2017年度 大学入試センター試験 本試験「数学Ⅰ・A」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。
解答
解説
2017年度 大学入試センター試験 本試験「数学Ⅰ・数学A」の全設問について、正解と考え方を解説します。第1問・第2問は必答、第3問〜第5問は2問を選択して解答します(計4問・100点)。当サイトでは選択問題の3題すべてを解説しています。各設問の見出しをタップすると解説が開きます。
第1問 〔1〕 数と式(x² + 4/x² = 9 から3乗・4乗へ)
x² + 4/x² = 9 という条件から出発して、x + 2/x、x³ + 8/x³、x⁴ + 16/x⁴ と次数を上げていく設問です。「2乗すると x² と 4/x² のほかに定数が出てくる」という形を、そのつど使い回すのがポイントです。
アイ:正解 13(配点3)
<問題要旨>
x は正の実数で x² + 4/x² = 9 を満たすとき、(x + 2/x)² の値を求めます。
<考え方>
展開すると x² と 4/x² が現れ、残りは定数項になります。
(x + 2/x)² = x² + 2 × x × (2/x) + 4/x²
= x² + 4/x² + 4
= 9 + 4
= 13
よって アイ = 13
ウ:正解 2(配点1)
<問題要旨>
x³ + 8/x³ を (x + 2/x)(x² + 4/x² − ウ) の形に表したときの ウ を求めます。
<考え方>
a³ + b³ = (a + b)(a² − ab + b²) に a = x、b = 2/x を当てはめます。ab の値が ウ になります。
a = x, b = 2/x とおくと
ab = x × 2/x = 2
a² + b² = x² + 4/x²
a³ + b³ = (a + b)(a² − ab + b²)
= (x + 2/x)(x² + 4/x² − 2)
よって ウ = 2
エ√オカ:正解 7√13(配点3)
<問題要旨>
x³ + 8/x³ の値を求めます。
<考え方>
前問で作った式に、x + 2/x = √13 と x² + 4/x² = 9 を代入します。x が正であることから、x + 2/x は正の平方根をとります。
x > 0 より x + 2/x > 0 で、(x + 2/x)² = 13 だから
x + 2/x = √13
x³ + 8/x³ = (x + 2/x)(x² + 4/x² − 2)
= √13 × (9 − 2)
= 7√13
よって エ√オカ = 7√13
キク:正解 73(配点3)
<問題要旨>
x⁴ + 16/x⁴ の値を求めます。
<考え方>
今度は x² + 4/x² を2乗します。ここでも 2 × x² × 4/x² = 8 という定数が出てきます。
(x² + 4/x²)² = x⁴ + 2 × x² × (4/x²) + 16/x⁴
= x⁴ + 16/x⁴ + 8
左辺は 9² = 81 だから
x⁴ + 16/x⁴ = 81 − 8 = 73
よって キク = 73
第1問 〔2〕 集合と命題(必要条件・十分条件と対偶)
p:x = 1、q:x² = 1 という単純な2つの条件で、必要条件・十分条件を判定します。「p または q の否定」のように組み合わさった条件は、まず x がどんな範囲かに言い換えてしまうと迷いません。
ケ:正解 ⓪(配点1)
<問題要旨>
「q は p であるための ケ 」に当てはまるものを、必要条件・十分条件の4つの選択肢から選びます。
<考え方>
「q は p であるための」という言い方では、q が仮定の側です。q ⟹ p が真なら十分条件、p ⟹ q が真なら必要条件になります。両方向を別々に調べます。
p ⟹ q : x = 1 ならば x² = 1 … 真 q ⟹ p : x² = 1 ならば x = 1 … 偽(x = −1 が反例) p ⟹ q が真だから q は p であるための必要条件 q ⟹ p は偽だから十分条件ではない よって ケ = ⓪
コ:正解 ③(配点2)
<問題要旨>
「p の否定は q であるための コ 」に当てはまるものを選びます。
<考え方>
p の否定は「x ≠ 1」です。この条件と q(x = ±1)の間で、両方向の含意を調べます。
p の否定 :x ≠ 1 q :x² = 1 すなわち x = 1 または x = −1 (x ≠ 1) ⟹ (x² = 1) … 偽(x = 2 が反例) (x² = 1) ⟹ (x ≠ 1) … 偽(x = 1 が反例) どちらも偽なので、必要条件でも十分条件でもない よって コ = ③
サ:正解 ③(配点2)
<問題要旨>
「(p または q の否定) は q であるための サ 」に当てはまるものを選びます。
<考え方>
まず「p または (q でない)」がどんな x の範囲になるかを整理します。x = 1 を含み、x ≠ ±1 も含むので、結局 x = −1 だけが除かれます。
p :x = 1
q の否定 :x² ≠ 1 すなわち x ≠ 1 かつ x ≠ −1
p または (q の否定) = 「x = 1」または「x ≠ ±1」
= 「x ≠ −1」
(x ≠ −1) ⟹ (x² = 1) … 偽(x = 2 が反例)
(x² = 1) ⟹ (x ≠ −1) … 偽(x = −1 が反例)
どちらも偽なので、必要条件でも十分条件でもない
よって サ = ③
シ:正解 ①(配点2)
<問題要旨>
「(p の否定 かつ q) は q であるための シ 」に当てはまるものを選びます。
<考え方>
「x ≠ 1 かつ x = ±1」を満たす x は −1 だけです。ここまで絞れれば含意の判定はすぐつきます。
(p の否定) かつ q = 「x ≠ 1」かつ「x = ±1」
= 「x = −1」
(x = −1) ⟹ (x² = 1) … 真
(x² = 1) ⟹ (x = −1) … 偽(x = 1 が反例)
よって十分条件だが必要条件ではない
シ = ①
ス:正解 ②(配点3)
<問題要旨>
r:x > 0 とするとき、3つの命題 A「(p かつ q) ⟹ r」、B「q ⟹ r」、C「(q の否定) ⟹ (p の否定)」の真偽の組合せを選びます。
<考え方>
A は仮定を x の条件に直せばすぐ判定できます。C は「p ⟹ q」の対偶になっていることに気づくと、計算せずに真と分かります。
A : (p かつ q) = 「x = 1 かつ x² = 1」= 「x = 1」
x = 1 ならば x > 0 … 真
B : x² = 1 ならば x > 0 … 偽(x = −1 が反例)
C : (q の否定) ⟹ (p の否定) は 「p ⟹ q」の対偶
p ⟹ q は真だから、その対偶である C も真
A は真, B は偽, C は真
よって ス = ②
第1問 〔3〕 2次関数(係数に a を含む放物線の頂点)
係数に文字 a を含む2次関数の頂点を求め、a が動くとその頂点がどこまで動くかを調べる設問です。頂点の y 座標は t = a² と置き換えると、t についての2次関数になります。t ≧ 0 という範囲の制約を落とさないことが最後の山場です。
セ,ソ:正解 3,5(配点2)
<問題要旨>
g(x) = x² − 2(3a² + 5a)x + 18a⁴ + 30a³ + 49a² + 16 のグラフの頂点の x 座標を、a の式で表します。
<考え方>
x² − 2mx + … の形なので、平方完成するまでもなく頂点の x 座標は m です。
g(x) = x² − 2(3a² + 5a)x + (定数項)
= {x − (3a² + 5a)}² − (3a² + 5a)² + (定数項)
頂点の x 座標 = 3a² + 5a
よって セ = 3, ソ = 5
タ,チツ,テト:正解 9,24,16(配点2)
<問題要旨>
頂点の y 座標を a の式で表します。
<考え方>
上の平方完成の残り、つまり (定数項) − (3a² + 5a)² を計算します。(3a² + 5a)² の展開で a³ の項が消えるのがポイントです。
(3a² + 5a)² = 9a⁴ + 30a³ + 25a² 頂点の y 座標 = (18a⁴ + 30a³ + 49a² + 16) − (9a⁴ + 30a³ + 25a²) = 9a⁴ + 24a² + 16 よって タ = 9, チツ = 24, テト = 16
ナニ/ヌネ:正解 25/12(配点3)
<問題要旨>
a が実数全体を動くときの、頂点の x 座標の最小値を求めます。答えは −ナニ/ヌネ の形です。
<考え方>
頂点の x 座標 3a² + 5a を、a について平方完成します。a² の係数が 3 なので、まず 3 でくくります。
3a² + 5a = 3(a² + (5/3)a)
= 3{(a + 5/6)² − 25/36}
= 3(a + 5/6)² − 25/12
a = −5/6 のとき最小値 −25/12
よって ナニ/ヌネ = 25/12(最小値は −25/12)
ノハ:正解 16(配点3)
<問題要旨>
a が実数全体を動くときの、頂点の y 座標の最小値を求めます。
<考え方>
t = a² とおくと y = 9t² + 24t + 16 = (3t + 4)² と完全平方になります。ここで t = a² は 0 以上しかとれないので、t = 0 のときが最小です。9t² + 24t + 16 の頂点(t = −4/3)は範囲の外にあります。
t = a² とおくと t ≧ 0 y = 9t² + 24t + 16 = (3t + 4)² t ≧ 0 では 3t + 4 ≧ 4 で、t = 0 のとき最小 y の最小値 = 4² = 16 (このとき a = 0) よって ノハ = 16
第2問 〔1〕 図形と計量(余弦定理・正弦定理と面積)
AB = √3 − 1、BC = √3 + 1 という、足すと √3 が消え、掛けると 2 になる2辺が与えられています。この打ち消し合いのおかげで、余弦定理も正弦定理も数値がきれいに収まります。後半は面積から辺の長さを逆算します。
√ア:正解 √6(配点3)
<問題要旨>
AB = √3 − 1、BC = √3 + 1、∠ABC = 60° の △ABC で、AC の長さを求めます。
<考え方>
2辺とその間の角が分かっているので余弦定理です。AB² と BC² を足すと √3 の項が打ち消し合い、AB × BC は 2 になります。
AB² = (√3 − 1)² = 4 − 2√3
BC² = (√3 + 1)² = 4 + 2√3
AB × BC = (√3 − 1)(√3 + 1) = 3 − 1 = 2
AC² = AB² + BC² − 2 × AB × BC × cos60°
= (4 − 2√3) + (4 + 2√3) − 2 × 2 × (1/2)
= 8 − 2 = 6
AC = √6
よって ア = 6
√イ:正解 √2(配点3)
<問題要旨>
△ABC の外接円の半径を求めます。
<考え方>
向かい合う辺と角の組(AC と ∠ABC)が分かっているので、正弦定理をそのまま当てはめます。
正弦定理より AC / sin∠ABC = 2R 2R = √6 ÷ sin60° = √6 ÷ (√3/2) = 2√6/√3 = 2√2 R = √2 よって イ = 2
(√ウ+√エ)/オ:正解 (√2+√6)/4(配点3)
<問題要旨>
sin∠BAC の値を求めます。
<考え方>
∠BAC と向かい合うのは辺 BC です。外接円の半径が出ているので、BC に正弦定理を当てはめ、最後に分母を有理化します。
正弦定理より
BC / sin∠BAC = 2R = 2√2
sin∠BAC = BC / (2√2)
= (√3 + 1)/(2√2)
= (√3 + 1) × √2 / 4
= (√6 + √2)/4
よって (√ウ + √エ)/オ = (√2 + √6)/4
(カ√キ−ク)/ケ:正解 (2√3−2)/3(配点3)
<問題要旨>
辺 AC 上に点 D を、△ABD の面積が √2/6 になるようにとるとき、AB・AD の値を求めます。
<考え方>
D は辺 AC 上にあるので、∠BAD は ∠BAC と同じ角です。面積の公式に前問の sin∠BAC をそのまま入れて、AB・AD について解きます。
D は辺 AC 上にあるから ∠BAD = ∠BAC
△ABD = (1/2) × AB × AD × sin∠BAC = √2/6
(1/2) × AB・AD × (√6 + √2)/4 = √2/6
AB・AD = (√2/6) × 8/(√6 + √2)
= (4√2/3) × (√6 − √2)/{(√6 + √2)(√6 − √2)}
= (4√2/3) × (√6 − √2)/4
= √2(√6 − √2)/3
= (√12 − 2)/3
= (2√3 − 2)/3
よって (カ√キ − ク)/ケ = (2√3 − 2)/3
コ/サ:正解 2/3(配点3)
<問題要旨>
AD の長さを求めます。
<考え方>
前問で求めた AB・AD を AB = √3 − 1 で割るだけです。分子を 2(√3 − 1) と見ると、約分できることがすぐ分かります。
AB・AD = (2√3 − 2)/3 = 2(√3 − 1)/3
AD = AB・AD ÷ AB
= {2(√3 − 1)/3} ÷ (√3 − 1)
= 2/3
よって コ/サ = 2/3
第2問 〔2〕 データの分析(スキージャンプの得点)
スキージャンプ58本のジャンプについて、飛距離から決まる得点 X、空中姿勢から決まる得点 Y、飛び出す速度 V を扱います。前半は散布図の読み取り、中盤は「変量を1次式で変換すると分散・共分散・相関係数がどう変わるか」、後半はヒストグラムと箱ひげ図の対応です。計算はほとんどなく、定義を正確に覚えているかで差がつきます。
シ,ス,セ:正解 ①,④,⑥(配点6)
<問題要旨>
図1の3つの散布図(X と V、Y と V、X と Y)から読み取れる正しい記述を3つ選びます。
<考え方>
「相関が強い」は点の集まり方、「最大」「最小」「すべて」を含む記述は該当する点を1つずつ確かめます。とくに⑤のように「すべて」と言い切る記述は、反例を1つ見つければ切れます。
⓪ X と V は大きく散らばり、X と Y は右上がりに集まっている → X と V のほうが強い、は誤り ① X と Y の散布図は右上がり → 正の相関がある … 正しい ② V が最大(約94.2)のジャンプの X は約59。X の最大は約87 … 誤り ③ V が最大のジャンプの Y は約51.5。Y の最大は約58.5 … 誤り ④ Y が最小(約50)のジャンプの X は約56.5。X の最小は約53 … 正しい ⑤ X が80以上の5点のうち、X = 87 の点は V が93より小さい … 誤り ⑥ V が94以上の点は2つで、Y はどちらも55未満 … 正しい よって シ, ス, セ = ①, ④, ⑥
ソ:正解 ④(配点2)
<問題要旨>
X = 1.80 ×(D − 125.0)+ 60.0 のとき、X の分散は D の分散の何倍かを選びます。
<考え方>
変量を a 倍して定数を足したとき、定数は散らばりに影響せず、分散は a² 倍になります。
X = 1.80 × D + (定数) 分散は a 倍すると a² 倍、定数を足しても変わらない 1.80² = 3.24 よって ソ = ④(3.24)
タ:正解 ③(配点2)
<問題要旨>
X と Y の共分散は、D と Y の共分散の何倍かを選びます。
<考え方>
共分散は「2つの変量それぞれの偏差の積の平均」です。片方だけを 1.80 倍すると、偏差の積も 1.80 倍になります。
X の偏差 = 1.80 ×(D の偏差)
共分散 =(X の偏差)×(Y の偏差)の平均
= 1.80 ×{(D の偏差)×(Y の偏差)の平均}
= 1.80 ×(D と Y の共分散)
よって タ = ③(1.80)
チ:正解 ②(配点2)
<問題要旨>
X と Y の相関係数は、D と Y の相関係数の何倍かを選びます。
<考え方>
相関係数は共分散を2つの標準偏差の積で割ったものです。分子も分母も同じ 1.80 倍になるので、値は変わりません。
相関係数 = 共分散 ÷(X の標準偏差 × Y の標準偏差) 分子(共分散)は 1.80 倍 X の標準偏差も 1.80 倍(分散が 1.80² 倍だから) 分子と分母が同じ倍率なので相関係数は変わらない よって チ = ②(1)
ツ:正解 ⓪(配点1)
<問題要旨>
1回目の X + Y について、ヒストグラム(図2のA・B)と箱ひげ図(図3のa・b)の正しい組合せを選びます。
<考え方>
手がかりは「1回目の X + Y の最小値は108.0」という一文だけです。最小値が108なら、105以上110未満の階級に最小のデータが入り、それより下の階級の度数は0になります。箱ひげ図も左端が108のものを選びます。
ヒストグラム
A:105以上110未満に1個、それより下は度数0
→ 最小値は105以上110未満 … 合う
B:100以上105未満に1個
→ 最小値は105未満 … 合わない
箱ひげ図
a:左端(最小値)が約108 … 合う
b:左端が約104 … 合わない
よって 1回目は A と a の組合せ
ツ = ⓪
テ:正解 ①(配点2)
<問題要旨>
図3の2つの箱ひげ図から読み取れる正しい記述を選びます。
<考え方>
前問から a が1回目、b が2回目と決まっています。四分位範囲は箱の横幅、中央値は箱の中の縦線、最大値・最小値はひげの両端で比べます。
a(1回目):最小 約108、Q1 約115.5、中央値 約124、Q3 約129.5、最大 約143.5 b(2回目):最小 約104、Q1 約110、中央値 約114、Q3 約125、最大 約141.5 ⓪ 四分位範囲は a 約14 < b 約15 … 誤り ① 中央値は a 約124 > b 約114 … 正しい ② 最大値は a 約143.5 > b 約141.5 … 誤り ③ 最小値は a 約108 > b 約104 … 誤り よって テ = ①
第3問 〔選択問題〕 場合の数と確率(4本のくじを3人が順に引く)
あたり2本・はずれ2本の4本を A、B、C が順に1本ずつ引きます。「少なくとも一方があたり」という事象を、排反な事象の和に分解して扱うのが全体の流れです。最後は3つの条件付き確率を比べますが、実は全部同じ値になります。
ア/イ:正解 5/6(配点2)
<問題要旨>
「A、B の少なくとも一方があたりを引く」事象 E₁ の確率を求めます。
<考え方>
「少なくとも一方」は余事象「2人ともはずれ」を考えるのが定石です。1度引いたくじは戻さないので、2人目の分母は3になります。
余事象は「A も B もはずれ」 P(A も B もはずれ) = (2/4) × (1/3) = 1/6 P(E₁) = 1 − 1/6 = 5/6 よって ア/イ = 5/6
ウ,エ,オ:正解 ①,③,⑤(配点3)
<問題要旨>
「A、B、C の3人で2本のあたりを引く」事象 E を、排反な3つの事象の和事象として表します。
<考え方>
3人が3本引いてあたりが2本ということは、3人のうちちょうど1人だけがはずれを引いたということです。「誰がはずれか」で3通りに分かれ、これらは互いに排反になります。
3人で2本のあたりを引く ⟺ 3人が引いた3本の内訳が「あたり2・はずれ1」 ⟺ 3人のうちちょうど1人だけがはずれ ①「A だけがはずれ」 ③「B だけがはずれ」 ⑤「C だけがはずれ」 この3つは互いに排反で、和がちょうど E (⓪②④は「A がはずれ」のような書き方で、 2人以上がはずれの場合も含むため排反にならない) よって ウ, エ, オ = ①, ③, ⑤
カ/キ:正解 1/2(配点2)
<問題要旨>
事象 E の確率を求めます。
<考え方>
3人で2本のあたりを引くということは、引かれずに残る最後の1本がはずれだということです。4本のうちどれが残るかは同じ確からしさなので、数え上げずに答えが出ます。
3人で2本のあたりを引く ⟺ 最後に残る1本がはずれ 4本のうち最後に残る1本は、どの本も同じ確からしさ はずれは2本だから P(E) = 2/4 = 1/2 よって カ/キ = 1/2
ク/ケ:正解 3/5(配点2)
<問題要旨>
事象 E₁ が起こったときに事象 E が起こる条件付き確率を求めます。
<考え方>
E が起これば A、B の少なくとも一方は必ずあたりなので、E は E₁ に含まれます。したがって E と E₁ の共通部分は E そのものです。
E は「3人のうち1人だけがはずれ」
A だけはずれ → B はあたり
B だけはずれ → A はあたり
C だけはずれ → A も B もあたり
いずれも E₁ が起こるので、E は E₁ に含まれる
P(E ∩ E₁) = P(E) = 1/2
P(E | E₁) = P(E ∩ E₁) / P(E₁)
= (1/2) ÷ (5/6)
= 3/5
よって ク/ケ = 3/5
コ,サ,シ:正解 ⓪,③,⑤(配点3)
<問題要旨>
「B、C の少なくとも一方があたりを引く」事象 E₂ を、排反な3つの事象の和事象として表します。
<考え方>
A がはずれを引くと、残り3本のはずれは1本だけなので、B と C の少なくとも一方は必ずあたりになります。つまり「A がはずれ」はまるごと E₂ に含まれます。残るのは A があたりの場合で、B か C の一方だけがはずれのときです。
⓪「A がはずれ」 → 残り3本はあたり2・はずれ1 → B と C が2本引けば必ず一方はあたり → まるごと E₂ に含まれる A があたりのとき、残り3本はあたり1・はずれ2 B あたり・C はずれ → ⑤「C だけがはずれ」 B はずれ・C あたり → ③「B だけがはずれ」 B も C もはずれ → E₂ ではない ⓪, ③, ⑤ は互いに排反で、和がちょうど E₂ よって コ, サ, シ = ⓪, ③, ⑤
ス/セ:正解 5/6(配点2)
<問題要旨>
事象 E₂ の確率を求めます。
<考え方>
余事象「B も C もはずれ」を考えます。はずれは2本しかないので、このとき A は必ずあたりを引いています。
余事象は「B も C もはずれ」 このとき A はあたりを引いている P = (2/4) × (2/3) × (1/2) = 1/6 (A あたり → B はずれ → C はずれ) P(E₂) = 1 − 1/6 = 5/6 よって ス/セ = 5/6
ソ/タ:正解 5/6(配点2)
<問題要旨>
「A、C の少なくとも一方があたりを引く」事象 E₃ の確率を求めます。
<考え方>
同じように余事象「A も C もはずれ」を考えます。このとき B があたりです。引く順番が違うだけで、確率の式は E₂ のときと同じ形になります。
余事象は「A も C もはずれ」 このとき B はあたりを引いている P = (2/4) × (2/3) × (1/2) = 1/6 (A はずれ → B あたり → C はずれ) P(E₃) = 1 − 1/6 = 5/6 よって ソ/タ = 5/6
チ:正解 ⑥(配点4)
<問題要旨>
p₁ = P(E|E₁)、p₂ = P(E|E₂)、p₃ = P(E|E₃) の大小関係を選びます。
<考え方>
E はどの2人を取り出しても「少なくとも一方はあたり」を満たすので、E₁、E₂、E₃ のどれにも含まれます。つまり3つの条件付き確率は分子がすべて P(E)。分母もここまでの計算ですべて 5/6 と分かっています。
E は「1人だけがはずれ」なので、 どの2人を選んでも少なくとも一方はあたり → E は E₁, E₂, E₃ のいずれにも含まれる → 分子はいずれも P(E) = 1/2 P(E₁) = P(E₂) = P(E₃) = 5/6 p₁ = p₂ = p₃ = (1/2) ÷ (5/6) = 3/5 よって チ = ⑥
第4問 〔選択問題〕 整数の性質(倍数の判定と約数の個数)
前半は4の倍数・9の倍数の判定法を使って、虫食いの数字を決めていきます。後半は 1188 の約数を数え、最後は「すべての約数の積」を2進法で表したときの末尾の0の個数まで問われます。素因数分解した形を最後まで持ち歩くのがコツです。
ア,イ:正解 2,6(配点2)
<問題要旨>
百の位が3、十の位が7、一の位が a の3桁の自然数 37a が4で割り切れるような a を求めます。
<考え方>
4の倍数かどうかは下2桁だけで決まります。ここでは 70 + a が4の倍数になる a を探します。
4で割り切れる ⟺ 下2桁が4で割り切れる 下2桁は 70 + a 70 = 4 × 17 + 2 だから 70 + a が4の倍数 ⟺ a + 2 が4の倍数 a は 0 〜 9 の数字だから a = 2, 6 (372 = 4 × 93、376 = 4 × 94) よって ア, イ = 2, 6
ウ:正解 3(配点2)
<問題要旨>
千の位が7、百の位が b、十の位が5、一の位が c の4桁の自然数 7b5c が、4でも9でも割り切れる (b, c) の組の個数を求めます。
<考え方>
4の倍数は下2桁、9の倍数は各位の和で判定します。先に c を2通りに絞ってから、それぞれで b を決めると手早く済みます。
[4の倍数]下2桁 50 + c が4の倍数 50 = 4 × 12 + 2 だから c + 2 が4の倍数 c = 2, 6 [9の倍数]各位の和 7 + b + 5 + c = 12 + b + c が9の倍数 c = 2 のとき 14 + b が9の倍数 → b = 4 c = 6 のとき 18 + b が9の倍数 → b = 0, 9 (b, c) = (4, 2), (0, 6), (9, 6) の3組 よって ウ = 3
エ,オ:正解 0,6(配点2)
<問題要旨>
3組のうち、7b5c の値が最小になる b, c を求めます。
<考え方>
千の位と十の位は共通なので、百の位 b が小さいものが最小です。
(b, c) = (4, 2) → 7452 (b, c) = (0, 6) → 7056 (b, c) = (9, 6) → 7956 最小は 7056 よって エ = 0, オ = 6
カ,キ:正解 9,6(配点2)
<問題要旨>
3組のうち、7b5c の値が最大になる b, c を求めます。
<考え方>
同じく百の位 b で比べます。
3つの値は 7452, 7056, 7956 最大は 7956 よって カ = 9, キ = 6
ク,ケ,コサ:正解 0,6,14(配点3)
<問題要旨>
7b5c = (6 × n)² となる b, c と自然数 n を求めます。
<考え方>
候補は前問までの3つの数だけです。それぞれが平方数かどうかを、近い整数の2乗と比べて確かめます。
候補は 7452, 7056, 7956 7056 = 84² (84 = 6 × 14) 7452 : 86² = 7396, 87² = 7569 → 平方数でない 7956 : 89² = 7921, 90² = 8100 → 平方数でない よって 7b5c = 7056 = (6 × 14)² ク = 0, ケ = 6, コサ = 14
シス:正解 24(配点2)
<問題要旨>
1188 の正の約数の個数を求めます。
<考え方>
素因数分解して、各素因数の指数に1を足したものを掛け合わせます。
1188 = 4 × 297
= 2² × 27 × 11
= 2² × 3³ × 11
約数の個数 = (2 + 1)(3 + 1)(1 + 1)
= 3 × 4 × 2 = 24
よって シス = 24
セソ:正解 16(配点2)
<問題要旨>
1188 の正の約数のうち、2の倍数であるものの個数を求めます。
<考え方>
約数を 2^p × 3^q × 11^r と書くと、2の倍数になるのは p が1以上のときです。p の選び方だけが減ります。
約数は 2^p × 3^q × 11^r と書ける p = 0, 1, 2 / q = 0, 1, 2, 3 / r = 0, 1 2の倍数 ⟺ p ≧ 1 すなわち p = 1, 2 の2通り 個数 = 2 × 4 × 2 = 16 よって セソ = 16
タ:正解 8(配点2)
<問題要旨>
1188 の正の約数のうち、4の倍数であるものの個数を求めます。
<考え方>
同じ考え方で、4の倍数になるのは p が2以上のときです。1188 に含まれる2は2個までなので p = 2 だけです。
4の倍数 ⟺ p ≧ 2 すなわち p = 2 の1通り 個数 = 1 × 4 × 2 = 8 よって タ = 8
チツ:正解 24(配点3)
<問題要旨>
1188 のすべての正の約数の積を2進法で表すと、末尾に0が何個連続して並ぶかを求めます。
<考え方>
2進法で末尾に0が k 個並ぶのは、その数が 2^k で割り切れて 2^(k+1) では割り切れないとき、つまり素因数2をちょうど k 個もつときです。約数の積は、小さい順と大きい順に組にすると計算できます。
約数を小さい順と大きい順に組にすると 1 × 1188, 2 × 594, 3 × 396, … どの組も積は 1188 約数は24個だから12組できる (すべての約数の積)= 1188¹² 1188 = 2² × 3³ × 11 だから 1188¹² = 2²⁴ × 3³⁶ × 11¹² 素因数2の個数はちょうど24 よって2進法で表すと末尾に0が24個並ぶ チツ = 24
第5問 〔選択問題〕 図形の性質(方べきの定理・メネラウスの定理と内心)
AB = 3、BC = 8、AC = 7 の三角形が舞台です。前半は円がからむので方べきの定理、そこからメネラウスの定理へつなぎます。後半は同じ三角形で ∠ABC = 60° を出し、内接円の半径と内心までの距離を求めます。前半と後半で使う道具がはっきり分かれています。
アイ:正解 28(配点3)
<問題要旨>
辺 AC 上に AD = 3 となる点 D をとり、△ABD の外接円と直線 BC の交点で B と異なるものを E とするとき、BC・CE の値を求めます。
<考え方>
円は A、B、D、E の4点を通ります。点 C から出る2本の直線がそれぞれ円と2点で交わっているので、方べきの定理がそのまま使えます。
円は A, B, D, E を通る 点 C を通る2直線 直線 CA … 円と A, D で交わる 直線 CB … 円と B, E で交わる 方べきの定理より CA × CD = CB × CE CD = AC − AD = 7 − 3 = 4 CA × CD = 7 × 4 = 28 よって BC・CE = 28(アイ = 28)
ウ/エ:正解 7/2(配点3)
<問題要旨>
CE の長さを求めます。
<考え方>
前問の積の値を BC = 8 で割るだけです。
BC × CE = 28、BC = 8 だから CE = 28 ÷ 8 = 7/2 よって ウ/エ = 7/2
オカ/キ:正解 12/7(配点3)
<問題要旨>
直線 AB と直線 DE の交点を F とするとき、BF/AF の値を求めます。
<考え方>
D は辺 AC 上、E は辺 BC 上、F は直線 AB 上にあり、この3点は一直線に並んでいます。△ABC と直線 DEF にメネラウスの定理を当てはめます。先に BE を出しておきます。
CE = 7/2 で E は線分 BC 上にあるから BE = BC − CE = 8 − 7/2 = 9/2 △ABC と直線 D-E-F にメネラウスの定理 (AF/FB) × (BE/EC) × (CD/DA) = 1 (AF/FB) × (9/2)/(7/2) × (4/3) = 1 (AF/FB) × (9/7) × (4/3) = 1 (AF/FB) × (12/7) = 1 AF/FB = 7/12 よって BF/AF = 12/7
クケ/コ:正解 21/5(配点3)
<問題要旨>
AF の長さを求めます。
<考え方>
BF/AF = 12/7 は1より大きいので BF のほうが長く、F は辺 AB の A 側の延長上にあります。したがって BF = AB + AF と書けます。
BF/AF = 12/7 > 1 だから BF > AF よって F は辺 AB の A 側の延長上にあり BF = AB + AF = 3 + AF (3 + AF)/AF = 12/7 7(3 + AF) = 12 AF 21 + 7 AF = 12 AF 21 = 5 AF AF = 21/5 よって クケ/コ = 21/5
サシ:正解 60(配点2)
<問題要旨>
∠ABC の大きさを求めます。
<考え方>
3辺の長さが分かっているので、余弦定理で cos∠ABC を出します。
余弦定理より AC² = AB² + BC² − 2 × AB × BC × cos∠ABC 49 = 9 + 64 − 2 × 3 × 8 × cos∠ABC 49 = 73 − 48 cos∠ABC 48 cos∠ABC = 24 cos∠ABC = 1/2 0° < ∠ABC < 180° だから ∠ABC = 60° よって サシ = 60
ス√セ/ソ:正解 2√3/3(配点3)
<問題要旨>
△ABC の内接円の半径を求めます。
<考え方>
面積を2通りに表します。2辺と間の角から面積を出し、内接円の半径 r と周の半分 s を使った S = r s と等しいとおきます。
S = (1/2) × AB × BC × sin60° = (1/2) × 3 × 8 × (√3/2) = 6√3 s = (3 + 8 + 7)/2 = 9 S = r s より 6√3 = 9 r r = 6√3/9 = 2√3/3 よって ス√セ/ソ = 2√3/3
タ√チ/ツ:正解 4√3/3(配点3)
<問題要旨>
△ABC の内心を I とするとき、BI の長さを求めます。
<考え方>
内心は角の二等分線上にあります。I から辺 BC に垂線を下ろすと、その長さが内接円の半径 r で、∠IBC は ∠ABC の半分の30°の直角三角形ができます。
内心 I は ∠ABC の二等分線上にある I から辺 BC に下ろした垂線の足を H とすると IH = r = 2√3/3 ∠IBH = 60° ÷ 2 = 30° 直角三角形 IBH で sin30° = IH / BI BI = IH ÷ sin30° = (2√3/3) ÷ (1/2) = 4√3/3 よって タ√チ/ツ = 4√3/3
※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

