2017年度 大学入試センター試験 本試験「数学Ⅰ」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。
解答
解説
2017年度 大学入試センター試験 本試験「数学Ⅰ」の全設問について、正解と考え方を解説します。第1問から第4問まですべて必答です(100点)。同年の数学Ⅰ・Aと共通の設問が多く、その箇所は各大問のはじめに記しています。各設問の見出しをタップすると解説が開きます。
第1問 〔1〕 数と式(x² + 4/x² = 9 から3乗・4乗へ)
x² + 4/x² = 9 という条件から、x + 2/x、x³ + 8/x³、x⁴ + 16/x⁴ と次数を上げていきます。数学Ⅰ・Aでは4問で終わりますが、数学Ⅰではさらに x − 2/x を経由して x の値そのものを求めるところまで進みます。前半4問は同年の数学Ⅰ・A 第1問〔1〕と同じ問題です。
アイ:正解 13(配点3)
<問題要旨>
x は正の実数で x² + 4/x² = 9 を満たすとき、(x + 2/x)² の値を求めます。
<考え方>
展開すると x² と 4/x² が現れ、残りは定数項になります。
(x + 2/x)² = x² + 2 × x × (2/x) + 4/x²
= x² + 4/x² + 4
= 9 + 4
= 13
よって アイ = 13
ウ:正解 2(配点1)
<問題要旨>
x³ + 8/x³ を (x + 2/x)(x² + 4/x² − ウ) の形に表したときの ウ を求めます。
<考え方>
a³ + b³ = (a + b)(a² − ab + b²) に a = x、b = 2/x を当てはめます。ab の値が ウ になります。
a = x, b = 2/x とおくと
ab = x × 2/x = 2
a² + b² = x² + 4/x²
a³ + b³ = (a + b)(a² − ab + b²)
= (x + 2/x)(x² + 4/x² − 2)
よって ウ = 2
エ√オカ:正解 7√13(配点3)
<問題要旨>
x³ + 8/x³ の値を求めます。
<考え方>
前問で作った式に、x + 2/x = √13 と x² + 4/x² = 9 を代入します。x が正であることから、x + 2/x は正の平方根をとります。
x > 0 より x + 2/x > 0 で、(x + 2/x)² = 13 だから
x + 2/x = √13
x³ + 8/x³ = (x + 2/x)(x² + 4/x² − 2)
= √13 × (9 − 2)
= 7√13
よって エ√オカ = 7√13
キク:正解 73(配点3)
<問題要旨>
x⁴ + 16/x⁴ の値を求めます。
<考え方>
今度は x² + 4/x² を2乗します。ここでも 2 × x² × 4/x² = 8 という定数が出てきます。
(x² + 4/x²)² = x⁴ + 2 × x² × (4/x²) + 16/x⁴
= x⁴ + 16/x⁴ + 8
左辺は 9² = 81 だから
x⁴ + 16/x⁴ = 81 − 8 = 73
よって キク = 73
ケ:正解 5(配点2)
<問題要旨>
(x − 2/x)² の値を求めます。
<考え方>
今度は差の2乗です。展開すると、和のときと同じ x² + 4/x² が出てきますが、定数項の符号が変わります。
(x − 2/x)² = x² − 2 × x × (2/x) + 4/x²
= x² + 4/x² − 4
= 9 − 4
= 5
よって ケ = 5
(√コサ−√シ)/ス:正解 (√13−√5)/2(配点3)
<問題要旨>
x − 2/x < 0 のときの x の値を求めます。
<考え方>
(x − 2/x)² = 5 で、いま x − 2/x は負なので x − 2/x = −√5 です。すでに x + 2/x = √13 が分かっているので、2つの式を辺々足すと 2/x が消えて x が求まります。
x − 2/x < 0 だから x − 2/x = −√5 x + 2/x = √13 …① x − 2/x = −√5 …② ① + ② より 2x = √13 − √5 x = (√13 − √5)/2 よって (√コサ − √シ)/ス = (√13 − √5)/2
第1問 〔2〕 集合と命題(必要条件・十分条件と対偶)
p:x = 1、q:x² = 1 という2つの条件で、必要条件・十分条件を判定します。組み合わさった条件は、まず x がどんな範囲かに言い換えると迷いません。同年の数学Ⅰ・A 第1問〔2〕と同じ問題です(解答記号だけが異なります)。
セ:正解 ⓪(配点1)
<問題要旨>
「q は p であるための セ 」に当てはまるものを、必要条件・十分条件の4つの選択肢から選びます。
<考え方>
「q は p であるための」という言い方では、q が仮定の側です。q ⟹ p が真なら十分条件、p ⟹ q が真なら必要条件になります。両方向を別々に調べます。
p ⟹ q : x = 1 ならば x² = 1 … 真 q ⟹ p : x² = 1 ならば x = 1 … 偽(x = −1 が反例) p ⟹ q が真だから q は p であるための必要条件 q ⟹ p は偽だから十分条件ではない よって セ = ⓪
ソ:正解 ③(配点2)
<問題要旨>
「p の否定は q であるための ソ 」に当てはまるものを選びます。
<考え方>
p の否定は「x ≠ 1」です。この条件と q(x = ±1)の間で、両方向の含意を調べます。
p の否定 :x ≠ 1 q :x² = 1 すなわち x = 1 または x = −1 (x ≠ 1) ⟹ (x² = 1) … 偽(x = 2 が反例) (x² = 1) ⟹ (x ≠ 1) … 偽(x = 1 が反例) どちらも偽なので、必要条件でも十分条件でもない よって ソ = ③
タ:正解 ③(配点2)
<問題要旨>
「(p または q の否定) は q であるための タ 」に当てはまるものを選びます。
<考え方>
まず「p または (q でない)」がどんな x の範囲になるかを整理します。x = 1 を含み、x ≠ ±1 も含むので、結局 x = −1 だけが除かれます。
p :x = 1
q の否定 :x² ≠ 1 すなわち x ≠ 1 かつ x ≠ −1
p または (q の否定) = 「x = 1」または「x ≠ ±1」
= 「x ≠ −1」
(x ≠ −1) ⟹ (x² = 1) … 偽(x = 2 が反例)
(x² = 1) ⟹ (x ≠ −1) … 偽(x = −1 が反例)
どちらも偽なので、必要条件でも十分条件でもない
よって タ = ③
チ:正解 ①(配点2)
<問題要旨>
「(p の否定 かつ q) は q であるための チ 」に当てはまるものを選びます。
<考え方>
「x ≠ 1 かつ x = ±1」を満たす x は −1 だけです。ここまで絞れれば含意の判定はすぐつきます。
(p の否定) かつ q = 「x ≠ 1」かつ「x = ±1」
= 「x = −1」
(x = −1) ⟹ (x² = 1) … 真
(x² = 1) ⟹ (x = −1) … 偽(x = 1 が反例)
よって十分条件だが必要条件ではない
チ = ①
ツ:正解 ②(配点3)
<問題要旨>
r:x > 0 とするとき、3つの命題 A「(p かつ q) ⟹ r」、B「q ⟹ r」、C「(q の否定) ⟹ (p の否定)」の真偽の組合せを選びます。
<考え方>
A は仮定を x の条件に直せばすぐ判定できます。C は「p ⟹ q」の対偶になっていることに気づくと、計算せずに真と分かります。
A : (p かつ q) = 「x = 1 かつ x² = 1」= 「x = 1」
x = 1 ならば x > 0 … 真
B : x² = 1 ならば x > 0 … 偽(x = −1 が反例)
C : (q の否定) ⟹ (p の否定) は 「p ⟹ q」の対偶
p ⟹ q は真だから、その対偶である C も真
A は真, B は偽, C は真
よって ツ = ②
第2問 2次関数(因数分解と、頂点が動く範囲)
定数 a を含む2次関数を2通りの角度から調べます。(1) は平方の差の因数分解から「原点を通る条件」へ、(2) は頂点の座標が a とともにどう動くかを追い、最後は頂点の y 座標に上限をつけたときの a の範囲を求めます。(2) の前半は同年の数学Ⅰ・A 第1問〔3〕と同じ問題です。
ア,イ,ウ:正解 4,6,4(配点4)
<問題要旨>
f(x) = (x − 3a² − 5a)² − (3a² − 4)² を、2つの1次式の積の形に因数分解します。
<考え方>
A² − B² = (A + B)(A − B) の形です。A = x − 3a² − 5a、B = 3a² − 4 とおいて、和と差をそれぞれ計算します。和のほうでは a² の項が消えます。
A = x − 3a² − 5a, B = 3a² − 4 とおくと
f(x) = A² − B² = (A + B)(A − B)
A + B = (x − 3a² − 5a) + (3a² − 4)
= x − 5a − 4
A − B = (x − 3a² − 5a) − (3a² − 4)
= x − 6a² − 5a + 4
f(x) = (x − 5a − 4)(x − 6a² − 5a + 4)
よって ア = 4, イ = 6, ウ = 4
−エ/オ,−カ/キ,ク/ケ:正解 −4/3,−4/5,1/2(配点4)
<問題要旨>
y = f(x) のグラフが原点を通るような a の値を、小さい順に求めます。
<考え方>
原点を通ることは f(0) = 0 と同じです。因数分解した形に x = 0 を代入すると、2つの因数のどちらかが 0 になる、という形に分かれます。
原点を通る ⟺ f(0) = 0 f(0) = (−5a − 4)(−6a² − 5a + 4) = 0 よって 5a + 4 = 0 または 6a² + 5a − 4 = 0 5a + 4 = 0 → a = −4/5 6a² + 5a − 4 = (3a + 4)(2a − 1) = 0 → a = −4/3, 1/2 小さい順に並べると a = −4/3, −4/5, 1/2 よって −エ/オ = −4/3, −カ/キ = −4/5, ク/ケ = 1/2
コ,サ:正解 3,5(配点2)
<問題要旨>
g(x) = x² − 2(3a² + 5a)x + 18a⁴ + 30a³ + 49a² + 16 のグラフの頂点の x 座標を、a の式で表します。
<考え方>
x² − 2mx + … の形なので、平方完成するまでもなく頂点の x 座標は m です。
g(x) = x² − 2(3a² + 5a)x + (定数項)
= {x − (3a² + 5a)}² − (3a² + 5a)² + (定数項)
頂点の x 座標 = 3a² + 5a
よって コ = 3, サ = 5
シ,スセ,ソタ:正解 9,24,16(配点2)
<問題要旨>
頂点の y 座標を a の式で表します。
<考え方>
上の平方完成の残り、つまり (定数項) − (3a² + 5a)² を計算します。(3a² + 5a)² の展開で a³ の項がちょうど消えます。
(3a² + 5a)² = 9a⁴ + 30a³ + 25a² 頂点の y 座標 = (18a⁴ + 30a³ + 49a² + 16) − (9a⁴ + 30a³ + 25a²) = 9a⁴ + 24a² + 16 よって シ = 9, スセ = 24, ソタ = 16
チツ/テト:正解 25/12(配点3)
<問題要旨>
a が実数全体を動くときの、頂点の x 座標の最小値を求めます。答えは −チツ/テト の形です。
<考え方>
頂点の x 座標 3a² + 5a を、a について平方完成します。a² の係数が 3 なので、まず 3 でくくります。
3a² + 5a = 3(a² + (5/3)a)
= 3{(a + 5/6)² − 25/36}
= 3(a + 5/6)² − 25/12
a = −5/6 のとき最小値 −25/12
よって チツ/テト = 25/12(最小値は −25/12)
ナニ:正解 16(配点3)
<問題要旨>
a が実数全体を動くときの、頂点の y 座標の最小値を求めます。
<考え方>
t = a² とおくと 9t² + 24t + 16 という t の2次関数になります。ここで t = a² は 0 以上しかとれないので、2次関数の頂点(t = −4/3)は範囲の外です。t = 0 のときが最小になります。
t = a² とおくと t ≧ 0 頂点の y 座標 = 9t² + 24t + 16 この t の2次関数の頂点は t = −4/3 で、範囲の外 t ≧ 0 では単調に増加するので t = 0 のとき最小 最小値 = 16(このとき a = 0) よって ナニ = 16
ヌ,ネ:正解 3,4(配点3)
<問題要旨>
頂点の y 座標 9t² + 24t + 16 を (ヌ t + ネ)² の形に変形します。
<考え方>
9 = 3²、16 = 4² で、真ん中の項がちょうど 2 × 3 × 4 = 24 になっているので、完全平方式です。
9t² + 24t + 16 = (3t)² + 2 × (3t) × 4 + 4² = (3t + 4)² よって ヌ = 3, ネ = 4
ノハ√ヒ,フ√ヘ:正解 −4√2,4√2(配点4)
<問題要旨>
頂点の y 座標が 10000 以下になる a の値の範囲を求めます。
<考え方>
(3t + 4)² ≦ 10000 を解きます。t = a² は 0 以上なので 3t + 4 は正、したがって平方根をとるときに符号で場合分けする必要はありません。最後に t を a² に戻します。
(3t + 4)² ≦ 10000 t = a² ≧ 0 だから 3t + 4 > 0 よって 3t + 4 ≦ 100 3t ≦ 96 t ≦ 32 a² ≦ 32 −√32 ≦ a ≦ √32 √32 = 4√2 だから −4√2 ≦ a ≦ 4√2 よって ノハ√ヒ = −4√2, フ√ヘ = 4√2
第3問 図形と計量(余弦定理・正弦定理と、垂線の足)
AB = √3 − 1、BC = √3 + 1 という、足すと √3 が消え、掛けると 2 になる2辺が舞台です。(1)(2) は同年の数学Ⅰ・A 第2問〔1〕と同じ問題で、(3) では点 C から直線 AB に垂線を下ろし、最後は15°の三角比まで進みます。
√ア:正解 √6(配点3)
<問題要旨>
AB = √3 − 1、BC = √3 + 1、∠ABC = 60° の △ABC で、AC の長さを求めます。
<考え方>
2辺とその間の角が分かっているので余弦定理です。AB² と BC² を足すと √3 の項が打ち消し合い、AB × BC は 2 になります。
AB² = (√3 − 1)² = 4 − 2√3
BC² = (√3 + 1)² = 4 + 2√3
AB × BC = (√3 − 1)(√3 + 1) = 3 − 1 = 2
AC² = AB² + BC² − 2 × AB × BC × cos60°
= (4 − 2√3) + (4 + 2√3) − 2 × 2 × (1/2)
= 8 − 2 = 6
AC = √6
よって ア = 6
√イ:正解 √2(配点3)
<問題要旨>
△ABC の外接円の半径を求めます。
<考え方>
向かい合う辺と角の組(AC と ∠ABC)が分かっているので、正弦定理をそのまま当てはめます。
正弦定理より AC / sin∠ABC = 2R 2R = √6 ÷ sin60° = √6 ÷ (√3/2) = 2√6/√3 = 2√2 R = √2 よって イ = 2
(√ウ+√エ)/オ:正解 (√2+√6)/4(配点3)
<問題要旨>
sin∠BAC の値を求めます。
<考え方>
∠BAC と向かい合うのは辺 BC です。外接円の半径が出ているので、BC に正弦定理を当てはめ、最後に分母を有理化します。
正弦定理より
BC / sin∠BAC = 2R = 2√2
sin∠BAC = BC / (2√2)
= (√3 + 1)/(2√2)
= (√3 + 1) × √2 / 4
= (√6 + √2)/4
よって (√ウ + √エ)/オ = (√2 + √6)/4
(カ√キ−ク)/ケ:正解 (2√3−2)/3(配点3)
<問題要旨>
辺 AC 上に点 D を、△ABD の面積が √2/6 になるようにとるとき、AB・AD の値を求めます。
<考え方>
D は辺 AC 上にあるので、∠BAD は ∠BAC と同じ角です。面積の公式に前問の sin∠BAC をそのまま入れて、AB・AD について解きます。
D は辺 AC 上にあるから ∠BAD = ∠BAC
△ABD = (1/2) × AB × AD × sin∠BAC = √2/6
(1/2) × AB・AD × (√6 + √2)/4 = √2/6
AB・AD = (√2/6) × 8/(√6 + √2)
= (4√2/3) × (√6 − √2)/{(√6 + √2)(√6 − √2)}
= (4√2/3) × (√6 − √2)/4
= √2(√6 − √2)/3
= (√12 − 2)/3
= (2√3 − 2)/3
よって (カ√キ − ク)/ケ = (2√3 − 2)/3
コ/サ:正解 2/3(配点3)
<問題要旨>
AD の長さを求めます。
<考え方>
前問で求めた AB・AD を AB = √3 − 1 で割るだけです。分子を 2(√3 − 1) と見ると、約分できることがすぐ分かります。
AB・AD = (2√3 − 2)/3 = 2(√3 − 1)/3
AD = AB・AD ÷ AB
= {2(√3 − 1)/3} ÷ (√3 − 1)
= 2/3
よって コ/サ = 2/3
(√シ+ス)/セ:正解 (√3+3)/2(配点3)
<問題要旨>
点 C から直線 AB に下ろした垂線と直線 AB との交点を E とするとき、CE の長さを求めます。
<考え方>
CE は AB を底辺とみたときの △ABC の高さです。面積を2通りに表して比べます。面積のほうは (1/2)×AB×BC×sin60° で、AB×BC = 2 なのできれいに出ます。
△ABC = (1/2) × AB × BC × sin60°
= (1/2) × (√3 − 1)(√3 + 1) × (√3/2)
= (1/2) × 2 × (√3/2)
= √3/2
AB を底辺とみると
△ABC = (1/2) × AB × CE
√3/2 = (1/2) × (√3 − 1) × CE
CE = √3/(√3 − 1)
= √3(√3 + 1)/{(√3 − 1)(√3 + 1)}
= (3 + √3)/2
よって (√シ + ス)/セ = (√3 + 3)/2
(√ソ+√タ)/チ:正解 (√2+√6)/4(配点3)
<問題要旨>
cos∠ACE の値を求めます。
<考え方>
∠AEC = 90° なので △ACE は直角三角形です。∠ACE をはさむ辺 CE と斜辺 AC の比が cos になります。
∠AEC = 90° だから △ACE は直角三角形
cos∠ACE = CE/AC
CE = (√3 + 3)/2, AC = √6 だから
cos∠ACE = (√3 + 3)/(2√6)
= (√3 + 3) × √6/(2 × 6)
= (√18 + 3√6)/12
= (3√2 + 3√6)/12
= (√2 + √6)/4
よって (√ソ + √タ)/チ = (√2 + √6)/4
(√ツ+√テ)/ト:正解 (√2+√6)/4(配点3)
<問題要旨>
cos∠ACB の値を求めます。
<考え方>
3辺の長さがすべて分かっているので余弦定理です。分母は √6(√3 + 1) の形に見ておくと、有理化のときに (√3 − 1) を掛ければよいと分かります。
余弦定理より
cos∠ACB = (AC² + BC² − AB²)/(2 × AC × BC)
AC² = 6, BC² = 4 + 2√3, AB² = 4 − 2√3
分子 = 6 + (4 + 2√3) − (4 − 2√3) = 6 + 4√3
分母 = 2 × √6 × (√3 + 1)
cos∠ACB = (6 + 4√3)/{2√6(√3 + 1)}
= (3 + 2√3)/{√6(√3 + 1)}
分母分子に (√3 − 1) を掛けて
= (3 + 2√3)(√3 − 1)/{√6 × 2}
= (3√3 − 3 + 6 − 2√3)/(2√6)
= (√3 + 3)/(2√6)
= (√2 + √6)/4
よって (√ツ + √テ)/ト = (√2 + √6)/4
ナニ°:正解 15°(配点3)
<問題要旨>
∠ACE の大きさを求めます。
<考え方>
cos∠ACE と cos∠ACB が同じ値なので ∠ACE = ∠ACB です。さらに、この値は (1) で求めた sin∠BAC と同じ値でもあります。sinθ = cos(90° − θ) の関係と内角の和から、∠ACB が決まります。
cos∠ACE = cos∠ACB = (√2 + √6)/4
よって ∠ACE = ∠ACB
(1) より sin∠BAC = (√6 + √2)/4 で、これは同じ値だから
sin∠BAC = cos∠ACB
sinθ = cos(90° − θ) だから
∠BAC = 90° − ∠ACB または ∠BAC = 90° + ∠ACB
△ABC の内角の和より ∠BAC + ∠ACB = 120°
前者だと 90° = 120° となり不合理
後者より (90° + ∠ACB) + ∠ACB = 120°
2∠ACB = 30°
∠ACB = 15°
よって ∠ACE = 15°(ナニ = 15)
ヌ−√ネ:正解 2−√3(配点3)
<問題要旨>
tan15° の値を求めます。
<考え方>
△ACE は ∠AEC = 90° の直角三角形で、∠ACE = 15° です。tan15° = AE/CE なので、三平方の定理で AE を出し、比を計算します。2乗のまま計算して最後に平方根をとるのが手早い方法です。
△ACE は ∠AEC = 90° の直角三角形
∠ACE = 15° だから tan15° = AE/CE
CE = (3 + √3)/2 だから
CE² = (12 + 6√3)/4 = (6 + 3√3)/2
AE² = AC² − CE² = 6 − (6 + 3√3)/2 = (6 − 3√3)/2
tan²15° = AE²/CE² = (6 − 3√3)/(6 + 3√3)
= (2 − √3)/(2 + √3)
分母分子に (2 − √3) を掛けて
= (2 − √3)²/{(2 + √3)(2 − √3)}
= (2 − √3)²/1
tan15° > 0 だから
tan15° = 2 − √3
よって ヌ − √ネ = 2 − √3
第4問 データの分析(スキージャンプの得点)
スキージャンプ58本について、飛距離から決まる得点 X、空中姿勢から決まる得点 Y、飛び出す速度 V を扱います。(1)〜(3) は同年の数学Ⅰ・A 第2問〔2〕と同じ問題(解答記号だけが異なります)で、数学Ⅰではさらに (4) が加わり、スタート位置の違いを補正した得点 X′ との比較まで進みます。
ア,イ,ウ:正解 ①,④,⑥(配点6)
<問題要旨>
図1の3つの散布図(X と V、Y と V、X と Y)から読み取れる正しい記述を3つ選びます。
<考え方>
「相関が強い」は点の集まり方、「最大」「最小」「すべて」を含む記述は該当する点を1つずつ確かめます。とくに⑤のように「すべて」と言い切る記述は、反例を1つ見つければ切れます。
⓪ X と V は大きく散らばり、X と Y は右上がりに集まっている → X と V のほうが強い、は誤り ① X と Y の散布図は右上がり → 正の相関がある … 正しい ② V が最大(約94.2)のジャンプの X は約59。X の最大は約87 … 誤り ③ V が最大のジャンプの Y は約51.5。Y の最大は約58.5 … 誤り ④ Y が最小(約50)のジャンプの X は約56.5。X の最小は約53 … 正しい ⑤ X が80以上の5点のうち、X = 87 の点は V が93より小さい … 誤り ⑥ V が94以上の点は2つで、Y はどちらも55未満 … 正しい よって ア, イ, ウ = ①, ④, ⑥
エ:正解 ④(配点2)
<問題要旨>
X = 1.80 ×(D − 125.0)+ 60.0 のとき、X の分散は D の分散の何倍かを選びます。
<考え方>
変量を a 倍して定数を足したとき、定数は散らばりに影響せず、分散は a² 倍になります。
X = 1.80 × D + (定数) 分散は a 倍すると a² 倍、定数を足しても変わらない 1.80² = 3.24 よって エ = ④(3.24)
オ:正解 ③(配点2)
<問題要旨>
X と Y の共分散は、D と Y の共分散の何倍かを選びます。
<考え方>
共分散は「2つの変量それぞれの偏差の積の平均」です。片方だけを 1.80 倍すると、偏差の積も 1.80 倍になります。
X の偏差 = 1.80 ×(D の偏差)
共分散 =(X の偏差)×(Y の偏差)の平均
= 1.80 ×{(D の偏差)×(Y の偏差)の平均}
= 1.80 ×(D と Y の共分散)
よって オ = ③(1.80)
カ:正解 ②(配点2)
<問題要旨>
X と Y の相関係数は、D と Y の相関係数の何倍かを選びます。
<考え方>
相関係数は共分散を2つの標準偏差の積で割ったものです。分子も分母も同じ 1.80 倍になるので、値は変わりません。
相関係数 = 共分散 ÷(X の標準偏差 × Y の標準偏差) 分子(共分散)は 1.80 倍 X の標準偏差も 1.80 倍(分散が 1.80² 倍だから) 分子と分母が同じ倍率なので相関係数は変わらない よって カ = ②(1)
キ:正解 ⓪(配点1)
<問題要旨>
1回目の X + Y について、ヒストグラム(図2のA・B)と箱ひげ図(図3のa・b)の正しい組合せを選びます。
<考え方>
手がかりは「1回目の X + Y の最小値は108.0」という一文だけです。最小値が108なら、105以上110未満の階級に最小のデータが入り、それより下の階級の度数は0になります。箱ひげ図も左端が108のものを選びます。
ヒストグラム
A:105以上110未満に1個、それより下は度数0
→ 最小値は105以上110未満 … 合う
B:100以上105未満に1個
→ 最小値は105未満 … 合わない
箱ひげ図
a:左端(最小値)が約108 … 合う
b:左端が約104 … 合わない
よって 1回目は A と a の組合せ
キ = ⓪
ク:正解 ①(配点2)
<問題要旨>
図3の2つの箱ひげ図から読み取れる正しい記述を選びます。
<考え方>
前問から a が1回目、b が2回目と決まっています。四分位範囲は箱の横幅、中央値は箱の中の縦線、最大値・最小値はひげの両端で比べます。
a(1回目):最小 約108、Q1 約115.5、中央値 約124、Q3 約129.5、最大 約143.5 b(2回目):最小 約104、Q1 約110、中央値 約114、Q3 約125、最大 約141.5 ⓪ 四分位範囲は a 約14 < b 約15 … 誤り ① 中央値は a 約124 > b 約114 … 正しい ② 最大値は a 約143.5 > b 約141.5 … 誤り ③ 最小値は a 約108 > b 約104 … 誤り よって ク = ①
ケ,コ:正解 ①,②(配点5)
<問題要旨>
スタート位置(高・中・低)ごとに X と X′ の箱ひげ図を描いた図4について、正しい記述を2つ選びます。X′ はスタート位置に応じて X にそれぞれ 0、3.8、7.6 を足したものです。
<考え方>
X′ = X + 定数 という関係なので、四分位範囲のような「散らばりの尺度」は変わらず、中央値や四分位数は定数のぶんだけ右へずれます。この性質だけで②が決まります。残りは図4の目盛りを読んで比べます。
図4から読み取ると(おおよその値)
X 高:Q1 61.8, 中央値 69.5, Q3 73.5
中:Q1 57.3, 中央値 63.5, Q3 70.8
低:Q1 56.5, 中央値 60.0, Q3 70.8
X′ 高:Q1 61.8, 中央値 69.5, Q3 73.5 (+0)
中:Q1 61.1, 中央値 67.3, Q3 74.6 (+3.8)
低:Q1 64.1, 中央値 67.6, Q3 78.4 (+7.6)
⓪ X′ の中央値は 高 69.5 > 低 67.6 > 中 67.3
「高いほど大きい」になっていない … 誤り
① X の中央値は 高 > 中 > 低 で成り立ち、
X′ の中央値 69.5, 67.3, 67.6 はどれも 66 以上 70 未満 … 正しい
② X′ = X + 定数 だから四分位範囲は変わらない … 正しい
③ X′ の第1四分位数は 低 64.1 が最も大きい … 誤り
④ X′ の第3四分位数は 低 78.4 が最も大きい … 誤り
よって ケ, コ = ①, ②
※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

