2017年度 大学入試センター試験 本試験 地学基礎 解答・解説

2017年度 大学入試センター試験 本試験「地学基礎」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。

目次
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解答

解説

2017年度 大学入試センター試験 本試験「地学基礎」の解答・解説です。第1問(17点)〜第4問(10点)がすべて必答で、50点満点。解答番号は 1 〜 15 の通し番号です。

設問ごとにアコーディオンを開くと、<問題要旨><考え方>と計算の流れが読めます。

第1問 A 地球の構造と歴史(外核・地震波の速度・微惑星の衝突)

地球内部の構造、地震波、地球の形成初期という3題。問2だけは大森公式を自分で組み立てる必要があります。

問1:正解 ⑥(配点3)

<問題要旨>
外核の状態とおもな構成元素の組合せとして最も適当なものを選ぶ。

<考え方>
S波が外核を通れないという事実から状態が決まります。

外核はS波(横波)が伝わらないことから液体であるとわかる(S波は固体しか伝わらない)。内核は固体。

核のおもな構成元素は鉄(ニッケルも含む)。ケイ素 Si やマグネシウム Mg は、マントルや地殻をつくるケイ酸塩鉱物の主要元素。

よって「液体・Fe」の組合せ。
問2:正解 ②(配点4)

<問題要旨>
図1は、ある地域で観測された地震の初期微動継続時間と震源距離の関係を示している。この地域において、震源距離 14 km の地点で地震発生から 2.5 秒後にP波が観測された。この地域のS波の速度として最も適当な数値を選ぶ。

<考え方>
まずP波の速度を出し、次に大森公式に図1の値を入れます。

P波の速度は
 V_P = 14 km ÷ 2.5 s = 5.6 km/s

図1より、震源距離 14 km に対応する初期微動継続時間は 2 秒。初期微動継続時間 T は、S波の到達時刻とP波の到達時刻の差だから
 T = d/V_S − d/V_P
 2 = 14/V_S − 14/5.6
 2 = 14/V_S − 2.5
 14/V_S = 4.5
 V_S = 3.1 km/s

約 3 km/s。
問3:正解 ①(配点3)

<問題要旨>
隕石や微惑星の衝突に関して述べた文として最も適当なものを選ぶ。

<考え方>
地球形成の順序(マグマオーシャン → 核とマントルの分離)を思い出します。

① 微惑星が次々に衝突したときの衝突エネルギーで地表がとけ、マグマオーシャンに覆われた。正しい。 ←

② 順序が逆。微惑星が集積して原始地球ができ、マグマオーシャンの中で重い金属が中心に沈んで核が、軽いケイ酸塩が外側に残ってマントルができた(核とマントルの分離)。
③ 微惑星に含まれていたガス成分から生じた原始大気の主成分は、水蒸気と二酸化炭素。酸素はまだほとんどなかった(酸素はのちにシアノバクテリアの光合成で増えた)。
④ 白亜紀末の大量絶滅は、メキシコのユカタン半島に落ちた巨大隕石の衝突が原因と考えられている。「関係がない」は誤り。

第1問 B 火成岩(斑状組織のでき方・造岩鉱物)

スケッチから組織を読み取り、火山岩か深成岩かを決めます。「大きな結晶が先、細かい結晶とガラスが後」という順序が要点です。

問4:正解 ③(配点4)

<問題要旨>
ある火成岩の薄片を偏光顕微鏡で観察すると図2のような組織であった(大きな斜長石や輝石の結晶と、細かい結晶やガラスからなる部分が見られる)。この組織のでき方について述べた文a・bと岩石名の組合せとして最も適当なものを選ぶ。
a 細かい結晶とガラスからなる岩石ができ、その後にいくつかの結晶が大きく成長した。
b 大きな結晶ができた後に、細かい結晶とガラスができた。

<考え方>
ガラスがある=急に冷えた、という手がかりから考えます。

図2は大きな結晶(斑晶)が、細かい結晶とガラスからなる部分(石基)に囲まれた斑状組織。

【組織のでき方】
地下深くでゆっくり冷える間に、まず一部の鉱物が大きな結晶(斑晶)に成長する。その後マグマが地表付近まで上昇して急激に冷えると、残りが細かい結晶とガラス(石基)になる。したがって b。
(a のように、いったんガラスになったものの中で結晶が大きく成長することはない。)

【岩石名】
斑状組織をもつのは火山岩。深成岩は等粒状組織でガラスを含まない。斜長石と輝石を主とする火山岩は安山岩。閃緑岩はその深成岩版なので不適。
問5:正解 ②(配点3)

<問題要旨>
火成岩またはその構成鉱物について述べた文として最も適当なものを選ぶ。

<考え方>
SiO₂ の量と、有色鉱物・無色鉱物の割合の関係を確認します。

① 玄武岩でも SiO₂ は 45〜52 % 程度あり、最も多い成分。FeO のほうが多いということはない。誤り。
② 斜長石は CaAl₂Si₂O₈ と NaAlSi₃O₈ が任意の割合で混じった鉱物で、Ca と Na を含む。正しい。 ←
③ 花こう岩は SiO₂ に富む felsic な岩石で、石英・カリ長石・斜長石といった無色鉱物が大半を占める。誤り。
④ 斑れい岩は有色鉱物(かんらん石・輝石)に富み、密度は約 3.0 g/cm³。花こう岩は約 2.7 g/cm³ なので、斑れい岩のほうが大きい。誤り。

第2問 A 地球温暖化(温室効果ガス・気温の経年変化・気温上昇率)

日本の年平均地上気温のグラフを題材にした3題。問3は「100年で約1.1 ℃」という直線の傾きを図から読み取れるかが鍵です。

問1:正解 ①(配点3)

<問題要旨>
水蒸気とメタンの二種類のガスを、温室効果ガスとそうでないものに分類した。この分類の組合せとして最も適当なものを選ぶ。

<考え方>
赤外線を吸収するかどうかで決まります。

温室効果ガスとは、地表から放射される赤外線を吸収して再放射する気体のこと。水蒸気、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンなどが該当する。

水蒸気は温室効果への寄与が最も大きい気体であり、メタンは分子あたりの温室効果が二酸化炭素より大きい強力な温室効果ガス。したがって両方とも温室効果ガス。

(窒素 N₂ や酸素 O₂ のような等核二原子分子は赤外線をほとんど吸収せず、温室効果ガスではない。)
問2:正解 ④(配点3)

<問題要旨>
次の文a・bの正誤の組合せとして最も適当なものを選ぶ。
a 20世紀を通して宇宙空間へ放射される地球放射が増え続けた結果、温暖化傾向となった。
b 温暖化が鈍った期間(I、II)は、代替エネルギー利用の促進や原子力発電所の増加により、地球大気中の二酸化炭素濃度が減少した。

<考え方>
a は因果が逆になっていないか、b はグラフや事実と合うかを確かめます。

a 温暖化は、温室効果ガスが増えて地球放射(赤外線)が宇宙へ逃げにくくなったために起こる。地球放射が増え続ければ、むしろ地球は冷える。因果が逆で誤り。
 (気温が上がれば地球放射も増えるが、それは温暖化の結果であって原因ではない。)

b 大気中の二酸化炭素濃度は20世紀を通じて一貫して増加しており、期間 I・II でも減少していない。気温上昇が鈍った時期があるのは、海洋への熱の取り込みや自然変動によるもの。誤り。

よって a・b とも誤り。
問3:正解 ①(配点3)

<問題要旨>
仮に2010年以降の気温上昇率が、図1の直線の傾きの2倍になるとすると、2060年には2010年よりも何度気温が上がると考えられるか。

<考え方>
まず図1の直線の傾き(100年あたり何 ℃ か)を読み取ります。

図1の直線(100年間の長期変化傾向)は、1900年ごろの約 −1.0 ℃ から 2010年ごろの約 +0.2 ℃ まで上がっている。110年でおよそ 1.2 ℃ だから、傾きは
 約 1.1 ℃ / 100年
(気象庁が示す日本の気温上昇率もこの値。)

その2倍の上昇率は 2.2 ℃ / 100年。2010年から2060年までは50年なので
 2.2 × 50/100 = 1.1 ℃

第2問 B 日本周辺の大気・海洋・災害(オホーツク海・自然災害)

深層循環がどこで始まるか、オホーツク海高気圧と冷夏の関係、そして日本の自然災害の基本を確認します。

問4:正解 ③(配点4)

<問題要旨>
オホーツク海とその上空の大気と海洋に関して述べた次の文a・bの正誤の組合せとして最も適当なものを選ぶ。
a 冬のオホーツク海では、冷やされた海水が深部に沈み込み、地球規模の深層循環(深層水の大循環)が駆動される。
b 夏にオホーツク海上で高気圧の勢力が強くなると、東日本や北日本の太平洋側で冷夏になりやすい。

<考え方>
深層循環の「出発点」がどこかを正確に押さえているかが問われています。

a 地球規模の深層循環で海水が沈み込むのは、北大西洋のグリーンランド沖と、南極大陸周辺(ウェッデル海など)の2か所。オホーツク海でも冷たく重い水はできるが、それは中層にとどまり、地球規模の深層循環を駆動するわけではない。誤り。

b 夏にオホーツク海高気圧が発達すると、冷たく湿った北東風(やませ)が吹きつけ、東北地方の太平洋側を中心に日照不足と低温をもたらす。冷害の原因として知られる。正しい。
問5:正解 ②(配点3)

<問題要旨>
日本の自然環境と災害を引き起こす自然現象について述べた文として最も適当なものを選ぶ。

<考え方>
それぞれの現象の原因とハザードマップの役割を確認します。

① 海溝型の巨大地震は、沈み込むプレートに引きずり込まれた大陸プレートがはね返ることで周期的に起こる。プルームの上昇によるものではない。誤り。
② 梅雨前線が停滞すると、暖かく湿った空気が流れ込み続け、同じ場所で積乱雲が次々に発生して集中豪雨になりやすい。正しい。 ←
③ ハザードマップは、噴火が起きたときに被害が及ぶ範囲や避難経路を示すもの。噴火の年月を予測して示すものではない。誤り。
④ 液状化は、地下水位が高く、粒のそろった砂が緩く堆積したやわらかい地盤(埋立地や旧河道など)で起こりやすい。誤り。

第3問 太陽と太陽系の惑星(太陽の表面と外層・光が届く時間)

太陽の各層の写真を見分ける問題と、天文単位を使ったごく素直な計算です。

問1:正解 ②(配点3)

<問題要旨>
太陽の表面と外層の構造に関する写真の説明文として誤っているものを選ぶ(粒状斑/黒点/プロミネンス/コロナ)。

<考え方>
黒点がなぜ黒く見えるのかを確認します。

① 米粒状の模様は粒状斑で、太陽内部の対流によってできる(明るい部分が上昇流、暗い境目が下降流)。正しい。
② 黒点は、強い磁場によって対流が妨げられ、周囲(約 6000 K)より温度が低い(約 4000 K)ために暗く見える。「温度が高いため」は誤り。 ←
③ 光球の外側にガスが噴き出した巨大な構造はプロミネンス(紅炎)。正しい。
④ 彩層のさらに外側に広がる 100万 K 以上の希薄な高温ガスがコロナ。皆既日食のときに観察できる。正しい。
問2:正解 ③(配点4)

<問題要旨>
海王星から太陽までの距離は約30天文単位である。太陽の光が海王星に届くまでには、およそ何時間かかるか。ただし地球から太陽までの平均距離は1億5000万 km、光速度は30万 km/s とする。

<考え方>
天文単位を km に直し、光速で割って、最後に秒を時間に直します。

距離を km に直す。
 30 × 1.5 × 10⁸ = 4.5 × 10⁹ km

光が進むのにかかる時間は
 4.5 × 10⁹ ÷ (3.0 × 10⁵) = 1.5 × 10⁴ 秒

時間に直すと
 1.5 × 10⁴ ÷ 3600 = 4.2 時間

約 4 時間。
(太陽から地球までは 1.5 × 10⁸ ÷ 3.0 × 10⁵ = 500 秒 ≒ 8分20秒。その30倍と考えても同じ。)

第4問 宇宙からの光と地球・生命の歴史(天体までの距離と時間・地質断面図)

「見えている光は昔の光」という考え方で、天体までの距離と地球史を並べます。最後は地質断面図から断層の種類と不整合の時期を読み取ります。

問1:正解 ①(配点3)

<問題要旨>
会話文中および表1中の[ア]・[イ]に入れる語句の組合せを選ぶ。[ア]は約1500年前に放たれた光が届く天体、[イ]は約3万年前の地球の事象で、当時マンモスが生息していた。

<考え方>
「◯年前の光」=「◯光年の距離」と読みかえます。

[ア]1500年前に放たれた光ということは、地球から約 1500 光年の距離にある天体。オリオン大星雲までの距離が約 1500 光年でこれに当たる。大マゼラン雲は約 16 万光年なので合わない。

[イ]3万年前は第四紀の更新世末期で、最終氷期(最後の氷期)のただ中。マンモスが生息していたことと合う。全球凍結(スノーボールアース)は原生代など、はるかに古い時代の出来事。
問2:正解 ④(配点3)

<問題要旨>
表1中の[ウ]・[エ]に入れる語と数値の組合せを選ぶ。[ウ]は約5億年前の「生物の爆発的進化」の時代に生息していた生物、[エ]は「地球の誕生」の年代である。

<考え方>
示準化石の年代と、地球誕生の年代という基本知識です。

[ウ]約5億年前は古生代カンブリア紀からオルドビス紀にあたり、カンブリア爆発とよばれる生物の爆発的進化が起こった時期。この時代の代表的な生物は三葉虫。デスモスチルスは新第三紀(中新世)の哺乳類で、年代が合わない。

[エ]地球の誕生は約 46 億年前。38 億年前は、現在知られている最古の岩石や、生命の誕生が推定される年代。表では「宇宙背景放射」が約 137 億年前(宇宙の誕生)とされていることとも整合する。
問3:正解 ①(配点4)

<問題要旨>
図1に、地球のある地点における地質断面を示す。泥岩からは恐竜の化石が、砂岩からはビカリアの化石がそれぞれ産出している。断層の種類と不整合の形成時期の組合せとして最も適当なものを選ぶ。ただし断層は横ずれ断層ではなく上下方向にのみ動いたものとする。

<考え方>
断層は「上盤がどちらか」と「どちらがずり下がったか」で決まります。不整合の時期は化石で決まります。

【断層の種類】
図1の断層面は、下ほど左、上ほど右に位置している。つまり断層面は左に傾いており、その上側にあたる左の岩体が上盤、右の岩体が下盤。

泥岩と石灰岩の境界(整合面)の高さを比べると
 左(上盤)… 低い
 右(下盤)… 高い
すなわち上盤がずり下がっている。上盤が下がる断層は正断層(引っぱりの力でできる)。

【不整合の形成時期】
断層は泥岩と石灰岩を切っているが、上の砂岩は切っていない。したがって「泥岩の堆積 → 断層 → 侵食(不整合面) → 砂岩の堆積」の順。

泥岩は恐竜の化石を含むので中生代、砂岩はビカリアの化石を含むので新第三紀。不整合はこの間に形成されたので新第三紀。石炭紀(古生代)は泥岩や石灰岩よりさらに古く、あり得ない。

※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

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