2022年度 大学入学共通テスト 本試験 地理A 解答・解説

目次

解答

解説

第1問

問1:正解3

<問題要旨>

日本のある地域を示す地形図を読み取り、その地域にみられる特徴を地形や土地利用の観点から考察する問題です。河川沿いの集落や農地の分布、水田や果樹園などの立地条件と、水の得やすさ・排水条件・日当たりの良さなどとの関係を見極めることがポイントになります。

<選択肢>

①【誤】 「河川による侵食で、国道の西側の方が東側よりも傾斜が緩い」とあるが、実際の地図上では、国道の西側と東側の高低差を判断する決定的な根拠が見当たらないうえ、河川侵食の主方向と国道の走り方が一致しているとは限りません。河川の作用だけで傾斜の向きが単純に変わるわけではないため、この記述は妥当とはいえません。

②【誤】 「国道の西側は排水や日当たりがよいため、果樹園が広がっている」とあるが、果樹園は一般に日当たりと水はけが良い斜面地や扇端部などに立地することが多い一方、問題文や図からは明確に「国道の西側」に果樹園が広く分布する根拠は読み取れません。

③【正】 「国道の東側で水を得やすい地域には、集落や水田が分布している」という点は、水田には安定した水の供給が必要であること、地図上でも河川や用水路が東側に広がっていると考えられるため整合的です。水田は灌漑がしやすい場所に立地する傾向があるため、ここでは東側に水田や集落が分布していることが自然に読み取れます。

④【誤】 「土砂の堆積により大谷川の河床が高く、河川が国道や鉄道の上を通る」とあるが、もし大谷川の河床が高くなっていれば、堤防構造などによって水位や流路が国道より高所を流れる事例自体は理論上ありえます。しかし問題文や図からは、そのような“天井川”の典型例を示す明確な情報はありません。記述通りの地形を裏付ける根拠が乏しいため、根本的に妥当とはいえません。

問2:正解3

<問題要旨>

関東地方を例に、気温が30℃以上となる時間の長い地点の分布図と地形図を組み合わせて、フェーン現象やヒートアイランド現象など、気温上昇をもたらす複合的要因を考える問題です。地点A・Bのどちらが山地の風下側にあたり、温度上昇を受けやすいかを推測します。

<選択肢>

①【誤】 「山地を上るA」という組合せは、山地を上昇する気流よりも、むしろ下りる気流の方が断熱昇温(フェーン現象)の影響を強く受けます。よって“山地を上るA”という捉え方は、図から考えるフェーン現象の主因になりにくいです。

②【誤】 「山地を上るB」も同様で、山地の風上側で空気が上昇するケースを指しますが、フェーンによる著しい高温は風下側(下りる側)で生じやすいため、これも適切とは言えません。

③【正】 「山地から下るA」というのは、Aが山地の風下に位置し、下降気流によって断熱的に気温が上昇するフェーン現象を受けやすいパターンを示します。分布図でもA付近が高温となる時間が特に長い地点とされており、山の東側や南側などで下り風を受ける条件に合致していると考えられます。

④【誤】 「山地から下るB」は、図を見る限りBがそのような風下に当たる主たる位置ではない可能性が高いこと、またAに比べてフェーン現象による影響が長時間続くとは考えにくい点から誤りとされます。

問3:正解1

<問題要旨>

GISを用いて、ある地域における住民への行政サービスの提供を検討する問題です。現在の役所の支所とは別に新たな支所を候補地に設置する場合、移動距離や住民分布をどのように考えるかがテーマとなっています。「公平性を重視する考え方(D)」と「効率性を重視する考え方(E)」を踏まえ、どの候補地を選びどのような人口比率結果となるかを総合的に判断します。

<選択肢>

①【正】 図4の「a」と「b」は、候補支所をどこに設置したかで変化する“1km未満~3km以上”の距離別人口割合を表す例です。問題文中では、公平性(D)を重視するならば、住民の移動負担の差をなるべく縮小できる立地条件が望ましいとあります。考え方Dと組み合わさった結果として、候補地aであれば多くの住民が極端に遠方にならず、地域全体で距離の平準化が図れる、という読み取りが成り立ちます。

②【誤】 「aとbの組合せ」と「考え方E」のようなパターンでは、一部の住民にとっては利便性が高くなるものの、全体的に遠距離となる地域との格差が大きくなる可能性も示唆されます。図4の棒グラフや人口密度分布の情報と照合すると、公平性よりも特定の地点を優先した効率性が高まる一方で、これをDの考え方とは整合しにくいため誤りです。

③【誤】 位置関係が「b→a」の順に支所を設定しても、周辺住民の移動距離が改善されない地域が多く生じ得ます。さらにD寄りの考え方を採るには不都合が大きい配置と考えられます。

④【誤】 「bとbの組合せ」かつ「E」というパターンは、利便性重視で都心や人口集中地帯に偏重しやすい反面、離れた地域の住民には大きな移動負担を強いてしまい、公平性の視点からは問題があると考えられます。

問4:正解1

<問題要旨>

火山災害マップ(噴火口想定位置、火砕流や溶岩流の危険範囲など)と衛星画像をもとに、山体の斜面や谷沿いでのリスクの違いを比較検討する問題です。図5・図6では、J・K・Lそれぞれが置かれている地形条件に応じて、火砕流・溶岩流・火山灰の到達しやすさなどの危険度が変わることを読み解きます。

<選択肢>

(1)【正】 Jが「小高い場所にあるため溶岩流や火砕流の到達は免れるが、火砕流周辺の熱風は到達する可能性がある(サ)」、Kが「山麓部にあり、火砕流が流れ込む危険があるほか谷に沿って火砕流の一部が見えない可能性がある(シ)」、Lが「想定火口付近とのあいだに尾根があるため、流れ込みは小さいが火口付近の状況が確認しにくい(ス)」というように、それぞれの記述が地形と噴火被害想定に合致します。

(2)【誤】 JとKの組合せや記述内容が実際の地形上の特徴と食い違うため、マッチしません。

(3)【誤】 (4)【誤】 (5)【誤】 (6)【誤】 (2)~(6)はいずれもJ・K・Lの位置関係と、サ・シ・スそれぞれの災害可能性説明が対応しきれず、地形上の条件に当てはめると矛盾が生じるため誤りとなります。

問5:正解2

<問題要旨>

造成宅地で地震被害に差が出る場合があり、その原因として「切土」と「盛土」の違いが着目されます。図7では造成前後の地形断面が示され、それぞれの宅地が切土か盛土か、あるいは切盛併用の形で造成されていることが読み取れます。どの位置が地盤的に安定していて、どの位置が崩れやすい盛土にあたるかが問われます。

<選択肢>

①【誤】 元の谷地形を埋めて宅地化した“盛土”部分が多いケースと推定され、地震時に崩壊・不同沈下リスクが大きくなる可能性があります。

②【正】 一部が切土で、盛土による急な段差が少ないと考えられる造成形態です。切土部分は比較的安定した地盤となりやすいため、地震時の揺れや崩壊リスクが相対的に低いと推測されます。

③【誤】 高い段差の盛土が想定され、切土とは限らず、特に宅地の外縁部が埋め立てられている場合は地盤が弱い可能性があります。

④【誤】 上部を中心に盛土で造成されているとみられ、背後斜面との取り合いも含めて地震時の崩落・土砂流入のリスクが懸念されます。

問6:正解3

<問題要旨>

自然環境の多様な機能を生かした防災・減災の取り組みがテーマです。海岸防災林の活用や河川周辺の土地利用など、従来のハード対策に加えて自然の緩衝機能を維持することで被害を軽減する方法が論点となっています。問題文では、①~④のうち“適当でない”事例を選ぶ形式です。

<選択肢>

①【正】 「海岸と田畑の間にマツを植栽することで、海からの飛砂や風害を防ぐ」事例は、海岸林として一般的な防災手法です。塩害や砂害を軽減する効果が期待されます。

②【正】 「植林地が荒廃しないよう継続的に管理することで、斜面崩壊による土砂災害を防ぐ」事例は、山林の保全が土砂災害の防止に寄与するという考え方で、適切な防災対策です。

③【誤】(本問では「適当でない」防災例) 「堤防沿いに竹を植栽することで、洪水時にあふれた水を早く排出する」という説明は、実際には竹林が河道を狭めたり、流下の障害物となったりする可能性があるため逆効果になりかねません。また、堤防管理上も竹が根を張りめぐらせることで堤防を傷める場合もあり、防災面では望ましくない方法とされています。

④【正】 「流水域の水田を一時的に遊水地として利用することで、河川氾濫による洪水被害を軽減する」事例は、近年の『多自然型治水』などでも取り組まれる方法です。洪水量を低減し、下流の被害を緩和するための有効な方策といえます。

第2問

問7:正解3

<問題要旨>

世界各国におけるジャガイモの生産量と1人当たり消費量のデータを読み取り、それぞれの国や地域での食文化や農業条件を考察する問題です。どの国がジャガイモを主食的に消費しているか、どのような自然条件や農産物利用の特徴があるかなどを総合的に理解する必要があります。

<選択肢>

①【誤】 「アメリカ合衆国ではジャガイモは国内向けに生産され、加工食品用ではなく主に生食用として消費されている」とあるが、アメリカではファストフード産業や冷凍ポテトをはじめとする加工品の需要も非常に大きい。この記述は実態と乖離しており、主に生食用とは言い難い。

②【誤】 「インドや中国では、収量が多いのでほとんどが輸出向けとなっている」とあるが、両国とも人口が非常に多く、国内消費向けに回る割合が大部分を占める。輸出向けが主体とは考えにくく、誤りである。

③【正】 「ヨーロッパでは冷涼でやせた土地でも育ちやすいジャガイモが広く生産され、日常食として定着している」という点は、歴史的にも多くのヨーロッパ諸国でジャガイモが重要な食糧として普及してきた事実と合致する。生産量・消費量共に高い国が多いことも裏付けとなる。

④【誤】 「イギリスはヨーロッパで初めてジャガイモを持ち込んだ」とあるが、ジャガイモがヨーロッパに広まった経緯をたどると、スペインや他の国々が先行していたというのが通説であり、“イギリスが初めて”というのは不正確である。

問8:正解6

<問題要旨>

世界各地に暮らす遊牧・半遊牧民の家畜利用形態と、年降水量・気温年較差との関係を組み合わせる問題です。図2のA~Cはいずれも「水牛」「トナカイ」「ラクダ」などを利用する地域を含むと考えられ、それぞれ乾燥や寒冷といった自然環境と家畜の特性を対応づける必要があります。

<選択肢>

(選択肢は①~⑥の組合せで示されるが、ここではア・イ・ウの是非を解説)

  • ア:乾燥に強く、水を飲まずに長時間移動できるため交通・運搬だけでなく、毛・皮・乳・肉など多目的に利用される家畜の特徴を説明している。一般的にラクダが連想される。
  • イ:寒さに強く、そりの運搬や毛皮・肉など多面的に利用される家畜の特徴を説明している。トナカイが該当すると考えられる。
  • ウ:農地の耕作や運搬にも使われるほか、乳や肉が食料となり、皮は衣服や印材になるなど、多目的に利用される家畜の特徴を説明している。水牛が連想される。

正解6は「Aウ・Bイ・Cア」の組合せであり、A(年降水量が多め)→水牛、B(寒さが厳しい)→トナカイ、C(乾燥が著しい)→ラクダ、という対応がもっとも自然条件と家畜特性に合致すると考えられます。

問9:正解4

<問題要旨>

世界の地域ごとに住居や産業が風の影響をどのように受けているかを問う問題です。図3のE~Gは地図上で示され、そこに示された「カ」「キ」「ク」(住居の構造や避難施設の設置、風力を利用する産業など)を組み合わせて、どの地域の特徴を反映しているかを見極める必要があります。

<選択肢>

(カ)「家屋に煙突のような突き出た塔があり、上空の風を家屋に取り込む構造となっている。夏の暑さをしのぐため」…ペルシア湾岸~中東などの風通しを工夫した伝統建築が想定される。
(キ)「強風によって家屋被害が及ぶことがあるため、避難用シェルターを設置」…ハリケーンや台風などの強烈な暴風を想定した地域。
(ク)「卓越風が地域産業と結びついていた。かつて風力が排水や製粉、製材に利用されていた」…風車を多用してきたヨーロッパの平地や低地(オランダなど)を思わせる記述。

正解4は「Eカ・Fク・Gキ」とする組合せで、E(中東近辺の乾燥地帯で風を家屋に取り込む風塔が発達)、F(ヨーロッパの低地で風車を産業利用していた歴史)、G(サイクロン・台風が多い地域で避難施設が見られる)という対応が論理的に成立すると考えられます。

問10:正解2

<問題要旨>

アラビア半島南端のイエメンにある古都シバームの写真を題材に、建築物の特徴や都市の成り立ちを問う問題です。標高の高い崖と乾燥地帯、ワジ(河床)の利用などが組み合わさった独特の伝統建築が見られます。設問では写真中の①~④の説明のうち「適当でない」ものを選ぶ形式です。

<選択肢>

①【正】 「砂嵐を防ぎ、日陰を利用するために建物を密集させている」というのは、高温乾燥地に特有の街づくりであり、シバームの景観とも合致する。

②【誤】(本問で「適当でない」説明) 「高層の建物は地震対策として主にコンクリート造」とあるが、シバームの高層建築は伝統的に土煉瓦(泥レンガ)などを用いた建物が多い。現代的な鉄筋コンクリート主体の高層建築という説明は当てはまらない。

③【正】 「防衛や洪水対策のために築かれた城壁で市街が囲まれている」ことは、シバームの伝統的構造として広く知られる。

④【正】 「水の流れがない(乾燥期)には河床を通行路として利用」というのは、中東のワジ(涸れ川)で一般的に見られる利用法であり、シバームも例外ではない。

問11:正解3

<問題要旨>

写真2に示されたヨーロッパのある地域の壮大な建築物(サグラダ・ファミリアと推定される)について、その地域の主な言語とキリスト教の主要派を組み合わせる問題です。スペイン(カタルーニャを含む)はラテン系言語圏であり、カトリックが多数派であることを踏まえて判断します。

<選択肢>

①【誤】 ゲルマン諸語+カトリックというと、ドイツ南部やオーストリアなどは該当するが、写真の建物(サグラダ・ファミリア)がある地域はラテン語派のスペインに位置するため食い違う。

②【誤】 スラブ諸語+カトリックでは東欧や中欧の一部地域が当てはまるが、こちらもスペインとは合わない。

③【正】 ラテン語派+カトリック。スペインを含むイベリア半島周辺の多くはラテン系言語を用い、カトリックが優勢な地域に該当する。

④~⑨【誤】 いずれもゲルマン語派やスラブ語派、正教やプロテスタントとの組合せであり、スペイン地域の特色とは異なる。

問12:正解4

<問題要旨>

オーストラリアにおける出生地別人口割合の変化(1996年→2016年)や、家庭で使用される言語割合を示した図表をもとに、多文化化の進展や地域差について考察する問題です。表1のa, bはそれぞれ過去と現在のデータであり、図5のX, Yはオーストラリア全体かシドニー大都市圏かを示すものと推定されます。

<選択肢>

①【誤】 「aからb」という変化や「X」「Y」の対応を取り違えているため、データと合わない組合せとなる。

②【誤】 同様にa→bの順を採りつつXとYを誤って対応づけており、出生地と言語使用の変化を矛盾する形で読み取っている。

③【誤】 「bからa」に変化としながら、XとYの割り当てを逆にしているか、地域区分の解釈と整合性がとれない。

④【正】 「bからa」に人口割合が変化したことを読み取り、さらにX, YのうちYがオーストラリア全体、Xがシドニー大都市圏を示すなど、統計の数値分布を矛盾なく整合できる組合せとなる。多文化化・多言語化の進展を踏まえた推測と合致すると考えられる。

第3問

問13:正解3

<問題要旨>

図1にはラサ、シーアン、タイベイ、プサンの位置が示され、図2にはそれぞれの地点の最暖月・最寒月の月平均気温、および最多雨月・最少雨月の月降水量が示されています。問題では、プサンに該当する気候グラフ(ア・イ・ウ・エのどれか)を選ぶ設問です。標高・緯度・海陸の影響を考慮しながら、どの地点がプサンの気候に合致するかを判断する必要があります。

<選択肢>

①【誤】 夏の降水がそれほど多くなく、冬季の冷え込みが激しい内陸的な気候がうかがえます。プサンは海に面しており、冬の厳しい寒さが少し緩和されるはずなので合致しにくいです。

②【誤】 夏の降水量が大変多い反面、冬の降水が少なく年較差はそれほど大きくない様子が見られます。比較的低標高・低緯度の地域に近い特徴であり、プサンよりも緯度の低い地域(例えばタイベイなど)に近いと考えられます。

③【正】 最寒月に0℃を下回らないほどの暖かさではないが、冬はそれなりに寒く、夏には一定の雨量があるという点がプサン付近の気候と符合します。海洋の影響による冬季の気温は内陸よりは高めで、夏場には梅雨や台風などで降水量が増えるため、このグラフがプサンに該当しやすいといえます。

④【誤】 標高の非常に高い場所や比較的寒冷な場所の特徴が強く、冬と夏の気温差が大きいか、あるいは特殊な降水分布が示唆されます。韓国南部の沿岸都市であるプサンの気候とは大きくかけ離れます。

問14:正解5

<問題要旨>

東アジアの自然環境に応じた多様な食文化、とりわけ「伝統的に食べられてきた麺類」を地域ごとにまとめた資料(カ・キ・ク)と、図1中のA~Cのいずれかの地域を組み合わせる問題です。二毛作地域で小麦が生産される、あるいは低温に強いソバなど、原材料の違いや調理法などから判別していきます。

<選択肢>

※資料1の説明(カ・キ・ク)抜粋

  • カ:二毛作で小麦がとれ、小麦粉の麺を手延べするほか、野菜などを具材に入れる
  • キ:主に小麦が生産され、麺の材料として使うが、宗教上の理由から牛肉ではなく豚肉を避ける場合などが言及される
  • ク:低温に強いソバが生産されており、ソバ粉を麺に加えるほか、冬場の保存食として漬物汁を入れる辛い麺料理がある

正解5は、例えば「カ=B、キ=C、ク=A」のように、地域の気温・標高や農業条件(小麦かソバか、宗教的影響の有無など)から最も自然に対応する組合せとなります。小麦中心かソバ中心か、それらの調理法や味付けなどが図1中のA~Cのどの地域に当てはまるかを検証することで導かれます。

問15:正解3

<問題要旨>

日本・韓国・中国(台湾・香港・マカオを除く)の3か国における小麦と米の1人当たり年間供給量の変化を示すグラフを読み取り、縦軸Fと横軸E、それに対応する1963年と2013年の動きから、どれが小麦、どれが米かを判断します。また、サとシが「日本」と「中国」のどちらに該当するかを考え、過去50年あまりの食生活の変化を推察する問題です。

<選択肢>

①【誤】 「小麦=E」「日本=サ」とした場合、グラフ上の変化が実際と合わない可能性があります。日本は米の消費が多く、それが徐々に減少している一方で小麦消費は増加傾向にあるなどの動きと矛盾する部分があります。

②【誤】 「小麦=E」「中国=シ」とした場合、米が従来多かった中国での変遷が必ずしもE軸側とは一致しません。中国では米・小麦どちらも地域で差があるが、近年の変化をグラフで見ると必ずしもこれに当てはまらないところが出てきます。

③【正】 「小麦=F」「米=E」という区分と、「日本=サ」「中国=シ」という対応が、グラフ上の1963年と2013年の位置変化と最も整合的です。日本は昔から米中心だが近年は米が減り、小麦が増えている。一方中国も経済発展に伴い米・小麦ともに変動があるが、その相対的位置がこの組合せで合理的に説明できます。

④【誤】 「小麦=F」「中国=サ」などの組合せは、グラフ上の動向との矛盾が大きくなるため誤りです。

問16:正解1

<問題要旨>

日本・韓国・中国の3か国間の貿易に着目し、図4に示される輸入取引額の割合が100%になるように示された三角関係を読み取り、それぞれ「J」「K」「タ」「チ」の記号が何を指すか、そして「韓国」と「中国」の記号がどれに当てはまるかを判定する問題です。また、野菜や乗用車(自動車)といった品目について、どの国が輸入元として多いかなどを分析する必要があります。

<選択肢>

①【正】 「野菜=J」「韓国=タ」という対応は、図の矢印の太さや方向からみて、野菜を輸入する際に韓国からの流れが一定規模であること、また乗用車などをどこから輸入しているかを考えたときに自然な組合せとなります。

②【誤】 「野菜=J」「韓国=チ」とした場合、図中の太さや方向が一致しにくい、あるいは中国との関係がずれるなどの問題が生じます。

③【誤】 「野菜=K」「韓国=タ」とすると、図の品目と国の対応関係に矛盾が出やすいです。

④【誤】 「野菜=K」「韓国=チ」も同様に、輸入実績を反映した矢印のパターンがかみ合わないため、正しくありません。

問17:正解3

<問題要旨>

日本が海外に提供する「知的財産使用料」や「文化・娯楽等サービスの収支」と、中国や韓国(台湾・香港・マカオを除く)との取引状況を示した表をもとに、記号M・Nがどちらの国やサービス項目を指すかを組み合わせる問題です。額の大きさやプラス/マイナスの収支がどのように分かれているかから推測します。

<選択肢>

①【誤】 「文化・娯楽等サービスの収支がマ、相手国がM」などの組合せでは、表の金額や符号と整合しません。

②【誤】 「文化・娯楽等サービスの収支がマ、中国がN」などの組合せでも、どの項目が知的財産使用料か、また中国との収支がどうプラス・マイナスになっているかが合わない場合があります。

③【正】 「文化・娯楽等サービスの収支に当たるのがミ、中国との対応はN」など、表のMが巨大な額を示している部分は知的財産使用料である可能性が高く、別項目で小規模のプラス/マイナスがあるのが文化・娯楽サービス収支と整合しやすいです。さらに中国との取引か韓国との取引かを勘案すると、この選択が裏付けられます。

④【誤】 表の記号と国との組合せが数字の上で矛盾をきたすため、妥当とはいえません。

問18:正解4

<問題要旨>

訪日旅行者数の推移(図5:2000年~2018年の韓国・台湾・中国からの旅行者数)と、訪日旅行者の地域別延べ宿泊数(図6:日本国内各地域の円グラフ)を組み合わせて、P・Qが「韓国」と「中国」のどちらかを判別する問題です。2000年代からの伸び方や、各地域での宿泊分布の特徴を比較し、どこからの訪日客が多いか、宿泊地が分散しているかなどの視点で読み解きます。

<選択肢>

①【誤】 「訪日旅行者数の推移がラ(韓国)、Pが中国」などの組合せでは、図5・図6のグラフ形状や宿泊地分布と合わなくなる可能性があります。

②【誤】 「訪日旅行者数の推移がラ(韓国)、Qが中国」も同様に、2000年~2018年にかけての伸び方や、地方部への宿泊傾向などが実態と一致しにくい部分が出てきます。

③【誤】 「訪日旅行者数の推移がリ(中国)、Pが韓国」などは、近年の中国からの急増傾向とグラフの形状が合わないか、また宿泊分布がずれてくる場合があります。

④【正】 「訪日旅行者数の推移がリ(中国)、Qが韓国」の組合せは、中国からの旅行者数が2010年代以降に急増しているグラフ(リ)と一致し、宿泊先が日本各地に広がる特徴も図6と噛み合います。また韓国からの旅行者(Q)は地理的にも近いため短期滞在が多く、特定の都市圏に集中しやすい傾向との説明とも合致します。

第4問

問19:正解1

<問題要旨>

世界の地域別に穀物の消費量に占める用途(食料用・飼料用・その他)を比較した図をもとに、どのバーがアフリカやヨーロッパなどに該当し、さらに飼料用途の比率がどれに当たるかを判断する問題です。ヨーロッパでは家畜飼育が盛んで穀物の飼料化率が高い点が特徴となり、アフリカでは食料用としての比率が高い傾向があることなどがカギになります。

<選択肢>

①【正】 「ヨーロッパ=ア、飼料用途=A」の組合せが、図において最も飼料利用が大きいバー(ア)をヨーロッパと見なし、その用途区分(A)を飼料とする判断と一致します。ヨーロッパでは家畜用に穀物を多く回すため、このような傾向となります。

②【誤】 「ヨーロッパ=ア、飼料用途=B」とすると、図のAとBのどちらが飼料用途に該当するかを逆にしている可能性が高くなり、ヨーロッパとしては不自然な割当となります。

③【誤】 「ヨーロッパ=イ、飼料用途=A」は、図上でイの方が食料用途の割合が多いバーに該当するため、アフリカ寄りの特徴と整合しやすく、ヨーロッパには合いません。

④【誤】 「ヨーロッパ=イ、飼料用途=B」も同様に、イをヨーロッパに割り当てると飼料用途の比率が低くなりすぎるため不自然です。

問20:正解3

<問題要旨>

日本における食事D(焼き魚定食)と食事E(ハンバーグセット)に含まれる主な食材の産地やフードマイレージを比較し、食材調達と加工の関係、あるいはフェアトレードなどの概念と合わせて「適当でない」記述を選ぶ問題です。食事Eは輸入依存の食材が多いためフードマイレージが大きくなりやすいなどがポイントとなります。

<選択肢>

①【正】 「使用食材をすべて国内産に変更すれば、フードマイレージは小さくなる」という趣旨は正しく、輸送距離が短ければフードマイレージは抑えられます。

②【正】 「フードマイレージを両者で計算すると、DよりEの値が大きい」というのは一般的に成り立つ推測で、輸入食材が中心となるハンバーグセットの方がフードマイレージが高いと考えられます。これは内容的には正しいので“誤り”にはなりません。

③【正解の選択肢】(問題では「適当でない」文) 「食事Eの使用食材をすべて国内産に変更することで、食事をつくるのに必要な単価を大幅に低下させられる」とあるが、実際には国内産の肉や小麦を調達する場合、輸入品より割高になる可能性が高く“単価を大幅に下げられる”とは考えにくいです。よってこの文が適当とはいえません。

④【正】 「フェアトレードの仕組みを活用することで単価は上昇するが、その上昇分が生産者に還元される」という考え方は、フェアトレードの理念に沿った説明であり、妥当な内容です。

問21:正解4

<問題要旨>

世界のメガシティ(人口1000万人以上の都市)数を2018年と2030年の2時点で地域別に示した表をもとに、アジア・アフリカ・北アメリカなどへ割り振り、さらに各地域のメガシティが抱える問題(急速な高齢化、スラム拡大による居住環境悪化など)との対応を問う問題です。表のJ~Lがどの地域か、そして文章カ・キ(都市問題に関する記述)をどれに当てはめるかを判断する必要があります。

<選択肢>

①【誤】 「K=アジア、a=カ」とした場合、Kのメガシティ数が2018年で3、2030年で5というデータはアジアよりも少なく、アジアは表中で最も大きい数字(20→27)なので整合しません。

②【誤】 「K=アジア、a=キ」も同様にメガシティ数のデータと合わず、アジアの数値とはかなり乖離があります。

③【誤】 「K=アフリカ、a=カ」とした場合、アフリカでの都市問題が「急速な高齢化と社会基盤の老朽化」とするのは不自然です。アフリカでは人口増加やスラム化のほうが問題化しやすいと考えられます。

④【正】 「K=アフリカ、a=キ」の組合せは、表中のメガシティ数(2018年3、2030年5)とアフリカの実態が合致しやすく、さらにアフリカの都市問題としては“スラムの拡大”が深刻です。文章キの「人口増加に伴うスラム拡大」はアフリカのメガシティ問題として妥当な指摘といえます。

問22:正解2

<問題要旨>

モータリゼーションの進展と大気汚染(窒素酸化物排出量)の関係を示すグラフで、サ・シ・スは日本・アメリカ合衆国・ポーランドのいずれかを示すとされています。さらにXとYが1990年と2015年のどちらかを表し、ポーランドの2015年データがどれに該当するかを問う問題です。自動車保有台数や排出量の変化から推定し、先進国・新興国などの違いを考慮して読み取ります。

<選択肢>

①【誤】 「ポーランド=サ、2015年=X」などの組合せでは、グラフ上の位置が先進国並みの保有台数や排出量に当てはまらず、矛盾が生じます。

②【正】 「ポーランド=サ、2015年=Y」の対応が、グラフに示される自動車保有台数や窒素酸化物排出量の中位程度の位置として整合します。かつ、1990年の社会体制変化以降、自動車の普及が進んだ結果、2015年には一定水準の保有台数に達したとの推測とも合致します。

③【誤】 「ポーランド=シ、2015年=X」やその他の組合せでは、スやシが示す高水準の排出量や保有台数をアメリカ合衆国に当てるなどしても、整合性が損なわれるケースが多く、妥当ではありません。

④【誤】 「ポーランド=シ、2015年=Y」としても、グラフ上でシがどの位置にあるかを考えると、自動車保有台数と排出量が米国寄りの特徴を示しており、ポーランドの近年状況とは合わないといえます。

問23:正解3

<問題要旨>

スマートフォンなどの電子機器に利用されるレアメタル(タンタル)や、歴史的に貴金属として利用されてきた金の産出量を国・地域別に示す図を題材に、鉱物資源の分布や採掘をめぐる課題について考える問題です。タンタルは特定地域に偏りがあるなどの特徴があり、紛争との関わりが指摘されている点も重要です。選択肢のうち「適当でない」ものを選ぶ形式です。

<選択肢>

①【正】 「金よりもタンタルの方が産出国に偏りがある」という説明は図からも確認できる通り、タンタルの主要産地が限定されているのがわかり、妥当な指摘です。

②【正】 「タンタルは産出量が金より少ないことがわかる」。円の大きさ(トン数)が金の方が大きい地域が多いことから、この観点も適切です。

③【正解の選択肢(不適切な文)】 「金よりタンタルの方が、産出国の政情不安が世界全体の産出量に大きく影響を与えやすい」とあるが、実際には紛争との関連などからタンタルの供給が不安定になりがちな側面は確かにあるものの、金も政情不安の地域で採掘が行われるケースは多く、国際価格への影響も非常に大きい。設問文では“③タンタルの方が…”と断定的に述べられており、これが「適当でない」と判断されます。

④【正】 「タンタルはレアメタルの一つで、情報通信機器の需要増加に伴い利用が拡大している一方、採掘集団が資金源化するなど、利用国側の姿勢が問われている」という指摘は紛争鉱物問題などを踏まえれば妥当といえます。

問24:正解4

<問題要旨>

世界各地の先住民族が主に居住する地域を示した地図(P~R)と、先住民族に関する説明文(タ・チ・ツ)との組合せを問う問題です。先住民の言語や文化が観光資源として公開された事例、焼畑による自給的農業から商業的農業へ移行する事例、保護区の設置などで定住化が進む事例などを総合的に見極める必要があります。

<選択肢>

①【誤】 「P=タ、Q=チ、R=ツ」という組合せでは、P~Rが示す世界地図上の分布とタ・チ・ツの具体的な説明内容が一致しにくい場合があります。たとえば観光資源化されている地域がどこにあるかなどで整合しません。

②【誤】 「P=タ、Q=ツ、R=チ」も同様に、焼畑から商業的農業への変化が起きている地域の位置づけを誤っている可能性があります。

③【誤】 「P=チ、Q=タ、R=ツ」とすると、先住民の文化が公用語としての地位を得て観光資源となっている地域などが誤って対応されている疑いがあり、地図と照合すると不自然になります。

④【正】 「P=タ、Q=チ、R=ツ」という組合せが、地理的な居住域(例えば中米・南米や東南アジア、オセアニア付近)と、観光資源化された先住民の言語、焼畑や定住化の状況などを対応させたときに最も矛盾なく説明できる配置となります。

第5問

問25:正解3

<問題要旨>

苫小牧市周辺の地図(図1)を見て、港・鉄道・道路といった交通手段で移動する際に、どの方向に何が見えるかを推測する問題です。海側・内陸側の位置関係や山体(樽前山など)の方向を地図上で確認し、最も適切な景観の把握を選びます。

<選択肢>

①【誤】 「南側からフェリーで苫小牧港に近づくと、進行方向に向かって右側に市街地と樽前山が見える」とあるが、地図で見ると苫小牧港の背後(北西寄り)に市街地が広がり、そのさらに北に樽前山があるため、船の進行方向や右側に同時に見えるかは不自然です。

②【誤】 「列車で勇払駅から東に向かうと、左側に弁天沼やウトナイ湖の水面が見える」とあるが、勇払駅は苫小牧市街の東南側に位置しており、そこから東へ向かう場合、湖沼がどの方向に見えるかは合致しにくい。弁天沼などは駅の東側付近にあるわけではないため不適切です。

③【正】 「宿ノ端駅のそばを通る国道を北西方向に歩いていくと、その先に湿地が見える場所がある」は、実際に宿ノ端駅付近(苫小牧市街の東寄り)の地形や湿地分布を踏まえると、北西方向に広がる湿地(勇払原野)に近づけるルートが存在し、記述が整合します。

④【誤】 「バスで苫小牧中央インターチェンジから高速道路を西に向かうと、右側には市街地、左側には樽前山が見える」は、地図上でICの配置と山・市街地の位置関係を確認すると、樽前山は市街地の東~北東寄りにあるため、西へ向かう場合の左右関係が逆転してしまう可能性が高く、妥当ではありません。

問26:正解3

<問題要旨>

苫小牧市周辺の古い地形図(1909・1935・1953年)を比べ、河口付近で川が曲がりくねり、流路が頻繁に変化する理由を探る問題です。苫小牧周辺の砂浜や季節ごとの土砂の堆積・侵食が関係し、河川流量の減少などと相まって流路が変わると説明されています。選択肢では沿岸流や潮汐などの要因の大きさ(ア・イ・ウ)や、季節(夏・冬)の区分をどう組み合わせるかが問われます。

<選択肢>

①【誤】 「沿岸流が夏季に大きくなる」などの組合せが提示されるが、苫小牧の沿岸は比較的低い波浪環境で、必ずしも夏季だけ劇的に強くなるとは限らない点などが合わない。

②【誤】 「沿岸流が冬季に大きくなる」とする場合も、流氷などが到来するオホーツク海側とは地理的に異なり、太平洋岸の苫小牧で冬季に沿岸流が最大になる根拠は薄い。

③【正】 「沿岸流が夏季に大きく、潮汐要因はそれほど大きくない」というような組合せであれば、苫小牧の直線的砂浜に砂が運ばれて堆積する量が増すタイミングとも整合しやすい。また河川流量が減る夏季には砂州形成が起きやすく、河口付近の流路が変わるとも考えられます。

④【誤】 「潮汐が夏季に大きくなる」「沿岸流が冬季に大きくなる」など、潮汐主導で河口が変化するというのは苫小牧の実態とは合致しにくく、流量減少と砂浜地形の関係を説明しづらいです。

問27:正解4

<問題要旨>

苫小牧港と室蘭港の整備・発展に関する市役所職員との会話文や、港の位置関係・海上貨物取扱量の推移を示す図(図3~5)を根拠に、会話の下線部(0)~(4)のうち「誤りを含むもの」を選ぶ問題です。苫小牧港は1963年の大規模浚渫工事後、取扱量が急伸し、室蘭港と比較するとフェリー輸送が多い点が特徴となります。選択肢では都市と港の近さや工場用地、海外貿易の比率に関する記述などが挙がります。

<選択肢>

(0)【正】 「室蘭港は1960年代まで工業製品や北海道の内陸部で産出されたエネルギー資源を積み出す重要な港だった」という説明は室蘭が製鉄や重化学工業の拠点として栄えた経緯と合致します。

(1)【正】 「苫小牧港が内湾に面しており波が穏やかな天然の良港」という説明は、苫小牧東部の立地特性を踏まえるとほぼ妥当です。

(2)【正】 「苫小牧港が発展したのは、人口が多い札幌市やその周辺の地域に近いことが大きい」というのは、道央圏へのアクセス利便性や輸送コスト削減から見ても説得力があります。

(3)【正】 「港の近くが平坦地で巨大な倉庫や工場を造りやすかったことも苫小牧で港湾関連産業が発達した理由」も、立地条件と結び付き、整合的です。

(4)【誤】(本問で「誤りを含む」と判定) 「苫小牧港は海外との貿易の占める割合が室蘭港より高い。フェリー以外の海上貨物取扱量では苫小牧港が北海道の玄関口である」などの説明で、何らかの数値や推移が実際と逆説的に捉えられている可能性があります。図5を見るとフェリー以外の取り扱いは確かに多いが、“海外との貿易割合が室蘭よりも圧倒的に高い”という記述には慎重な検討が必要です。ここでは具体的データから誤りを含む文として扱われます。

問28:正解6

<問題要旨>

苫小牧港整備以降の工業変化について、北海道の製造品出荷額に占める苫小牧市の割合、苫小牧市の製造品出荷額に占める各業種の割合などをまとめた表が提示されています。表中A~Cが「食料品」「石油製品・石炭製品」「パルプ・紙・紙加工品」のいずれかであり、1971年と2018年で大きくシェアが変化していることが見受けられます。その組合せを判断する問題です。

<選択肢>

①~⑤【誤】 業種A・B・Cのいずれかの特徴を取り違えたり、1971年と2018年での増減を反映しきれなかったりする組合せになっているため、合致しません。

⑥【正】 「A=食料品、B=石油製品・石炭製品、C=パルプ・紙・紙加工品」という対応が、データに示される1971年~2018年でのシェア増減と最も整合的です。具体的にはBが顕著に伸びているのは石油関連や石炭製品の可能性が高いこと、Cは比較的比率が小さいが古くからあるパルプ・紙関連が当てはまる、などと読み取れます。

問29:正解3

<問題要旨>

苫小牧市内の住宅地区(d・e)を例に、建物や街並みの特徴、それに伴う1995年と2015年の年齢別人口構成(図6)を比較し、「地区d」は市中心部の社宅用住宅団地、「地区e」は郊外の戸建て住宅地という設定です。それぞれX年・Y年がどちらの人口ピラミッドか、また「力(ちから)」「キ(き)」のいずれをあてはめるかを問う問題です。

<選択肢>

①【誤】 「地区d=力、1995年=X、地区e=カ、2015年=Y」などの組合せで、グラフの形状と実際の写真・解説内容が合わない場合があります。

②【誤】 「地区d=力、2015年=Y、地区e=カ、1995年=X」なども年齢別構成の変化がちぐはぐとなる可能性が高いです。

③【正】 「地区d=力のグラフがX年、地区e=キのグラフがY年」という対応が、社宅団地では若い世代が多かった時期から高齢化が進む様子、あるいは郊外戸建て住宅地の車保有状況や核家族層の増加などと合致しやすいです。写真資料や世帯構成の変化などを踏まえると最も妥当と考えられます。

④【誤】 「地区dにキ、地区eに力」などの取り違えをしているパターンは街並みや住宅スタイル、人口ピラミッドの推移を説明しにくくなるため誤りです。

問30:正解2

<問題要旨>

苫小牧市の人口増減マップ(図7)を見ながら、中心市街地の空き地や空き店舗問題など、全国の地方都市に共通する課題の解決策を考える問題です。会話文中の空欄(E)に入る語句は「市役所の西」か「苫小牧港の北」などいずれか、空欄(F)に入る文は「大型駐車場付きショッピングセンター開発」か「公共交通機関の定時運行」などの選択肢になっており、それらの組合せを判断します。

<選択肢>

①【誤】 「(E)=サ(市役所の西)、(F)=タ(郊外型大規模開発)」では、地図上の立地条件が合わず、あるいは解決策と場所の組合せが齟齬をきたします。

②【正】 「(E)=サ(市役所の西)、(F)=チ(公共交通の定時運行やバス導入による利便性向上)」は、苫小牧市中心部の西側にあるエリアの減少傾向や空き地問題に対して、公共交通の利便性向上が一策になるという流れと整合します。会話文内容とも矛盾がありません。

③【誤】 「(E)=シ(苫小牧港の北)、(F)=タ(郊外型大規模開発)」では、文脈上、港北部の地域を問題視した具体的記述と解決策が合わず、中心市街地の衰退などとの連動を示しづらいです。

④【誤】 「(E)=シ、(F)=チ」というのも港周辺の話と中心市街地の話が混同されがちで、会話文の意図と合いません。

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