内分泌の経路と、「視床下部→自律神経→器官」という神経の経路の2通りです。どちらの形で調節されているかで1つずつ切ります。①は甲状腺刺激ホルモンを介してチロキシンが分泌され代謝が活発になる経路、③は副腎皮質刺激ホルモンを介して糖質コルチコイドが分泌され血糖濃度が上がる経路、④は副交感神経を介してすい臓のランゲルハンス島B細胞からインスリンが分泌され血糖濃度が下がる経路で、いずれも実際にある仕組みです。一方、心拍数を調節するのは交感神経と副交感神経、および副腎髄質から分泌されるアドレナリンで、脳下垂体前葉のホルモンが血流で心臓へ運ばれて心拍数を調節するという経路はありません。よって ②。
問2:正解 ①(解答番号108/配点3)
<問題要旨>
図1には瞳孔と、それを取り囲む二つの筋肉が描かれています。筋肉Aは放射状に走る筋で、収縮すると中央の黒い部分(瞳孔)が大きくなります。筋肉Bは同心円状に走る筋で、収縮すると瞳孔が小さくなります。心拍数が上昇するときに働く自律神経系と、その神経が収縮させる筋肉の組合せを選びます。
<考え方>
先に図で「どちらの筋肉が瞳孔をどちら向きに変えるか」を確定させます。筋肉Aの収縮では黒い部分が拡大し、筋肉Bの収縮では縮小しているので、Aが瞳孔を広げる筋、Bが狭める筋です。次に心拍数が上昇するのは交感神経が働くときで、交感神経はからだを活動・興奮の状態にするため、瞳孔は拡大します。拡大させるのは筋肉Aですから、「交感神経が筋肉Aを収縮させる」の組合せになります。よって ①。
問3:正解 ③(解答番号109/配点3)
<問題要旨>
脳死の判定や脳死状態に関する4つの記述から、最も適当なものを選びます。脊髄の機能、人工呼吸下での回復の可否、臓器の機能、体温調節が問われています。
<考え方>
脳死は「脳幹を含む脳全体の機能が不可逆的に停止した状態」という定義に戻して判断します。①判定の対象は脳(脳幹を含む)の機能であり、脊髄の機能消失を確認するものではありません。脳死でも脊髄反射が残ることがあります。②不可逆的な停止なので、人工呼吸で呼吸を維持しても脳の機能は回復しません。④体温調節の中枢は視床下部にあるため、脳死状態では体温変化に応じた調節はできません。残る③は、人工呼吸などで呼吸と循環が保たれれば心臓など一部の臓器は機能を続けることがあるという内容で、正しい記述です。よって ③。
第2問 B 鼻血を題材に、組織液とリンパ、血液凝固で生じる塊、粘膜での免疫を追う
ボールが当たって出た鼻血が止まるまでの出来事を手がかりに、ヒトの血液と体液の性質、口内に流れてきた赤黒い塊の形成、粘膜と粘膜下の組織での免疫を問う問4〜問6です。
問4:正解 ⑤(解答番号110/配点3)
<問題要旨>
ヒトの血液や体液についての4つの記述ⓐ〜ⓓから、適当なものの組合せを選びます。毛細血管からしみ出た成分の呼び名と行き先、組織液が存在する場所、リンパ管を流れる体液に含まれる成分が問われています。
<考え方>
用語の定義で1つずつ切ります。ⓐ毛細血管からしみ出るのは血しょうです。血清は血液が凝固したあとに残る液体で、フィブリノーゲンなどの凝固に関わる成分が取り除かれたものなので、ⓐは誤りです。ⓒ組織液は細胞と細胞のあいだを満たす細胞外の液体で、細胞の内側にある液体(細胞内液)とは区別されるため、「細胞の内外に存在する」は誤りです。ⓑしみ出た血しょうの大部分は毛細血管に再吸収され、残りがリンパ管に入るので正しい。ⓓリンパ管を流れるリンパ液にはリンパ球などの白血球が含まれるので正しい。したがってⓑとⓓの組合せです。よって ⑤。
問5:正解 ③(解答番号111/配点3)
<問題要旨>
出血が止まったときに口内へ流れてきた「赤黒く柔らかい塊」がどのようにできたかを、5つの記述から選びます。
<考え方>
血液凝固の順序に戻ります。血管が傷つくと、まず血小板が傷口に集まって塊をつくり、続いて血しょう中のフィブリノーゲンがフィブリンという繊維状のタンパク質に変化し、この繊維が赤血球などの血球をからめて血餅をつくります。赤黒い色は絡め取られた赤血球によるものです。①白血球が集まったもの、②異物に抗体が結合したものは血餅ではありません。④はフィブリンの働きで血小板が集まるとしており、血小板の集合とフィブリンの形成の順序が逆です。⑤フィブリンが分解される線溶は、できた血餅を溶かして取り除く過程なので、形成の説明としては逆向きです。残る③が「血中の特定のタンパク質(フィブリノーゲン)からできた繊維が血球とからみあう」という正しい説明です。よって ③。
問6:正解 ⑦(解答番号112/配点3)
<問題要旨>
粘膜および粘膜下の組織における免疫について、マクロファージなどが病原体を排除するときの働き(ア)、炎症時に感染部位の毛細血管に起こる変化(イ)、樹状細胞が他の細胞に情報を伝えるために細胞表面に提示するもの(ウ)を空欄にした文章があり、入る語句の組合せを選びます。
<考え方>
3つの空欄はそれぞれ担い手が違うので、独立に決められます。アはマクロファージの働きで、食作用によって異物を取り込んで分解します。抗体を放出するのは体液性免疫で働く形質細胞なので、ここには入りません。イは炎症で、感染部位に血液や白血球を多く送り込むために毛細血管は拡張します(発赤や熱をともなうのはこのためです)。ウは樹状細胞の抗原提示で、取り込んで分解した病原体の断片を細胞表面に示してT細胞に伝えます。分解されていない病原体をそのまま提示するのではありません。「異物を取り込む・拡張する(緩む)・分解された病原体の断片」の組合せになります。よって ⑦。
第3問 A 遷移の進み方と、ギャップの大きさ・光量が苗木の成長を分ける実験
極相林に生じるギャップを題材に、植生の遷移の進み方についての正誤判断と、大小のギャップおよび林内に植えた2種の苗木の成長量と光量のグラフを突き合わせる考察を扱う問1・問2です。第3問全体の配点は15です。
問1:正解 ①(解答番号113/配点3)
<問題要旨>
植生の遷移に関する4つの記述から、最も適当なものを選びます。二次遷移の進む速さ、新たに生じた裸地から始まる遷移の種類、一次遷移の初期段階の栄養塩類、陽樹林から陰樹林への移り変わりの順序が問われています。
<考え方>
一次遷移と二次遷移を分けるのは「土壌と埋土種子が残っているか」です。①二次遷移では撹乱前の植生に由来する土壌と種子が残っているため、裸地から始まる一次遷移よりも遷移が速く進みます。これが正しい記述です。②植生が激しく破壊されて新たに裸地が生じ、そこにコケ植物や地衣類が侵入するのは一次遷移で、二次遷移ではありません。③一次遷移の初期は土壌が未発達で、窒素などの栄養塩類は乏しい状態です。④遷移の順序は草原→低木林→陽樹林→混交林→陰樹林であり、陽樹林が低木林を経て陰樹林になるとするのは前後が逆です。よって ①。
問2:正解 ③(解答番号114/配点4)
<問題要旨>
光に対する成長特性の異なる種A・種Bの苗木を、大ギャップと小ギャップそれぞれの中心付近と周縁部、および林冠が閉じた林内に春に植え、同じ年の秋に測った乾燥重量が図2に、同じ年の夏に苗木の上で測った光量が図3に示されます(いずれも林内の値を1とした相対値)。この結果を考察した文章の空欄ア〜ウに入る語句の組合せを選びます。
<考え方>
図2・図3の数値を並べて比べるのが最短です。種Aの中心付近は大ギャップで約9、小ギャップで約2.5、周縁部はそれぞれ約1.7と約1.5です。中心付近と周縁部の差は大ギャップでは約7、小ギャップでは約1しかないので、アは「大ギャップでより顕著」になります。次に種Bの中心付近は大ギャップで約2.1、小ギャップで約1.6で、林内の1からの増加は種A(約9、約2.5)に比べて明らかに小さいので、イは「小さい」です。最後に図3の光量は中心付近が大ギャップで約12、小ギャップで約6、林内が1で、光量が増えるほど種Aは成長量を大きく伸ばしますが、種Bはほとんど伸びません。強い光でよく成長するのは陽樹の特徴なので、ウは「陽樹」です。よって ③。
第3問 B 生態系の保全の正誤判断と、クマの糞から読み取る季節ごとの食性
生態系とその保全に関する記述から適当なものを2つ選ぶ問題と、知床半島に生息するクマの糞の内容物から推定された食物の割合のグラフを読み取る問題(問3・問4)です。
問3:正解 ③・⑥(解答番号115・116/配点2,2)(順序は問わない)
<問題要旨>
生態系やその保全に関する6つの記述から、適当なものを2つ選びます(解答の順序は問いません)。非生物的環境と生物の関係、食物網の上位の生物種、森林による土壌の保持、河川の撹乱からの回復、外来生物の定義、環境アセスメントが並んでいます。
<考え方>
「〜しない」「〜にかかわらず」といった言い切りには、反例を1つ当てれば落とせます。①生物は落葉や落枝による土壌の形成、蒸散による湿度の変化など、非生物的環境に働きかけています(環境形成作用)ので誤りです。②食物網の上位の生物種は個体数が少なくても、除かれると下位の種の構成が大きく変わることがあります(キーストーン種)ので誤りです。④撹乱が小規模であれば、時間の経過とともにもとの種構成へ復元するので、「規模にかかわらず戻らない」は誤りです。⑤外来生物は人間の活動によって本来の生息場所から別の地域へ持ち込まれた生物を指す語で、もとからその場所にいる生物が増えた場合には当てはまりません。残る③(森林があることで降水が土壌中に保持され、大雨による土壌の流出が起こりにくい)と⑥(大規模な開発の際に環境アセスメントを行って生態系への影響を評価する)が正しい記述です。よって ③・⑥。
問4:正解 ⑥(解答番号117/配点4)
<問題要旨>
図4は6月前半から10月後半までを2週間ごとに区切り、クマの糞の内容物から推定された食物の割合を、草本類・ハイマツの松かさ・ミズナラやブドウなどの果実類・昆虫類・哺乳類・サケ類(魚類)・その他に分類して帯グラフで示したものです。3つの記述ⓐ〜ⓒから、この図から考えられるものを過不足なく含む選択肢を選びます。
<考え方>
植物性(草本類・松かさ・果実類)と動物性(昆虫類・哺乳類・サケ類)の境界線の高さを時期ごとに読み取るのが出発点です。植物性の合計は7月前半で約69 %、7月後半で約56 %、8月前半で約64 %、8月後半で約72 %と、7月も8月も一貫して過半を占めます。したがってⓐの「8月前半から8月後半は動物性の食物の占める割合が多かった」は成り立ちません。ⓑは動物性の内訳の話です。昆虫類(無脊椎動物)は7月前半で約23 %、7月後半で約33 %、8月前半で約27 %を占め、同じ時期の哺乳類は数 %にとどまるので、この期間は無脊椎動物が多くなっています。9月前半以降は昆虫類がほぼ見られなくなり、代わってサケ類が約46 %、約46 %、約24 %、約13 %と動物性の大半を占めるので、脊椎動物が多いといえます。ⓑは正しい記述です。ⓒは栄養段階の話で、6月から10月のどの時期にも植物(生産者)と、昆虫類・哺乳類・サケ類のいずれか(消費者)が同時に含まれています。10月後半でも果実類が約85 %を占めるなかでサケ類が残っているので、ⓒも正しい記述です。ⓑとⓒの2つを過不足なく含む選択肢を選びます。なお、ⓑだけの②、ⓒだけの③は、選んだ記述そのものは正しく、ⓐを除く判断もできているのですが、もう一方の正しい記述を落としているために「過不足なく」の条件を満たしません。よって ⑥。
※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

