2019年度 大学入試センター試験 本試験 数学Ⅰ・A 解答・解説

2019年度 大学入試センター試験 本試験「数学Ⅰ・A」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。

目次
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解答

解説

2019年度 大学入試センター試験 本試験「数学Ⅰ・数学A」の全設問について、正解と考え方を解説します。第1問・第2問は必答、第3問〜第5問は2問を選択して解答します(計4問・100点)。各設問の見出しをタップすると解説が開きます。

第1問 〔1〕 数と式(絶対値を含む式の場合分け)

√(9a²−6a+1) を絶対値ではずすところが出発点です。√(x²)=|x| なので A=|3a−1|+|a+2| となり、3a−1 と a+2 の符号で三つに場合分けします。最後の設問は「解いた値がその場合の範囲に入っているか」の確認が必須です。

(アa−イ)²:正解 (3a−1)²(配点2)

<問題要旨>
9a²−6a+1 を平方の形に表します。

<考え方>
9a²=(3a)²、1=1²、−6a=−2·(3a)·1 と見ればそのまま平方の形です。

9a² − 6a + 1 = (3a)² − 2·(3a)·1 + 1²
            = (3a − 1)²
ウa+エ:正解 4a+1(配点2)

<問題要旨>
a > 1/3 のときの A を a の1次式で表します。

<考え方>
A=√{(3a−1)²}+|a+2|=|3a−1|+|a+2|。a > 1/3 なら 3a−1 も a+2 も正なので、両方そのまま絶対値が外れます。

A = |3a − 1| + |a + 2|

a > 1/3 のとき 3a − 1 > 0, a + 2 > 0
A = (3a − 1) + (a + 2) = 4a + 1
オカa+キ:正解 −2a+3(配点2)

<問題要旨>
−2 ≦ a ≦ 1/3 のときの A を a の1次式で表します。

<考え方>
この範囲では 3a−1 ≦ 0、a+2 ≧ 0。前者だけ符号を反転させて外します。

−2 ≦ a ≦ 1/3 のとき 3a − 1 ≦ 0, a + 2 ≧ 0
A = −(3a − 1) + (a + 2) = −2a + 3

(参考)a < −2 のとき
A = −(3a − 1) − (a + 2) = −4a − 1 = −(4a + 1)
ク:正解 6(配点2)

<問題要旨>
A=2a+13 となる a の値のうちの一つを求めます。

<考え方>
三つの場合それぞれで方程式を解き、得た値がその場合の範囲に入っているかを必ず確かめます。まず a > 1/3 の場合。

[a > 1/3]
4a + 1 = 2a + 13
2a = 12
a = 6

6 > 1/3 を満たすので適する
ケコ/サ:正解 −7/3(配点2)

<問題要旨>
A=2a+13 となる a の値のもう一つを求めます。

<考え方>
残る二つの場合を調べます。真ん中の場合は解が範囲の外に出て不適、a < −2 の場合が適します。

[−2 ≦ a ≦ 1/3]
−2a + 3 = 2a + 13
−4a = 10 → a = −5/2
−5/2 = −2.5 は −2 ≦ a を満たさない …不適

[a < −2]
−4a − 1 = 2a + 13
−6a = 14 → a = −7/3
−7/3 = −2.33… < −2 を満たすので適する

第1問 〔2〕 集合と命題(偶数・奇数と必要十分条件)

p:m と n はともに奇数、q:3mn は奇数、r:m+5n は偶数。3 が奇数なので q は「mn が奇数」と同じ、5n と n は偶奇が一致するので r は「m+n が偶数」=「m と n の偶奇が一致」と同じ、と言い換えるのが要領です。

シ:正解 ⓪(配点2)

<問題要旨>
条件 p の否定を満たす二つの自然数 m, n について、m が奇数ならば n はどうなるかを選びます。

<考え方>
p の否定は「m と n の少なくとも一方は偶数」。m が奇数と決まっているので、偶数なのは n しかありません。

p : m は奇数 かつ n は奇数
p の否定 : m は偶数 または n は偶数

m が奇数 → 「n は偶数」でなければならない
→ ⓪ 偶数である
ス:正解 ②(配点2)

<問題要旨>
同じく p の否定のもとで、m が偶数ならば n はどうなるかを選びます。

<考え方>
m が偶数の時点で「少なくとも一方は偶数」が成立するので、n には何の条件もつきません。

m が偶数 → p の否定はすでに成立
n は偶数でも奇数でもよい
→ ②
セ:正解 ⓪(配点2)

<問題要旨>
p は q であるための何条件かを選びます。

<考え方>
3 は奇数なので 3mn の偶奇は mn の偶奇と一致します。積が奇数になるのは両方が奇数のときだけです。

3mn が奇数 ⟺ mn が奇数 ⟺ m も n も奇数 ⟺ p

p ⟺ q なので必要十分条件
→ ⓪
ソ:正解 ②(配点2)

<問題要旨>
p は r であるための何条件かを選びます。

<考え方>
5n と n の偶奇は一致するので、r は「m と n の偶奇が一致する」と同じです。反例を一つ挙げれば逆が不成立と言えます。

m + 5n が偶数 ⟺ m + n が偶数 ⟺ m と n の偶奇が一致

p(ともに奇数)⇒ 偶奇が一致 ⇒ r  … 成立
r ⇒ p  … 反例 m = n = 2(r は成立、p は不成立)

十分条件であるが必要条件ではない → ②
タ:正解 ③(配点2)

<問題要旨>
p の否定は r であるための何条件かを選びます。

<考え方>
両方向とも反例が作れます。

p の否定 ⇒ r  … 反例 m = 1, n = 2
   (p の否定は成立、m + 5n = 11 は奇数で r は不成立)
r ⇒ p の否定  … 反例 m = n = 1
   (r は成立、p が成立するので p の否定は不成立)

必要条件でも十分条件でもない → ③

第1問 〔3〕 2次関数(頂点の座標と平行移動)

y=x²+(2a−b)x+a²+1 を平方完成して頂点を求め、(2) では通る点の条件を b の式に直します。b が a の2次関数になるので、そこでもう一度平方完成する二段構えです。

b/チ:正解 b/2(配点2)

<問題要旨>
グラフ G の頂点の x 座標を求めます。

<考え方>
x の係数 2a−b の半分に符号を付けたものが頂点の x 座標です。

y = x² + (2a − b)x + a² + 1
  = {x + (2a − b)/2}² − (2a − b)²/4 + a² + 1

頂点の x 座標 = −(2a − b)/2 = b/2 − a
−b²/ツ+ab+テ:正解 −b²/4+ab+1(配点2)

<問題要旨>
グラフ G の頂点の y 座標を求めます。

<考え方>
定数項から (2a−b)²/4 を引いて展開すると、a² がきれいに消えます。

頂点の y 座標 = a² + 1 − (2a − b)²/4
        = a² + 1 − (4a² − 4ab + b²)/4
        = a² + 1 − a² + ab − b²/4
        = −b²/4 + ab + 1
ト,ナ:正解 5,1(配点2)

<問題要旨>
G が点 (−1, 6) を通るときの b の最大値と、そのときの a の値を求めます。

<考え方>
代入して b について解くと、b は a の2次関数になります。あとは平方完成するだけです。a, b がともに正であることも確認します。

x = −1, y = 6 を代入
1 − (2a − b) + a² + 1 = 6
a² − 2a + b = 4
b = −a² + 2a + 4 = −(a − 1)² + 5

a > 0 の範囲に a = 1 が含まれる
b の最大値は 5(a = 1 のとき、b = 5 > 0 も満たす)
ニ/ヌ:正解 3/2(配点2)

<問題要旨>
b=5, a=1 のとき、G は y=x² を x 軸方向にどれだけ平行移動したものかを求めます。

<考え方>
a, b の値を代入して平方完成し、(x − p)² + q の形の p を読みます。

b = 5, a = 1 のとき
y = x² + (2 − 5)x + 1 + 1
 = x² − 3x + 2
 = (x − 3/2)² − 9/4 + 2
 = (x − 3/2)² − 1/4

x 軸方向の平行移動は 3/2
ネノ/ハ:正解 −1/4(配点2)

<問題要旨>
同じく y 軸方向の平行移動を求めます。

<考え方>
平方完成した式の定数項がそのまま y 軸方向の移動量です。

y = (x − 3/2)² − 1/4

y 軸方向の平行移動は −1/4

第2問 〔1〕 図形と計量(垂直二等分線と三角形の面積)

AB=3, BC=4, AC=2 の三角形です。余弦定理で ∠BAC を押さえたら、後半は「線分 AC の垂直二等分線と直線 AB の交点 D」がどこに来るかが山場。∠BAC が鈍角なので、D は辺 AB 上ではなく、A を挟んで B と反対側の延長上に来ます。

アイ/ウ,エ:正解 −1/4,②(配点4)

<問題要旨>
cos∠BAC の値と、∠BAC が鋭角・直角・鈍角のどれかを答えます。

<考え方>
余弦定理をそのまま使います。cos の符号が角の種類を決めます。

cos∠BAC = (AB² + AC² − BC²)/(2·AB·AC)
     = (3² + 2² − 4²)/(2·3·2)
     = (9 + 4 − 16)/12 = −3/12 = −1/4

cos∠BAC < 0 なので ∠BAC は鈍角 → ②
√オカ/キ:正解 √15/4(配点3)

<問題要旨>
sin∠BAC の値を求めます。

<考え方>
三角形の内角なので sin は正。相互関係から出します。

sin²∠BAC = 1 − cos²∠BAC = 1 − (−1/4)² = 1 − 1/16 = 15/16
0° < ∠BAC < 180° より sin∠BAC > 0
sin∠BAC = √15/4
ク/ケ:正解 1/4(配点2)

<問題要旨>
線分 AC の垂直二等分線と直線 AB の交点を D とするとき、cos∠CAD を求めます。

<考え方>
∠BAC が鈍角なので、AC の垂直二等分線は直線 AB を A より B と反対側で切ります。つまり A は線分 DB の内部にあり、∠CAD は ∠BAC の補角になります。

A は線分 DB 上にあるので
∠CAD = 180° − ∠BAC

cos∠CAD = −cos∠BAC = 1/4
コ:正解 4(配点3)

<問題要旨>
AD の長さを求めます。

<考え方>
AC の中点を M とすると、DM ⊥ AC なので △ADM は直角三角形です。

AC の中点を M とすると AM = AC/2 = 1, ∠AMD = 90°

直角三角形 ADM で cos∠DAM = AM/AD
1/4 = 1/AD
AD = 4
サ√シス/セ:正解 7√15/4(配点3)

<問題要旨>
△DBC の面積を求めます。

<考え方>
△DBC と △ABC は、C から直線 AB に下ろした高さが共通です。底辺 DB と AB の比がそのまま面積比になります。

△ABC = (1/2)·AB·AC·sin∠BAC = (1/2)·3·2·(√15/4) = 3√15/4

A は線分 DB 上にあるので DB = DA + AB = 4 + 3 = 7

△DBC : △ABC = DB : AB = 7 : 3
△DBC = (7/3)·(3√15/4) = 7√15/4

第2問 〔2〕 データの分析(ソメイヨシノ・モンシロチョウ・ツバメの初見日)

開花日・初見日を「年間通し日」に直したデータです。(1) は箱ひげ図とヒストグラムの対応づけ、(2) は箱ひげ図と散布図から読み取れ「ない」ものを選ぶ問題、(3) は標準化(変量の変換)です。(1) は最小値と最大値がどの階級に入るかだけで一気に絞れます。

ソ:正解 ③(配点3)

<問題要旨>
2013年のヒストグラムを、図2 の ⓪〜⑤ から選びます。

<考え方>
図1 の2013年は、6年間で最も散らばりが大きい年です。最小値と最大値がどの階級に入るかを見れば一発で決まります。ヒストグラムの階級は幅5で、左端を含み右端を含みません。

図1(2013年)
 最小値 ≒ 72, 第1四分位数 ≒ 77, 中央値 ≒ 81, 第3四分位数 ≒ 91, 最大値 ≒ 136

最小値が 70〜75 の階級にある … ③ のみ
最大値が 135〜140 の階級にある … ③ のみ

③ の度数(左から)
 70〜75:5, 75〜80:13, 80〜85:15, 85〜90:4, 95〜100:4,
 105〜110:1, 110〜115:2, 115〜120:1, 125〜130:1, 130〜135:1, 135〜140:1
 合計 48(地点数と一致)
 第1四分位数は12番目と13番目の平均 → 75〜80 の階級(≒77)
 中央値は24番目と25番目の平均 → 80〜85 の階級(≒81)

→ ③
タ:正解 ④(配点3)

<問題要旨>
2017年のヒストグラムを、図2 の ⓪〜⑤ から選びます。

<考え方>
同じく最小値・最大値の階級で絞ります。2017年は箱が小さく、最大値も他の年より小さいのが特徴です。

図1(2017年)
 最小値 ≒ 81, 第1四分位数 ≒ 90, 中央値 ≒ 93, 最大値 ≒ 122

最小値が 80〜85 の階級にある … ⓪, ①, ④
最大値が 120〜125 の階級にある … ④ のみ
 (⓪ の最大は 115〜120、① の最大は 130〜135)

④ は中央値(24番目と25番目)が 90〜95 の階級に入り、図1 とも整合

→ ④
チ,ツ:正解 ④,⑦(配点4・各2/解答の順序は問わない)

<問題要旨>
図3(箱ひげ図)・図4(散布図)から読み取れることとして正しくないものを二つ選びます。

<考え方>
四分位範囲は第3四分位数−第1四分位数。⑦ は散布図に引かれた2本の破線 y=x+15, y=x−15 の外側に点があるかどうかで判定します。

図3 から読み取る五数
 モンシロチョウ: 最小 ≒ 68, Q1 ≒ 84, 中央値 ≒ 93, Q3 ≒ 103, 最大 ≒ 121
 ツバメ    : 最小 ≒ 68, Q1 ≒ 89, 中央値 ≒ 91, Q3 ≒  97, 最大 ≒ 114

⓪ 最小値のひげの左端は両者ほぼ同じ位置 … 正しい
① 121 > 114 … 正しい
② 93 > 91 … 正しい
③ モンシロの四分位範囲 ≒ 19、ツバメ ≒ 8。19 < 8 × 3 = 24 … 正しい
④ モンシロの四分位範囲 ≒ 19 > 15 … 正しくない ←
⑤ ツバメの四分位範囲 ≒ 8 ≦ 15 … 正しい
⑥ 図4 で実線 y = x の上に乗る点が4個以上ある … 正しい
⑦ 図4 の左端に、上側の破線 y = x + 15 より上にある点がある
  (モンシロ ≒ 68, ツバメ ≒ 86 の点。差は約18日)… 正しくない ←
テ:正解 ⓪(配点1)

<問題要旨>
データ X の偏差 x₁−x̄, …, xₙ−x̄ の平均値を選びます。

<考え方>
偏差の総和は必ず 0 になります。

Σ(xᵢ − x̄) = Σxᵢ − n·x̄ = n·x̄ − n·x̄ = 0

偏差の平均値 = 0/n = 0 → ⓪
ト:正解 ⓪(配点1)

<問題要旨>
変換後のデータ X′ の平均値を選びます。

<考え方>
X′ は偏差を s で割ったものなので、平均値も偏差の平均値を s で割った値です。

X' の平均値 = (1/n)Σ{(xᵢ − x̄)/s} = (1/s)·(偏差の平均値) = 0 → ⓪
ナ:正解 ①(配点1)

<問題要旨>
変換後のデータ X′ の標準偏差を選びます。

<考え方>
分散を定義どおり計算すると s² が約分されて 1 になります。

X' の分散 = (1/n)Σ{(xᵢ − x̄)/s}²
     = (1/s²)·(1/n)Σ(xᵢ − x̄)²
     = (1/s²)·s² = 1

X' の標準偏差 = √1 = 1 → ①
ニ:正解 ②(配点2)

<問題要旨>
M, T を標準化した M′, T′ の散布図を、図5 の ⓪〜③ から選びます。

<考え方>
標準化したデータは平均 0・標準偏差 1 になるので、値はおおむね −2 〜 2 に散らばります。まずこれで ⓪ と ① が消えます。残る ② と ③ は、図4 の特徴的な点の並びと照合します。

標準偏差が 1 ⇒ 値はおおむね −2 〜 2 に散らばる
⓪, ① は M', T' とも −1 〜 1 に収まっており、標準偏差が 1 になり得ない … 不適

図4 との照合(標準化は1次変換なので点の配置は相似的に保たれる)
・ツバメが最小となる点は2個あり、モンシロの値は 68.5 と 73 で近接
  → ② の左下は T' が等しい2点が横に僅差で並んでおり一致
   ③ は同じ2点が横に大きく離れていて不一致
・ツバメが最大の点(モンシロ ≒ 108)とモンシロが最大の点(≒ 121)は別の点で、
  ツバメの値も 114 と 112 で異なる
  → ② の右上は2点の T' が異なり一致。③ は右上の2点の T' がほぼ等しく不一致

→ ②

第3問 確率(さいころで袋を選ぶ試行と条件付き確率)

赤い袋(赤2・白1)と白い袋(赤1・白1)を、直前に取り出した球の色で選び直していく試行です。(3) で「次に白球が出る確率=(1/6)×(前回白球の確率)+1/3」という漸化式の形が作れると、2回目も3回目も機械的に出せます。

ア/イ:正解 4/9(配点2)

<問題要旨>
1回目の操作で、赤い袋が選ばれ赤球が取り出される確率を求めます。

<考え方>
さいころで3の倍数(3, 6)が出れば白い袋、それ以外(1, 2, 4, 5)なら赤い袋です。

赤い袋が選ばれる確率 = 4/6 = 2/3
赤い袋から赤球 = 2/3(赤2個・白1個)

(2/3) × (2/3) = 4/9
ウ/エ:正解 1/6(配点2)

<問題要旨>
1回目の操作で、白い袋が選ばれ赤球が取り出される確率を求めます。

<考え方>
白い袋が選ばれる確率は 2/6=1/3、白い袋から赤球は 1/2 です。

白い袋が選ばれる確率 = 2/6 = 1/3
白い袋から赤球 = 1/2(赤1個・白1個)

(1/3) × (1/2) = 1/6
オ/カキ:正解 7/18(配点3)

<問題要旨>
2回目の操作が白い袋で行われる確率を求めます。

<考え方>
2回目に白い袋を使うのは、1回目に白球を取り出したときです。1回目に白球が出る確率を求めればよいことになります。

1回目に白球が出る確率
 = (赤い袋)×(白球) + (白い袋)×(白球)
 = (2/3)·(1/3) + (1/3)·(1/2)
 = 2/9 + 1/6 = 4/18 + 3/18 = 7/18
ク/ケ:正解 1/6(配点2)

<問題要旨>
1回目に白球を取り出す確率を p とするとき、2回目に白球が取り出される確率を p の式で表します。

<考え方>
1回目が白球なら2回目は白い袋(白球の確率 1/2)、赤球なら赤い袋(白球の確率 1/3)です。

2回目に白球
 = p·(1/2) + (1 − p)·(1/3)
 = p/2 − p/3 + 1/3
 = (3p − 2p)/6 + 1/3
 = (1/6)p + 1/3
コサ/シスセ:正解 43/108(配点2)

<問題要旨>
2回目の操作で白球が取り出される確率を求めます。

<考え方>
p=7/18 を上の式に代入するだけです。

(1/6)·(7/18) + 1/3
 = 7/108 + 36/108
 = 43/108
ソタチ/ツテト:正解 259/648(配点3)

<問題要旨>
3回目の操作で白球が取り出される確率を求めます。

<考え方>
同じ式が3回目にも使えます。前回白球の確率を 43/108 に置き換えます。

3回目に白球 = (1/6)·(43/108) + 1/3
     = 43/648 + 216/648
     = 259/648
ナニ/ヌネ:正解 21/43(配点3)

<問題要旨>
2回目に取り出した球が白球であったとき、その球を取り出した袋が白である条件付き確率を求めます。

<考え方>
2回目の袋が白いのは1回目が白球だったときだけ。分子は「1回目白球かつ2回目白球」、分母は「2回目白球」です。

2回目の袋が白 ⟺ 1回目に白球(確率 7/18)

分子 = (7/18) × (1/2) = 7/36
分母 = 43/108

(7/36) ÷ (43/108) = (7/36) × (108/43) = 21/43
ノハ/ヒフヘ:正解 88/259(配点3)

<問題要旨>
3回目に取り出した球が白球であったとき、はじめて白球が取り出されたのが3回目である条件付き確率を求めます。

<考え方>
分子は「1回目赤球 → 2回目赤球 → 3回目白球」の確率。赤球が続く間は袋はずっと赤い袋です。

1回目に赤球 = 1 − 7/18 = 11/18 (→ 2回目は赤い袋)
2回目に赤球 = 2/3      (→ 3回目も赤い袋)
3回目に白球 = 1/3

分子 = (11/18) × (2/3) × (1/3) = 22/162 = 11/81
分母 = 259/648

(11/81) ÷ (259/648) = (11/81) × (648/259) = 88/259

第4問 整数の性質(不定方程式と連続する3整数)

49x−23y=1 をきちんと解いておくと、(2) はそれを「49の倍数と23の倍数が1違い・2違いになる組」と言い換えるだけ、(4) の b もその結果がそのまま答えになります。設問どうしのつながりを意識すると一気に楽になる問題です。

ア,イウ:正解 8,17(配点3)

<問題要旨>
49x−23y=1 の解となる自然数 x, y のうち、x が最小のものを求めます。

<考え方>
両辺を 23 で見て、49 ≡ 3 に置き換えてから解きます。

49x − 23y = 1 より 49x ≡ 1 (mod 23)
49 = 23·2 + 3 なので 3x ≡ 1 (mod 23)
3 × 8 = 24 = 23 + 1 より x ≡ 8 (mod 23)

最小の自然数 x = 8
y = (49 × 8 − 1)/23 = 391/23 = 17
エオ,カキ:正解 23,49(配点2)

<問題要旨>
49x−23y=1 のすべての整数解を、整数 k を用いて表します。

<考え方>
見つけた1組との差をとって整理します。49 と 23 が互いに素であることを使います。

49x − 23y = 1
49·8 − 23·17 = 1
辺々引いて 49(x − 8) = 23(y − 17)

49 と 23 は互いに素なので x − 8 は 23 の倍数
x = 23k + 8, y = 49k + 17 (k は整数)
ク,ケコ:正解 8,17(配点3)

<問題要旨>
49の倍数 A と23の倍数 B の差の絶対値が1となる組のうち、A が最小のものを求めます。

<考え方>
A=49m, B=23n とおくと、A−B=1 と B−A=1 の二通りを調べることになります。前者は (1) の結果そのものです。

A = 49m, B = 23n (m, n は自然数)とおく

[A − B = 1] 49m − 23n = 1 → (1)より m = 8, n = 17 → A = 392
[B − A = 1] 49m ≡ −1 (mod 23) → 3m ≡ 22 (mod 23)
       m ≡ 22 × 8 = 176 ≡ 15 (mod 23) → A = 49 × 15 = 735

A が最小なのは (A, B) = (49 × 8, 23 × 17) = (392, 391)
サ,シス:正解 7,15(配点3)

<問題要旨>
同じく差の絶対値が2となる組のうち、A が最小のものを求めます。

<考え方>
やはり二通りを調べます。3 の逆元が 8(3×8 ≡ 1 mod 23)であることを使うと計算が速いです。

[A − B = 2] 3m ≡ 2 (mod 23) → m ≡ 2 × 8 = 16 → A = 49 × 16 = 784
[B − A = 2] 3m ≡ −2 ≡ 21 (mod 23) → m ≡ 7 → A = 49 × 7 = 343
       n = (343 + 2)/23 = 345/23 = 15

A が最小なのは (A, B) = (49 × 7, 23 × 15) = (343, 345)
セ:正解 2(配点2)

<問題要旨>
a と a+2 の最大公約数としてあり得る値を求めます。

<考え方>
公約数は二数の差も割り切ります。

a と a + 2 の公約数を d とすると
d は (a + 2) − a = 2 も割り切る

よって d は 2 の約数、最大公約数は 1 または 2
ソ:正解 6(配点2)

<問題要旨>
a(a+1)(a+2) がつねに m の倍数となる自然数 m のうち、最大のものを求めます。

<考え方>
連続する3整数の積は必ず6の倍数です。逆に a=1 のとき値が 6 なので、m は 6 の約数に限られます。

連続する2整数の中に必ず2の倍数がある
連続する3整数の中に必ず3の倍数がある
→ a(a+1)(a+2) はつねに 6 の倍数

a = 1 のとき 1·2·3 = 6
→ すべての a で成り立つ m は 6 の約数に限られる

最大のものは m = 6
タ,チ,ツテ:正解 3,2,23(配点2)

<問題要旨>
6762 を素因数分解します。

<考え方>
小さい素数から順に割っていきます。

6762 = 2 × 3381
   = 2 × 3 × 1127
   = 2 × 3 × 7 × 161
   = 2 × 3 × 7 × 7 × 23
   = 2 × 3 × 7² × 23
トナニ:正解 343(配点3)

<問題要旨>
b(b+1)(b+2) が 6762 の倍数となる最小の自然数 b を求めます。

<考え方>
連続3整数の積は自動的に 2×3 の倍数なので、残るのは 7² と 23。連続3整数の中に7の倍数は高々1個しかないので、そのどれかが 49 の倍数でなければなりません。ここで (2) の結果がそのまま効いてきます。

6762 = 2 × 3 × 7² × 23
連続3整数の積は必ず 2 × 3 の倍数 → 残る条件は 7² と 23

連続する3整数のうち7の倍数は高々1個
→ b, b+1, b+2 のいずれかが 49 の倍数
また b, b+1, b+2 のいずれかが 23 の倍数

つまり「49の倍数 A」と「23の倍数 B」が幅3の窓に同居する
|A − B| = 0 は 49 と 23 が互いに素なので不可
|A − B| = 1 のとき最小は A = 392, B = 391 → b = 391
|A − B| = 2 のとき最小は A = 343, B = 345 → b = 343

b = 343 (343 = 7³ は 49 の倍数、345 = 23 × 15)

第5問 図形の性質(内接円・チェバの定理と円周角)

AB=4, BC=7, AC=5 の三角形の内接円まわりです。「頂点から内接円への接線の長さ=s−(向かい合う辺)」を知っていれば AD も BQ も暗算で出ます。最後の ∠DFE は、中心角 ∠DIE=180°−∠BAC を円周角の定理で半分にするのが決め手です。

√ア/イ:正解 √6/2(配点4)

<問題要旨>
△ABC の内接円の半径を求めます。

<考え方>
面積 = (内接円の半径) × (周の半分) を使います。

sin∠BAC = 2√6/5 が与えられているので
△ABC = (1/2)·AB·AC·sin∠BAC = (1/2)·4·5·(2√6/5) = 4√6

s = (4 + 7 + 5)/2 = 8
△ABC = r·s より 4√6 = 8r
r = √6/2
ウ:正解 1(配点3)

<問題要旨>
内接円と辺 AB の接点を D とするときの AD の長さを求めます。

<考え方>
頂点から内接円に引いた2本の接線の長さは等しいので、AD = s − BC です。

接線の長さは等しいので AD = AE, BD = BF, CE = CF
AD + BD = 4, BD + CF = 7, CE + AD = 5

AD = s − BC = 8 − 7 = 1
エ√オカ/キ:正解 2√15/5(配点3)

<問題要旨>
内接円と辺 AB, AC の接点 D, E について DE の長さを求めます。

<考え方>
AD=AE=1 の二等辺三角形 ADE に余弦定理を使います。∠DAE は ∠BAC そのものです。

AD = AE = 1, cos∠DAE = cos∠BAC = −1/5

DE² = 1² + 1² − 2·1·1·(−1/5)
  = 2 + 2/5 = 12/5

DE = √(12/5) = 2√3/√5 = 2√15/5
ク/ケ:正解 3/4(配点2)

<問題要旨>
線分 BE と線分 CD の交点を P、直線 AP と辺 BC の交点を Q とするとき、BQ/CQ を求めます。

<考え方>
AQ, BE, CD が1点 P で交わるので、チェバの定理が使えます。BD, CE も接線の長さから出します。

BD = AB − AD = 4 − 1 = 3
CE = AC − AE = 5 − 1 = 4

チェバの定理
(AD/DB)·(BQ/QC)·(CE/EA) = 1
(1/3)·(BQ/CQ)·(4/1) = 1

BQ/CQ = 3/4
コ:正解 3(配点2)

<問題要旨>
BQ の長さを求めます。

<考え方>
BQ : CQ = 3 : 4 で BC = 7 なので、そのまま比例配分です。

BQ = BC × 3/(3 + 4) = 7 × 3/7 = 3
√サ/シ:正解 √6/2(配点3)

<問題要旨>
△ABC の内心を I とするとき、IQ の長さを求めます。

<考え方>
内接円と辺 BC の接点の位置を計算すると、それが Q と一致します(P はジェルゴンヌ点)。すると IQ は内接円の半径そのものです。

内接円と辺 BC の接点を F0 とすると
BF0 = s − AC = 8 − 5 = 3

BQ = 3 なので Q は F0 と一致する
(AQ, BE, CD が1点で交わる = P はジェルゴンヌ点)

よって IQ ⊥ BC で IQ は内接円の半径
IQ = √6/2
√スセ/ソ:正解 √15/5(配点3)

<問題要旨>
直線 CP と内接円との交点で D と異なる点を F とするとき、cos∠DFE を求めます。

<考え方>
∠DFE は弦 DE に対する円周角。中心 I から見た中心角 ∠DIE は、四角形 ADIE の内角の和から 180°−∠BAC と分かります。

ID ⊥ AB, IE ⊥ AC なので四角形 ADIE で
∠DIE = 360° − 90° − 90° − ∠BAC = 180° − ∠BAC

F は弧 DE のうち A 側でない方にあるので、円周角の定理より
∠DFE = (1/2)∠DIE = 90° − (1/2)∠BAC

cos∠DFE = cos(90° − ∠BAC/2) = sin(∠BAC/2)

sin²(∠BAC/2) = (1 − cos∠BAC)/2 = (1 + 1/5)/2 = 3/5
sin(∠BAC/2) = √(3/5) = √15/5

※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

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