2021年度 大学入学共通テスト 本試験「地学」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。
解答
解説
2021年度(令和3年度)大学入学共通テスト 本試験「地学」の全問解説です。第1問が18点、第2問が18点、第3問が21点、第4問が23点、第5問が20点で、あわせて100点満点。すべて必答で、解答番号は1〜29です。大問の中がA〜Cの文章に分かれているものは、この記事も分野ごとに見出しを分けています。各設問の見出しをタップすると、その問題の考え方と手順が開きます。まちがえた設問だけを選んで確認してください。
第1問 地球における水と多様な現象(気象・マグマ・アイソスタシー・地質時代・ハビタブルゾーン)
小問5題で18点。地球に水があることが、大気・岩石・氷河・生物・惑星環境のそれぞれにどう効いているかを、図1のノートに沿って1問ずつ確かめる構成です。計算問題は問3のアイソスタシーだけで、ここが取りどころになります。
問1:正解 ④(解答番号1/配点3)
<問題要旨>
図1中の影響A(海洋が大気の現象に影響を及ぼしていること)に関連して述べた文として最も適当なものを、①〜④のうちから選びます。
<考え方>
4つの文はいずれも「海洋と大気のやりとり」を述べています。事実として正しいかどうかを1つずつ判定していきます。
【① 亜熱帯高圧帯の海上】 下降気流が卓越して雲ができにくい → 降水量が少なく、蒸発量のほうが多い 「蒸発量は降水量よりも少ない」は逆 → 誤り 【② メキシコ湾流・北大西洋海流】 低緯度から高緯度へ暖水を運ぶ暖流 ヨーロッパの冬を温暖にしている 「冷涼な気候をもたらす」は逆 → 誤り 【③ 海陸風】 日中は陸のほうが暖まりやすい 陸上に上昇気流 → 陸の気圧が下がる 地上では海から陸へ吹く(海風) 「陸から海に向かって吹く」のは 夜間の陸風 → 誤り 【④ 冬の日本海】 シベリアからの冷たく乾いた季節風が 暖かい日本海の上を吹く → 下から熱と水蒸気を受け取り 対流雲が風の向きに並ぶ → 筋状の雲になる 衛星画像でおなじみの現象 → 正しい よって ④
問2:正解 ④(解答番号2/配点3)
<問題要旨>
図2(かんらん岩の融解曲線。水を含まない場合と水に飽和している場合の2本)中の点P・Qについて、「かんらん岩が部分融解しているのは、マントルが水を含まない場合は ア で、水に飽和している場合は イ である」の空欄の組合せを選びます。
<考え方>
融解曲線より高温側(右側)にあれば融けており、低温側(左側)なら固体のままです。曲線ごとに点P・Qがどちら側にあるかを見ます。
【図2 の読み取り(圧力 2×10⁹ Pa の高さ)】 水に飽和している場合の融解曲線(点線) … 約 1050 ℃ を通る 水を含まない場合の融解曲線(破線) … 約 1500 ℃ を通る 点P … 約 1200 ℃ 点Q … 約 1550 ℃ 【水を含まない場合(破線が境界)】 点P 1200 ℃ < 1500 ℃ → 固体 点Q 1550 ℃ > 1500 ℃ → 融けている ア = 点Qのみ 【水に飽和している場合(点線が境界)】 点P 1200 ℃ > 1050 ℃ → 融けている 点Q 1550 ℃ > 1050 ℃ → 融けている イ = 点Pと点Q 【この図が意味していること】 水が加わると融解温度が大きく下がる → 沈み込み帯では海洋プレートが 水を運び込むことでマントルが融け マグマができる よって ④
問3:正解 ②(解答番号3/配点4)
<問題要旨>
図3は氷期と現在の鉛直断面の模式図です。氷期には厚さ 3.0 km の氷河(0.93 g/cm³)が厚さ 35 km の地殻(2.7 g/cm³)を覆い、その下はマントル(3.3 g/cm³)です。氷河がとけて十分時間が経過した現在までの地殻の隆起量 H(km)を求めます。いずれの期間もアイソスタシーは成立しているとします。
<考え方>
アイソスタシーは「ある深さの面より上にのっている物質の重さが、どこでも等しい」という条件です。氷河の重さのぶんだけ地殻がマントルに沈み込んでいたので、その沈み込み量がそのまま隆起量になります。
【つり合いの立て方】
地殻の厚さ 35 km は前後で変わらない
変わるのは
氷期 … 氷河がのっている
現在 … 氷河が無い
氷河の重さ
= 押しのけていたマントルの重さ
【計算】
氷河がかけていた荷重
0.93 g/cm³ × 3.0 km = 2.79
沈み込み量 H を
マントル 3.3 g/cm³ が受けもつので
3.3 × H = 0.93 × 3.0
H = 2.79 ÷ 3.3
= 0.845 km
【検算(密度比で出す)】
H = 氷河の厚さ × (氷の密度÷マントルの密度)
= 3.0 × (0.93 ÷ 3.3)
= 3.0 × 0.282
= 0.85 km ✓
【選択肢との照合】
0.76 / 0.85 / 1.0 / 2.8
最も近いのは 0.85
(地殻の密度 2.7 は
ここでは使わないダミーの数値)
よって ②
問4:正解 ③(解答番号4/配点4)
<問題要旨>
図1中の影響Dに関連して、環境と生物について述べた文a・bの正誤の組合せを選びます。aは「約23億〜22億年前の全球凍結の間は生物にとって過酷な環境であったが、その凍結終了直後にエディアカラ生物群が現れた」、bは「約70万年前以降では氷期・間氷期がおよそ10万年周期でくり返し、それに伴って生物の分布や海水準が変動した」。
<考え方>
全球凍結は原生代に2回あり、それぞれの直後に起きた出来事が違います。年代を並べて突き合わせます。
【全球凍結は2つの時期にある】 ① 約23億〜22億年前(原生代前期) 直後に大気中の酸素が急増した (シアノバクテリアの光合成) ② 約7億〜6億年前(原生代後期) 直後にエディアカラ生物群が出現 (約6億年前の大型軟体生物群) aは ① の凍結に ② の出来事を つなげているので → a は誤 【b 第四紀の氷期・間氷期】 約70万年前以降 氷期と間氷期が約10万年周期で交代 (それ以前は約4万年周期だった) 氷期には大陸氷床が発達し 海水準が 100 m 以上低下した 生物の分布も南北に移動した → b は正 よって a誤・b正 の ③
問5:正解 ⑤(解答番号5/配点4)
<問題要旨>
図1中の影響Eに関連して、ハビタブルゾーンは「惑星が恒星から受けとる単位面積あたりの放射量が、太陽定数と同程度となる領域」と定義されています。A型星・M型星・太陽それぞれのハビタブルゾーンまでの距離を、短い順に並べた組合せを選びます。A型星とM型星は主系列星とします。
<考え方>
受けとる放射量は「恒星の光度 ÷ 距離の2乗」で決まります。同じ放射量になる距離は、光度が大きい恒星ほど遠くなります。主系列星の光度はスペクトル型(表面温度)で決まります。
【受けとる放射量】
放射量 ∝ 光度 L ÷ 距離² d²
これが太陽定数と等しくなる距離は
d ∝ √L
→ 光度が大きい恒星ほど
ハビタブルゾーンは遠くなる
【主系列星の光度(太陽=1)】
A型星 … 表面温度 約 10000 K
光度 数十倍
太陽(G型)… 光度 1
M型星 … 表面温度 約 3000 K
光度 100分の1以下
光度 M型星 < 太陽 < A型星
【距離の順】
d ∝ √L なので大小関係は光度と同じ
短い ← M型星 ・ 太陽 ・ A型星 → 長い
【選択肢との照合】
M型星 → 太陽 → A型星 の順は ⑤
よって ⑤
第2問 A 地磁気(磁北極の移動)
小問2題。図1の磁北極の移動曲線を題材に、角距離から実際の距離を出す計算と、移動の原因を問う知識問題が並びます。角距離を km に直す換算がこの節の山です。
問1:正解 ①(解答番号6/配点4)
<問題要旨>
1960〜1965年と2010〜2015年の各5年間に磁北極が移動した距離は、角距離でそれぞれ 0.31° と 2.4° です。各5年間に磁北極が移動した平均的な速さの組合せを選びます。地球は球と仮定し、角距離は地球の中心で測るものとします。
<考え方>
角距離 1° が地表で何 km にあたるかを先に出し、それを5年で割ります。地球の半径は約 6400 km です。
【角距離 1° あたりの距離】
地球の全周
= 2 × 3.14 × 6400 km
= 40200 km
1° = 40200 ÷ 360
= 111.7 km
【1960〜1965年】
0.31° × 111.7 = 34.6 km
5年間なので
34.6 ÷ 5 = 6.9 km/年
≒ 7 km/年
【2010〜2015年】
2.4° × 111.7 = 268 km
268 ÷ 5 = 53.6 km/年
≒ 53 km/年
【選択肢の見分け方】
7 と 53 の組合せは ① だけ
270 km/年 は「5年で割る」のを
忘れた値なので、ここに引っかからない
よって ①
問2:正解 ③(解答番号7/配点4)
<問題要旨>
文章中の下線部(a)「磁北極の移動する速さが急変しており」に関して、数十〜数千年の時間スケールで磁北極が移動する原因として最も適当なものを選びます。
<考え方>
選択肢の現象が、それぞれどのくらいの時間スケールで起こるかを並べて比べます。地球磁場そのものをつくっているのは何かを思い出すのが近道です。
【地磁気の成り立ち】 地球磁場は 外核(液体の鉄)の対流が電流を生み それが磁場をつくることで生じている (ダイナモ作用) → 外核の対流のようすが変われば 磁北極の位置も動く 【選択肢の時間スケール】 ① プレートの運動 数 cm/年 → 数百万年スケール 地磁気そのものは動かさない ② マントルの対流 数 cm/年 → 数億年スケール 遅すぎる ③ 外核の対流 液体金属が年に数十 km 動く → 数十〜数千年で変化する ✓ ④ 磁気嵐の発生 太陽風による外からの擾乱 数時間〜数日で収まる 短すぎる よって ③
第2問 B 地震(走時曲線からのP波速度)
小問1題。深さ 30 km で発生した地震のP波の走時曲線から、その地域のP波の速度を求めます。走時曲線の「震央距離 0 の切片」を使うのが最短ルートです。
問3:正解 ③(解答番号8/配点3)
<問題要旨>
図2は、ある地域において深さ 30 km で発生した地震について、P波の走時曲線(横軸 震央距離 0〜30 km、縦軸 P波到着までの時間 4〜8秒)を示したものです。この地域におけるP波の速度を選びます。P波の速度は一定、すべての観測点は水平な地表面上にあるものとします。
<考え方>
震央距離 0 の観測点は震源の真上にあるので、そこまでの震源距離は震源の深さそのものです。グラフの縦軸切片を読めば、深さ 30 km を何秒で伝わったかがわかります。
【震央距離 0 の点を読む】 図2 の縦軸切片 = 5.0 秒 震央距離 0 の観測点は震源の真上 → 震源距離 = 深さ = 30 km 【速度】 v = 30 km ÷ 5.0 秒 = 6.0 km/s 【検算:震央距離 30 km の点】 震源距離 = √(30² + 30²) = √1800 = 42.4 km 到着時間 = 42.4 ÷ 6.0 = 7.1 秒 図2 の右端の値と一致 ✓ 【他の選択肢を切る】 3.3 km/s … 30 ÷ 3.3 = 9.1 秒 5.0 km/s … 30 ÷ 5.0 = 6.0 秒 8.3 km/s … 30 ÷ 8.3 = 3.6 秒 いずれも切片 5.0 秒に合わない よって ③
第2問 C 隕石と鉱物・地球の元素組成
小問2題。石鉄隕石の構成成分と、マントルの元素組成を問います。問5は「地球全体」と「地殻」の2本の帯から、核を差し引いてマントルを推理する設問です。
問4:正解 ④(解答番号9/配点4)
<問題要旨>
隕石について述べた文章中の空欄ア・イに入る語の組合せを選びます。図3はある石鉄隕石Aの構成成分の割合で、石鉄隕石Aは ア とケイ酸塩鉱物でほぼ構成され、ケイ酸塩鉱物としてかんらん石が観察されます。かんらん石は化学組成が連続的に変化する イ の性質をもつ鉱物である、とあります。
<考え方>
隕石の3分類の名前がそのままヒントになります。かんらん石の化学組成については、Mg と Fe が置き換わる性質を思い出します。
【隕石の3分類】
鉄隕石 … ほぼ金属鉄(Fe-Ni)
石鉄隕石 … 金属鉄 と ケイ酸塩鉱物 が
およそ半分ずつ
石質隕石 … ほぼケイ酸塩鉱物
「石」+「鉄」
= ケイ酸塩鉱物 + 金属鉄
図3 でケイ酸塩鉱物と対になっている
→ ア = 金属鉄
(酸化鉄では「鉄隕石の鉄」にあたらない)
【かんらん石の化学組成】
(Mg, Fe)₂SiO₄
Mg₂SiO₄(苦土かんらん石)と
Fe₂SiO₄(鉄かんらん石)の間で
Mg と Fe が任意の割合で置き換わり
組成が連続的に変化する
このような結晶を 固溶体 という
→ イ = 固溶体
【多形との区別】
多形 … 同じ化学組成で結晶構造が違う
例)石墨とダイヤモンド(C)
紅柱石・珪線石・藍晶石(Al₂SiO₅)
組成が連続的に変わるのは固溶体
よって ④
問5:正解 ①(解答番号10/配点3)
<問題要旨>
図4は地球全体(Fe 31/O 30/Si 18/Mg 16/他 5)と地殻(O 46/Si 28/Al 8/Fe 6/Ca 5/他 7)の主要な元素の存在割合(重量比)です。マントルの主要な元素の存在割合を表したものとして最も適当なものを、4本の帯から選びます。
<考え方>
マントルをつくる岩石(かんらん岩)の主成分から考えます。選択肢はいずれも O 44 で始まるので、2番目以降の元素の並びで判断します。
【マントルをつくる鉱物】 かんらん岩が主体 かんらん石 (Mg, Fe)₂SiO₄ 輝石 (Mg, Fe)SiO₃ → 多い順に O、Mg、Si Fe は少量 【地球全体から核を差し引く】 地球全体の Fe 31 % の大部分は 核に集まっている(核はほぼ Fe-Ni) 核を除いたマントルでは Fe は 6 % 程度まで減り かわりに O と Mg の割合が上がる 【選択肢の並び】 ① O44 → Mg23 → Si21 → Fe6 ② O44 → Mg23 → Al21 → Si6 ③ O44 → Fe23 → Si21 → Al6 ④ O44 → Fe23 → Al21 → Mg6 ② Al が 21 % は多すぎる (Al は地殻でも 8 %) ③④ Fe 23 % では核と区別がつかない Mg が最下位なのもかんらん岩に合わない かんらん石・輝石の組成に合うのは ① よって ①
第3問 A 変成岩と造山帯(南極・昭和基地周辺の岩石)
小問2題。しま模様をもつ岩石標本のレポートを読み、岩石名とでき方、そして高温低圧型の広域変成作用で起こる現象を答えます。接触変成作用との区別がすべての鍵になります。
問1:正解 ②(解答番号11/配点4)
<問題要旨>
レポート中の空欄ア(岩石名 a 片麻岩/b 結晶片岩)と、イ(でき方 c 高温のマグマの貫入によって局所的に岩石が熱せられることで形成された/d 高温下で強く変形しながら鉱物が再結晶することで形成された)の組合せを選びます。標本は黒色じまに細粒から粗粒の角閃石や輝石、白色じまに粗粒の石英と長石を含み、大陸と大陸の衝突帯(造山帯)に位置します。
<考え方>
「粗粒」「角閃石・輝石」「大陸衝突帯」の3語で岩石名が決まります。でき方は広域変成作用か接触変成作用かの二択です。
【岩石名を決める】
しま模様(縞状構造)をもつ変成岩
結晶片岩 … 細粒、片理が細かい
低温高圧型に多い
片麻岩 … 粗粒、白黒の縞が明瞭
高温型に多い
本問の標本は
・粗粒の角閃石・輝石(黒色じま)
・粗粒の石英・長石(白色じま)
・約 850 ℃ の高温を経験
粗粒 + 高温 → 片麻岩
ア = a(片麻岩)
【でき方を決める】
c「マグマの貫入で局所的に熱せられた」
= 接触変成作用
ホルンフェルスや大理石ができる
縞模様はできない
d「高温下で強く変形しながら再結晶」
= 広域変成作用
変形が鉱物を並ばせて縞模様
(片麻状組織)をつくる
大陸と大陸の衝突帯に位置するので
広域変成作用
イ = d
よって ②
問2:正解 ③(解答番号12/配点3)
<問題要旨>
レポート中の下線部(a)「高温低圧型の広域変成岩」(圧力約 7×10⁸ Pa=深さ約 25 km、温度約 850 ℃)に関して、この広域変成作用によって起こる現象について述べた文として最も適当なものを選びます。
<考え方>
選択肢はいずれも「変化」ですが、必要な圧力・温度と、変成作用の種類が違います。7×10⁸ Pa は 0.7 GPa で、地学で扱う圧力としては高くありません。
【与えられた条件】 圧力 7×10⁸ Pa = 0.7 GPa (深さ 約 25 km) 温度 850 ℃ 広域変成作用(高温低圧型) 【① 石墨 → ダイヤモンド】 ダイヤモンドの安定領域は 数 GPa 以上(深さ 150 km 以上) 0.7 GPa では起こらない → 誤り 【② 石灰岩 → 結晶質石灰岩(大理石)】 大理石はマグマの熱による 接触変成作用の代表例 本問は広域変成作用 → 適当でない 【③ 紅柱石 → 珪線石】 どちらも Al₂SiO₅ の多形 紅柱石 … 低圧・中温で安定 珪線石 … 低圧・高温で安定 藍晶石 … 高圧で安定 0.7 GPa という低い圧力のまま 温度が 850 ℃ まで上がると 紅柱石の安定領域を超えて珪線石に変わる → 高温低圧型の変成作用そのものの現象 ✓ 【④ 泥岩 → ホルンフェルス】 ホルンフェルスは接触変成岩 → 適当でない よって ③
第3問 B 地質調査と古生物(走向・傾斜と地層の新旧)
小問4題。走向は南北、傾斜は東に45°という条件のもとで、地形図から凝灰岩層の対比と上下関係を読み取ります。問3・問4は「標高 + 東への距離」というひとつの量を計算すれば機械的に片づきます。
問3:正解 ③(解答番号13/配点3)
<問題要旨>
地点Bで見つかった凝灰岩層は、別の地点で見つかった凝灰岩層と同じものであることがわかりました。地点Bに見られた凝灰岩層が、ほかのどの地点にあらわれるかを選びます。図2は等高線(20〜70 m)と地点A〜Eの位置を示し、地層の走向は南北方向、傾斜は東に45°、断層・褶曲・地層の逆転・不整合はありません。
<考え方>
走向が南北なので、地層面は南北方向にまっすぐ伸び、東へ45°で下がっていきます。傾斜45°は「東へ 1 m 進むと 1 m 下がる」ということなので、(標高)+(東への距離)が等しい地点は同じ地層面の上にあります。
【図2 の読み取り】 等高線から各地点の標高 A … 40 m B … 30 m C … 20 m D … 30 m E … 60 m スケールバーから A を基準にした東への距離 A … 0 m B … 20 m C … 40 m D … 20 m E … 20 m 【判定に使う量】 走向 南北・傾斜 東45° なので 東へ x(m)進むと地層面は x(m)下がる 同じ地層面 ⇔ 標高 + 東への距離 が等しい A : 40 + 0 = 40 B : 30 + 20 = 50 C : 20 + 40 = 60 D : 30 + 20 = 50 E : 60 + 20 = 80 【対比】 B の 50 と同じ値になるのは D (A は 40、C は 60、E は 80) よって ③(地点D)
問4:正解 ①(解答番号14/配点4)
<問題要旨>
図2の地域に分布する凝灰岩層の上下の関係について、下位から上位の順に並べたものとして最も適当なものを選びます。
<考え方>
問3で使った「標高 + 東への距離」が、そのまま地層の上下を表します。地層の逆転はないと明記されているので、この値が大きいほど上位(新しい)です。
【問3 で求めた値】 A : 40 B : 50 D : 50 C : 60 E : 80 【値の意味】 地層面は 標高 + 東への距離 = 一定 という平面 この値が大きいほど もとの堆積面では上にあった層 地層の逆転はないので 値が大きい = 上位(新しい) 【下位から上位へ】 A(40) → B・D(50) → C(60) → E(80) 【選択肢と照合】 ① A → D → C … 40 → 50 → 60 ✓ ② A → E → C … 40 → 80 → 60 ✗ ③ C → E → A … 60 → 80 → 40 ✗ ④ C → D → A … 60 → 50 → 40 ✗ よって ①
問5:正解 ②(解答番号15/配点3)
<問題要旨>
文章中の下線部(b)「ある示準化石」に関連して、地点Aから見つかった化石の写真として最も適当なものを選びます。4枚の写真は、三葉虫、デスモスチルスの臼歯、トリゴニア、ビカリアのいずれかの化石です。なお、この地域の地層の年代は中生代とわかっています。
<考え方>
4つの化石はそれぞれ示準化石として時代が決まっています。中生代のものを1つ選び、写真の特徴と結びつけます。
【4つの示準化石の時代】 三葉虫 … 古生代 トリゴニア(三角貝)… 中生代 ビカリア … 新生代(新第三紀) デスモスチルス … 新生代(新第三紀) 地層は中生代 → トリゴニア 【写真の見分け方】 ① 体が縦にも横にも節に分かれ 頭部・胸部・尾部の三部構成 → 三葉虫 ② 三角形に近い形の二枚貝 太い成長肋が同心円状に並ぶ → トリゴニア ✓ ③ 円柱状の突起が数本まとまった ブロック状の歯 → デスモスチルスの臼歯 ④ 細長い円錐形の巻貝 表面にとげ状の突起 → ビカリア よって ②
問6:正解 ③(解答番号16/配点4)
<問題要旨>
文章中の下線部(c)「中生代」に関連して、中生代に生じた地殻変動について述べた文として最も適当なものを選びます。
<考え方>
選択肢に出てくる超大陸の名前と、その形成・分裂の時代を年表にして並べます。ロディニアとパンゲアの時期を取り違えないことが要点です。
【超大陸の年表】
ロディニア形成 … 約 10 億年前
(原生代)
ロディニア分裂 … 約 7 億年前
(原生代後期)
パンゲア形成 … 約 3 億年前
(古生代後期)
パンゲア分裂 … 約 2 億年前
(中生代 三畳紀末〜
ジュラ紀)
→ 大西洋が開き始める
【選択肢の判定】
① ロディニアの分裂
原生代の出来事 → 誤り
② インド大陸の衝突とヒマラヤ山脈
新生代(約 5000 万年前)→ 誤り
③ パンゲアの分裂と大西洋の形成
中生代 ✓
④ ロディニアの形成
原生代の出来事 → 誤り
よって ③
第4問 A 日本周辺の天候(梅雨・温帯低気圧・高層天気図)
小問3題。梅雨期のやませ、発達中の温帯低気圧の立体構造、地上天気図と 500 hPa 高層天気図の対応を問います。いずれも「向き」をひとつ取り違えると落とす設問です。
問1:正解 ④(解答番号17/配点4)
<問題要旨>
梅雨期の天候に関連して述べた文a・bの正誤の組合せを選びます。aは「オホーツク海高気圧が発達すると、北日本の太平洋側に暖かく湿った北東風(やませ)が吹きやすくなる」、bは「日本上空のジェット気流の南下に伴い、梅雨が明ける」。
<考え方>
どちらの文も、1語だけが誤りに差し替えられています。やませの性質と、梅雨明けのしくみを思い出します。
【a やませ】 オホーツク海高気圧は 冷たい海の上に発達する高気圧 そこから吹き出す北東風は 冷たく湿っている これが北日本の太平洋側に吹くと 低温・日照不足になり冷害を招く 「暖かく湿った」が誤り → a は誤 【b 梅雨明け】 梅雨前線は オホーツク海高気圧(寒気)と 太平洋高気圧(暖気)の境目にできる 夏に向かって太平洋高気圧が強まると 上空のジェット気流は 北上 し 前線も北へ押し上げられて梅雨が明ける 「南下」が誤り → b は誤 よって a誤・b誤 の ④
問2:正解 ③(解答番号18/配点3)
<問題要旨>
温帯低気圧について述べた文章中の空欄ア〜ウの組合せを選びます。「日本周辺で発達中の温帯低気圧では、地上の低気圧の中心に対して、対流圏上部の気圧の谷は ア 側に位置する。また、低気圧に伴う気温の高い領域で イ 側からの風が、気温の低い領域で ウ 側からの風が吹く。」
<考え方>
発達中の温帯低気圧は「上へ行くほど中心軸が西へ傾く」というのが基本形です。風の向きは、暖域と寒気側それぞれにどちらから空気が流れ込むかで決まります。
【ア 上層の気圧の谷の位置】 発達中の温帯低気圧は 高度が上がるほど中心軸が西へ傾く → 対流圏上部の気圧の谷は 地上の低気圧中心の 西 側 (谷の前面=東側で上昇流が強まり 地上の低気圧を発達させる) ア = 西 【イ・ウ 暖気域と寒気域の風】 北半球の低気圧は反時計回りに吹き込む 低気圧の南東側(暖域・気温が高い) 南から暖気が流れ込む → 南側からの風 低気圧の北西側(寒気側・気温が低い) 北から寒気が流れ込む → 北側からの風 イ = 南 ウ = 北 【組合せ】 ア 西 / イ 南 / ウ 北 よって ③
問3:正解 ③(解答番号19/配点3)
<問題要旨>
地上天気図と高層天気図との関係について述べた文章中の空欄エ(季節)とオ(図2のXかYか)の組合せを選びます。図1はある日の地上天気図、図2は同じ日の 500 hPa 等圧面の高層天気図で、この日は地上天気図と高層天気図の両方に表れる背の高い高気圧が南から日本を覆っています。
<考え方>
「背の高い高気圧が南から日本を覆う」という一文で季節が決まります。そのうえで、高層天気図のどちらに高気圧が表れているかを等高線の値で確かめます。
【エ 季節】 背の高い高気圧 = 地上から上空まで高気圧が続く これが南から日本を覆うのは 太平洋高気圧(小笠原高気圧) → エ = 夏 (冬のシベリア高気圧は 北西から張り出す背の低い高気圧で 上空はむしろ気圧の谷になる) 【オ 高層天気図】 図2 X 等高線 5100〜5760 m 日本付近は 5460 m 前後と低い 等高線が混みあい南北の傾きが急 → 冬型 図2 Y 等高線 5700〜5940 m 日本の南に 5940 m の閉じた高まり 等高線の間隔が広い → 夏型 500 hPa 面の高度が高い = その下の空気の層が暖かい → オ = Y 【組合せ】 エ 夏 / オ Y よって ③
第4問 B 海上の風と海洋表層の流動(エクマン輸送)
小問4題。エクマン輸送の向きから始まり、輸送量が風速と緯度でどう変わるか、海面の高まりの位置、エルニーニョと続きます。問5は「輸送量は風速の2乗に比例する」と気づけるかどうかで決まります。
問4:正解 ②(解答番号20/配点4)
<問題要旨>
文章中の空欄カ・キに入る語の組合せを選びます。「全体としての海水の輸送(エクマン輸送)の向きは、カ 半球ならば風下に向かって直角右向きである」「南半球のペルーの沖合は、同じ緯度の他の海域に比べて一般に海面水温が低い。これはこの海域に吹いている キ 風によるエクマン輸送がもたらす湧昇が一つの要因である」。
<考え方>
転向力(コリオリ力)の向きは半球で逆になります。ペルー沖に吹いているのは、南半球の低緯度の恒常風です。
【カ 半球】 転向力の向き 北半球 … 進行方向の右向き 南半球 … 進行方向の左向き エクマン輸送は 北半球 … 風下に向かって直角右 南半球 … 風下に向かって直角左 カ = 北 【キ ペルー沖の風】 ペルー沖は南半球の低緯度 吹いているのは貿易風 南半球の貿易風は 南東貿易風 キ = 南東 【湧昇のしくみ(確認)】 南米西岸に沿って南東風が吹く 南半球なので輸送は風下に向かって左 = 岸から沖向き 表層の海水が沖へ運ばれ その穴埋めに深層の冷たい水が上がる = 湧昇 → 同じ緯度の他の海域より水温が低い よって ②
問5:正解 ②(解答番号21/配点3)
<問題要旨>
図3(エクマン輸送量 m²/s が、風速 0〜20 m/s と緯度 10〜60° によってどう変化するかを示した等値線図)から読みとれることについて、文a・bの正誤の組合せを選びます。aは「同じ風速に対するエクマン輸送量は、低緯度ほど大きい」、bは「同じ緯度では、風速が2倍になるとエクマン輸送量も2倍になる」。
<考え方>
aは図を横(緯度方向)に、bは図を縦(風速方向)に読みます。bは等値線の間隔が上へ行くほど詰まっているかどうかを見ます。
【a 緯度方向に読む(横に見る)】 風速 12 m/s の高さで左右を比べると 緯度 10° … 3.5〜4.0 緯度 30° … 2.0 付近 緯度 60° … 1.0〜1.5 低緯度ほど値が大きい → a は正 (転向力は緯度が低いほど弱いので 同じ風でも海水がよく運ばれる) 【b 風速方向に読む(縦に見る)】 緯度 30° の線上で読むと 風速 約 5.8 m/s … 0.5 風速 約 8.2 m/s … 1.0 風速 約 11.6 m/s … 2.0 風速 約 16 m/s … 4.0 風速 8 → 16(2倍)で 輸送量は 1.0 → 約 4.0(4倍) 2倍ではない → b は誤 【なぜ4倍になるか】 エクマン輸送量は風の応力に比例し 風の応力は風速の2乗に比例する → 風速が2倍なら 輸送量は 2² = 4 倍 等値線が上へ行くほど詰まるのは このため よって a正・b誤 の ②
問6:正解 ③(解答番号22/配点3)
<問題要旨>
北半球の太平洋中緯度で、海面の最も高い海域が北太平洋中央部の西寄りに存在する理由として、関係のないものを選びます。
<考え方>
「関係のないもの」を選ぶ設問なので、3つは理由になり、1つだけが無関係です。海面の盛り上がりは亜熱帯還流(時計回りの大きな渦)がつくることを押さえます。
【海面が盛り上がるしくみ】 中緯度では偏西風、低緯度では貿易風 → その間の海域でエクマン輸送が収束 → 海水が集まって海面が盛り上がる → 亜熱帯還流(時計回り)ができる 【なぜ西寄りになるか(西岸強化)】 転向力の大きさは緯度によって変わる → 還流は西側で流れが速く幅が狭くなる (黒潮のような西岸境界流) → 海面の高まりも中央より西へ寄る 【選択肢の判定】 ① 地球が自転していること 転向力の原因そのもの → 関係あり ② 地球の形がほぼ球形であること 転向力の大きさが緯度で変わる原因 = 西岸強化の前提 → 関係あり ③ 地球が公転していること 公転は季節変化の原因であって 海面の高まりが西へ寄ることとは 関係しない → 関係なし ✓ ④ 太平洋の西側に陸があること 海水を受け止める西の境界が必要 → 関係あり よって ③
問7:正解 ④(解答番号23/配点3)
<問題要旨>
文章中の下線部(b)に関連して、エルニーニョ(現象)が発生すると、太平洋東部赤道域やペルー沖の海面水温は平年に比べて高くなります。エルニーニョ(現象)の発生に関連して、太平洋低緯度域で見られる変化として最も適当なものを選びます。
<考え方>
エルニーニョは「貿易風が弱まり、西部にたまっていた暖水が東へ広がる」現象です。その結果、対流活動の中心が東へ移ります。
【平常時】 貿易風(東風)が強い → 暖かい表層水が西部へ吹き寄せられる 西部(インドネシア付近) 高水温・気圧が低い・雨が多い 東部(ペルー沖) 湧昇が強く低水温 【エルニーニョ時】 貿易風が弱まる → 暖水が東へ広がる → 東部の湧昇も弱まり水温が上がる → 積乱雲が発達する場所が東へ移動 【選択肢の判定】 ① インドネシアでの降水量の増加 対流の中心が東へ移るので減少 → 誤り ② 貿易風の強化 弱まるのが原因 → 誤り ③ 赤道域での湧昇の強化 弱まる → 誤り ④ 太平洋西部赤道域での海面気圧の上昇 対流が弱まるぶん気圧が上がる (南方振動そのもの)→ 正しい よって ④
第5問 A 銀河系と銀河(ダークマター・セファイド・赤方偏移)
小問4題。ダークマターの見つけ方から始まり、セファイド型変光星による距離測定、活動的な銀河、赤方偏移からの後退速度と続きます。問2と問4は式に代入するだけの計算問題です。
問1:正解 ③(解答番号24/配点3)
<問題要旨>
ダークマターについて述べた文a・bの正誤の組合せを選びます。aは「銀河系のダークマターを直接的に観測することは、可視光では不可能だが、電波では可能である」、bは「銀河系の回転曲線を調べることによって、銀河系のダークマターの存在を知ることができる」。
<考え方>
ダークマターの定義に立ち返ります。「暗い(ダーク)」が何を意味するかを確認すれば、a は決まります。
【a ダークマターの定義】 ダークマターは 電磁波を出さず、吸収も反射もしない物質 可視光でも電波でも 赤外線でもX線でも見えない (見えないから「ダーク」) 「電波では可能」が誤り → a は誤 【b 回転曲線からの推定】 回転曲線 = 銀河中心からの距離と その場所の回転速度の関係 見えている星やガスだけで考えると 外側ほど回転速度は遅くなるはず (ケプラー回転) 実際には外側でも速度が落ちない → 見えない質量が外側に広く 分布していることになる これがダークマター発見の根拠 → b は正 よって a誤・b正 の ③
問2:正解 ③(解答番号25/配点3)
<問題要旨>
図1はケフェウス座δ型変光星(セファイド型変光星)である天体Aの見かけの等級の時間変化で、1周期あたりの平均の見かけの等級はおよそ 14.5 等級と読み取れます。図2の周期光度関係を用いて、天体Aまでの距離がおよそ何パーセクかを選びます。
<考え方>
セファイドは「変光周期がわかれば絶対等級がわかる」変光星です。図1から周期、図2から絶対等級を読み、距離指数の式に入れます。
【図1 から変光周期を読む】
最も明るい(等級が小さい)時刻
約 0 日 … 約 14.0 等
約 30 日 … 約 14.0 等
変光周期 = 30 日
【図2 から絶対等級を読む】
変光周期 30 日 のところで
曲線の値は 約 −5 等級
M = −5
【距離指数から距離を出す】
m − M = 5 log₁₀ d − 5
m = 14.5、M = −5 なので
m − M = 14.5 −(−5)
= 19.5
19.5 = 5 log₁₀ d − 5
24.5 = 5 log₁₀ d
log₁₀ d = 4.9
d = 10⁴·⁹
≒ 7.9×10⁴ パーセク
【選択肢と照合】
1×10³ / 1×10⁴ / 1×10⁵ / 1×10⁶
7.9×10⁴ に最も近いのは 1×10⁵
よって ③
問3:正解 ②(解答番号26/配点4)
<問題要旨>
活動的な銀河に関する文a・bの正誤の組合せを選びます。aは「通常の銀河に比べて非常に強い電波を放射している電波銀河には、中心部から細くのびたジェットが観測されているものがある」、bは「1000億光年より遠方の距離にあるクェーサーも観測されている」。
<考え方>
b は具体的な数字が入っているので、宇宙の年齢から見て観測できる範囲かどうかを確かめます。
【a 電波銀河】 中心の巨大ブラックホールから 細く絞られたジェットが噴き出し その先に巨大な電波ローブが広がる 実際に観測されている構造 → a は正 【b 1000億光年より遠方】 宇宙の年齢は約 138 億年 宇宙誕生から現在までに 光が走れる距離には限りがあり 観測できるのはその範囲内 最も遠いクェーサーでも 130 億光年程度 1000 億光年先の天体は 観測されていない → b は誤 よって a正・b誤 の ②
問4:正解 ④(解答番号27/配点3)
<問題要旨>
ある銀河のスペクトルを観測したとき、本来の波長が 656 nm である水素原子の Hα 線が、赤方偏移の効果によって 678 nm に観測されました。この銀河のおよその後退速度を 1×10ア km/s と推定するとき、アに入る数値を①〜⑨のうちから選びます。光速は 3×10⁵ km/s とします。
<考え方>
赤方偏移では「波長のずれの割合」と「後退速度の光速に対する割合」が等しくなります。この関係に代入するだけです。
【使う式】
Δλ ÷ λ = v ÷ c
λ … 本来の波長 656 nm
Δλ … ずれ 678 − 656 = 22 nm
c … 光速 3×10⁵ km/s
【計算】
Δλ ÷ λ = 22 ÷ 656
= 0.0335
v = 0.0335 × 3×10⁵
= 1.0×10⁴ km/s
【指数を読む】
1×10⁴ km/s なので
ア = 4
【桁の感覚(確認)】
ずれの割合が約 3.4 %
→ 光速の約 3.4 %
→ 30 万 km/s の 3.4 % は 約 1 万 km/s ✓
よって ④
第5問 B 恒星と星団(HR図の読み取り)
小問2題。2つの星団のHR図を比べる会話文です。散開星団と球状星団の見分けは、主系列の上端がどこで折れているかで決まります。
問5:正解 ①(解答番号28/配点4)
<問題要旨>
会話文中の空欄イ(恒星の進化や寿命を主に決めるもの)とウ(星団Yの種類)に入る語の組合せを選びます。図3では、星団Xは主系列に並んだ星ばかりであるのに対し、星団Yは散らばりが大きく、高温の主系列星がほとんどありません。
<考え方>
イ は恒星進化の基本です。ウ は、高温の主系列星が残っているかどうかで星団の年齢を判定します。
【イ 恒星の進化と寿命を決めるもの】 恒星の一生は 生まれたときの質量でほぼ決まる 質量が大きい星ほど 中心が高温高圧になり 核融合が激しく進む → 明るいが寿命は短い イ = 質量 【ウ 星団Yの種類】 散開星団 数十〜数百個がまばらに集まる 若い(数千万〜数億年) 高温の主系列星が残っている 銀河系の円盤部に分布 球状星団 数万〜数百万個が球状に密集 古い(100 億年程度) 高温の主系列星は寿命を終えている 銀河系のハローに分布 星団Y は高温の主系列星がほとんどなく 散らばりが大きい(赤色巨星が目立つ) → 古い星団 ウ = 球状 【星団X の確認】 主系列が高温側までそろっている → 若い散開星団と読める よって ①
問6:正解 ④(解答番号29/配点3)
<問題要旨>
会話文中の下線部(a)「星団Yには高温の主系列星がほとんどないね」の理由として最も適当なものを選びます。
<考え方>
恒星は主系列を離れると巨星へ進化します。「高温の主系列星がない」のは、生まれていないからではなく、すでに主系列を離れてしまったからです。
【恒星の進化の道筋】 主系列星 → 中心の水素を使い果たす → 膨張して表面温度が下がる → 赤色巨星 主系列星どうしの間を 「低温 → 高温」と移動することはない 【寿命の違い】 高温(大質量)の主系列星 寿命 数百万〜数千万年 低温(小質量)の主系列星 寿命 100 億年以上 星団の星はほぼ同時に生まれるので 時間がたつほど 高温の星から順に主系列を離れていく 【選択肢の判定】 ① 低温の巨星 → 高温の主系列星 進化の向きが逆 → 誤り ② 低温の主系列星 → 高温の主系列星 そのような進化はしない → 誤り ③ 高温の主系列星 → 低温の主系列星 主系列に沿って移動はしない → 誤り ④ 高温の主系列星 → 低温の巨星 実際の進化の道筋 ✓ 【HR図での見え方】 主系列の高温側が途中で切れ そこから右上(低温・高光度)へ 赤色巨星の列が伸びる この折れ曲がりを転向点といい 星団の年齢の目安になる よって ④
※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

