2025年度 大学入学共通テスト 追試験 旧数学Ⅰ 解答・解説

2025年度 大学入学共通テスト 追試験「旧数学Ⅰ」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。

目次
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解答

解説

2025年度(令和7年度)大学入学共通テスト追試験「旧数学Ⅰ」の全4大問・41設問について、解答と考え方をまとめました。100点満点・全問必答、試験時間70分。旧課程(2024年度以前の学習指導要領)で学んだ既卒生向けの科目です。

第1問は連立不等式と集合、および集合と命題。第2問は三角比、第3問は2次関数、第4問はデータの分析です。第1問前半の「連立不等式の解が空集合にならない条件」は、数直線の上下関係をていねいに場合分けできるかが勝負どころ。第4問は、学年ごとに分ければほぼ無相関なのに合わせると強い負の相関が出るという「見かけの相関」を数式で確かめる良問です。

なお本問は「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・A」「旧数学Ⅰ・旧数学A」と大問を共有しています。第2問〜第4問は数学Ⅰとまったく同一です。

第1問(必答) 数と式/集合と命題

〔1〕は連立不等式、〔2〕は集合と命題の真偽。どちらも定義に忠実に処理すれば確実に取れます。配点20点。

ア,イ:正解 ①, ⓪(配点2)

<考え方>
まず連立不等式を x について解き、集合 A を区間の形で表します。

x + √3 a + 1 ≧ 3x
  √3 a + 1 ≧ 2x
  x ≦ (√3 a + 1)/2

x + a ≧ 1
  x ≧ 1 − a

A = { x | 1 − a ≦ x ≦ (√3 a + 1)/2 }

a = 2 のとき
  1 − 2 = −1
  (2√3 + 1)/2 = (3.464… + 1)/2 = 2.232…
  A = [ −1 , 2.232… ]

3 は 2.232… より大きいので ア=①(要素でない)、2 は区間に入るので イ=⓪(要素である)。
√3 = 1.732… という値が問題文に与えられているのは、この大小判定のためです。

ウ,エ:正解 2, 1(配点3)

<考え方>
区間の左端と右端が一致すれば、要素はただ一つになります。

1 − a = (√3 a + 1)/2
  2 − 2a = √3 a + 1
     1 = (√3 + 2)a
     a = 1/(2 + √3)

分母を有理化して
  a = (2 − √3)/{(2+√3)(2−√3)} = (2 − √3)/1 = 2 − √3

このとき A の唯一の要素は
  1 − a = 1 − (2 − √3) = √3 − 1

よって ウ=2、エ=1(a = 2 − √3 のとき A = {√3 − 1})。
有理化して 2 − √3 という形に直せるかがポイント。そのまま 1/(2+√3) では次の (ii) の不等式が扱えません。

オ:正解 ④(配点2)

<考え方>
a > 2 − √3 は「左端 < 右端」、つまり A がつぶれていない区間である条件です。形はそのまま。

A = { x | 1 − a ≦ x ≦ (√3 a + 1)/2 }

よって ④。
分母が 4 になっている①③、不等号の向きが逆の①⑤、右端が 1+a の②③はいずれも誤り。最初に自分で解いた形と見比べるだけです。

カ,キ,ク,ケ:正解 3, ①, ⓪, 1(配点3)

<考え方>
A ∩ B = {1}(B は整数全体)とは、区間 A に入る整数がちょうど 1 だけということ。1 を入れ、0 と 2 を追い出す三つの条件を立てます。

① 1 ∈ A
   1 − a ≦ 1     ⟺ a ≧ 0
   1 ≦ (√3 a + 1)/2 ⟺ √3 a ≧ 1 ⟺ a ≧ √3/3

② 0 ∉ A(左端が 0 より右)
   1 − a > 0     ⟺ a < 1

③ 2 ∉ A(右端が 2 より左)
   (√3 a + 1)/2 < 2 ⟺ √3 a < 3 ⟺ a < √3

三つを合わせると(a < 1 が a < √3 より厳しい)

  √3/3 ≦ a < 1

よって カ=3、キ=①(≦)、ク=⓪(<)、ケ=1。
等号の向きが左右で違うのが最大の注意点です。1 を含める方は等号あり、0 を除く方は等号なし。「入れたい整数」と「追い出したい整数」で扱いが変わると意識して立式しましょう。

コ,サ:正解 1, 6(配点2/順序は問わない)

<考え方>
まず n = 9 のときの p, q の真偽を確定させます。反例とは「仮定が真で結論が偽」になる例です。

p:n は 12 の約数 → 12 の約数は 1,2,3,4,6,12
  9 は入らない → p は偽(p̄ は真)

q:n は 18 の約数 → 18 の約数は 1,2,3,6,9,18
  9 は入る → q は真(q̄ は偽)

仮定が真・結論が偽になるのは
  ① 「q ⟹ p」  q真 → p偽 ○
  ⑥ 「p̄ ⟹ q̄」 p̄真 → q̄偽 ○

(⓪②は p が偽、③⑦は q̄ が偽なので仮定が成り立たない)

よって ①と⑥。
①と⑥は互いに対偶……ではなく、「q⟹p」の対偶は「p̄⟹q̄」。同値な二つの命題が両方とも反例をもつ、という自然な結果になっています。

シ:正解 ①(配点2)

<考え方>
r:n は 6 の約数。三つの集合を並べて包含関係を見ます。

p = {1, 2, 3, 4, 6, 12}
q = {1, 2, 3, 6, 9, 18}
r = {1, 2, 3, 6}

r ⊂ q(r の要素はすべて q に入る) → r ⟹ q は真
q ⊄ r(9 は q だが r でない)     → q ⟹ r は偽

したがって r は q であるための十分条件であるが必要条件ではないので ①。
「⊂ の向き」と「⟹ の向き」は同じ——小さい集合が十分条件と覚えておくと迷いません。

ス:正解 ②(配点2)

<考え方>
「p かつ q」は集合の共通部分です。実際に書き出して r と比べます。

p ∩ q = {1, 2, 3, 4, 6, 12} ∩ {1, 2, 3, 6, 9, 18}
    = {1, 2, 3, 6}

r = {1, 2, 3, 6}

p ∩ q = r(完全に同じ集合)

集合が一致するので ②(必要十分条件である)。
「12 と 18 の公約数」=「12 と 18 の最大公約数 6 の約数」。公約数の集合は最大公約数の約数の集合という事実が背景にあります。

セ:正解 4(配点2)

<考え方>
命題A「p ⟹ (q または s)」が真とは、p の要素がすべて q ∪ s に入るということ。p のうち q に入らないものを s で拾えばよいわけです。

p = {1, 2, 3, 4, 6, 12}
q = {1, 2, 3, 6, 9, 18}

p のうち q に入らないもの … 4 と 12

この 2 つが s(a の倍数)に入ればよい
  4 が a の倍数、かつ 12 が a の倍数
  ⟺ a は 4 と 12 の公約数
  ⟺ a ∈ {1, 2, 4}

最大は a = 4

よって 4。
「12 の約数のうち 18 の約数でないもの」を洗い出す作業が本体。集合を書き出してしまえば、あとは公約数を探すだけです。

ソ:正解 8(配点2)

<考え方>
a = 4 のときの命題Aの逆は「(q または s) ⟹ p」。反例は q ∪ s に入るが p に入らない n です。

q ∪ s = {1,2,3,6,9,18} ∪ {4 の倍数}
    = {1,2,3,4,6,8,9,12,16,18,20,…}

p = {1,2,3,4,6,12}

小さい順に確かめる
  1,2,3,4,6 … すべて p に入る(反例でない)
  8 … 4 の倍数なので q∪s に入るが、12 の約数ではない
    → 反例!

最小の反例は n = 8

よって 8。
9 も反例ですが 8 の方が小さい。「最小のもの」なので 1 から順に確かめるのが確実です。

第2問(必答) 三角比

〔1〕は正弦定理で三つの外接円の半径を比べる問題、〔2〕は飛行機を見上げる角の変化を追う問題。〔2〕は tan∠POQ = h/OQ という一本の式で最後まで押し切れます。配点30。

ア,イ:正解 ②, ①(配点3)

<考え方>
正弦定理 (辺)/sin(対角)= 2R を、△OAP と △OAB のそれぞれで、同じ角 ∠OAB について立てます。

P は辺 AB 上にあるので ∠OAP = ∠OAB

△OAP:∠OAP の対辺は OP
  OP / sin∠OAB = 2R₁ → R₁ = OP/(2 sin∠OAB)

△OAB:∠OAB の対辺は OB
  OB / sin∠OAB = 2R₃ → R₃ = OB/(2 sin∠OAB)

よって ア=②(OP)、イ=①(OB)で、R₁/R₃ = OP/OB。
分母が同じ 2 sin∠OAB なので、半径の比が辺の比にそのまま化ける——これがこの設問の仕掛けです。

ウ,エ:正解 ①, ⓪(配点2)

<考え方>
同じ要領で、今度は頂点 B の角 ∠OBA について R₂ と R₃ を表します。

∠OBP = ∠OBA(P は辺 AB 上)

△OPB:∠OBP の対辺は OP → R₂ = OP/(2 sin∠OBA)
△OAB:∠OBA の対辺は OA → R₃ = OA/(2 sin∠OBA)

 R₂/R₃ = OP/OA

したがって
 R₂/R₁ = (R₃/R₁)·(R₂/R₃)
    = (OB/OP)·(OP/OA)
    = OB/OA

よって ウ=①(OB)、エ=⓪(OA)。
OP が約分で消えるので、R₂/R₁ は P の位置によらず一定。この事実が (2) の大小比較で効いてきます。

オ,カ,キ:正解 1, 8, 5(配点2)

<考え方>
OA=3, OB=4, AB=5 は 3:4:5 の直角三角形で ∠AOB = 90°。座標を置くのが最短です。

O(0,0), A(3,0), B(0,4) とおく

AP = t とすると
  P = A + (t/5)(B − A)
   = (3 − 3t/5 , 4t/5)

OP² = (3 − 3t/5)² + (4t/5)²
   = 9 − (18/5)t + (9/25)t² + (16/25)t²
   = 9 − (18/5)t + t²

OP = OA = 3 より OP² = 9
  9 − (18/5)t + t² = 9
     t² = (18/5)t
     t = 18/5   (t ≠ 0)

よって AP = 18/5。
余弦定理でも解けますが、∠AOB が直角だと見抜いて座標を置くと計算が一気に軽くなります。

ク,ケ:正解 ⓪, ①(配点3)

<考え方>
(1) で得た三つの比を使います。R₁ < R₂ は常に成立し、あとは OP と 3・4 の大小だけで決まります。

R₂/R₁ = OB/OA = 4/3 > 1 → 常に R₁ < R₂
R₁/R₃ = OP/OB = OP/4
R₂/R₃ = OP/OA = OP/3

OP² = t² − (18/5)t + 9 = t(t − 18/5) + 9   (t = AP)

【0 < AP < a = 18/5】
  t(t − 18/5) < 0 → OP < 3
  R₁/R₃ = OP/4 < 1、R₂/R₃ = OP/3 < 1
  → R₁ < R₂ < R₃    … ⓪

【a < AP < 5】
  t(t − 18/5) > 0 → OP > 3
  さらに t → 5 で OP → 4 なので 3 < OP < 4
  R₂/R₃ = OP/3 > 1(R₂ > R₃)
  R₁/R₃ = OP/4 < 1(R₁ < R₃)
  → R₁ < R₃ < R₂    … ①

よって ク=⓪、ケ=①。
OP = 3 が境目(そこで R₂ = R₃)、OP = 4 が端(そこで R₁ = R₃)。OA = 3 と OB = 4 がそのまま境界値になるという、きれいな構造です。

コ:正解 ⑦(配点2)

<考え方>
∠POQ は、直角三角形 OPQ(∠PQO = 90°)の角です。

PQ = h(飛行機の高さ)
tan∠POQ = PQ/OQ = h/OQ

よって ⑦(h/OQ)。
この式が大問全体の背骨になります。h は一定なので、∠POQ が大きい ⟺ OQ が小さい——(2) の最大値問題はこの一言で片が付きます。

サ,シ:正解 3, 7(配点3)

<考え方>
見上げる角が 45°(点A)と 30°(点C)なので、OB と OD が h で表せます。あとは余弦定理です。

∠POB = 45° → OB = h/tan45° = h
∠COD = 30° → OD = h/tan30° = √3 h

△OBD で ∠BOD = 150° として余弦定理
 BD² = OB² + OD² − 2·OB·OD·cos150°
   = h² + 3h² − 2·h·√3h·(−√3/2)
   = 4h² + 3h²
   = 7h²

 BD = √7 h

よって OD = √3 h、BD = √7 h。
cos150° = −√3/2 のマイナス符号で BD が伸びます。ここを落とすと √h² になってしまうので注意。

ス,セ,ソ,タ:正解 5, 7, 1, 4(配点3)

<考え方>
三辺 OB = h、OD = √3 h、BD = √7 h がそろったので、∠OBD に余弦定理を当てます。

cos∠OBD = (OB² + BD² − OD²)/(2·OB·BD)
     = (h² + 7h² − 3h²)/(2·h·√7 h)
     = 5h²/(2√7 h²)
     = 5/(2√7)

有理化して
     = 5√7/14

よって 5√7/14。
分母の有理化を忘れると解答欄の形(ス√セ/ソタ)に合いません。解答欄の形が答えの形を教えてくれる——空欄の作りを見て検算しましょう。

チ:正解 2(配点3)

<考え方>
A から C までが 140 秒、その半分の 70 秒後なので、Q は BD の中点です。中線定理を使います。

中線定理(△OBD で OQ が中線)
 OB² + OD² = 2(OQ² + BQ²)

 BQ = BD/2 = √7 h/2

 h² + 3h² = 2{ OQ² + (√7h/2)² }
   4h² = 2OQ² + 7h²/2
  2OQ² = 4h² − 3.5h² = 0.5h²
   OQ² = h²/4
   OQ = h/2

よって OQ = h/2。
速さが一定なので「時間の比 = 距離の比」。70秒=140秒の半分だから中点、という読み替えが第一歩です。

ツ:正解 ④(配点3)

<考え方>
OQ が出たので、あとは tan の値から角の範囲を絞ります。

tan∠POQ = h/OQ = h/(h/2) = 2

tan60° = 1.732…
tan65° = 2.144…

1.732… < 2 < 2.144…
 → 60° < ∠POQ < 65°

よって ④(60°以上65°未満)。
巻末の三角比の表で tan の列を見れば、2 がどの角の間にあるかすぐ分かります。表を使う前提の設問なので、電卓なしでも詰められます。

テ,ト,ナ:正解 2, 5, 0(配点3)

<考え方>
tan∠POQ = h/OQ なので、∠POQ 最大 ⟺ OQ 最小。点から直線への最短距離は垂線です。

Q は BD 上を動く → OQ が最小になるのは
  O から BD に下ろした垂線の足   … ⓪①②のうち②

その足を H とする。△OBD の面積を 2 通りで表して OH を出す
  面積 = (1/2)·OB·OD·sin150°
     = (1/2)·h·√3h·(1/2) = √3 h²/4
  面積 = (1/2)·BD·OH = (1/2)·√7 h·OH

  (1/2)√7 h·OH = √3 h²/4
     OH = √3 h/(2√7)

 BH = √(OB² − OH²) = √(h² − 3h²/28)
   = √(25h²/28) = 5h/(2√7)

 BH : BD = 5h/(2√7) : √7 h = 5 : 14

 時間 = 140 × 5/14 = 50 秒

よって テ=②、トナ=50。
面積を 2 通りに表して垂線の長さを出す——「二通りの面積」は三角比の定番手筋です。時間は距離の比からそのまま求まります。

ニ:正解 ⑥(配点3)

<考え方>
最小の OQ = OH が求まったので、そのときの角を評価します。

tan∠POQ = h/OH = h ÷ {√3 h/(2√7)}
     = 2√7/√3 = 2√21/3

√21 = 4.58…
 2√21/3 = 9.16…/3 = 3.05…

tan70° = 2.747…
tan75° = 3.732…

2.747… < 3.05… < 3.732…
 → 70° < ∠POQ < 75°

よって ⑥(70°以上75°未満)。
70秒後(④=約63°)より大きくなっているのが妥当性の確認になります。50秒後が最大、その前後で角は小さくなるという全体像が見えれば完答です。

第3問(必答) 2次関数

〔1〕は f(x) = x²−4x と g(x) = x²−4kx の最小値、〔2〕は2点 P, Q を通る放物線の族。〔2〕は「式で押す」のではなく「図で考える」ことを求められるのが特徴です。配点30。

ア,イ:正解 2, 3(配点2)

<考え方>
f(x) ≦ −1 を移項して 2次不等式として解きます。

x² − 4x ≦ −1
 x² − 4x + 1 ≦ 0

 x = (4 ± √(16 − 4))/2 = 2 ± √3

下に凸なので 2 根の間
 2 − √3 ≦ x ≦ 2 + √3

よって ア=2、イ=3。

ウ,エ,オ:正解 2, −, 4(配点2)

<考え方>
平方完成します。

f(x) = x² − 4x = (x − 2)² − 4

軸:x = 2
頂点:(2, −4) → 最小値 −4

よって ウ=2、エオ=−4。

カ:正解 0(配点2)

<考え方>
0 ≦ x ≦ 3 は軸 x = 2 を含みます。最大値は軸から遠い端でとります。

軸 x = 2 からの距離
  x = 0 → 距離 2
  x = 3 → 距離 1

遠い方は x = 0
 f(0) = 0
 f(3) = 9 − 12 = −3

最大値は 0

よって 0。
下に凸の 2次関数では最小は軸、最大は軸から遠い端。この原則を意識すると計算が減ります。

キ:正解 2(配点2)

<考え方>
最小値が頂点の値 −4 になるのは、区間が軸を含むときです。

軸 x = 2 が 0 ≦ x ≦ s に含まれる
  ⟺ s ≧ 2

よって 2。
「必要十分条件」と問われているので、s = 2 のちょうどの場合も含む ≧ であることを確認しておきましょう。

ク:正解 ⑥(配点2)

<考え方>
0 < s < 2 のときは区間が軸に届かないので、減少している途中で区間が切れる形です。

軸 x = 2 より左(0 ≦ x ≦ s < 2)では f は減少
 → 最小は右端 x = s

 f(s) = s² − 4s

よって ⑥(s² − 4s)。
①〜③の 1次式は頂点をとる場合の値ではないので論外。「軸が区間の外なら端の値」という場合分けの型そのものです。

ケ:正解 ③(配点3)

<考え方>
g(x) = x² − 4kx を平方完成し、軸の位置と区間の関係を見ます。

g(x) = (x − 2k)² − 4k²
 頂点 (p, q) = (2k, −4k²)

最小値が q(=頂点の値)
 ⟺ 軸 x = 2k が区間 0 ≦ x ≦ s に入る
 ⟺ 2k ≦ s   (k > 0 より 2k > 0 は自動)
 ⟺ s ≧ 2k

よって ③(s ≧ 2k)。
(2) の「s ≧ 2」は k = 1 の場合。同じ議論を文字 k に一般化しただけと気づけば即答できます。

コ:正解 ②(配点2)

<考え方>
条件 s ≧ 2k に、それぞれの s を代入して k > 1 で成り立つかを調べます。

(a) s = k + 1
  k + 1 ≧ 2k ⟺ 1 ≧ k ⟺ k ≦ 1
  k > 1 では成り立たない → 【偽】

(b) s = 3k − 1
  3k − 1 ≧ 2k ⟺ k ≧ 1
  k > 1 なら成り立つ → 【真】

(a) 偽・(b) 真の組合せは ②。
どちらも「k = 1 が境目」になる作りで、k > 1 という条件がどちら側に効くかで真偽が分かれます。

サ,シ,ス,セ:正解 7, 4, 7, 8(配点3)

<考え方>
y = 2x² − 7x + 7 を平方完成します。

y = 2(x² − (7/2)x) + 7
 = 2{ (x − 7/4)² − 49/16 } + 7
 = 2(x − 7/4)² − 49/8 + 56/8
 = 2(x − 7/4)² + 7/8

頂点 (7/4 , 7/8)

よって (7/4 , 7/8)。
x 座標は −b/(2a) = 7/4 とすぐ出るので、y は代入して求めるほうが速い場合もあります。

ソ,タ,チ,ツ:正解 1, 4, 1, 3(配点3)

<考え方>
P(1,2) と Q(3,4) を通る条件を連立し、b, c を a で表します。

 a + b + c = 2   …①
 9a + 3b + c = 4  …②

② − ①: 8a + 2b = 2
     4a + b = 1
       b = 1 − 4a

① へ代入
  c = 2 − a − (1 − 4a) = 1 + 3a

よって b = 1 − 4a、c = 1 + 3a。
a = 2 を入れると b = −7、c = 7 で元の式に戻ります。この検算を一度やっておくと安心して次へ進めます。

テ:正解 2(配点3)

<考え方>
太郎さんと花子さんの会話が答えそのものです。a > 0 なら下に凸、頂点はグラフの最下点——そして P, Q は必ず通る。

頂点はグラフの一番下
 → 頂点の y 座標 ≦ P の y 座標 = 2
 → 頂点の y 座標 ≦ Q の y 座標 = 4

より厳しいのは 2 のほう
 頂点の y 座標 ≦ 2

等号は頂点が P と一致するときに実現する
 → 最大値は 2

よって 2。
「グラフの頂点の座標を a の式で表して考えるのは難しそう」という太郎さんの発言どおり、式を立てずに図形的に決めるのがこの設問の狙いです。

ト,ナ:正解 1, 2(配点2)

<考え方>
頂点が P(1,2) と一致する、すなわち軸が x = 1 になる a を求めます。

軸 x = −b/(2a) = 1
  → b = −2a

b = 1 − 4a と合わせて
  1 − 4a = −2a
     1 = 2a
     a = 1/2

よって a = 1/2。
念のため確認すると、a=1/2 のとき b=−1、c=5/2 で y = (1/2)x² − x + 5/2 = (1/2)(x−1)² + 2。頂点はちょうど P(1,2) です。

ニ:正解 ②(配点4)

<考え方>
a < 0 では上に凸。①の式 y = ax² + (1−4a)x + (1+3a) について、(A)(B)(C) を一つずつ検討します。

(A) 点(0,3)を通る ⟺ c = 1 + 3a = 3 ⟺ a = 2/3
   a < 0 に反する → 起こらない

(B) x 軸の負の部分と交わる
   −1/3 < a < 0 のとき c = 1+3a > 0 で、
   上に凸・f(0)>0・f(1)=2>0 だから
   小さい方の根は x < 0 にある
   例:a = −0.1 → 根は約 −0.48 と 14.5
   → 起こり得る ○

(C) 頂点の x 座標が 2 以下
   頂点 x = −b/(2a) = −(1−4a)/(2a) = 2 − 1/(2a)
   a < 0 → 1/(2a) < 0 → −1/(2a) > 0
   → 頂点の x 座標は常に 2 より大きい
   → 起こらない

起こり得るのは (B) だけなので ②。
(C) の頂点の x 座標が 2 − 1/(2a) ときれいにまとまるのが決め手。a の符号だけで判定でき、場合分けが要りません。

第4問(必答) データの分析

全国体力調査の散布図を題材に、「平均の違う二つの集団を混ぜると何が起きるか」を相関係数(〔1〕)と分散(〔2〕)の両面から追う大問。配点20。

ア:正解 ①(配点2)

<考え方>
相関係数は −0.85。負の相関がある、と問題文が明示しています。

負の相関
 → 一方が増えると他方は減る傾向

よって ①(減る傾向がみられる)。
ただし太郎さんが言うとおり図1は一つの集団に見えないので、この −0.85 は次の (2) で疑われることになります。

イ:正解 ②(配点2)

<考え方>
図3(中学校第2学年)の散布図は、点が横にも縦にも広く散らばり、右上がり・右下がりのどちらの傾向も読み取れません。

図2(小学校第5学年)の相関係数 = 0.07(ほぼ無相関)
図3 も同様に明確な傾向が見えない

選択肢 −0.9 / −0.7 / 0.1 / 0.7 / 0.9 のうち
 0 に近いのは 0.1

よって ②(0.1)。
ここが大問の山場です。学年ごとに分ければどちらもほぼ無相関なのに、合わせると −0.85 という強い負の相関が現れる。二つの集団の平均値が離れていることが生む「見かけの相関」で、(3) 以降でその仕組みを数式で確かめます。

ウ:正解 ⓪(配点2)

<考え方>
データW の 6 個の値について、x の平均を計算します。

x:−1, 1, −2, 0, 0, 2
 合計 = 0
 x̄ = 0/6 = 0

よって ⓪(0)。
y も同様に合計 0 で ȳ = 0。平均が 0 だと以降の計算が大幅に楽になります。

エ:正解 ⑦(配点2)

<考え方>
x̄ = 0 なので、分散は x² の平均そのものです。

sx² = {(−1)² + 1² + (−2)² + 0² + 0² + 2²}/6
  = (1 + 1 + 4 + 0 + 0 + 4)/6
  = 10/6 = 5/3

よって ⑦(5/3)。

オ:正解 ⑤(配点2)

<考え方>
共分散も、平均が 0 なので xy の平均になります。

sxy = {(−1)(1) + (1)(−1) + (−2)(0)
    + (0)(−2) + (0)(2) + (2)(0)}/6
  = (−1 − 1 + 0 + 0 + 0 + 0)/6
  = −2/6 = −1/3

よって ⑤(−1/3)。
加えた 4 点はすべて積が 0。共分散に効いているのは最初の 2 点だけという構造が見えます。

カ:正解 ③(配点2)

<考え方>
相関係数の定義に代入します。sx² = sy² であることに着目せよ、というヒント付きです。

sy² = (1 + 1 + 0 + 4 + 4 + 0)/6 = 5/3 = sx²

rxy = sxy/(sx·sy) = sxy/sx²   (sx = sy より)
  = (−1/3)/(5/3)
  = −1/5

よって ③(−1/5)。
元の 2 点だけなら相関係数は −1。そこに 4 点を加えただけで −1 から −1/5 まで一気に弱まる——集団の混ぜ方で相関係数がどれだけ動くかを実感させる設問です。

キ,ク:正解 6, 2(配点3)

<考え方>
「相関係数が正 ⟺ 共分散が正」と問題文が言ってくれているので、共分散だけ計算します。

x̄ = ȳ = 0(和がいずれも 0)

各組の積 xy
 (−1)(1) = −1
 (1)(−1) = −1
 (−1−a)(1−a) = −(1+a)(1−a) = a² − 1
 (1−a)(−1−a) = a² − 1
 (−1+a)(1+a) = a² − 1
 (1+a)(−1+a) = a² − 1

合計 = −2 + 4(a² − 1) = 4a² − 6
 sxy = (4a² − 6)/6

 sxy > 0 ⟺ 4a² > 6 ⟺ a² > 3/2
     ⟺ a > √(3/2) = √6/2   (a > 0)

よって a > √6/2。
4 つの積がすべて a² − 1 という同じ値になるのが計算上のご褒美。a が大きい=加えた 4 点が外へ広がるほど、元の −1 の相関を打ち消して正に転じる、という意味が読み取れます。

ケ:正解 2(配点2)

<考え方>
P を展開します。(a₁−ā) + (a₂−ā) = 0(平均からの偏差の和は 0)が効きます。

P = {(a₁−ā) + k}² + {(a₂−ā) + k}²
 = (a₁−ā)² + (a₂−ā)²
   + 2k{(a₁−ā) + (a₂−ā)} + 2k²

偏差の和は 0 なので中央の項は消えて

 P = 2sA² + 2k²

 よって sA² = (P − 2k²)/2

よって 2。
B についても b̄ − z̄ = −k となり、(−k)² = k² なのでまったく同じ形になります。

コ:正解 ②(配点3)

<考え方>
データZ の分散を、sA² と sB² で表します。

sZ² = (P + Q)/4

 P = 2sA² + 2k²、Q = 2sB² + 2k² より

 sZ² = (2sA² + 2k² + 2sB² + 2k²)/4
  = (sA² + sB²)/2 + k²

 k ≠ 0 なので k² > 0

 sZ² > (1/2)sA² + (1/2)sB²

よって ②。
これが (1) の「見かけの相関」と同じ現象の分散版です。平均の違う二つの集団を混ぜると、分散は必ず各集団の分散の平均より大きくなる——増える分がちょうど k²(平均のずれの2乗)である、というのが結論。第4問全体が「集団を混ぜると何が起きるか」という一つのテーマで貫かれています。

※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

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