2019年度 大学入試センター試験 本試験「地学」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。
解説
2019年度(平成31年度)大学入試センター試験 本試験「地学」の全問解説です。第1問〜第4問が必答(17+27+17+27=88点)、第5問・第6問はどちらか1問を選択(各12点)で、あわせて100点満点。当サイトでは受験生がどちらを選んでも確認できるよう、第5問・第6問の両方を解説しています。そのため記事に並ぶ配点の合計は112になります。また、この年度は解答番号が大問ごとに1から振り直される形式なので、各設問の見出しの「解答番号」は大問内での番号です。大問の中がA〜Cの文章に分かれているものは、この記事も分野ごとに見出しを分けています。各設問の見出しをタップすると、その問題の考え方と手順が開きます。
第1問 A 地球の自転と内部構造
小問3題。自転の向きと周期、地球内部の温度分布、地磁気の永年変化から年代を逆算する計算です。問3は伏角を使って水平分力を全磁力に直すところがすべてです。
問1:正解 ①(解答番号1/配点4)
<問題要旨>
地球は、北極と南極を結ぶ軸のまわりを自転しています。その周期は、遠方の恒星を基準として求められます。現在の地球の自転の向きと周期の組合せとして最も適当なものを選びます。
<考え方>
向きは「西から東へ」を地球儀の図に読み替えます。周期は、基準が太陽か恒星かで値が変わります。
【自転の向き】 地球は西から東へ自転している (だから太陽は東から昇って西に沈む) 北極を上にして横から見た図では 手前側の赤道が右へ動く → 赤道上の矢印が 右向き(→) ①② が右向き、③④ が左向き 【周期】 恒星を基準 … 1恒星日 = 23時間56分 太陽を基準 … 1太陽日 = 24時間00分 その差 約4分は 地球が1日に約1°公転するぶん 太陽が同じ位置に戻るのに よけいにかかる時間 本問は「遠方の恒星を基準」なので 23時間56分 【組合せ】 右向き + 23時間56分 よって ①
問2:正解 ③(解答番号2/配点3)
<問題要旨>
現在の地球内部の温度分布を表す図として最も適当なものを選びます。地球内部の温度は直接求めることができず、推定値には大きな幅があるため、温度分布は灰色の領域で示されています。また、破線a〜cはそれぞれ同じ深さ(約 660 km、約 2900 km、約 5100 km)を示しています。
<考え方>
見るところは2つです。中心の温度がどのくらいか(縦軸の目盛り)と、核とマントルの境界で温度が飛ぶかどうかです。
【① 中心の温度】 地球中心の温度は およそ 5000〜6000 ℃ と推定されている 縦軸が 6000 ℃ まで … ① と ③ 縦軸が 12000 ℃ まで … ② と ④ → ② ④ は高すぎる 【② 温度の上がり方】 地表〜地殻 1 km あたり 約 30 ℃ と急勾配 マントル内部 対流でかき混ぜられているため 断熱的でゆるやかな勾配 (深さ 660 km で 約 1600〜1900 ℃) 核とマントルの境界(深さ 2900 km) 熱の伝わりにくい境界層があり 温度が急に上がる(段差ができる) 核の内部 再びゆるやかに上がり 中心で 5000〜6000 ℃ ① … マントル内で 3000 ℃ を超えており 浅いところが高温すぎる 境界の段差も無い ③ … マントル内はゆるやかで b(2900 km)に段差がある ✓ よって ③
問3:正解 ④(解答番号3/配点3)
<問題要旨>
地磁気は永年変化しており、全磁力は減少し続けています。地表のある地点で現在の地磁気を測定したところ、伏角は 60°、水平分力は 25000 nT でした。この地点で、過去 400 年間にわたって全磁力が 100 年につき 2000 nT の一定の割合で減少を続けてきたとすると、水平分力が 27000 nT であったのは約何年前かを選びます。伏角は変化していないものとします。
<考え方>
水平分力のままでは比べられないので、伏角を使って全磁力に直します。伏角が変わらないので、水平分力と全磁力は常に同じ比で結ばれます。
【伏角と分力の関係】 全磁力 F、伏角 I のとき 水平分力 H = F cos I 鉛直分力 Z = F sin I I = 60° なので cos60° = 0.5 H = 0.5 F F = 2 H 【現在の全磁力】 H = 25000 nT F = 2 × 25000 = 50000 nT 【過去の全磁力】 H = 27000 nT のとき F = 2 × 27000 = 54000 nT 【何年前か】 減った量 54000 − 50000 = 4000 nT 減少の割合 2000 nT / 100 年 = 20 nT/年 4000 ÷ 20 = 200 年 【選択肢との照合】 50 / 100 / 120 / 200 100 は「2倍する」のを忘れた場合 (2000 ÷ 20 = 100)に出る値 よって ④
第1問 B 地震と断層(押し引き分布と横ずれ断層)
小問2題。初動の押し引き分布と余震分布から断層の走向と圧縮の向きを読み、次に川の屈曲量から断層の活動開始時期を逆算します。問5はずれを「断層に沿って」測るのが要点です。
問4:正解 ①(解答番号4/配点4)
<問題要旨>
図1の(a)は中国地方で起こった震源の浅い地震(本震)で観測された初動の押し引き分布、(b)は本震の発生から1日以内に発生した地震(余震)の分布です。「この本震を起こした断層の走向は ア である」「この地域では水平に イ 方向から圧縮する力がはたらいている」の空欄の組合せを選びます。
<考え方>
走向は余震分布の伸びる向きから読みます。圧縮の向きは、横ずれ断層では断層の走向と 45° をなす向きになります。押し引き分布はそれを裏づけます。
【ア 断層の走向】 余震は断層面に沿って起こる → 余震分布の細長く伸びる向きが走向 図1(b) の余震は 北北西から南南東へ細長く並ぶ 選択肢は 北西—南東 か 北東—南西 の二択 → ア = 北西—南東 【イ 圧縮の向き】 図1(a) の押し引き分布 北側 … 引き(○)が多い 南側 … 押し(●)が多い 震源のまわりが押しと引きの 領域に分かれる = 横ずれ断層型 横ずれ断層では 圧縮の軸は断層の走向と 45° をなす 走向が北西—南東なので 圧縮軸は 東西 か 南北 のどちらか 押し引き分布と合わせると 東西 【地域の応力との整合】 西南日本は フィリピン海プレートの沈み込みで 東西方向に圧縮されている (2000年の鳥取県西部地震も この向きの横ずれ断層) → イ = 東西 よって ①
問5:正解 ②(解答番号5/配点3)
<問題要旨>
図2の地図のように、川が横ずれ断層のところで屈曲しています。地震が 5000 年に1回発生し、地震のたびに断層が水平に 2 m ずつ、同じ向きにずれたとすると、この場所で断層が活動を開始したのはおよそ何万年前かを選びます。川は断層が活動する前、北から南へ一直線に流れており、断層の活動のみによってずれたものとします。
<考え方>
ずれの総量を図から読み、1回あたり 2 m で割って回数を出し、5000 年をかけます。ずれは「断層に沿って」測ることに注意します。
【ずれの総量を読む】
川は断層のところで屈曲し
北側の直線部分と南側の直線部分が
東西に 約 180 m ずれている
ただし断層は北東—南西方向(45°)
ずれは断層に沿って起きるので
断層に沿った長さで測る
√(180² + 180²)
= 180 × 1.41
= 約 250 m
【地震の回数】
1回のずれ 2 m なので
250 ÷ 2 = 125 回
【活動開始からの年数】
5000 年に1回なので
125 × 5000 = 625000 年
= 約 62 万年
【選択肢との照合】
35 / 70 / 105 / 140(万年前)
最も近いのは 70 万年前
(東西のずれ 180 m をそのまま
使うと 45 万年になり、
どの選択肢とも合わない)
よって ②
第2問 A 地質調査(走向・傾斜と凝灰岩の対比)
小問3題。ジオくんの野外調査という設定で、地形図から同じ地層が出る地点を探し、凝灰岩の鉱物組成で地層を対比し、化石と堆積構造から時代と環境を決めます。問1は「標高 + 南への距離」を計算すれば決まります。
問1:正解 ④(解答番号1/配点3)
<問題要旨>
文章中の下線部(a)の地点Yは、図1中の地点ア〜オのうちどれにあたるかを選びます。地点Xで観察された地層の走向は東西、傾斜は南に45°で、この地域に断層・不整合・褶曲や地層の逆転はないものとします。
<考え方>
走向が東西なので、地層面は東西に伸び、南へ45°で下がります。傾斜45°は「南へ 1 m 進むと 1 m 下がる」ということなので、地点Xと同じ地層は、標高が下がったぶんだけ南へ寄った場所に出ます。
【地点Xと川の標高を読む】 地点X … 500 m の等高線上 地点ア〜オ … 川沿い 川は 200 m の等高線に はさまれた谷底なので 約 200 m 標高差 500 − 200 = 300 m 【何 m 南へずれるか】 傾斜 45° 南 なので 南へ x(m)進むと地層面は x(m)下がる 300 m 下がった地層面が地表に出るのは 地点Xから 南へ 300 m の位置 (東西にどれだけ動いても 走向が東西なので地層面の高さは 変わらない。南北の位置だけで決まる) 【図1 のスケールで測る】 地点Xから南へ ア … 約 480 m 北(逆向き) イ … 約 280 m 北(逆向き) ウ … ほぼ同じ緯度 エ … 約 290 m 南 ✓ オ … 約 480 m 南 300 m に最も近いのは エ よって ④
問2:正解 ③(解答番号2/配点3)
<問題要旨>
地点Yの露頭でジオくんは3枚の凝灰岩b〜dを見つけ、図3のスケッチを作成しました。凝灰岩b〜dと図2の凝灰岩aには表1に示す鉱物が含まれていました。地点Xの露頭の貝化石が見られた部分に対比される地層は、図3中のI〜Ⅳのどの範囲にあるかを選びます。調査地の地層に挟まれる凝灰岩は全部で3枚あり、これらはすべて調査地全域で追跡できるものとします。
<考え方>
まず鉱物組成で凝灰岩aがb〜dのどれと同じかを決めます。次に、傾斜の向きから図3のどちら側が上位かを決め、aの下位にあたる範囲を選びます。
【表1 で凝灰岩aを特定する】 凝灰岩a … 斜長石・輝石 凝灰岩b … 斜長石・角閃石 凝灰岩c … 石英・斜長石・黒雲母 凝灰岩d … 斜長石・輝石 a と d が完全に一致 凝灰岩は全部で3枚しかないので 凝灰岩a = 凝灰岩d 【図3 のどちらが上位か】 地層は南に45°傾斜している 傾斜した地層を平らな地表で見ると 傾斜の向きへ進むほど上位の地層が出る 図3 は左が北、右が南なので 右(南)ほど上位(新しい) 左(北)ほど下位(古い) 【上下の並び(下位→上位)】 I → 凝灰岩b → Ⅱ → 凝灰岩c → Ⅲ → 凝灰岩d → Ⅳ 【貝化石の位置】 地点X では 貝化石は凝灰岩a より 下位 a = d なので d のすぐ下位の範囲を選ぶ → Ⅲ (Ⅳ は d の上位なので誤り) よって ③
問3:正解 ④(解答番号3/配点4)
<問題要旨>
ジオくんは地点Yで保存状態の良い貝化石を見つけることができ、それはイノセラムスでした。また、この露頭の砂岩層には級化構造(級化層理)が見られました。これらの観察から推定される、この地層が堆積した時代と堆積環境の組合せとして最も適当なものを選びます。
<考え方>
化石で時代を、堆積構造で環境を決めます。2つを別々に判定してから組み合わせます。
【時代:イノセラムス】 イノセラムスは中生代(おもに白亜紀)の 二枚貝で、示準化石として使われる → 中生代 (古生代なら三葉虫・フズリナ、 新生代ならビカリア・デスモスチルス) 【環境:級化構造】 級化構造(級化層理)は 1枚の地層の中で 下が粗く、上へ向かって細かくなる構造 これは、砕屑物を大量に含む流れが 一気に流れ込んで止まり 粗い粒から順に沈むことでできる = 混濁流(乱泥流)による堆積 混濁流は大陸棚の縁から 深い沖合の海底へ流れ下るので 堆積場は 沖合の海底 【波浪の場合との違い】 波浪で砕屑物が動く沿岸域では 斜交葉理(クロスラミナ)や リプルマークができ 級化構造は残りにくい 【組合せ】 中生代 + 混濁流が流入する沖合の海底 よって ④
第2問 B 地史(大量絶滅と日本列島の付加体)
小問2題。大量絶滅の原因と、日本列島をつくる付加体の形成順序です。どちらも年代の暗記がそのまま得点になります。
問4:正解 ②(解答番号4/配点4)
<問題要旨>
生物の絶滅とそのおもな原因について述べた文a・bの正誤の組合せを選びます。aは「白亜紀末には恐竜やアンモナイトなど多くの生物が絶滅し、そのおもな原因は巨大隕石衝突による環境変化であると考えられている」、bは「ペルム紀末にはフズリナ(紡錘虫)や三葉虫など多くの生物が絶滅し、そのおもな原因は全球凍結による環境変化であると考えられている」。
<考え方>
絶滅した生物の名前は両方とも正しいので、原因の部分だけを見ます。全球凍結がいつの出来事かがポイントです。
【a 白亜紀末(約 6600 万年前)】 恐竜・アンモナイト・ イノセラムスなどが絶滅 メキシコのユカタン半島に 直径 約 10 km の隕石が衝突 粉じんが日射をさえぎり 寒冷化と光合成の停止を招いた イリジウムの濃集層とクレーターが 証拠として見つかっている → a は正 【b ペルム紀末(約 2億5千万年前)】 フズリナ・三葉虫・古生代型サンゴ など、海生生物の 90 % 以上が絶滅 (史上最大の大量絶滅) 原因として有力なのは ・超大規模な火山活動 (シベリア洪水玄武岩) ・それに伴う海洋の酸素欠乏 (スーパーアノキシア) 全球凍結は 原生代 の出来事なので 時代が違う → b は誤 よって a正・b誤 の ②
問5:正解 ⑥(解答番号5/配点3)
<問題要旨>
日本列島の成り立ちのなかで、A 四万十帯、B 美濃・丹波帯(丹波—美濃帯)、C 秋吉帯に示された付加体が形成された順序として最も適当なものを選びます。
<考え方>
付加体は海溝で次々に付け加わるので、古いものほど内陸側(日本海側)にあります。3つの帯の年代を並べます。
【付加体のできかた】 海洋プレートが沈み込むとき その上の堆積物や海山が はぎ取られて大陸側に付け加わる 新しい付加体は 前のものより海溝側(太平洋側)にできる → 内陸側ほど古い 【3つの帯の年代】 秋吉帯 古生代 石炭紀〜ペルム紀の付加体 石灰岩(秋吉台)を含む → 最も古い 美濃・丹波帯 中生代 ジュラ紀の付加体 チャートと砂岩・泥岩の互層 四万十帯 中生代 白亜紀〜新生代 古第三紀の付加体 四国・紀伊半島の太平洋側に分布 → 最も新しい 【順序】 C(秋吉帯) → B(美濃・丹波帯) → A(四万十帯) 【位置でも確認できる】 西南日本を北から南へ 秋吉帯 → 丹波・美濃帯 → 四万十帯 と並んでおり、年代の順と一致する よって ⑥
第2問 C 地層と岩石(接触変成作用・火成岩の組織・放射年代)
小問3題。堆積岩を貫く火成岩体を題材に、境界付近の岩石、火成岩の組織から読む岩石名と結晶化の順序、放射年代の基礎を問います。問7は「すき間を埋めている鉱物が最後」という組織の読み方です。
問6:正解 ③(解答番号6/配点3)
<問題要旨>
文章中の下線部(b)「かたくて緻密な岩石」について述べた文として最も適当なものを選びます。砂岩と泥岩の互層からなる堆積岩と、その層理面を切って接する火成岩体があり、境界付近では砂岩と泥岩が幅数十 m にわたってこの岩石に変化していました。火成岩の放射年代は約1億年前です。
<考え方>
変成作用が広域変成作用か接触変成作用かを決め、そのうえで原岩が何かを確認します。
【どちらの変成作用か】 変化しているのは 火成岩体との境界から 幅数十 m だけ マグマの熱が届いた範囲だけが 変化している → 接触変成作用 広域変成作用なら 造山帯全体に及び、片理が発達する 【できた岩石】 原岩は砂岩と泥岩(砕屑岩) 泥質岩が接触変成を受けると ホルンフェルスになる かたくて緻密、方向性のない組織 【年代】 熱源である火成岩が 約1億年前に結晶化したのだから 変成作用もそのとき 【選択肢の判定】 ① 片理が発達した広域変成岩 → 誤り ② 結晶質石灰岩 原岩が石灰岩のときの生成物 → 誤り ③ 約1億年前に形成された接触変成岩 ✓ ④ マグマが急冷してできた火山岩 変化したのは堆積岩の側 → 誤り よって ③
問7:正解 ⑤(解答番号7/配点4)
<問題要旨>
図4について、この火成岩の岩石名と、この火成岩がマグマから結晶化するときに最後に結晶化した鉱物の組合せとして最も適当なものを選びます。図4は火成岩体の中心部の岩石の薄片を偏光顕微鏡で観察したスケッチで、斜長石・輝石・かんらん石が示され、スケールは 1 mm です。
<考え方>
岩石名は「組織(粒の大きさ)」と「含まれる鉱物」で決めます。結晶化の順序は、自形の結晶が先、すき間を埋めている結晶が後、と読みます。
【岩石名】
粒がそろって大きい(等粒状組織)
→ 深成岩
(火成岩体の中心部でゆっくり冷えた)
含まれる鉱物
斜長石・輝石・かんらん石
石英もカリ長石も無い
→ 苦鉄質
苦鉄質の深成岩 = 斑れい岩
(花こう岩なら石英・カリ長石・黒雲母)
【最後に結晶化した鉱物】
スケッチを見ると
かんらん石 … 六角形の自形
斜長石 … 細長い柱状の自形
輝石 … 上の2つのすき間を
埋めるように広がる他形
先に晶出した結晶は
まわりに邪魔がないので自形になる
最後に晶出した結晶は
残ったすき間を埋めるので他形になる
→ 最後に結晶化したのは 輝石
【ボーエンの反応系列との関係】
系列ではかんらん石→輝石の順なので
かんらん石が先、輝石が後で矛盾しない
【組合せ】
斑れい岩 + 輝石
よって ⑤
問8:正解 ①(解答番号8/配点3)
<問題要旨>
文章中の下線部(c)「放射年代(絶対年代)」に関連して、放射年代や放射性同位体について述べた文として最も適当なものを選びます。
<考え方>
半減期の定義と、¹⁴C 年代測定の適用範囲を確認すれば、3つはすぐに切れます。
【① 黒雲母と年代測定】 黒雲母はカリウム K を含むので K-Ar 法(カリウム-アルゴン法)の 試料として使える → 正しい 【② 半減期は岩石によって変わるか】 半減期は放射性同位体ごとに決まった値で 温度・圧力・岩石の種類に関係なく一定 この「変わらない」性質があるからこそ 時計として使える → 誤り 【③ ¹⁴C 年代測定法】 ¹⁴C の半減期は約 5730 年 測定できるのは数万年前まで また対象は生物起源の炭素を含む試料で 火成岩には使えない → 誤り 【④ 3T 年後の原子数】 半減期 T ごとに 1/2 になる T 年後 … 1/2 2T 年後 … 1/4 3T 年後 … 1/8 1/6 ではない → 誤り よって ①
第3問 A 地球・金星・火星の大気
小問3題。トラさんとヒコくんの会話文で、地球の大気の層構造と、酸素をほとんど含まない金星・火星の気温の鉛直分布を比べます。問3は表面の気圧と温度で黒丸の位置を絞るのが近道です。
問1:正解 ④(解答番号1/配点3)
<問題要旨>
会話文中の空欄アに入る語として最も適当なものを選びます。「地球の大気の主成分は窒素と酸素ですが、金星と火星の大気の主成分は ア であり、酸素はほとんど含まれません。また地表の気圧は、金星では地球の約 90 倍、火星では約 100 分の 1 です。」
<考え方>
金星と火星に共通する大気の主成分を思い出します。地球の酸素が生物由来であることを考えると、他の惑星に酸素が無い理由もはっきりします。
【金星と火星の大気】 金星の大気 二酸化炭素 約 96 % 窒素 約 3 % 地表気圧 約 90 気圧 強い温室効果で地表 約 460 ℃ 火星の大気 二酸化炭素 約 95 % 窒素 約 3 % 地表気圧 約 0.006 気圧 地表の平均気温 約 −60 ℃ → 主成分はどちらも 二酸化炭素 【地球だけ酸素があるのはなぜか】 地球の酸素は シアノバクテリアなど光合成生物が 約 27 億年前から放出したもの 生物がいなければ 惑星の大気は二酸化炭素と窒素が主体 【他の選択肢】 水素・ヘリウム … 木星型惑星の主成分 メタン … 天王星・海王星や タイタンの大気に含まれる よって ④
問2:正解 ④(解答番号2/配点3)
<問題要旨>
地球の大気に関して、会話文中の下線部(a)「中間圏」および下線部(b)「熱圏」について述べた文a・bの正誤の組合せを選びます。aは「中間圏では、太陽活動の影響によりオーロラが発生しやすい」、bは「熱圏では、成層圏と同様、オゾン層の存在により上空ほど気温が高い」。
<考え方>
大気の4つの層について、高度の範囲・気温の変化・そこで起こる現象を並べて確認します。
【大気の層構造】 対流圏 … 0〜約 11 km 上空ほど低温(対流がある) 成層圏 … 約 11〜50 km 上空ほど高温 オゾン層が紫外線を吸収するため 中間圏 … 約 50〜80 km 上空ほど低温 熱圏 … 約 80〜500 km 上空ほど高温 酸素・窒素が 紫外線やX線を吸収するため 【a オーロラの高さ】 オーロラが光るのは 高度 100〜500 km あたり = 熱圏 中間圏ではない → a は誤 【b 熱圏が高温な理由】 熱圏で気温が上がるのは 波長の短い紫外線やX線を 酸素分子・窒素分子が吸収するから オゾン層があるのは成層圏で 熱圏にはない → b は誤 よって a誤・b誤 の ④
問3:正解 ①(解答番号3/配点4)
<問題要旨>
会話文中の下線部(c)について、金星と火星の気温の鉛直分布は、グラフa〜dのうちそれぞれどれかを選びます。グラフの縦軸は気圧(高度に対応)で、グラフ中の黒丸は惑星表面における値を表しています。
<考え方>
まず黒丸(惑星表面)の位置で、どのグラフが金星でどのグラフが火星かを分けます。次に、酸素(オゾン層)が無いことから、曲線が何回折れ曲がるべきかを判断します。
【黒丸の位置で2つに分ける】 金星 表面気圧 地球の約 90 倍 = 約 9×10⁴ hPa ≒ 10⁵ hPa 表面温度 約 740 K → 黒丸が右下(高温・高圧) → a と b 火星 表面気圧 地球の約 1/100 = 約 10 hPa 表面温度 約 220 K → 黒丸が左の中ほど → c と d 【酸素が無いことから形を決める】 地球で気温が「上がって下がって上がる」 という複雑な形になるのは 成層圏にオゾン層があるため 金星・火星の大気には 酸素がほとんどなくオゾン層も無い → 気温は表面から上空へ 単調に下がっていくだけ (最上部で太陽放射の直接加熱により わずかに上がる程度) a・c … 単調に下がる形 ✓ b・d … 何度も折れ曲がる形 ✗ 【組合せ】 金星 = a / 火星 = c よって ①
第3問 B 海水の水平運動(中規模渦と黒潮)
小問2題。中心の海面が低い渦にはたらく力のつり合いと、黒潮の性質です。問4は「低気圧と同じつり合い」と気づけば即決できます。
問4:正解 ④(解答番号4/配点4)
<問題要旨>
文章中の空欄イ・ウに入る語句の組合せを選びます。「本州東方において中心の海面が周辺より低い中規模渦の場合は、圧力傾度力が イ へ向かってはたらき、コリオリの力(転向力)はその逆向きにはたらいて、この二つの力がつり合った状態にあり、表層の海水は地衡流として ウ に流れている。」
<考え方>
海面が低い=圧力が低い、と読み替えると、大気の低気圧とまったく同じ問題になります。北半球の低気圧まわりの流れの向きを思い出します。
【イ 圧力傾度力の向き】 海面が高いところは水圧が高く 海面が低いところは水圧が低い 圧力傾度力は 高いほうから低いほうへはたらく 渦の中心の海面が周辺より低いので イ = 渦の周辺から中心 【ウ 流れの向き】 地衡流では 圧力傾度力(中心向き)と コリオリの力(外向き) がつり合う 北半球のコリオリの力は 進行方向の 右向き コリオリの力が外向き(中心から周辺) になるには 中心を左に見て回る向き = 反時計回り ウ = 反時計回り 【大気との対応】 海面が低い渦 = 大気の低気圧 北半球の低気圧は反時計回り と覚えておけばそのまま使える よって ④
問5:正解 ①(解答番号5/配点3)
<問題要旨>
文章中の下線部(d)「黒潮」に関連して述べた文として最も適当なものを選びます。
<考え方>
黒潮が亜熱帯環流の西岸境界流であることを軸に、地衡流の関係とコリオリの力の緯度変化を確認します。
【① 環流の一部か】 黒潮は 貿易風と偏西風がつくる 北太平洋の亜熱帯環流の西側部分 海上風が引き起こす水平循環の 一部を構成する強い流れ → 正しい 【② 黒潮の南北で海面はどちらが高いか】 地衡流では 北半球で流れの 右側 の海面が高い 本州南方の黒潮は東へ流れているので 右側 = 南側(沖側)が高い 「北側が高い」は逆 → 誤り 【③ コリオリの力と緯度】 コリオリの力は 高緯度ほど強く、赤道でゼロ 「低緯度ほど強い」は逆 → 誤り (西岸強化が起こるのは コリオリの力が緯度で変わるため) 【④ 黒潮と親潮の速さ】 黒潮 … 最大 2 m/s を超える 親潮 … これより遅い 「黒潮のほうが小さい」は逆 → 誤り よって ①
第4問 A 天体とその進化(主系列星・末期・HR図)
小問5題。太陽系の質量配分、主系列星の性質、恒星の末期、HR図上の等半径線、ブラックホールと続きます。問4は「半径が10倍で絶対等級が5等小さくなる」という関係を線の間隔で確かめる設問です。
問1:正解 ②(解答番号1/配点4)
<問題要旨>
文章中の空欄ア・イに入る語の組合せを選びます。「惑星などの小さな天体の全質量は太陽系全体の質量の ア である」「主系列星は イ の核融合によってエネルギーを生じている。また主系列星は、中心部で燃料となる イ の大部分が消費されると、半径の大きな赤色巨星へと膨張する」。
<考え方>
太陽系の質量がどこに集中しているかと、主系列星のエネルギー源を確認します。どちらも基本事項です。
【ア 惑星の質量の割合】 太陽の質量は 太陽系全体の質量の 約 99.86 % 惑星をすべて合わせても 残りの 0.14 % ほどにすぎない (そのうち約7割が木星) → 1 % 以下 【イ 主系列星のエネルギー源】 主系列星は中心部で 水素4個がヘリウム1個に変わる 核融合反応を起こしている 4 ¹H → ⁴He + エネルギー このとき失われた質量が エネルギーに変わる 中心部の水素を使い果たすと 中心にヘリウムの芯ができ 外層が膨張して赤色巨星になる → 水素 【組合せ】 1 % 以下 + 水素 よって ②
問2:正解 ③(解答番号2/配点3)
<問題要旨>
文章中の下線部(a)「主系列星」について述べた文a・bの正誤の組合せを選びます。aは「質量の大きい主系列星ほど、核融合反応の燃料が多く寿命が長い」、bは「質量の小さい主系列星ほど、光度が小さく赤い色を示す」。
<考え方>
aは「燃料が多い」ところまでは正しいので、消費の速さと比べる必要があります。bは主系列の並び方そのものです。
【a 質量と寿命】 質量が大きい = 燃料は多い しかし中心部が高温高圧になり 核融合が桁違いに速く進む 光度は質量の 3〜4 乗に比例する 寿命 ≒ 燃料の量 ÷ 消費の速さ ∝ 質量 ÷ 質量³ ∝ 1 ÷ 質量² → 質量が大きいほど寿命は 短い 太陽(1倍) … 約 100 億年 10 倍の星 … 約 2000 万年 → a は誤 【b 質量と色・光度】 主系列星は 質量が大きいほど 表面温度が高く(青白い) 光度が大きい 質量が小さいほど 表面温度が低く(赤い) 光度が小さい HR図の主系列が 左上から右下へ並ぶのはこのため → b は正 よって a誤・b正 の ③
問3:正解 ①(解答番号3/配点4)
<問題要旨>
文章中の下線部(b)に関連して、恒星の質量が太陽の約8倍以上のとき、その一生の末期に起こる現象およびその結果として残される天体について述べた文として最も適当なものを選びます。
<考え方>
質量が太陽の約8倍というのが、末期の分かれ目です。それより軽いか重いかで、末期の現象も残る天体も変わります。
【太陽の約8倍が境目】 約8倍より軽い星 赤色巨星 → 外層をゆるやかに放出 → 惑星状星雲 中心に 白色矮星 が残る 約8倍以上の星 中心で鉄まで核融合が進み 芯が一気に崩壊 → 超新星爆発 中性子星 または ブラックホール が残る (約 30 倍より重いと ブラックホールになりやすい) 【選択肢の判定】 ① 超新星爆発 → 中性子星/ブラックホール ✓ ② 超新星爆発 → 白色矮星 組合せが食い違う → 誤り ③ 惑星状星雲 → 中性子星 組合せが食い違う → 誤り ④ 惑星状星雲 → 白色矮星 約8倍より軽い星の場合 → 誤り よって ①
問4:正解 ①(解答番号4/配点3)
<問題要旨>
恒星の半径は、その光度と表面温度をもとに、シュテファン・ボルツマンの法則を用いて推定できます。その推定をもとに導いた恒星の半径が一定の線(破線)を、HR図上に描き入れたものとして最も適当なものを選びます。図中の実線は主系列星の分布、破線上の枠内の数値は太陽を1とした半径です。
<考え方>
半径一定の線の「傾き」と「間隔」の2つを確かめます。傾きは温度が下がれば暗くなること、間隔は半径10倍で絶対等級が5等小さくなることから決まります。
【① 傾きの向き】 光度 L = 4πR² σT⁴ 半径 R が一定のとき 温度 T が下がる → 光度が下がる = 絶対等級は大きくなる(暗い) HR図は 横軸 左が高温、右が低温 縦軸 上が明るい(等級が小さい) → 半径一定の線は 左上から右下へ下がる ③ ④ は破線が右上がりで 「低温ほど明るい」ことになり誤り 【② 線の間隔】 半径が 10 倍になると 光度は 10² = 100 倍 100 倍は 5 等級の差なので 絶対等級は 5 等 小さくなる ① … 100/10/1/0.1 の4本が 約 5 等ずつ離れている ✓ ② … 100/1/0.01 の3本 半径は 100 倍ちがうのに 間隔が約 5 等しかない (本来は 10 等必要)→ 誤り 【太陽で検算】 太陽は G2型、絶対等級 +4.8、半径 1 ① では「1」の破線が G0付近で絶対等級 +5 前後を通る ✓ よって ①
問5:正解 ④(解答番号5/配点3)
<問題要旨>
ブラックホールが関係する天体について述べた文として誤っているものを選びます。
<考え方>
「誤っているもの」を選ぶ設問です。3つは正しい記述なので、残る1つを見つけます。
【① クェーサー】 クェーサーは非常に遠方にある きわめて明るい天体 中心の巨大ブラックホールに ガスが落ち込むときに 重力エネルギーが解放されて輝く → 正しい 【② 銀河系の中心】 いて座の方向、銀河系の中心に 太陽の約 400 万倍の質量をもつ 巨大ブラックホール(いて座A*)が あることが、そのまわりを回る星の 運動から確かめられている → 正しい 【③ 強いX線を放射する天体】 はくちょう座X-1 のように 連星の相手からガスを吸い込み 高温の円盤ができてX線を出す ブラックホール連星が知られている → 正しい 【④ かに星雲】 かに星雲は 1054 年に記録された 超新星の残骸 その中心にあるのは 高速で自転する 中性子星(パルサー) であり、ブラックホールではない → 誤り よって ④
第4問 B 銀河系(回転曲線と暗黒物質)
小問3題。銀河系の回転曲線から回転周期を計算し、そこから暗黒物質の存在にたどりつきます。問6は光年と km、年と秒の変換だけの計算です。
問6:正解 ③(解答番号6/配点4)
<問題要旨>
文章中の空欄ウに入る数値として最も適当なものを選びます。「銀河中心から4万光年の距離にある天体が1周する時間(回転周期)は約 ウ 年である。」1光年は 10¹³ km、1年は 3×10⁷ 秒とします。図1は銀河中心からの距離と銀河回転の速さの関係を表しています。
<考え方>
円軌道の1周の長さを求め、図から読んだ速さで割るだけです。単位をそろえるところが唯一の関門です。
【図1 から速さを読む】 銀河中心から 4 万光年のところで 回転の速さは 約 200 km/s (回転曲線は 1〜5 万光年で 200 km/s 前後のほぼ一定値) 【1周の長さ】 半径 r = 4 万光年 = 4×10⁴ × 10¹³ km = 4×10¹⁷ km 円周 = 2πr = 2 × 3.14 × 4×10¹⁷ = 2.5×10¹⁸ km 【回転周期】 時間 = 距離 ÷ 速さ = 2.5×10¹⁸ ÷ 200 = 1.25×10¹⁶ 秒 年に直す 1.25×10¹⁶ ÷ 3×10⁷ = 4.2×10⁸ 年 = 約 4 億年 【選択肢との照合】 400万 / 4000万 / 4億 / 40億 よって ③
問7:正解 ②(解答番号7/配点3)
<問題要旨>
文章中の空欄エ・オに入る語の組合せを選びます。「万有引力およびケプラーの法則を使って回転周期から求められる銀河系の質量は、光や電波の観測をもとに導き出される銀河系内の天体の総質量より エ ことから、オ の存在が推定されている。」
<考え方>
2つの方法で質量を求めると食い違う、という話です。どちらが大きくなるかを回転曲線の形から考えます。
【回転曲線が語ること】 見えている星やガスが 中心付近に集中しているなら 外側ほど回転速度は遅くなるはず (ケプラー回転、v ∝ 1/√r) ところが図1 の回転曲線は 外側でも 200 km/s 前後で落ちない → 外側の天体を引きとめるだけの 重力があるということ 【どちらの質量が大きいか】 回転から求めた質量(力学的質量) … 実際の重力を反映する 光や電波から求めた質量 … 見えているものだけの合計 回転から求めた質量のほうが 大きい エ = 大きい 【差は何か】 その差は 光でも電波でも見えない物質 = 暗黒物質(ダークマター) オ = 暗黒物質 (暗黒エネルギーは 宇宙の加速膨張の原因とされるもので 銀河の質量の話ではない) よって ②
問8:正解 ③(解答番号8/配点3)
<問題要旨>
銀河系および銀河について述べた文として最も適当なものを選びます。
<考え方>
宇宙の晴れ上がりの時期、銀河の大規模構造の名前、ハッブルの法則の見え方、年周視差の大きさを順に確認します。
【① 銀河の誕生時期】
宇宙の晴れ上がりは
ビッグバンから 約 38 万年後
最初の星や銀河ができたのは
数億年後
「同時」ではない
→ 誤り
【② ボイドとは】
銀河系はアンドロメダ銀河などと
局部銀河群 をつくっている
ボイドは
銀河がほとんど存在しない
直径 1 億光年規模の空洞のこと
→ 誤り
【③ 遠方の銀河から見た銀河系】
ハッブルの法則により
遠方の銀河はすべて遠ざかって見える
これは宇宙空間そのものが
膨張しているためで
どの銀河を基準にしても同じように見える
3 億光年離れた銀河から見れば
銀河系が遠ざかって見える
→ 正しい
【④ 銀河系中心の恒星の年周視差】
銀河中心までの距離は
約 2.8 万光年 = 約 8500 パーセク
年周視差 = 1 ÷ 8500
≒ 0.0001 秒角
0.01 秒角は 100 パーセクの天体の値
→ 誤り
よって ③
第5問〔選択問題〕A 重力とジオイド
小問2題。ジオイドの大規模な凹凸が何を反映しているか、そして極と赤道での遠心力と標準重力です。第5問と第6問はどちらか1問を選ぶ選択問題ですが、この記事では両方を解説しています。
問1:正解 ①(解答番号1/配点3)
<問題要旨>
会話文中の空欄アに入る語句として最も適当なものを選びます。「地球規模で見るとジオイドには大規模な凹凸があり、それは ア を反映していると考えられています。」
<考え方>
ジオイドの凹凸は、地下の質量分布のかたよりを映したものです。地球規模のスケールで質量分布を変えられるものを選びます。
【ジオイドとは】 ジオイドは 平均海面を陸地まで延長した仮想の面 = 重力の等ポテンシャル面 地下に重い物質があれば その上でジオイドは盛り上がり 軽い物質があればへこむ 【地球規模の凹凸の原因】 ジオイドの高さは 回転楕円体に対して ±100 m ほど 波長は数千〜1万 km 規模 このスケールで質量のかたよりを つくれるのはマントル内部の 温度・密度の不均質 = マントルの対流 (沈み込んだ低温のプレートが たまっている場所や プルームが上がっている場所) → ① 【他の選択肢】 ② 外核の対流 地磁気の永年変化の原因 質量分布はほとんど変えない ③ 海洋の深層循環 海水の密度差はごくわずか ④ 大気の大循環 大気の質量は地球全体の 100万分の1以下 よって ①
問2:正解 ②(解答番号2/配点3)
<問題要旨>
表1は、極と赤道における地球の自転による遠心力の大小関係と標準重力(重力加速度)の値についてまとめたものです。空欄イ〜オに入る語と数値の組合せとして最も適当なものを選びます。
<考え方>
遠心力の大きさは自転軸からの距離で決まります。重力は万有引力から遠心力を差し引いたもので、さらに地球が扁平であることも効きます。
【イ・ウ 遠心力の大小】 遠心力の大きさ = m r ω² r は 自転軸からの距離 極 … 自転軸上なので r = 0 → 遠心力は 0(最小) 赤道 … r = 地球半径で最大 → 遠心力は最大 イ = 小さい ウ = 大きい 【エ・オ 標準重力】 重力 = 万有引力 − 遠心力 ・極では遠心力が 0 なので そのぶん重力が大きい ・地球は赤道方向にふくらんだ 回転楕円体なので 赤道は地球中心から遠く 万有引力も小さい → 極のほうが重力は大きい 標準重力の値 極 … 9.83 m/s² 赤道 … 9.78 m/s² エ = 9.83 オ = 9.78 【組合せ】 小さい / 大きい / 9.83 / 9.78 よって ②
第5問〔選択問題〕B ケイ酸塩鉱物(SiO₄ 四面体と結晶分化作用)
小問2題。ケイ酸塩鉱物の基本単位と、結晶分化作用に伴って有色鉱物の骨格構造がどう変わるかを問います。ボーエンの反応系列を骨格構造で言い直せるかどうかが要点です。
問3:正解 ⑤(解答番号3/配点3)
<問題要旨>
文章中の空欄カ〜クに入る語の組合せを選びます。「連結した骨格をつくる際は、基本単位をつくる元素のうち カ が共有される」「多くのケイ酸塩鉱物は、複数の種類の元素がさまざまな比率で含まれる キ としての性質を示す」「かんらん石には Mg と ク がさまざまな比率で含まれる」。
<考え方>
基本単位 SiO₄ 四面体の形を思い浮かべると、共有される元素はすぐ決まります。固溶体と多形の違いも押さえます。
【カ 共有される元素】 ケイ酸塩鉱物の基本単位は SiO₄ 四面体 中心に ケイ素 Si が1個 頂点に 酸素 O が4個 隣どうしの四面体がつながるときは 頂点の酸素を共有する (中心のケイ素は四面体の内側にあり 共有できない) カ = O 【キ 固溶体か多形か】 固溶体 … 結晶構造は同じで 同じ席に入る元素の比率が 連続的に変わるもの 多形(同質異像) … 化学組成は同じで 結晶構造が違うもの 例)石墨とダイヤモンド 「複数の元素がさまざまな比率で含まれる」 のは 固溶体 キ = 固溶体 【ク かんらん石の組成】 かんらん石 (Mg, Fe)₂SiO₄ Mg と Fe が任意の割合で置き換わる ク = Fe (Na が入るのは斜長石のほう (Na, Ca)(Al, Si)₄O₈) よって ⑤
問4:正解 ④(解答番号4/配点3)
<問題要旨>
文章中の下線部(b)に関連して、ケイ素と酸素がつくる立体的な基本単位の形状を表す図はa・bのうちどちらかを選びます。また下線部(c)に関連して、結晶分化作用の進行に伴って結晶化する有色鉱物中の骨格構造がどのように変化するかを組み合わせて答えます。図aは大きな球2個の間に小さな球が1個並んだ直線状、図bは小さな球を中心に大きな球4個が囲む立体です。
<考え方>
基本単位は SiO₄ 四面体そのものです。骨格構造の変化は、ボーエンの反応系列を「独立→鎖状→層状」と言い換えるだけです。
【基本単位の形状】 SiO₄ 四面体 中心に小さな Si が1個 そのまわりを 大きな O が4個 正四面体の頂点の位置で囲む a は球が3個で直線状 → 二酸化炭素 CO₂ のような形で SiO₄ ではない → b 【骨格構造の変化】 ボーエンの反応系列(有色鉱物) かんらん石 … 独立四面体 ↓ 輝石 … 単鎖状 ↓ 角閃石 … 複鎖状 ↓ 黒雲母 … 層状(シート状) 結晶分化作用が進むほど 四面体どうしのつながりが増え SiO₂ に富むマグマが残っていく → 独立 → 鎖状 → 網状(層状) 【組合せ】 b + 独立→鎖状→網状(層状) よって ④
第6問〔選択問題〕A 地球表層の水の循環
小問2題。水の輸送量の模式図を、収支が合うように埋める設問と、陸水の内訳です。問1は「入る量=出る量」を2か所で立てるだけで解けます。
問1:正解 ④(解答番号1/配点3)
<問題要旨>
文章中の下線部(a)に関して、図1中の空欄ア・イに入る数値の組合せを選びます。図1では、海上大気から陸上大気へ大気による輸送 40、陸からの蒸発 71、海への降水 385、陸水から海洋への河川などによる輸送 40 が示され、陸への降水がア、海からの蒸発がイです。数値の単位は 10¹⁵ kg/年です。
<考え方>
水の量は増えも減りもしないので、それぞれの箱について「入る量=出る量」が成り立ちます。陸上大気と海上大気の2つで式を立てます。
【陸上大気の収支】 入る 陸からの蒸発 71 海上大気からの輸送 40 合計 111 出る 陸への降水 ア つり合うので ア = 111 【海上大気の収支】 入る 海からの蒸発 イ 出る 海への降水 385 陸上大気への輸送 40 合計 425 つり合うので イ = 425 【他の箱でも検算】 陸水 入る 降水 111 出る 蒸発 71 + 河川 40 = 111 ✓ 海洋 入る 降水 385 + 河川 40 = 425 出る 蒸発 425 ✓ 【組合せ】 ア = 111 / イ = 425 よって ④
問2:正解 ③(解答番号2/配点3)
<問題要旨>
文章中の下線部(b)に関して、存在量が最大である陸水はどれかを選びます。選択肢は ① 河川水、② 地下水、③ 氷床・氷河、④ 湖沼水です。
<考え方>
地球上の水の内訳を、海水・陸水の順に細かくしていきます。陸水のほとんどは南極とグリーンランドにあります。
【地球上の水の内訳】 海水 … 約 97.5 % 陸水など … 約 2.5 % 【陸水の内訳(陸水を 100 とすると)】 氷床・氷河 … 約 70 % (南極とグリーンランドで大半) 地下水 … 約 30 % 湖沼水 … 約 0.3 % 河川水 … 約 0.006 % → 最大は 氷床・氷河 【感覚をつかむために】 河川水は量としてはごくわずかだが 平均滞留時間が短く くり返し入れ替わるので 水の循環では大きな役割をもつ 河川水の滞留時間 … 十数日 氷床の滞留時間 … 数千〜数万年 よって ③
第6問〔選択問題〕B 海洋の構造(塩分と層構造)
小問2題。外洋の平均塩分と海域による違い、そして海洋の鉛直方向の層構造です。問3は「‰(パーミル)」の桁を取り違えないことが第一関門です。
問3:正解 ⑤(解答番号3/配点3)
<問題要旨>
文章中の空欄ウ〜オに入る数値と語の組合せを選びます。「外洋の平均塩分はおよそ ウ ‰(パーミル、千分率)であるが、海域によって異なっている。たとえば、亜熱帯海域とくらべて亜寒帯海域の塩分は エ が、これは降水量が蒸発量を オ ためである。」
<考え方>
まず平均塩分の値を単位に注意して選びます。次に、亜熱帯と亜寒帯で降水量と蒸発量のどちらが多いかを大気の大循環から考えます。
【ウ 外洋の平均塩分】 海水 1 kg 中に塩類は約 35 g 千分率(‰)で表すと 35 ‰ 百分率(%)なら 3.5 % 問題文は ‰ なので ウ = 35 【エ・オ 亜熱帯と亜寒帯の違い】 亜熱帯(緯度 20〜30°) 亜熱帯高圧帯で下降気流 雲ができにくく晴天が多い → 蒸発量 > 降水量 → 塩分が高い(36〜37 ‰) 亜寒帯(緯度 50〜60°) 低圧帯で上昇気流 低気圧が通り雨が多い 気温が低く蒸発しにくい → 降水量 > 蒸発量 → 塩分が低い(33〜34 ‰) エ = 低い オ = 上回る 【組合せ】 35 / 低い / 上回る よって ⑤
問4:正解 ①(解答番号4/配点3)
<問題要旨>
文章中の下線部(c)「層構造」に関連して述べた文として最も適当なものを選びます。
<考え方>
海洋の鉛直構造を、表層混合層・主水温躍層・深層の3層に分けて確認します。
【海洋の3層構造】 表層混合層(混合層) 水深 数十〜200 m 水温がほぼ一様 主水温躍層(水温躍層) 水深 数百〜1000 m 深さとともに水温が急に下がる 深層 水温 0〜4 ℃ でほぼ一様 【① 表層混合層のでき方】 風や波が海面をかき混ぜ 冬の冷却で表層が重くなって沈み 対流が起こる その結果、水温が一様な層ができる → 正しい 【② 主水温躍層と緯度】 低緯度 表層が強く暖められ 下の冷たい水との差が大きい → 躍層がはっきりする 高緯度 表層も冷たく差が小さい → 躍層は不明瞭 「高緯度ほどはっきり」は逆 → 誤り 【③ 深層水温の違い】 表層水温は 赤道で約 28 ℃、極で約 −2 ℃ と 30 ℃ も差がある 深層水温は どの海域でも 0〜4 ℃ でほぼ一様 → 誤り 【④ 深層水の起源】 深層水がつくられるのは グリーンランド沖(北大西洋)と 南極周辺(ウェッデル海など) 北太平洋には沈み込みが無い → 誤り よって ①
※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

