2026年度 大学入学共通テスト 追試験「数学Ⅰ」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。
解答
解説
2026年度 追試験 数学Ⅰ の全43項目を、公式解答の表の1行=1項目で解説します。試験時間70分・満点100点、第1問20点・第2問30点・第3問30点・第4問20点の全問必答です。
この年度の数学Ⅰと数学Ⅰ・Aは、内容の多くを共有しています。数学Ⅰ 第1問〔1〕は数学Ⅰ・A 第1問〔1〕と解答記号まで含めてまったく同じ問題です。また、数学Ⅰ 第2問〔2〕は数学Ⅰ・A 第1問〔2〕、数学Ⅰ 第3問〔2〕は数学Ⅰ・A 第2問〔1〕、数学Ⅰ 第4問(1)〜(3)の大部分は数学Ⅰ・A 第2問〔2〕と同じ問題で、解答記号だけがずれています。一方、第1問〔2〕の集合、第2問〔1〕の三つの円、第3問〔1〕の2次関数、第4問(3)(ⅱ)の箱ひげ図と(4)の共分散は数学Ⅰだけの出題です。
第1問(必答) 数と式/集合
〔1〕は 1/(√n−k) の整数部分 a を題材に、分母の有理化から a≧k となる n の個数までを追う問題、〔2〕はベン図の読み取りと、集合の要素から自然数 a,b を決定する問題です。配点20点。
ア,イ,ウ,エ:正解 3, 1, 2, 1(配点3)
<考え方>
k=1,n=3 を代入し、分母 √3−1 を有理化します。整数部分は、有理化した値が何と何の間にあるかで決めます。
1/(√3−1) = (√3+1)/{(√3−1)(√3+1)} = (√3+1)/(3−1) = (√3+1)/2 よって ア=3、イ=1、ウ=2 1.7 < √3 < 1.8 より 2.7 < √3+1 < 2.8 1.35 < (√3+1)/2 < 1.4 よって エ=1
整数部分 a は「その数以下の最大の整数」です。(√3+1)/2 は 1 と 2 の間にあるので a=1 になります。
オ:正解 ③(配点3)
<考え方>
分母を有理化すると √(k²+1)+k という形になります。k²,k²+1,(k+1)² の大小を比べて √(k²+1) を k と k+1 ではさみます。
1/(√(k²+1)−k) = (√(k²+1)+k)/{(k²+1)−k²} = √(k²+1)+k (k+1)²−(k²+1) = 2k > 0 だから k² < k²+1 < (k+1)² k < √(k²+1) < k+1 2k < √(k²+1)+k < 2k+1 よって a=2k、オ=③
2k と 2k+1 の間に整数はないので、整数部分はちょうど 2k と確定します。
カ,キ,ク:正解 ②, ⓪, 2(配点2)
<考え方>
a は整数部分なので、k が自然数のとき「a ≧ k」と「もとの数が k 以上」は同じことです。両辺の逆数をとると不等号の向きが変わる点に注意します。
a ≧ k ⟺ 1/(√n−k) ≧ k よって カ=②(≧) 両辺は正だから、逆数をとると √n−k ≦ 1/k よって キ=⓪(≦) √n ≦ k+1/k n ≦ (k+1/k)² = k²+2+1/k² よって ク=2
n ≦ k²+m+1/k² の形に合わせるので、m=2 です。両辺の逆数をとるときは、どちらも正であることを確認してから向きを変えます。
ケ,コ:正解 3, ②(配点2)
<考え方>
n > k² と n ≦ k²+2+1/k² を合わせて n の個数を数えます。1/k² は k=1 のときだけ 1 になり、k ≧ 2 では 1 より小さくなります。
k=1 のとき 1 < n ≦ 1+2+1 = 4 n=2,3,4 の 3 個 よって ケ=3 k ≧ 2 のとき 0 < 1/k² < 1 だから k² < n ≦ k²+2+1/k² を満たす自然数 n は n=k²+1,k²+2 の 2 個 よって コ=②(2)
k=1 だけ 1/k²=1 となって n=4 も入るため、個数が 1 個増えます。ここを見落とすと両方 2 個と答えてしまいます。
サ,シ:正解 ②, ⓪(配点2)
<考え方>
Ā∩B は「B に入っていて A に入っていない部分」、Ā∩B̄ は「A にも B にも入っていない部分」、つまり A∪B の補集合です。
Ā∩B = B のうち A と重なっていない部分 → 右の円 B だけが斜線になっている図 よって サ=② Ā∩B̄ = A∪B の補集合 → 長方形 U から二つの円をすべて除いた部分 よって シ=⓪
⑤ は長方形から二つの円を除いた部分に加えて A∩B にも斜線が入っているので、Ā∩B̄ とは異なります。ド・モルガンの法則 Ā∩B̄=(A∪B) の補集合 で確認できます。
ス,セ:正解 5, 7(配点2)(順序は問わない)
<考え方>
全体集合 U は A∩B,Ā∩B,Ā∩B̄,A∩B̄ の四つに重なりなく分けられます。三つが分かっているので、残りが A∩B̄ です。
U = {1,2,3,4,5,6,7,8,9} A∩B = {2,3} Ā∩B = {1,8} Ā∩B̄ = {4,6,9} A∩B̄ = U から上の三つの集合の要素をすべて除いたもの = {5,7} よって ス,セ=5, 7
ベン図を四つの領域に分けて、与えられた要素を書き込んでいくと確実です。
ソ:正解 9(配点2)
<考え方>
C∩D̄ は C の部分集合です。C∩D̄={7,9} なので 9 は C の要素でなければなりません。
C = {1,5,7,a+b} C∩D̄ = {7,9} より 9 ∈ C 1,5,7 はいずれも 9 ではないから a+b = 9 よって ソ=9
a,b は自然数なので a+b=9 となる組は限られます。この段階では C={1,5,7,9} と確定します。
タ,チ:正解 1, 5(配点2)(順序は問わない)
<考え方>
C の要素は「D にも入っている(C∩D)」か「D に入っていない(C∩D̄)」のどちらかです。
C = {1,5,7,9} C∩D̄ = {7,9} C の残りの要素 1,5 は D に属するから C∩D = {1,5} よって タ,チ=1, 5
ツ,テ:正解 5, 4(配点2)
<考え方>
D={5,8,a−b,b} が 1 を含むこと、そして 7 や 9 を含まないことから a,b を決めます。
1 ∈ D で、5 と 8 は 1 でないから a−b=1 または b=1 (i) b=1 のとき a+b=9 より a=8 a−b=7 となり 7 ∈ D このとき C∩D={1,5,7} となり {1,5} に反する (ii) a−b=1 のとき a+b=9 と連立して 2a=10、a=5、b=4 D={5,8,1,4}、C∩D={1,5} で適する よって ツ=5、テ=4
b=1 の場合を「D の要素として 7 が現れてしまう」という理由で消すのがポイントです。条件を満たす候補を両方書き出して確かめましょう。
第2問(必答) 図形と計量
〔1〕は半径√2の三つの円を重ねてできる図形の面積を、四角形OPAQ・二つの正三角形・三つの扇形に分けて求める問題、〔2〕は3辺が自然数である三角形について、面積や外接円の半径が最大・最小になる場合を調べる問題です。配点30点。
ア:正解 ③(配点2)
<考え方>
円 P と円 Q はどちらも半径 √2 で点 O を通ります。A は円 P と円 Q のもう一つの交点なので PA=QA=√2 となり、四角形 OPAQ は 1 辺 √2 のひし形です。
OP = PA = AQ = QO = √2 よって四角形 OPAQ は 1 辺 √2 のひし形 対角線 PQ で合同な二つの三角形に分かれるから (四角形 OPAQ)= 2×△OPQ = 2×(1/2)·√2·√2·sin∠POQ = 2 sin∠POQ よって ア=③
△OPQ と △APQ は 3 辺がそれぞれ等しいので合同です。ひし形の面積を「対角線で二等分」して求めるのが最短です。
イ,ウ,エ:正解 ⑥, 4, 4(配点2)
<考え方>
ひし形では隣り合う内角の和が 180° です。それを使って ∠OPA を ∠POQ で表し、△OPA に余弦定理を使います。
四角形 OPAQ はひし形だから ∠OPA = 180°−∠POQ よって イ=⑥(180°) △OPA で OP=PA=√2 だから余弦定理より OA² = (√2)²+(√2)²−2·√2·√2·cos(180°−∠POQ) = 4−4·(−cos∠POQ) = 4+4 cos∠POQ よって ウ=4、エ=4
cos(180°−θ)=−cos θ を使うところで符号が変わります。ここを間違えると以降の大小関係がすべて逆になります。
オ:正解 ③(配点2)
<考え方>
点 A が円 O の周上にあるのは OA が円 O の半径 √2 に等しいときです。
点 A が円 O の周上 ⟺ OA = √2 ⟺ OA² = 2 4+4 cos∠POQ = 2 cos∠POQ = −1/2 0° < ∠POQ < 180° だから ∠POQ = 120° よって オ=③
カ,キ:正解 ①, ⓪(配点2)
<考え方>
OA²=4+4cos∠POQ は ∠POQ が大きいほど小さくなります。境目の 120° を基準に、OA と半径 √2 を比べます。
0° < ∠POQ < 120° のとき cos∠POQ > −1/2 より OA² > 2、すなわち OA > √2 → 点 A は円 O の外部 よって カ=①(外部) 120° < ∠POQ < 180° のとき cos∠POQ < −1/2 より OA < √2 → 点 A は円 O の内部 よって キ=⓪(内部)
解答表ではこの行に*印が付いており、解答記号オが正解の場合にのみ得点になります。オの 120° を落とすとここも得点できないので、オは確実に押さえておきたいところです。
ク,ケ,コ,サ:正解 3, 1, 7, 6(配点2)
<考え方>
まず四角形 OPAQ の面積が 1 であることから ∠POQ を決めます。次に、円 O と円 P(円 Q)の外側の交点を頂点にとると、そこにできる三角形が 1 辺 √2 の正三角形になることを使い、全体を「ひし形+二つの正三角形+三つの扇形」に分けます。
2 sin∠POQ = 1 より sin∠POQ = 1/2 点 A は円 O の外部だから 0° < ∠POQ < 120° よって ∠POQ = 30° 円 O と円 P の交点のうち円 Q の外側にある点を R、 円 O と円 Q の交点のうち円 P の外側にある点を S とすると OR=PR=OP=√2 より △OPR は 1 辺 √2 の正三角形 △OPR = △OQS = (√3/4)(√2)² = √3/2 中心のまわりの角を数えると O:360°−∠ROP−∠POQ−∠QOS = 360°−60°−30°−60° = 210° P:360°−∠RPO−∠OPA = 360°−60°−150° = 150°(Q も同じ) S =(四角形 OPAQ)+△OPR+△OQS +(中心 O の扇形)+(中心 P の扇形)+(中心 Q の扇形) = 1+2×(√3/2)+(210/360)·π·(√2)²+2×(150/360)·π·(√2)² = 1+√3+(7/6)π+(10/6)π = 1+√3+(17/6)π よって ク=3、ケコ=17、サ=6
sin∠POQ=1/2 からは 30° と 150° が出ますが、点 A が円 O の外部という条件(∠POQ < 120°)で 30° に絞られます。図形の分割は、三つの円の中心と交点を結んでから角度を足し引きすると整理できます。
シ,ス:正解 7, 9(配点3)
<考え方>
△ABC の 3 辺が AB=9,BC=5,AC=6 と分かっているので、角 B をはさむ 2 辺 AB,BC と向かい合う辺 AC で余弦定理を立てます。
余弦定理より cos B = (AB²+BC²−AC²)/(2·AB·BC) = (9²+5²−6²)/(2·9·5) = (81+25−36)/90 = 70/90 = 7/9 よって シ=7、ス=9
角 B の向かい側の辺は AC であることを確認してから式を立てましょう。
セ,ソ,タ:正解 4, 2, 9(配点2)
<考え方>
cos B が分かれば sin²B=1−cos²B から sin B が求まります。三角形の内角なので sin B > 0 です。
sin²B = 1−(7/9)² = 1−49/81 = 32/81 0° < B < 180° より sin B > 0 だから sin B = √32/9 = 4√2/9 よって セ=4、ソ=2、タ=9
√32 = 4√2 と簡単にしておくと、次の面積計算で 9 が約分できて楽になります。
チ,ツ,テ:正解 1, 0, 2(配点2)
<考え方>
2 辺とそのはさむ角の正弦から面積を出します。
△ABC = (1/2)·AB·BC·sin B = (1/2)·9·5·(4√2/9) = (1/2)·5·4√2 = 10√2 よって チツ=10、テ=2
ト,ナ:正解 ①, ⓪(配点2)
<考え方>
面積は (1/2)·9·5·sin B = (45/2) sin B なので、面積の最大は sin B の最大と同じです。さらに sin B=√(1−cos²B) なので、sin B が最大になるのは |cos B| が最小のときです。
△ABC = (1/2)·9·5·sin B = (45/2) sin B AB,BC は n によらず一定だから 面積が最大 ⟺ sin B が最大 よって ト=①(大きい) sin B = √(1−cos²B) で、cos²B が小さいほど sin B は大きいから sin B が最大 ⟺ |cos B| が最小 よって ナ=⓪(小さい)
太郎さんの「sin B より cos B の方が計算しやすい」という発言どおり、cos B は 3 辺だけで表せます。|cos B| に置きかえるのがこの設問の要です。
ニ:正解 ⑦(配点2)
<考え方>
cos B を n で表し、分子の符号を調べます。
cos B = (9²+5²−n²)/(2·9·5) = (106−n²)/90 cos B < 0 ⟺ n² > 106 10²=100,11²=121 だから n ≧ 11 5 ≦ n ≦ 13 と合わせて n=11,12,13 よって ニ=⑦
分母 90 は正なので、符号は分子 106−n² だけで決まります。
ヌ:正解 ⑥(配点2)
<考え方>
|cos B|=|106−n²|/90 なので、|106−n²| が最小になる n を n=5 から 13 まで調べます。
106−n² の値は n= 9 のとき 106−81 = 25 n=10 のとき 106−100 = 6 n=11 のとき 106−121 = −15 n=12 のとき 106−144 = −38 |106−n²| は n=10 のとき 6 で最小 よって 面積が最大となるのは n=10 のときのみで、ヌ=⑥
106 に最も近い平方数は 100(n=10)です。121(n=11)との差 15 より小さいので、n=10 だけが最大を与えます。
ネ:正解 ④(配点3)
<考え方>
正弦定理 AB/sin C=2R より R=9/(2 sin C) なので、R が最小になるのは sin C が最大、すなわち |cos C| が最小のときです。今度は角 C で余弦定理を立てます。
正弦定理より AB/sin C = 2R、R = 9/(2 sin C) R が最小 ⟺ sin C が最大 ⟺ |cos C| が最小 cos C = (AC²+BC²−AB²)/(2·AC·BC) = (n²−56)/(10n) n= 6 のとき −20/60 = −1/3 n= 7 のとき −7/70 = −1/10 n= 8 のとき 8/80 = 1/10 n= 9 のとき 25/90 = 5/18 |cos C| は n=7 と n=8 のときどちらも 1/10 で最小 よって ネ=④
n=7 と n=8 で |cos C| が同じ値になるのがこの設問の山場です。片方だけを答えないよう、両端の値をきちんと比べましょう。
ノ,ハ:正解 4, 6(配点4)
<考え方>
△ABC と △A′BC は外接円の半径が等しく、BC を共有しています。正弦定理から BC の対角の正弦が等しくなり、二つの角は等しいか補角の関係にあります。a ≦ c の条件で場合を絞ります。
外接円の半径を R とすると、正弦定理より a/sin A = 2R、a/sin∠BA′C = 2R よって sin A = sin∠BA′C ゆえに ∠BA′C = A または ∠BA′C = 180°−A (i) ∠BA′C = A のとき cos∠BA′C = cos A だから (c²+4²−a²)/(2·c·4) = (c²+5²−a²)/(2·c·5) 10(c²+16−a²) = 8(c²+25−a²) 2c²−2a² = 40 c²−a² = 20 (c+a)(c−a) = 20 a,c は自然数で a ≦ c、c+a と c−a の偶奇は一致するから c−a=2,c+a=10 a=4、c=6 (ii) ∠BA′C = 180°−A のとき cos∠BA′C = −cos A だから (c²+16−a²)/(8c) = −(c²+25−a²)/(10c) 18a² = 18c²+360 a² = c²+20 となり a > c で a ≦ c に反する よって ノ=4、ハ=6
(c+a)(c−a)=20 の分解は、c+a と c−a の偶奇が同じであることから 2×10 に限られます。また a=4,c=6 のとき △ABC は 3 辺 6,4,4、△A′BC は 3 辺 6,5,4 で、どちらも三角形が作れることも確認できます。
第3問(必答) 2次関数
〔1〕は2次方程式 f(x)=0 が 0≦x≦1 で実数解をもたない条件を、区間における最小値・最大値から求める問題、〔2〕はクリームパンの価格と売り上げ数の関係を1次関数と仮定し、売り上げ額と利益の最大を2次関数で調べる問題です。配点30点。
ア:正解 ①(配点2)
<考え方>
f(x) を平方完成して頂点を読み取り、下に凸の放物線が x 軸と共有点をもたない条件を頂点の y 座標で考えます。
f(x) = x²−2ax+2a²−a−6 = (x−a)²−a²+2a²−a−6 = (x−a)²+a²−a−6 頂点は (a,a²−a−6) よって ア=①
イ,ウ:正解 2, 3(配点2)
<考え方>
x² の係数が正なので下に凸です。実数解をもたないのは、頂点が x 軸より上にあるとき、つまり頂点の y 座標が正のときです。
a²−a−6 > 0 (a+2)(a−3) > 0 a < −2、3 < a よって イ=2、ウ=3
判別式 D/4=a²−(2a²−a−6)=−a²+a+6 < 0 としても同じ結果になります。
エ,オ,カ,キ:正解 ⓪, ⓪, ②, ①(配点3)
<考え方>
軸は x=a です。区間 0 ≦ x ≦ 1 に対して軸が左外・内部・右外のどこにあるかで、最小値をとる位置が変わります。
x² の係数は 1 > 0 だから下に凸 よって エ=⓪ 軸 x=a と区間 0 ≦ x ≦ 1 の位置関係で a < 0(軸が区間の左外) → 最小は左端 x=0 m=f(0) オ=⓪ 0 ≦ a ≦ 1(軸が区間内) → 最小は頂点 m=f(a) カ=② a > 1(軸が区間の右外) → 最小は右端 x=1 m=f(1) よって エ=⓪、オ=⓪、カ=②、キ=①
下に凸の放物線は軸から離れるほど値が大きくなるので、最小値は「軸にいちばん近い区間内の点」でとります。
ク,ケ,コ,サ:正解 3, 2, 5, 2(配点2)
<考え方>
条件(A)は m > 0 です。三つの場合それぞれについて、最小値が正になる a の範囲を求めて合わせます。
(i) a < 0 のとき f(0) = 2a²−a−6 = (2a+3)(a−2) > 0 a < −3/2、2 < a a < 0 と合わせて a < −3/2 (ii) 0 ≦ a ≦ 1 のとき f(a) = a²−a−6 > 0 a < −2、3 < a 0 ≦ a ≦ 1 を満たすものはない (iii) a > 1 のとき f(1) = 1−2a+2a²−a−6 = 2a²−3a−5 = (2a−5)(a+1) > 0 a < −1、5/2 < a a > 1 と合わせて 5/2 < a よって a < −3/2、5/2 < a で、ク=3、ケ=2、コ=5、サ=2
場合分けで出した範囲は、その場合の前提条件(a < 0 など)との共通部分をとってから合わせます。
シ:正解 ③(配点2)
<考え方>
下に凸の放物線は、閉区間での最大値を必ず区間の端でとります。
y=f(x) は下に凸だから 0 ≦ x ≦ 1 における最大値 M は区間の端 x=0 または x=1 でとる M = f(0) または f(1) よって シ=③
軸がどこにあっても、端の 2 点のうち軸から遠い方で最大になります。頂点 f(a) が最大値になることはありません。
ス:正解 ⑥(配点2)
<考え方>
M は f(0) と f(1) のうち大きい方です。大きい方が負なら、両方とも負です。
M は f(0),f(1) のうち大きい方だから M < 0 ⟺ f(0) < 0 かつ f(1) < 0 よって ス=⑥
「または」ではなく「かつ」です。片方だけ負でも、もう一方が 0 以上なら 0 ≦ x ≦ 1 に解をもってしまいます。
セ,ソ:正解 1, 2(配点2)
<考え方>
f(0) < 0 と f(1) < 0 をそれぞれ解き、共通部分をとります。
f(0) = (2a+3)(a−2) < 0 より −3/2 < a < 2 f(1) = (2a−5)(a+1) < 0 より −1 < a < 5/2 共通部分をとって −1 < a < 2 よって セ=1、ソ=2
(i)と合わせると、0 ≦ x ≦ 1 で実数解をもたない a の範囲は a < −3/2、−1 < a < 2、5/2 < a となります。
タ,チ,ツ,テ,ト:正解 −, 2, 3, 6, 0(配点2)
<考え方>
価格が 10 円上がると売り上げ数が 20 個減るので、1 次関数の傾きは −20/10=−2 です。表の (100,160) を代入して切片を決めます。
売り上げ数を y′ = px+q とおくと p = −20/10 = −2 x=100 のとき y′=160 だから 160 = −2·100+q q = 360 売り上げ数は −2x+360(個) よって タチ=−2、ツテト=360
表の (110,140),(130,100) を入れても同じ式になり、仮定と表が矛盾しないことが確かめられます。
ナ:正解 ⑤(配点2)
<考え方>
売り上げ数が 0 以上という条件を解いて、価格の上限を求めます。
−2x+360 ≧ 0 2x ≦ 360 x ≦ 180 よって ナ=⑤(180)
ニ,ヌ,ネ:正解 9, 0, ③(配点3)
<考え方>
売り上げ額 y は「価格×売り上げ数」なので x の 2 次関数になります。平方完成して頂点を求め、それが 0 ≦ x ≦ 180 に入るか確認します。
y = x(−2x+360) = −2x²+360x = −2(x²−180x) = −2(x−90)²+16200 上に凸で、頂点の x=90 は 0 ≦ x ≦ 180 に含まれるから x=90 のとき最大値 16200 よって ニヌ=90、ネ=③(16200)
「1 個あたりの価格を上げるほど売り上げ額が増える」わけではないことが、この放物線から読み取れます。
ノ:正解 ⑥(配点2)
<考え方>
1 個あたりの利益は「価格−原価」です。これに 1 日あたりの売り上げ数を掛けると 1 日あたりの利益になります。
1 個あたりの利益 = x−60(円) 1 日あたりの売り上げ数 = −2x+360(個) z = (x−60)(−2x+360) よって ノ=⑥((x−60))
売り上げ額 y=x×(−2x+360) との違いは、x が (x−60) に変わるところだけです。
ハ,ヒ:正解 ④, ④(配点3)
<考え方>
z を平方完成します。因数の形 −2(x−60)(x−180) から、頂点の x 座標が 60 と 180 の中央であることも見抜けます。
z = (x−60)(−2x+360) = −2(x−60)(x−180) = −2(x²−240x+10800) = −2(x−120)²+28800−21600 = −2(x−120)²+7200 上に凸で、x=120 は x ≦ 180 を満たすから x=120 のとき最大値 7200 よって ハ=④(120)、ヒ=④(7200)
売り上げ額が最大になる価格は 90 円、利益が最大になる価格は 120 円で一致しません。太郎さんの指摘どおりです。
フ,ヘ:正解 8, 0(配点3)
<考え方>
原価を c 円として同じ形の 2 次関数を作り、その最大値が 5000 以上になる c の範囲を求めます。
原価を c 円(c > 60)とすると z = (x−c)(−2x+360) = −2(x−c)(x−180) = −2{x−(c+180)/2}²+(180−c)²/2 頂点の x=(c+180)/2 は c < 180 より 180 以下だから z の最大値は (180−c)²/2 (180−c)²/2 ≧ 5000 (180−c)² ≧ 10000 180−c > 0 だから 180−c ≧ 100 c ≦ 80 よって フヘ=80
原価が 80 円のとき、価格を (80+180)/2=130 円にすれば 1 日あたりの利益はちょうど 5000 円になります。
第4問(必答) データの分析
J1リーグ2022シーズンの18チームの得点総数・失点総数・勝点・得失点差を題材に、四分位範囲と外れ値、外れ値を除いたときの平均値・中央値・第1四分位数の変化、散布図と箱ひげ図の読み取り、相関係数、そして共分散の性質までを扱います。配点20点。
ア,イ,ウ:正解 1, 5, ①(配点3)
<考え方>
18 個のデータを 9 個ずつに分け、下位 9 個の中央値を第 1 四分位数、上位 9 個の中央値を第 3 四分位数とします。そのうえで外れ値の基準値を計算します。
データ A を小さい順に並べると 29,30,30,31,32,33,35,43,44 | 45,45,46,46,47,48,52,65,70 下位 9 個の中央値(5 番目)より Q1 = 32 上位 9 個の中央値(14 番目)より Q3 = 47 四分位範囲 = 47−32 = 15 よって アイ=15 Q1−1.5×15 = 32−22.5 = 9.5 以下の値はない Q3+1.5×15 = 47+22.5 = 69.5 以上の値は 70 だけ よって ウ=①(70 の一つ)
65 は 69.5 より小さいので外れ値になりません。基準値を計算せずに「大きく離れて見える値」を選ぶと引っかかります。
エ,オ:正解 ④, ③(配点2)
<考え方>
データ A は 18 個(偶数)、外れ値 70 を除いたデータ B は 17 個(奇数)です。個数の偶奇で中央値の求め方が変わります。
データ A(18 個)の中央値は 9 番目と 10 番目の平均 m_A = (44+45)/2 = 44.5 よって エ=④(44.5) データ B(17 個)の中央値は 9 番目の値 m_B = 44 よって オ=③(44)
カ,キ,ク:正解 ①, 1, 7(配点2)
<考え方>
データ A から取り除いた外れ値は 70 の 1 個だけです。合計と個数の関係から平均値どうしの式を作ります。
除いた値は 70 だけだから (データ A の値の合計)−(データ B の値の合計)= 70 よって カ=①(70) データ A は 18 個、データ B は 17 個だから 18ā =(データ A の合計) =(データ B の合計)+70 = 17b̄+70 よって キク=17
ケ:正解 ④(配点2)
<考え方>
平均値・中央値・第 1 四分位数それぞれについて、外れ値を除く前と後の値を求めて差の絶対値を比べます。データ B の第 1 四分位数は 17 個のうち下位 8 個の中央値です。
ā = 771/18 = 42.83… b̄ = (771−70)/17 = 701/17 = 41.23… T1 = |ā−b̄| = 1.6… m_A = 44.5、m_B = 44 T2 = |44.5−44| = 0.5 Q_A = 32 データ B(17 個)の下位 8 個は 29,30,30,31,32,33,35,43 だから Q_B = (31+32)/2 = 31.5 T3 = |32−31.5| = 0.5 T2 = T3 = 0.5 < T1 = 1.6… よって ケ=④(T2=T3 < T1)
外れ値 1 個を除いた影響は、平均値にはっきり出る一方で中央値や四分位数にはほとんど出ません。外れ値に強い指標・弱い指標の違いが問われています。
コ:正解 ⑤(配点3)
<考え方>
(a)は図 1 と図 2 を突き合わせて「同じチームかどうか」を勝点で確かめます。(b)は両図の横軸の最大・最小、(c)は点の散らばりの向きを見ます。
(a) 図 1 で得点総数が最も小さい(29)チームの勝点は約 38 図 2 で失点総数が最も大きい(約 57)チームの勝点は 30 勝点が違うので別のチーム → 誤 (b) 得点総数の範囲 = 70−29 = 41 失点総数の範囲 = 約 57−35 = 約 22 41 > 22 → 正 (c) 図 1 は右上がりで正の相関 図 2 は右下がりで負の相関 → 誤 よって コ=⑤
(a)は二つの散布図に共通する「勝点」を手がかりに、同じチームかどうかを見分けるのがポイントです。
サ:正解 ②(配点2)
<考え方>
18 個のデータを小さい順に x1〜x18 とすると、Q1=x5、中央値=(x9+x10)/2、Q3=x14 です。個数を数えるときは、この位置関係を書き出してから判断します。
(a) 第 1 四分位数以上で中央値より小さいデータ x5,x6,x7,x8,x9 の 5 個 中央値より大きく第 3 四分位数以下のデータ x10,x11,x12,x13,x14 の 5 個 5 個と 5 個で等しいから「少ない」は成り立たない → 誤 (b) 失点総数 > 得点総数 ⟺(得点総数)÷(失点総数)< 1 図 3 の中央値は約 0.93 で 1 より小さいから x1 から x9 までの 9 個はすべて 1 未満 9 チーム以上ある → 正 よって サ=②
(a)は「少ない」という問い方に注意。同数なので誤りです。箱の左半分と右半分は幅が違っても、含まれるデータの個数は同じになります。
シ:正解 ⑥(配点3)
<考え方>
相関係数は「共分散 ÷(それぞれの標準偏差の積)」で求めます。
相関係数 = 125.1/(13.4×10.0) = 125.1/134 = 0.933… よって シ=⑥(0.93)
相関係数は必ず −1 以上 1 以下です。⑦の 1.07 はこの時点で選択肢から外せます。
ス,セ:正解 ⓪, ②(配点3)
<考え方>
u_i−ū = (x_i−x̄)−(y_i−ȳ) を共分散の定義式に代入して展開します。相関係数の符号は共分散の符号だけで決まります。
s_uz = (1/18)Σ(u_i−ū)(z_i−z̄) = (1/18)Σ{(x_i−x̄)−(y_i−ȳ)}(z_i−z̄) = (1/18)Σ(x_i−x̄)(z_i−z̄)−(1/18)Σ(y_i−ȳ)(z_i−z̄) = s_xz−s_yz よって ス=⓪ r_uz = s_uz/(s_u·s_z) で s_u > 0、s_z > 0 だから r_uz < 0 ⟺ s_uz < 0 ⟺ s_xz−s_yz < 0 ⟺ s_xz < s_yz よって セ=②
得失点差と勝点の相関が負になるのは「得点総数と勝点の共分散が、失点総数と勝点の共分散より小さいとき」です。表 2 の実データでは相関係数が 0.93 と強い正なので、そうはなっていません。
※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

