2026年度 大学入学共通テスト 追試験「地学基礎」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。
解答
解説
2026年度大学入学共通テスト追試験の地学基礎は、第1問から第4問までの4つの大問、設問数15問という構成でした。満点は50点、全問必答、試験時間は30分です(理科基礎は物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎の4科目のうち2科目を選択し、2科目あわせて60分で解答します)。配点は第1問が20点、第2問・第3問・第4問がそれぞれ10点です。理科基礎は4科目が1冊の問題冊子にまとめられた100点満点の形式のため、地学基礎の解答番号は101番から115番までとなっている点に注意してください。
第1問は固体地球と地球の歴史を扱う20点の大問で、Aが地球型惑星の偏平率と平均密度、および室戸岬の地盤変動から南海トラフの大地震の再来間隔を見積もる設問、Bが日本の第四紀火山の分布と火山フロント、および海洋地殻の厚さとその下のマントルの岩石を答える設問、Cが古生代の大気の変化と生物の上陸、古生代後半に起こったできごとを問う設問です。第2問は大気と海洋で、地球型惑星の温室効果とアルベド、大洋の表層環流と南極周極流、深層循環の時間規模と停止の仕組みを扱います。第3問は宇宙で、宇宙の晴れ上がりと微惑星の大きさ、原始太陽系円盤の模式図の選択、太陽黒点の温度と活動周期を扱います。第4問は私たちをとりまく自然環境で、ハザードマップと土石流、オゾンホールの季節変化、太陽の進化とハビタブルゾーンの移動を扱います。
この回は、知識だけで答えが決まる設問と、図やグラフを数値で読み切らせる設問が、はっきり二分されているのが特徴です。前者は火山フロント、海洋地殻の厚さ、かんらん岩、シルル紀のクックソニア、深層循環の1000〜2000年、黒点の11年周期といった定番項目で、ここは短時間で確実に取りたいところです。一方で後者は、地盤変動のグラフから沈降速度を求めて基準値まで外挿する第1問問2、原始太陽系円盤の上面図と断面図を軸対称性で選び分ける第3問問2、オゾン層の気温とオゾン濃度の極小がずれることを使う第4問問2で、いずれも形の印象で選ぶと外れます。加えて、金星のアルベドが高いから計算値が低いという因果の向き、偏西風は西から吹くので海流も風も東向きになるという方角の呼び方、等高線が標高の高い側へ折れる線が谷であることなど、逆に覚えていると落ちる項目が複数の設問にしかけられています。第4問問3は図が省略されているため、本文に与えられた関係式と主系列星の性質から論理的に答えを決める必要があります。
第1問 A 偏平率と平均密度で地球型惑星を見分け、室戸岬の地盤変動から南海トラフの地震再来間隔を見積もる
表から水星と火星の偏平率・質量・体積を読み取る設問と、室戸岬の地盤の上下変動のグラフを一定の速度で外挿して大地震の発生間隔を求める設問の2問です。第1問全体で配点20点のうち、Aは7点分にあたります。
問1:正解 ③(解答番号101/配点3)
<問題要旨>
表1として水星と火星の偏平率、質量、体積(質量と体積は地球を1とした値)が与えられています。緯度差1°あたりの南北の弧の長さが緯度によって異なる惑星はどちらかと、平均密度は火星より水星がどうであるかの組合せを選びます。
<考え方>
前半は偏平率の意味に戻ります。偏平率が0の完全な球では、どの緯度でも曲率が同じなので緯度差1°あたりの弧の長さはどこでも等しくなります。偏平率が0でない回転楕円体では、極に近いほど曲率半径が大きくなり、緯度差1°あたりの弧の長さが緯度によって変わります。表1で偏平率が0でないのは火星(0.0059)なので、アは火星です。後半は平均密度が質量÷体積で求まることに戻り、両者を割り算で比べます。水星が約0.98、火星が約0.73なので水星の方が大きく、イは「大きい」です。
平均密度 ∝ 質量 ÷ 体積(地球を1とした値で比較) 水星 0.055 ÷ 0.056 ≒ 0.98 火星 0.11 ÷ 0.15 ≒ 0.73 0.98 > 0.73 なので 水星 > 火星 → イ は「大きい」 偏平率が0でないのは火星 → ア は「火星」 よって ③
問2:正解 ③(解答番号102/配点4)
<問題要旨>
図1として、1946年南海地震の前後における室戸岬の地盤の上下方向の変動が示されています。1946年の地震発生直前を基準値の0cmとし、地震時の急激な変動を破線で、1950年の値を117cm、1980年の値を97cmとして与えています。地震時の変動が隆起か沈降かと、この変動がくり返され基準値に戻るたびに大地震が起こると仮定したときの発生間隔の組合せを選びます。
<考え方>
まず図1で、1946年に破線に沿って0cmから100cmを超える値まで急に増えていることを読みます。上下方向の変動が正の向きに増えているので、地盤は急激に隆起しています。ウは「隆起」です。次に、地震後のゆるやかな変動は一定の速度とみなせるので、1950年と1980年の2点から速度を求めます。30年で117cmから97cmへ、つまり20cm低下しているので沈降速度は毎年約0.67cmです。この速度を1946年までさかのぼると、地震直後の値は約120cmになります。ここから基準値の0cmに戻るまでにかかる時間が、仮定された大地震の発生間隔です。約120cmを毎年約0.67cmで割ると約180年となり、90年や120年では計算が合いません。エは180です。
地震後の沈降速度 (97 − 117) cm ÷ (1980 − 1950) 年 = −20 ÷ 30 ≒ −0.67 cm/年 1946年の地震直後の変動量 117 + 0.67 × (1950 − 1946) ≒ 117 + 2.7 ≒ 120 cm 基準値(0cm)に戻るまでの時間 120 ÷ 0.67 ≒ 180 年 よって ③
第1問 B 日本の火山分布から火山フロントを判断し、海洋地殻の厚さとその下のマントルの岩石を答える
第四紀の日本のおもな火山の分布図をもとに火山フロントとマグマの活動を正誤判定する設問と、海洋底の掘削でマントルに到達する深さとその岩石を答える設問の2問です。A・B・Cをあわせた第1問全体で20点、Bは6点分にあたります。
問3:正解 ②(解答番号103/配点3)
<問題要旨>
図2として、第四紀の日本のおもな火山の分布が、活火山とその他の火山を区別した記号で示されています。日本の火山の分布とマグマの活動を説明した文a・bの正誤の組合せを、下線部に注意して選びます。
<考え方>
文aは、火山が海溝・トラフとほぼ平行な帯状に分布し、その分布域の海溝・トラフ寄りの境界を火山フロント(火山前線)と呼ぶという内容です。図2でも火山列が弧状に並び、太平洋側にはっきりした限界線があります。定義どおりで、aは正しいです。文bは下線部が「新しい海洋地殻」となっているところが誤りです。新しい海洋地殻がつくられるのは海嶺、つまりプレートの発散境界です。日本の火山は沈み込み帯というプレートの収束境界で活動しており、そこで固結したマグマは島弧の地殻をつくるので、海洋地殻が形成されるわけではありません。bは誤りです。
問4:正解 ①(解答番号104/配点3)
<問題要旨>
図3として、地球深部探査船を用いてマントルの岩石を直接採取する予定海域が太平洋上に示されています。この海域の海洋地殻は典型的な厚さをもつとして、海底からどれくらいの深さでマントルに到達するか、採取されるマントルの岩石は何か、それより浅い部分の岩石に比べて密度が大きいか小さいかの組合せを選びます。
<考え方>
海洋地殻の典型的な厚さは約5〜10kmで、30〜60kmは大陸地殻の厚さにあたります。予定海域は大陸から離れた太平洋の中央部なので、オは5〜10です。マントル最上部をつくる岩石はかんらん岩で、玄武岩は海洋地殻の上部をつくる岩石なのでカはかんらん岩です。密度はかんらん岩が約3.3g/cm³、玄武岩や斑れい岩からなる海洋地殻が約2.9g/cm³で、マントルの方が大きいためキは「大きい」です。そもそもマントルが地殻の下にあるのは密度が大きいからであり、この上下関係から考えても「小さい」は選べません。
第1問 C 大気の酸素増加とオゾン層の形成で進んだ生物の上陸、古生代後半の森林形成期のできごと
古生代の生物の多様化と上陸を述べた文章をもとに、オゾン層の形成につながった大気成分と最古の陸上植物が見つかる地質時代を答える設問と、古生代後半に起こった生物のできごとを選ぶ設問の2問です。第1問20点のうち、Cは7点分にあたります。
問5:正解 ④(解答番号105/配点4)
<問題要旨>
古生代の中ごろまでに大気中のある成分が増えてオゾン層が形成され、地表に届く紫外線が減ったことで生物の上陸が進んだという文章です。増えた大気成分と、陸上植物クックソニアの化石が見つかる地層の地質時代の組合せを選びます。
<考え方>
オゾンの化学式がO₃であることに戻ります。オゾンは成層圏で酸素分子が紫外線を受けて解離し、生じた酸素原子が別の酸素分子と結びついてできるため、オゾン層の形成には大気中の酸素の増加が前提になります。二酸化炭素はオゾンの材料にならないので、クは酸素です。ケは最古の陸上植物として知られるクックソニアの産出時代で、シルル紀です。カンブリア紀はまだ生物が海にとどまっていた時代で、カンブリア紀の地層から陸上植物は産出しません。
問6:正解 ②(解答番号106/配点3)
<問題要旨>
下線部は「古生代の後半になると、森林が大地を覆うようになった」という部分です。この時期に起こった生物に関するできごとを述べた文を4つの選択肢から選びます。
<考え方>
森林が大地を覆うのはデボン紀から石炭紀にかけてで、下線部が指すのは古生代後半です。4つの選択肢をこの時代に合うかどうかで落としていきます。①のソテツやイチョウなどの裸子植物が繁栄したのは中生代で、時代が後ろにずれます。③のイノセラムスは白亜紀の示準化石となる二枚貝で、これも中生代です。④のカヘイセキ(ヌンムリテス)は新生代古第三紀の大型有孔虫で、さらに後の時代です。残る②の爬虫類と単弓類の出現は石炭紀、つまり森林が広がった古生代後半にあたり、これだけが時代と一致します。
第2問 惑星の表面温度の実測値と計算値の差から温室効果とアルベドを読み、大洋の表層環流と深層循環をおさえる
地球のエネルギー収支をめぐる会話文から温室効果の対象とアルベドの大小を読む設問、大洋の表層環流と南極周極流の向きを答える設問、深層循環の時間規模と停止の仕組みを答える設問の3問で、配点は10点です。
問1:正解 ⑤(解答番号107/配点4)
<問題要旨>
図1として、地球型惑星4つの実際の平均表面温度と、太陽からの距離と惑星のアルベドのみを考慮して計算した平均表面温度が、太陽からの距離に対して別の記号で示されています。大気が吸収することで温室効果を生じる放射、金星大気の主成分、金星のアルベドが地球より高いか低いかの組合せを選びます。
<考え方>
温室効果の定義に戻ります。太陽放射は主に可視光で大気をほとんど通り抜け、地表を暖めます。暖まった地表が出す赤外線、すなわち地球放射を大気中の水蒸気や二酸化炭素が吸収し、その一部を地表へ戻すのが温室効果です。吸収されるのは地球放射なのでアは地球放射で、太陽放射を入れると温室効果の説明になりません。イは金星大気の主成分で、二酸化炭素です。ウは図1の計算値どうしの比較から決まります。計算値は太陽からの距離とアルベドだけで決まるので、太陽に近い金星の計算値が地球の計算値より低い位置にあるのは、金星が受けた太陽放射の多くを反射している、つまりアルベドが地球より高いからです。距離だけを見て「低い」を選ぶと因果が逆になります。
問2:正解 ③(解答番号108/配点3)
<問題要旨>
図2として世界の大洋が示され、大洋が陸地で東西に隔てられていない緯度帯が灰色で塗られています。北半球で時計回り、南半球で反時計回りとなる表層の環流の名称と、灰色の緯度帯を吹く風および南極周極流の向きの組合せを選びます。
<考え方>
表層の環流は、低緯度の貿易風と中緯度の偏西風によって駆動される亜熱帯環流と、高緯度の亜寒帯環流に分けられます。亜熱帯環流は北太平洋や北大西洋で時計回り、南太平洋や南大西洋で反時計回りに回るので、エは亜熱帯です。亜寒帯環流は北半球で反時計回りなので条件に合いません。オは風と海流の向きで、灰色の緯度帯はおよそ南緯50°から65°にあたり、ここを吹くのは偏西風です。偏西風は西から吹いてくる風なので、風が進む向きは東です。その風が海水を引きずって生じる南極周極流も東向きに流れます。風の名前に西が入っていることから西向きを選ばないよう、名前は風が吹いてくる方角を表すという約束を確認しておきましょう。
問3:正解 ③(解答番号109/配点3)
<問題要旨>
グリーンランド沖や南極周辺の表層から沈み込む深層循環について、一巡にかかる時間と、地球温暖化で高緯度の降水が増え氷床の融解が進んだときに北大西洋高緯度域の海面付近の海水の塩分と密度がどうなるかの組合せを選びます。
<考え方>
深層循環が地球を一巡する時間は約1000〜2000年で、数百年ではありません。カは1000〜2000です。キとクは、深層循環の駆動力が海水の密度差であることに戻れば決まります。海水の密度は水温が低いほど、塩分が高いほど大きくなります。降水の増加と氷床の融解はどちらも淡水を海面付近に加えるので、海水は薄まって塩分は低くなります。塩分が低くなれば密度は小さくなり、表層の海水が沈み込めなくなって深層循環が弱まる、あるいは停止する可能性が生じます。したがってキは「低く」、クは「小さく」です。
第3問 宇宙の晴れ上がりと微惑星の大きさ、原始太陽系円盤の模式図の選び分け、黒点の温度と活動周期
宇宙の始まりから太陽系の形成までを述べた文章をもとに、晴れ上がりに関わる原子核と微惑星の直径を答える設問、原始惑星が成長している段階の原始太陽系円盤の上面図と断面図を選ぶ設問、太陽黒点の温度と活動周期を答える設問の3問で、配点は10点です。
問1:正解 ①(解答番号110/配点4)
<問題要旨>
自由に運動する電子が光の直進を妨げていた状態から、電子が原子核と結合して宇宙が遠くまで見通せるようになった過程と、原始太陽系円盤の中で多く形成された微惑星の大きさについての文章です。水素とともに電子が結合した原子核と、微惑星の直径の組合せを選びます。
<考え方>
宇宙の晴れ上がりが起きた時点で存在した元素は、ビッグバン直後の元素合成でできた水素とヘリウムがほとんどで、酸素のような重い元素は恒星の内部で後から合成されます。したがってアはヘリウムです。イは微惑星の大きさで、直径10kmほどのものが多数形成されたとされるため1〜10が入ります。10³〜10⁴kmは地球型惑星そのものの直径の桁で、地球の直径が約1.3×10⁴kmであることと比べれば、微惑星の大きさとしては大きすぎることがわかります。
問2:正解 ③(解答番号111/配点3)
<問題要旨>
原始惑星が成長している段階の原始太陽系円盤を、上から見た模式図と横から見た模式断面図の組合せとして選ぶ設問です。図Aは中心から外れた位置に暗い部分をもつ楕円形、図Bは中心に小さな点があり、その周りに隙間のリングをもつ円形、図Cは左右に薄く平たく広がり中央部にいくつかの塊が並ぶ形、図Dは一方の端に球状のふくらみがあってそこから片側へレンズ状に広がる形として示されています。なお、上から見た図と横から見た断面図でスケールは同じとは限らないと注記されています。
<考え方>
形の印象で選ぶ前に、原始太陽系円盤が破ってはいけない性質を並べます。第一に、円盤は原始太陽を中心とする回転運動でできているので回転軸に対して対称であり、上から見れば円形で中心に原始太陽があります。第二に、横から見れば中心面をはさんで上下・左右に対称な、半径に比べて厚みの薄い形になります。第三に、原始惑星が成長している段階では、原始惑星がその軌道付近の物質を掃き集めるため、円盤に隙間ができます。上から見た図の候補を見ると、Aは楕円形で暗い部分が中心から外れており、回転軸に対する対称性を満たしません。Bは円形で中心に点があり、隙間のリングももつので上面図はBです。断面図の候補では、Dは中心に球状のふくらみがあって片側にしか広がらず、中心をとおる断面としての対称性を満たしません。Cは薄く平たく左右に対称で、中央付近に成長中の原始惑星にあたる塊が並んでいるので断面図はCです。
問3:正解 ⑥(解答番号112/配点3)
<問題要旨>
太陽の光球に見られる黒点について、黒点が周囲より温度が高いか低いかと、図1に示された黒点の数の変化から読み取れる周期(極小から次の極小までの時間間隔)の組合せを選びます。図1は横軸が1830年代から2010年代までの年、縦軸が黒点の数で、山と谷がくり返し並ぶグラフです。
<考え方>
黒点が暗く見える理由に戻ります。黒点では強い磁場が対流を妨げるため、周囲の光球が約6000Kであるのに対して黒点は約4000Kと温度が低く、そのため相対的に暗く見えます。ウは「低い」です。エは図1の山と谷の数で決めます。1850年ごろから2000年ごろまでの約150年間に山が14個ほど並んでいるので、1周期は150を14で割って約11年です。周期を5年とすれば同じ150年間に30個ほどの山が並ぶことになり、8年としても19個ほどになるので、どちらも図の山の数と合いません。エは11です。
図1の山(極大)の数から周期を出す 約150年(1850年ごろ〜2000年ごろ)に 山が約14個 150 ÷ 14 ≒ 11 年 周期を5年とすると 150 ÷ 5 = 30 個 → 多すぎる 周期を8年とすると 150 ÷ 8 ≒ 19 個 → 多すぎる よって ⑥
第4問 ハザードマップの等高線で土石流の通り道を読み、オゾンホールの季節変化と太陽の進化を考える
等高線と土石流危険区域を示したハザードマップから土石流の発生場所を読む設問、オゾンホールが出現した年の南極上空のオゾン層の気温とオゾン濃度の季節変化を示すグラフを選ぶ設問、太陽の明るさの変化とハビタブルゾーンの移動を答える設問の3問で、配点は10点です。
問1:正解 ②(解答番号113/配点4)
<問題要旨>
図1として、標高500mから650mまでの等高線と土石流危険区域を灰色で示したハザードマップが与えられています。土石流とはどのような現象かと、土石流が一般にどのような地形に沿って発生するかの組合せを、会話文の空欄にあてはめて選びます。
<考え方>
アは土石流の定義です。土石流は集中豪雨などで水を多く含んだ土砂が、水と混じり合って泥流状になり、斜面や谷を高速で流れ下る現象です。斜面の土砂が原形をほぼ保ったまま移動するのは地すべりで、土石流とは別の現象なのでアは「土砂と水が斜面で混じりあいながら高速で下る」です。イは図1の等高線の読み取りで決めます。等高線が標高の高い側へ向かって鋭く折れ込んでいる線は谷、標高の低い側へ張り出している線は尾根です。図1の灰色の区域は、等高線が標高の高い側へV字に折れる線に沿って細長く伸びており、これは谷(沢)にあたります。土石流は水が集まる谷に沿って流れ下るので、原理からも谷が選べます。尾根は水が左右に分かれて流れ去る場所なので、土石流の通り道にはなりません。
問2:正解 ③(解答番号114/配点3)
<問題要旨>
オゾンホールが人為的に放出されたフロンを要因とし、南極上空に太陽光が当たりはじめる季節に出現することが本文で説明されています。そのうえで、オゾンホールが出現した年に南極昭和基地の上空で観測されたオゾン層の気温とオゾン濃度の1月から12月までの変化を示した図を、4つの選択肢から選びます。4つの図はいずれも実線でオゾン濃度、破線でオゾン層の気温を表しています。
<考え方>
図の形を見比べる前に、満たすべき条件を2つ立てます。1つめは気温の季節変化で、昭和基地は南半球にあるため1月が夏、7月から8月が冬です。成層圏の気温は冬に極小となり、夏に向かって上がります。したがって破線は1月に高く、8月ごろに極小となり、その後上昇する形でなければなりません。2つめはオゾン濃度の極小の時期です。本文にあるとおりオゾンホールは南極上空に太陽光が当たりはじめる季節、つまり南半球の春に出現します。冬のあいだに蓄積したフロン起源の塩素分子が、春に戻ってきた紫外線で塩素原子となってオゾンを分解するため、オゾン濃度の極小は気温の極小より遅れて9月から10月に現れます。この2条件で選択肢を落とします。①は破線の形は条件を満たしますが、実線の極小が4月、すなわち南半球の秋にあり、太陽光が当たりはじめる季節ではないので不適です。②と④は破線の極大が7月ごろ、つまり南半球の冬に気温が最も高い形になっており、1つめの条件を満たしません。③は破線が8月ごろに極小、実線が9月から10月に極小となり、2つの条件をどちらも満たします。
問3:正解 ①(解答番号115/配点3)
<問題要旨>
水が惑星表面で液体として安定に存在できる領域をハビタブルゾーンと呼び、その位置が太陽の明るさに依存することが説明されています。本文では、太陽の明るさが表面温度の4乗と半径の2乗の積にほぼ比例することが与えられています。そのうえで、30億年前の太陽が現在の太陽より明るいか暗いか、また現在の太陽が30億年前と同じ明るさだったとするとハビタブルゾーンが現在より太陽に近いか遠いかの組合せを選びます。図2は問題冊子では省略されています。
<考え方>
本文に与えられた2つの条件、すなわち明るさが表面温度の4乗と半径の2乗の積に比例することと、太陽が主系列星であることから筋道を立てます。主系列星である太陽は、中心部の水素の核融合が進むにつれて中心部の密度と温度が上がり、明るさが時間とともに増加していきます。このとき表面温度も半径もゆるやかに増加していくため、30億年前の太陽は表面温度も半径も現在より小さく、明るさの式の両方の因子が現在より小さくなります。したがって明るさは現在より小さく、ウは「暗い」です。次にエは、ハビタブルゾーンが中心星の明るさで決まることから導けます。中心星が暗くなると、同じ距離に届くエネルギーが減って惑星表面は冷えるため、水が液体でいられるのは以前より内側の、中心星に近い範囲になります。したがって現在の太陽が30億年前と同じ暗さだったとすれば、ハビタブルゾーンは現在の位置より太陽に近い側へ移ります。なお選択肢のうち、暗いのに遠い、明るいのに近いという②と③は、明るさとハビタブルゾーンの位置の関係そのものと矛盾するため、この関係を押さえておけば残るのは①と④だけになり、あとは30億年前の太陽が暗かったかどうかだけを判断すればよくなります。
明るさ ∝ (表面温度)⁴ × (半径)² 主系列星である太陽は、時間とともに表面温度も半径も増加する → 30億年前は 表面温度 < 現在、半径 < 現在 → (表面温度)⁴ も(半径)² も現在より小さい → 明るさ < 現在 … ウ は「暗い」 中心星が暗い → 同じ距離に届くエネルギーが減る → 水が液体でいられる範囲は内側へ移る → ハビタブルゾーンは太陽に近い … エ は「太陽に近い」 よって ①
※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

