2022年度 大学入学共通テスト 本試験 生物基礎 解答・解説

2022年度 大学入学共通テスト 本試験「生物基礎」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。

目次
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解答

解説

第1問

問1:正解④

<問題要旨>

酵素は細胞外でも働くので④が誤り

ホタルの腹部の発光器にあるルシフェラーゼは酵素の一つで、基質であるルシフェリンに作用する。下線部(a)の「酵素」について誤っている記述を選ぶ設問である。酵素はタンパク質を主成分とし細胞内で合成されるが、働く場所は細胞内に限られない。だ液のアミラーゼやすい液に含まれる消化酵素は細胞外(消化管内)に分泌されてそこで働く。したがって「細胞内で働き、細胞外では働かない」とする④が誤りであり、これが正解となる。

<選択肢>

①【正】

酵素は化学反応の活性化エネルギーを下げて反応を促進する触媒(生体触媒)です。

正しい記述なので、誤っているものを選ぶこの設問の答えにはなりません。

②【正】

酵素はタンパク質なので、口から摂取すると消化酵素によりアミノ酸などに分解されます。

そのままの状態で細胞に取り込まれて働くことはなく、正しい記述です。

③【正】

酵素の主成分はタンパク質で、DNAの遺伝情報をもとに細胞内で合成されます。

ルシフェラーゼもホタルの発光器の細胞内でつくられた酵素です。

④【誤】

これが誤っているもの=正解です。

だ液中のアミラーゼやすい液中のトリプシンなど、細胞外に分泌されて働く酵素が多数あります。

酵素は細胞内だけで働くわけではありません。

⑤【正】

酵素は触媒なので反応の前後で自身は変化せず、繰り返し同じ反応に使われます。

ルシフェラーゼも次々とルシフェリンに作用して発光を続けます。

問2:正解⑥

<問題要旨>

ATPをつくるのはミトコンドリアと葉緑体

下線部(b)のATPに関連して、核ⓐ・ミトコンドリアⓑ・葉緑体ⓒのうちATPが合成される細胞小器官を過不足なく選ぶ。ミトコンドリアでは呼吸のクエン酸回路と電子伝達系によって有機物を分解しながらATPが合成される。葉緑体ではチラコイドで光エネルギーを利用してATPが合成され、それがストロマでの有機物合成に使われる。核はDNAを収めて転写が行われる場であり、ATP合成の場ではない。よってⓑとⓒを含む⑥が正解である。

<選択肢>

①【誤】

核はDNAを収め遺伝情報の保存と転写を担う構造で、ATP合成の場ではありません。

②【誤】

ミトコンドリアでATPが合成されるのは正しいのですが、葉緑体ⓒが抜けています。

「過不足なく含むもの」を選ぶ設問なので不足があると誤りです。

③【誤】

葉緑体でATPが合成されるのは正しいのですが、ミトコンドリアⓑが抜けています。

④【誤】

核ⓐが含まれている点が誤りで、葉緑体ⓒも抜けています。

⑤【誤】

核ⓐが含まれている点が誤りで、ミトコンドリアⓑも抜けています。

⑥【正】

ミトコンドリアは呼吸により、葉緑体は光合成の光化学反応によりATPを合成します。

この二つを過不足なく含むので正解です。

⑦【誤】

ミトコンドリアと葉緑体は正しいのですが、核ⓐを余分に含んでいるため誤りです。

問3:正解①

<問題要旨>

ATP量から細菌数を出すための前提条件

下線部(c)の、牛乳などの食品や食器に付着した細菌数をATP量から推定するキットについて、前提となる条件を選ぶ。測定したATP量を細菌数に換算するには、まずⓓ「個々の細菌の細胞に含まれるATP量がほぼ等しい」ことが必要で、これが成り立たないとATP量を細菌一個体当たりの量で割ることができない。さらにⓔ「細菌以外に由来するATP量が無視できる」ことも必要で、牛乳や食品残渣に由来するATPが混ざれば細菌数を過大に見積もってしまう。よってⓓとⓔの①が正解である。

<選択肢>

①【正】

ⓓが成り立てば、測定した総ATP量を細菌1個当たりのATP量で割って細菌数を求められます。

ⓔが成り立てば、検出されたATPがすべて細菌由来とみなせます。

この二つがそろって初めてATP量から細菌数を推定できるので正解です。

②【誤】

ⓕ「細菌はエネルギー源としてATPを消費している」は細菌一般の性質を述べたにすぎません。

ATP量を細菌数に換算する前提にはならず、ⓔが抜けている点も誤りです。

③【誤】

ⓖの測定温度は換算の前提ではありません。

むしろ細菌が増殖しやすい温度で測ると測定中に細菌が増えてしまいます。

④【誤】

ⓔは前提として正しいのですが、ⓕは前提ではなくⓓが抜けています。

⑤【誤】

ⓔは正しいものの、ⓖは前提ではなくⓓも抜けています。

⑥【誤】

ⓕもⓖも、測定したATP量を細菌数に換算するための前提条件ではありません。

問4:正解③

<問題要旨>

花芽は細胞が小さく単位重量当たりの細胞数が多い

ブロッコリーの花芽と茎から図1の簡易抽出法で同じようにDNAを取り出したが、同じ重さでも茎のほうが白い繊維状の物質が少なかった。その理由を、酸で処理して細胞を解離させ核を染色した図2の光学顕微鏡写真(スケールはどちらも50μm)から読み取る。同じ大きさの目盛りで比べると、花芽では小さな細胞が密に詰まり多数の核が見えるのに対し、茎では大きな細胞が数個しか入っていない。つまり花芽は単位重量当たりの細胞数すなわち核数が多く、その分DNAを多く得られる。よって③が適当である。

<選択肢>

①【誤】

図2で花芽の核が濃く見えるのは核が小さく密集しているためで、DNAの密度の差を示す根拠にはなりません。

仮に密度が高くても、得られるDNAの総量が多い理由の説明にはなりません。

②【誤】

図2では50μmのスケールで比べると花芽の核はむしろ小さく、茎の細胞の核のほうが大きく見えます。

写真の読み取りと逆の記述です。

③【正】

図2の花芽では小さな細胞が密に並び、同じ面積に多数の核が見えます。

茎では細胞が大きく、同じ視野に数個しか入っていません。

同じ重さなら花芽のほうが細胞数=核数が多く、DNAを多く得られるので正解です。

④【誤】

図2の写真では、花芽・茎のどちらも一つの細胞に核は一つしか見えません。

多核であることを示す観察結果はありません。

⑤【誤】

体細胞分裂が盛んでも、1細胞当たりのDNA量はせいぜい2倍になるだけです。

また染色体が凝縮しているかどうかは抽出できるDNA量の多少とは関係しません。

問5:正解⑤

<問題要旨>

検量線の読み取りと体積を掛けて0.30mg

試薬XはDNAに特異的に結合し、青色光を当てるとDNA濃度に比例した強さの黄色光を発する。図3の点は原点を通る直線上に並び、DNA濃度0.10mg/mLで黄色光の強さ0.8、0.05mg/mLで0.4である。したがって測定値0.6に対応する濃度は0.6÷8=0.075mg/mLで、0.05と0.10のちょうど中間にあたる。花芽10gから得た白い繊維状の物質は4mLの溶液にしてあるので、含まれるDNA量は0.075mg/mL×4mL=0.30mg。よって⑤が正解である。

<選択肢>

①【誤】

0.019は濃度0.075を4で割った値で、掛けるところを割ってしまった誤りです。

②【誤】

0.030にするには濃度を0.0075mg/mLと読むことになり、図3の読み取りが一桁ずれています。

③【誤】

0.075は図3から読み取ったDNA濃度(mg/mL)そのものの値です。

溶液の体積4mLを掛けていないため、DNA量(mg)にはなっていません。

④【誤】

0.19は正しい0.30mgとは一致せず、濃度と体積の計算が合いません。

⑤【正】

図3より黄色光の強さ0.6に対応するDNA濃度は0.075mg/mLです。

DNA溶液は4mLなので、0.075×4=0.30mgとなり正解です。

⑥【誤】

0.75は正しい0.30mgとは合わず、0.075mg/mLに10を掛けた値になっています。

⑦【誤】

1.9は0.30mgの約6倍で、検量線の読み取りからは得られません。

⑧【誤】

3.0は0.30mgの10倍で、単位や桁を取り違えた値です。

問6:正解⑤

<問題要旨>

どちらの分解でも光が弱まれば仮説を支持

確かめたい仮説は下線部(f)の「白い繊維状の物質にはDNAのほかにRNAも含まれている」である。試薬YはDNAとRNAの両方に結合し、その量の合計に比例した強さの黄色光を発する。実験Iは無処理で光った。実験IIではDNA分解酵素でDNAが失われRNA分だけが残るので、実験Iより弱いが光は残る。実験IIIではRNA分解酵素でRNA分が失われDNA分だけが残るので、やはり実験Iより弱い光を発する。イ・ウともに「実験Iの結果より弱い光を発した」となる⑤が仮説を支持する結果である。

<選択肢>

①【誤】

分解酵素で成分が減ったのに実験Iより強い光を発することはありません。

イ・ウとも起こりえない結果です。

②【誤】

ウ(RNA分解後)が弱くなる点は正しいのですが、イが実験Iより強くなることはありません。

③【誤】

イが強くなることはなく、またウが全く光らないならDNAが含まれていないことになります。

DNA抽出でできた物質であることと矛盾します。

④【誤】

イ(DNA分解後)が弱くなる点は正しいのですが、ウが実験Iより強くなることはありません。

⑤【正】

実験IIではDNAが分解されRNA分の光だけが残るので、実験Iより弱くなります。

実験IIIではRNAが分解されDNA分の光だけが残るので、やはり実験Iより弱くなります。

どちらも光が残って弱まることが、DNAとRNAの両方が含まれる証拠となり仮説を支持します。

⑥【誤】

ウが全く光らないとすると、RNAを分解した後には何も残らない=DNAが含まれないことになります。

ブロッコリーから抽出した物質としてもおかしく、仮説の支持にもなりません。

⑦【誤】

イが全く光らないとすると、DNAを分解した後にRNAが残っていないことになり仮説は否定されます。

さらにウが強くなることもありません。

⑧【誤】

イが全く光らない=RNAが含まれていないことを意味し、仮説を支持する結果になりません。

⑨【誤】

どちらも全く光らないなら、DNAもRNAも含まれないことになり実験Iで光ったことと矛盾します。

第2問

問1:正解③

<問題要旨>

透過量の周期的な変化から脈拍が分かる

光学式血中酸素飽和度計は、指の片側から赤色光と赤外光を当て、それぞれの透過量からHbO₂の割合を求める装置である。図2を見ると、赤色光の波長(約660nm)ではHbの吸収がHbO₂よりはるかに大きく、赤外光の波長(約880nm付近)では逆にHbO₂の吸収のほうがやや大きい。血管内の血流量は心臓の拍動に伴って周期的に変化し、血液が増えれば光の吸収が増えて赤色光・赤外光とも透過量が減る。この時間変化を追えば脈拍の頻度が分かるので③が適当である。

<選択肢>

①【誤】

動脈血ではヘモグロビンの大部分がHbO₂です。

図2でHbO₂は赤色光をほとんど吸収せず、赤外光のほうを強く吸収します。

したがって透過量が多いのは赤外光ではなく赤色光であり、記述が逆です。

②【誤】

組織で酸素が消費されるとHbO₂が減って酸素を離したHbが増えます。

図2よりHbは赤色光をよく吸収するので、赤色光はかえって透過しにくくなります。

③【正】

拍動に伴って指の血管内の血液量が周期的に増減します。

血液が多いときほど光が吸収されて透過量が減るため、透過量は周期的に変動します。

その周期を数えれば脈拍の頻度が分かるので正解です。

④【誤】

透過量はHbとHbO₂の割合や光が通る経路上の血液量によって決まります。

図2は波長ごとの吸収の度合いを示すだけで、これだけからHbの総量を求めることはできません。

問2:正解②、④

<問題要旨>

飽和度80%から酸素濃度40、解離割合75%

富士山の山頂付近(標高3770m)でHbO₂の割合は80%だった。図3の実線(動脈血)で縦軸80%にあたる横軸を読むと、動脈血中の酸素濃度(相対値)は40である。次に山頂付近の組織の酸素濃度は20と与えられているので、破線(組織)の曲線で横軸20の値を読むと、全HbにおけるHbO₂の割合は20%となる。動脈血で80%あったHbO₂のうち組織では20%まで減っているので、組織で酸素を解離した割合は(80-20)÷80×100=75%。よって解答番号8が②、9が④である。

<選択肢>

①【誤】

図3の動脈血の曲線では、酸素濃度30のときHbO₂の割合は約57%で80%になりません。

解離した割合の計算結果75%とも一致しません。

②【正】

解答番号8の正解です。

図3の実線(動脈血)でHbO₂の割合が80%になるのは酸素濃度(相対値)40のときです。

③【誤】

酸素濃度60では動脈血のHbO₂の割合は95%程度で、測定値の80%より高くなります。

解離した割合の計算値75%とも合いません。

④【正】

解答番号9の正解です。

組織の酸素濃度20では破線(組織)のHbO₂の割合が20%です。

動脈血の80%のうち組織で離したのは80-20=60で、60÷80×100=75%となります。

⑤【誤】

80は与えられたHbO₂の割合そのもので、酸素濃度でも解離割合でもありません。

組織に残る20%を差し引かずに計算すると生じる誤りです。

⑥【誤】

95%は酸素濃度が60前後のときの動脈血のHbO₂の割合に近い値です。

山頂付近の測定値80%に対応する値ではありません。

問3:正解③

<問題要旨>

好中球は血管から出てマクロファージと食作用

実験1では大腸菌をマウスの腹腔に注射し、注射前と注射4時間後の腹腔内の白血球数を比べた。図4では注射4時間後に白血球数が大きく増え、その増加分の大部分が好中球で占められている。好中球はふだん血液中を流れており、感染が起こると血管壁を通り抜けて周辺の組織を経て腹腔内へ移動するので、アには「血管」が入る。イには好中球と同じく食作用で大腸菌を取り込む自然免疫の細胞が入るので「マクロファージ」が該当する。よって③が正解である。

<選択肢>

①【誤】

イのマクロファージは正しいのですが、胸腺はT細胞が分化・成熟する器官です。

腹腔内に集まった好中球の供給元としてはあてはまりません。

②【誤】

アの胸腺も誤りで、NK細胞は食作用ではなく感染細胞やがん細胞を直接攻撃する細胞です。

③【正】

好中球は血液中を流れ、感染部位では血管から出て組織を通り腹腔内へ移動します。

マクロファージも好中球と同様に食作用で細菌を取り込んで排除する自然免疫の細胞です。

ア・イとも適合するので正解です。

④【誤】

アの血管は正しいのですが、NK細胞は食作用を行いません。

「食作用により大腸菌を排除する」という考察文に合いません。

⑤【誤】

イのマクロファージは正しいのですが、好中球は血液を流れて感染部位へ出ます。

リンパ節は獲得免疫でリンパ球が活性化される場であり、アにはあてはまりません。

⑥【誤】

ア・イとも誤りです。リンパ節は好中球の供給元ではなく、NK細胞は食作用を行いません。

問4:正解①

<問題要旨>

2度目が速い拒絶は免疫記憶による二次応答

実験2では、マウスXの皮膚を別系統のマウスYに移植すると非自己と認識されて拒絶反応が起こり、移植片は約10日後に脱落した。その数日後に同じマウスYへ再びマウスXの皮膚を移植すると、今度は5〜6日後と、1度目より早く脱落している。1度目の移植でマウスXの皮膚の抗原に反応したリンパ球の一部が記憶細胞として残っていたため、2度目は速やかに強い反応が起こったと考えられる。脱落までの日数が短いことが反応が強まったことを示すので①が正解である。

<選択肢>

①【正】

1度目の拒絶で生じた記憶細胞が残っていたため、2度目は速やかに反応できます。

脱落までの日数が約10日から5〜6日へ短縮したことが、反応が強くなったことを示します。

②【誤】

免疫記憶が働いたという点は正しいのですが、2度目のほうが早く脱落しています。

反応が弱くなったのではなく強くなったと考えるべきです。

③【誤】

実験2のマウスYは1度目も2度目も拒絶反応を起こしており、免疫不全ではありません。

免疫不全なら拒絶はかえって起こりにくくなります。

④【誤】

免疫不全を示す結果はなく、2度目はむしろ短期間で脱落しています。

原因も結果の解釈も誤りです。

⑤【誤】

免疫寛容は特定の抗原に対して反応しなくなる状態です。

反応が強まったことの説明にはなりません。

⑥【誤】

免疫寛容が成立していれば移植片は脱落せず生着するはずです。

5〜6日で脱落したという結果と合いません。

問5:正解②

<問題要旨>

抗体を注射して毒素を無毒化=血清療法の原理

実験3では、致死性の毒素を注射した直後に、毒素を無毒化する抗体をマウスに注射したところ生存できた。これは外から与えた抗体が体内で毒素と結合して無毒化した抗原抗体反応によるもので、抗体そのものを投与して治療する血清療法の原理にあたる(ⓑ)。ⓐの予防接種は弱毒化した病原体や毒素をあらかじめ接種して記憶細胞をつくらせておく方法で、抗体を注射する実験3とは異なる。抗体は外から与えられたものなので、このマウス自身のT細胞ⓒやB細胞ⓓが働いた結果ではない。よって②である。

<選択肢>

①【誤】

予防接種は抗原を接種して記憶細胞をつくらせる方法です。

実験3で注射したのは抗原ではなく抗体なので、原理が異なります。

②【正】

血清療法は、あらかじめ用意した抗体を注射して抗原を直接無毒化する治療法です。

毒素の直後に抗体を注射して生存させた実験3は、まさにこの原理です。

ⓑのみを含む②が正解です。

③【誤】

注射した抗体がそのまま毒素と結合して働いたので、マウス自身のT細胞の働きではありません。

毒素注射の直後では獲得免疫が成立する時間もありません。

④【誤】

抗体は外から与えられたもので、マウス自身のB細胞がつくったものではありません。

⑤【誤】

ⓐもⓒもあてはまらず、必要なⓑが含まれていません。

⑥【誤】

ⓐもⓓもあてはまらず、必要なⓑが含まれていません。

⑦【誤】

ⓑは正しいのですが、ⓒのT細胞の働きによるものではないため過剰です。

⑧【誤】

ⓑは正しいのですが、ⓓのB細胞がつくった抗体ではないため過剰です。

⑨【誤】

ⓐ・ⓒ・ⓓのいずれもあてはまらず、必要なⓑも含まれていません。

⓪【誤】

ⓑは正しいのですが、ⓒ・ⓓを余分に含んでいます。

「過不足なく含むもの」を選ぶ設問なので誤りです。

第3問

問1:正解⑥

<問題要旨>

温暖化でバイオームは標高の高いほうへ移動

年降水量の多い日本列島では主に気温でバイオームが決まる。図1の中部地方では標高500m付近が夏緑樹林の下限、1500m付近が上限で、それより低い所は照葉樹林、高い所は針葉樹林になっている。気温は標高が100m上がるごとに約0.6℃下がるので、年平均気温が2〜4℃上昇すると各バイオームの分布は数百m高いほうへずれる。その結果、現在の標高500mには今より低地に成立している照葉樹林が、標高1500mには現在の中腹と同じ夏緑樹林が成立すると予測される。よって⑥が正解である。

<選択肢>

①【誤】

気温が2〜4℃も上昇すればバイオームの分布は上方へずれます。

標高500mも1500mも夏緑樹林のまま変化しないというのは温暖化の影響を無視しています。

②【誤】

針葉樹林は夏緑樹林より寒冷な場所に成立するバイオームです。

温暖化で標高1500mが現在より寒冷なバイオームに変わることはありません。

③【誤】

標高500mが変化しないのに1500mだけが照葉樹林になるのは矛盾します。

1500mが照葉樹林になるほど暖まれば、500mはさらに暖かいバイオームに変わるはずです。

④【誤】

標高500mが針葉樹林になるのは寒冷化した場合で、温暖化の予測と逆です。

⑤【誤】

低い標高500mが寒冷な針葉樹林、高い標高1500mが温暖な照葉樹林になるという組合せです。

標高が高いほど気温が低いという関係と矛盾します。

⑥【正】

温暖化により各バイオームの分布は標高の高いほうへずれます。

現在500m付近の下にある照葉樹林が標高500mまで上がってきます。

現在の中腹の夏緑樹林が標高1500mまで上がってくるので、この組合せが正解です。

⑦【誤】

標高500mが温暖側の照葉樹林に変わるのに、1500mが寒冷側の針葉樹林に変わるのは矛盾します。

問2:正解⑥

<問題要旨>

陰葉から食われるので減少は初めゆるやか

図2では、陽葉は日中受ける平均的な光(太い下向き矢印)が強く二酸化炭素吸収速度が大きいのに対し、陰葉は平均的な光(細い矢印)が弱く、吸収速度は小さい値にとどまっている。下線部(b)のとおりブナアオの幼虫は日当たりの悪い下層の陰葉から食い始めるので、食われた葉の面積が小さいうちは吸収速度の小さい陰葉が失われるだけで、ブナ1個体当たりの二酸化炭素吸収速度はあまり下がらない。陰葉を食べ尽くして吸収速度の大きい陽葉が食われ始めると急激に低下する。よって⑥が適当である。

<選択肢>

①【誤】

葉が食われて減るのに二酸化炭素吸収速度が直線的に増加することはありません。

変化の向きが逆です。

②【誤】

食われた面積が増えるほど吸収速度が上がって頭打ちになる形で、増加を示す点が誤りです。

③【誤】

葉を失えば光合成を行う面積が減るので、吸収速度が増えることはありません。

④【誤】

陽葉と陰葉では1枚当たりの二酸化炭素吸収速度が大きく異なります。

食われた面積に比例して一定の割合で減る直線にはなりません。

⑤【誤】

初めに急減する形は、吸収速度の大きい陽葉から先に食われる場合の変化です。

陰葉から食い始めるという下線部(b)の記述と逆になります。

⑥【正】

先に食われる陰葉は平均的な光の下での吸収速度が小さく、失われても影響は小さいので初めはゆるやかに減ります。

陰葉がなくなって吸収速度の大きい陽葉が食われ始めると急激に低下します。

この二段階の変化を表しているので正解です。

問3:正解⑤

<問題要旨>

オサムシもサナギタケも二次消費者

この食物連鎖で生産者は光合成を行うブナである。ブナの葉を食うガであるブナアオシャチホコ(ブナアオ)の幼虫は、生産者を食べるので一次消費者にあたる。その幼虫を食う甲虫のクロカタビロオサムシは一次消費者を食べるので二次消費者である。菌類のサナギタケはブナアオの蛹を栄養源としており、同じく一次消費者から有機物を得ているので二次消費者にあたる。菌類は分解者として扱われることも多いが、ここでは何を食べているかで栄養段階を判断する。よって⑤が正解である。

<選択肢>

①【誤】

ブナアオはブナの葉を食べる動物で、光合成を行う生産者ではありません。

サナギタケも一次消費者ではなく二次消費者です。

②【誤】

サナギタケを二次消費者とする点は正しいのですが、ブナアオを生産者としている点が誤りです。

生産者はブナです。

③【誤】

ブナアオが生産者ではないうえ、サナギタケは一次消費者のブナアオを利用するので三次消費者にもなりません。

④【誤】

ブナアオとクロカタビロオサムシの段階は正しいのですが、サナギタケが誤りです。

サナギタケはブナではなく一次消費者であるブナアオの蛹を栄養源としています。

⑤【正】

ブナアオは生産者のブナを食べるので一次消費者です。

クロカタビロオサムシはブナアオの幼虫を食べるので二次消費者です。

サナギタケもブナアオの蛹を栄養源とするので二次消費者にあたり、この組合せが正解です。

⑥【誤】

サナギタケが利用するのは一次消費者であるブナアオの蛹です。

二次消費者を食べているわけではないので三次消費者にはなりません。

問4:正解①

<問題要旨>

無機窒素化合物にしてから脱窒で窒素を除く

下線部(d)の下水処理では、まず微生物が排泄物などに含まれる有機窒素化合物を分解してアンモニウムイオンにし、さらに硝化菌(亜硝酸菌・硝酸菌)がこれを亜硝酸イオン・硝酸イオンへ変える。これが「無機窒素化合物の生成」である。次に脱窒素細菌が硝酸イオンなどを窒素(N₂)に変えて大気中へ放出する「脱窒」が起こる。この順序で初めて窒素が水中から取り除かれ、河川や海の富栄養化を防ぐことができる。よって①が正解である。

<選択肢>

①【正】

有機窒素化合物を分解してアンモニウムイオンや硝酸イオンなどの無機窒素化合物にします。

次に脱窒素細菌が硝酸イオンなどを窒素に変えて大気中へ放出します。

気体として大気へ出すことで下水から窒素を除けるので、この順序が正解です。

②【誤】

同化は無機窒素化合物を取り込んで生物体の有機窒素化合物にする働きです。

有機物にしてしまうと、そのままでは脱窒の材料になりません。

③【誤】

窒素固定は大気中の窒素をアンモニウムイオンに変えて取り込む働きです。

下水中の窒素を除く処理の最初の段階にはなりません。

④【誤】

窒素固定も無機窒素化合物の生成も、窒素を水中に留める向きの働きです。

この組合せでは下水から窒素を取り除けません。

⑤【誤】

窒素を取り込んで有機物にする過程であり、窒素を大気中へ放出する段階がありません。

下水から窒素を除去する処理にはなりません。

問5:正解②

<問題要旨>

植生消失で窒素濃度は上昇、回復で元に戻る

森林の植物は土壌中のアンモニウムイオンや硝酸イオンを根から吸収して利用している。下線部(e)のように樹木の伐採や除草剤の散布で植生の大部分が一時的に失われると、この吸収が止まり、さらに落葉や枯死体の分解で生じた無機窒素化合物が利用されずに残るため、雨水とともに流れ出して河川水の窒素濃度は上昇する。その後、植生が回復して再び窒素を吸収するようになれば流出量は減り、濃度は元の低い水準に戻る。よって②が正解である。

<選択肢>

①【誤】

消失直後に上昇する点は正しいのですが、植生が回復すれば吸収が再開されます。

高い状態が続くとは考えられません。

②【正】

植生が失われると窒素の吸収がなくなり、無機窒素化合物が流出して濃度が上昇します。

植生が回復すると再び根から吸収されるようになり、流出が減って元の濃度に戻ります。

③【誤】

吸収する植生が失われた時点で流出が増えるので、変化しないとするのは誤りです。

回復後に上昇するというのも向きが逆です。

④【誤】

植生の消失の影響が現れないとする点が誤りです。

消失時にこそ窒素濃度は上昇します。

⑤【誤】

植生が失われると窒素を吸収するものがなくなるので、濃度は低下ではなく上昇します。

変化の向きが逆です。

⑥【誤】

消失時に低下するとしている点が誤りで、回復後も戻らないとする点も誤りです。

※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

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