2026年度 大学入学共通テスト 本試験「数学Ⅱ・B・C」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。
解答
解説
2026年度 大学入学共通テスト 本試験「数学Ⅱ,数学B,数学C」の全59項目を、解答記号ごとに解説します。試験時間は70分、満点は100点です。第1問(配点15)・第2問(配点15)・第3問(配点22)が必答問題で、第4問〜第7問(各配点16)から3問を選択して解答し、あわせて6問を解く形式です。
当サイトでは選択問題の第4問〜第7問をすべて解説しているため、このページに並ぶ配点の合計は100点ではなく116点になります。実際に解答するのは必答3問と選択3問の計6問なので、自分が選んだ大問だけを読めばちょうど100点分になります。
必答問題では、第1問が2つの円と絶対値を含む不等式の表す領域、第2問が和を積に直す公式の証明とそれを使った三角関数の合成、第3問が3次関数の極値・グラフの概形と面積が等しい条件からの定数決定です。選択問題は、第4問が階差数列を利用した和の求め方、第5問が正規分布と母比率の仮説検定、第6問が平面上のベクトルによる点の存在範囲、第7問が複素数平面で w = z+1/z の描く図形です。
つまずきやすいのは、第2問(3)で合成した係数 2cos a+1 が負になる場合(sin が −1 のときに最大になる)、第3問(2)でグラフの選択肢の「原点での接線の傾き」という細部、第5問で同じ比率 0.46 でも標本の大きさによって検定の結論が逆転するところ、第6問(3)で存在範囲が「くさび形」ではなく「半平面」になるところです。図やグラフの選択肢は形の印象で選ばず、境界がどの直線・どの円弧になるかを式で確かめてから選ぶと確実です。
第1問(必答) 図形と方程式
2つの円 C₁, C₂ と、絶対値を含む不等式の表す領域を扱う。前半は中心・半径・中心間の距離を平方完成と距離の公式で求め、後半は 2x−5y+25 の符号で場合分けして、領域を図の選択肢に対応させる。配点15。
ア,イ,ウ:正解 −, 1, 6(配点2)
<考え方>
円の方程式は「x², y² の係数を1にしてから平方完成する」に戻れば中心と半径が出る。①の括弧の中をまず展開し、x の項と y の項をそれぞれまとめる。
x²+y²−7y+(2x−5y+25) = 0 x²+2x+y²−12y+25 = 0 (x+1)²−1+(y−6)²−36+25 = 0 (x+1)²+(y−6)² = 12 よって C₁ の中心は (−1, 6) よって アイ=−1、ウ=6
括弧の中の −5y を展開してから y の係数を数えること。−7−5 = −12 になるので、−7 のまま平方完成すると中心が (−1, 7/2) になってしまう。
エ,オ,カ,キ:正解 2, 3, 3, 3(配点2)
<考え方>
半径は平方完成したあとの右辺の平方根。C₂ は括弧の前の符号が − になるだけで、手順はまったく同じ。
C₁:(x+1)²+(y−6)² = 12 r₁ = √12 = 2√3 x²+y²−7y−(2x−5y+25) = 0 x²−2x+y²−2y−25 = 0 (x−1)²−1+(y−1)²−1−25 = 0 (x−1)²+(y−1)² = 27 r₂ = √27 = 3√3 よって エ=2、オ=3、カ=3、キ=3
ここで求めた C₂ の中心 (1, 1) は、次のクケと(2)(i)でそのまま使う。書き留めておくとよい。
ク,ケ:正解 2, 9(配点2)
<考え方>
2点間の距離の公式に2つの中心を入れるだけ。得られた r₁, r₂, d が |r₂−r₁| < d < r₁+r₂ を満たすことが、問題文の「2点で交わる」の根拠になる。
中心は (−1, 6) と (1, 1)
d = √{(1−(−1))²+(1−6)²}
= √(2²+(−5)²)
= √(4+25)
= √29
参考:|r₂−r₁| = √3 ≒ 1.73、d = √29 ≒ 5.39、r₁+r₂ = 5√3 ≒ 8.66
よって クケ=29
√3 < √29 < 5√3 なので、2円は確かに2点で交わる。この確認をしておくと(2)以降で図の形を考えるときに迷わない。
コ,サ,シ:正解 ⓪, ①, ⓪(配点2)
<考え方>
領域 D, E の判定は 2x−5y+25 に座標を代入して符号を見るだけ。値が0以上ならD、負ならEである。原点、C₁ の中心、C₂ の中心を順に入れる。
2x−5y+25 に代入する O(0, 0):2·0−5·0+25 = 25 ≧ 0 → D C₁ の中心 (−1, 6):2·(−1)−5·6+25 = −2−30+25 = −7 < 0 → E C₂ の中心 (1, 1):2·1−5·1+25 = 2−5+25 = 22 ≧ 0 → D よって コ=⓪、サ=①、シ=⓪
「C₁ の中心はE側、C₂ の中心はD側」という食い違いが、(iii)で領域の形を決める鍵になる。3つの符号を必ず書き出しておくこと。
ス:正解 ②(配点2)
<考え方>
①と②の差をとって示せたのは「①と②を両方満たす (x, y) は④も満たす」という一方向の主張だけである。①②を両方満たす点は「C₁ 上にあり、かつ C₂ 上にもある点」だから、結論は「その点は ℓ 上にある」で②になる。⓪と①は向きが逆で、ℓ 上の点が円上にあるとは言えないので誤り。③は「C₁ 上にあるか、または C₂ 上にある」では片方の円だけの点が含まれてしまい、④の式は導けないので誤り。④と⑤は2点を結ぶ直線についての主張で、今の計算からは何も言えないので誤り。
証明した命題の向きを取り違えて⓪を選ぶ誤りが多い。「差をとった」という操作から言えるのは、両方の式を満たす点についてだけである。
セ:正解 ⓪(配点3)
<考え方>
直線 ℓ は C₁ と C₂ の2交点を通るので、ℓ より D 側では C₁ の弧が、E 側では C₂ の弧が境界になる。C₁ の中心はE側、C₂ の中心はD側にあるため、D側では「C₁ の内部が C₂ の内部にすっぽり入り」、E側では「C₂ の内部が C₁ の内部に入る」。したがって F と G を合わせた領域は2円の内部の共通部分そのもので、⓪のレンズ形になる。
2x−5y+25 ≧ 0 のとき、③の左辺は①の左辺と一致 → F は「C₁ の内部」かつ「D側」 2x−5y+25 < 0 のとき、③の左辺は②の左辺と一致 → G は「C₂ の内部」かつ「E側」 ℓ は C₁ と C₂ の2交点を通る C₁ の中心 (−1, 6) はE側、C₂ の中心 (1, 1) はD側 よってD側では C₁ の内部 ⊂ C₂ の内部、E側では C₂ の内部 ⊂ C₁ の内部 F∪G = (C₁ の内部)∩(C₂ の内部) よって セ=⓪
直線 ℓ を描いた⑤〜⑧は、境界が ℓ で切れた「レンズ形の片側だけ」の図である。③の表す領域は ℓ をまたいで連続してつながるので、これらは選べない。
ソ:正解 ④(配点2)
<考え方>
⑤は絶対値の前の符号が逆なので、D側とE側で「どちらの円の内部か」が入れ替わる。(iii)で確かめた包含関係をそのまま使うと、D側は C₂ の内部、E側は C₁ の内部となり、合わせて2円の内部の和集合、すなわち④の図になる。
2x−5y+25 ≧ 0 のとき、⑤は x²+y²−7y−(2x−5y+25) < 0 すなわち C₂ の内部 2x−5y+25 < 0 のとき、⑤は x²+y²−7y+(2x−5y+25) < 0 すなわち C₁ の内部 D側では C₁ の内部 ⊂ C₂ の内部 だから、D側は C₂ の内部だけで足りる E側では C₂ の内部 ⊂ C₁ の内部 だから、E側は C₁ の内部だけで足りる ⑤の表す領域 = (C₁ の内部)∪(C₂ の内部) よって ソ=④
③と⑤は「共通部分」と「和集合」で対になっている。セがレンズ形と分かった時点で、ソは残りを全部足した形だと見当がつく。
第2問(必答) 三角関数
和を積に直す公式 sinA+sinB = 2sin((A+B)/2)cos((A−B)/2) を加法定理から導き、それを使って三角関数の和の最大値を求める。(3)ではコンピュータで描いたグラフを手がかりに、3つの正弦の和を1つの正弦に合成する。配点15。
ア:正解 ①(配点1)
<考え方>
加法定理 sin(α±β) = sinαcosβ ± cosαsinβ をそのまま書けばよい。②③のどちらも、cosαsinβ の項の前の符号だけが違い、もう一方の項は共通である。
sin(α+β) = sinαcosβ+cosαsinβ sin(α−β) = sinαcosβ−cosαsinβ よって ア=①
②と③で同じ記号アが使われているので、共通項である sinαcosβ の側だと確定する。
イ,ウ:正解 ④, ⑤(配点2)
<考え方>
②+③ をつくると cosαsinβ が消えて 2sinαcosβ が残る。左辺が sinA+sinB になるように α+β = A、α−β = B と置いて α, β を解く。
②+③:sin(α+β)+sin(α−β) = 2sinαcosβ α+β = A、α−β = B とおく 2α = A+B より α = (A+B)/2 2β = A−B より β = (A−B)/2 sinA+sinB = 2sin((A+B)/2)cos((A−B)/2) よって イ=④、ウ=⑤
α と β を逆にすると sin の中身が (A−B)/2 になってしまう。sin の側が「和の半分」、cos の側が「差の半分」である。
エ,オ:正解 ③, ②(配点2)
<考え方>
①に A = x+5π/12、B = x+π/12 を当てるだけ。和の半分に x が残り、差の半分が定数になる。
A = x+5π/12、B = x+π/12 (A+B)/2 = (2x+6π/12)/2 = x+π/4 (A−B)/2 = (4π/12)/2 = (π/3)/2 = π/6 f(x) = 2sin(x+π/4)cos(π/6) よって エ=③、オ=②
2つの角の差は 4π/12 = π/3 だが、公式に入るのはその半分の π/6 である。半分にするのを忘れないこと。
カ,キ:正解 ③, ⑥(配点2)
<考え方>
2cos(π/6) = √3 は正の定数なので、f(x) は sin(x+π/4) が最大値1をとるときに最大になる。0 ≦ x < 2π の範囲で x+π/4 = π/2 となる x を探す。
2cos(π/6) = 2·(√3/2) = √3 > 0 f(x) = √3 sin(x+π/4) sin(x+π/4) = 1 となるのは x+π/4 = π/2 x = π/2−π/4 = π/4(0 ≦ x < 2π を満たす) 最大値 = √3·1 = √3 よって カ=③、キ=⑥
係数が正だから sin = 1 のときが最大になる。(3)(ii)では係数が負になり、sin = −1 のときが最大に変わるので、ここで「正だから」と意識しておく。
ク,ケ:正解 ①, ①(配点2)
<考え方>
①が使えるのは「2つの角の和の半分」が残りの関数の角と一致する組である。sin(x+a)+sin(x+3a) なら和の半分が x+2a で、残りの sin(x+2a) と同じ角になる。
A = x+a、B = x+3a とおくと (A+B)/2 = (2x+4a)/2 = x+2a (A−B)/2 = (−2a)/2 = −a sin(x+a)+sin(x+3a) = 2sin(x+2a)cos(−a) = 2cos a·sin(x+2a) 残りの関数は sin(x+2a) よって ク=①、ケ=①
cos(−a) = cos a を使う。他の2つの組み合わせでは和の半分が x+3a/2、x+5a/2 となり、残りの関数の角と一致しないので定数倍にはならない。
コ:正解 ④(配点2)
<考え方>
前問の結果を g(x) に戻し、共通因数 sin(x+2a) でまとめる。
g(x) = sin(x+a)+sin(x+2a)+sin(x+3a) = 2cos a·sin(x+2a)+sin(x+2a) = (2cos a+1)sin(x+2a) よって コ=④
花子さんの言う p が 2cos a+1、q が 2a にあたる。図1で a が大きくなるほど振幅が小さく見えるのは、2cos a+1 が減っていくからである。
サ,シ,ス:正解 1, 1, 6(配点2)
<考え方>
a = 5π/6 を入れると 2cos a+1 = 1−√3 となり、これは負である。係数が負のときは sin(x+2a) = −1 のときに最大になるので、その x を 0 ≦ x < 2π で求める。
a = 5π/6 のとき 2cos(5π/6)+1 = 2·(−√3/2)+1 = 1−√3 ≒ −0.73 < 0 2a = 5π/3 g(x) = (1−√3)sin(x+5π/3) 係数が負だから sin(x+5π/3) = −1 のとき最大 x+5π/3 = 3π/2+2nπ x = 3π/2−5π/3+2nπ = −π/6+2nπ 0 ≦ x < 2π より n = 1 として x = 11π/6 よって サシ=11、ス=6
1−√3 の符号を確かめずに sin = 1 としてしまうと x = 5π/6 という誤答になる。第2問でいちばん差がつくのがこの符号判断である。
セ:正解 ⑧(配点2)
<考え方>
最大値は係数に sin の最大の寄与 −1 をかけた値である。
最大値 = (1−√3)·(−1) = √3−1 よって セ=⑧
√3−1 ≒ 0.73 で正の値になる。⑨の −√3+1 は符号が逆で負になるため不適である。
第3問(必答) 微分法・積分法
前半は3次関数 f(x) = (1/3)x³−2x²+3x+k の極値とグラフの概形、そして2つの面積が等しくなる k の決定。後半は g(0), g′(0), y = g′(x) のグラフという条件だけから、3次関数のグラフの概形を絞り込む。配点22で必答問題の中では最も重い。
ア:正解 ②(配点2)
<考え方>
各項を項別に微分するだけ。定数 k は微分すると消える。
f(x) = (1/3)x³−2x²+3x+k f′(x) = 3·(1/3)x²−2·2x+3+0 = x²−4x+3 よって ア=②
③のように k を残した式を選ばないこと。定数項の微分は0である。
イ,ウ:正解 1, ⑨(配点2)
<考え方>
f′(x) = 0 の解を求め、f′ の符号が正から負に変わるところが極大。極大値は f にその x を代入して出す。
f′(x) = x²−4x+3 = (x−1)(x−3) = 0 x = 1, 3 x < 1 で f′ > 0、1 < x < 3 で f′ < 0 だから x = 1 で極大 f(1) = 1/3−2+3+k = (1−6+9)/3+k = 4/3+k よって イ=1、ウ=⑨
1/3−2+3 は分母を3にそろえて (1−6+9)/3 = 4/3 と計算すると間違いにくい。
エ,オ:正解 3, ⑤(配点2)
<考え方>
同じ増減表で、f′ の符号が負から正に変わる x = 3 が極小。
1 < x < 3 で f′ < 0、3 < x で f′ > 0 だから x = 3 で極小 f(3) = (1/3)·27−2·9+3·3+k = 9−18+9+k = k よって エ=3、オ=⑤
極小値がちょうど k、つまり f(0) と同じ値になるのがこの関数の仕掛けである。(ii)のグラフの形を決める手がかりになる。
カ:正解 ②(配点2)
<考え方>
k = 0 のときは f(0) = 0、極大値 4/3 > 0、極小値 0 である。つまりグラフは原点でx軸と交わり、x = 3 でx軸に接する。因数分解でも同じことが確かめられる。
k = 0 のとき f(x) = (1/3)x³−2x²+3x = (1/3)x(x²−6x+9) = (1/3)x(x−3)² f(0) = 0、極大値 f(1) = 4/3、極小値 f(3) = 0 x = 0 で交わり、x = 3 で接する よって カ=②
(x−3)² という重解の形が出るので、x = 3 でx軸に接することがはっきりする。接する図は②だけである。
キ:正解 ⓪(配点2)
<考え方>
k > 0 なら y切片 f(0) = k も極小値 f(3) = k も正になり、極大・極小がともにx軸の上にある。したがってx軸と交わるのは極大の左側で1回だけになる。
k > 0 のとき f(0) = k > 0 極大値 f(1) = 4/3+k > 0 極小値 f(3) = k > 0 極大・極小がともに正だから、x軸との交点は負の x に1つだけ よって キ=⓪
k > 0 はグラフを上へ平行移動することにあたる。k = 0 で x = 3 に接していたところが離れ、交点が2つから1つに減ると考えてもよい。
ク,ケ:正解 ⑧, ⓪(配点2)
<考え方>
イとエで求めた 1 と 3 のうち小さい方が α = 1 である。f(0) = k、f(α) = f(1) = 4/3+k を条件 f(0) < 0 < f(α) に入れて、k の不等式を2本つくる。
α = 1(1 と 3 の小さい方) f(0) = k、f(1) = 4/3+k f(0) < 0 より k < 0 0 < f(1) より 4/3+k > 0、すなわち k > −4/3 よって −4/3 < k < 0 よって ク=⑧、ケ=⓪
α は「小さい方」なので 3 ではなく 1 である。ここを取り違えると以降の積分区間がすべてずれてしまう。
コ:正解 ①(配点2)
<考え方>
面積を定積分で表すとき、x軸の下側の部分は符号を反転させる。0 ≦ x ≦ β では f ≦ 0、β ≦ x ≦ α では f ≧ 0 なので、2つの面積が等しいという式を移項すると「0 から α までの定積分が0」になる。
0 ≦ x ≦ β で f(x) ≦ 0 だから 面積① = −∫[0→β] f(x)dx β ≦ x ≦ α で f(x) ≧ 0 だから 面積② = ∫[β→α] f(x)dx 面積① = 面積② より −∫[0→β] f(x)dx = ∫[β→α] f(x)dx ∫[0→β] f(x)dx+∫[β→α] f(x)dx = 0 ∫[0→α] f(x)dx = 0 よって コ=①
符号付き面積が打ち消し合うと読み替えられれば、β の値を求めずに済む。β を無理に求めようとすると3次方程式に行き当たって手が止まる。
サ,シ,ス,セ,ソ:正解 −, 1, 1, 1, 2(配点2)
<考え方>
α = 1 として ∫[0→1] f(x)dx = 0 を k について解くだけ。β は最後まで使わない。
∫[0→1] {(1/3)x³−2x²+3x+k} dx
= [x⁴/12−(2/3)x³+(3/2)x²+kx] (0から1まで)
= 1/12−2/3+3/2+k
= (1−8+18)/12+k
= 11/12+k
11/12+k = 0
k = −11/12
よって サシス=−11、セソ=12
−11/12 ≒ −0.92 は(iii)の前提 −4/3 < k < 0 の中に入っている。範囲に収まるかどうかの確認までやると安心できる。
タ,チ,ツ:正解 ①, ②, ④(配点2)(順序は問わない)
<考え方>
条件(a)は「グラフが原点を通る」かつ「原点での接線の傾きが正」の2つである。まず y切片で絞ると、⑥と⑦は y切片が正なので g(0) = 0 を満たさず除かれる。残る⓪①②③④⑤のうち、原点で増加しているのは①②④で、⓪と③は原点で減少しており、⑤も減少しているので除かれる。④は原点での接線が水平ではなく右上がりなので、g′(0) > 0 を満たす。よって条件(a)を満たすのは①②④の3つである。
④と⑤はどちらも極値をもたない単調な曲線だが、原点での接線の向きで当否が分かれる。x³ のように原点で接線が水平な図ではないことを確かめてから判定する。
テ,ト:正解 ①, ④(配点2)(順序は問わない)
<考え方>
「y = g′(x) のグラフの軸が x = 0」は「g(x) に x² の項がない」と同じこと。条件(a)も合わせると g(x) = ax³+cx(c > 0)という原点対称の形に決まる。あとは a の符号で2通りに分かれる。
g(x) = ax³+bx²+cx+d とおく g′(x) = 3ax²+2bx+c 軸は x = −2b/(2·3a) = −b/(3a)、これが 0 になるのは b = 0 条件(a)より d = g(0) = 0、c = g′(0) > 0 よって g(x) = ax³+cx(原点対称) a < 0 のとき g′(x) = 3ax²+c = 0 の解は x = ±√(−c/(3a)) で、極小と極大がy軸について対称に並ぶ → ① a > 0 のとき g′(x) = 3ax²+c > 0 で単調増加 → ④ よって テ,ト=①,④
②は極大と極小がともに x < 0 にあり、y軸について対称ではないので g′ の軸が x = 0 にならない。図の上では「極値の位置が原点をはさんで対称か」を見ればよい。
ナ:正解 ④(配点2)
<考え方>
「下に凸の放物線」は x² の係数が正、つまり 3a > 0 で a > 0 のこと。テ・トのうち a > 0 の方を選ぶ。
条件(c):g′(x) = 3ax²+c が下に凸 ⇔ 3a > 0 ⇔ a > 0 a > 0 かつ c > 0 だから g′(x) = 3ax²+c > 0 よって g(x) は単調増加で、グラフは④ よって ナ=④
「下に凸」は上に開いた放物線のこと。a < 0 の①では g′ が上に凸になるので条件(c)を満たさない。
第4問(選択) 数列
階差数列 bₙ = aₙ₊₁−aₙ の基本と、「和を求めたい数列 dₙ に対して、階差が dₙ になる数列 cₙ を先に見つける」という発想を追う問題。(2)(3)では cₙ の形を仮定して係数を決める。配点16。
ア,イ:正解 3, 4(配点2)
<考え方>
階差数列の定義 bₙ = aₙ₊₁−aₙ から aₙ₊₁ = aₙ+bₙ。bₙ = 4n−1 に n = 1 を入れて順に進める。
b₁ = 4·1−1 = 3 a₂ = a₁+b₁ = 1+3 = 4 よって ア=3、イ=4
ウ,エ,オ:正解 7, 1, 1(配点2)
<考え方>
同じ手順をもう1段進めるだけ。
b₂ = 4·2−1 = 7 a₃ = a₂+b₂ = 4+7 = 11 よって ウ=7、エオ=11
カ:正解 ⓪(配点1)
<考え方>
階差数列から一般項をつくる公式は aₙ = a₁+Σ[k=1→n−1] bₖ(n ≧ 2)。足す個数が n 個ではなく n−1 個であることが要点で、a₂ = a₁+b₁ で確かめられる。
a₂ = a₁+b₁ a₃ = a₁+b₁+b₂ aₙ = a₁+b₁+b₂+…+bₙ₋₁ 足す項の個数は n−1 個 よって カ=⓪
上端を n としてしまうのが定番の誤り。a₂ が b₁ だけを足した形であることに戻れば必ず n−1 と分かる。
キ,ク,ケ:正解 2, 3, 2(配点2)
<考え方>
Σ[k=1→n−1](4k−1) を等差数列の和として計算する。Σ[k=1→n−1] k = (n−1)n/2、Σ[k=1→n−1] 1 = n−1 を使う。
aₙ = 1+Σ[k=1→n−1](4k−1) = 1+4·(n−1)n/2−(n−1) = 1+2n(n−1)−n+1 = 1+2n²−2n−n+1 = 2n²−3n+2 検算:n = 1 で 2−3+2 = 1、n = 2 で 8−6+2 = 4、n = 3 で 18−9+2 = 11 よって キ=2、ク=3、ケ=2
この式は n = 1 でも a₁ = 1 を与えるので、すべての自然数でそのまま使える。(i)で求めた a₂, a₃ で検算すると安心できる。
コ,サ:正解 ⓪, ⑤(配点2)
<考え方>
cₙ = (pn+q)·2ⁿ の階差をとる。2ⁿ⁺¹ = 2·2ⁿ と見て、指数の低い 2ⁿ をくくり出すのが定石である。
cₙ₊₁−cₙ = {p(n+1)+q}·2ⁿ⁺¹−(pn+q)·2ⁿ
= 2ⁿ[2{p(n+1)+q}−(pn+q)]
= 2ⁿ[2pn+2p+2q−pn−q]
= {pn+(2p+q)}·2ⁿ
よって コ=⓪、サ=⑤
2ⁿ をくくらずに展開すると項が増えて見通しが悪くなる。指数をそろえてから中身を整理すること。
シ,ス,セ:正解 2, −, 3(配点1)
<考え方>
{pn+(2p+q)}·2ⁿ = (2n+1)·2ⁿ がすべての n で成り立つ条件を、n の係数と定数項で比べる。
pn+(2p+q) = 2n+1 がすべての n で成り立つ n の係数:p = 2 定数項:2p+q = 1 2·2+q = 1 q = −3 よって シ=2、スセ=−3
このとき cₙ = (2n−3)·2ⁿ。c₁ = −2、c₂ = 1·4 = 4 で c₂−c₁ = 6 = d₁ となり、確かに条件を満たしている。
ソ,タ:正解 ③, 2(配点2)
<考え方>
階差の和は両端の差になる(Σ[k=1→n] dₖ = cₙ₊₁−c₁)。cₙ = (2n−3)·2ⁿ を代入して整理する。
Σ[k=1→n] dₖ = cₙ₊₁−c₁
cₙ₊₁ = {2(n+1)−3}·2ⁿ⁺¹ = (2n−1)·2ⁿ⁺¹
c₁ = (2·1−3)·2 = −2
Σ[k=1→n] dₖ = (2n−1)·2ⁿ⁺¹−(−2) = (2n−1)·2ⁿ⁺¹+2
検算:n = 1 で 1·4+2 = 6 = d₁
n = 2 で 3·8+2 = 26 = d₁+d₂ = 6+20
よって ソ=③、タ=2
c₁ を引くのを忘れると定数項の +2 が出ない。n = 1 を入れて d₁ になるかを見れば、その場で気づける。
チ,ツ:正解 ⑦, 6(配点4)
<考え方>
dₙ が「n の2次式×2ⁿ」なので、cₙ = (an²+bn+c)·2ⁿ と仮定して階差を計算し、係数を比べる。あとは(2)と同じく cₙ₊₁−c₁ を求めればよい。
cₙ = (an²+bn+c)·2ⁿ とおく
cₙ₊₁−cₙ = 2ⁿ[2{a(n+1)²+b(n+1)+c}−(an²+bn+c)]
= 2ⁿ[2an²+4an+2a+2bn+2b+2c−an²−bn−c]
= 2ⁿ[an²+(4a+b)n+(2a+2b+c)]
これが (n²−n−1)·2ⁿ に等しいので
a = 1
4a+b = −1 より b = −5
2a+2b+c = −1 より 2−10+c = −1、c = 7
cₙ = (n²−5n+7)·2ⁿ
c₁ = (1−5+7)·2 = 6
cₙ₊₁ = {(n+1)²−5(n+1)+7}·2ⁿ⁺¹ = (n²−3n+3)·2ⁿ⁺¹
Σ[k=1→n] dₖ = (n²−3n+3)·2ⁿ⁺¹−6
検算:n = 1 で 1·4−6 = −2 = d₁
n = 2 で 2·8−6 = 2 = d₁+d₂ = −2+4
よって チ=⑦、ツ=6
この行だけで配点4と第4問で最も重い。(2)で「2ⁿ をくくって係数を比べる」手順を体で覚えておけば、2次式になっても同じ作業で片づく。
第5問(選択) 統計的な推測
資格試験の得点分布を正規分布で扱い、後半は「合格率が 0.4 より高いといえるか」を有意水準5%の片側検定で判断する。同じ比率 0.46 でも標本の大きさが 400 と 100 で結論が逆転するところが山場。配点16。
ア:正解 ①(配点2)
<考え方>
正規分布の標準化は(確率変数−平均)÷標準偏差である。N(116, 25²) の 25² は分散なので、標準偏差は 25 になる。
X ~ N(116, 25²) 平均 = 116、分散 = 25²、標準偏差 = 25 Y = (X−116)/25 よって ア=①
分母に分散 25² を入れる②が定番の誤答である。N( , ) の第2成分は分散で、標準偏差はその平方根だと押さえておく。
イ:正解 ⑤(配点2)
<考え方>
120点を標準化して z を出し、与えられた正規分布表から 0 から z までの面積を読んで 0.5 から引く。
Y = (120−116)/25 = 4/25 = 0.16 P(X ≧ 120) = P(Y ≧ 0.16) = 0.5−P(0 ≦ Y ≦ 0.16) 与えられた正規分布表より P(0 ≦ Y ≦ 0.16) = 0.0636 0.5−0.0636 = 0.4364 0.4364 に最も近い値は 0.44 よって イ=⑤
表が与えているのは 0 から z₀ までの面積である。上側確率にするには 0.5 から引く、という向きを毎回確認すること。
ウ,エ:正解 ⓪, ③(配点2)
<考え方>
0 と 1 の2値しかとる確率変数の平均と分散は、定義式にそのまま代入すれば出る。
E(Wᵢ) = 0·(1−p)+1·p = p
V(Wᵢ) = (0−p)²(1−p)+(1−p)²p
= p²(1−p)+p(1−p)²
= p(1−p){p+(1−p)}
= p(1−p)·1
= p(1−p)
よって ウ=⓪、エ=③
共通因数 p(1−p) をくくり出すと一気に片づく。展開して p²−p³ などを個別に計算する必要はない。
オ:正解 ⑦(配点2)
<考え方>
標本平均の分布は N(母平均, 母分散÷n) である。N( , ) の第2成分は分散なので、標準偏差 √(p(1−p)/n) ではなく p(1−p)/n を選ぶ。
母平均 = E(Wᵢ) = p 母分散 = V(Wᵢ) = p(1−p) W̄ の平均 = p W̄ の分散 = p(1−p)/n W̄ ~ N(p, p(1−p)/n) よって オ=⑦
④の √(p(1−p)/n) は標準偏差である。分散と標準偏差を入れ替える誤りは、この大問で最も起きやすい。
カ:正解 ②(配点2)
<考え方>
帰無仮説 p = 0.4 のもとで標準偏差は √(p(1−p)/n)。n = 400 を入れて根号を整理する。
√(0.4·0.6/400) = √(0.24/400) = √0.24/20 = (√24/10)/20 = (2√6/10)/20 = √6/100 よって カ=②
数値でも確かめられる。0.24/400 = 0.0006 でその平方根は約 0.0245、√6/100 = 2.45/100 = 0.0245 と一致する。
キ:正解 ②(配点2)
<考え方>
W̄ = 0.46 を標準化して z を出し、与えられた正規分布表で上側確率を読む。√6 = 2.45 という指定をそのまま使う。
標準化:(0.46−0.4)÷(√6/100) = 0.06·100/√6 = 6/√6 = √6 = 2.45 P(W̄ ≧ 0.46) = P(Z ≧ 2.45) = 0.5−P(0 ≦ Z ≦ 2.45) 与えられた正規分布表より P(0 ≦ Z ≦ 2.45) = 0.4929 0.5−0.4929 = 0.0071 よって キ=②
0.06 を 0.0245 で割ると約 2.449 になるが、式のまま整理すると 6/√6 = √6 とぴったり出る。割り算より約分の方が速い。
ク,ケ:正解 ①, ⓪(配点2)
<考え方>
キで求めた 0.0071 をパーセントに直すと 0.71% で、有意水準5%より小さい。よって帰無仮説 p = 0.4 は棄却され、対立仮説 p > 0.4 が採用される。
0.0071 = 0.71% 0.71% < 5% 有意水準より小さいので帰無仮説 p = 0.4 は棄却される 対立仮説 p > 0.4 が採用される よって ク=①、ケ=⓪
公式解答には「解答記号キが正解の場合のみ 1, 0 を正解とし、点を与える」という注がついており、キの確率を誤るとクとケを正しくマークしても得点にならない。確率の読み取りを先に固めること。
コ,サ:正解 ①, ①(配点2)
<考え方>
比率が同じ 0.46 でも、n が小さいと標準偏差が大きくなり、同じずれでも z が小さくなる。n = 100 で計算をやり直す。
標準偏差 = √(0.4·0.6/100) = √0.0024 = √6/50 = 2.45/50 = 0.049 標準化:(0.46−0.4)÷0.049 = 0.06÷0.049 ≒ 1.22 P(W̄ ≧ 0.46) = 0.5−P(0 ≦ Z ≦ 1.22) 与えられた正規分布表より P(0 ≦ Z ≦ 1.22) = 0.3888 0.5−0.3888 = 0.1112 = 11.12% 11.12% > 5% よって帰無仮説は棄却されない よって コ=①、サ=①
標準偏差は √n に反比例するので、n を 1/4 にすると標準偏差は2倍、z は約半分になる。「比率が同じなら結論も同じ」ではないという、太郎さんの疑問への答えがこれである。
第6問(選択) 平面上のベクトル
MP = aMA+bMB+cMC を満たす点Pについて、始点Mを動かしてもPが変わらない条件を調べ、そのもとでPの存在範囲を直線や領域として求める。前半は正六角形の中でPを具体的に特定する。配点16。
ア:正解 ④(配点2)
<考え方>
①を位置ベクトルに直すと P = A+2B−C−M になる。図1では六角形DEFGCAが正六角形で、その中心がBなのだから、Bを原点にとると式が P = A−C−M と軽くなる。
MP = MA+2MB−MC P−M = (A−M)+2(B−M)−(C−M) P = A+2B−C−M 六角形DEFGCAは正六角形で、その中心はB Bを原点、正六角形の外接円の半径を1とすると A = (1/2, √3/2)、C = (1, 0)、D = (−1/2, √3/2)、E = (−1, 0) B = 0 だから P = A−C−M M = A のとき P = A−C−A = −C = (−1, 0) = E よって ア=④
Bが中心なので −C は中心Bについて C と対称な点である。頂点の並び D→E→F→G→C→A から、Cの対角にあるのはEだと図で確かめられる。
イ:正解 ①(配点2)
<考え方>
同じ P = A−C−M に M = D を入れる。A−C がちょうど D に等しいことに気づくと一瞬で決まる。
A−C = (1/2−1, √3/2−0) = (−1/2, √3/2) = D P = A−C−M = D−M M = D のとき P = D−D = 0 = B よって イ=①
A−C = D は、ベクトルで書けば CA = BD にあたる。正六角形では対辺が平行で長さが等しいので、図の上でも確かめられる。
ウ:正解 ②(配点1)
<考え方>
始点をAにそろえる書き換えで、「後ろから前を引く」基本形 MP = AP−AM をそのまま使う。
MP = AP−AM (位置ベクトルで確かめると MP = (P−A)−(M−A) = P−M) よって ウ=②
符号を逆にした③や、足してしまう⓪を選ばないこと。始点をそろえる書き換えは「終点−始点」の形を崩さない。
エ,オ,カ:正解 ①, ②, ⑦(配点2)
<考え方>
MA, MB, MC をすべて AB, AC, AM で書き直す。MA = −AM、MB = AB−AM、MC = AC−AM を代入して AM でまとめる。
MA = AA−AM = −AM MB = AB−AM MC = AC−AM aMA+bMB+cMC = −aAM+b(AB−AM)+c(AC−AM) = b·AB+c·AC+(−a−b−c)AM よって エ=①、オ=②、カ=⑦
AM の係数に a も入る(MA = −AM から出る)。これを落とすと次のケの答えが合わなくなるので、3つの項すべてから AM を集めること。
キ,ク,ケ:正解 ①, ②, ⑨(配点2)
<考え方>
ウとカの結果を②に戻し、AP について解く。左辺の −AM を右辺へ移すので、AM の係数が1だけ増える。
AP−AM = b·AB+c·AC+(−a−b−c)AM AP = b·AB+c·AC+(1−a−b−c)AM よって キ=①、ク=②、ケ=⑨
移項で +1 が付くところが要点である。⑦の (−a−b−c) をそのまま選ばないこと。
コ:正解 ⑦(配点2)
<考え方>
AB と AC は平行でないので基本ベクトルとして使える。Pの位置がMに依存しないための必要十分条件は、AM の係数が0になることである。
AP = b·AB+c·AC+(1−a−b−c)AM Mがどこにあっても AP が変わらない ⇔ 1−a−b−c = 0 a+b+c = 1 よって コ=⑦
太郎さんの例 a = 1, b = 0, c = 0 は和が1で、確かにPはAに固定される。①の a = 1, b = 2, c = −1 は和が2なので、Mによって位置が変わる。
サ:正解 ④(配点2)
<考え方>
a+b+c = 1 のもとで AP = b·AB+c·AC となる。a = 1/2 なら b+c = 1/2 で、これは「係数の和が一定」という直線の条件である。両端にあたる場合を調べて2点を特定する。
a+b+c = 1 より AP = b·AB+c·AC a = 1/2 のとき b+c = 1−1/2 = 1/2 b = 1/2, c = 0 のとき AP = (1/2)AB → 辺ABの中点 J b = 0, c = 1/2 のとき AP = (1/2)AC → 辺CAの中点 I b+c = 1/2 を満たす (b, c) 全体は1本の直線を与える よってPの存在範囲は直線IJ よって サ=④
b, c に正負の制限がないので、線分IJではなく直線IJ全体になる。中点連結定理から直線IJは直線BCに平行である。
シ:正解 ③(配点3)
<考え方>
a+b+c = 1 より AP = b·AB+c·AC で、a は b, c から決まるので条件は「b は任意の実数、c < 0」である。AB, AC を基本ベクトルとする斜交座標でPの座標を (b, c) と見ると、c = 0 が直線AB、(b, c) = (0, 1) が点Cなので、c < 0 は「直線ABを境界とし、Cを含まない側の半平面」になる。境界は直線AB1本だけで、直線BCは境界にならない。
a+b+c = 1 より AP = b·AB+c·AC a = 1−b−c で決まるので、条件は b は任意の実数、c < 0 AB, AC を基本ベクトルとする斜交座標でPの座標は (b, c) c = 0 のとき P は直線AB上(b が任意だから直線AB全体) (b, c) = (0, 1) のとき P = C なので、Cは c > 0 の側 よって c < 0 は直線ABを境界とし、Cを含まない側の半平面(境界は含まない) よって シ=③
④は「直線ABの左側」かつ「直線BCの上側」だけを塗ったくさび形で、直線BCより下の部分が抜けている。境界がただ1本の直線になっているかどうかで見分けるとよい。
第7問(選択) 複素数平面
w = z+1/z が描く図形を追う問題。z が原点中心・半径 r の円上を動くとき、r = 1 なら実軸上の線分、r ≠ 1 なら楕円になり、最後は w² が描く図形(中心がずれた楕円)まで進む。配点16。
ア:正解 2(配点2)
<考え方>
複素数の絶対値は |a+bi| = √(a²+b²)。
z = √3+i
|z| = √{(√3)²+1²} = √(3+1) = √4 = 2
よって ア=2
|z| = 2 は次のイ〜カで 1/z = z̄/|z|² = z̄/4 と使える。先に出しておく意味がある。
イ,ウ,エ,オ,カ:正解 5, 3, 4, 3, 4(配点2)
<考え方>
1/z は分母の共役複素数をかけて分母を実数化する。|z|² = 4 を使うと 1/z = (√3−i)/4 と一気に書ける。
1/z = 1/(√3+i) = (√3−i)/{(√3+i)(√3−i)} = (√3−i)/(3+1) = (√3−i)/4
w = z+1/z = (√3+i)+(√3−i)/4
= (4√3+√3)/4+(4i−i)/4
= 5√3/4+(3/4)i
よって イ=5、ウ=3、エ=4、オ=3、カ=4
実部と虚部を別々に通分すること。実部では √3 が増え、虚部では i が減るので、符号の向きが逆になる。
キ,ク:正解 ⑥, ⑨(配点2)
<考え方>
極形式では 1/z = (1/r){cos(−θ)+isin(−θ)} = (1/r)(cosθ−isinθ) になる。実部と虚部を別々に足す。
z = r(cosθ+isinθ)
1/z = (1/r){cos(−θ)+isin(−θ)} = (1/r)(cosθ−isinθ)
w = z+1/z
= {r cosθ+(1/r)cosθ}+i{r sinθ−(1/r)sinθ}
= (r+1/r)cosθ+i(r−1/r)sinθ
よって キ=⑥、ク=⑨
実部では 1/r が足され、虚部では引かれる。この符号の違いが、以降で「線分になるか楕円になるか」を決める。
ケ:正解 1(配点1)
<考え方>
θ の値によらず虚部が0になるのは、θ を含まない係数 r−1/r 自体が0のときである。r が正の実数であることに注意して解く。
r−1/r = 0 (r²−1)/r = 0 r² = 1 r > 0 より r = 1 よって ケ=1
r = −1 は「r は正の実数」という条件から除かれる。sinθ = 0 とする方向に進まないこと(θ によらず成り立つ必要がある)。
コ:正解 ①(配点2)
<考え方>
r = 1 のとき虚部が消え、w = 2cosθ で実軸上を動く。cosθ の値域 −1 ≦ cosθ ≦ 1 から w の動く範囲が決まる。
r = 1 のとき 実部 = (1+1)cosθ = 2cosθ 虚部 = (1−1)sinθ = 0 −1 ≦ cosθ ≦ 1 より −2 ≦ 2cosθ ≦ 2 よって w は実軸上の −2 から 2 までの線分を描く よって コ=①
振幅が 2 になるので、⓪の −1 から 1 までではない。r+1/r = 2 という値を必ず計算してから図を選ぶこと。
サ:正解 ②(配点2)
<考え方>
媒介変数表示から θ を消すには cos²θ+sin²θ = 1 に代入する。r ≠ 1 なので r+1/r も r−1/r も0ではなく、割ることができる。
x = (r+1/r)cosθ、y = (r−1/r)sinθ r ≠ 1、r > 0 より r+1/r ≠ 0 かつ r−1/r ≠ 0 cosθ = x/(r+1/r)、sinθ = y/(r−1/r) cos²θ+sin²θ = 1 に代入して x²/(r+1/r)²+y²/(r−1/r)² = 1 よって サ=②
分母は2乗されるので、r−1/r が負(0 < r < 1 のとき)でも式は変わらない。符号は+なので、③のような双曲線の式にはならない。
シ:正解 ③(配点1)
<考え方>
w = z+1/z を2乗して展開するだけ。中央の項が 2·z·(1/z) = 2 という定数になるのがこの問題の仕掛けである。
w² = (z+1/z)² = z²+2·z·(1/z)+(1/z)² = z²+1/z²+2 よって シ=③
z²+1/z² という形が現れるので、(2)と同じ構造をそのまま流用できる。2i を足す⑤などは展開を誤ったときの選択肢である。
ス:正解 ②(配点2)
<考え方>
z が半径 r の円上を動くとき z² は半径 r² の円上を動く。したがって z²+1/z² は、(2)(iii)で求めた式の r を r² に置き換えたものを満たす。
z = r(cosθ+isinθ) のとき z² = r²(cos2θ+isin2θ) z² は原点中心・半径 r² の円を描く (2)(iii)の結果で r を r² に置き換えると X = (r²+1/r²)cos2θ、Y = (r²−1/r²)sin2θ X²/(r²+1/r²)²+Y²/(r²−1/r²)² = 1 よって ス=②
r ≠ 1 なら r² ≠ 1 なので、分母はどちらも0にならない。同じ構造を「半径を r² に取り替えるだけ」と見抜けるかが鍵である。
セ:正解 ③(配点2)
<考え方>
w² = (z²+1/z²)+2 なので、スで求めた楕円を実軸方向に 2 だけ平行移動した図形になり、中心は (2, 0) である。横の半径 r²+1/r² は相加平均と相乗平均の関係から 2 より大きく、しかも縦の半径 |r²−1/r²| より必ず大きい。したがって横長で、左端の x座標 2−(r²+1/r²) が負になるので原点を内部に含む。
w² = (z²+1/z²)+2 = (X+2)+Yi 中心は (2, 0) 横方向の半径 = r²+1/r²、縦方向の半径 = |r²−1/r²| r ≠ 1 より r²+1/r² > 2(相加平均と相乗平均の関係、等号は r² = 1 のときのみ) (r²+1/r²)−|r²−1/r²| > 0 だから横長の楕円 左端の x座標 = 2−(r²+1/r²) < 0 だから原点は楕円の内部 よって セ=③
「中心 (2, 0)」「横長」「原点を内部に含む」の3つで図が1つに決まる。⑤は原点が楕円の外にあり、①は縦長なので当てはまらない。
※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

