2026年度 大学入学共通テスト 追試験「国語」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。
解答
解説
第1問
問1:正解ア③ イ④ ウ① エ③ オ②
<問題要旨>
傍線部(ア)〜(オ)のカタカナに相当する漢字を含むものを、各群の①〜④から一つずつ選ぶ設問です。各2点。
<考え方>
(ア)「キョショウV・エリセ」の巨匠。①訴訟 ②温床 ③意匠 ④愛称。「匠」を含むのは③。
(イ)「登録された個体情報をクシし」の駆使。①供養塔 ②細工 ③口伝 ④先駆者。「駆」を含むのは④。
(ウ)「花畑に群れをなしてエンセイできる」の遠征。①征服 ②制定 ③帰省 ④要請。「征」を含むのは①。
(エ)「キョウギの生産に携わっている」の狭義。①競う ②挟まる ③狭い ④恭しい。「狭」を含むのは③。
(オ)「ハメツを招く」の破滅。①防波堤 ②読破 ③派出所 ④覇権。「破」を含むのは②。①の「波」と取り違えないこと。
問2:正解④
<問題要旨>
傍線部A「真の存在価値だろう」と述べる理由を問う設問です。傍線部の直前は「群れにもたらされ共有される情報とデータこそが、ミツバチの本当の『労働』の成果であり」、直後は「群れは、個別の働き蜂たちが集めてくる位置情報などのデータのおかげで、効率的に蜜を巣にため込むことが出来るからだ」。この後、話題は監視カメラやスマートフォン、ビッグデータに取り囲まれた現代社会へ移っていきます。
<選択肢>
①【誤】
「分業の形式」は傍線部の後で「これは情報化された分業の形式と呼ぶべきであろう」と結果的にまとめられる言い方で、価値の根拠として強調されたものではありません。続く議論も「個別の主体が果たすべき役割」には向かいません。
②【誤】
経済学は「もしも一九世紀に、動物の記号論的行動がもっと知られていたなら、経済学の姿はずいぶんとかわっていたかもしれない」と触れられるだけで、すぐ「それはともかく」と流されます。経済学の議論へはつながりません。
③【誤】
本文は「間接的な(あるいはこちらこそ直接的な)情報」と言い直しており、直接か間接かの対比を強調しているとは言えません。つなげる先も「共同体における情報の有効利用」ではありません。
④【正】
価値があるとされたのは個々のミツバチが持ち帰る蜜ではなく、「群れにもたらされ共有される情報とデータ」の方です。この強調が、われわれ自身がセンサーとしてデータを提供し続ける「データに取り囲まれた社会」の議論へとつながります。
問3:正解③
<問題要旨>
傍線部B「最先端のテクノロジーを身に着けたわれわれ現代人は、ミツバチやアリと本質的に同じものと化しつつある」の説明です。直前に「われわれは社会のアンテナやレーダーのようなものとして、社会にわれわれのデータを提供し続ける」、直後に「労働はそのまま続いているが、それと同時に、人々は別の労働(データ収集のセンサー部品となること)に従事しているのだ」とあります。
<選択肢>
①【誤】
ミツバチの側を「巣に花の蜜を持ち帰り生産物を効率的に集積していく」姿としています。本文が現代人と重ねているのは蜜という直接の生産物ではなく、花畑の在処という情報の方です。
②【誤】
現代人の側を「高度に分業化され緻密になった労働に従事させられている」とするだけで、無自覚にデータを提供させられているという本文の眼目が抜けています。
③【正】
現代人は日々の生活のなかで無自覚のまま情報を提供させられており、ミツバチも蜜という労働の成果物とは別に花畑の在処を群れに伝えている。この二つが重なるという説明が本文どおりです。
④【誤】
「労働と生産に対する認識をこれまでとは大きく変質させた」「新たな価値を創造している」はいずれも本文にない内容です。
問4:正解①
<問題要旨>
傍線部C「それがどのようなものなのか、分身のメタファーを用いて提示してみよう」の説明です。「それ」は直前の「存在論的機械」、すなわちデカルトやホッブズらが「われわれの深部に癒しがたい傷跡を残した」ものを指します。自分が自分であるという「自明で自動的な過程」への了解が揺らぐ点が核心で、その説明にポー「ウィリアム・ウィルソン」など分身の物語が引かれます。
<選択肢>
①【正】
「人間の自明で自動的な自己の存在への了解の仕方に…変更をもたらす際の亀裂や動揺」が「傷」に対応します。自分に似すぎた分身に怒りを爆発させ刺殺してしまう物語を例としている点も本文どおりです。
②【誤】
「違和感や執着」の「執着」が本文にありません。執拗につきまとうのは分身の側であって、人間が分身に執着するとは述べられていません。
③【誤】
本文は「人間を凌駕しかねないほどの高性能のロボットを製作してしまうと」という仮定で述べており、「凌駕してしまっている現状」は言い過ぎです。「劣等感」も本文にありません。
④【誤】
本文が繰り返すのは「不安」「不気味さ」であって「警戒心や危機感」ではありません。「両者が融合している」も、見分けのつかない分身になりつつあるという記述からは離れています。
問5:正解④
<問題要旨>
本文の表現に関する説明として適当でないものを選ぶ設問です。指定された行の前後を必ず本文で確かめます。
<選択肢>
①【適当】
「ミツバチたちは、唸りをあげる」「ミツバチたちのささやき」と昆虫を例示することで、現代人のあり方を比喩的に表しています。
②【適当】
「フランケンシュタイン」「リヴァイアサン」という想像上の怪物を提示しつつ、現代社会の不安な状況を読者と感覚的に共有させようとしています。
③【適当】
デカルト・ホッブズ・スピノザという「偉大な思想家たち」を参照しながら、近代から現代へと連続する国家・社会と個人の関係を展開しています。
④【適当でない】
本文は分身が「以前から共通の問題として意識されていた」と述べるだけで、「近代より前から抱えてきた」「災厄をもたらす」とは述べていません。文学や映画も参照・例示であって、「論理的に証明」するための材料ではありません。
問6:(ⅰ)正解①
<問題要旨>
【資料】が「人工知能」をどのようなものとして考えているかを問う設問です。資料は、データベースは記録するだけで「記憶」を持たないが、現在の人工知能は「データ相互を自ら関係させ、深層で学習する」とし、「もはや昔日の『道具』ではないこと、われわれを凌駕しうる一個の『他者』であり、『主体』であること」を認めよと述べ、最後に「環境に単に属しているのではなく、まさにわれわれと同じ『世界』を形成しうる存在」と結びます。
<選択肢>
①【正】
「自ら学ぶものとして成長している」が深層学習に、「人間に使われるだけの道具ではなく」が「昔日の『道具』ではない」に、「人間と同じく自らを取り巻く環境を作り変える存在」が「われわれと同じ『世界』を形成しうる存在」に対応しています。
②【誤】
「将来的に人間を支配しかねない超越した存在」という記述は資料にありません。
③【誤】
資料が「『記憶』を持たない」としているのはデータベースです。人工知能が「記憶の領域を持つ」とは述べていませんし、「人間を補完する存在」も「他者」「主体」「分身」という主張と合いません。
④【誤】
「この先の世界について見通す」は「新しい展望を生成する」の言い換えとしてずれます。資料の要点である「道具ではない」という主張にも触れていません。
問6:(ⅱ)正解③
<問題要旨>
本文および【資料】を読んで、全体の趣旨として最も適当なものを選ぶ設問です。
<選択肢>
①【誤】
「人間として生きながら機械を活用していく」という共存のヒントは、本文にも資料にも示されていません。
②【誤】
「情報の網の目から逃れうるのかという方法」は提起されていません。本文はむしろ、逃れようのない装置の内部に組み込まれていることを述べています。
③【正】
本文は、われわれが日々の営為を通じてデータ収集のセンサーとなっている現状を指摘し、【資料】は人工知能がもはや単純な「道具」ではなく「他者」「主体」「分身」であることを認める必要があると述べます。この二つをまとめた説明です。
④【誤】
「このデータをどのように利用していくかということを提案」してはいません。データを提供させられている側の状況が主題です。
第2問
問1:正解ア④ イ②
<問題要旨>
傍線部(ア)(イ)の本文中での意味を問う設問です。各3点。
<考え方>
(ア)「にべもなく」は愛想がなくそっけないさま。おえいは「そんな事は考えるまでもない、という顔付」で言い放っています。①あえなく(はかなく)②しがなく(つまらなく)③そつなく(手抜かりなく)はいずれも意味が異なり、④すげなくが正解です。
(イ)「すばしこく」は、ここでは体の動きではなく感じ取り方の素早さを指します。英二は駅夫と赤帽の悪意ある大笑いをいち早く察したものの、振り返るのが恐ろしかったのです。①しぶとく ③のぶとく ④あざとくは合わず、②めざとく(すぐに気づくさま)が正解です。
問2:正解④
<問題要旨>
傍線部A「この仕事はお絹に、人知れぬ喜びを齎してくれた」の理由を問う設問です。「この仕事」とは直後の「一くさりの単語から色々な意味を汲みとらなければならなかった。一字一句を様々に延長して考えなければならなかった」という、読み手であるお絹の側の作業を指します。
<選択肢>
①【誤】
「実家の状況や父の日常の様子がありありと感じられる」が本文と食い違います。手紙には「裏の藪に筍がたくさん生えた」とも「お父さんは大変丈夫だ」とも書いてありませんでした。
②【誤】
「日々のつらい労働を忘れさせる大切なひととき」という記述は本文にありません。
③【誤】
弟が手紙を書き続けて「少しずつ上達していく様子」は描かれていません。
④【正】
「綴方とお習字の仕上げを根限り遣っていた」弟の、お世辞のない「電報をもう少し長くしたようなもの」から意味を読み取っていく作業そのものに、お絹は張り合いを感じています。
問3:正解①
<問題要旨>
傍線部B「お絹は情けない顔をして」の理由を問う設問です。弟の上京を知らせる手紙に「又この上に、丸裸のままで食いたがってばかりいる人間が、一人増えるのか!」と溜息をつき、「たった一人の相談相手」であるおえいに打ち明けたところ、「今は駄目だと言って遣れば好いじゃあないか」とにべもなく返されました。しかし英二はすでに汽車に乗っており、断ることはできません。
<選択肢>
①【正】
不安と焦りから思わず声を掛けたのに返事は何の役にも立たず、弟はすでに故郷を出発していて打つ手がない、という説明が本文の流れと一致します。
②【誤】
おえいを「恨めしく思っている」とは書かれていません。おえいはお絹にとって唯一の相談相手です。
③【誤】
「念のため…伝えておこう」ではなく相談であり、「申し訳なさ」も読み取れません。
④【誤】
「つまらない虚栄心」「素直に援助を求めることもできず」はいずれも本文にありません。
問4:正解④
<問題要旨>
傍線部C「自働人形」がどのようなあり方をたとえた表現かを問う設問です。停車場には「赤切符で二等待合室に収っているハイカラ令嬢」「俺のネクタイは如何だい? と体中で皆に聴いている若い男」「芸者を連れて旅行する事を人々に知らせたがっている禿茶瓶」がいます。いずれも自分を他人に見せつけることに終始しています。
<選択肢>
①【誤】
「他者が生み出した価値観や流行に従っている」に寄りすぎており、他人に見せびらかすという三つの例の共通点をとらえていません。
②【誤】
「金銭的余裕から一見得意げだが」は、最も安い赤切符で二等待合室にいる令嬢と合いません。「周囲に誰かいないと行動を起こすことができない」も本文にありません。
③【誤】
誇示という指摘は合いますが、「横着なあり方」という評価は本文の描写から出てきません。
④【正】
「自働人形」は中身のない人形という比喩です。華美な装いなどで自分をよく見せようとするが、それが内面と結びつかず、他人からの羨望だけを意識してふるまう空虚さを指しています。
問5:正解②
<問題要旨>
傍線部D「英二はもう玩具ではない。」の説明です。お絹の頭にあったのは「茶縞の筒袖を着て…畷道を学校へ行く、英二の子供姿の幻」、さらにそれが「『中学生』に出世していた」姿で、本文はそれを「英二に対するお絹の偶像であった」と明言します。しかし現れたのは「村祭りには褌をかいて山車を担ぐ立派な若い衆」で、「二人が別れて九年経っている事を忘れていた」のです。
<選択肢>
①【誤】
「ともに暮らしていけそうな相手ではなくなっている」は言い過ぎです。二人はこの後、心の底に湛えた湖のような愛情を信じ合っています。
②【正】
あどけない弟という偶像に自分の理想を重ねていたが、現実の英二は十分に成長した若者で、もはや「玩具」=思い通りにできる存在ではなくなっていた、という説明が傍線部に合います。
③【誤】
中学生の姿は「幻」であり本文も「偶像」と呼んでいます。お絹が実際に進学したと考えていたわけではありません。
④【誤】
帽子は幻のなかの「玩具のようにしゃちこ張った帽子」であって、別れる前に実際に見た服装ではありません。
問6:正解④
<問題要旨>
傍線部E「二人は、逐い立てられるように、駅から出た。」における二人の心情です。直前では駅夫と赤帽の悪意ある大笑いを浴び、お絹は「他人を嘲笑して楽しんでいる彼等の下素根性を憎んだ」。直後には「二人とも駅での出来事を気に病んでいた。その上に英二は、田舎訛りを笑われやしないか、と心配していたし、お絹は、弟の品定めを遣っている事を、気附かれやしないかと恐れていた」とあります。
<選択肢>
①【誤】
お絹が黙っているのは「話したくないという英二の気持ち」を察したからではなく、自分が弟の品定めをしていることを気づかれたくないからです。
②【誤】
英二が「父親が自分のために選んで着せてくれた帯を笑われて」胸を痛めているとは書かれていません。老父の愛情の件は、お絹が「ちっとも知らなかった」事柄として示されています。
③【誤】
「自分自身もいつも田舎者に厳しい目を向けている」という記述は本文にありません。
④【正】
英二は駅の嘲笑を引きずって萎縮し、お絹は嘲笑する側を憎みながら、自分も同じように弟を品定めしている後ろめたさを抱えています。傍線部の直後の記述と正確に対応します。
問7:正解①・③
<問題要旨>
本文の表現上の特徴として適当なものを二つ選ぶ設問です。解答番号19・20は順不同で各5点。示された行数を本文で必ず確認します。
<考え方>
①【正】26〜27行目は「ひそかな親切心で思い廻らしていた」というおえいの心中、71〜72行目は「お絹はちっとも知らなかった」と断られている事柄です。お絹の視点を中心にしつつ、彼女には認識できない事柄が俯瞰的に記述されています。
②【誤】33行目は足の痛みを感じないほどの放心、40〜41行目は汽車が来た瞬間の緊張の描写で、「弟への気遣い」を強調するものではありません。
③【正】都会の乗り物の音が「まるで、別の世界で唸っていた」と書かれ、頭の中では「如何したら宜かろう?」という循環小数が堂々廻りをしています。普段は取り囲まれている音を、このときは意識する余裕がないことが示唆されています。
④【誤】汽車の擬人化は認められますが、そこに表れているのは待たされるお絹の焦りであって、「お絹の思いとは無関係に時間が流れてしまう現実の残酷さ」ではありません。
⑤【誤】人々を無機的に描く点は合いますが、「彼女にはなんの係りもない様な叫声」とあるとおり、お絹の関心はそこに向いていません。
⑥【誤】「奴凧」の反復は認められますが、お絹はほほえましく見ているのではなく、その袖が瞳から離れず気に病んでいます。
第3問
問1:正解①・④
<問題要旨>
【資料Ⅰ】〜【資料Ⅲ】から読み取れることを二つ選ぶ設問です。解答番号21・22は順不同で各4点。グラフは4行分の数値をそろえて比べます。
<考え方>
①【正】図1で午前中の調子が悪いことが「ない」と答えた割合は、「毎日食べる」16.5%に対し「食べない」11.8%。毎日食べる人のほうが大きいので正しい。
②【誤】「よくある」+「ときどきある」は、毎日52.9%、ときどき67.4%、あまり食べない73.3%、食べない68.3%。最も頻度の低い「食べない」で下がるため、頻度が低くなるにつれて大きくなるとは言えません。
③【誤】図2で「ない」の割合は、仮眠が「ない」21.6%、「あまりない」12.7%、「ときどきある」11.4%、「よくある」13.2%。仮眠の頻度が高くなるほど大きくなってはいません。
④【正】図2の「よくある」の行は、よくある30.5%、ときどきある35.0%、あまりない21.3%、ない13.2%。「ない」が最も小さいので正しい。
⑤【誤】【資料Ⅱ】は「脳にある『主時計』…が…『末梢時計』…を統御している」「主時計をリセットさせるのは、強い光」としています。末梢時計のリセットが主時計の始動に影響するとは述べていません。
⑥【誤】【資料Ⅲ】は午後3時前までの20分以内の短い昼寝を勧め、夕方の仮眠は悪循環を招くとしています。選択肢は逆の内容です。
問2:正解③
<問題要旨>
資料をどこまで組み合わせれば結論づけられるかを検討した分析のうち、適当でないものを選ぶ設問です。
<選択肢>
①【適当】
図1・図2とも関係がありそうに見えますが、朝食を毎日とる人にも「よくある」が15.8%いるなど、必ずしも調子がよいわけではありません。【資料Ⅰ】だけでは結論づけられないという整理は妥当です。
②【適当】
【資料Ⅱ】は朝食で体内時計が動き始めることまでしか述べておらず、午前中の調子の向上に直接つながるとは書いていません。
③【適当でない】
【資料Ⅲ】は「夕方に寝ると脳の疲れが回復し眠気が減るため、夜の眠りが浅くなるのです」と、夜の眠りが浅くなる原因をはっきり書いています。「記述は確認できない」という指摘が誤りです。
④【適当】
【資料Ⅱ】【資料Ⅲ】はどちらも体内時計に触れますが、朝食と仮眠を含めた全体像を示すものではありません。
問3:正解②
<問題要旨>
【資料Ⅳ】をレポートに用いる方針を問う設問です。大学生Yは、朝食支援を利用して「毎日朝食を食べられるのが素直にうれしい」「午前中の調子もよくなったように思います」と述べ、早起きと早寝が定着して夕方の仮眠がなくなったとも語っています。
<選択肢>
①【誤】
【資料Ⅳ】に肝臓の末梢時計の話は出てきません。「リセットされないことの根拠」として示すことはできません。
②【正】
朝食支援によって午前中の調子がよくなったという証言は、朝食摂取と午前中の調子の関係を示す【資料Ⅰ】図1を裏づける具体的な事例になります。
③【誤】
Yの変化は朝食→早起き→早寝→睡眠時間の確保という経路によるもので、「朝食摂取が仮眠の抑制に効果がある」事例とするのは飛躍です。図2も仮眠と午前中の調子の関係を示す資料で、朝食と仮眠の関係を示すものではありません。
④【誤】
Yは「自分でも生活リズムを整える必要がありますね」と述べるだけで、「適切な仮眠が必要」とは述べていません。
問4:正解④
<問題要旨>
【メモ】の(ア)〜(エ)のうち、正しい内容のものの組合せを選ぶ設問です。誤りを含むものを外していきます。
<考え方>
(ア)【誤】【資料Ⅳ】は大学生一人へのインタビューで、高校生と比較できる資料ではありません。「両者にとっての朝食と仮眠の重要性がどう変化するか」は指摘できません。
(イ)【正】Aさんは【資料Ⅰ】をきっかけにテーマを定め、資料を集めて精査しました。次に構成案を作り、各資料の生かし方を考えるという整理は妥当です。
(ウ)【正】今回扱った要因は朝食と仮眠だけです。ほかの要因については先行研究や研究に基づく資料を探して情報を集める必要がある、という整理も妥当です。
(エ)【誤】問2で確認したとおり、現時点では午前中の調子を左右する要因を結論づけることは難しい状態です。「考えることができた」という総括も、「朝食をとることが仮眠にどのような影響があるか」という方向づけも、現状の整理としては正しくありません。
正しいのは(イ)と(ウ)なので、④が正解です。
第4問
問1:正解ア② イ① ウ③
<問題要旨>
傍線部(ア)〜(ウ)の解釈を問う設問です。各5点。
<考え方>
(ア)「さしたることもなきなり」。「いかに骨を折りたれども、位さだまりたれば、上から見れば」に続く部分で、どれほど苦心しても上手の目には大したものに映らない、の意です。②「特にこれというほどのこともないのである」が正解。①は「させたる」と使役に、③④は「そのようにした」と取った誤りです。
(イ)「何をあそばし候ふぞ」。「あそばす」は「す」の尊敬語で、ここでは「詠む」。意味の通らない歌を詠んだ相手に尋ねる場面で、答えが「我もえ知らず」であることからも、歌の内容を問うていると分かります。①「何についてお詠みになりましたか」が正解。②は非難、③は方法、④は理由を問う形で、「何を」に対応しません。
(ウ)「いかめしき御恩」。「いかめし」は威厳があって重々しい、畏れ多い意。了俊が受けたのは摂政殿の「ことのほか御折檻」であり、その厳しい戒めを恩として語っています。③「畏れ多いご忠告」が正解。①②④は「御恩」の中身である叱責・戒めを訳に反映できていません。
問2:正解④
<問題要旨>
文章A・文章Bの内容の説明です。Aは「初心のほどは、さのみくひほり入りて案ぜずとも、颯々とやすく詠みならふべきなり」と述べ、本歌取りも初心のうちは斟酌せよとします。Bは「初心の時は、ただうちむかひて、一首がさはさはと理のきこゆるやうに詠むべきなり。その位にも至らずして、達者のまねをすれば、をかしきこと出で来るなり」と述べます。
<選択肢>
①【誤】
「自分の名声を高める」という観点は本文にありません。Aが述べるのは、どれほど工夫しても自分の位相応の歌しか出てこないということです。
②【誤】
Bの「得たる者の歌」は上達した人の歌を指します。初心者が時に趣深い歌を詠むこともある、とは述べていません。
③【誤】
「達人に向かってきちんと理屈を説明するべきである」という主張は本文にありません。
④【正】
余計な工夫をせず気楽に詠み慣れること(A)、筋が通るように詠むこと・達者のまねをしないこと(B)という、両文章の主張をまとめた説明です。
問3:正解③
<問題要旨>
文章Cで了俊が正徹に語った内容の説明です。了俊は若い頃「よくもなき句を多くせむよりは、五句三句なりとも、我が本意の連歌をすべし」と考えて句数を少なくしていました。これを聞いた摂政殿は「しかるべからざることなり」と叱り、「初心のほどは、いかにも多く口軽にしもてゆけば、自然に上手にもなるなり」と諭しています。
<選択肢>
①【誤】
句数を少なくしたのは了俊自身の稽古の方針であって、摂政殿への提案ではありません。
②【誤】
摂政殿が求めたのは「多く口軽に」詠むことです。「誰もが認める優れた連歌を作らなければならない」という指導ではありません。
③【正】
摂政殿は了俊の向き合い方を「しかるべからざることなり」と否定し、少数の良い句を作ろうとする練習方法をとがめています。
④【誤】
「初心者が熟考しても混乱してますます悪い句になる」という指摘は本文にありません。
⑤【誤】
「自分のところに多くの句を持ってくるように命じた」という記述はありません。
問4:(ⅰ)正解③
<問題要旨>
空欄Xに入る、文章Aの解釈とそれに基づく【資料】の分析を選ぶ設問です。文章Aは「上手の位になりて、恋・雑を季になし、季を恋・雑に取りなし、句の置き所をかへなどして、心を別のものに詠みなしけるなり」と述べます。和歌Ⅰは『古今和歌集』恋歌三、和歌Ⅱは『続後撰和歌集』春歌下、和歌Ⅲは『続拾遺和歌集』恋歌三です。
<選択肢>
①【誤】
「複数の語句を本歌から取り入れることは、上級者のみが可能である」とは文章Aに書かれていません。
②【誤】
文章Aは「上古も本歌を取ることをば大事にして候ふ」と述べるだけで、平安時代以前の和歌を本歌とすべきだとは述べていません。
③【正】
和歌Ⅱは恋歌である和歌Ⅰの語句を用いながら春歌になっています。文章Aの「恋・雑を季になし」にそのまま当たり、それを上手の位の人の技法とする説明も本文どおりです。
④【誤】
和歌Ⅲが「いかにせむ」を上の句へ移している点は事実ですが、文章Aは句の置き所を変えることを「上級者以外は避けるべきだ」とは述べていません。初心のうちは本歌取りそのものを斟酌せよ、という趣旨です。
問4:(ⅱ)正解③
<問題要旨>
空欄Yに入る、【資料】の分析を選ぶ設問です。文章Aは初心者が本歌を取ると「わづかに句の置き所をかへたれども、心は同じものなり」と述べていました。藤原定家の場合はどうであったかを、本歌との関係から確かめます。
<選択肢>
①【誤】
和歌Ⅱは純然たる春歌であり、「恋の内容を織りまぜた」歌にはなっていません。
②【誤】
「これ以上沈んだら困る」という読みは和歌Ⅱから出てきません。また恋を取り除いて春歌にした点は空欄Xで確認済みで、ここでの新たな分析としてかみ合いません。
③【正】
和歌Ⅲは和歌Ⅰと同じ恋の歌でありながら、「いかにせむ」と仲を知られる不安を詠んだ本歌に対し、「人をうらみけるかな」と恋人への恨めしさへ重点を移しています。同じ部立てでも「心」を変えている点に、上手の位の本歌取りが表れています。
④【誤】
和歌Ⅰは季節を詠んだ歌ではなく、「埋もれ木」で春の恋を表現したものではありません。
第5問
問1:正解④
<問題要旨>
波線部(ア)「如」と同じ意味で用いられる漢字を選ぶ設問です。「如必勝己而後友」は「如し必ず己に勝りて後に友とせば」と読み、「如」は仮定を表す「もシ」です。
<選択肢>
①【誤】「並」に仮定の意味はありません。
②【誤】「初」は「はじめて」で、仮定を表しません。
③【誤】「唯」は限定の「ただ」です。
④【正】「若」は「もシ」と読み仮定を表します。「如」と同じ用法です。
問2:正解イ④ ウ①
<問題要旨>
波線部(イ)(ウ)の意味を問う設問です。各4点。
<考え方>
(イ)「固」は「もとヨリ」と読み、言うまでもなく・元来そうであるの意。「近己之偏、則固不如己矣」は「自分の偏りに近い者なら、もともと自分に及ばない」となります。④「もともと」が正解で、①「実際に」②「おのずと」③「結局は」は「固」の意味ではありません。
(ウ)「凡」は「およソ」と読み、総括して「すべて」の意。「凡見為如己者、皆不如己者也」は「およそ自分と同等だと見える者は、みな自分に及ばない者である」となります。①「すべて」が正解で、②「やはり」③「おそらく」④「いくらか」は「凡」の意味ではありません。
問3:正解②
<問題要旨>
二重傍線部a〜cの「而」が順接か逆接かを判定し、その組合せを選ぶ設問です。
<考え方>
a「如必勝己而後友」は「己に勝りて而る後に友とす」で、「〜してその後に」とつなぐ順接。
b「取近己之偏者而与友」は「己の偏に近き者を取りて友と与にす」で、動作を続ける順接。
c「則雖賢不如己、而皆勝己者矣」は「賢さでは自分に及ばないけれども、それでも皆自分に勝る者だ」となり、「雖」と呼応する逆接。
したがってa順接・b順接・c逆接の②が正解です。①はaを、③はbとcを、④はa・b・cすべてを取り違えています。
問4:正解⑤
<問題要旨>
蘇軾は「己に如かざる者を友とすること無かれ」を字句どおりに受け取ることを戒め、「是謂不以文害辞、不以辞害意」(字面にとらわれて主旨を損なうな)と述べたうえで、「如必勝己而後友、則勝己者亦不吾友矣」と指摘します。自分より優れた者としか付き合わないと決めれば、相手の側も同じ基準で自分を退けることになる、という筋道です。
<選択肢>
①【誤】
文字通りに行えば優れた人とばかり友になるはずで、それは生じる問題ではなく前提です。
②【誤】
劣った人と友になれなくなるのは、この言葉が求めている当のことであり、問題点ではありません。
③【誤】
「同水準の人とばかり友となる」とは述べていません。
④【誤】
同水準の人との関係は、【文章Ⅰ】の論点になっていません。
⑤【正】
誰もが自分より優れた者だけを選ぶなら、優れた者から見れば自分は「己に如かざる者」です。結果として、自分より優れた人と友になれなくなります。
問5:正解①
<問題要旨>
傍線部A「交相為勝」の説明です。直前に「人之気質互有勝劣」とあり、「動静剛柔」が交互に相手より勝る、という文脈です。
<選択肢>
①【正】
動と静のような相反する性質は、ある面では動が、別の面では静が優れるというように、どちらもそれぞれ優れた面を持つ、という説明が「交ごも相ひ勝と為す」に合います。
②【誤】
「つねに動が静より優れている」のように優劣が固定されるなら「交相」になりません。
③【誤】
「共存してこそ初めて優れたものになる」という話ではありません。ここでは優劣が入れ替わることを述べています。
④【誤】
動いている時は静止していない、という時間的な交替の話ではありません。
問6:正解②
<問題要旨>
傍線部B「彼無能益而相奨以益偏」の返り点と書き下し文の組合せを選ぶ設問です。前後は「己の偏に従へば、己既に一偏の長有り」「此れを之れ己に如かずと謂ふ」。傍線部は「彼は自分を益することができず、互いに励まし合ってますます偏るばかりだ」という内容になるはずです。
<選択肢>
①【誤】
「無」を「能益而相奨」全体にかけるため「相奨むること無くして」となり、互いに励まし合うという内容が消えてしまいます。「以て益偏る」も意味をなしません。
②【正】
「無二能益一」で「能く益すこと無くして」と読み、以下を「相奨めて以て益(ますます)偏る」と続けます。返り点と書き下し文が一致し、前後の文脈にも合います。
③【誤】
「無能」を熟語として読むうえ「相」を「たすけ」と読み、「以レ益」で「益を以て」となるため、全体の意味が通りません。
④【誤】
「相」までを「無」にかけ、「偏を益すを以てす」と読みますが、語順・意味とも成り立ちません。
問7:正解③
<問題要旨>
同じ『論語』の言葉について、蘇軾と王夫之がどのような考えを示しているかを問う設問です。蘇軾は「世之陋者、楽以不若己者為友、則自足而日損」と、劣った者と交わって自己満足し日々損なわれることへの戒めだと説きます。王夫之は「人之気質互有勝劣」として、動静剛柔の異なる相手は自分の足りない面を補うので「皆勝己者矣」であり、逆に「凡見為如己者、皆不如己者也」と、自分と似た偏りの者こそ「己に如かざる者」だと説きます。
<選択肢>
①【誤】
蘇軾の説明が「他者にしばしば無関心である」となっており、「自足而日損」と合いません。
②【誤】
王夫之は自分と同じ性質の者と交わることを戒めています。「同類であることに意味がある」は逆の内容です。
③【正】
蘇軾は思慮の浅い者が今の自分に満足して堕落するのを戒めた言葉ととらえ、王夫之は自分と異なる性質の相手こそ不足を補う「己に勝る者」だとして、一面的な優劣ではなく性質の違いを重視しています。
④【誤】
蘇軾の説明が「自分の損得のみを考えて行動する」となっており、本文と異なります。
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