2017年度 大学入試センター試験 本試験「倫理・政治経済」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。
解答
解説
2017年度(平成29年度)センター試験本試験「倫理,政治・経済」の全問題について、当サイトが独自に作成した解答・解説です。第1問から第6問まで、大問ごとに設問を折りたたんで掲載しています。知りたい設問をクリックしてご覧ください。
全6問・37問構成で、第1問〜第3問が倫理分野(50点)、第4問〜第6問が政治・経済分野(50点)です。この年度は、出題された37問すべてが同じ日に実施された「倫理」および「政治・経済」の設問と共通でした。第1問〜第3問は「倫理」から、第4問〜第6問は「政治・経済」から、それぞれ設問が抜き出されています(一部の設問は配点のみ異なります)。
そのため、本記事の解説は2017年度 倫理 解答・解説および2017年度 政治・経済 解答・解説と同じ内容になります。他の設問も解いてみたい方は、あわせてご覧ください。
第1問 芸術とテクノロジーをめぐる会話(配点14)
大学生AとBが芸術作品とテクノロジーの関係を語り合う会話文を題材に、青年期の心理、大衆社会論、資料読解が問われます。「倫理」の第1問と同じ会話文から5問が採録されています。
問1:正解 ⑧(配点3)
<問題要旨>
ア〜ウの作品と作者の組合せを選ぶ問題。
<考え方>
ア=「春(プリマヴェーラ)」「ヴィーナスの誕生」はルネサンス期のボッティチェリ。イ=水墨画を大成した日本の画僧といえば雪舟。ウ=スペイン内戦の惨禍を描いた「ゲルニカ」はピカソ。三つとも教科書レベルの定番で、⑧が選べます。
問2:正解 ④(配点2)
<問題要旨>
防衛機制のうち「逃避」の具体例を選ぶ問題。
<考え方>
逃避とは、困難な場面から離れることで不安を避けようとする働きで、空想への逃避・病気への逃避などが典型例です。試験が近づくと本当に体調を崩してしまうといった「病気への逃避」が該当します。合理化・反動形成・昇華など他の機制との区別を確認しておきましょう。
問3:正解 ③(配点3)
<問題要旨>
インターネットの利用目的を年齢層別に示したグラフを読み取る問題。
<考え方>
資料読み取りの典型です。③は「40歳以上でもアの利用率がすべて50%を超えている」という趣旨で、グラフと合致します。①は50〜59歳でイとウの大小関係が逆、②は60歳以上で差が縮まるとする点がグラフと合わず、④は30〜39歳でウが52.5%、イの2倍が53.2%となり「2倍以上」が成り立ちません。数値を一つずつ当たれば確実に絞れます。
問4:正解 ③(配点3)
<問題要旨>
大衆社会・民主主義をめぐる思想家についての問題。
<考え方>
『アメリカのデモクラシー』でアメリカ社会を観察し、平等化の進展が「多数者の専制」を生む危険を指摘したのはトクヴィルです。リースマン(他人指向型)、オルテガ(大衆の反逆)など、隣接する大衆社会論とセットで整理しておくと迷いません。
問5:正解 ⑥(配点3)
<問題要旨>
空欄a〜cに入る語句の組合せを選ぶ問題。
<考え方>
a=キルケゴールが理想とした主体的なあり方は「単独者」。b=フロムが『自由からの逃走』で分析したのは「権威主義」的性格。c=ホイジンガが人間の本質としたのは「遊び(ホモ・ルーデンス)」。三つの人名と概念の対応を覚えていれば⑥に決まります。
第2問 外来思想の受容と日本の思想(配点18)
仏教伝来から近代の西洋思想受容までをたどる日本思想の大問です。本文は「倫理」の第3問と共通で、設問は「倫理」の第2問・第3問から7問が選ばれています。
問1:正解 ③(配点3)
<問題要旨>
古代インドで展開された思想についての問題。
<考え方>
③のとおり、業(カルマ)の善悪に応じて次の生が決まるという輪廻の考え方はウパニシャッド哲学で説かれました。①はアートマンを捨てるとする点が誤りで、正しくはアートマンとブラフマンの一体(梵我一如)です。②の六師外道は仏典の側からの呼称であり、バラモン教が用いた批判の語ではありません。④はバラモン教を唯一神信仰とする点が誤りです。
問2:正解 ⑦(配点3)
<問題要旨>
鎌倉仏教の人物についてのア〜ウの正誤の組合せを選ぶ問題。
<考え方>
ア=法然は身分や能力にかかわらず、ただ念仏を称える専修念仏を説きました。唱え方を分けたわけではないので誤り。イ=公案を用いるのは臨済宗であり、道元は只管打坐を説いたので誤り。ウ=栄西は『興禅護国論』で、禅が国家の安寧にも役立つと説いており正しい記述です。よって⑦。
問3:正解 ②(配点2)
<問題要旨>
朱子学に関わりのある江戸時代の思想家についての問題。
<考え方>
②の山崎闇斎は、朱子学の「敬」を修養の中心に据え、君臣関係の絶対性を強調して垂加神道を唱えました。正しい記述です。①は「時・処・位に応じた道徳的実践」が中江藤樹の主張であり、藤原惺窩の説明としては不適当。③の貝原益軒は本草学者で、朝鮮語研究に尽力した人物ではありません。④の佐久間象山は「東洋道徳、西洋芸術」を唱え、西洋から取り入れるべきは技術としています。
問4:正解 ①(配点2)
<問題要旨>
儒家の家族観について、適当でないものを選ぶ問題。
<考え方>
孔子は祖先を祀る祭祀儀礼を重んじ、礼の実践として位置づけました。これを「批判し」たとする①が誤りで、これが答えです。②の孝悌が仁の根本であること、③の五倫における「父子の親」、④の朱子学における「斉家」は、いずれも正しい記述です。
問5:正解 ①(配点3)
<問題要旨>
古典を基に日本固有の精神を探究した国学者についての問題。
<考え方>
①の契沖は、古典を原典に即して実証的に読解する方法で『万葉集』を研究し、注釈書『万葉代匠記』を著しました。正しい記述です。②の荷田春満は心学の方法によったわけではなく、③の本居宣長は「もののあはれ」を抑制するどころか、ありのままの感情を肯定しました。④は平田篤胤の説明として、記述の内容が安藤昌益の自然世・法世論に寄っており不適当です。
問6:正解 ④(配点3)
<問題要旨>
柳宗悦についての問題。
<考え方>
無名の職人がつくった日常の生活用品に、実用に根ざした美しさを見いだし、これを「民芸」と名づけて民芸運動を展開したのが柳宗悦です。①は折口信夫の「まれびと」、②は伊波普猷の沖縄学、③は九鬼周造の『「いき」の構造』にあたります。近代日本の文化論は人名と概念をセットで整理しておきましょう。
問7:正解 ①(配点2)
<問題要旨>
本文の趣旨に合致する記述を選ぶ問題。
<考え方>
本文は、日本の先人が外来の思想を受け入れるだけでなく、再解釈や批判的検討を通じて、他国とも共有し得る成果を生み出してきたと述べています。①がその趣旨です。③は「日本固有の思想を見いだしてきた」とする点が、他国とも共有し得るという本文の力点と食い違い、④は「外来思想の普遍性を称賛」とする点が本文にありません。
第3問 自然の探究と人間の探究(配点18)
「文系と理系は独立したものか」という問いから、近代以降の西洋思想が自然の研究と切り離せない形で人間を考えてきたことをたどります。本文は「倫理」の第4問と共通で、設問は「倫理」の第2問・第4問から7問が選ばれています。
問1:正解 ②(配点3)
<問題要旨>
古代ギリシア・ローマの哲学者についての問題。
<考え方>
②のパルメニデスは、論理的思考から「あるものはある」と説き、生成消滅や変化を見かけだけの現象としました。正しい記述です。①はヘラクレイトスがロゴスによる調和的秩序を認めた点を否定しており誤り。③はプラトンがイデアを理性によって知りうるとした点に反します。④の原子論はデモクリトスの説で、マルクス・アウレリウスはストア派の哲人皇帝です。
問2:正解 ①(配点2)
<問題要旨>
モンテーニュの思想についての問題。
<考え方>
モンテーニュは『エセー』で「ク・セ・ジュ(私は何を知っているか)」と自らに問い、独断を退けて謙虚に自己を吟味する態度を説きました。①が正解です。②はヒューム、③はパスカルの「気晴らし(ディヴェルティスマン)」、④はピコ・デラ・ミランドラの人間の尊厳論に関わる記述です。
問3:正解 ①(配点3)
<問題要旨>
不平等を問題にした思想家ア〜ウの組合せを選ぶ問題。
<考え方>
ア=貨幣も私有財産もない理想社会を描いた『ユートピア』の著者トマス・モア。イ=「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」はボーヴォワール『第二の性』。ウ=格差原理と「公正としての正義」はロールズ。三つとも代表的なキーワードなので、①を確実に選びたいところです。
問4:正解 ②(配点2)
<問題要旨>
アウグスティヌスの神と教会についての理解を問う問題。
<考え方>
アウグスティヌスは、人間は原罪を負っており、自らの力ではなく神の恩寵によってのみ救われると説きました。また『神の国』では、地上の国と神の国を対比し、教会を神の国へ至る道を媒介するものと位置づけています。②がこの二点を押さえています。
問5:正解 ⑥(配点3)
<問題要旨>
デューイについての空欄補充問題。
<考え方>
a=知性を、問題解決のための道具とみなす立場が「道具主義」。b=環境との相互作用の中で問題を解決し未来を展望する能力をデューイは「創造的知性」と呼びました。c=教育改革思想を展開した主著は『民主主義と教育』です。したがって⑥。『幼児期と社会』はエリクソンの著作なので混同しないようにしましょう。
問6:正解 ②(配点3)
<問題要旨>
現象学者の考えについての問題。
<考え方>
フッサールは、実在すると素朴に信じられているものも私たちの意識との関わりにおいて存在するとし、判断を停止(エポケー)したうえで意識に現れる現象をありのままに記述しようとしました。②が正解です。①はハイデガー、③はサルトルやカミュの不条理の思想に近く、④はフッサールが学問の絶対的確実性を否定したとする点が誤りです。
問7:正解 ③(配点2)
<問題要旨>
本文の趣旨に合致する記述を選ぶ問題。
<考え方>
本文は、近代以降の西洋の思想家が自然の探究を活かして人間の精神や社会を考えてきたことを述べ、文系・理系の区別を自明視せず、自然と切り離せない存在として人間を探究すべきだと結んでいます。③がその趣旨です。①は「自然科学を模範として再編する」、②は「文系・理系の区分を設定し直す」、④は「時代に左右されない人間の本質論」と、いずれも本文の結論とずれています。
第4問 民法をめぐる政治・経済(配点22)
民法の成り立ちと変遷を題材に、市場のしくみ、経済循環、各国の議会、日本国憲法の制定過程、国会、国富の推移、消費者問題を問う大問です。本文・設問とも「政治・経済」の第1問と共通で、8問が採録されています。
問1:正解 ④(配点2)
<問題要旨>
本文中の空欄ア・イに当てはまる語句の組合せを選ぶ問題。
<考え方>
ア=民法は私人間の財産関係・家族関係を規律する「私法」の代表的な法律です。社会法は労働法や社会保障法など、私法を修正して弱者を保護する分野を指します。イ=本文は民法の制定経緯や戦後改正を追ってきたので、「歴史的な背景や社会のあり方」に注意を払うという結びが自然です。よって④。
問2:正解 ③(配点2)
<問題要旨>
市場についての記述を選ぶ問題。
<考え方>
③のとおり、贅沢品は価格が上がれば買い控えができるため需要の価格弾力性が大きく、生活必需品は価格が変わっても需要量が変わりにくいため弾力性が小さくなります。①完全競争市場は情報の完全性を前提とするので「情報の非対称性がある」は誤り。②単一企業による供給は独占であり、寡占は少数の企業による供給です。④労働市場では家計が労働力の供給者、企業が需要者なので、求職者数は供給量、求人数は需要量となり記述が逆です。
問3:正解 ⑤(配点3)
<問題要旨>
家計・企業・政府の経済循環図の空欄A〜Cを埋める問題。
<考え方>
家計と企業から政府へ向かう矢印がA。これは租税・社会保険料です。家計から企業へ向かう矢印がBで、労働力・土地と並ぶことから資本(資金)。政府から家計・企業へ向かう矢印がCで、社会保障給付や公共サービスと並ぶことから社会資本です。矢印の向きと、同じ枠に並記された項目を手がかりにすれば確実に決まります。よって⑤。
問4:正解 ①(配点3)
<問題要旨>
各国の議院と本会議場の特徴との組合せを選ぶ問題。
<考え方>
ア=「協賛のための機関」「外見的立憲主義」は大日本帝国憲法下の帝国議会を指すので、日本の衆議院(A)。イ=与党と野党が向かい合い、その前に踏み越えてはいけない線(ソードライン)があるのはイギリス下院(B)。ウ=人権宣言が採択された頃の議席の左右が左翼・右翼の語源になったのはフランス(C)。よって①。
問5:正解 ④(配点3)
<問題要旨>
日本国憲法の制定過程や基本原理についての問題。
<考え方>
④のとおり、天皇は国政に関する権能をもたず、内閣の助言と承認により国事行為を行います(憲法4条・7条)。①は基本的人権が「法律の範囲内」で保障されるとする点が、大日本帝国憲法の法律の留保にあたるので誤り。②は民定憲法の意味を取り違えており、民定憲法とは国民が定める憲法のことです。③は、松本案がGHQに拒否され、マッカーサー草案をもとにした政府案を帝国議会が修正して成立した経緯と食い違います。
問6:正解 ①(配点3)
<問題要旨>
国会についての記述を選ぶ問題。
<考え方>
①のとおり、衆議院で内閣不信任決議案が可決された場合、内閣は10日以内に衆議院を解散するか総辞職しなければなりません(憲法69条)。②公聴会は総予算や重要な歳入法案では義務ですが、法律案一般では任意です。③弾劾裁判の対象は裁判官であって国務大臣ではありません。④憲法審査会は憲法改正原案などを審査する機関で、違憲審査は裁判所の権限です。
問7:正解 ②(配点3)
<問題要旨>
国富とその構成項目の推移を示したグラフの読み取り問題。
<考え方>
1980年代後半から1990年にかけて国富が急増していますが、その時期に最も大きく伸びているのは有形非生産資産(土地)です。地価高騰というバブル経済の特徴とも合致するので②が正解。①は世界金融危機(2008年)後の国富が1990年のピークを下回っているので誤り。③はバブル崩壊後も有形固定資産がほぼ横ばい〜微増なので誤り。④はプラザ合意(1985年)当時、有形非生産資産の方が有形固定資産より大きいので誤りです。
問8:正解 ③(配点3)
<問題要旨>
消費者問題についての記述を選ぶ問題。
<考え方>
③のクーリングオフは特定商取引法に定められた制度で、正しい記述です。①の食品安全委員会は食品安全基本法により設置されました。②の総量規制は2010年の改正貸金業法で導入されたもので、撤廃されていません。④のグリーン購入法が調達を義務づけているのは国や独立行政法人などであり、消費者には努力義務です。
第5問 民主政治と政治参加(配点14)
市民革命から現代の民主化運動までをたどりつつ、自由権、憲法改正手続、政治意識の世論調査、地方自治を問います。本文・設問とも「政治・経済」の第3問と共通で、5問が採録されています。
問1:正解 ④(配点2)
<問題要旨>
本文中の空欄ア・イに当てはまる語句の組合せを選ぶ問題。
<考え方>
ア=開発独裁は、民主主義よりも経済発展を優先する体制です。イ=2010年末から中東・北アフリカに広がった反独裁の民主化運動は「アラブの春」。プラハの春は1968年のチェコスロバキアの改革運動なので時期が合いません。よって④。
問2:正解 ④(配点3)
<問題要旨>
日本における自由権の保障をめぐる問題。
<考え方>
④のとおり、表現の自由も名誉権やプライバシー権など他人の権利との関係で制約を受けることがあります。①三菱樹脂事件で最高裁は、憲法の人権規定は私人間に直接適用されないとし、企業の採用の自由を認めました。②経済活動の自由は公共の福祉による積極的な規制に服します。③津地鎮祭訴訟で最高裁は、地鎮祭を宗教的活動にあたらないとして合憲と判断しました。
問3:正解 ③(配点3)
<問題要旨>
憲法改正手続についての問題。
<考え方>
③のとおり、改正の承認には国民投票で過半数の賛成が必要です(憲法96条)。①の国民投票法(日本国憲法の改正手続に関する法律)は2007年制定で、憲法と同時ではありません。②の投票年齢は施行時から4年後に満18歳以上とされ、現在は18歳以上です。④の発議に必要なのは各議院の総議員の3分の2以上の賛成です。
問4:正解 ②(配点3)
<問題要旨>
選挙やデモが政治に「影響を及ぼしている」と答えた人の割合の推移を読み取る問題。
<考え方>
出来事の年を特定し、その後の最初の調査と前回の調査を比べます。②の郵政民営化が争点となった選挙は2005年なので、2008年(47.7%)と2003年(40.8%)を比較して増加、正解です。①の小選挙区比例代表並立制での最初の総選挙は1996年なので1998年(40.7%)と1993年(49.9%)で減少。③の消費税導入は1989年なので1993年(28.4%)と1988年(30.5%)で減少。④のロッキード事件は1976年なので1978年(42.8%)と1973年(46.9%)で減少です。
問5:正解 ④(配点3)
<問題要旨>
日本の地方自治の制度についての問題。
<考え方>
④のとおり、1982年の山形県金山町をはじめ、国の情報公開法(1999年制定)より早く情報公開条例を定めた自治体があります。①の首長は議会の議決に対して再議に付す権限(拒否権)をもちます。②の永住外国人が投票した住民投票の事例は実際にあります。③の事務の監査請求は監査委員に対して行うもので、請求先が誤りです。
第6問 貨幣と通貨制度(配点14)
貨幣の機能から金融、物価、財政、ヨーロッパの通貨統合、市場均衡までを問う経済分野の大問です。本文・設問とも「政治・経済」の第4問と共通で、5問が採録されています。
問1:正解 ①(配点2)
<問題要旨>
金融についての記述を選ぶ問題。
<考え方>
①のとおり、日本の家計の金融資産では現金・預金が5割前後を占めて最大です。②は間接金融から直接金融への移行が語られるので、記述が逆です。③のノンバンクは預金業務を行わず、貸出しのみを行う金融機関です。④の信用創造は、銀行が受け入れた預金の一部を貸し出し、それが預金として戻る過程を繰り返すことで預金通貨が何倍にも増えることをいいます。
問2:正解 ③(配点3)
<問題要旨>
物価変動についての記述を選ぶ問題。
<考え方>
③のとおり、コスト・プッシュ・インフレーションは原材料費や賃金など生産費用の上昇によって生じます。①のスタグフレーションは不況(停滞)とインフレーションの同時進行です。②のデフレスパイラルは、デフレと不況が相互に作用して悪循環に陥る現象です。④のディマンド・プル・インフレーションは需要が供給を上回ることで生じるので、記述が逆になっています。
問3:正解 ②(配点3)
<問題要旨>
国の一般会計の歳出・歳入の推移を示した表の読み取り問題。
<考え方>
基礎的財政収支は「(歳入−公債金)−(歳出−公債費)」で計算します。1990年度は(66−6)−(66−14)=60−52で+8兆円の黒字なので②が正解。2000年度は(85−33)−(85−22)=52−63=−11兆円で赤字なので③は誤り。公債依存度は公債金÷歳入で、1980年度が14÷43=約32.6%、2010年度が44÷92=約47.8%なので①・④とも20%以下ではありません。計算式を覚えていれば確実に取れます。
問4:正解 ②(配点3)
<問題要旨>
ヨーロッパの地域統合と共通通貨をめぐる出来事を古い順に並べ、3番目を選ぶ問題。
<考え方>
A=EEC発足が1958年、D=EU発足(マーストリヒト条約発効)が1993年、B=欧州中央銀行の設立が1998年、C=ユーロ紙幣・硬貨の流通開始が2002年です。したがってA→D→B→Cの順となり、3番目はBの②です。ユーロは1999年に決済用として導入され、現金の流通は2002年からという二段階だった点も押さえましょう。
問5:正解 ④(配点3)
<問題要旨>
需要曲線・供給曲線の均衡点がAからBへ移動した要因を選ぶ問題。
<考え方>
Bの位置はAより価格が低く、数量が多くなっています。これは需要曲線が動かないまま供給曲線が右へシフトした結果です。供給を増やす要因は生産技術の向上なので④が正解。①・②は需要曲線を右へシフトさせるので価格・数量ともに上昇し、③の増税は供給曲線を左へシフトさせて価格上昇・数量減少となります。どの曲線がどちらへ動くかを図に描いて確認する習慣が有効です。
※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

