2018年度 大学入試センター試験 本試験 地学 解答・解説

2018年度 大学入試センター試験 本試験「地学」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。

目次
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解答

解説

2018年度(平成30年度)大学入試センター試験 本試験「地学」の全問解説です。第1問〜第4問が必答(27+17+27+17=88点)、第5問・第6問はどちらか1問を選択(各12点)で、あわせて100点満点。当サイトでは受験生がどちらを選んでも確認できるよう、第5問・第6問の両方を解説しています。そのため記事に並ぶ配点の合計は112になります。また、この年度は解答番号が大問ごとに1から振り直される形式なので、各設問の見出しの「解答番号」は大問内での番号です。大問の中がA〜Dの文章に分かれているものは、この記事も分野ごとに見出しを分けています。各設問の見出しをタップすると、その問題の考え方と手順が開きます。

第1問 A 地球の内部構造(体積・密度と地震波)

小問2題。地殻・マントル・核の体積と密度の比べ方、そしてP波とS波の基本性質です。どちらも用語の定義に立ち返れば決まります。

問1:正解 ④(解答番号1/配点4)

<問題要旨>
文章中の空欄ア・イに入る語の組合せを選びます。「地球の地殻とマントル、核の中で、体積が最も大きな層は ア である。また、平均的な密度が最も大きな層は イ である。」

<考え方>
地球の半径 6400 km を、地殻(数十 km)・マントル(2900 km まで)・核(それより内側)に分けて、それぞれの厚みと位置から体積を見積もります。密度は物質そのもので決まります。

【体積を比べる】
 地殻 … 厚さ 5〜60 km
   地球半径のわずか 1 % 以下
   体積比 約 1 %
 マントル … 深さ 数十 km〜2900 km
   体積比 約 83 %
 核 … 深さ 2900 km〜6400 km
   半径の約半分だが
   体積は半径の3乗に効くので
   (3500/6400)³ ≒ 0.16
   体積比 約 16 %

 → 最大は マントル

 ア = マントル

【密度を比べる】
 地殻 … 2.7〜3.0 g/cm³
   (花こう岩質・玄武岩質)
 マントル … 3.3〜5.5 g/cm³
   (かんらん岩)
 核 … 10〜13 g/cm³
   (鉄・ニッケル)

 → 最大は 核

 イ = 核

【まとめ】
 体積は マントル、密度は 核

よって ④
問2:正解 ②(解答番号2/配点3)

<問題要旨>
地震波のP波やS波について述べた文として最も適当なものを選びます。

<考え方>
P波は縦波(疎密波)、S波は横波(ねじれの波)です。この定義から、伝わる媒質と振動の向きが決まります。

【① P波とS波の速さ】
 同じ媒質では
 つねに P波のほうが速い

 だから Primary(最初)の P、
 Secondary(2番目)の S という

 遅くなる領域は存在しない
 → 誤り

【② P波の振動】
 P波は縦波(疎密波)
 媒質が波の進む方向と
 平行に振動する

 → 正しい

【③ S波が伝わる媒質】
 S波は横波で
 ずれ(ねじれ)に対する
 復元力が必要

 液体にも気体にもその力は無いので
 どちらも伝わらない

 「気体中は伝わる」は誤り
 (外核が液体だと分かったのは
  S波が届かないため)

【④ S波の振動方向】
 S波は進行方向に垂直な向きに振動する

 地中を斜めに上がってくるので
 地表では水平方向にも上下方向にも
 振動させる

 「水平方向にのみ」は誤り

よって ②

第1問 B 地震とプレート(深発地震と海底の磁気異常)

小問2題。深発地震の分布と、海底の縞状磁気異常からプレートの移動速度を求める計算です。問4は縞の幅と地磁気逆転の年代を対応づけます。

問3:正解 ④(解答番号3/配点4)

<問題要旨>
図a・bは震源の深さの異なる地震の震央分布をそれぞれ示したものです。文章中の空欄ウ・エに入る語と記号の組合せを選びます。「プレートの沈み込みにより深さ 100 km より深いところでも地震が発生し、そのような地震は深発地震と呼ばれる。深発地震の震源は面状に分布し、これを ウ という。また、深発地震の震央分布を示した図は エ である。」

<考え方>
ウは用語です。エは、深発地震が起こる場所を考えて、2枚の分布図のどちらが該当するかを判定します。

【ウ 面状の震源分布】
 沈み込む海洋プレートに沿って
 震源が面状に並ぶ

 これを 和達—ベニオフ帯 という
 (日本の和達清夫が発見)

 地溝帯は大地の裂け目の地形で
 地震の分布の呼び名ではない

 ウ = 和達—ベニオフ帯

【エ 深発地震の分布】
 深発地震は
 沈み込み帯にしか起こらない

 中央海嶺やトランスフォーム断層の
 地震は浅発地震だけ

 図a … 中央海嶺(大西洋中央部や
   インド洋)にも震央が並ぶ
   → すべての地震(浅発を含む)
 図b … 環太平洋と地中海〜インドネシア
   に限られ、大西洋中央部には無い
   → 深発地震

 エ = b

よって ④
問4:正解 ②(解答番号4/配点3)

<問題要旨>
図1は地磁気逆転の歴史の模式図(現在〜80万年前が現在と同じ向き、80〜260万年前が逆、260〜360万年前が同じ向き)、図2は海嶺軸に直交する方向に沿って測定した海底の磁気異常です。この海嶺付近でのプレートの平均的な移動速度は約何 cm/年かを選びます。

<考え方>
海嶺で生まれた海底は、そのときの地磁気の向きに磁化されたまま両側へ運ばれます。「正の磁気異常の帯の幅」と「その期間の長さ」を対応させ、距離 ÷ 時間で速度を出します。

【中央の正の帯を読む】
 図2 で海嶺軸(距離 0)を中心とする
 正の磁気異常の帯は
 およそ −30 km 〜 +30 km

 これは 現在〜80万年前 に
 でき続けた海底

 → 片側の幅 約 30 km が
  80 万年ぶんの移動距離

【速度】
 30 km = 3×10⁶ cm
 80 万年 = 8×10⁵ 年

 3×10⁶ ÷ 8×10⁵
  = 3.75 cm/年
  ≒ 4 cm/年

【外側の帯で検算】
 260〜360万年前の正の帯は
 4 cm/年 なら

  260万年 → 104 km
  360万年 → 144 km

 図2 の外側の正の帯は
 両側とも 約 100〜140 km の位置
 → 一致する ✓

【選択肢との照合】
 3 / 4 / 8 / 13

 8 は両側の幅(60 km)を
 片側と取り違えた場合の値

よって ②

第1問 C 地球の形状とアイソスタシー

小問2題。地球楕円体とジオイドの関係、そして氷床がとけたあとの隆起量から氷床の厚さを逆算する計算です。問6はアイソスタシーの定番計算です。

問5:正解 ③(解答番号5/配点3)

<問題要旨>
地球の形状について述べた文中の空欄オ・カに入る語と数値の組合せを選びます。「地球楕円体は オ の形に最も近い回転楕円体として定義される。地球楕円体に対する オ の凹凸(起伏)は最大で約 カ km である。」

<考え方>
地球楕円体・ジオイド・地球表面という3つの面の関係を整理します。数値は桁で判断します。

【3つの面の関係】
 地球表面(実際の地形)
  最高 8848 m、最深 −10900 m
  起伏は 約 20 km におよぶ

 ジオイド
  平均海面を陸地まで延長した面
  = 重力の等ポテンシャル面
  地下の質量分布のかたよりで
  なめらかに凹凸する

 地球楕円体
  ジオイドに最も近い回転楕円体
  測量の基準として定義される

 オ = ジオイド

【カ ジオイドの凹凸】
 地球楕円体からのずれは
 最大でも 約 100 m = 0.1 km

 (インド洋南方で −100 m 程度、
  ニューギニア付近で +80 m 程度)

 カ = 0.1

 10 km は地球表面の起伏の桁で
 ジオイドの凹凸ではない

よって ③
問6:正解 ③(解答番号6/配点3)

<問題要旨>
図3は氷期と現在における、ある地域の断面を模式的に表しています。氷期と比べると、現在では地表を覆っていた氷床がとけて地殻の上面が 470 m 隆起しています。現在と氷期でいずれもアイソスタシーが成立しているとすると、氷期に地表を覆っていた氷床の厚さは何 m かを選びます。氷床の密度は 0.94 g/cm³、地殻は 2.8 g/cm³ で厚さ 40 km、マントルは 3.4 g/cm³ です。

<考え方>
氷床の重さのぶんだけ地殻がマントルに沈み込んでいた、と考えます。沈み込んでいた量がそのまま隆起量 470 m です。

【つり合いの立て方】
 地殻の厚さ 40 km は前後で変わらない

 氷期には氷床の重さで
 地殻が 470 m 余分に
 マントルに沈み込んでいた

 → 氷床の重さ
  = 押しのけたマントルの重さ

【計算】
 氷床の厚さを h とすると

  0.94 × h = 3.4 × 470

  h = 3.4 × 470 ÷ 0.94
   = 1598 ÷ 0.94
   = 1700 m

【検算(密度比で出す)】
 h = 470 ×(3.4 ÷ 0.94)
  = 470 × 3.62
  = 1700 m ✓

【選択肢との照合】
 940 / 1400 / 1700 / 2800

 940 は 470 × 2 で
 密度を使っていない値

 (地殻の密度 2.8 と厚さ 40 km は
  この計算では使わない)

よって ③

第1問 D 上部マントルとマグマの生成

小問2題。上部マントルをつくる鉱物と、沈み込み帯でマグマができるしくみ、そして玄武岩質マグマの性質です。

問7:正解 ①(解答番号7/配点4)

<問題要旨>
文章中の空欄キ・クに入る語の組合せを選びます。「上部マントルは主としてかんらん石と キ からなる岩石で構成される」「海洋プレートに含まれる鉱物の一部は、沈み込みに伴う温度と圧力の上昇により分解し、ク が放出される。これがマントルに加わって融点が下がり、マントルの溶融が起きると、玄武岩質マグマが生成される」。

<考え方>
キはかんらん岩をつくる鉱物、クは融点を下げる物質です。どちらも沈み込み帯のマグマ生成の基本です。

【キ 上部マントルの鉱物】
 上部マントルはかんらん岩

 かんらん岩の主成分は
  かんらん石 (Mg, Fe)₂SiO₄
  輝石 (Mg, Fe)SiO₃

 石英 SiO₂ は
 ケイ長質の地殻の鉱物で
 マントルには含まれない

 キ = 輝石

【ク 融点を下げる物質】
 海洋プレートは海底で
 海水と反応して含水鉱物
 (蛇紋石など)をつくる

 沈み込んで温度・圧力が上がると
 含水鉱物が分解して 水 を放出する

 水が加わるとかんらん岩の融点は
 数百 ℃ も下がり、部分溶融が起こる

 ク = 水

 (酸素はもともと岩石の主成分で
  「放出されて融点を下げる」
  という働きはしない)

よって ①
問8:正解 ④(解答番号8/配点3)

<問題要旨>
文章中の下線部に関連して、玄武岩質マグマについて述べた文として最も適当なものを選びます。

<考え方>
玄武岩質マグマは SiO₂ が少なく高温で、粘性が低いのが特徴です。どこでどうやってできるかも押さえます。

【① 粘性】
 マグマの粘性は SiO₂ 量で決まる

  玄武岩質 SiO₂ 約 50 % … 粘性が低い
  流紋岩質 SiO₂ 約 70 % … 粘性が高い

 「流紋岩質に比べて高い」は逆
 → 誤り

【② 放射性同位体による発熱】
 ウラン・トリウム・カリウムは
 ケイ長質の岩石に濃集する

 花こう岩の発熱量は
 玄武岩・斑れい岩より大きい

 → 誤り

【③ ホットスポット】
 ホットスポットのマグマは
 マントル深部から上がってきた
 高温のマントル物質が
 部分溶融してできる

 大陸地殻の部分溶融ではない
 (ハワイのように海洋底にもできる)
 → 誤り

【④ 中央海嶺】
 中央海嶺ではマントル物質が
 上昇してくる

 温度はほとんど下がらないまま
 圧力だけが下がるので
 融点が下がって部分溶融する
 (減圧融解)

 → 正しい

よって ④

第2問 A 変成岩(Al₂SiO₅ の多形と変成帯の型)

小問2題。含まれる鉱物から変成帯の型を決め、多形という言葉の意味を確認します。紅柱石・珪線石・らん晶石の安定領域が頭に入っていれば即答できます。

問1:正解 ①(解答番号1/配点3)

<問題要旨>
文章中の空欄ア・イに入る語句の組合せを選びます。ある変成岩は鉱物が面状に配列し縞状の構造をもち、紅柱石と珪線石が含まれる一方、らん晶石は含まれていませんでした。「この岩石は ア 型の広域変成岩であり、イ で形成される。」

<考え方>
Al₂SiO₅ の3つの多形は、それぞれ安定な圧力・温度の領域が違います。どれが含まれ、どれが含まれないかで圧力条件が決まります。

【Al₂SiO₅ の3つの多形】
 紅柱石 … 低圧・中温で安定
 珪線石 … 低圧・高温で安定
 らん晶石 … 高圧で安定

【本問の岩石】
 紅柱石と珪線石を含む → 低圧
 らん晶石を含まない  → 高圧ではない
 珪線石を含む     → 高温

 → 高温低圧型の広域変成岩

 ア = 高温低圧

【イ 形成される場所】
 高温低圧型の広域変成帯は
 火山活動が活発な場所の地下で
 地下から強い熱が供給される

 日本では領家変成帯がこの型

 一方、低温高圧型の変成帯は
 沈み込んだ冷たい海洋プレートに
 沿って形成される(三波川変成帯)

 イ = 火山帯の地下

【対の変成帯】
 沈み込み帯では
  海溝側 … 低温高圧型
  内陸側 … 高温低圧型
 が並んで分布する

よって ①
問2:正解 ③(解答番号2/配点4)

<問題要旨>
文章中の下線部(a)に関連して、紅柱石と珪線石、らん晶石は多形の関係にあります。多形について述べた文として最も適当なものを選びます。

<考え方>
多形(同質異像)の定義そのものを問う設問です。固溶体との違いを押さえます。

【多形(同質異像)の定義】
 化学組成が同じで
 結晶構造が異なる鉱物どうしの関係

 例)
  石墨とダイヤモンド … C
  紅柱石・珪線石・らん晶石
   … Al₂SiO₅
  方解石とアラゴナイト … CaCO₃

【選択肢の判定】
 ① 化学組成が異なるが密度は同じ
  多形は化学組成が「同じ」
  むしろ密度は構造によって違う
  (らん晶石が最も高密度)
  → 誤り

 ② 石墨と黒雲母
  石墨は C
  黒雲母はケイ酸塩鉱物
  組成がまったく違う
  → 誤り
  (石墨と多形なのはダイヤモンド)

 ③ 化学組成が同一で結晶構造が異なる
  → 定義そのもの ✓

 ④ 化学組成が連続的に変化する
  それは 固溶体 の説明
  例)かんらん石 (Mg, Fe)₂SiO₄
  → 誤り

よって ③

第2問 B 地質調査(走向・傾斜と示準化石)

小問1題。走向南北・西に45°傾斜という条件で、3地点の地層の新旧を決め、それぞれから出うる示準化石を選びます。「標高 + 西への距離」を計算するだけで片づきます。

問3:正解 ②(解答番号3/配点4)

<問題要旨>
図1は、ある地域における地質調査の結果を地形図上に表したものです。この地域に分布する地層は南北の走向を持ち、西に45°傾斜しています。地点aではイノセラムスが見つかっています。地点bと地点cから見つかる可能性のある化石の組合せとして最も適当なものを選びます。図の範囲内で地層の厚さは変化せず、断層や褶曲、地層の逆転はないものとします。

<考え方>
走向が南北なので、地層面は南北に伸び、西へ45°で下がります。傾斜45°は「西へ 1 m 進むと 1 m 下がる」ということなので、(標高)+(西への距離)が同じ値なら同じ地層です。この値が大きいほど上位(新しい)です。

【判定に使う量】
 傾斜 45° 西 なので
 西へ x(m)進むと地層面は x(m)下がる

 同じ地層面
  ⇔ 標高 + 西への距離 が等しい

 逆転がないので
 この値が大きいほど上位(新しい)

【図1 の読み取り】
 等高線は 10〜50 m
 南東へ行くほど標高が高い

 標高
  地点a … 約 5 m(北西の低地)
  地点b … 約 15 m(中央)
  地点c … 約 45 m(南東の高所)

 地点c を基準にした西への距離
  地点a … 約 78 m
  地点b … 約 45 m
  地点c … 0 m

【値を出す】
 地点a … 5 + 78 = 83
 地点b … 15 + 45 = 60
 地点c … 45 + 0 = 45

 → 新しい順に a > b > c

【示準化石の時代】
 フズリナ    … 古生代
 トリゴニア   … 中生代
 イノセラムス  … 中生代(白亜紀)
 ヌンムリテス  … 新生代(古第三紀)

 地点a はイノセラムス(中生代)

 地点b は a より古い
  → 中生代か古生代
 地点c は最も古い
  → 古生代

【選択肢の判定】
 ① b トリゴニア/c ヌンムリテス
  c が新生代で最も新しくなる ✗
 ② b トリゴニア/c フズリナ
  中生代 → 古生代 の順 ✓
 ③ b フズリナ/c トリゴニア
  c のほうが新しくなる ✗
 ④ b ヌンムリテス/c トリゴニア
  b が a より新しくなる ✗

よって ②

第2問 C 河川の侵食・運搬・堆積

小問2題。山地から平地に出る場所にできる地形と、水流で最初に動き出す粒子の大きさです。問5は「砂が最も動きやすい」という一点だけを覚えていれば足ります。

問4:正解 ④(解答番号4/配点3)

<問題要旨>
文章中の空欄ウ・エに入る語の組合せを選びます。「河川が急峻な山地から平地に流れ出る場所では、河床の勾配が緩くなることや、流路が広がることなどから、河川が砕屑物を運搬する能力は低下する。こうした場所では砕屑物の中でも ウ なものから堆積が進行し、エ と呼ばれる地形が形成される。」

<考え方>
運搬能力が落ちたとき、どの粒から先に落ちるかを考えます。地形の名前は、山地の出口か河口かで決まります。

【ウ どの粒から堆積するか】
 流れが運べる粒の大きさは
 流速で決まる

 流れが弱まると
 重い(粗い)粒から先に沈む

 → 粗粒 なものから堆積する

 ウ = 粗粒

【エ 地形の名前】
 山地から平地に出る場所(谷口)
  流速が急に落ちる
  礫や砂が扇形に積もる
  → 扇状地

 河口(海や湖に入る場所)
  さらに流速が落ちる
  細かい砂や泥が積もる
  → 三角州(デルタ)

 本問は「山地から平地に流れ出る場所」
 なので 扇状地

 エ = 扇状地

【組合せ】
 粗粒 + 扇状地

よって ④
問5:正解 ②(解答番号5/配点3)

<問題要旨>
文章中の下線部(b)に関連して、砕屑物が、流れのない平坦な水底に堆積している状態から、徐々に流速を増す水流によって侵食され運搬されるとき、最初に動き出すものはどれかを選びます。選択肢は ① 礫、② 砂、③ シルト、④ 粘土 です。

<考え方>
粒が動き出すのに必要な流速は、粒径に対して単純な右上がりではありません。細かすぎる粒は互いにくっついて動きにくくなります。

【動き出すのに必要な流速】
 粒が大きいほど重いので
 動かすには速い流れが要る

 ところが、細かすぎる粒(泥)は
 粒どうしが電気的にくっつき合い
 (粘着力)
 水底に張りついて動きにくい

 → 必要な流速は
  粗い側でも細かい側でも大きく
  その中間で最小になる

【最小になる粒径】
 直径 0.1〜0.5 mm 程度
 = 砂(細砂)

 この大きさの粒が
 最も小さい流速で動き出す

【粒径の区分】
 礫  … 2 mm 以上
 砂  … 1/16 〜 2 mm
 シルト … 1/256 〜 1/16 mm
 粘土 … 1/256 mm 未満

 (シルトと粘土をあわせて泥)

【あわせて覚えたいこと】
 いったん動き出した粒は
 流速が落ちても運ばれ続け
 沈むのは細かい粒ほど遅い
 (この関係を表したのが
  ユールストロームの図)

よって ②

第3問 A コリオリの力と地衡風

小問3題。地衡風の向きを図から決め、偏西風の蛇行、そして地表付近で加わる力を答えます。問1は「北半球ではコリオリの力が風の右向き」を図に当てはめるだけです。

問1:正解 ①(解答番号1/配点4)

<問題要旨>
北半球の地上における気圧が図1のように分布しているとします。この状態で地衡風が吹くとしたとき、その方向は図1中のA〜Dのうちどれかを選びます。図1では左(西)が 1000 hPa、右(東)が 1020 hPa の南北にのびる等圧線が描かれ、Aは北向き、Bは東向き、Cは南向き、Dは西向きの矢印です。

<考え方>
地衡風は気圧傾度力とコリオリの力がつり合った風で、等圧線に平行に吹きます。まず気圧傾度力の向きを決め、それとつり合うコリオリの力の向きから風向を逆算します。

【気圧傾度力の向き】
 気圧の高いほうから低いほうへはたらく

 東が 1020 hPa、西が 1000 hPa なので
 気圧傾度力は 東 → 西(西向き)
 = D の向き

【つり合いの条件】
 地衡風では
 コリオリの力が気圧傾度力と
 大きさが等しく逆向き

 → コリオリの力は 東向き(B の向き)

【風向を逆算する】
 北半球のコリオリの力は
 風の進行方向に対して 右向き(90°右)

 コリオリの力が東を向くには
 風向はその 90° 左

 東を向いて左は 北

 → 風は 北向き = A

【確かめ】
 北へ向かう風の右手側は東
 そこにコリオリの力(東向き)
 気圧傾度力は西向き
 → つり合う ✓

【等圧線と平行か】
 等圧線は南北にのびている
 風向も北向きなので平行 ✓

よって ①
問2:正解 ④(解答番号2/配点3)

<問題要旨>
文章中の下線部(a)に関連して、持続的な偏西風の蛇行について述べた文a・bの正誤の組合せを選びます。aは「コリオリの力のはたらく向きが北半球と反対になる南半球では、偏西風の蛇行は発生しない」、bは「偏西風の蛇行が小さくなると、ブロッキング高気圧が形成されやすくなる」。

<考え方>
偏西風の蛇行は南半球にもあるか、そして蛇行が大きいときと小さいときのどちらでブロッキングが起こるか、という2点です。

【a 南半球の偏西風】
 偏西風は
 低緯度と高緯度の温度差によって生じ
 南半球にも同じように吹いている

 南半球ではコリオリの力の向きが
 逆になるが、風向(西風)も蛇行も
 同じように起こる

 むしろ南半球は陸地が少ないため
 偏西風が強い
 (「吠える40度」など)

 → a は誤

【b ブロッキング高気圧】
 偏西風の蛇行が 大きく なると
 南北に張り出した波が切り離され
 その場に居座る高気圧ができる

 これがブロッキング高気圧で
 同じ天気が何日も続き
 猛暑や豪雨などの異常気象を招く

 「蛇行が小さくなると」は逆
 → b は誤

よって a誤・b誤 の ④
問3:正解 ③(解答番号3/配点3)

<問題要旨>
文章中の下線部(b)に関連して、気圧傾度力とコリオリの力以外に地表付近で加わる別の力として最も適当なものを選びます。

<考え方>
上空の地衡風は等圧線に平行ですが、地表付近では風が等圧線を横切って低圧側へ吹き込みます。その原因になる力を選びます。

【地表付近で加わる力】
 地表付近では
 地面や建物、樹木との間に
 摩擦力 がはたらく

 摩擦力は風の向きと逆にはたらいて
 風速を弱める

 風速が弱まると
 コリオリの力(風速に比例)も弱まり
 気圧傾度力とつり合わなくなる

 → 風は等圧線を横切って
  低圧側へ少し向く

 これが低気圧に風が吹き込み
 高気圧から吹き出す理由

【選択肢の判定】
 ① 海水の表面張力
  大気の運動とは無関係 → 誤り
 ② 地球自転に伴う遠心力
  重力の一部として
  すでに組み込まれており
  「地表付近だけ加わる力」ではない
  → 誤り
 ③ 大気と地表との間の摩擦力 ✓
 ④ 地球の引力
  鉛直方向にはたらく力で
  水平方向の風向のずれには効かない
  → 誤り

よって ③

第3問 B エルニーニョ(大気と海洋の相互作用)

小問2題。エルニーニョ時に何が起こるかと、その状態を表す模式図を選びます。問5は「暖水が東へ広がり、雲も東へ移る」という一文で決まります。

問4:正解 ②(解答番号4/配点3)

<問題要旨>
エルニーニョが起こっているときの現象について述べた文a・bの正誤の組合せを選びます。aは「熱帯太平洋の気圧の東西差が、平年状態とくらべて異なる」、bは「日本の冬が、平年状態とくらべて寒くなる傾向にある」。

<考え方>
aは南方振動そのものです。bは日本への影響で、暖冬か寒冬かを思い出します。

【a 気圧の東西差】
 平年
  西部(インドネシア)… 気圧が低い
  東部(南米沖)   … 気圧が高い

 エルニーニョ時
  対流の中心が東へ移り
  西部の気圧が上がり
  東部の気圧が下がる
  → 東西の気圧差が小さくなる

 この気圧のシーソーを
 南方振動という

 → a は正

【b 日本の冬への影響】
 エルニーニョ時は
 日本付近では

  冬 … 暖冬になりやすい
  夏 … 冷夏になりやすい

 冬に西高東低の気圧配置が
 弱まるため

 「寒くなる傾向」は逆
 → b は誤

 (ラニーニャ時は逆に
  寒冬・猛暑になりやすい)

よって a正・b誤 の ②
問5:正解 ①(解答番号5/配点4)

<問題要旨>
文章中の下線部(c)に関連して、エルニーニョが起こっているときの状態を示す模式図として最も適当なものを選びます。図はいずれも赤道太平洋の東西断面で、左がインドネシア、右が南アメリカ、暖水層と冷水層の境界と、雲・雨の位置が描かれています。

<考え方>
見るところは2つです。暖水層の厚さの東西差がどうなるか、そして雲(積乱雲)がどこで発達するかです。

【平年状態】
 貿易風(東風)が強い
 → 暖水が西に吹き寄せられる

 暖水層の厚さ
  西(インドネシア) … 厚い(約 200 m)
  東(南米沖)    … 薄い
 → 境界は西で深く、東で浅い
  (東西の傾きが急)

 雲が発達するのは
 高水温の 西側

【エルニーニョ時】
 貿易風が弱まる
 → 吹き寄せがゆるみ
  暖水が東へ広がる

 暖水層の厚さ
  西で薄く、東で厚くなる
 → 境界の東西の傾きが ゆるやか になる

 雲が発達する場所も
 高水温域とともに 東へ移動する

【選択肢の判定】
 ② ④ … 境界の傾きが急なまま
   = 平年状態の形 → 誤り
 ③ … 傾きはゆるやかだが
   雲が西のまま → 誤り
 ① … 傾きがゆるやかで
   雲が東寄り ✓

よって ①

第3問 C 海水の運動(環流・潮汐・津波)

小問3題。亜熱帯環流の西岸強化、潮汐、そして津波の速さの計算です。問8は √(gh) を使うだけの計算問題です。

問6:正解 ①(解答番号6/配点3)

<問題要旨>
文章中の空欄ア・イに入る語句の組合せを選びます。「偏西風と貿易風にはさまれた北半球の亜熱帯域では、風によって引きずられる海面付近の海水がコリオリの力により風に対して ア 流されるため、海域中央部の海面が高くなる。それに応じて環流(亜熱帯環流)が生じ、さらに、海流に対する地球自転の効果が緯度によって異なるため、環流の イ にある流れが強くなる。」

<考え方>
アはエクマン輸送の向き、イは西岸強化です。どちらも亜熱帯環流のしくみの基本です。

【ア エクマン輸送の向き】
 北半球ではコリオリの力が
 進行方向の右向きにはたらく

 海面付近の海水は
 風の向きから 右にそれて 流される

 ア = 右にそれて

【なぜ中央部が高くなるか】
 北側の偏西風(西風)
  → 輸送は南向き
 南側の貿易風(東風)
  → 輸送は北向き

 両側から海水が中央へ集まる
 → 海面が盛り上がる

【イ 強くなるのはどちら側か】
 コリオリの力の大きさは
 緯度によって変わる(高緯度ほど大)

 このため環流は
 西側で幅が狭く流れが速くなる
 (西岸強化)

 黒潮やメキシコ湾流がその例

 イ = 西側

よって ①
問7:正解 ②(解答番号7/配点3)

<問題要旨>
文章中の下線部(d)の潮汐について述べた文a・bの正誤の組合せを選びます。aは「地球が自転しているため、多くの場所で満潮がほぼ1日に2回ある」、bは「地球、月、太陽の位置関係から、満月のときは大潮、新月のときは小潮になる」。

<考え方>
潮汐のふくらみが地球のどちら側にできるか、そして大潮になる月の位相を確認します。

【a 満潮が1日に2回ある理由】
 月の引力による潮汐力は
 月に向いた側と
 その反対側の 両方 で
 海水を持ち上げる

 → 地球には2つのふくらみができる

 地球が1日で1回自転するので
 ある地点は1日に2か所の
 ふくらみを通過する

 → 満潮はほぼ1日に2回

 → a は正

【b 大潮になるのはいつか】
 大潮
  月と太陽の潮汐力が重なるとき
  = 地球・月・太陽が一直線
  = 新月 と 満月 の両方

 小潮
  月と太陽の方向が直角のとき
  = 上弦・下弦の半月

 「新月のときは小潮」は誤り
 → b は誤

よって a正・b誤 の ②
問8:正解 ②(解答番号8/配点4)

<問題要旨>
文章中の下線部(e)に関連して、地点Aで発生した津波が 60 km 離れた地点Bにおいて T 分後に観測されました。地点AB間の水深は 1000 m で一定であるとします。このとき時間 T の数値として最も適当なものを選びます。重力加速度の大きさは 10 m/s² とします。

<考え方>
津波は波長が水深に比べて非常に長い波(長波)なので、速さは √(gh) で決まります。速さを出してから距離を割り、分に直します。

【津波の速さ】
 v = √(g h)

 g = 10 m/s²
 h = 1000 m

 v = √(10 × 1000)
  = √10000
  = 100 m/s

 (時速に直すと 360 km/h)

【所要時間】
 距離 60 km = 60000 m

 T = 60000 ÷ 100
  = 600 秒

 秒を分に直す
  600 ÷ 60 = 10 分

【選択肢との照合】
 6 / 10 / 60 / 100

 600 を分と読み違えると
 どの選択肢とも合わない

【感覚をつかむために】
 水深 4000 m の外洋では
 v = √(10×4000) = 200 m/s

 水深が浅くなるほど遅くなり
 後ろの波が追いついて
 波高が高くなる

よって ②

第4問 A HR図と星の進化

小問3題。HR図の3つの領域X・Y・Zが何を表すかを見抜けば、3問ともつながって解けます。問3は距離指数の計算です。

問1:正解 ①(解答番号1/配点4)

<問題要旨>
図1中のXに位置する星の性質について述べた文として最も適当なものを選びます。図1はHR図上での星の分布を模式的に示したもので、Xは右上(低温・高光度)、Yは左上から右下へのびる帯、Zは左下(高温・低光度)の領域です。

<考え方>
まずX・Y・ZがHR図のどの種族かを決めます。Xは右上なので、低温なのに明るい=半径が非常に大きい星の領域です。

【X・Y・Z の正体】
 Y … 左上から右下へのびる帯
   = 主系列星
 X … 右上(低温・明るい)
   低温なのに明るい
   = 半径が非常に大きい
   = 巨星・超巨星
 Z … 左下(高温・暗い)
   高温なのに暗い
   = 半径が非常に小さい
   = 白色矮星

【① 半径 100 倍以上の星】
 巨星の半径は太陽の数十倍
 超巨星は数百〜1000 倍

 (ベテルギウスは約 900 倍)

 → 正しい

【② 表面温度】
 X は低温側(K・M型、3000 K 程度)
 Z は高温側(O・B・A型、
  10000 K 以上)

 Z のほうが高温
 → 誤り

【③ 見かけの明るさ】
 HR図の縦軸は 絶対等級

 見かけの明るさは距離によって変わり
 遠ければ暗く見える
 → 誤り

【④ 色】
 X は低温なので赤く見える
 (赤色巨星)
 → 誤り

よって ①
問2:正解 ③(解答番号2/配点3)

<問題要旨>
図1中のX、Y、Zと、星の進化との関係について述べた文として最も適当なものを選びます。

<考え方>
恒星の一生を「主系列星(Y)→ 赤色巨星(X)→ 白色矮星(Z)」と並べ、それぞれの選択肢と照らします。

【恒星の一生(太陽程度の質量)】
 星間雲の収縮で原始星
  → 主系列星(Y)に到達
   一生の約 9 割をここで過ごす
  → 中心の水素を使い果たす
  → 膨張して赤色巨星(X)
  → 外層を放出して惑星状星雲
  → 中心部が残って白色矮星(Z)

【選択肢の判定】
 ① 生まれた直後の星はZに位置する
  Z は白色矮星=末期の姿
  → 誤り

 ② 核融合が進むと Y 内を移動し
  左上端に到達する
  主系列上での移動はごくわずかで
  燃え尽きると Y を離れて
  右上(X)へ向かう
  → 誤り

 ③ 太陽程度の質量の星は
  Y に長期間とどまったのち
  X を経由して Z に至る
  → 上の道筋そのもの ✓

 ④ 質量の非常に大きい星は
  誕生から終末まで X に位置する
  大質量星も主系列(Y の左上端)から
  始まる
  → 誤り

よって ③
問3:正解 ③(解答番号3/配点3)

<問題要旨>
スペクトル型がK型で、距離2パーセクにあり、見かけの明るさは5等級の星1があります。また、スペクトル型がB型で、距離200パーセクにあり、見かけの明るさは同じく5等級の星2があります。星1と星2は、それぞれ図1中のX、Y、Zのどこに位置するかを選びます。

<考え方>
見かけの等級と距離から絶対等級を出し、スペクトル型と合わせてHR図上の位置を決めます。使うのは距離指数の式ひとつです。

【距離指数の式】
 m − M = 5 log₁₀ d − 5

 m … 見かけの等級
 M … 絶対等級
 d … 距離(パーセク)

【星1(K型、2 パーセク、5 等)】
 5 − M = 5 log₁₀ 2 − 5
     = 5 × 0.30 − 5
     = 1.5 − 5
     = −3.5

 M = 5 + 3.5 = 8.5

 K型で絶対等級 +8.5
 → 図1 の主系列の右下あたり
 → Y

【星2(B型、200 パーセク、5 等)】
 5 − M = 5 log₁₀ 200 − 5
     = 5 × 2.30 − 5
     = 11.5 − 5
     = 6.5

 M = 5 − 6.5 = −1.5

 B型で絶対等級 −1.5
 → 図1 の主系列の左上あたり
 → Y

【組合せ】
 星1 = Y / 星2 = Y

 (Z の白色矮星は絶対等級 +10 以上、
  X の巨星は低温で明るい領域なので
  どちらも当てはまらない)

よって ③

第4問 B 金星

小問2題。金星の基本データと、受け取る太陽放射エネルギーの計算です。問5は「反射した分は受け取っていない」と気づけるかどうかで決まります。

問4:正解 ④(解答番号4/配点4)

<問題要旨>
金星について述べた文として最も適当なものを選びます。

<考え方>
金星の自転・表面・大気・温度という4点を順に確認します。金星は自転が非常に遅いことと、強い温室効果が特徴です。

【① 自転周期】
 金星の自転周期は 約 243 日
 (しかも自転の向きが逆)

 公転周期 225 日より長い

 地球の 1 日よりはるかに長い
 → 誤り

【② 表面の地形】
 金星の表面は
 火山地形や溶岩平原が広がり
 クレーターは少ない

 厚い大気が小天体の突入を防ぎ
 火山活動が地形を塗り替えたため

 表面全体がクレーターに覆われるのは
 水星や月
 → 誤り

【③ 大気の成分】
 金星の大気は
 二酸化炭素 約 96 %
 硫酸の雲に覆われている

 水素やヘリウムが主成分なのは
 木星型惑星
 → 誤り

【④ 表面温度】
 二酸化炭素の強い温室効果により
 表面温度は 約 460 ℃

 太陽に近い水星より高温
 → 正しい

よって ④
問5:正解 ②(解答番号5/配点3)

<問題要旨>
金星の公転軌道上における、太陽方向に垂直な単位面積・単位時間あたりの太陽放射エネルギーは、地球公転軌道上における値の約2倍です。入射する太陽放射エネルギーに対する、金星と地球の反射率を、それぞれ 0.8 と 0.3 としたとき、金星が受け取る太陽放射エネルギーは、地球が受け取る値の約何倍かを選びます。金星と地球の半径の違いは無視できるものとします。

<考え方>
「受け取る」とは、届いたエネルギーのうち反射されずに吸収される分です。(届く量)×(1 − 反射率)を両方について計算して比べます。

【受け取るエネルギー】
 受け取る量
  = 届く量 ×(1 − 反射率)

【金星】
 届く量 … 地球の 2 倍
 反射率 … 0.8
 吸収される割合 … 1 − 0.8 = 0.2

 受け取る量 = 2 × 0.2 = 0.4

【地球】
 届く量 … 1
 反射率 … 0.3
 吸収される割合 … 1 − 0.3 = 0.7

 受け取る量 = 1 × 0.7 = 0.7

【比】
 0.4 ÷ 0.7 = 0.57
     ≒ 0.6 倍

【選択肢との照合】
 0.3 / 0.6 / 2 / 5

 2 は反射率を無視した値
 (届く量の比だけを答えたもの)

【意味】
 金星は太陽に近いのに
 受け取るエネルギーは地球より少ない

 それでも表面が 460 ℃ になるのは
 二酸化炭素の温室効果が
 きわめて強いため

よって ②

第5問〔選択問題〕A 地質時代の気候と地質構造

小問2題。地質時代の気候の知識問題と、横ずれ断層をはさんだボーリングの深さを求める問題です。第5問と第6問はどちらか1問を選ぶ選択問題ですが、この記事では両方を解説しています。問2はこの年度の最難問です。

問1:正解 ④(解答番号1/配点3)

<問題要旨>
地質時代の気候について述べた文として最も適当なものを選びます。

<考え方>
先カンブリア時代から第四紀まで、寒冷だった時期と温暖だった時期を年表にして照らします。

【① 原生代の全球凍結】
 全球凍結(スノーボールアース)は
  約 23〜22 億年前
  約 7〜6 億年前
 の2つの時期に起きたと考えられている

 原生代を「通じて」続いたのではない
 → 誤り

【② 石炭紀後半〜ペルム紀前半】
 この時期は
 ゴンドワナ大陸に大規模な氷床が発達した
 寒冷な時代(ゴンドワナ氷河時代)

 大森林が栄えて大気中の
 二酸化炭素が減ったことが一因

 「温暖化が進行した」は逆
 → 誤り

【③ ジュラ紀】
 中生代は全体に温暖で
 極域にも氷床が無かった時代

 恐竜が繁栄し、海水準も高かった

 「寒冷な気候が長く続いた」は誤り

【④ 第四紀】
 約 260 万年前から現在まで

 氷期と間氷期がほぼ周期的に
 くり返された
  約 70 万年前より前 … 約 4 万年周期
  それ以降     … 約 10 万年周期

 → 正しい

よって ④
問2:正解 ②(解答番号2/配点3)

<問題要旨>
図1は、ある地域の地質構造を模式的に示したものです。ただし、中央部に存在する断層fより西側の地質構造は示していません。この地域には、走向が東西で北に45°傾斜する礫岩層と砂岩層のみが全域に分布します。また、断層fは走向が南北で、鉛直方向の変位がない右横ずれ断層であり、一度だけ活動し、そのずれは 5 m でした。断層西側の地点Pで鉛直方向にボーリング調査を行ったとき、礫岩層と砂岩層との境界は地下何 m であらわれるかを選びます。

<考え方>
手順は3つです。①東側で境界が地表に出る位置を読む、②傾斜45°から地点Pの水平距離での深さを出す、③右横ずれのぶんを補正する。

【① 東側での境界の位置】
 図1 の東側ブロックの地表面を見ると
 南(水平距離 0)側に礫岩層が露出し
 北側は砂岩層

 その境界は
 水平距離 約 5 m のところにある

 (走向が東西なので
  境界は地表で東西にのびる線になる)

【② 傾斜から深さを出す】
 北に 45° 傾斜なので
 北へ 1 m 進むと境界は 1 m 深くなる

 断層が無ければ、水平距離 20 m では

  深さ = 20 − 5 = 15 m

【③ 右横ずれの補正】
 断層f は走向 南北 の右横ずれ

 右横ずれ=断層をはさんだ向こう側が
 右にずれて見える

 東側ブロックに立って西を向くと
 右は 北

 → 西側ブロックは東側に対して
  北へ 5 m ずれている

 つまり西側では
 地層が 5 m 北へ運ばれているので
 同じ水平距離で見ると
 境界は 5 m ぶん 浅い ところにある

  深さ = 15 − 5 = 10 m

【地点P の位置の確認】
 図1 で地点P は
 水平距離 20 m の補助線上にある ✓

【選択肢との照合】
 5 / 10 / 15 / 20

 15 は横ずれの補正を忘れた値
 20 はずれの向きを南と取り違えた値

よって ②

第5問〔選択問題〕B 火成岩

小問2題。火山岩と深成岩の鉱物組成から SiO₂ 量と斜長石の性質を読み、深成岩の組織を問います。ボーエンの反応系列がそのまま使えます。

問3:正解 ①(解答番号3/配点3)

<問題要旨>
文章中の空欄ア・イに入る数値と元素の組合せを選びます。「かんらん石と斜長石の斑晶を含む火山岩Aと、石英、斜長石、カリ長石、黒雲母から構成される深成岩Bを採取した。これらの岩石および構成鉱物の化学組成を調べたところ、火山岩AのSiO₂含有量は約 ア 重量%であった。また深成岩Bに含まれる斜長石は、火山岩Aに斑晶として含まれる斜長石にくらべて イ に富んでいた。」

<考え方>
火山岩Aと深成岩Bがそれぞれ何という岩石かを鉱物から決めます。斜長石は固溶体なので、岩石の種類によって Ca と Na の比が変わります。

【火山岩A の岩石名】
 斑晶が かんらん石 と 斜長石

 かんらん石を含むのは
 苦鉄質のマグマ
 → 玄武岩

 玄武岩の SiO₂ 含有量は 約 50 %

 ア = 50

 (70 % は流紋岩・花こう岩の値)

【深成岩B の岩石名】
 石英・斜長石・カリ長石・黒雲母
 → 花こう岩(ケイ長質の深成岩)

【斜長石は固溶体】
 斜長石 (Na, Ca)(Al, Si)₄O₈

  灰長石 CaAl₂Si₂O₈(Ca 端成分)
  曹長石 NaAlSi₃O₈(Na 端成分)

 高温で先に晶出する斜長石は
 Ca に富む

 結晶分化が進んで
 SiO₂ に富むマグマから晶出する斜長石は
 Na に富む

【本問の比較】
 玄武岩の斜長石 … Ca に富む
 花こう岩の斜長石 … Na に富む

 深成岩B の斜長石のほうが
 Na に富んでいる

 イ = Na

よって ①
問4:正解 ③(解答番号4/配点3)

<問題要旨>
文章中の下線部の岩石(石英、斜長石、カリ長石、黒雲母から構成される深成岩B)について述べた文として最も適当なものを選びます。

<考え方>
深成岩B = 花こう岩です。色指数、組織、鉱物の骨格構造という3つの観点で選択肢を切ります。

【① 色指数】
 花こう岩の有色鉱物は黒雲母などで
 色指数は 10 以下

 石英・長石という無色鉱物が大半なので
 全体として白っぽい

 → 誤り

【② ガラス質か】
 深成岩は地下深くで
 ゆっくり冷え固まる

 → 鉱物が十分に成長し
  すべて結晶になる(完晶質)

 ガラス質になるのは
 急冷された火山岩

 → 誤り(ゆっくり冷えたことは
   正しいが結論が逆)

【③ 他形の結晶】
 深成岩の等粒状組織では
 先に晶出した鉱物は自形になり
 最後に残ったすき間を埋める鉱物は
 他形になる

 花こう岩では
 最後に晶出する石英が
 典型的な他形を示す

 → 正しい

【④ 有色鉱物の骨格構造】
 花こう岩の有色鉱物は 黒雲母

 黒雲母は SiO₄ 四面体が
 層状(シート状)につながった構造

 鎖状につながるのは輝石・角閃石
 → 誤り

よって ③

第6問〔選択問題〕A 宇宙の構成要素と元素

小問2題。宇宙をつくる元素の起源と、宇宙の構成要素・太陽の元素組成の円グラフを選びます。問2は数字を覚えていれば一瞬です。

問1:正解 ②(解答番号1/配点3)

<問題要旨>
文章中の下線部(a)に関連して、宇宙の元素について述べた文として最も適当なものを選びます。

<考え方>
元素がいつどこでつくられたかを、ビッグバン・恒星内部・超新星爆発の3段階に分けて整理します。

【元素がつくられた場所】
 ビッグバン(誕生から数分)
  水素・ヘリウム
  (わずかにリチウム)

 恒星内部の核融合
  炭素・酸素・ネオン … 鉄まで

 超新星爆発
  鉄より重い元素
  (金・ウランなど)
  一瞬で大量の中性子が
  原子核に取り込まれてできる

【選択肢の判定】
 ① 炭素・酸素の一部はビッグバンで
  ビッグバンでできたのは
  水素とヘリウムだけ → 誤り

 ② 超新星爆発によって
  鉄より重い元素がつくられた
  → 正しい

 ③ 種族Ⅱの星は種族Ⅰの星より
  重い元素の割合が多い
  種族Ⅱ は宇宙初期に生まれた古い星で
  重元素が 少ない
  種族Ⅰ は後の世代で重元素が多い
  → 誤り

 ④ ヘリウムの大部分は
  恒星内部の核融合でつくられた
  ヘリウムの大部分はビッグバン起源
  (質量比で約 25 %)
  → 誤り

よって ②
問2:正解 ①(解答番号2/配点3)

<問題要旨>
現在の宇宙の構成要素および現在の太陽の元素組成を示す図は、それぞれ図a・bおよび図c・dのうちどれかを選びます。図a・bは通常の物質・ダークマター・ダークエネルギーのエネルギー比、図c・dは水素・ヘリウム・重い元素の質量比を表す円グラフです。

<考え方>
どちらも「ごく小さい割合の要素がひとつある」ことが決め手です。数値を覚えていれば円グラフの形だけで選べます。

【宇宙の構成要素(エネルギー比)】
 ダークエネルギー … 約 68 %
 ダークマター   … 約 27 %
 通常の物質    … 約 5 %

 通常の物質はごく細いスライスになる

 図a … 通常の物質がごく細く
   ダークエネルギーが最大 ✓
 図b … 通常の物質が
   4分の1ほどを占めている ✗

 → a

【太陽の元素組成(質量比)】
 水素   … 約 73 %
 ヘリウム … 約 25 %
 重い元素 … 約 2 %

 重い元素はごく細いスライスになる

 図c … 重い元素がごく細く
   水素が最大 ✓
 図d … 重い元素が
   4分の1ほどを占めている ✗

 → c

【組合せ】
 宇宙の構成要素 a / 太陽の元素組成 c

よって ①

第6問〔選択問題〕B 銀河系の天体

小問2題。天体画像から球状星団と超新星残骸を選び、天体の形状と分布に関する知識を確認します。

問3:正解 ②(解答番号3/配点3)

<問題要旨>
文章中の空欄ア・イに入る画像の組合せを選びます。「画像 ア に示す天体は、種族Ⅱの星から構成される星団であり、銀河面から離れた領域にも存在する。画像 イ に示す天体は、質量が太陽の約8倍以上ある恒星の終末の姿であり、可視光のほか電波やX線などでも観測される。」画像aは球状に密集した星の集団、bは星のまわりに広がる散光星雲、cはリング状に光る天体、dは複雑なフィラメント状に広がる天体です。

<考え方>
説明文のキーワードから天体の種類を決め、その典型的な見え方と画像を対応させます。

【ア 種族Ⅱの星からなる星団】
 種族Ⅱ = 重元素が少ない古い星

 それでできた星団で
 銀河面から離れたハローにも存在する
 → 球状星団

 球状星団は
 数万〜数百万個の星が
 球状に密集して見える

 → 画像a

【イ 太陽の約8倍以上の恒星の終末】
 質量が太陽の約8倍以上の星は
 超新星爆発を起こす

 その残骸(超新星残骸)は
 高温のガスが膨張しており
 可視光だけでなく
 電波やX線でも観測される

 → 画像d(かに星雲)
  複雑なフィラメント状に広がる

【他の画像】
 b … 若い星のまわりに広がる
   散光星雲(星形成領域)
 c … リング状に見える惑星状星雲
   太陽程度の質量の星の終末で
   中心に白色矮星が残る
   (8倍以上の星の終末ではない)

【組合せ】
 ア = a / イ = d

よって ②
問4:正解 ③(解答番号4/配点3)

<問題要旨>
文章中の下線部(b)に関連して、天体の形状や分布について述べた文として最も適当なものを選びます。

<考え方>
銀河系の渦巻構造がどうやって分かったか、バルジとハローの違い、銀河の分類、電波銀河の見え方という4点を確認します。

【① 銀河系の渦巻構造】
 銀河系は円盤の中にいるため
 可視光では星間物質にさえぎられて
 全体像が見えない

 渦巻構造が分かったのは
 電波(中性水素原子が出す
 波長 21 cm の電波)の観測による

 「赤外線による水素分子の観測」
 は誤り

【② バルジ】
 バルジは
 渦巻銀河の 中心部の膨らみ

 銀河全体を球状に取り囲むのは
 ハロー(球状星団が分布する)

 → 誤り

【③ ハッブルの銀河分類】
 ハッブルは銀河の形状に注目して
  楕円銀河
  渦巻銀河(棒渦巻銀河を含む)
  不規則銀河
 に分類した(ハッブル分類)

 → 正しい

【④ 電波銀河の形状】
 電波銀河は
 可視光では中心の楕円銀河しか
 見えないが

 電波ではジェットと
 その先の巨大な電波ローブが
 銀河本体の何倍もの大きさに広がる

 「ほぼ同じように観測される」は誤り

よって ③

※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

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