2026年度 大学入学共通テスト 追試験 数学Ⅰ・A 解答・解説

2026年度 大学入学共通テスト 追試験「数学Ⅰ・A」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。

目次

解答

解説

2026年度 追試験 数学Ⅰ・A(数学Ⅰ,数学A)の全39項目を、公式解答の表の1行=1項目で解説します。試験時間70分・満点100点、第1問30点・第2問30点・第3問20点・第4問20点の全問必答です。

この年度の数学Ⅰ・Aと数学Ⅰは、内容の多くを共有しています。数学Ⅰ・A 第1問〔1〕は数学Ⅰ 第1問〔1〕と解答記号まで含めてまったく同じ問題です。また、数学Ⅰ・A 第1問〔2〕は数学Ⅰ 第2問〔2〕、数学Ⅰ・A 第2問〔1〕は数学Ⅰ 第3問〔2〕、数学Ⅰ・A 第2問〔2〕は数学Ⅰ 第4問(1)〜(3)と同じ問題で、解答記号だけがずれています。数学A の範囲である第3問(図形の性質)と第4問(場合の数と確率)は数学Ⅰ・Aだけの出題です。

第1問(必答) 数と式/図形と計量

〔1〕は 1/(√n−k) の整数部分 a を題材に、分母の有理化から a≧k となる n の個数までを追う問題、〔2〕は3辺が自然数である三角形について、面積や外接円の半径が最大・最小になる場合を調べる問題です。配点30点。

ア,イ,ウ,エ:正解 3, 1, 2, 1(配点3)

<考え方>
k=1,n=3 を代入し、分母 √3−1 を有理化します。整数部分は、有理化した値が何と何の間にあるかで決めます。

1/(√3−1) = (√3+1)/{(√3−1)(√3+1)}
      = (√3+1)/(3−1)
      = (√3+1)/2
よって ア=3、イ=1、ウ=2

1.7 < √3 < 1.8 より
2.7 < √3+1 < 2.8
1.35 < (√3+1)/2 < 1.4
よって エ=1

整数部分 a は「その数以下の最大の整数」です。(√3+1)/2 は 1 と 2 の間にあるので a=1 になります。

オ:正解 ③(配点3)

<考え方>
分母を有理化すると √(k²+1)+k という形になります。k²,k²+1,(k+1)² の大小を比べて √(k²+1) を k と k+1 ではさみます。

1/(√(k²+1)−k) = (√(k²+1)+k)/{(k²+1)−k²}
         = √(k²+1)+k

(k+1)²−(k²+1) = 2k > 0 だから
k² < k²+1 < (k+1)²
k < √(k²+1) < k+1
2k < √(k²+1)+k < 2k+1
よって a=2k、オ=③

2k と 2k+1 の間に整数はないので、整数部分はちょうど 2k と確定します。

カ,キ,ク:正解 ②, ⓪, 2(配点2)

<考え方>
a は整数部分なので、k が自然数のとき「a ≧ k」と「もとの数が k 以上」は同じことです。両辺の逆数をとると不等号の向きが変わる点に注意します。

a ≧ k ⟺ 1/(√n−k) ≧ k
よって カ=②(≧)

両辺は正だから、逆数をとると
√n−k ≦ 1/k
よって キ=⓪(≦)

√n ≦ k+1/k
n ≦ (k+1/k)² = k²+2+1/k²
よって ク=2

n ≦ k²+m+1/k² の形に合わせるので、m=2 です。両辺の逆数をとるときは、どちらも正であることを確認してから向きを変えます。

ケ,コ:正解 3, ②(配点2)

<考え方>
n > k² と n ≦ k²+2+1/k² を合わせて n の個数を数えます。1/k² は k=1 のときだけ 1 になり、k ≧ 2 では 1 より小さくなります。

k=1 のとき
1 < n ≦ 1+2+1 = 4
n=2,3,4 の 3 個
よって ケ=3

k ≧ 2 のとき 0 < 1/k² < 1 だから
k² < n ≦ k²+2+1/k² を満たす自然数 n は
n=k²+1,k²+2 の 2 個
よって コ=②(2)

k=1 だけ 1/k²=1 となって n=4 も入るため、個数が 1 個増えます。ここを見落とすと両方 2 個と答えてしまいます。

サ,シ:正解 7, 9(配点3)

<考え方>
△ABC の 3 辺が AB=9,BC=5,AC=6 と分かっているので、角 B をはさむ 2 辺 AB,BC と向かい合う辺 AC で余弦定理を立てます。

余弦定理より
cos B = (AB²+BC²−AC²)/(2·AB·BC)
    = (9²+5²−6²)/(2·9·5)
    = (81+25−36)/90
    = 70/90 = 7/9
よって サ=7、シ=9

角 B の向かい側の辺は AC であることを確認してから式を立てましょう。

ス,セ,ソ:正解 4, 2, 9(配点2)

<考え方>
cos B が分かれば sin²B=1−cos²B から sin B が求まります。三角形の内角なので sin B > 0 です。

sin²B = 1−(7/9)² = 1−49/81 = 32/81
0° < B < 180° より sin B > 0 だから
sin B = √32/9 = 4√2/9
よって ス=4、セ=2、ソ=9

√32 = 4√2 と簡単にしておくと、次の面積計算で 9 が約分できて楽になります。

タ,チ,ツ:正解 1, 0, 2(配点2)

<考え方>
2 辺とそのはさむ角の正弦から面積を出します。

△ABC = (1/2)·AB·BC·sin B
    = (1/2)·9·5·(4√2/9)
    = (1/2)·5·4√2
    = 10√2
よって タチ=10、ツ=2
テ,ト:正解 ①, ⓪(配点2)

<考え方>
面積は (1/2)·9·5·sin B = (45/2) sin B なので、面積の最大は sin B の最大と同じです。さらに sin B=√(1−cos²B) なので、sin B が最大になるのは |cos B| が最小のときです。

△ABC = (1/2)·9·5·sin B = (45/2) sin B
AB,BC は n によらず一定だから
面積が最大 ⟺ sin B が最大
よって テ=①(大きい)

sin B = √(1−cos²B) で、cos²B が小さいほど sin B は大きいから
sin B が最大 ⟺ |cos B| が最小
よって ト=⓪(小さい)

太郎さんの「sin B より cos B の方が計算しやすい」という発言どおり、cos B は 3 辺だけで表せます。|cos B| に置きかえるのがこの設問の要です。

ナ:正解 ⑦(配点2)

<考え方>
cos B を n で表し、分子の符号を調べます。

cos B = (9²+5²−n²)/(2·9·5) = (106−n²)/90

cos B < 0 ⟺ n² > 106
10²=100,11²=121 だから n ≧ 11
5 ≦ n ≦ 13 と合わせて n=11,12,13
よって ナ=⑦

分母 90 は正なので、符号は分子 106−n² だけで決まります。

ニ:正解 ⑥(配点2)

<考え方>
|cos B|=|106−n²|/90 なので、|106−n²| が最小になる n を n=5 から 13 まで調べます。

106−n² の値は
n= 9 のとき 106−81 = 25
n=10 のとき 106−100 = 6
n=11 のとき 106−121 = −15
n=12 のとき 106−144 = −38

|106−n²| は n=10 のとき 6 で最小
よって 面積が最大となるのは n=10 のときのみで、ニ=⑥

106 に最も近い平方数は 100(n=10)です。121(n=11)との差 15 より小さいので、n=10 だけが最大を与えます。

ヌ:正解 ④(配点3)

<考え方>
正弦定理 AB/sin C=2R より R=9/(2 sin C) なので、R が最小になるのは sin C が最大、すなわち |cos C| が最小のときです。今度は角 C で余弦定理を立てます。

正弦定理より AB/sin C = 2R、R = 9/(2 sin C)
R が最小 ⟺ sin C が最大 ⟺ |cos C| が最小

cos C = (AC²+BC²−AB²)/(2·AC·BC) = (n²−56)/(10n)

n= 6 のとき −20/60 = −1/3
n= 7 のとき  −7/70 = −1/10
n= 8 のとき   8/80 =  1/10
n= 9 のとき  25/90 =  5/18

|cos C| は n=7 と n=8 のときどちらも 1/10 で最小
よって ヌ=④

n=7 と n=8 で |cos C| が同じ値になるのがこの設問の山場です。片方だけを答えないよう、両端の値をきちんと比べましょう。

ネ,ノ:正解 4, 6(配点4)

<考え方>
△ABC と △A′BC は外接円の半径が等しく、BC を共有しています。正弦定理から BC の対角の正弦が等しくなり、二つの角は等しいか補角の関係にあります。a ≦ c の条件で場合を絞ります。

外接円の半径を R とすると、正弦定理より
a/sin A = 2R、a/sin∠BA′C = 2R
よって sin A = sin∠BA′C
ゆえに ∠BA′C = A または ∠BA′C = 180°−A

(i) ∠BA′C = A のとき cos∠BA′C = cos A だから
 (c²+4²−a²)/(2·c·4) = (c²+5²−a²)/(2·c·5)
 10(c²+16−a²) = 8(c²+25−a²)
 2c²−2a² = 40
 c²−a² = 20
 (c+a)(c−a) = 20
 a,c は自然数で a ≦ c、c+a と c−a の偶奇は一致するから
 c−a=2,c+a=10
 a=4、c=6

(ii) ∠BA′C = 180°−A のとき cos∠BA′C = −cos A だから
 (c²+16−a²)/(8c) = −(c²+25−a²)/(10c)
 18a² = 18c²+360
 a² = c²+20 となり a > c で a ≦ c に反する

よって ネ=4、ノ=6

(c+a)(c−a)=20 の分解は、c+a と c−a の偶奇が同じであることから 2×10 に限られます。また a=4,c=6 のとき △ABC は 3 辺 6,4,4、△A′BC は 3 辺 6,5,4 で、どちらも三角形が作れることも確認できます。

第2問(必答) 2次関数/データの分析

〔1〕はクリームパンの価格と売り上げ数の関係を1次関数と仮定し、売り上げ額と利益の最大を2次関数で調べる問題、〔2〕はJ1リーグ2022シーズンの18チームの成績データを扱う問題です。配点30点。

ア,イ,ウ,エ,オ:正解 −, 2, 3, 6, 0(配点2)

<考え方>
価格が 10 円上がると売り上げ数が 20 個減るので、1 次関数の傾きは −20/10=−2 です。表の (100,160) を代入して切片を決めます。

売り上げ数を y′ = px+q とおくと
p = −20/10 = −2
x=100 のとき y′=160 だから
160 = −2·100+q
q = 360
売り上げ数は −2x+360(個)
よって アイ=−2、ウエオ=360

表の (110,140),(130,100) を入れても同じ式になり、仮定と表が矛盾しないことが確かめられます。

カ:正解 ⑤(配点2)

<考え方>
売り上げ数が 0 以上という条件を解いて、価格の上限を求めます。

−2x+360 ≧ 0
2x ≦ 360
x ≦ 180
よって カ=⑤(180)
キ,ク,ケ:正解 9, 0, ③(配点3)

<考え方>
売り上げ額 y は「価格×売り上げ数」なので x の 2 次関数になります。平方完成して頂点を求め、それが 0 ≦ x ≦ 180 に入るか確認します。

y = x(−2x+360) = −2x²+360x
 = −2(x²−180x)
 = −2(x−90)²+16200

上に凸で、頂点の x=90 は 0 ≦ x ≦ 180 に含まれるから
x=90 のとき最大値 16200
よって キク=90、ケ=③(16200)

「1 個あたりの価格を上げるほど売り上げ額が増える」わけではないことが、この放物線から読み取れます。

コ:正解 ⑥(配点2)

<考え方>
1 個あたりの利益は「価格−原価」です。これに 1 日あたりの売り上げ数を掛けると 1 日あたりの利益になります。

1 個あたりの利益 = x−60(円)
1 日あたりの売り上げ数 = −2x+360(個)
z = (x−60)(−2x+360)
よって コ=⑥((x−60))

売り上げ額 y=x×(−2x+360) との違いは、x が (x−60) に変わるところだけです。

サ,シ:正解 ④, ④(配点3)

<考え方>
z を平方完成します。因数の形 −2(x−60)(x−180) から、頂点の x 座標が 60 と 180 の中央であることも見抜けます。

z = (x−60)(−2x+360)
 = −2(x−60)(x−180)
 = −2(x²−240x+10800)
 = −2(x−120)²+28800−21600
 = −2(x−120)²+7200

上に凸で、x=120 は x ≦ 180 を満たすから
x=120 のとき最大値 7200
よって サ=④(120)、シ=④(7200)

売り上げ額が最大になる価格は 90 円、利益が最大になる価格は 120 円で一致しません。太郎さんの指摘どおりです。

ス,セ:正解 8, 0(配点3)

<考え方>
原価を c 円として同じ形の 2 次関数を作り、その最大値が 5000 以上になる c の範囲を求めます。

原価を c 円(c > 60)とすると
z = (x−c)(−2x+360) = −2(x−c)(x−180)
 = −2{x−(c+180)/2}²+(180−c)²/2

頂点の x=(c+180)/2 は c < 180 より 180 以下だから
z の最大値は (180−c)²/2

(180−c)²/2 ≧ 5000
(180−c)² ≧ 10000
180−c > 0 だから 180−c ≧ 100
c ≦ 80
よって スセ=80

原価が 80 円のとき、価格を (80+180)/2=130 円にすれば 1 日あたりの利益はちょうど 5000 円になります。

ソ,タ,チ:正解 1, 5, ①(配点3)

<考え方>
18 個のデータを 9 個ずつに分け、下位 9 個の中央値を第 1 四分位数、上位 9 個の中央値を第 3 四分位数とします。そのうえで外れ値の基準値を計算します。

データ A を小さい順に並べると
29,30,30,31,32,33,35,43,44 | 45,45,46,46,47,48,52,65,70

下位 9 個の中央値(5 番目)より Q1 = 32
上位 9 個の中央値(14 番目)より Q3 = 47
四分位範囲 = 47−32 = 15
よって ソタ=15

Q1−1.5×15 = 32−22.5 = 9.5 以下の値はない
Q3+1.5×15 = 47+22.5 = 69.5 以上の値は 70 だけ
よって チ=①(70 の一つ)

65 は 69.5 より小さいので外れ値になりません。基準値を計算せずに「大きく離れて見える値」を選ぶと引っかかります。

ツ,テ:正解 ④, ③(配点2)

<考え方>
データ A は 18 個(偶数)、外れ値 70 を除いたデータ B は 17 個(奇数)です。個数の偶奇で中央値の求め方が変わります。

データ A(18 個)の中央値は 9 番目と 10 番目の平均
m_A = (44+45)/2 = 44.5
よって ツ=④(44.5)

データ B(17 個)の中央値は 9 番目の値
m_B = 44
よって テ=③(44)
ト,ナ,ニ:正解 ①, 1, 7(配点2)

<考え方>
データ A から取り除いた外れ値は 70 の 1 個だけです。合計と個数の関係から平均値どうしの式を作ります。

除いた値は 70 だけだから
(データ A の値の合計)−(データ B の値の合計)= 70
よって ト=①(70)

データ A は 18 個、データ B は 17 個だから
18ā =(データ A の合計)
   =(データ B の合計)+70
   = 17b̄+70
よって ナニ=17
ヌ:正解 ④(配点2)

<考え方>
平均値・中央値・第 1 四分位数それぞれについて、外れ値を除く前と後の値を求めて差の絶対値を比べます。データ B の第 1 四分位数は 17 個のうち下位 8 個の中央値です。

ā = 771/18 = 42.83…
b̄ = (771−70)/17 = 701/17 = 41.23…
T1 = |ā−b̄| = 1.6…

m_A = 44.5、m_B = 44
T2 = |44.5−44| = 0.5

Q_A = 32
データ B(17 個)の下位 8 個は 29,30,30,31,32,33,35,43 だから
Q_B = (31+32)/2 = 31.5
T3 = |32−31.5| = 0.5

T2 = T3 = 0.5 < T1 = 1.6…
よって ヌ=④(T2=T3 < T1)

外れ値 1 個を除いた影響は、平均値にはっきり出る一方で中央値や四分位数にはほとんど出ません。外れ値に強い指標・弱い指標の違いが問われています。

ネ:正解 ⑤(配点3)

<考え方>
(a)は図 1 と図 2 を突き合わせて「同じチームかどうか」を勝点で確かめます。(b)は両図の横軸の最大・最小、(c)は点の散らばりの向きを見ます。

(a) 図 1 で得点総数が最も小さい(29)チームの勝点は約 38
  図 2 で失点総数が最も大きい(約 57)チームの勝点は 30
  勝点が違うので別のチーム → 誤

(b) 得点総数の範囲 = 70−29 = 41
  失点総数の範囲 = 約 57−35 = 約 22
  41 > 22 → 正

(c) 図 1 は右上がりで正の相関
  図 2 は右下がりで負の相関 → 誤

よって ネ=⑤

(a)は二つの散布図に共通する「勝点」を手がかりに、同じチームかどうかを見分けるのがポイントです。

ノ:正解 ⑥(配点3)

<考え方>
相関係数は「共分散 ÷(それぞれの標準偏差の積)」で求めます。

相関係数 = 125.1/(13.4×10.0)
      = 125.1/134
      = 0.933…
よって ノ=⑥(0.93)

相関係数は必ず −1 以上 1 以下です。⑦の 1.07 はこの時点で選択肢から外せます。

第3問(必答) 図形の性質

三角形の重心・外心がどの直線上にあるかを確かめたうえで、「円の弦は中点を決めればただ一つに決まる」という性質を導き、それを使って重心が一致する内接三角形が何個あるかを考察します。配点20点。

ア,イ:正解 ①, ③(配点3)

<考え方>
重心は 3 本の中線の交点、外心は 3 辺の垂直二等分線の交点です。4 本の直線 ℓ0〜ℓ3 のうち、その定義にあてはまるものを選びます。

ℓ1 は点 A と辺 BC の中点を結ぶ直線、すなわち中線
重心は 3 本の中線の交点だから ℓ1 上にある
よって ア=①

ℓ3 は辺 BC の垂直二等分線
外心は 3 辺の垂直二等分線の交点だから ℓ3 上にある
よって イ=③

ℓ0(A から BC に下ろした垂線)は垂心が通る直線、ℓ2(∠A の二等分線)は内心が通る直線です。四つの心と四つの直線を対応づけて覚えておきましょう。

ウ:正解 ⑦(配点3)

<考え方>
AB=AC の二等辺三角形では、頂角 A から底辺 BC に下ろした垂線が、中線・頂角の二等分線・底辺の垂直二等分線をすべて兼ねます。

AB=AC のとき、A から BC に下ろした垂線を AH とすると
△ABH と △ACH は斜辺と他の 1 辺がそれぞれ等しい直角三角形で合同
よって BH=CH、∠BAH=∠CAH

したがって直線 ℓ0 は
 辺 BC の中点を通る → ℓ1 と一致
 ∠A を二等分する  → ℓ2 と一致
 BC の中点で BC に垂直 → ℓ3 と一致
よって ウ=⑦(ℓ1 と ℓ2 と ℓ3 のすべて)

二等辺三角形では重心・外心・内心・垂心がすべてこの 1 本の直線上に並びます。

エ,オ,カ:正解 9, 0, ①(配点3)

<考え方>
OS と OT はどちらも円 O の半径なので △OST は二等辺三角形です。二等辺三角形では、頂点から底辺の中点に引いた線分が底辺に垂直になります。

OS = OT(円 O の半径)より △OST は二等辺三角形
M は底辺 ST の中点だから OM ⊥ ST
∠OMS = 90°
よって エオ=90

逆に、中点が M となる弦は
「M を通り OM に垂直な直線」と円 O が交わってできる弦に限られる
そのような直線は 1 本だけだから、弦もちょうど一つ
よって カ=①(ちょうど一つある)

「中点が M の弦は OM に垂直」という性質は、このあとの(3)でくり返し使われます。

キ,ク:正解 2, 1(配点2)

<考え方>
G は △ABC の重心で、CD は頂点 C から辺 AB の中点 D に引いた中線です。重心は中線を頂点側から 2:1 に内分します。

D は AB の中点だから CD は △ABC の中線
G は重心だから
CG:GD = 2:1
よって キ=2、ク=1

この 2:1 は(3)(ⅱ)でも、点 M を「PG:GM=2:1」の位置にとるために使われます。

ケ,コ,サ:正解 4, 2, 3(配点2)

<考え方>
∠AOB=60°、OA=OB=6 から △OAB は 1 辺 6 の正三角形です。OD を求めて CD=CO+OD とし、CG=(2/3)CD を計算します。

∠AOB=60°、OA=OB=6 より △OAB は 1 辺 6 の正三角形
AB = 6、D は AB の中点

OD = 6×(√3/2) = 3√3

C は AB の垂直二等分線(直線 OD)と円 O の交点のうち
直線 AB に関して O と同じ側にある点だから
CD = CO+OD = 6+3√3

CG = (2/3)CD = (2/3)(6+3√3) = 4+2√3
よって ケ=4、コ=2、サ=3

C,O,D は一直線上に並びます。CO は半径そのままの 6 です。

シ:正解 ①(配点3)

<考え方>
条件を満たす三角形を △PQR とすると、重心が G なので辺 QR の中点 M は直線 PG 上で PG:GM=2:1 の位置に決まります。M が円の内部にあるので、(2)の結果から QR がただ一つに決まります。

条件を満たす三角形を △PQR とすると、重心が G だから
辺 QR の中点 M は、直線 PG 上で PG:GM = 2:1 を満たし
G に関して P の反対側にある点として一通りに定まる

PG < CG より M は円 O の内部にある

(2)より、中点が M となる円 O の弦はちょうど一つ
その弦の両端を Q,R とすれば条件を満たす三角形が一つ得られる
よって 点 P をどこにとっても条件を満たす三角形はちょうど一つあり、シ=①

「重心 G と頂点 P が決まれば、残り 2 頂点の中点 M が決まる」という順で考えるのがこの誘導の骨格です。

ス:正解 ⑤(配点4)

<考え方>
△APQ と △AP′Q′ の重心が一致するなら、頂点 A と重心の位置から、辺 PQ の中点と辺 P′Q′ の中点も一致します。あとは(2)の「中点が決まれば弦は一つ」という性質を、中点が中心 O のときだけ例外になることと合わせて使います。

PQ の中点を M、P′Q′ の中点を M′ とすると
AG:GM = 2:1、AG′:G′M′ = 2:1

G = G′ ならば、同じ点 A から同じ比で定まるので M = M′
すなわち弦 PQ と弦 P′Q′ の中点が同じ

M が中心 O と異なるとき
 (2)より中点が M の弦はただ一つだから {P,Q}={P′,Q′}
 これは 5 点が異なることに反する

M = O のとき
 PQ も P′Q′ も円 O の直径となり、直径は無数にあるから G = G′ が起こりうる

PQ が直径 ⟺ 円周角の定理より ∠PAQ = 90°

よって (a)偽、(b)真、(c)偽 となり、ス=⑤

直径のときだけ「中点が同じ弦」が無数に存在する、というのが(2)の裏返しです。∠PAQ が直角のときは、A を頂点とする直径違いの三角形をいくらでも作れて重心が一致します。

第4問(必答) 場合の数と確率

各面の目が3,3,3,3,3,5/1,1,4,4,4,4/2,2,3,3,6,6 である三つのサイコロについて、「大きい目が出やすいのはどれか」を期待値・勝つ確率・袋から2個選んだときの確率という三つの観点で比べます。配点20点。

ア,イ,ウ:正解 5, 1, 8(配点2)

<考え方>
X がとる値は 3 と 5、Z がとる値は 2、3、6 です。共通する値は 3 だけなので、X=Z となるのは両方 3 のときに限られます。

サイコロ x は 3 が 5 面、5 が 1 面だから P(X=3) = 5/6
サイコロ z は 2,3,6 が各 2 面だから P(Z=3) = 2/6 = 1/3

X,Z は独立だから
P(X=Z) = (5/6)×(1/3) = 5/18
よって ア=5、イウ=18
エ,オ,カ:正解 1, 0, 3(配点2)

<考え方>
どの面も確率 1/6 なので、期待値は「6 面の目の合計 ÷ 6」で求まります。

サイコロ x の目の合計 = 3×5+5 = 20
E_x = 20/6 = 10/3
よって エオ=10、カ=3
キ:正解 ②(配点2)

<考え方>
y と z についても同じように期待値を求め、分母をそろえて比べます。

E_y = (1×2+4×4)/6 = 18/6 = 3
E_z = (2×2+3×2+6×2)/6 = 22/6 = 11/3
E_x = 10/3

3 = 9/3 だから
E_y = 9/3 < E_x = 10/3 < E_z = 11/3
よって キ=②

期待値で比べると y < x < z の順になります。この順序が(3)の結果と食い違うのが、この大問のおもしろいところです。

ク,ケ:正解 5, 9(配点2)

<考え方>
X は 3 か 5、Y は 1 か 4 です。X < Y となる組合せを書き出すと 1 通りしかありません。

X の値は 3(5/6)または 5(1/6)
Y の値は 1(2/6)または 4(4/6)

X < Y となるのは X=3 かつ Y=4 のときだけだから
P(X<Y) = (5/6)×(4/6) = 20/36 = 5/9
よって ク=5、ケ=9
コ,サ,シ,ス,セ:正解 5, 9, 7, 1, 8(配点3)

<考え方>
Y<Z、Z<X についても、値の組合せを一つずつ書き出して確率を足します。

P(Y<Z)
 Y=1(2/6)のとき Z は 2,3,6 のいずれでも Y より大きい(確率 1)
 Y=4(4/6)のとき Z=6(2/6)
P(Y<Z) = (2/6)×1+(4/6)×(2/6)
     = 12/36+8/36 = 20/36 = 5/9
よって コ=5、サ=9

P(Z<X)
 X=3(5/6)のとき Z=2(2/6)
 X=5(1/6)のとき Z=2 または 3(4/6)
P(Z<X) = (5/6)(2/6)+(1/6)(4/6)
     = 10/36+4/36 = 14/36 = 7/18
よって シ=7、スセ=18

X=3 のとき Z=3 は「等しい」であって「小さい」ではありません。等号の扱いを誤ると 10/36 が 20/36 になってしまいます。

ソ,タ,チ:正解 ⓪, ⓪, ⓪(配点3)

<考え方>
それぞれの組について「大きい確率」と「小さい確率」を比べます。X と Y、Y と Z は値が一致しないので、一方を 1 から引けば求まります。X と Z は P(X=Z)=5/18 があるので、その分を差し引きます。

x と y:X=Y となることはないから
 P(X>Y) = 1−20/36 = 16/36
 16/36 < 20/36 = P(X<Y) より x ≪ y ソ=⓪

y と z:Y=Z となることはないから
 P(Y>Z) = 1−20/36 = 16/36
 16/36 < 20/36 = P(Y<Z) より y ≪ z タ=⓪

z と x:P(Z=X) = 5/18 = 10/36 だから
 P(Z>X) = 1−14/36−10/36 = 12/36
 12/36 < 14/36 = P(Z<X) より z ≪ x チ=⓪

よって ソ=⓪、タ=⓪、チ=⓪

x ≪ y、y ≪ z なのに z ≪ x という「じゃんけんのような」循環が起こります。ここで(2)の期待値の順序 E_y < E_x < E_z とは結論が食い違うことが確認できます。

ツ,テ,ト:正解 5, 1, 8(配点3)

<考え方>
袋から 2 個取り出す組は {x,y}、{y,z}、{z,x} の 3 通りで、どれも確率 1/3 です。x が取り出される組は前者と後者の 2 通りなので、それぞれで x が勝つ確率を足します。

取り出す 2 個の組は {x,y},{y,z},{z,x} の 3 通り、各 1/3

p_x = (1/3)×P(X>Y)+(1/3)×P(X>Z)
P(X>Y) = 16/36
P(X>Z) = P(Z<X) = 14/36

p_x = (1/3)(16/36+14/36)
   = (1/3)×(30/36)
   = 30/108 = 5/18
よって ツ=5、テト=18

P(X>Z) は(3)で求めた P(Z<X) と同じものです。P(Z>X)=12/36 と取り違えないよう注意しましょう。

ナ:正解 ①(配点3)

<考え方>
p_y、p_z も同じように計算し、分母をそろえて比べます。

p_y = (1/3){P(Y>X)+P(Y>Z)}
   = (1/3)(20/36+16/36)
   = (1/3)×(36/36) = 1/3

p_z = (1/3){P(Z>X)+P(Z>Y)}
   = (1/3)(12/36+20/36)
   = (1/3)×(32/36) = 8/27

分母を 108 にそろえると
p_x = 5/18 = 30/108
p_z = 8/27 = 32/108
p_y = 1/3 = 36/108

よって p_x < p_z < p_y となり、ナ=①

(2)では E_y が最小、(3)では循環、(4)では p_y が最大と、観点を変えると「大きい目が出やすいサイコロ」の順位が変わります。どの観点で比べているのかを最後まで意識しましょう。

※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

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