2026年度 大学入学共通テスト 追試験「物理基礎」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。
解答
解説
2026年度大学入学共通テスト(追試験)の物理基礎は、大問3つ・設問14問(解答番号は101〜115の15個)という構成で、満点50点・全問必答、試験時間は30分です(理科基礎は物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎の4科目から2科目を選択し、あわせて60分)。4科目が1冊の問題冊子にまとめられて100点満点で編集されているため、物理基礎の解答番号は101番から始まります。配点は第1問が16点、第2問が18点、第3問が16点です。
第1問は小問集合で、遠方への送電における電力損失、液体中につり下げた円筒管にはたらく力、固体・液体・気体の熱膨張、閉管の共鳴と音速という4分野から出題されています。第2問は力学の大問で、Aがなめらかな斜面を上って出発点に戻る小物体の等加速度運動、Bがおもりを順に切り離していく気球の浮力と、落下するおもりの運動です。第3問は電流と磁場が主題で、直線電流がつくる磁場と方位磁針の振れ、円形コイルがつくる磁力線、コイルと棒磁石による電磁誘導、変圧器の巻数比が問われます。
この回は、式や数値で答えが一意に決まる設問が多い一方で、わかったつもりを試す設問が各大問に置かれています。第1問問2の図1は、ふたの上面も下面も同じ深さの液体に接しているため圧力が打ち消し合い、糸の張力が mg だけになるという結果になります。第2問問5は、おもりBをはなす瞬間に気球と同じ上向きの速さをもっていることを見落とすと、初速度0のグラフを選んでしまいます。第3問問2は、実験結果からコイルの磁極を決め、立体の図を水平面上の平面図に読みかえ、そのうえで磁力線の性質で絞るという3段の作業が必要です。グラフや図の選択肢は形の印象で選ばず、符号・初速度・回り方といった決め手を1つずつ確かめてから当てにいくのが確実です。
第1問 小問集合(送電の電力損失・液体中の円筒管にはたらく力・熱膨張・閉管の共鳴)
配点16。電気・力学・熱・波の4分野から独立した4問(解答番号は5個)が並ぶ小問集合です。いずれも教科書の基本原理に戻れば決まりますが、問2だけは圧力のつり合いを丁寧に立てる必要があります。
問1:正解 ③(解答番号101/配点4)
<問題要旨>
遠方の発電所からある決まった電力を家庭や工場へ送るときの説明として最も適当なものを、5つの文から選ぶ設問です。
<考え方>
送電線の抵抗を R、流れる電流を I とすると、送電線で失われる電力は I²R です。送る電力 P = VI が決まっているとき、電圧 V を高くすれば電流 I = P/V が小さくなり、損失は電流の2乗で減ります。これが高電圧で送電する理由なので③が正しい。①は抵抗をもつ送電線で損失が出ないとしている点が誤り、②は家庭で使う低い電圧で送ると同じ電力に対して電流が大きくなるので逆、④も電流を大きくすると損失が増えるので逆、⑤は送電が電波ではなく導線を流れる電流によって行われるので誤りです。
問2(図1):正解 ④(解答番号102/配点2)
<問題要旨>
断面積 S、長さ L の円筒管の一方の端が薄いふたでふさがれ、ふたの中心につけた軽い糸で液体中につり下げられています。図1は、管内に気体が入らないように(管内が液体で満たされた状態で)ふたが液面から深さ h の位置にあり、円筒管が静止している場面で、このときの糸の張力の大きさを表す式を選びます。円筒管にはたらく浮力は無視できるという条件が付いています。
<考え方>
円筒管とふたを一つの物体と見て、鉛直方向の力のつり合いを立てます。ふたの上面は深さ h の液体に接するので、下向きに (P₀+ρgh)S を受けます。管内も液体で満たされ、管の下端は開いて外の液体とつながっているので、ふたの下面が受ける圧力も同じ深さの P₀+ρgh で、上向きに (P₀+ρgh)S を受けます。この2つは大きさが等しく打ち消し合い、側面は鉛直なので圧力による鉛直方向の力をもちません。残るのは重力 mg と張力 T だけです。深さ h が式に残ると考えて①や②を選びやすいところですが、上下で同じ深さなので h は消えます。
(ふたの上面が受ける力)= (P₀ + ρgh)S(下向き) (ふたの下面が受ける力)= (P₀ + ρgh)S(上向き) つり合い: T + (P₀ + ρgh)S - mg - (P₀ + ρgh)S = 0 T = mg よって ④
問2(図2):正解 ②(解答番号103/配点2)
<問題要旨>
図2は同じ円筒管を引き上げ、ふたが液面から高さ ℓ の位置にあり、それでも管内が液体で満たされたまま円筒管が静止している場面です。このときの糸の張力の大きさを表す式を選びます。
<考え方>
今度はふたの上下で圧力が異なるので、その差が張力に効いてきます。ふたの上面は大気に接するので下向きに P₀S を受けます。ふたの下面は管内の液体に接し、その位置は液面より ℓ 高いので圧力は P₀-ρgℓ、上向きに (P₀-ρgℓ)S を受けます。差し引くと ρSℓg が下向きに余分にはたらくので、張力は重力よりその分だけ大きくなります。式の形を見るときは、決め手が管の長さ L ではなく液面からの高さ ℓ だという点で、L を含む③と⑤は落ちます。また重力の項を落とした④と⑥も成り立ちません。
(ふたの上面が受ける力)= P₀S(下向き) (ふたの下面が受ける力)= (P₀ - ρgℓ)S(上向き) つり合い: T + (P₀ - ρgℓ)S - mg - P₀S = 0 T = mg + ρSℓg よって ②
問3:正解 ⑤(解答番号104/配点4)
<問題要旨>
熱膨張について述べた3つの文(a)〜(c)から、正しいものをすべて選んだ組合せを答える設問です。固体の密度、液体が膨張するしくみ、一定圧力のもとでの気体の膨張が取り上げられています。
<考え方>
(a)は正しい。熱膨張しても物体の質量は変わらず体積だけが増えるので、密度 = 質量/体積 は小さくなります。(b)は誤り。温度を上げても原子そのものの大きさはほとんど変わりません。熱運動が激しくなって原子間の平均距離が広がることで膨張します。(c)は正しい。一定の圧力のもとで温度を上げると分子の熱運動が激しくなり、同じ圧力を保つためには体積が増えます。正しいのは(a)と(c)の2つです。
問4:正解 ⑤(解答番号105/配点4)
<問題要旨>
空気中で閉管の開口端近くにスピーカーを置き、振動数を0からゆっくり増加させると振動数 f₁ で最初の共鳴が生じ、さらに増加させると f₂ で二回目の共鳴が生じました。次に同じ閉管とスピーカーを、ある気体で満たした十分大きな箱の中に入れて同じ実験を行うと、最初の共鳴が f₂ とほぼ同じ振動数で生じました。この気体中の音速が空気中の音速の約何倍かを選びます。閉管の開口端補正は無視できるとされています。
<考え方>
閉管の共鳴振動数は基本振動の奇数倍になり、管の長さを L、音速を v として f = (2n-1)v/(4L) と書けます。したがって空気中では最初の共鳴が基本振動の f₁ = v/(4L)、二回目が3倍振動の f₂ = 3v/(4L) で、f₂ = 3f₁ という関係になります。気体中では管の長さ L が同じまま、最初の共鳴すなわち基本振動が f₂ で生じたので、v′/(4L) = f₂ = 3v/(4L) が成り立ち、v′ = 3v が得られます。閉管の倍振動を偶数倍と取り違えると2倍(④)を選んでしまうので、奇数倍であることを押さえておきます。
空気中: f₁ = v/(4L),f₂ = 3v/(4L) (f₂ = 3f₁) 気体中の最初の共鳴: v′/(4L) = f₂ = 3v/(4L) v′ = 3v よって ⑤
第2問 A なめらかな斜面を上って戻る小物体の等加速度運動
第2問は配点18で、AとBに分かれます。Aは水平面と30°の角度をなすなめらかな斜面の下端から、斜面に沿って上向きに速さ v₀ で打ち出した小物体Aを扱い、加速度の時間変化、最高点までの時間、途中の速さを3問(各配点3)で問います。空気抵抗は無視できるとされています。
問1:正解 ⑥(解答番号106/配点3)
<問題要旨>
小物体Aが打ち出されてから出発点に戻ってくるまでの、加速度の時間変化を表すグラフを6つから選びます。打ち出された時刻を0とし、斜面に沿って上向きを加速度の正の向きとする、という約束が付いています。
<考え方>
斜面はなめらかなので摩擦力はなく、斜面に沿った方向にはたらくのは重力の斜面成分だけです。その大きさは mg sin30° = mg/2、向きは常に斜面下向きで、上っているときも下っているときも変わりません。したがって加速度は全区間で -g sin30° = -g/2 の一定値であり、グラフは時間軸より下側の水平な直線になります。速度の向きが反転するのにあわせて加速度も符号を変えると考えると③や④になりますが、はたらく力が変わらないのだから加速度も変わりません。⑤は正の一定値で、斜面上向きを正とする約束に反します。①②は加速度が時間とともに変化してしまうので不適です。
問2:正解 ⑤(解答番号107/配点3)
<問題要旨>
小物体Aが打ち出されてから最高点に到達するまでの時間が、小物体Bが水平面から鉛直上向きに同じ速さ v₀ で打ち出されてから最高点に到達するまでの時間の何倍かを、6つの数値から選びます。
<考え方>
どちらも初速度の大きさが v₀ で、運動方向の加速度の大きさが一定の等加速度運動なので、速さが0になる時刻は「初速度÷加速度の大きさ」で決まります。Aは斜面に沿った加速度の大きさが g sin30° = g/2 なので t_A = 2v₀/g、Bは鉛直投げ上げで加速度の大きさが g なので t_B = v₀/g です。斜面では重力の効きが半分になるぶん、止まるまでに2倍の時間がかかります。sin30° = 1/2 を cos30° と取り違えると1.7倍(④)や1.4倍(③)を選んでしまうので、斜面に沿った成分が sin であることを確認しておきます。
t_A = v₀/(g sin30°) = v₀/(g/2) = 2v₀/g t_B = v₀/g t_A / t_B = 2.0 よって ⑤
問3:正解 ③(解答番号108/配点3)
<問題要旨>
小物体Aが最高点に到達した後、出発点と最高点の中点を再び通過するときの速さが、最初の速さ v₀ の何倍かを選びます。ここでの中点は、斜面に沿った距離の中点です。
<考え方>
斜面に沿った1次元の等加速度運動なので、v² - v₀² = 2ax(a = -g/2)が使えます。まず最高点までの距離 d を求め、その半分の位置での速さを同じ式から出します。要点は、この式が速さの2乗と距離を結びつけていることで、距離が半分になっても速さは半分ではなく 1/√2 倍になります。力学的エネルギーで考えても、最初の運動エネルギーのちょうど半分が位置エネルギーに移った状態なので、v = v₀/√2 ≒ 0.71 v₀ です。距離が半分だから速さも半分と考えると0.50(②)を選んでしまいます。
最高点まで: 0 - v₀² = 2(-g/2)d → d = v₀²/g 中点(距離 d/2): v² - v₀² = 2(-g/2)(d/2) = -v₀²/2 v² = v₀²/2 → v = v₀/√2 ≒ 0.71 v₀ よって ③
第2問 B おもりを切り離していく気球の浮力と落下するおもりの運動
Bは、内部の気体を含めた質量が M の気球に質量 m のおもりAとBをつけ、地上から一定の高さで静止させた状況を扱います。静止時に気球にはたらく浮力、おもりBをはなした後の高さのグラフ、空気抵抗を考えたときのおもりAの速さのグラフを3問(各配点3)で問います。風の影響とおもりが受ける浮力は無視できるとされています。
問4:正解 ⑤(解答番号109/配点3)
<問題要旨>
図3のように、気球におもりAとBをつけて地上から一定の高さで静止しているとき、気球にはたらく浮力の大きさを表す式を選びます。気球の質量は内部の気体を含めて M、おもりはどちらも質量 m、重力加速度の大きさは g です。
<考え方>
静止しているので、気球とおもり2個をまとめた系にはたらく力がつり合っています。下向きの力は全体の重力で (M+2m)g、上向きの力は気球が受ける浮力だけです。おもりが受ける浮力は無視するという条件があるので数えません。したがって浮力の大きさは (M+2m)g です。おもりの重力を数え忘れると Mg(①)、1個だけ数えると (M+m)g(②)になります。
問5:正解 ③(解答番号110/配点3)
<問題要旨>
静止した気球からおもりAを静かにはなすとAは自由落下し、気球は上昇を始めます。気球が上昇している最中に二つ目のおもりBを静かにはなしたとき、おもりBの高さと、Bをはなした直後からの時間の関係を表すグラフを5つから選びます。空気抵抗は無視できるとされています。
<考え方>
決め手は、はなした瞬間のおもりBの速度です。Bは上昇中の気球についていたのだから、はなした瞬間には気球と同じ上向きの速さをもっています。以後はたらくのは重力だけなので、Bは初速度が上向きの鉛直投射となり、高さはいったん増えて最高点に達した後に減少します。グラフは上に凸の放物線で、頂点が時刻0より後にある形です。②は頂点が時刻0にあり、これは初速度0ではなした自由落下の形なので、Bが上向きの速さをもっていることを表せていません。①④⑤も最初から高さが減っているので不適です。④は直線で、加速度が0の等速運動を表してしまいます。
問6:正解 ④(解答番号111/配点3)
<問題要旨>
問5では空気抵抗を無視しましたが、ここでは空気抵抗を考えます。静止した気球からおもりAをはなした直後からの時間と、地上から見たおもりAの速さの関係を表すグラフを6つから選びます。
<考え方>
気球は静止していたので、おもりAの初速度は0です。落下し始めると重力によって加速しますが、速さが増すほど空気抵抗が大きくなって合力が小さくなるので、加速度はだんだん小さくなります。やがて空気抵抗が重力とつり合うと加速度が0になり、速さは一定値(終端速度)に近づきます。したがってグラフは原点から立ち上がり、上に凸で一定値に漸近する形です。①は加速度がむしろ増え続けるので不適、②⑤は速さが減っていくので不適、③は初速度が0ではないので不適です。⑥は一定値に達しますが、そこまで直線で伸びて折れ点で急に一定になっており、抵抗が速さとともに連続的に増えるという性質を表せていません。
第3問 直線電流・円形電流がつくる磁場と、電磁誘導・変圧器
配点16。前半は電流がつくる磁場の向きを方位磁針の振れと磁力線の図で問い、後半はコイルと棒磁石による電磁誘導と変圧器の巻数比を問います。各配点4で、図に描かれた立体的な向きを平面に読みかえる作業が中心になります。
問1:正解 ①(解答番号112/配点4)
<問題要旨>
南北方向に張った長い直線状の導線の真下に方位磁針を置き、北から南の向きに一定の電流をしばらくの間だけ流した後、電流を止めます。この間の方位磁針のN極の振れ方として最も適当なものを4つから選びます。図1には導線と電流の向き、真下の方位磁針、東西南北の向きが示されています。
<考え方>
直線電流のまわりの磁場の向きは右ねじの法則で決まります。右手の親指を電流の向き(南)に向けて導線を握ると、指の回る向きが磁場の向きで、南向きの電流が流れる導線の真下では磁場は東を向きます。方位磁針のN極は、地磁気による北向きの磁場とこの東向きの磁場を合成した向きを指すので、電流を流している間は北から東へ振れ、電流を止めると地磁気だけになって北に戻ります。②は振れる向きが逆です。③と④のように「流し始めた一瞬だけ振れてすぐ北に戻る」のは、磁場が変化する瞬間にだけ何かが起きるという電磁誘導の描像であって、定常電流がつくる磁場は流れている間ずっと存在するので当てはまりません。
問2:正解 ②(解答番号113/配点4)
<問題要旨>
鉛直方向につるした円形の導線(コイル)に一定の電流を流し、棒磁石のN極を右側からコイルの中心に向けてゆっくり近づけるとコイルは引きつけられ(図2)、N極を左側からゆっくり近づけるとコイルは反発しました(図3)。この実験結果からコイルのつくる磁場を予想し、コイルを貫く水平面上に描いた磁力線の図を4つから選びます。図4の黒丸AとBは導線が水平面を貫く位置で、Aが手前側、Bが奥側です。
<考え方>
3段に分けると確実に決まります。第一に磁極です。右からN極を近づけて引きつけられたのでコイルの右面はS極、左からN極を近づけて反発したので左面はN極です。磁石の内部では磁場はS極側からN極側へ向かうので、コイルの内部の磁場は右から左へ、つまり図2で左向きです。第二に水平面上での電流の向きです。AとBはコイルの直径の両端にあたるので、電流は互いに逆向きに水平面を貫きます。上から見ると、一方の点では面から手前に出る向き、他方では面の奥へ入る向きです。第三に磁力線の性質で落とします。磁力線は湧き出したり吸い込まれたりせず必ず閉じた曲線になるので、AとBから放射状に出入りする①と③は成り立ちません。残る②と④は、Aのまわりの回り方とBのまわりの回り方が互いに逆かどうかで分かれます。AとBで電流の向きが逆なのだから、まわりを回る向きも逆でなければならず、そうなっているのは②です。④はAのまわりとBのまわりが同じ回り方に描かれていて、これは同じ向きの電流2本がつくる磁場の図であり、1つのコイル上の2点という条件と矛盾します。②では、AのまわりとBのまわりの磁場が足し合わさるAB間で磁場の向きがそろい、その向きがコイル内部の磁場の向きと一致しています。
問3:正解 ②(解答番号114/配点4)
<問題要旨>
コイルに検流計をつなぎ、棒磁石をコイルに近づけたり遠ざけたりする実験について、検流計に流れる電流について書かれた4つの文(a)〜(d)から、正しいものを二つ選んだ組合せを答えます。図5では棒磁石はN極を下に向けてコイルの上にあります。
<考え方>
電磁誘導では、コイルを貫く磁束の変化を打ち消す向きに誘導起電力が生じ、その大きさは磁束の変化の速さで決まります。この2点に照らして4文を1つずつ見ます。(a)は正しい。磁石の向きを逆にするとコイルを貫く磁束の向きが逆になるので、それを打ち消す誘導電流の向きも逆になります。(b)は誤り。近づけるときは磁束が増え、遠ざけるときは減るので、変化の向きが逆であり誘導電流の向きも逆になります。(c)は正しい。磁力の強い磁石ほど、同じ動かし方でもコイルを貫く磁束の変化が大きく、電流も大きくなります。(d)は誤り。速く動かすほど磁束の変化が速くなり、誘導起電力も電流も大きくなります。正しいのは(a)と(c)の組合せです。
問4:正解 ③(解答番号115/配点4)
<問題要旨>
図6のように、同一の鉄心にコイルAとコイルBを巻きつけ、コイルAに 6600 V の交流電源、コイルBに 2 kΩ(2000 Ω)の抵抗器を接続した変圧器です。コイルBに接続した抵抗器に 50 mA(0.05 A)の交流電流が流れるようにするには、コイルBの巻数をコイルAの巻数の何倍にすればよいかを選びます。交流電圧・交流電流の大きさは実効値で、電圧の変換過程で電気エネルギーの損失はないとされています。
<考え方>
巻数比を出すには電圧の比が必要なので、まずコイルB側に必要な電圧を求めます。抵抗器にはオームの法則が成り立つので、V_B = IR = 0.05 × 2000 = 100 V です。損失のない変圧器では一次側と二次側の電圧の比が巻数の比に等しく、V_A : V_B = N_A : N_B が成り立つので、N_B/N_A = V_B/V_A = 100/6600 = 1/66 となります。6600 V を 100 V に下げるのだから巻数も減らす側であり、比を逆にした66倍(④)にはなりません。抵抗値の 2000 をそのまま比に持ち込むと②や⑤になりますが、必要なのはあくまで電圧の比です。
抵抗器の電圧: V_B = IR = 0.05 A × 2000 Ω = 100 V 巻数比: N_B/N_A = V_B/V_A = 100/6600 = 1/66 よって ③
※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

