解答
解説
第1問
問1:正解6
<解説>
空気は複数の気体が混ざり合っているので混合物である。メタンは炭素と水素が一定割合で結合してできた物質なので化合物である。オゾンは酸素原子のみからなる物質であり単体に分類される。したがって、空気が混合物・メタンが化合物・オゾンが単体という組合せが最も適切となる。
問2:正解2
<解説>
提示された条件それぞれに含まれる酸素原子の量を比べると、標準状態で22.4リットルの酸素は分子としては1モルであっても、酸素原子としてはその2倍の個数に相当する。一方、過酸化水素1モルにも酸素原子は2倍量含まれる。炭素12グラムを完全燃焼させてできる二酸化炭素にも、1モル分の二酸化炭素には酸素原子が2倍含まれる。これらに比べ、水18グラム分に含まれる酸素原子の量は1モル分(酸素原子は1倍)に相当するため、最も少ない。
問3:正解3
<解説>
図示されたグラフでは、原子番号1から19の各元素について、プロトンや中性子、価電子数などの値をプロットしている。一般に、価電子数は原子番号に比べてかなり小さい数で変化し、中性子数は質量数に近い値となってやや大きくなり、陽子数は原子番号に等しい。グラフのプロットの上下関係を対応づけていくと、ア・イ・ウに当てはまる組合せとしてもっとも筋が通るのが正解の選択肢となる。
問4:正解4
<解説>
結晶の電気伝導性を考えると、金属結晶のように自由電子を多数もち電気を通しやすいもの、イオン結晶や共有結合の結晶のように通常は電子の動きが限られていて電気を通しにくいもの、ただし共有結合性でも黒鉛のように層状構造をもつため電子が動きやすく電気をよく通すものなどがある。問題文のア・イ・ウの性質を読み取ると、それぞれの結晶の特徴を踏まえた組合せとして最適なものが正解となる。
問5:正解0
<解説>
常温の水とはほとんど反応しない金属でも、高温の水蒸気(いわゆる水蒸気が十分熱せられた状態)には反応して水素を発生させるものがある。アルミニウムやマグネシウムは高温の水蒸気と反応して水素を発生させるが、白金のような貴金属は非常に安定で反応しにくい。選択肢の中で、該当する金属が正しく挙げられているのが正解となる。
問6:正解1
<解説>
与えられた化学反応のうち、酸化と還元が同時に起こる反応、すなわちある元素が電子を失い(酸化)、別の元素が電子を受け取る(還元)反応を赤色―酸化還元反応という。一見すると単なる置換や中和に見えるものもあるが、実際に電子のやり取りがあるかどうかを調べると、酸化数の増減がはっきり確認できる反応のみが該当する。これを満たす選択肢が正解である。
問7:正解0
<解説>
質量パーセント濃度が与えられ、溶液の密度が分かるとき、まず体積(100ミリリットル)と密度を掛け合わせることで溶液全体の質量を推定できる。その質量のうち、質量パーセント濃度の割合が溶質の質量となる。あとは、その溶質の質量をモル質量で割ることで物質量(モル数)を求めることができる。これらの手順を文章的に辿ったときに当てはまる式を示す選択肢が正解である。
問8:正解5
<解説>
燃料電池の放電では、水素が電子を放出して陽イオンになり、酸素と結びついて水を生じる。問題文のように流れた電子の量が2.0モルという場合、水素分子1個あたり2個の電子を放出するため、水素分子の消費量は電子量の半分に相当する。また、水の生成量は反応量の対応から比例関係で求められる。結果として、選択肢のような水の生成量と水素の消費量が最も適切になる。
問9:正解4
<解説>
金属の反応性やイオン化傾向を比較すると、高温の水蒸気と反応して水素を発生するもの、酸化されにくく反応が限られるものなど、いくつかの特徴的な違いがある。問題文で取り上げられている金属のうち、実際に水素発生まで至るものを選び、それがすべて正しく含まれる選択肢が正解となる。金属の種類によっては表面酸化膜の影響や温度条件なども考慮する必要がある。
問10:正解4
<解説>
与えられた反応が酸化剤としてはたらいているかどうかは、反応前後で相手物質の酸化数が上がっているか(=相手を酸化しているか)に注目するとわかる。たとえばハロゲンが別のハロゲン化物イオンを酸化している場合や、金属酸化物が金属の酸化数を変化させている場合などを手がかりにすると、正しく酸化剤が働いている反応を選び出せる。
問11:正解1
<解説>
質量パーセント濃度と密度、そして容量がわかっているとき、まず体積と密度から溶液全体の質量を推定し、そのうち溶質に相当する部分を取り出す。この溶質の質量をモル質量で割るとモル数が得られる。そうした手順を文章的に落とし込んだときに合致するのが正しい式の選択肢である。
問12:正解5
<解説>
燃料電池の半反応式から、水素1モルが2モルの電子を放出する点に着目する。流れた電子の量に応じて消費される水素のモル数が求められ、そのモル数から水素の質量が決まる。さらに、生成する水の量は水素と酸素の結合量に応じて比例的に増えるため、それぞれの質量を組み合わせると、問題文の条件に合う数値が導き出せる選択肢が正解となる。
第2問
問13:正解3
<解説>
食塩(NaCl)のように、金属陽イオンと酸イオンで構成され、酸性の水素を含まない塩は「正塩」として分類される。一方、酸性の水素を残している塩は「酸性塩」に分類される。選択肢のうち、酸性の水素を1つ持つ物質が含まれているものが正塩ではないため、そこに着目すると正しい選択肢が導かれる。
問14:正解3
<解説>
同じ濃度・同じ体積の水溶液を用いてカチオン交換樹脂に通した場合、交換される陽イオンの価数が大きいほど生成する水素イオンの量は多くなる。具体的には、二価の陽イオンを含む水溶液は、一価の陽イオンだけを含む水溶液よりも多くの水素イオンに置き換わる。したがって、選択肢の中で二価の陽イオンを含む水溶液が、最も多くの水素イオンを生じることになる。
問15:正解2
<解説>
塩化カルシウムは、強酸(塩酸)と強塩基(水酸化カルシウム)から生じる塩で、水溶液中では比較的中性に近い性質を示すことが多い。問題文では、複数の水溶液を混合して得られる溶液のpHがどれに近いかを比べている。強酸と強塩基が適切な割合で中和した場合や、性質上中性に近づく組み合わせなどを考慮すると、CaCl2水溶液に近いpHを示すものが選択される。
問16:正解2
<解説>
実験で得られた塩酸(あるいは任意の溶液)を一定体積に正確に調整するときには、まず全量をメスフラスコに移し、次に溶液の液面を目盛りまで水で正確に合わせる操作が基本となる。中途半端に分割して量り取ると誤差が生じやすいので、最終的に必要な体積に正確に調整するには、はじめに全量をメスフラスコへ移す方法が適切である。
問17:正解1
<解説>
塩化カルシウムは潮解性があり、試料が含んでいた水との区別が重要となる。実験で取り出された成分の質量や、予想される無水塩の量との比較をすると、試料に含まれる結晶水や吸着水の量を推定できる。実際に得られた量と差し引きすることで、試料中に含まれていた水の質量が数グラム未満であることが導かれる。