2025年度 大学入学共通テスト 本試験 旧数学Ⅰ 解答・解説

目次

解答

解説

第1問 〔1〕 2次方程式と必要十分条件

文字を含む2次方程式を「どの文字について整理するか」を見抜けるかが問われる設問群です。

ア,イ:正解 ②, ⑧(配点2)

<問題要旨>
a=1 のときの①を b について整理した②を因数分解する問題です。x と b の2文字を含む式は、次数の低い文字について整理するのが定石です。

<考え方>
②は b について1次式なので、b がかかっている部分とそうでない部分に分けます。

② = (4x² − 1)b + 16x − 8

  4x² − 1 = (2x − 1)(2x + 1)
  16x − 8 = 8(2x − 1)

両方の項に (2x − 1) が共通因数として現れることに気づけるかがポイントです。

② = (2x − 1)(2x + 1)b + 8(2x − 1)
   = (2x − 1){ (2x + 1)b + 8 }
   = (2x − 1)(2bx + b + 8)

よって ア=②、イ=⑧

ウ,エ,オ,カ:正解 ②, ⑤, ③, ②(配点3)

<問題要旨>
b=2 を代入した①を、a を含んだまま因数分解します。文字が残っていてもたすき掛けの要領で分解できます。

b = 2 を①に代入すると

  (2a + 4·2 − 2)x² + (5a + 11)x − 2 − 8
  = (2a + 6)x² + (5a + 11)x − 10

定数項が −10、x² の係数が 2(a + 3) であることから (2x + 5){(a + 3)x − 2} を予想し、展開して確かめます。

(2x + 5){(a + 3)x − 2}
= 2(a + 3)x² − 4x + 5(a + 3)x − 10
= (2a + 6)x² + (5a + 11)x − 10   ← 一致

よって ウ=②、エ=⑤、オ=③、カ=②

キ,ク:正解 ⑥, ④(配点2)

<考え方>
(2x + 5){(a + 3)x − 2}=0 の解は x=−5/2 と x=2/(a + 3)。後者に a=2√2 を代入して有理化します。

2 ÷ (2√2 + 3)

= 2(2√2 − 3) ÷ {(2√2 + 3)(2√2 − 3)}
= 2(2√2 − 3) ÷ (8 − 9)
= 2(2√2 − 3) ÷ (−1)
= 6 − 4√2

よって キ=⑥、ク=④

ケ:正解 ①(配点3)

<問題要旨>
第1問で最も差がつく設問です。x² の係数が 0 になる場合を見落とさないことと、重解になる場合を思いつけるかが鍵です。

<十分性の確認>

a = −3 のとき
  (2·(−3) + 6)x² + (5·(−3) + 11)x − 10
  = 0·x² − 4x − 10 = 0
  → x = −5/2

2次の係数が 0 になって1次方程式となり、解は x=−5/2 だけ。よって十分条件です。

<必要性の検討>
a ≠ −3 のとき解は x=−5/2 と x=2/(a + 3)。この2つが一致すれば(重解になれば)解は x=−5/2 だけになります。

2/(a + 3) = −5/2
  4 = −5(a + 3)
  5a = −19
  a = −19/5

a=−19/5 のときも解は x=−5/2 のみ。つまり必要条件ではありません。よって ケ=①(十分条件であるが,必要条件ではない)

第1問 〔2〕 集合と補集合

ベン図の読み取りと、集合の要素を具体的に書き出す計算です。落ち着いて処理すれば確実に取れます。

コ:正解 ②(配点2)

<問題要旨>
(A∩B)∪(Ā∩B̄) がどんな領域かを言葉に翻訳できるかが問われます。

<考え方>
A∩B は「AにもBにも入る」領域、Ā∩B̄ は「AにもBにも入らない」領域です。この2つの和集合は、「AとBの所属が一致する」領域を意味します。

A∩B    … 二つの円の重なり部分
Ā∩B̄   … 二つの円の外側(長方形の残り)

和集合 … 重なり部分 + 外側

逆に含まれないのは「片方だけに入る」三日月形の2か所です。重なり部分と外側の両方に斜線が引かれている図を選びます。よって コ=②

サ,シ,ス:正解 ③, ⑤, ⑨(配点2)

<考え方>
P={2,3,5,8,9}、Q={1,3,4,5,9} の共通部分を書き出します。

P = {2, 3, 5, 8, 9}
Q = {1, 3, 4, 5, 9}

P∩Q = {3, 5, 9}

小さい順に並べるので サ=③、シ=⑤、ス=⑨

セ,ソ,タ:正解 ⓪, ⑥, ⑦(配点2)

<考え方>
まず補集合を求めます。全体集合は U={0,1,2,3,4,5,6,7,8,9} です。

P̄ = {0, 1, 4, 6, 7}
Q̄ = {0, 2, 6, 7, 8}

P̄∩Q̄ = {0, 6, 7}

なお、ド・モルガンの法則を使えば P̄∩Q̄ = (P∪Q)‾ なので、P∪Q={1,2,3,4,5,8,9} の補集合として求めることもできます。よって セ=⓪、ソ=⑥、タ=⑦

チ:正解 ②(配点2)

<考え方>
コで確認したとおり (A∩B)∪(Ā∩B̄) は「AとBの所属が一致する要素の集合」です。これが U 全体に等しいとは、すべての要素で所属が一致する、つまり A=B ということです。

A = {1, 4, 5, 7} なので B = {1, 4, 5, 7}

よって チ=②

ツ:正解 ⑥(配点2)

<考え方>
逆に空集合になるとは、どの要素でも所属が一致しない、つまり B が A の補集合であるということです。

Ā = U − {1, 4, 5, 7}
  = {0, 2, 3, 6, 8, 9}

よって ツ=⑥

第2問 〔1〕 台形と三角比

台形に垂線を下ろして直角三角形をつくる、三角比の基本的な使い方が問われます。

ア,イ,ウ,エ:正解 ①, ①, ④, ③(配点3)

<問題要旨>
台形から垂線を下ろすと長方形と2つの直角三角形に分かれます。この分解ができるかが全てです。

<考え方>
AP⊥BC、DQ⊥BC で AD∥BC なので、四角形APQDは長方形です。したがって PQ=AD=1。

BP + PQ + QC = BC
  BP + 1 + CQ = 12
  BP + CQ = 11   → アイ = 11

次に tan を使います。

tan∠ABC = AP / BP = 3/4
  → BP = (4/3) AP   → ウ/エ = 4/3

よって ア=①、イ=①、ウ=④、エ=③

オ:正解 ⑥(配点3)

<考え方>
CQ も AP で表し、BP+CQ=11 に代入します。長方形なので DQ=AP であることを使います。

tan∠BCD = DQ / CQ = 2
  → CQ = DQ/2 = AP/2

BP + CQ = 11 に代入
  (4/3)AP + (1/2)AP = 11
  (8/6 + 3/6)AP = 11
  (11/6)AP = 11
  AP = 6

よって オ=⑥

カ,キ,ク,ケ:正解 ③, ②, ②, ③(配点2)

<考え方>
座標を置くと見通しがよくなります。B(0,0)、C(12,0) とすると BP=(4/3)·6=8 より A(8,6)、CQ=3 より D(9,6) です。

∠BCR は ∠BCA のこと(R は対角線AC上)
  C(12,0) から A(8,6) へのベクトルは (−4, 6)
  tan∠BCA = 6/4 = 3/2

∠CBR は ∠CBD のこと(R は対角線BD上)
  B(0,0) から D(9,6) へのベクトルは (9, 6)
  tan∠CBD = 6/9 = 2/3

よって カ=③、キ=②、ク=②、ケ=③

コ:正解 ③(配点2)

<問題要旨>
2つの tan が互いに逆数になっていることに気づけば、角度を求めずに判定できます。

<考え方>
tan∠BCR=3/2、tan∠CBR=2/3 で、積が 1 です。tanθ·tanφ=1 のとき θ+φ=90° が成り立ちます。

△BRC の内角の和より
  ∠BRC = 180° − ∠RBC − ∠RCB
        = 180° − 90°
        = 90°

よって コ=③(90°に等しい)

第2問 〔2〕 2つの円と三角形の外接円

直線ℓに接する半径2の円Oと半径4の円O′、その交点P・Qをめぐる図形問題です。誘導が丁寧なので、各段階で何を使っているかを押さえれば追えます。

サ,シ:正解 ②, ④(配点2)

<問題要旨>
中心から弦に下ろした垂線が弦を二等分することを使い、弦PAの長さを角αで表します。

<考え方>
OA⊥ℓ より ∠OAB=90° なので ∠OAH=90°−α、したがって直角三角形OAHで ∠AOH=α です。

△OAH は ∠OHA = 90° の直角三角形
  OA = 2(円Oの半径), ∠AOH = α

  AH = OA · sin∠AOH = 2 sin α

垂線は弦を二等分するので
  PA = 2AH = 4 sin α

よって サ=②、シ=④

ス:正解 ⑧(配点2)

<考え方>
円O′について同じ議論を繰り返します。半径が 4 に変わるだけです。

BH′ = 4 sin β
PB = 2BH′ = 8 sin β

よって ス=⑧

セ,ソ:正解 ①, ⓪(配点2)

<問題要旨>
正弦定理を正しく対応させられるかを問う設問です。辺と向かい合う角を取り違えないことが全てです。

△PAB において
  辺PA と向かい合う角は ∠PBA = β
  辺PB と向かい合う角は ∠PAB = α

正弦定理:PA / sin β = PB / sin α = 2R₁

解答群は ⓪α、①β なので セ=①(β)、ソ=⓪(α)

タ:正解 ②(配点3)

<考え方>
PA sin α = PB sin β に①と②を代入します。

(4 sin α)·sin α = (8 sin β)·sin β
  4 sin²α = 8 sin²β
  sin²α = 2 sin²β
  sin α = √2 sin β   (α, β は鋭角なので sin は正)

したがって PB = √2 PA

よって タ=②

チ,ツ:正解 ②, ②(配点3)

<考え方>
正弦定理 PA / sin β = 2R₁ に PA = 4 sin α = 4√2 sin β を代入します。

2R₁ = 4√2 sin β ÷ sin β = 4√2
  R₁ = 2√2

R₁ が α、β の値によらず一定になることがこの問題の核心で、次の設問の伏線です。よって チ=②、ツ=②

テ,ト:正解 ①, ①(配点3)

<問題要旨>
(1)の議論が点Qでもそのまま通用することに気づけるかを問う設問です。

<考え方>
R₁=2√2 を導いた過程では、点Pが「2円の交点である」という事実しか使っていません。同じ議論を点Qに対して行えば R₂=2√2 が得られます。

R₁ = R₂ = 2√2   → テ = ①(=)

△PAB と △QAB は辺ABを共有するので
  AB / sin∠APB = 2R₁
  AB / sin∠AQB = 2R₂

R₁ = R₂ だから sin∠APB = sin∠AQB → ト = ①(=)

よって テ=①、ト=①

ナ,ニ,ヌ:正解 ①, ④, ④(配点2)

<考え方>
AB=2√7 と R₁=2√2 を正弦定理に入れるだけです。

AB / sin∠APB = 2R₁ = 4√2

  sin∠APB = 2√7 ÷ (4√2)
          = √7 ÷ (2√2)
          = √14 / 4

よって ナ=①、ニ=④、ヌ=④

ネ,ノ:正解 ①, ④(配点3)

<問題要旨>
第2問の最終問題です。sin が等しいのに角が異なるという条件から、∠APB が鋭角であることを特定できるかが問われます。

<考え方>
sin∠APB=sin∠AQB かつ ∠APB≠∠AQB なので、この2角は補角の関係にあります。

∠APB + ∠AQB = 180°
問題の条件 ∠APB < ∠AQB より ∠APB < 90°(鋭角)

よって cos∠APB は正:
  cos∠APB = √(1 − 14/16) = √2 / 4

△PABに余弦定理を適用します。PB=√2 PA を使うと PA だけの式になります。

AB² = PA² + PB² − 2·PA·PB·cos∠APB

  28 = PA² + 2PA² − 2·PA·(√2 PA)·(√2/4)
  28 = 3PA² − PA²
  PA² = 14
  PA = √14

よって ネ=①、ノ=④。なお ∠AQB は鈍角なので cos∠AQB=−√2/4 となり、同様の計算で QA=√7 が確かめられます。

第3問 〔1〕 2次関数の平行移動と解の符号

「解を求めずに符号だけを判定する」という、2次関数のグラフと軸・y切片の関係を使う問題です。

ア,イ,ウ,エ:正解 −, ③, −, ⑦(配点2)

<考え方>
平方完成します。x² の係数 3 でくくるのを忘れないようにします。

f(x) = 3x² + 18x + 20
    = 3(x² + 6x) + 20
    = 3(x + 3)² − 27 + 20
    = 3(x + 3)² − 7

頂点 (−3, −7)

よって アイ=−3、ウエ=−7

オ:正解 ②(配点3)

<問題要旨
解を求めずに符号を判定させる、この大問のテーマが最初に出てきます。

<考え方>
頂点の y座標が −7 < 0 で下に凸なので、x軸と2点で交わります。あとは解の符号です。解と係数の関係を使います。

2解の和 = −18/3 = −6  < 0
2解の積 =  20/3      > 0

積が正 → 同符号
和が負 → ともに負

グラフで考えても同じです。頂点の x座標が −3(負)で、f(0)=20 > 0 なので、2つの交点はどちらも y軸より左にあります。よって オ=②(異なる二つの負の解をもつ)

カ,キ,ク,ケ:正解 ⑥, ③, ⑥, ⑤(配点3)

<考え方>
x軸方向に s、y軸方向に −5 の平行移動なので、f(x) の x を x−s に置き換えて 5 を引きます。

g(x) = f(x − s) − 5

f(x − s) = 3(x − s)² + 18(x − s) + 20
       = 3x² − 6sx + 3s² + 18x − 18s + 20

g(x) = 3x² + (18 − 6s)x + (3s² − 18s + 15)
    = 3x² + (18 − 6s)x + 3(s² − 6s + 5)

よって カ=⑥、キ=③、ク=⑥、ケ=⑤

コ,サ:正解 ①, ⑤(配点3)

<問題要旨>
会話文の「解を具体的に求める必要はない」がヒントです。判別式も軸も不要で、y切片の符号だけで決まります。

<考え方>
下に凸の放物線が正の解と負の解を一つずつもつのは、グラフが y軸を負の位置で横切るとき、つまり g(0) < 0 のときだけです。

g(0) = 3(s² − 6s + 5) < 0
  s² − 6s + 5 < 0
  (s − 1)(s − 5) < 0
  1 < s < 5

よって コ=①、サ=⑤

シ,ス:正解 ⑤, ⑦(配点4)

<問題要旨>
今度は「異なる二つのの解」なので、判別式・軸・y切片の3条件すべてが必要になります。前問との違いを意識できるかが問われます。

<考え方>
まず h(x) を求めます。x軸方向に t、y軸方向に t²−6t の平行移動です。

h(x) = f(x − t) + (t² − 6t)
    = 3x² + (18 − 6t)x + (3t² − 18t + 20) + (t² − 6t)
    = 3x² + (18 − 6t)x + (4t² − 24t + 20)

3つの条件を順に立てます。

【y切片】h(0) > 0
  4(t² − 6t + 5) > 0
  (t − 1)(t − 5) > 0
  t < 1 または t > 5

【軸】軸 > 0
  軸:x = −(18 − 6t)/6 = t − 3
  t − 3 > 0 → t > 3

【判別式】D > 0
  (18 − 6t)² − 4·3·(4t² − 24t + 20) > 0
  −12t² + 72t + 84 > 0
  t² − 6t − 7 < 0
  (t − 7)(t + 1) < 0
  −1 < t < 7

3つの共通部分をとります。

(t < 1 または t > 5) かつ t > 3 かつ −1 < t < 7
  → 5 < t < 7

よって シ=⑤、ス=⑦

第3問 〔2〕 噴水と2次関数

3つの噴水の描く放物線を題材にした問題です。「頂点を通る」という条件を式に翻訳できるかが問われます。

セ:正解 ①(配点2)

<考え方>
仮定1より C₁ は点(0, 1)を通ります。y=ax²+bx+c に x=0 を代入すると y=c なので、セ=①

ソ,タ,チ,ツ:正解 ④, ⑤, ⑧, ⑤(配点3)

<考え方>
C₁ は x軸と点(−5/2, 0)、(1/2, 0) で交わるので、因数分解された形で表せます。

y = a(x + 5/2)(x − 1/2)

点(0, 1)を通るので
  a·(5/2)·(−1/2) = 1
  a = −4/5

y = −(4/5)(x + 5/2)(x − 1/2)
  = −(4/5)x² − (8/5)x + 1

よって ソ=④、タ=⑤、チ=⑧、ツ=⑤

テ,ト:正解 ⑨, ⑤(配点2)

<考え方>
頂点の x座標は2つの交点の中点、つまり x=(−5/2+1/2)÷2=−1 です。

y(−1) = −(4/5)·1 − (8/5)·(−1) + 1
     = −4/5 + 8/5 + 1
     = 9/5

よって テ=⑨、ト=⑤(小さな噴水の高さは 9/5 メートル)。

ナ,ニ,ヌ,ネ:正解 ⑧, ①, ②, ⑤(配点3)

<問題要旨>
対称性に気づけるかどうかで所要時間が大きく変わります。

<考え方>
C₃ は C₁ を y軸に関して折り返したものなので、頂点は (1, 9/5)。仮定2より C₂ は P₂(3/2, 0)、(1, 9/5)、(−1, 9/5) を通ります。

(−1, 9/5) と (1, 9/5) は y座標が等しいので、C₂ の軸は y軸です。したがって y=px²+q とおけます。

x = 1:  p + q = 9/5      …(あ)
x = 3/2:(9/4)p + q = 0    …(い)

(い) − (あ):
  (5/4)p = −9/5
  p = −36/25

q = 9/5 + 36/25 = 81/25

軸が y軸なので頂点の y座標は q そのものです。よって ナ=⑧、ニ=①、ヌ=②、ネ=⑤(81/25)。

ノ:正解 ⓪(配点1)
(81/25) ÷ (9/5) = (81/25)·(5/9) = 9/5 = 1.8

1.8倍なので最も近いのは「およそ2倍」。よって ノ=⓪

ハ,ヒ,フ:正解 ①, ④, ⓪(配点4)

<考え方>
C₂′ も (±1, 9/5) を通るので軸は y軸、頂点の y座標が 5 だから y=p′x²+5 とおけます。

x = 1 のとき
  p′ + 5 = 9/5
  p′ = −16/5

x軸との交点(y = 0)は
  −(16/5)x² + 5 = 0
  x² = 25/16
  x = ±5/4

P₂′ は x軸の正の部分にあるので P₂′(5/4, 0)

P₂ は (3/2, 0)=(6/4, 0) なので差は 1/4。P₂′ の方が原点に近い、つまり P₁ の側です。よって ハ=①、ヒ=④、フ=⓪(P₁)

第4問 データの分析(社会生活基本調査)

「総平均時間」と「行動者平均時間」という2つの指標の違いを理解できるかが、この大問の軸です。最後の(3)では、0を含むデータの分散という発展的なテーマが扱われます。

ア,イ,ウ,エ:正解 ③, ④, ⑥, ⑧(配点2)

<問題要旨>
ヒストグラムの最頻値は度数が最大の階級の階級値です。度数そのものと取り違えないよう注意します。

図1(総平均時間)
  24〜28:6,  28〜32:10,  32〜36:15 ← 最大
  36〜40:8,  40〜44:4,   44〜48:4

最頻値 = (32 + 36) ÷ 2 = 34

図2(行動者平均時間)
  56〜64:11, 64〜72:20 ← 最大, 72〜80:6 …

最頻値 = (64 + 72) ÷ 2 = 68

よって アイ=34、ウエ=68

オ,カ:正解 ③, ④(配点3)

<考え方>
各階級のデータがすべて階級値に等しいと仮定して平均値を計算します。度数の合計は47(都道府県数)です。

26×6 + 30×10 + 34×15 + 38×8 + 42×4 + 46×4
= 156 + 300 + 510 + 304 + 168 + 184
= 1622

m = 1622 ÷ 47 = 34.51…

34 ≦ m < 35

よって オ=③、カ=④

キ:正解 ①(配点3)

<問題要旨>
箱ひげ図から最大値・第3四分位数・四分位範囲を読み取ります。H = 最大値 − 第3四分位数 の定義を正確に押さえます。

【(a)】
  令和3年 総平均時間の最大値   ≒ 43分
  令和3年 行動者平均時間の最小値 ≒ 53分
  43 < 53 → 正

【(b)】
  平成28年 総平均時間の箱の幅   ≒ 38 − 28 = 10
  平成28年 行動者平均時間の箱の幅 ≒ 77 − 62 = 15
  10 < 15 → 正

【(c)】H = 最大値 − 第3四分位数
  H₁ ≒ 52 − 38 = 14      H₂ ≒ 43 − 36 =  7
  H₃ ≒ 110 − 77 = 33     H₄ ≒ 103 − 75 = 28

  H₂/H₁ ≒ 0.5,  H₄/H₃ ≒ 0.85
  0.5 > 0.85 は成り立たない → 誤

(a)正・(b)正・(c)誤 の組合せなので キ=①

ク:正解 ④(配点2)

<考え方>
図5で、横軸60以下かつ縦軸75以下の長方形領域に入る点を数えます。

該当領域(x ≦ 60 かつ y ≦ 75)にある点
  約(56, 66) / 約(57, 72) / 約(58, 72) / 約(59, 67)

合計 4 個

x=60 付近には y≒89 の点もありますが、縦軸の条件を満たさないため除きます。よって ク=④

ケ:正解 ⓪(配点3)

<問題要旨>
この大問の核心です。2つの平均の定義の違いを式で捉えられるかが問われます。

総平均時間   = 合計時間 ÷ 調査対象者全員の人数
行動者平均時間 = 合計時間 ÷ (時間が0でない人の人数)

したがって
  行動者平均時間 = 総平均時間 × (全員の人数 ÷ 行動者の人数)

総平均時間が同じ4県のうち、行動者平均時間が最も大きいのは行動者の割合が最も小さい県、つまり「通勤・通学」に費やした時間が0である人の割合が最も大きい県です。よって ケ=⓪

コ:正解 ④(配点2)

相関係数=共分散÷(2つの標準偏差の積)。表1の値を代入します。

r = 64.4 ÷ (11.8 × 7.9)
  = 64.4 ÷ 93.22
  = 0.690…

最も近いのは 0.69。よって コ=④。なお相関係数は必ず −1 以上 1 以下なので、⑥ 1.02 や ⑦ 1.45 はありえません。

サ,シ,ス,セ:正解 ④, ③, ②, ③(配点3)

<問題要旨>
ここからが旧数学Ⅰ独自の設問です。0を含めて計算した分散と、0を除いて計算した分散の差を具体例で確かめます。定義どおり計算すれば確実に取れます。

<考え方>
まず6個すべてを使った分散 sT² を求めます。

データ:1, 2, 3, 0, 0, 0

平均 = (1+2+3+0+0+0) ÷ 6 = 1

s_T² = {(1−1)² + (2−1)² + (3−1)² + (0−1)²×3} ÷ 6
    = (0 + 1 + 4 + 3) ÷ 6
    = 8/6 = 4/3

次に、0を除いた3個だけの分散 sP² を求めます。

データ:1, 2, 3

平均 = 2
s_P² = {(1−2)² + (2−2)² + (3−2)²} ÷ 3
    = 2/3

s_T² − s_P² = 4/3 − 2/3 = 2/3

よって サ=④、シ=③、ス=②、セ=③

ソ,タ,チ:正解 ①, ④, ⓪(配点2)

<問題要旨>
0の個数だけを増やしたとき、差がどう変わるかを見ます。「0が増えれば差も大きくなる」と直感で答えると誤答します。

<考え方>
正の値は 1, 2, 3 のままなので sP² = 2/3 は変わりません。全体の平均だけが小さくなります。

データ:1, 2, 3, 0 が9個(計12個)

平均 = 6 ÷ 12 = 1/2

s_T² = {(1−1/2)² + (2−1/2)² + (3−1/2)² + (0−1/2)²×9} ÷ 12
    = {1/4 + 9/4 + 25/4 + 9/4} ÷ 12
    = (44/4) ÷ 12
    = 11/12

s_T² − s_P² = 11/12 − 2/3 = 11/12 − 8/12 = 1/4

(a)は 2/3 ≒ 0.67、(b)は 1/4 = 0.25 なので、0が少ない(a)の方が差は大きいことになります。

直感に反しますが、理由は明快です。0の個数が増えるほどデータ全体が0の近くに密集し、全体の分散 sT² 自体が小さくなっていくからです。一方 sP² は 2/3 のまま変わりません。よって ソ=①、タ=④、チ=⓪((a))

※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

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