2021年度 大学入学共通テスト 本試験 数学Ⅰ・A 解答・解説

2021年度 大学入学共通テスト 本試験「数学Ⅰ・A」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。

目次
スポンサーリンク

解答

解説

2021年度 大学入学共通テスト 本試験「数学Ⅰ・数学A」の全設問について、正解と考え方を解説します。第1問・第2問は必答、第3問〜第5問は2問を選択して解答します(計4問・100点)。各設問の見出しをタップすると解説が開きます。

第1問 〔1〕 2次方程式(解の公式と、解が有理数になる条件)

係数に文字 c を含む2次方程式を、c を具体的な値にしながら調べていく設問です。(3) は「解が有理数になる」を「解の公式の根号の中が平方数になる」と読み替えられるかが勝負どころで、花子さんの発言がそのままヒントになっています。

(アx+イ)(x−ウ):正解 (2x+5)(x−2)(配点2)

<問題要旨>
c = 1 のとき、① 2x² + (4c−3)x + 2c² − c − 11 = 0 の左辺を因数分解します。

<考え方>
c = 1 を代入すると 2x² + x − 10。たすき掛けで (2x + 5)(x − 2) と分解できます。よって解は x = −5/2, 2 です。

2x² + (4·1 − 3)x + 2·1² − 1 − 11
= 2x² + x − 10
= (2x + 5)(x − 2)
(−エ±√オカ)/キ:正解 (−5±√65)/4(配点2)

<問題要旨>
c = 2 のときの ① の解を求めます。

<考え方>
c = 2 を代入して 2x² + 5x − 5 = 0。因数分解できないので解の公式を使います。

D = 5² − 4·2·(−5) = 25 + 40 = 65
x = (−5 ± √65) / 4
(ク+√ケコ)/サ:正解 (5+√65)/2(配点2)

<問題要旨>
大きい方の解を α として 5/α を求めます。

<考え方>
α = (−5+√65)/4 をそのまま代入し、分母を有理化します。√65 の同類項が消えて分母が 40 になるのが気持ちのよいところです。

5/α = 20 / (−5 + √65)
    = 20(√65 + 5) / ((√65)² − 5²)
    = 20(√65 + 5) / 40
    = (5 + √65) / 2
シ:正解 6(配点2)

<問題要旨>
m < 5/α < m+1 を満たす整数 m を求めます。

<考え方>
√65 の大きさを押さえます。8² = 64、9² = 81 なので 8 < √65 < 9。より細かく 8.06 程度です。

5/α = (5 + √65)/2 ≒ (5 + 8.06)/2 ≒ 6.53
6 < 6.53 < 7  →  m = 6
ス:正解 3(配点2)

<問題要旨>
① の解が異なる二つの有理数になるような正の整数 c の個数を求めます。

<考え方>
解の公式の根号の中(判別式)が「正の平方数」になればよい、と読み替えます。判別式を c で整理すると c の1次式になり、範囲がすぐ絞れます。

D = (4c − 3)² − 8(2c² − c − 11)
  = 16c² − 24c + 9 − 16c² + 8c + 88
  = −16c + 97

D > 0 より c ≤ 6。c = 1〜6 を調べる
 c=1 → 81 = 9²  ○
 c=2 → 65        ×
 c=3 → 49 = 7²  ○
 c=4 → 33        ×
 c=5 → 17        ×
 c=6 →  1 = 1²  ○

よって 3 個

第1問 〔2〕 図形と計量(三角形の外側に正方形をかいた図形)

△ABC の外側に3つの正方形をかき、そのすき間にできる3つの三角形を調べる設問です。かなめは「はさむ角が 180°−A になる」という一点で、これに気づくと面積も外接円の半径もすべて余弦定理と正弦定理だけで片づきます。

セ/ソ:正解 4/5(配点2)

<問題要旨>
b = 6, c = 5, cos A = 3/5 のときの sin A を求めます。

<考え方>
sin²A + cos²A = 1 に代入します。0° < A < 180° なので sin A > 0 です。

sin²A = 1 − (3/5)² = 16/25
sin A = 4/5
タチ:正解 12(配点2)

<問題要旨>
△ABC の面積を求めます。

<考え方>
2辺とそのはさむ角がわかっているので、S = (1/2)bc sin A をそのまま使います。

S = (1/2)·6·5·(4/5) = 12
ツテ:正解 12(配点2)

<問題要旨>
△AID の面積を求めます。

<考え方>
AD は正方形 ADEB の辺なので AD = AB = c = 5、AI は正方形 CHIA の辺なので AI = AC = b = 6 です。はさむ角 ∠IAD は、点 A のまわりの角 360° から ∠A と直角2つを引いて 180°−A になります。sin(180°−A) = sin A なので、結局 △ABC と同じ式になります。

∠IAD = 360° − 90° − 90° − A = 180° − A
△AID = (1/2)·AD·AI·sin(180°−A)
     = (1/2)·5·6·sin A = (1/2)·5·6·(4/5) = 12
ト:正解 ②(配点1)

<問題要旨>
0° < A < 90° のときの S₁ − S₂ − S₃ の符号を答えます。

<考え方>
S₁ = a², S₂ = b², S₃ = c² なので、余弦定理そのものが顔を出します。

a² = b² + c² − 2bc cos A  より
S₁ − S₂ − S₃ = a² − b² − c² = −2bc cos A

0° < A < 90° では cos A > 0 → 負の値
ナ:正解 ⓪(配点1)

<問題要旨>
A = 90° のときの S₁ − S₂ − S₃ の符号を答えます。

<考え方>
cos 90° = 0 なので −2bc cos A = 0。三平方の定理そのものです。

ニ:正解 ①(配点1)

<問題要旨>
90° < A < 180° のときの S₁ − S₂ − S₃ の符号を答えます。

<考え方>
この範囲では cos A < 0 なので −2bc cos A > 0、すなわち正の値です。

ヌ:正解 ③(配点3)

<問題要旨>
△AID, △BEF, △CGH の面積 T₁, T₂, T₃ の関係を選びます。

<考え方>
ツテ と同じ計算を3つとも行うと、いずれも △ABC の面積に一致します。a, b, c の値によらず等しくなります。

T₁ = (1/2)·c·b·sin(180°−A) = (1/2)bc sin A = △ABC
T₂ = (1/2)·c·a·sin(180°−B) = (1/2)ca sin B = △ABC
T₃ = (1/2)·a·b·sin(180°−C) = (1/2)ab sin C = △ABC

よって a, b, c によらず T₁ = T₂ = T₃
ネ:正解 ②(配点2)

<問題要旨>
0° < A < 90° のとき、ID と BC の大小を比べます。

<考え方>
△AID と △ABC のそれぞれで余弦定理を立て、差をとります。cos の符号が入れ替わるところがポイントです。

ID² = b² + c² − 2bc cos(180°−A) = b² + c² + 2bc cos A
BC² = a² = b² + c² − 2bc cos A

ID² − BC² = 4bc cos A > 0(0° < A < 90°)
よって ID > BC
ノ:正解 ②(配点2)

<問題要旨>
△AID と △ABC の外接円の半径を比べます。

<考え方>
正弦定理で半径を書き出すと、分母の sin が同じになるので、比較は ID と BC の比較にそのまま帰着します。

△AID の外接円の半径 = ID / (2 sin(180°−A)) = ID / (2 sin A)
△ABC の外接円の半径 = BC / (2 sin A)

ID > BC だったので (△AID の半径) > (△ABC の半径)
ハ:正解 ⓪(配点2)

<問題要旨>
0° < A < B < C < 90° のとき、外接円の半径が最も小さい三角形を選びます。

<考え方>
ネ・ノ の議論は A を B や C に置き換えてもそのまま通ります。すべての角が鋭角なら、外側の3つの三角形はどれも △ABC より外接円が大きくなります。

A, B, C がすべて鋭角 → cos > 0
→ △AID, △BEF, △CGH の外接円はいずれも △ABC より大きい
→ 最も小さいのは △ABC
ヒ:正解 ③(配点2)

<問題要旨>
0° < A < B < 90° < C のとき、外接円の半径が最も小さい三角形を選びます。

<考え方>
C だけが鈍角なので、cos C < 0 となり、C を頂点にもつ △CGH だけ不等号の向きが逆になります。

GH² − AB² = 4ab cos C < 0(C は鈍角)→ GH < AB
△CGH の半径 = GH/(2 sin C) < AB/(2 sin C) = △ABC の半径

A, B は鋭角なので △AID, △BEF は △ABC より大きい
→ 最も小さいのは △CGH

第2問 〔1〕 2次関数(100m走のストライドとピッチ)

ストライドとピッチの積が平均速度になる、という一点さえ押さえれば、あとは2次関数の最大値の問題です。定義域の下限 2.00 は「ピッチが最大値 4.80 を超えない」という条件から出てくるので、そこを落とさないようにします。

ア:正解 ②(配点3)

<問題要旨>
ストライド x とピッチ z を用いて平均速度を表します。

<考え方>
ピッチは「1 秒あたりの歩数」、ストライドは「1 歩あたりの距離」なので、掛けると「1 秒あたりの距離」=平均速度になります。よって xz です。単位で確認すると (m/歩)×(歩/秒) = m/秒 となり、辻褄が合います。

イウ x+エオ/5:正解 −2x+44/5(配点3)

<問題要旨>
ピッチ z をストライド x の1次関数として表します。

<考え方>
「ストライドが 0.05 大きくなるとピッチが 0.1 小さくなる」が傾きです。表の 1 回目 (2.05, 4.70) を通ることから切片を決めます。

傾き = −0.1 / 0.05 = −2
z = −2x + b に (x, z) = (2.05, 4.70) を代入
4.70 = −4.10 + b  →  b = 8.80 = 44/5

z = −2x + 44/5
カ.キク:正解 2.00(配点2)

<問題要旨>
② が成り立つ範囲での x の下限を求めます。

<考え方>
上限は「ストライドの最大値 2.40」がそのまま使えます。下限は「ピッチが最大値 4.80 を超えない」という条件から出てきます。

z ≤ 4.80
−2x + 8.80 ≤ 4.80
2x ≥ 4  →  x ≥ 2.00

よって 2.00 ≤ x ≤ 2.40
ケ.コサ:正解 2.20(配点3)

<問題要旨>
y = xz を最大にする x を求めます。

<考え方>
② を代入すると y は x の2次関数になります。上に凸なので頂点で最大。頂点の x が定義域 2.00 ≤ x ≤ 2.40 の中にあることを必ず確かめます。

y = x(−2x + 44/5) = −2x² + (44/5)x
軸: x = (44/5) / (2·2) = 44/20 = 2.20
2.00 ≤ 2.20 ≤ 2.40 なので、この x で最大
シ.スセ:正解 4.40(配点2)

<問題要旨>
そのときのピッチを求めます。

<考え方>
x = 2.20 を ② に代入するだけです。

z = −2(2.20) + 8.80 = 4.40
ソ:正解 ③(配点2)

<問題要旨>
そのときのタイムを選択肢から選びます。

<考え方>
① タイム = 100/(xz) に、いま求めた値を入れます。

xz = 2.20 × 4.40 = 9.68
タイム = 100 / 9.68 = 10.330…  →  10.33

第2問 〔2〕 データの分析(三つの産業の就業者数割合)

箱ひげ図・ヒストグラム・散布図を横断して読む設問です。数値計算はほとんどなく、「どの統計量が図のどこに現れるか」を正確に対応づけられるかどうかがすべてになります。最後の (4) は、男性割合と女性割合の和が 100 になることに気づけば、計算せずに図の上下反転として答えが出ます。

タ,チ:正解 ①,③(配点4・各2)

<問題要旨>
図1の箱ひげ図から読み取れることとして正しくないものを二つ選びます。

<考え方>
「どの時点でも」「後の時点になるにしたがって」という全称・単調性の主張なので、反例が一つでも見つかれば誤りです。端から順に確かめるのではなく、崩れやすそうな時点を狙って探します。

① 第1次産業のひげは、どの時点でも左が長い
  → 1990 年度は 左のひげ ≒ 5.2、右のひげ ≒ 6.9 で右の方が長い。誤り

③ 第2次産業の第1四分位数は後の時点ほど減少する
  → 1975 年度 ≒ 24.8 → 1980 年度 ≒ 26.5 と増加している。誤り

(⓪ ② ④ ⑤ はいずれも図と矛盾しない)
ツ:正解 ①(配点2)

<問題要旨>
1985 年度のヒストグラムを選びます。

<考え方>
箱ひげ図から五数要約を読み、47 都道府県のうち第 12 番目が第1四分位数、第 24 番目が中央値、第 36 番目が第3四分位数であることを使って、ヒストグラムの累積度数と突き合わせます。

1985 年度(図1 より)
 第1次: 最小 0, Q1 ≒ 7.7, 中央値 ≒ 12.4, Q3 ≒ 18.4, 最大 ≒ 25.3
 第3次: 最小 ≒ 44.8, 中央値 ≒ 53.4, Q3 ≒ 58.5, 最大 ≒ 69.5

① の第1次: 6, 11, 11, 12, 6, 1(0〜30 を 5 刻み)
 累積 6, 17, 28, 40, 46, 47
 第12番目 → 5〜10、第24番目 → 10〜15、第36番目 → 15〜20
 最大の階級は 25〜30
 → すべて一致。最大値が 25 を超えることが決め手
テ:正解 ④(配点3)

<問題要旨>
1995 年度のヒストグラムを選びます。

<考え方>
同じ手順です。1995 年度は第1次産業が 20 未満に収まり、第3次産業が 50 以上に固まっているのが特徴です。

1995 年度(図1 より)
 第1次: 最小 0, Q1 ≒ 4.9, 中央値 ≒ 8.1, Q3 ≒ 12.6, 最大 ≒ 16.5
 第3次: 最小 ≒ 50.9, Q1 ≒ 54.8, 中央値 ≒ 58.1, Q3 ≒ 63.2, 最大 ≒ 73.5

④ の第1次: 11, 18, 16, 2  → 累積 11, 29, 45, 47
  第12番目 → 5〜10、第24番目 → 5〜10、第36番目 → 10〜15、最大 15〜20
④ の第3次: 13, 13, 13, 6, 2(50〜75)→ 累積 13, 26, 39, 45, 47
  第12番目 → 50〜55、第24番目 → 55〜60、第36番目 → 60〜65
 → すべて一致
ト:正解 ⑤(配点3)

<問題要旨>
1975 年度を基準にしたときの 2015 年度の相関の変化について、(I)(II)(III) の正誤の組合せを選びます。

<考え方>
「相関が強くなった」=相関係数の絶対値が大きくなった、つまり点が直線に近く集まるようになった、と読みます。図2 と図3 の対応する散布図を並べて、ばらつき方だけを見比べます。

(I) 第1次と第2次
 1975: はっきりした右下がりの帯 → 相関は強い
 2015: 全体に散らばった雲 → 弱くなった  … 誤

(II) 第2次と第3次
 1975: ほとんど傾向のない雲 → 弱い
 2015: きれいな右下がりの帯 → 強くなった  … 正

(III) 第3次と第1次
 1975: 右下がりでまとまっている
 2015: 右下がりだがばらつきが増えた → 弱くなった  … 誤

(誤, 正, 誤)の組合せ
ナ:正解 ②(配点3)

<問題要旨>
第1次産業の就業者数割合(横軸)と、女性の就業者数割合(縦軸)の散布図を選びます。

<考え方>
男性の就業者数と女性の就業者数を足すと全体になるので、(女性の割合)= 100 −(男性の割合)です。したがって求める散布図は、図4 を上下にひっくり返したものになります。横方向の位置はまったく動きません。

女性の割合 = 100 − 男性の割合
→ 図4 の各点を、横位置はそのままに上下反転した図

・図4 は右下がり → 反転すると右上がり
・図4 で最も高い左端の2点 → 反転後は左端の最も低い2点
・図4 で最も低い右端の点  → 反転後は右上すみの孤立点

これらをすべて満たすのは ②
(③ は左右を反転した図なので、点の並びが合わない)

第3問 確率(当たりくじの箱を条件付き確率で当てる)

当たる確率の異なる箱を選び、3 回中ちょうど 1 回当たったという結果から、どの箱だったかを条件付き確率で推定する設問です。「箱を選ぶ確率は全部同じ」なので、条件付き確率の比は 3 回中 1 回当たる確率の比にそのまま一致します。この事実に気づけば (4) は計算せずに大小だけで答えが出ます。

ア/イ:正解 3/8(配点2)

<問題要旨>
当たる確率 1/2 の箱 A で、3 回中ちょうど 1 回当たる確率を求めます。

<考え方>
反復試行の確率です。当たる回を選ぶ 3 通りに、当たり 1 回・はずれ 2 回の確率を掛けます。

₃C₁ (1/2)¹ (1/2)² = 3 × 1/8 = 3/8
ウ/エ:正解 4/9(配点3)

<問題要旨>
当たる確率 1/3 の箱 B で、3 回中ちょうど 1 回当たる確率を求めます。

<考え方>
同じく反復試行です。はずれの確率が 2/3 になります。

₃C₁ (1/3)¹ (2/3)² = 3 × (1/3) × (4/9) = 4/9
オカ/キク:正解 27/59(配点3)

<問題要旨>
3 回中ちょうど 1 回当たったとき、選んだ箱が A である条件付き確率を求めます。

<考え方>
P(A∩W) と P(B∩W) をそれぞれ出し、その和が P(W) です。分母を 144 にそろえると見通しがよくなります。

P(A∩W) = (1/2)(3/8) = 3/16 = 27/144
P(B∩W) = (1/2)(4/9) = 2/9  = 32/144
P(W)   = 59/144

P_W(A) = (27/144)/(59/144) = 27/59
ケコ/サシ:正解 32/59(配点2)

<問題要旨>
同じ条件のもとで、選んだ箱が B である条件付き確率を求めます。

<考え方>
A と B の二つしかないので、1 − 27/59 でも出ますし、同じ分母で読み取っても構いません。

P_W(B) = (32/144)/(59/144) = 32/59
(27/59 + 32/59 = 1 で検算できる)
ス:正解 ③(配点3)

<問題要旨>
P_W(A) と P_W(B) について成り立つ関係を選びます。

<考え方>
27/59 と 32/59 の比は 27 : 32、① と ② の確率 3/8 と 4/9 の比も 27/144 : 32/144 = 27 : 32 です。分母の P(W) が共通なので、比だけが生き残ります。和や積は一致しません。

セソタ/チツテ:正解 216/715(配点4)

<問題要旨>
箱が A, B, C の三つ(当たる確率 1/2, 1/3, 1/4)の場合に、選んだ箱が A である条件付き確率を求めます。

<考え方>
箱を選ぶ確率が 1/3 ずつで共通なので、事実(*) の通り「3 回中ちょうど 1 回当たる確率の比」がそのまま答えの比になります。三つの分数を通分して比を整数にします。

箱C: ₃C₁ (1/4)(3/4)² = 3 × (1/4)(9/16) = 27/64

3/8 : 4/9 : 27/64 を分母 576 にそろえると
 216 : 256 : 243

P = 216 / (216 + 256 + 243) = 216/715
ト:正解 ⑧(配点3)

<問題要旨>
箱が A, B, C, D の四つ(当たる確率 1/2, 1/3, 1/4, 1/5)のとき、可能性の高い順に並べます。

<考え方>
条件付き確率の比は「3 回中ちょうど 1 回当たる確率」の比なので、その値の大小を比べるだけで順序が決まります。条件付き確率そのものを計算する必要はありません。

箱D: ₃C₁ (1/5)(4/5)² = 3 × (1/5)(16/25) = 48/125

A: 3/8   = 0.375
B: 4/9   = 0.4444…
C: 27/64 = 0.4218…
D: 48/125= 0.384

大きい順に B > C > D > A

第4問 整数の性質(円周上を動く石と不定方程式)

円周上に並べた 15 個の点の上を石が動く設定を、不定方程式 5x − 3y = n に翻訳する設問です。(3) からは「15 個先に進むと元に戻る」という周期性が効いてきて、5x − 3y = 8 だけでなく 8 に 15 の倍数を足し引きした式も候補になります。ここに気づけるかが分かれ目です。

ア:正解 2(配点1)

<問題要旨>
さいころを 5 回投げて石を P₀ から P₁ に動かすとき、偶数の目が出る回数を求めます。

<考え方>
偶数で +5、奇数で −3 なので、移動量は 5x − 3y。P₁ に着くので 5x − 3y = 1、投げる回数から x + y = 5 です。

5x − 3y = 1,  x + y = 5
y = 5 − x を代入して 5x − 3(5 − x) = 1
8x = 16  →  x = 2, y = 3
イ:正解 3(配点1)

<問題要旨>
同じ場面で奇数の目が出る回数を求めます。

<考え方>
上の連立から y = 3 です。検算すると 5·2 − 3·3 = 1 で、確かに P₁ に到達します。

ウ,エ:正解 3,5(配点3)

<問題要旨>
5x − 3y = 8 のすべての整数解を、k を整数として表します。

<考え方>
5x − 3y = 1 の解 (2, 3) を 8 倍すると (16, 24) が一つの解になります。一般解は、5 と 3 が互いに素なので x に 3k、y に 5k を足した形です。

x = 2×8 + 3k,  y = 3×8 + 5k

検算: 5(16 + 3k) − 3(24 + 5k)
    = 80 + 15k − 72 − 15k = 8  ○
オ:正解 4(配点2)

<問題要旨>
0 ≤ y < 5 を満たす整数解の x を求めます。

<考え方>
y = 24 + 5k を 0 以上 5 未満にする k を探します。

0 ≤ 24 + 5k < 5  →  k = −4
x = 16 + 3(−4) = 4
カ:正解 4(配点2)

<問題要旨>
そのときの y を求めます。

<考え方>
k = −4 を y = 24 + 5k に代入します。

y = 24 + 5(−4) = 4
検算: 5·4 − 3·4 = 8  ○
キ:正解 8(配点1)

<問題要旨>
石を P₀ から P₈ に動かすのに必要なさいころの回数を求めます。

<考え方>
投げる回数は偶数の回数と奇数の回数の合計です。

x + y = 4 + 4 = 8 回
ク:正解 1(配点2)

<問題要旨>
(*) を使って、8 回より少ない回数で P₈ に着く場合の偶数の目の回数を求めます。

<考え方>
15 個先に進むと元に戻るので、移動量は 8 ぴったりでなくても 8 に 15 の倍数を足し引きした値であればよい、ということになります。回数を減らしたいので、右辺を 8 − 15 = −7 にしてみます。

5x − 3y = 8 − 15 = −7 を x, y ≥ 0 で解く
 x = 1 のとき 5 − 3y = −7  →  y = 4
(次の解は x = 4, y = 9 で合計が増えてしまう)

よって x = 1
ケ:正解 4(配点2)

<問題要旨>
そのときの奇数の目の回数を求めます。

<考え方>
上の計算から y = 4 です。時計回りに 3×4 = 12 進み、反時計回りに 5 進むので、正味 7 だけ時計回り。15 − 7 = 8 で確かに P₈ に着きます。

コ:正解 5(配点1)

<問題要旨>
そのときのさいころを投げる回数を求めます。

<考え方>
1 + 4 = 5 回。キ の 8 回より少なくなっています。

サ:正解 ③(配点2)

<問題要旨>
P₁ 〜 P₁₄ のうち、必要な最小回数が最も大きい点を選びます。

<考え方>
投げる回数を s、そのうち偶数が出た回数を x とすると、移動量は 5x − 3(s − x) = 8x − 3s です。s を小さい方から順に、到達できる点(15 で割った余り)を書き出して、どこで全部埋まるかを見ます。

s 回投げたときに到達できる点(15 を法として 8x − 3s, 0 ≤ x ≤ s)
 s=1: 12, 5
 s=2: 9, 2, 10
 s=3: 6, 14, 7, 0
 s=4: 3, 11, 4, 12, 5
 s=5: 0, 8, 1, 9, 2, 10

ここまでで 1〜14 のうち 13 だけが未到達
 s=6 でようやく 13 が現れる(x = 2 のとき 16 − 18 = −2 ≡ 13)

よって最も回数がかかるのは P₁₃
シ:正解 6(配点3)

<問題要旨>
そのときの最小回数を求めます。

<考え方>
上の表から、P₁₃ に到達できるのは s = 6 が最初です。他の 13 個の点は 5 回以内で到達できます。

P₁₃ は s = 6(偶数 2 回・奇数 4 回)で到達
 5·2 − 3·4 = −2、15 − 2 = 13  ○

最小回数は 6 回

第5問 図形の性質(3:4:5 の直角三角形と、内接する二つの円)

AB = 3, BC = 4, AC = 5 なので ∠B = 90°、つまり AC が外接円の直径です。これに気づくと外接円の半径も ∠AEC = 90° もただちに得られます。後半は、角の二等分線上に2つの円の中心が並ぶことを使い、方べきの定理で半径 r を決めます。

ア/イ:正解 3/2(配点2)

<問題要旨>
∠BAC の二等分線と辺 BC の交点 D について BD を求めます。

<考え方>
角の二等分線の性質 BD : DC = AB : AC をそのまま使います。

BD : DC = AB : AC = 3 : 5
BD = 4 × 3/(3+5) = 3/2
ウ√エ/オ:正解 3√5/2(配点2)

<問題要旨>
AD を求めます。

<考え方>
3² + 4² = 5² なので ∠B = 90°。△ABD は ∠B が直角の直角三角形になるので、三平方の定理だけで済みます。

AD² = AB² + BD² = 3² + (3/2)² = 9 + 9/4 = 45/4
AD = √(45)/2 = 3√5/2
カ√キ:正解 2√5(配点2)

<問題要旨>
∠BAC の二等分線と外接円 O の交点のうち A と異なる点を E とし、AE を求めます。

<考え方>
∠B = 90° より AC は外接円の直径です。したがって円周角の定理から ∠AEC = 90°。△AEC は ∠E が直角の直角三角形なので、AE = AC cos∠EAC で求まります。半角の公式で cos(A/2) を出します。

cos A = AB/AC = 3/5
cos²(A/2) = (1 + cos A)/2 = (1 + 3/5)/2 = 4/5
cos(A/2) = 2/√5

AE = AC · cos(A/2) = 5 × 2/√5 = 2√5
√ク r:正解 √5 r(配点2)

<問題要旨>
辺 AB と AC の両方に接する円 P の半径を r として、AP を r で表します。

<考え方>
AB と AC の両方に接するので、中心 P は ∠BAC の二等分線上にあります。P から AB に下ろした垂線の長さが r なので、直角三角形をひとつ作れば終わりです。

sin²(A/2) = (1 − cos A)/2 = (1 − 3/5)/2 = 1/5
sin(A/2) = 1/√5

AP = r / sin(A/2) = √5 r
ケ − r:正解 5 − r(配点2)

<問題要旨>
円 P と外接円 O の接点を F、直線 PF と外接円 O の交点で F と異なる点を G として、PG を r で表します。

<考え方>
内接しているので、中心 O、中心 P、接点 F はこの順に一直線に並びます。外接円の半径は AC の半分で 5/2 です。

外接円の半径 OF = 5/2、PF = r より OP = 5/2 − r
G は F の反対側にあるので
PG = OG + OP = 5/2 + (5/2 − r) = 5 − r
コ/サ:正解 5/4(配点2)

<問題要旨>
方べきの定理から r を求めます。

<考え方>
A, P, E は同じ二等分線上にあり、F, P, G も同じ直線上にあります。どちらも外接円 O の弦なので、点 P について方べきの定理が使えます。

PA · PE = PF · PG
PA = √5 r,  PE = AE − AP = 2√5 − √5 r = √5(2 − r)
PF = r,     PG = 5 − r

√5 r · √5(2 − r) = r(5 − r)
5r(2 − r) = r(5 − r)
10 − 5r = 5 − r   (r ≠ 0 で割る)
4r = 5  →  r = 5/4
シ:正解 1(配点2)

<問題要旨>
△ABC の内心を Q とし、内接円の半径を求めます。

<考え方>
直角三角形なので、内接円の半径は (二辺の和 − 斜辺)÷ 2 で出ます。面積 = 内接円の半径 × 周の半分 からでも同じ値になります。

r内 = (AB + BC − AC)/2 = (3 + 4 − 5)/2 = 1

(検算)△ABC = 6、周の半分 = 6 → r内 = 6/6 = 1  ○
√ス:正解 √5(配点2)

<問題要旨>
AQ を求めます。

<考え方>
内心 Q も ∠BAC の二等分線上にあるので、円 P のときとまったく同じ形の式が使えます。

AQ = r内 / sin(A/2) = 1 × √5 = √5
セ/ソ:正解 5/2(配点2)

<問題要旨>
円 P と辺 AB との接点を H として、AH を求めます。

<考え方>
直角三角形 APH で AH = AP cos(A/2) です。√5 と 1/√5 が打ち消し合って、きれいに 2r になります。

AH = AP cos(A/2) = √5 r × 2/√5 = 2r
   = 2 × 5/4 = 5/2
タ:正解 ①(配点2)

<問題要旨>
点 H が (a) 3 点 B, D, Q を通る円周上にあるか、(b) 3 点 B, E, Q を通る円周上にあるかを判定します。

<考え方>
∠B = 90° なので、B を原点、BC を x 軸、BA を y 軸にとって座標で確かめるのがいちばん確実です。ここまでに求めた値がそのまま座標になります。

B(0, 0), A(0, 3), C(4, 0)
D(3/2, 0)     ← BD = 3/2
Q(1, 1)       ← 内接円の半径 1
H(0, 1/2)     ← AH = 5/2 なので BH = 3 − 5/2 = 1/2
E(2, −1)      ← A から二等分線方向へ AE = 2√5 進んだ点

(a) B, D, Q を通る円: x² + y² − (3/2)x − (1/2)y = 0
   H を代入: 0 + 1/4 − 0 − 1/4 = 0  → 通る(正)

(b) B, E, Q を通る円: x² + y² − (7/3)x + (1/3)y = 0
   H を代入: 1/4 + 1/6 = 5/12 ≠ 0  → 通らない(誤)

※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

スポンサーリンク
投稿を友達にもシェアしよう!
  • URLをコピーしました!
スポンサーリンク
目次