解答
解説
2024年度 大学入学共通テスト 本試験「数学Ⅱ・数学B」の全設問について、正解と考え方を解説します。第1問・第2問は必答、第3問〜第5問は2問を選択して解答します(計4問・100点)。各設問の見出しをタップすると解説が開きます。
第1問 〔1〕 対数関数(グラフと領域)
底 k を動かしたときの y = logkx と y = log2kx のグラフを比べ、後半では logxy を x を変数とみなすという視点の転換が求められます。「底の変換公式で書き直す」「指数の形に戻す」の2つが通しの武器になります。
ア:正解 ③(配点1)
<問題要旨>
y = log3x のグラフが点 (27, ア) を通ることから、log327 を求める設問です。
<考え方>
27 を 3 の累乗で表します。
27 = 3³ log₃27 = log₃3³ = 3
ア=③。
イ,ウ:正解 ①, ⓪(配点1)
<問題要旨>
y = log2(x/5) のグラフが点 (イウ, 1) を通るときの x を求める設問です。
<考え方>
y = 1 を代入して、対数の定義どおり指数の形に戻します。
log₂(x/5) = 1 x/5 = 2¹ = 2 x = 10
イウ=10、すなわち イ=①、ウ=⓪。
エ,オ:正解 ①, ⓪(配点2)
<問題要旨>
y = logkx のグラフが k の値によらず通る定点を求める設問です。
<考え方>
「k によらない」ということは、底が何であっても同じ値になるところを探すという意味です。対数の性質 logk1 = 0 がそれにあたります。
どんな底 k についても k⁰ = 1 なので log_k 1 = 0 よって定点は (1, 0)
エ=①、オ=⓪。
カ:正解 ⓪(配点3)
<問題要旨>
k = 2, 3, 4 のときの y = logkx のグラフの概形を選ぶ設問です。
<考え方>
2つの特徴で選択肢をふるいにかけます。(1)どれも定点 (1, 0) を通る、(2)x > 1 では底が小さいほど値が大きい。
底の変換公式より log_k x = (log x) / (log k) x > 1 のとき log x > 0 で、log k は k が大きいほど大きい。 → 分母が大きいほど値は小さい → k = 2 が最も上、k = 4 が最も下
3本が (1, 0) で交わり、右側で k = 2 が最上位にある図は⓪です。カ=⓪。
キ:正解 ⑤(配点3)
<問題要旨>
同じ k = 2, 3, 4 で、y = log2kx のグラフの概形を選ぶ設問です。
<考え方>
底はすべて 2 で固定されている点がカとの決定的な違いです。積の対数を分解します。
log₂(kx) = log₂k + log₂x つまり y = log₂x を 上へ log₂k だけ平行移動したもの。 k = 2 → +1 k = 3 → +log₂3 ≒ +1.58 k = 4 → +2
3本は平行に上下へずれるだけで、決して交わりません。k = 4 が最上位、k = 2 が最下位です。これは⑤。キ=⑤。
※ カとキの違いは「底が動く/真数が動く」です。カは1点で交わり、キは交わらない。ここを取り違えると2問まとめて失点します。
ク:正解 ②(配点2)
<問題要旨>
方程式 logxy = 2 の表す図形を選ぶ設問です。
<考え方>
対数の定義に戻して、指数の形に直すだけです。
log_x y = 2 ⟺ y = x² (x > 0, x ≠ 1, y > 0)
放物線 y = x² の図は②です。ク=②。
※ 条件 x ≠ 1 があるので、実際には (1, 1) だけが抜けた放物線です。
ケ:正解 ②(配点3)
<問題要旨>
不等式 0 < logxy < 1 の表す領域を選ぶ設問です。第1問前半の山場です。
<考え方>
底 x が 1 より大きいか小さいかで不等号の向きが変わるので、必ず場合分けします。
■ x > 1 のとき(log_x は増加)
log_x y > 0 ⟺ y > x⁰ = 1
log_x y < 1 ⟺ y < x¹ = x
→ 1 < y < x
■ 0 < x < 1 のとき(log_x は減少)
log_x y > 0 ⟺ y < 1
log_x y < 1 ⟺ y > x
→ x < y < 1
つまり、直線 y = x と直線 y = 1 にはさまれた部分が、x > 1 側と 0 < x < 1 側の両方に現れます。これは②です。ケ=②。
※ 「x > 1 の側だけ」を選ぶと誤りです。0 < x < 1 の細い三角形の部分を落とさないでください。
第1問 〔2〕 整式の割り算(余りが定数になる条件)
2次式 S(x) で整式 P(x) を割ったときの余りが定数になる条件を、S(x) = 0 の2解 α,β を使って言い換えていく設問です。P(x) = S(x)T(x) + U(x) に α,β を代入するという一手が、最後まで効き続けます。
コ,サ,シ:正解 −, ②, ③(配点2)
<問題要旨>
S(x) = x² + 4x + 7 について、S(x) = 0 の解を求める設問です。
<考え方>
解の公式を使います。判別式が負なので虚数解になります。
x = (−4 ± √(16 − 28)) / 2
= (−4 ± √(−12)) / 2
= (−4 ± 2√3 i) / 2
= −2 ± √3 i
コサ=−2、シ=3、すなわち コ=−、サ=②、シ=③。
ス,セ:正解 ②, ①(配点2)
<問題要旨>
P(x) = 2x³ + 7x² + 10x + 5 を S(x) = x² + 4x + 7 で割った商 T(x) を求める設問です。
<考え方>
素直に筆算で割ります。
2x − 1
┌────────────────────
x²+4x+7 │ 2x³ + 7x² + 10x + 5
│ 2x³ + 8x² + 14x
├────────────────────
│ − x² − 4x + 5
│ − x² − 4x − 7
├────────────────────
│ 12
商は T(x) = 2x − 1。問題の形 <ス>x − <セ> と比べて ス=②、セ=①。
ソ,タ:正解 ①, ②(配点1)
<問題要旨>
同じ割り算の余り U(x) を答える設問です。
<考え方>
スセの筆算の最後に残った数がそのまま答えです。
U(x) = 12
ソタ=12、すなわち ソ=①、タ=②。(この場合、余りは x を含まない定数になっています。)
チ:正解 ③(配点3)
<問題要旨>
「余りが定数 k である」という仮定から何が導かれるかを、論理の向きも含めて選ぶ設問です。
<考え方>
選択肢の違いは「何を根拠に何を導いたか」だけです。事実の正しさではなく、矢印の向きを見比べます。
余りが定数 k という仮定から
P(x) = S(x)T(x) + k … (あ)
また α, β は S(x) = 0 の解だから
S(α) = S(β) = 0 … (い)
(あ) に x = α, β を代入すると
P(α) = 0 × T(α) + k = k
P(β) = 0 × T(β) + k = k
つまり (あ) と (い) の両方を根拠にして P(α) = P(β) = k が導かれる、という順序です。これは③。チ=③。
※ ②は「S(α)=S(β)=0 から P(x)=S(x)T(x)+k が導かれる」としていますが、この式は割り算の仮定から出るもので、解の性質から出るものではありません。ここが引っかけです。
ツ:正解 ①(配点1)
<問題要旨>
余りが定数になるとき成り立つ関係式を選ぶ設問です。
<考え方>
チで導いた P(α) = P(β) = k から、k を消した形を読み取ります。
P(α) = k かつ P(β) = k → P(α) = P(β)
ツ=①。
テ,ト:正解 ①, ①(配点2)
<問題要旨>
今度は逆向き、「P(α) = P(β) ならば余りは定数」を示す流れです。P(x) の表し方と、α,β を代入した結果を選びます。
<考え方>
S(x) が2次式なので、余りは1次以下、すなわち U(x) = mx + n とおけます。
P(x) = S(x)T(x) + mx + n → テ = ①
x = α を代入(S(α) = 0 より)
P(α) = 0 × T(α) + mα + n = mα + n
x = β を代入
P(β) = mβ + n → ト = ①
テ=①、ト=①。
ナ:正解 ③(配点1)
<問題要旨>
P(α) = P(β) と α ≠ β から、m と n について何が言えるかを選ぶ設問です。
<考え方>
テトで得た2式を等号で結び、整理します。
mα + n = mβ + n mα = mβ m(α − β) = 0 α ≠ β より α − β ≠ 0 なので m = 0
余りは U(x) = n という定数になります。n については何も言えないので、条件は m = 0 だけです。ナ=③。
※ この設問には「解答記号テ,トが両方正解の場合のみ点を与える」という注がついています。テ・トを落とすとナも0点になるので、代入の一手は確実に押さえてください。
ニ,ヌ:正解 −, ⑥(配点2)
<問題要旨>
P(x) = x¹⁰ − 2x⁹ − px² − 5x を S(x) = x² − x − 2 で割った余りが定数になるときの p を求める設問です。
<考え方>
ここまでの結論「余りが定数 ⟺ P(α) = P(β)」をそのまま使います。10次式を割る必要はまったくありません。
S(x) = x² − x − 2 = (x − 2)(x + 1)
→ α = 2, β = −1
P(2) = 2¹⁰ − 2·2⁹ − 4p − 10
= 1024 − 1024 − 4p − 10
= −4p − 10
P(−1) = 1 − 2·(−1) − p − 5·(−1)
= 1 + 2 − p + 5
= 8 − p
P(2) = P(−1) より
−4p − 10 = 8 − p
−3p = 18
p = −6
ニヌ=−6、すなわち ニ=−、ヌ=⑥。
※ 2¹⁰ と 2·2⁹ はどちらも 1024 で打ち消し合います。ここに気づけば計算はほぼ暗算で済みます。
ネ,ノ:正解 ①, ④(配点1)
<問題要旨>
そのときの余り(定数)を求める設問です。
<考え方>
余りは P(α) の値そのものです。p = −6 を代入します。
余り = P(2) = −4p − 10
= −4×(−6) − 10
= 24 − 10 = 14
検算: P(−1) = 8 − p = 8 − (−6) = 14 ✓
ネノ=14、すなわち ネ=①、ノ=④。
第2問 微分・積分(f(x) と S(x) = ∫f のグラフの関係)
f(x) = 3(x − 1)(x − m) と、その原始関数 S(x) = ∫0xf(t)dt の関係を追う設問です。S′(x) = f(x) という一本の関係だけで最後まで通せる構成になっています。後半は f のグラフの対称性を S の性質に翻訳する、やや抽象的な議論になります。
ア,イ:正解 ③, ②(配点2)
<問題要旨>
m = 2 のとき、f′(x) = 0 となる x を求める設問です。
<考え方>
f を展開して微分します。あるいは、下に凸の放物線の軸は2つの解の中点だと気づけば即答できます。
f(x) = 3(x − 1)(x − 2) = 3x² − 9x + 6 f′(x) = 6x − 9 = 0 x = 9/6 = 3/2 (軸は 1 と 2 の中点 = 3/2 でも同じ)
ア/イ=3/2、すなわち ア=③、イ=②。
ウ,エ:正解 ⑨, ⑥(配点1)
<問題要旨>
S(x) の被積分関数を展開した形を答える設問です。
<考え方>
アイで展開済みです。
f(t) = 3t² − 9t + 6
ウ=⑨、エ=⑥。
オ,カ,キ:正解 ⑨, ②, ⑥(配点2)
<問題要旨>
S(x) を実際に積分して求める設問です。
<考え方>
各項を積分し、0 から x まで代入します。定数項は 0 になります。
S(x) = ∫₀ˣ (3t² − 9t + 6) dt
= [ t³ − (9/2)t² + 6t ]₀ˣ
= x³ − (9/2)x² + 6x
オ/カ=9/2、キ=6、すなわち オ=⑨、カ=②、キ=⑥。
ク:正解 ①(配点1)
<問題要旨>
S(x) が極大となる x を求める設問です。
<考え方>
S′(x) = f(x) = 3(x − 1)(x − 2) なので、増減表は f の符号だけで決まります。
x … 1 … 2 … S′(x) + 0 − 0 + S(x) ↗ 極大 ↘ 極小 ↗
極大は x = 1。ク=①。
ケ,コ:正解 ⑤, ②(配点1)
<問題要旨>
その極大値を求める設問です。
<考え方>
S(1) を計算します。
S(1) = 1 − 9/2 + 6 = 5/2
ケ/コ=5/2、すなわち ケ=⑤、コ=②。
サ:正解 ②(配点1)
<問題要旨>
S(x) が極小となる x を求める設問です。
<考え方>
クの増減表をそのまま読みます。
極小となるのは x = 2
サ=②。
シ:正解 ②(配点1)
<問題要旨>
その極小値を求める設問です。
<考え方>
S(2) を計算します。
S(2) = 8 − (9/2)×4 + 12
= 8 − 18 + 12 = 2
シ=②。
ス:正解 ③(配点3)
<問題要旨>
f(3) と一致するものを選ぶ設問です。
<考え方>
S′(x) = f(x) という関係を、「接線の傾き」という言葉に翻訳できるかだけが問われています。
S′(x) = f(x) なので f(3) = S′(3) S′(3) は、y = S(x) のグラフ上の 点 (3, S(3)) における接線の傾き
ス=③。
※ ④「y = f(x) 上の点 (3, f(3)) における接線の傾き」は f′(3) のことで別物です。S と f を取り違えないようにしてください。
セ,ソ:正解 ⓪, ⑤(配点2)
<問題要旨>
面積 S1(0 ≦ x ≦ 1)と S2(1 ≦ x ≦ m)を、積分の式で表す設問です。
<考え方>
面積を積分で書くときは、まずその区間で f が正か負かを確かめます。f(x) = 3(x − 1)(x − m)、m > 1 です。
■ 0 ≦ x ≦ 1
(x − 1) ≦ 0, (x − m) < 0
→ f(x) ≧ 0(グラフは x 軸の上)
S₁ = ∫₀¹ f(x)dx → ⓪
■ 1 ≦ x ≦ m
(x − 1) ≧ 0, (x − m) ≦ 0
→ f(x) ≦ 0(グラフは x 軸の下)
S₂ = ∫₁^m {−f(x)}dx → ⑤
セ=⓪、ソ=⑤。
タ:正解 ①(配点2)
<問題要旨>
S1 = S2 となる条件を、1本の積分が 0 になる形で表す設問です。
<考え方>
差 S1 − S2 を作ると、マイナスが打ち消えて1本の積分にまとまります。
S₁ − S₂ = ∫₀¹ f dx − ∫₁^m (−f) dx
= ∫₀¹ f dx + ∫₁^m f dx
= ∫₀^m f(x) dx
= S(m)
S₁ = S₂ ⟺ ∫₀^m f(x)dx = 0
タ=①。この条件は S(m) = 0、つまり「S の極小値がちょうど 0」ということです。
チ:正解 ①(配点4)
<問題要旨>
S1 = S2 のときの y = S(x) のグラフの概形を選ぶ設問です。
<考え方>
S のグラフについてわかっていることを並べます。
・S(0) = 0 (定義より)
・x = 1 で極大
・x = m で極小(m > 1)
・タより S(m) = 0
→ 原点から立ち上がって山をつくり、
下がってきて x = m で
ちょうど x 軸に接し、また上がる
極小点が x 軸に接している図は①です。チ=①。
ツ:正解 ②(配点2)
<問題要旨>
S1 > S2 のときの y = S(x) のグラフの概形を選ぶ設問です。
<考え方>
チと同じ枠組みで、極小値の符号だけが変わります。
S₁ − S₂ = S(m) だったので S₁ > S₂ ⟺ S(m) > 0 → 極小値が x 軸より上にある → S は x = 0 以外で x 軸と交わらない
極小点が x 軸の上にある図は②です。ツ=②。
テ:正解 ③(配点1)
<問題要旨>
y = f(x) のグラフの対称軸を答える設問です。
<考え方>
放物線の軸は、2つの解の中点です。
f(x) = 3(x − 1)(x − m) の解は 1 と m 軸 : x = (1 + m)/2
テ=③。以下ではこれを M とおきます。
ト,ナ:正解 ④, ②(配点3)
<問題要旨>
対称性を使って、積分区間を反対側へ移す設問です。
<考え方>
軸 x = M に関する対称移動は x → 2M − x です。区間の端点をそれぞれ折り返します。
2M = 1 + m なので
1 − p の折り返し先
2M − (1 − p) = (1 + m) − 1 + p = m + p
1 の折り返し先
2M − 1 = m
よって
∫_{1−p}^{1} f dx = ∫_{m}^{m+p} f dx → ト = ④
同様に M − q の折り返し先は M + q なので
∫_{M−q}^{M} (−f) dx = ∫_{M}^{M+q} (−f) dx → ナ = ②
ト=④、ナ=②。
ニ,ヌ:正解 ⓪, ④(配点2)
<問題要旨>
①②の等式を、S を使った形に書き換える設問です。
<考え方>
∫αβf dx = S(β) − S(α) をそのまま当てはめます。
■ ① について S(1) − S(1−p) = S(m+p) − S(m) 移項して S(1−p) + S(m+p) = S(1) + S(m) → ニ = ⓪
■ ② について(−f の積分なので符号が反転)
左辺 = −{S(M) − S(M−q)} = S(M−q) − S(M)
右辺 = −{S(M+q) − S(M)} = S(M) − S(M+q)
S(M−q) − S(M) = S(M) − S(M+q)
2S(M) = S(M−q) + S(M+q) → ヌ = ④
ニ=⓪、ヌ=④。
ネ:正解 ②(配点2)
<問題要旨>
2点 (1−p, S(1−p)) と (m+p, S(m+p)) を結ぶ線分の中点について、正しい記述を選ぶ第2問の結論です。
<考え方>
中点の x 座標と y 座標を、それぞれ p の式で書いてみます。
■ x 座標
{ (1 − p) + (m + p) } / 2 = (1 + m)/2 = M
p が消える → p によらず一定
■ y 座標
{ S(1−p) + S(m+p) } / 2
ニより分子は S(1) + S(m) なので
= { S(1) + S(m) } / 2
やはり p によらず一定
■ その点は S のグラフ上にあるか
ヌの 2S(M) = S(M−q) + S(M+q) で
q = M − 1 とおくと
M − q = 1, M + q = 2M − 1 = m
2S(M) = S(1) + S(m)
よって { S(1) + S(m) }/2 = S(M)
中点は (M, S(M)) → y = S(x) のグラフ上
中点は p によらず一つに定まり、しかも y = S(x) 上にあります。ネ=②。
第3問(選択問題) 統計的な推測(日曜日が晴れになる確率)
前半は 0 と 1 だけをとる確率変数の母平均の区間推定、後半は「1 がちょうど3個続く箇所の個数」の期待値です。後半は統計というより期待値の線形性の問題で、「1か所ずつ確率を出して足す」という発想に切り替えられるかが分かれ目です。
ア:正解 ⓪(配点2)
<問題要旨>
X = 1 の確率が p であるとき、X の平均 m を求める設問です。
<考え方>
期待値の定義どおりに計算します。
m = E(X)
= 0 × (1 − p) + 1 × p
= p
ア=⓪。
イ:正解 ③(配点2)
<問題要旨>
標本平均 X̄ が従う正規分布の分散を答える設問です。
<考え方>
標本平均の分布について、平均と分散は次のように決まります。
E(X̄) = m
V(X̄) = σ² / n
n が十分大きいとき
X̄ 〜 N(m, σ²/n)
イ=③。
※ ④の σ/√n は標準偏差です。N( , ) の2つ目に入るのは分散なので、混同しないでください。
ウ,エ:正解 ①, ②(配点3)
<問題要旨>
標本の標準偏差 S の式を変形していく設問です。
<考え方>
前半は「分散=2乗の平均−平均の2乗」、後半は X が 0 か 1 しかとらないという特殊事情を使います。
■ ウ
S² = (1/n)Σ(Xᵢ − X̄)²
= (1/n)ΣXᵢ² − (X̄)²
→ ウ = ① ( (X̄)² )
■ エ Xᵢ は 0 か 1 なので Xᵢ² = Xᵢ (1/n)ΣXᵢ² = (1/n)ΣXᵢ = X̄ S = √( X̄ − (X̄)² ) = √( X̄(1 − X̄) ) → エ = ②
ウ=①、エ=②。
オ:正解 ⓪(配点3)
<問題要旨>
表2の実測値から、母平均 m の信頼度 95% の信頼区間を求める設問です。
<考え方>
X̄ と S を数値で出してから、公式 X̄ ± 1.96 × S/√n に入れます。
X̄ = 75 / 300 = 0.25 S = √(0.25 × 0.75) = √0.1875 = 0.4330 √300 = 17.32 S / √n = 0.4330 / 17.32 = 0.025 1.96 × 0.025 = 0.049
信頼区間 0.25 − 0.049 ≦ m ≦ 0.25 + 0.049 0.201 ≦ m ≦ 0.299
オ=⓪。
※ S/√n が 0.025 ときれいな値になるように作られています。ここが割り切れなければ計算を疑ってください。
カ:正解 ③(配点3)
<問題要旨>
p = 1/4 のとき、k = 4 での U4 の期待値を求める設問です。
<考え方>
表3のうち U4 = 1 になる行を拾って、その確率を足します。
U₄ = 1 となるのは
(X₁,X₂,X₃,X₄) = (1,1,1,0)
(X₁,X₂,X₃,X₄) = (0,1,1,1)
それぞれの確率は
(1/4)³ × (3/4) = 3/256
E(U₄) = 1 × (3/256 + 3/256)
= 6/256 = 3/128
カ=③。
※ (1,1,1,1) は U4 = 0 です。1 が4つ以上続く部分は「ちょうど3つ」ではないので数えません。
キ,ク:正解 ③, ③(配点3)
<問題要旨>
k = 5 のときの U5 の期待値を求める設問です。
<考え方>
32通りを書き出す必要はありません。「1 がちょうど3つ続く箇所が始まる位置」ごとに確率を出して足します(期待値の線形性)。始まる位置は 1, 2, 3 の3通りです。
■ 位置1から始まる(X₁X₂X₃ = 111, X₄ = 0)
X₅ は自由
(1/4)³ × (3/4) = 3/256 = 12/1024
■ 位置2から始まる(X₁ = 0, X₂X₃X₄ = 111, X₅ = 0)
(3/4) × (1/4)³ × (3/4) = 9/1024
■ 位置3から始まる(X₂ = 0, X₃X₄X₅ = 111)
(3/4) × (1/4)³ = 3/256 = 12/1024
E(U₅) = 12/1024 + 9/1024 + 12/1024
= 33/1024
キク=33、すなわち キ=③、ク=③。
※ 両端では「外側の隣」が存在しないので条件が1つ少なく、確率が大きくなります。この違いがケコサの直線の式を生みます。
ケ,コ,サ:正解 ②, ①, ⑧(配点4)
<問題要旨>
E(Uk) が k の1次式になることを使って、E(U300) を求める第3問の結論です。
<考え方>
キクの数え方を一般の k に広げます。始まる位置は 1 から k − 2 までで、両端の2か所だけ確率が違うという構造です。
■ 両端(位置1 と 位置 k−2)… 2か所
それぞれ 3/256 = 12/1024
■ 内側(位置2 〜 位置 k−3)… (k − 4)か所
それぞれ 9/1024
E(U_k) = 2×(12/1024) + (k − 4)×(9/1024)
= (24 + 9k − 36) / 1024
= (9k − 12) / 1024
検算
k = 4 → (36 − 12)/1024 = 24/1024 = 3/128 ✓
k = 5 → (45 − 12)/1024 = 33/1024 ✓
k = 300 のとき
E(U₃₀₀) = (2700 − 12) / 1024
= 2688 / 1024
= 21 / 8
ケコ/サ=21/8、すなわち ケ=②、コ=①、サ=⑧。
※ 一般式を立てなくても、2点 (4, 3/128) と (5, 33/1024) を通る直線として求められます。傾きは 33/1024 − 24/1024 = 9/1024 です。
第4問(選択問題) 数列(積の形の漸化式と数学的帰納法)
等差数列・等比型の漸化式という基本から始まり、後半は (cn + 3)(2cn+1 − cn + 3) = 0 という積が 0 の形の漸化式を扱います。「積が 0 ならどちらかが 0」という当たり前の事実が、数列を一意に決めなくするという点が、この問題の核心です。
ア,イ,ウ,エ:正解 ②, ④, ③, ⑧(配点2)
<問題要旨>
an+1 − an = 14、a1 = 10 のときの a2、a3 を求める設問です。
<考え方>
公差 14 の等差数列です。順に足していきます。
a₂ = 10 + 14 = 24 a₃ = 24 + 14 = 38
アイ=24、ウエ=38、すなわち ア=②、イ=④、ウ=③、エ=⑧。
オ,カ:正解 ①, ④(配点2)
<問題要旨>
{an} の一般項を求める設問です。
<考え方>
等差数列の一般項の公式そのものです。
aₙ = a₁ + (公差) × (n − 1)
= a₁ + 14(n − 1)
オカ=14、すなわち オ=①、カ=④。
キ,ク,ケ,コ:正解 ③, ①, ②, ③(配点3)
<問題要旨>
2bn+1 − bn + 3 = 0 を満たす {bn} の一般項を求める設問です。
<考え方>
bn+1 = pbn + q 型なので、特性方程式(不動点)を使います。
2b_{n+1} = b_n − 3
b_{n+1} = (1/2)b_n − 3/2
特性方程式 x = (1/2)x − 3/2
(1/2)x = −3/2
x = −3
両辺から −3 を引く(= +3 する)と
b_{n+1} + 3 = (1/2)(b_n + 3)
{b_n + 3} は公比 1/2 の等比数列なので
b_n + 3 = (b₁ + 3)(1/2)^{n−1}
b_n = (b₁ + 3)(1/2)^{n−1} − 3
キ=③、ク/ケ=1/2、コ=③、すなわち キ=③、ク=①、ケ=②、コ=③。
※ この −3 という値が、以降ずっと鍵になります。
サ:正解 ①(配点1)
<問題要旨>
(cn + 3)(2cn+1 − cn + 3) = 0 …① を満たし、c1 = 5 のときの c2 を求める設問です。
<考え方>
n = 1 として①に代入します。前の因数が 0 でないなら、後ろの因数が 0です。
c₁ + 3 = 5 + 3 = 8 ≠ 0
よって 2c₂ − c₁ + 3 = 0
2c₂ = c₁ − 3 = 5 − 3 = 2
c₂ = 1
サ=①。
シ,ス,セ,ソ:正解 −, ③, −, ③(配点3)
<問題要旨>
①を満たし c3 = −3 のときの c2、c1 を求める、さかのぼる設問です。
<考え方>
n = 2 として①に代入し、c3 = −3 を入れます。すると完全平方の形が現れます。
n = 2 のとき (c₂ + 3)(2c₃ − c₂ + 3) = 0 c₃ = −3 を代入 2c₃ + 3 = −6 + 3 = −3 なので (c₂ + 3)(−3 − c₂) = 0 −(c₂ + 3)² = 0 c₂ = −3
同じことを n = 1 で繰り返すと (c₁ + 3)(2c₂ − c₁ + 3) = 0 c₂ = −3 より 2c₂ + 3 = −3 (c₁ + 3)(−3 − c₁) = 0 −(c₁ + 3)² = 0 c₁ = −3
シス=−3、セソ=−3、すなわち シ=−、ス=③、セ=−、ソ=③。
※ 「ある項が −3 なら、その前の項も必ず −3」という、過去へは一意に決まる性質が出てきました。これがテ・トの根拠になります。
タ,チ,ツ:正解 ①, ④, ⓪(配点3)
<問題要旨>
c3 = −3 のとき、c4 = 5 の場合と c4 = 83 の場合それぞれの c5 を求める設問です。
<考え方>
c3 = −3 のときは (c3 + 3) = 0 なので、n = 3 の式は c4 が何であっても成り立ちます。つまり c4 は自由です。そこから先は n = 4 の式で決まります。
■ c₄ = 5 のとき
c₄ + 3 = 8 ≠ 0 なので
2c₅ = c₄ − 3 = 5 − 3 = 2
c₅ = 1
■ c₄ = 83 のとき
c₄ + 3 = 86 ≠ 0 なので
2c₅ = 83 − 3 = 80
c₅ = 40
タ=①、チツ=40、すなわち タ=①、チ=④、ツ=⓪。
※ 「−3 が現れると、次の項が決まらなくなる(未来へは分岐する)」。シスセソの逆向きの性質です。
テ:正解 ③(配点2)
<問題要旨>
命題A「c1 ≠ −3 ならすべての n で cn ≠ −3」を証明するために示すべきことを選ぶ設問です。
<考え方>
「すべての自然数 n について」を示すのですから、数学的帰納法です。帰納法の2段目(帰納段階)の書き方を選びます。
数学的帰納法
(1) n = 1 のとき c₁ ≠ −3 (仮定より成立)
(2) n = k で c_k ≠ −3 と仮定すると
n = k+1 でも c_{k+1} ≠ −3
→ (2) を示せばよい
テ=③。
※ ⓪や①は「特定の番号だけ」を示すもので、すべての n をカバーできません。④は結論が逆(= −3)になっています。
ト:正解 ④(配点4)
<問題要旨>
3つの命題 (I)(II)(III) の真偽を判定する、第4問の結論です。
<考え方>
ここまでで得た2つの性質を使います。(あ)−3 より前の項も必ず −3、(い)−3 の次の項は自由。
■ (I) c₁ = 3 かつ c₁₀₀ = −3 c₁ = 3 ≠ −3 なので、命題A よりすべての n で cₙ ≠ −3。c₁₀₀ = −3 はあり得ない。 → 偽
■ (II) c₁ = −3 かつ c₁₀₀ = −3 すべての n で cₙ = −3 とすれば (cₙ + 3) = 0 なので①は常に成立。 → 真(実例がある)
■ (III) c₁ = −3 かつ c₁₀₀ = 3
c₁ = −3 だから n = 1 の式は c₂ が何でも成立。
そこで c₂ ≠ −3 に選ぶと、n ≧ 2 では
2c_{n+1} = c_n − 3
c_n = (c₂ + 3)(1/2)^{n−2} − 3 (n ≧ 2)
c₁₀₀ = 3 となるには
(c₂ + 3)(1/2)⁹⁸ = 6
c₂ = 6×2⁹⁸ − 3
これは実際に存在する値。
→ 真
(I) 偽・(II) 真・(III) 真 の組合せは④です。ト=④。
※ (III) は「そんな数列があるのか」と迷いますが、c2 を巨大な値にとれば作れます。「ある」を示すには実例を一つ作ればよいという原則どおりです。
第5問(選択問題) 空間ベクトル(2直線の最短距離)
座標空間の2直線について、原点から直線への最短距離、そして2直線間の最短距離を求める設問です。最短になるとき垂直という一点さえ押さえれば、あとは内積の計算だけで進みます。
ア,イ,ウ,エ:正解 ①, −, ①, ①(配点2)
<問題要旨>
A(2, 7, −1)、B(3, 6, 0) について、ベクトル AB を成分で求める設問です。
<考え方>
終点の座標から始点の座標を引きます。
AB→ = (3 − 2, 6 − 7, 0 − (−1))
= (1, −1, 1)
ア=①、イウ=−1、エ=①、すなわち ア=①、イ=−、ウ=①、エ=①。
オ:正解 ⓪(配点2)
<問題要旨>
AB→ と CD→ の内積を求める設問です。
<考え方>
CD→ も同じように成分で出してから、内積を計算します。
C(−8, 10, −3), D(−9, 8, −4)
CD→ = (−9 − (−8), 8 − 10, −4 − (−3))
= (−1, −2, −1)
AB→・CD→ = 1×(−1) + (−1)×(−2) + 1×(−1)
= −1 + 2 − 1 = 0
オ=⓪。内積が 0 なので、ℓ1 と ℓ2 は垂直(ねじれの位置にある垂直な2直線)です。
カ:正解 ②(配点3)
<問題要旨>
P が ℓ1 上にあるときの OP→ の表し方を選ぶ設問です。
<考え方>
始点を O にそろえます。
AP→ = s AB→ より
OP→ = OA→ + AP→
= OA→ + s AB→
カ=②。
キ,ク,ケ,コ,サ:正解 ③, ①, ②, ⑤, ④(配点3)
<問題要旨>
|OP→|² を s の2次式で表す設問です。
<考え方>
OP→ = OA→ + s AB→ を2乗して展開します。
|OP→|² = |OA→ + s AB→|²
= |AB→|² s² + 2(OA→・AB→)s + |OA→|²
|AB→|² = 1² + (−1)² + 1² = 3
OA→・AB→ = 2×1 + 7×(−1) + (−1)×1
= 2 − 7 − 1 = −6
→ 2×(−6) = −12
|OA→|² = 2² + 7² + (−1)² = 4 + 49 + 1 = 54
|OP→|² = 3s² − 12s + 54
キ=③、クケ=12、コサ=54、すなわち キ=③、ク=①、ケ=②、コ=⑤、サ=④。
シ:正解 ①(配点3)
<問題要旨>
|OP→| が最小になるときの、直線 OP と ℓ1 の関係を選ぶ設問です。
<考え方>
点から直線までの距離が最小になるのは垂線を下ろしたときです。垂直は内積 0 で表します。
OP ⊥ ℓ₁ ℓ₁ の方向ベクトルは AB→ なので OP→・AB→ = 0
シ=①。
ス:正解 ②(配点3)
<問題要旨>
|OP→| が最小となる s の値を求める設問です。
<考え方>
2通りの解き方があり、どちらでも同じ答えになります。
■ 花子さんの方法(平方完成)
|OP→|² = 3s² − 12s + 54
= 3(s − 2)² + 42
s = 2 で最小(最小値 √42)
■ 太郎さんの方法(垂直条件)
OP→・AB→ = (OA→ + s AB→)・AB→
= OA→・AB→ + s|AB→|²
= −6 + 3s = 0
s = 2
ス=②。
セ,ソ,タ,チ,ツ,テ,ト,ナ,ニ,ヌ,ネ,ノ:正解 −, ③, ①, ②, −, ⑥, −, ⑦, ①, ②, −, ②(配点4)
<問題要旨>
P が ℓ1 上、Q が ℓ2 上を動くとき、線分 PQ が最小になる P と Q の座標を求める、第5問の結論です。
<考え方>
PQ が最小になるのは、PQ が ℓ1 と ℓ2 の両方に垂直になるときです。内積 0 の式を2本立てて連立します。
P = A + s AB→ = (2 + s, 7 − s, −1 + s)
Q = C + t CD→ = (−8 − t, 10 − 2t, −3 − t)
PQ→ = Q − P
= (−10 − t − s, 3 − 2t + s, −2 − t − s)
■ PQ→・AB→ = 0 (AB→ = (1, −1, 1))
(−10 − t − s) − (3 − 2t + s) + (−2 − t − s)
= −15 − 3s = 0
s = −5
■ PQ→・CD→ = 0 (CD→ = (−1, −2, −1))
−(−10 − t − s) − 2(3 − 2t + s) − (−2 − t − s)
= 6 + 6t = 0
t = −1
P = (2 − 5, 7 + 5, −1 − 5) = (−3, 12, −6)
Q = (−8 + 1, 10 + 2, −3 + 1) = (−7, 12, −2)
検算: PQ→ = (−4, 0, 4)
PQ→・AB→ = −4 + 0 + 4 = 0 ✓
PQ→・CD→ = 4 + 0 − 4 = 0 ✓
|PQ→| = √32 = 4√2
P(−3, 12, −6)、Q(−7, 12, −2)、すなわち セ=−、ソ=③、タ=①、チ=②、ツ=−、テ=⑥、ト=−、ナ=⑦、ニ=①、ヌ=②、ネ=−、ノ=②。
※ s と t の式がそれぞれ片方の文字しか含まない形(−15 − 3s = 0 と 6 + 6t = 0)になるのは、オで見た AB→・CD→ = 0 のおかげです。連立を解く手間がかからないよう作られています。
※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

