2023年度 大学入学共通テスト 本試験 化学 解答・解説

2023年度 大学入学共通テスト 本試験「化学」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。

目次
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解答

解説

2023年度(令和5年度)大学入学共通テスト 本試験「化学」の全問解説です。第1問から第5問まで各20点、合計100点で、すべて必答(選択問題はありません)。解答番号は1〜35です。第1問の CaS の結晶構造、第2問の過酸化水素の分解、第5問の紫外線吸収による濃度測定など、その場で与えられた条件を組み立てて答えを出す設問が並びます。各設問の見出しをタップすると、その問題の考え方と計算過程が開きます。まちがえた設問だけを選んで確認してください。

第1問 化学結合・コロイド・気体の凝縮・イオン結晶(CaS の単位格子)

小問4題で20点。問3は圧縮によって水蒸気が凝縮する量を気体の状態方程式で追う計算、問4は塩化ナトリウム型の結晶構造を、配位格子・メスシリンダーでの体積測定・イオン半径比の順に3問続けて掘り下げます。問4 c は断面の対角線上でイオンが接する条件を立式する、この年でも屈指の難問でした。

問1:正解 ③(配点3)

<問題要旨>
すべての化学結合が単結合からなる物質を、CH₃CHO・C₂H₂・Br₂・BaCl₂ から選びます。

<考え方>
構造式を書いて、二重結合・三重結合が含まれていないかを確認します。BaCl₂ は共有結合ではなくイオン結合である点にも注意します。

① CH₃CHO(アセトアルデヒド)
  CH₃−CHO の C=O は二重結合 ×

② C₂H₂(アセチレン)
  H−C≡C−H の C≡C は三重結合 ×

③ Br₂
  Br−Br の単結合のみ ○

④ BaCl₂
  Ba²⁺ と Cl⁻ のイオン結合
  そもそも共有結合ではない ×

よって ③
問2:正解 ⑥(配点3)

<問題要旨>
テングサを乾燥し熱湯で溶出させるとコロイド溶液が得られます。これを冷却すると (a) 流動性を失ったかたまりになり、さらに水分を除去すると (b) 乾燥した寒天ができます。(a)・(b) の状態を示す用語の組合せを選びます。

<考え方>
コロイドの状態を表す4つの用語を整理します。流動性があるかないか、分散媒が液体か気体か、水分が抜けているかどうかで区別できます。

【コロイドの状態を表す用語】
 ゾル
  流動性のあるコロイド
  (例:熱いゼラチン水溶液)

 ゲル
  流動性を失ったコロイド
  (例:ゼリー、寒天、こんにゃく)

 キセロゲル
  ゲルから水分を除いたもの
  (例:乾燥した寒天、シリカゲル、高野豆腐)

 エーロゾル(エアロゾル)
  気体中に液体や固体が分散
  (例:霧、煙)

【あてはめる】
 (a) 冷却して流動性を失ったかたまり
   → ゲル
 (b) 水分を除去した乾燥した寒天
   → キセロゲル

よって ⑥
問3:正解 ②(配点4)

<問題要旨>
分圧 3.0×10³ Pa の水蒸気を含む全圧 1.0×10⁵ Pa、300 K、体積 24.9 L の空気を、温度一定のまま体積 8.3 L まで圧縮しました。300 K の水の飽和蒸気圧は 3.6×10³ Pa です。圧縮後に生じた液体の水の物質量を求めます。

<考え方>
「はじめにあった水蒸気」から「圧縮後も気体のまま残った水蒸気」を引けば凝縮した分になります。どちらも気体の状態方程式で物質量に直します。圧縮後は凝縮が起きているので、水蒸気の分圧は飽和蒸気圧 3.6×10³ Pa です。

【はじめの水蒸気】
 P = 3.0×10³ Pa
 V = 24.9 L, T = 300 K

 n = PV / (RT)
  = 3.0×10³ × 24.9
    ÷ (8.3×10³ × 300)
  = 7.47×10⁴ / 2.49×10⁶
  = 0.030 mol

【圧縮後に気体で残る水蒸気】
 凝縮が起きているので分圧は飽和蒸気圧
 P = 3.6×10³ Pa
 V = 8.3 L, T = 300 K

 n = 3.6×10³ × 8.3
    ÷ (8.3×10³ × 300)
  = 2.988×10⁴ / 2.49×10⁶
  = 0.012 mol

【凝縮した水】
 0.030 − 0.012 = 0.018 mol

よって ②

※ 本試験では「全圧3.0×10⁵Pa」を
  削除する問題訂正が出ています。
  圧縮後は体積8.3Lだけを使います。
問4 a:正解 ア ②・イ ①(解答番号4・5/配点4)

<問題要旨>
CaS の結晶では Ca²⁺ と S²⁻ が図2のように配列し、配位数はいずれも ア、単位格子は両イオンが4個ずつ含まれる立方体です。隣り合う Ca²⁺ と S²⁻ は接していますが、同符号のイオンどうしは接していません。ア(配位数)と イ(単位格子の体積 V)を選びます。

<考え方>
「両イオンが4個ずつ含まれる立方体」は塩化ナトリウム型です。この構造では各イオンが上下・左右・前後の6方向で異符号のイオンと接しています。体積は「一辺の長さ」をイオン半径で表してから3乗します。

【ア 配位数】
 単位格子に Ca²⁺ 4個, S²⁻ 4個
 → 塩化ナトリウム(NaCl)型

 1個のイオンのまわりには
 上下・左右・前後の6方向に
 異符号のイオンが接している

 配位数 = 6 → ②

【イ 単位格子の体積】
 立方体の辺に沿って
 S²⁻ − Ca²⁺ − S²⁻ と並び
 隣り合うものどうしが接している

 辺の長さは
  (S²⁻ の半径)
  +(Ca²⁺ の直径)
  +(S²⁻ の半径)

 a = R_S + 2r_Ca + R_S
  = 2(R_S + r_Ca)

 体積
  V = a³ = {2(R_S + r_Ca)}³
    = 8(R_S + r_Ca)³ → ①

ア = ②, イ = ①
問4 b:正解 ②(解答番号6/配点3)

<問題要旨>
エタノール 40 mL を入れたメスシリンダーに CaS の結晶 40 g を加えたところ、溶けずに沈み、液面が 40 の目盛りから 55 の目盛りに移動しました。この結晶の単位格子の体積 V を求めます(アボガドロ定数 6.0×10²³/mol)。

<考え方>
液面の上昇分がそのまま結晶の体積です。その体積を「単位格子の個数」で割れば単位格子1個の体積になります。単位格子には CaS が4組(式量72の4つ分)含まれることを忘れないようにします。

【結晶の体積】
 55 − 40 = 15 mL = 15 cm³

【CaS の物質量】
 式量 72
 n = 40 / 72 = 0.556 mol

【単位格子の個数】
 単位格子には Ca²⁺ 4個, S²⁻ 4個
 → CaS 4組分

 単位格子の数
  = 0.556 × 6.0×10²³ ÷ 4
  = 3.33×10²³ ÷ 4
  = 8.33×10²² 個

【単位格子1個の体積】
 V = 15 ÷ 8.33×10²²
  = 1.80×10⁻²² cm³

よって ②
問4 c:正解 ウ ②・エ ①(解答番号7・8/配点3)

<問題要旨>
図2のような結晶構造では、大きい方のイオン半径を R、小さい方を r とすると、R が (√ウ + エ) r 以上になると単位格子の断面の対角線上で大きいイオンどうしが接し、この構造が不安定になります。ウ・エに当てはまる数字を求めます。

<考え方>
断面の正方形の一辺は 2(R + r) です。その対角線に沿って大きいイオンが3個並び、ちょうど接するときの対角線の長さが 4R になります。この等式を R/r について解きます。

【断面の正方形の一辺】
 辺の上では小さいイオンをはさんで
 大きいイオンが並ぶので

 a = 2(R + r)

【対角線の長さ】
 正方形の対角線 = √2 × 一辺

 対角線 = 2√2 (R + r)

【大きいイオンどうしが接する条件】
 対角線上には
  頂点の大きいイオン(半径 R)
  中心の大きいイオン(直径 2R)
  反対の頂点の大きいイオン(半径 R)

 ちょうど接するとき
  対角線 = R + 2R + R = 4R

【方程式を解く】
 2√2 (R + r) = 4R
 2√2 R + 2√2 r = 4R
 2√2 r = (4 − 2√2) R

 R / r = 2√2 / (4 − 2√2)
    = √2 / (2 − √2)

 分母を有理化
    = √2(2 + √2) ÷ {(2−√2)(2+√2)}
    = (2√2 + 2) / 2
    = √2 + 1

 R ≧ (√2 + 1) r で接する

 ウ = 2 → ②
 エ = 1 → ①

第2問 熱化学・電気分解・化学平衡・反応速度(H₂O₂ の分解)

小問4題で20点。問2は電解槽を2つ直列につないだ装置で、4本の電極それぞれの反応を判断させます。問4は過酸化水素の分解を表とグラフで追う探究型で、問4 c は「速度定数が2倍になったらグラフはどう変わるか」を、最終到達量が変わらないことと合わせて考える良問です。

問1:正解 ⑥(配点3)

<問題要旨>
CO₂ と NH₃ から尿素 (NH₂)₂CO が生成する熱化学方程式 CO₂(気) + 2NH₃(気) = (NH₂)₂CO(固) + H₂O(液) + Q kJ の反応熱 Q を求めます(生成熱は CO₂ 394、NH₃ 46、(NH₂)₂CO 333、H₂O 286 kJ/mol)。

<考え方>
反応熱 =(生成物の生成熱の和)−(反応物の生成熱の和)です。係数を掛け忘れないように注意します。

【公式】
 反応熱
  = Σ(生成物の生成熱)
   − Σ(反応物の生成熱)

【生成物側】
 (NH₂)₂CO(固) 333
 H₂O(液)    286
  合計 619 kJ

【反応物側】
 CO₂(気)  394
 NH₃(気)  46 × 2 = 92
  合計 486 kJ

【反応熱】
 Q = 619 − 486
  = 133 kJ

(正の値なので発熱反応)

よって ⑥
問2:正解 ③・④(解答番号10・11/配点4)

<問題要旨>
AgNO₃ 水溶液の電解槽 V に浸した2枚の白金電極(A、B)と、NaCl 水溶液の電解槽 W に浸した2本の炭素電極(C、D)を図1のように電源に接続して電気分解しました。結果に関する記述のうち、誤りを含むものを二つ選びます。

<考え方>
まず図1の配線から各電極が陽極か陰極かを決めます。電源の − 端子につながる側が陰極、+ 端子側が陽極で、直列なので中央の2本も向きが決まります。そのうえで各極の反応式を書きます。

【極の判定(図1の配線)】
 電源の − 端子 → 電極A
 電極B と 電極C を導線で接続
 電極D → 電源の + 端子

 A:陰極(電解槽V)
 B:陽極(電解槽V)
 C:陰極(電解槽W)
 D:陽極(電解槽W)

【各極の反応】
 A(陰極, AgNO₃)
  Ag⁺ + e⁻ → Ag  銀が析出

 B(陽極, 白金)
  2H₂O → O₂ + 4H⁺ + 4e⁻
  酸素が発生し H⁺ が増える

 C(陰極, NaCl)
  2H₂O + 2e⁻ → H₂ + 2OH⁻
  Na⁺ は還元されにくいので
  ナトリウムは析出しない

 D(陽極, 炭素)
  2Cl⁻ → Cl₂ + 2e⁻ 塩素が発生

【選択肢の判定】
① 電解槽Vの H⁺ 濃度が増加
  B で H⁺ が生じる  正しい
② 電極A に Ag が析出   正しい
③ 電極B で H₂ が発生
  B は陽極で O₂ 発生 誤り ←
④ 電極C に Na が析出
  実際は H₂ が発生   誤り ←
⑤ 電極D で Cl₂ が発生  正しい

よって ③ と ④
問3:正解 ④(解答番号12/配点4)

<問題要旨>
容積一定の容器 X で H₂ + I₂ ⇄ 2HI が温度 T で平衡に達し、H₂ 0.40 mol、I₂ 0.40 mol、HI 3.2 mol でした。次に X の半分の容積をもつ容器 Y に HI 1.0 mol だけを入れ、同じ温度 T に保って平衡に達したときの HI の物質量を求めます。

<考え方>
まず容器 X のデータから平衡定数 K を出します。この反応は左辺と右辺で気体の分子数が等しいので、K に体積が現れません。したがって容器 Y の容積が半分でも同じ K がそのまま使えます。

【容器Xから平衡定数】
 体積を V とすると
 K = [HI]² / ([H₂][I₂])
  = (3.2/V)² / {(0.40/V)(0.40/V)}
  = 3.2² / (0.40 × 0.40)
  = 10.24 / 0.16
  = 64

 (左辺2分子・右辺2分子なので
  V が約分され、K は体積によらない)

【容器Y】
 HI 1.0 mol だけを入れる
 HI が 2x mol 分解したとすると

  H₂ = x, I₂ = x
  HI = 1.0 − 2x

【平衡定数に代入】
 (1.0 − 2x)² / (x · x) = 64

 両辺の平方根をとって
  (1.0 − 2x) / x = 8
  1.0 − 2x = 8x
  10x = 1.0
  x = 0.10

【HI の物質量】
 HI = 1.0 − 2(0.10)
   = 0.80 mol

よって ④
問4 a:正解 ④(解答番号13/配点3)

<問題要旨>
H₂O₂ の水溶液中での分解反応に関する記述のうち、誤りを含むものを選びます。

<考え方>
MnO₂ が「触媒」であることの意味を確認します。触媒は反応の前後で変化せず、酸化数も元に戻ります。

① 少量の FeCl₃ 水溶液を加える
  Fe³⁺ も H₂O₂ 分解の触媒
  → 反応速度が大きくなる 正しい

② カタラーゼを加える
  肝臓などに含まれる酵素で
  H₂O₂ を分解する触媒 正しい

③ MnO₂ の有無にかかわらず
  温度を上げると反応速度は大きくなる
  触媒の有無に関係なく
  温度上昇は速度を上げる 正しい

④ MnO₂ を加えた場合、反応の前後で
  マンガン原子の酸化数が変化する

  MnO₂ は触媒であり
  反応の前後で変化しない
  (反応途中では変化しても
   最後は元の MnO₂ に戻る)
  → 誤り ←これ

よって ④
問4 b:正解 ⑥(解答番号14/配点3)

<問題要旨>
0.400 mol/L の過酸化水素水 10.0 mL に MnO₂ を加えて 20℃ で反応させ、発生した O₂ の物質量を測定しました(表1)。反応開始後 1.0 分から 2.0 分までの間における H₂O₂ の分解反応の平均反応速度を求めます。

<考え方>
表に載っているのは O₂ の物質量なので、反応式の係数を使って H₂O₂ の減少量に直します。さらに「速度=濃度の変化 ÷ 時間」なので、物質量を溶液の体積 10.0 mL で割ってモル濃度にします。

【この区間で発生した O₂】
 2.0 分 0.747×10⁻³ mol
 1.0 分 0.417×10⁻³ mol

 差 = 0.330×10⁻³ mol
  = 3.30×10⁻⁴ mol

【H₂O₂ の減少量】
 2H₂O₂ → 2H₂O + O₂
 O₂ 1 mol につき H₂O₂ 2 mol

 3.30×10⁻⁴ × 2 = 6.60×10⁻⁴ mol

【モル濃度の変化に直す】
 溶液 10.0 mL = 0.0100 L

 Δ[H₂O₂] = 6.60×10⁻⁴ / 0.0100
     = 6.60×10⁻² mol/L

【平均反応速度】
 v = 6.60×10⁻² ÷ (2.0 − 1.0)
  = 6.6×10⁻² mol/(L·min)

よって ⑥
問4 c:正解 ⑤(解答番号15/配点3)

<問題要旨>
図2の結果を得た実験と同じ濃度・同じ体積の過酸化水素水を、別の反応条件で反応させると反応速度定数が 2.0 倍になりました。このとき発生した O₂ の物質量の時間変化として最も適当なグラフを選びます。

<考え方>
ポイントは2つです。①最終的に発生する O₂ の総量は H₂O₂ の量だけで決まるので変わらない。②速度定数が2倍なので、もとのグラフを時間軸方向に 1/2 に縮めた形になる。この2つを満たす曲線を探します。

【最終的に発生する O₂】
 H₂O₂ = 0.400 × 0.0100
   = 4.00×10⁻³ mol

 2H₂O₂ → 2H₂O + O₂
 O₂ = 4.00×10⁻³ ÷ 2
  = 2.00×10⁻³ mol

 → どのグラフも最後は
  2.0×10⁻³ mol に近づくはず

(①は4.0、②は3.5、③は2.9、⑥は2.7
  まで増えており、この時点で除外)

【速度定数が2倍のとき】
 反応速度は濃度に比例する
 → もとの曲線を時間軸方向に
  半分に縮めた形になる

 もとの値(表1)
  2分 0.747 → 新しい 1分
  4分 1.22  → 新しい 2分
  6分 1.51  → 新しい 3分
  8分 1.69  → 新しい 4分
  10分 1.81 → 新しい 5分

【グラフと照合】
 ④は1分で約1.55と速すぎる
 ⑤は1分0.75、2分1.25、3分1.55
   4分1.75、5分1.85 と一致し
   2.0 に近づく ○

よって ⑤

第3問 無機物質(フッ化水素・金属イオンの系統分離・1族と2族の金属)

小問3題で20点。問2は操作の流れ図から2つの金属イオンを特定する系統分離の問題、問3は金属の質量と発生した水素の体積のグラフから原子量を逆算して元素を決めます。問3 b・c は元素分析の装置と量的関係を扱い、吸収管に入れる薬品の順番まで問われます。

問1:正解 ④(配点4)

<問題要旨>
フッ化水素 HF に関する記述のうち、誤りを含むものを選びます。

<考え方>
ハロゲンの酸化力の強さの順(F₂ > Cl₂ > Br₂ > I₂)を思い出します。酸化力の弱いものが強いものを追い出すことはできません。

① HF 水溶液(フッ化水素酸)は弱い酸性
  ハロゲン化水素酸のうち
  HF だけが弱酸       正しい

② Ag⁺ を加えても沈殿しない
  AgF は水に溶ける
  (AgCl, AgBr, AgI は沈殿)正しい

③ 他のハロゲン化水素より沸点が高い
  HF は分子間に水素結合をつくる
  HCl, HBr, HI より沸点が高い 正しい

④ I₂ と反応して F₂ を生じる

  酸化力は F₂ > Cl₂ > Br₂ > I₂
  酸化力の弱い I₂ が
  F⁻ を酸化して F₂ にすることはない

  むしろ逆に
  F₂ + 2I⁻ → 2F⁻ + I₂ が起こる
  → 誤り ←これ

よって ④
問2:正解 ③・⑤(解答番号17・18/配点4)

<問題要旨>
Ag⁺、Al³⁺、Cu²⁺、Fe³⁺、Zn²⁺ の硝酸塩のうち二つを含む水溶液 A に、図1の操作Ⅰ〜Ⅳを行いました。A に含まれる二つの金属イオンを選びます。

<考え方>
系統分離の定番の流れです。各操作で「沈殿が生じたか、生じなかったか」の両方が手がかりになります。沈殿しなかったという情報でイオンを除外していきます。

【操作Ⅰ 希塩酸 → 沈殿なし】
 Ag⁺ があれば AgCl が沈殿する
 → Ag⁺ はない  ① を除外

【操作Ⅱ 酸性で H₂S → 沈殿あり】
 酸性でも沈殿するのは
 イオン化傾向の小さい金属の硫化物
 この5つでは CuS だけ
 → Cu²⁺ がある  ③ 確定

【操作Ⅲ 煮沸・硝酸・過剰アンモニア水
     で弱塩基性 → 沈殿なし】
 Al³⁺ があれば Al(OH)₃ が沈殿
 Fe³⁺ があれば Fe(OH)₃ が沈殿
 → Al³⁺ も Fe³⁺ もない
     ② と ④ を除外

 一方 Zn²⁺ は過剰のアンモニア水で
  Zn²⁺ + 4NH₃ → [Zn(NH₃)₄]²⁺
 となり錯イオンで溶けたまま
 → 沈殿しないので矛盾しない

【操作Ⅳ 弱塩基性で H₂S → 沈殿あり】
 ZnS(白色)が沈殿
 → Zn²⁺ がある  ⑤ 確定

よって ③ と ⑤
問3 a:正解 X ⑤・Y ②(解答番号19・20/配点4)

<問題要旨>
金属 X、Y は Li・Na・K・Be・Mg・Ca のいずれかの単体です。X は希塩酸と反応して H₂ を発生し、Y は室温の水と反応して H₂ を発生します。図2の「金属の質量と発生した H₂ の体積」の関係から X と Y を決めます。

<考え方>
まず反応性で候補をしぼります。次にグラフの傾き(1 mg あたりに発生する H₂ の体積)から、金属 1 g あたりの H₂ の物質量を出し、価数を考えて原子量を逆算します。0℃・1.013×10⁵ Pa のモル体積は 22.4 L/mol です。

【反応性でしぼる】
 X:希塩酸とのみ反応
  → 水と反応しない 2族の Be, Mg
 Y:室温の水と反応
  → Li, Na, K, Ca

【モル体積】
 RT/P = 8.31×10³ × 273 ÷ 1.013×10⁵
   = 22.4 L/mol = 22400 mL/mol

【金属X の傾き】
 10 mg → 9.5 mL, 50 mg → 47.5 mL
 傾き ≒ 0.95 mL/mg = 950 mL/g

 2価金属 M + 2HCl → MCl₂ + H₂
  M 1 mol → H₂ 1 mol

 n(H₂) = 950 / 22400 = 0.0424 mol/g
 原子量 = 1 / 0.0424 ≒ 23.6

  Mg(24)と一致
  Be(9.0)なら 2489 mL/g で不一致
 → X = Mg → ⑤

【金属Y の傾き】
 20 mg → 10 mL, 50 mg → 25 mL
 傾き = 0.50 mL/mg = 500 mL/g

 1価金属 2M + 2H₂O → 2MOH + H₂
  M 1 mol → H₂ 0.5 mol

 各元素で計算すると
  Li(6.9) 1624 mL/g ×
  Na(23)  487 mL/g ○
  K (39)  287 mL/g ×
  Ca(40, 2価) 560 mL/g ×

 → Y = Na → ②

X = ⑤, Y = ②
問3 b:正解 ③(解答番号21/配点4)

<問題要旨>
MgO、Mg(OH)₂、MgCO₃ の混合物 A を乾燥した酸素中で加熱すると H₂O と CO₂ が発生し、後に MgO のみが残ります。図3の装置で発生した気体を吸収管 B と C で捕集するとき、B と C にそれぞれ1種類の気体のみを捕集するには何を入れればよいかを選びます。

<考え方>
塩化カルシウムは水だけを吸収し、ソーダ石灰は水も二酸化炭素も吸収します。したがって先に水だけを取り除いてから二酸化炭素を捕らえる順番になります。

【吸収剤の性質】
 塩化カルシウム CaCl₂
  H₂O を吸収する
  CO₂ は吸収しない

 ソーダ石灰(CaO + NaOH)
  CO₂ も H₂O も吸収する

 酸化銅(Ⅱ) CuO
  未燃焼の C や CO を
  完全燃焼させるための酸化剤
  吸収剤ではない

【順番を決める】
 気体は B → C の順に通る

 もし B にソーダ石灰を入れると
  H₂O と CO₂ の両方を吸ってしまい
  1種類ずつに分けられない ×

 B に塩化カルシウム
  → H₂O だけを捕集
 C にソーダ石灰
  → 残った CO₂ だけを捕集 ○

B = 塩化カルシウム
C = ソーダ石灰

よって ③
問3 c:正解 ④(解答番号22/配点4)

<問題要旨>
b の実験で混合物 A を加熱すると MgO のみが 2.00 g 残り、捕集された H₂O と CO₂ の質量はそれぞれ 0.18 g、0.22 g でした。加熱前の混合物 A に含まれていたマグネシウムのうち、MgO として存在していたものの物質量の割合を求めます。

<考え方>
H₂O は Mg(OH)₂ から、CO₂ は MgCO₃ からしか出てきません。それぞれの物質量がそのままもとの化合物の物質量になります。全 Mg から差し引けば、はじめから MgO だった分が求まります。

【残った MgO から全 Mg】
 MgO の式量 40
 n(Mg 全体) = 2.00 / 40
     = 0.0500 mol

【H₂O から Mg(OH)₂】
 Mg(OH)₂ → MgO + H₂O
 n(H₂O) = 0.18 / 18 = 0.010 mol
 → Mg(OH)₂ 0.010 mol

【CO₂ から MgCO₃】
 MgCO₃ → MgO + CO₂
 n(CO₂) = 0.22 / 44 = 0.0050 mol
 → MgCO₃ 0.0050 mol

【はじめから MgO だった分】
 0.0500 − 0.010 − 0.0050
  = 0.035 mol

【割合】
 0.035 / 0.0500 × 100
  = 70 %

よって ④

第4問 有機化合物(アルコールの条件推定・芳香族・高分子・トリグリセリド)

小問4題で20点。問4はトリグリセリドの構造決定を、水素の付加量・過マンガン酸カリウムによる検出・酵素による部分加水分解の3方向から詰めていきます。とくに問4 c は「X には鏡像異性体があり、Y にはない」という一文から、3本の脂肪酸がどの位置についているかを決める設問です。

問1:正解 ②(解答番号23/配点3)

<問題要旨>
「ア ヨードホルム反応を示さない」「イ 分子内脱水反応で生成したアルケンに臭素を付加させると、不斉炭素原子をもつ化合物が生成する」の両方を満たすアルコールを選びます。

<考え方>
まずアで CH₃CH(OH)− の形をもつものを外します。残った候補について、脱水してできるアルケンを書き、そこに Br₂ を付加させた生成物に不斉炭素原子があるかを確認します。

【条件ア ヨードホルム反応】
 示すのは CH₃CH(OH)− の構造

① CH₃−CH(OH)−CH₃(2-プロパノール)
  CH₃CH(OH)− をもつ → 示す ×
② CH₃CH₂CH₂OH(1-プロパノール)  ○
③ (CH₃)₃C−OH           ○
④ (CH₃)₂CH−CH₂OH        ○

【条件イ 脱水 → Br₂ 付加】

② 1-プロパノール
  脱水 → CH₂=CH−CH₃(プロペン)
  Br₂ 付加 → CH₂Br−CHBr−CH₃

  中央の炭素の結合相手は
   Br, CH₃, CH₂Br, H
  すべて異なる → 不斉炭素あり ○

③ (CH₃)₃C−OH
  脱水 → CH₂=C(CH₃)₂
  Br₂ 付加 → CH₂Br−CBr(CH₃)₂
  CH₃ が2個 → 不斉炭素なし ×

④ (CH₃)₂CH−CH₂OH
  脱水すると同じ CH₂=C(CH₃)₂
  → ③ と同じ生成物 → なし ×

よって ②
問2:正解 ②(解答番号24/配点4)

<問題要旨>
芳香族化合物に関する記述のうち、誤りを含むものを選びます。

<考え方>
アニリンは塩基性の物質です。酸に溶けるか、塩基に溶けるかを取り違えていないかを確認します。

① フタル酸を加熱すると分子内脱水
  → 無水フタル酸        正しい
  (となり合う2つの −COOH から
   H₂O がとれる)

② アニリンは NaOH 水溶液と塩酸の
  いずれにもよく溶ける

  アニリンは塩基性の物質
  塩酸には溶ける
   C₆H₅NH₂ + HCl
    → C₆H₅NH₃Cl(アニリン塩酸塩)
  NaOH 水溶液には溶けない
  → 誤り ←これ

③ ジクロロベンゼンの異性体
  オルト・メタ・パラの3種類 正しい

④ アセチルサリチル酸は FeCl₃ で
  呈色しない
  フェノール性 −OH が
  アセチル化されて残っていない 正しい

よって ②
問3:正解 ④(解答番号25/配点4)

<問題要旨>
高分子化合物の構造に関する記述のうち、誤りを含むものを選びます。

<考え方>
水素結合ができるのは、電気陰性度の大きい O・N・F に結合した H があるときです。分子式を見て、その条件を満たすかどうかを確認します。

① セルロース
  −OH を多数もち
  分子内・分子間に水素結合
  (だから繊維として丈夫)正しい

② DNA の二重らせん
  A−T、G−C が水素結合で
  塩基対をつくる     正しい

③ タンパク質の二次構造
  ペプチド結合の N−H と C=O の
  水素結合で α-ヘリックスや
  β-シートをつくる    正しい

④ ポリプロピレン
  −[CH₂−CH(CH₃)]−

  炭素と水素だけからなり
  O や N がないので
  水素結合はつくれない
  (はたらくのはファンデルワールス力)
  → 誤り ←これ

よって ④
問4 a:正解 ⓪ ② ⓪(解答番号26〜28/配点3)

<問題要旨>
トリグリセリド X(分子量 882)を触媒とともに水素と完全に反応させると、1分子の X には4個の C=C 結合があることがわかりました。44.1 g の X を用いると消費される水素は何 mol かを、小数第2位まで答えます。

<考え方>
C=C 結合1個に H₂ が1分子付加します。X の物質量を出して4倍するだけです。答えの形式が「□.□□」なので、0.20 のように 0 も答えることに注意します。

【X の物質量】
 分子量 882
 n = 44.1 / 882
  = 0.0500 mol

【消費される H₂】
 C=C 1個につき H₂ 1分子が付加
 1分子の X に C=C が4個

 n(H₂) = 0.0500 × 4
    = 0.200 mol

【解答の形式】
 0 . 2 0 mol

 26 → 0 → ⓪
 27 → 2 → ②
 28 → 0 → ⓪

よって 0.20 mol
問4 b:正解 ③(解答番号29/配点3)

<問題要旨>
X を完全に加水分解するとグリセリンと脂肪酸 A(炭素数18)、脂肪酸 B(炭素数18)のみが得られ、A と B の物質量比は 1:2 でした。A と B はいずれも硫酸酸性の過マンガン酸カリウム水溶液の赤紫色を消しました。脂肪酸 A の示性式を選びます。

<考え方>
「赤紫色が消えた」= A も B も C=C をもつ、という情報が決め手です。X 1分子には A が1個、B が2個ついているので、C=C の総数 4 を「A の C=C 数 + B の C=C 数 × 2」に分けて考えます。

【X の構成】
 A : B = 1 : 2 なので
 X 1分子には A が1個、B が2個

【C=C の数の内訳】
 A の C=C を a 個
 B の C=C を b 個 とすると

  a + 2b = 4

【どちらも赤紫色を消した】
 過マンガン酸イオンの色が消える
 → どちらも C=C をもつ
 → a ≧ 1, b ≧ 1

 a, b は整数なので
  b = 1 のとき a = 2 ○
  b = 2 なら a = 0 で不適

 → A は C=C を 2個もつ

【選択肢の確認(炭素数18)】
① C=C 0個(ステアリン酸)×
② C=C 1個(オレイン酸)  ×
③ C=C 2個(リノール酸)  ○
④ C=C 3個(リノレン酸)  ×
⑤ C=C 4個          ×

よって ③
(脂肪酸 B は C=C 1個のオレイン酸)
問4 c:正解 ④(解答番号30/配点3)

<問題要旨>
X をある酵素で部分的に加水分解すると、脂肪酸 A、脂肪酸 B、化合物 Y のみが物質量比 1:1:1 で生成しました。X には鏡像異性体があり、Y にはありません。図2の Y の構造式の ア・イ に当てはまる原子・原子団の組合せを選びます。

<考え方>
グリセリンの中央の炭素が不斉炭素になるのは、両端についているものが異なるときです。X が鏡像異性体をもつこと、Y がもたないことから、どこに A と B がついているかが決まります。

【X での配置】
 X には A が1個、B が2個

 中央の炭素(C2)が不斉炭素になるには
 両端(C1 と C3)が異なる必要がある

 もし B−A−B(C2 が A)なら
  両端はどちらも B で同じ
  → 不斉炭素にならない ×

 → A−B−B の配置
  C1 に A、C2 に B、C3 に B
  両端が A と B で異なる
  → 鏡像異性体をもつ ○

【Y の構造】
 Y は −OH が1つ残った図なので
 脂肪酸が1個だけ残っている

 Y に鏡像異性体がないためには
 中央の炭素の両端が同じである必要
 → 残っている脂肪酸は C2 の位置
 → C1, C3 はどちらも CH₂−OH

 よって ア(C1側)は H

【残っている脂肪酸】
 X で C2 についていたのは B
 → イ は C(=O)−R^B

ア = H
イ = C(=O)−R^B

よって ④

第5問 硫黄の化合物(H₂S・SO₂ の性質、ヨウ素滴定、紫外線吸収による濃度測定)

火山ガスに含まれる H₂S と SO₂ を題材にした総合問題で、20点。問2は逆滴定の形をとったヨウ素滴定、問3は初見の「ランベルト・ベールの法則」を問題文中の説明だけを頼りに使いこなす設定です。問3は与えられた式と表を素直に読めば解ける典型的な「その場で学ぶ」タイプの問題です。

問1 a:正解 ②(解答番号31/配点4)

<問題要旨>
H₂S と SO₂ の発生や反応に関する記述のうち、誤りを含むものを選びます。

<考え方>
弱酸の塩に強酸を加えると弱酸が遊離します。この原理が使えるのはどの塩かを考えます。硫酸ナトリウムがどんな酸の塩かに注目します。

① FeS + 希硫酸 → H₂S 発生
  FeS + H₂SO₄ → FeSO₄ + H₂S
  弱酸の塩+強酸で弱酸が遊離 正しい

② Na₂SO₄ + 希硫酸 → SO₂ 発生

  Na₂SO₄ は「強酸である硫酸」の塩
  希硫酸を加えても何も起こらない

  SO₂ を発生させるには
  亜硫酸ナトリウム Na₂SO₃ を使う
   Na₂SO₃ + H₂SO₄
    → Na₂SO₄ + H₂O + SO₂
  → 誤り ←これ

③ H₂S 水溶液に SO₂ → 単体の S
  2H₂S + SO₂ → 3S + 2H₂O
  (SO₂ が酸化剤としてはたらく)正しい

④ NaOH 水溶液に SO₂ → Na₂SO₃
  2NaOH + SO₂ → Na₂SO₃ + H₂O 正しい

よって ②
問1 b:正解 ①(解答番号32/配点4)

<問題要旨>
V₂O₅ を触媒として 2SO₂ + O₂ ⇄ 2SO₃(正反応は発熱)をピストン付きの密閉容器で行うとき、この反応に関する記述のうち下線部に誤りを含むものを選びます。

<考え方>
ルシャトリエの原理を使います。圧力を変えたときは「気体の分子数」、温度を変えたときは「発熱か吸熱か」で移動の向きが決まります。

【反応式の確認】
 2SO₂ + O₂ ⇄ 2SO₃
 左辺 3分子 → 右辺 2分子
 正反応は発熱

① 温度一定で圧力を減少させると
  平衡は右に移動する

  圧力を下げると
  分子数が増える向き(=左)に移動
  「右に移動」は 誤り ←これ

② 圧力一定で温度を上昇させると
  平衡は左に移動する

  温度を上げると吸熱の向き
  正反応が発熱なので逆反応(左)
           正しい

③ SO₂ の濃度を2倍にしたときの
  正反応の速度は反応式の係数から
  単純には導けない

  速度式の次数は実験で決まる
           正しい

④ 平衡状態では正反応と逆反応の
  速度が等しい     正しい

よって ①
問2:正解 ③(解答番号33/配点4)

<問題要旨>
窒素と H₂S からなる気体試料 A に含まれる H₂S を水に溶かし、0.127 g の I₂ を含む KI 水溶液を加えました。生じた沈殿を除いたろ液に 5.00×10⁻² mol/L の Na₂S₂O₃ 水溶液を全量で 5.00 mL 滴下したときに、デンプンによる青色が消えました。試料 A に含まれていた H₂S は 0℃・1.013×10⁵ Pa で何 mL かを求めます。

<考え方>
典型的な逆滴定です。加えた I₂ の一部が H₂S と反応し、余った I₂ をチオ硫酸ナトリウムで滴定しています。「はじめの I₂」−「余った I₂」=「H₂S と反応した I₂」で、これが H₂S の物質量に等しくなります。

【はじめに加えた I₂】
 分子量 254
 n = 0.127 / 254
  = 5.00×10⁻⁴ mol

【余った I₂(チオ硫酸で滴定)】
 I₂ + 2S₂O₃²⁻ → 2I⁻ + S₄O₆²⁻
  I₂ : S₂O₃²⁻ = 1 : 2

 n(S₂O₃²⁻)
  = 5.00×10⁻² × 5.00×10⁻³
  = 2.50×10⁻⁴ mol

 n(余った I₂) = 2.50×10⁻⁴ ÷ 2
     = 1.25×10⁻⁴ mol

【H₂S と反応した I₂】
 5.00×10⁻⁴ − 1.25×10⁻⁴
  = 3.75×10⁻⁴ mol

【H₂S の物質量】
 H₂S → 2H⁺ + S + 2e⁻
 I₂ + 2e⁻ → 2I⁻
  H₂S : I₂ = 1 : 1

 n(H₂S) = 3.75×10⁻⁴ mol

【0℃, 1.013×10⁵ Pa での体積】
 V = nRT / P
  = 3.75×10⁻⁴ × 8.31×10³ × 273
            ÷ 1.013×10⁵
  = 8.51×10² / 1.013×10⁵
  = 8.40×10⁻³ L
  = 8.40 mL

よって ③
問3 a:正解 ③(解答番号34/配点4)

<問題要旨>
長さ L の密閉容器に SO₂ を封入し、紫外線に対する透過率 T を測定すると、表1のように log₁₀T が SO₂ のモル濃度 c に比例しました。モル濃度が不明な気体試料 B で T = 0.80 だったとき、B に含まれる SO₂ のモル濃度を求めます(log₁₀2 = 0.30)。

<考え方>
まず T = 0.80 の log₁₀T を、与えられた log₁₀2 = 0.30 を使って計算します。次に表1から「濃度1単位あたりの log₁₀T」を求め、比例関係で濃度を逆算します。

【T = 0.80 の log をとる】
 log₁₀0.80
  = log₁₀(8/10)
  = log₁₀8 − log₁₀10
  = 3 log₁₀2 − 1
  = 3 × 0.30 − 1
  = 0.90 − 1
  = −0.10

【表1から比例定数】
 c = 10.0(×10⁻⁸ mol/L)のとき
  log₁₀T = −0.333

 1単位あたり
  −0.333 / 10.0 = −0.0333

(c = 2.0 で −0.067、c = 6.0 で −0.200
  と、たしかに比例している)

【濃度を逆算】
 −0.10 = −0.0333 × c
 c = 0.10 / 0.0333
  = 3.0

 → 3.0×10⁻⁸ mol/L

よって ③
問3 b:正解 ④(解答番号35/配点4)

<問題要旨>
a で用いたものと同じ密閉容器を二つ直列に並べて長さ 2L とし、それぞれに a と同じ条件で気体試料 B を封入して、同じ波長の紫外線を入射させたときの透過率 T を求めます。

<考え方>
「log₁₀T は c と L に比例する」という問題文がすべてです。長さが2倍なら log₁₀T も2倍になります。あるいは「容器を通るたびに 0.80 倍になる」と考えても同じ答えになります。

【比例関係から】
 log₁₀T は L に比例する

 長さ L のとき log₁₀T = −0.10
 長さ 2L なら
  log₁₀T = −0.10 × 2 = −0.20

 T = 10^(−0.20)
  = 10^(−0.10) × 10^(−0.10)
  = 0.80 × 0.80
  = 0.64

【別の見方】
 1つ目の容器で 0.80 倍
 2つ目の容器でさらに 0.80 倍

 T = 0.80 × 0.80 = 0.64

よって ④

※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

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