2022年度 大学入学共通テスト 本試験 地理A 解答・解説

目次

解答

解説

第1問

問1:正解③

<問題要旨> 

世界のプレート境界の分布と、それに伴う地形的特徴の理解を問う問題です。

<選択肢> 

①【正】

 アフリカ東部には、プレートが広がる境界である「アフリカ大地溝帯(東アフリカ・リフトバレー)」が存在し、現在も裂け続けています。

②【正】 

南米大陸の西岸には、ナスカプレートが南米プレートの下に沈み込むことで形成された「アンデス山脈」と、それに並行する深さ6,000m以上の「ペルー・チリ海溝」が存在します。

③【誤】 

ヒマラヤ山脈は、インド・オーストラリアプレートとユーラシアプレートという大陸プレート同士が衝突して形成された「衝突帯」です。地溝帯のような「広がる境界」ではありません。

④【正】 

日本付近は複数のプレートが沈み込む場所であり、海溝に沿って列をなす島々(弧状列島)や火山が分布しています。

問2:正解③

<問題要旨> 

世界の気候要素(気温・降水量)と植生・生活文化の関連についての理解を問う問題です。

<選択肢> 

①【正】 

高緯度地域では、夏は太陽が沈まない「白夜」があり日照時間が長い一方、冬は極めて短くなるため、年間の気温差(年較差)が非常に大きくなります。

②【正】 

赤道付近(低緯度)の熱帯収束帯では、強い日射により上昇気流が盛んに発生し、毎日午後に激しい対流性降雨(スコール)が見られます。

③【誤】 

サバナ気候(Aw)のように雨季と乾季がはっきり分かれる地域では、乾季の乾燥に耐えるために葉を落とす「落葉広葉樹」が見られます。「常緑広葉樹」は、一年中雨の多い熱帯雨林気候(Af)の特徴です。

④【正】 

砂漠などの乾燥帯では、雲が少なく日中の強い日射で地面が熱せられる一方、夜間は放射冷却で急速に冷え込むため、一日の気温差(日較差)が大きくなります。

問3:正解①

<問題要旨> 

世界の自然災害の発生メカニズムと地理的分布に関する問題です。

<選択肢> 

①【正】 

環太平洋造山帯などのプレート境界付近では、プレートの沈み込みや衝突に伴う地震・火山活動が活発であり、これらは地形を変化させる「内的営力」の代表例です。

②【誤】 

熱帯低気圧(台風やサイクロン)は、海面水温が26.5℃以上の熱帯・亜熱帯の洋上で発生します。海水温が低い高緯度の海域では発生しません。

③【誤】 

大規模な洪水は、アマゾン川やガンジス川のような大河川の下流域やデルタ(三角州)で発生しやすく、必ずしもプレート境界と一致するわけではありません。

④【誤】 

土砂災害は、地形が急峻で、かつ台風やモンスーンによる大雨が降る地域(東アジアや東南アジアなど)で顕著です。平坦な地域や極端に乾燥した地域では発生しにくい災害です。

問4:正解①

<問題要旨> 

ハザードマップ(防災マップ)の役割と、災害時の適切な避難行動を問う問題です。

<選択肢> 

①【正】 

ハザードマップを事前に確認し、自宅周辺の浸水リスクや避難場所を把握しておくことで、いざという時の迅速な避難が可能になります。

②【誤】 

避難所には、洪水用、地震用など、災害の種類によって適不適があります。状況に応じた適切な避難先を選ぶことが重要です。

③【誤】 

ハザードマップは一定の条件に基づいたシミュレーションであり、それを超える規模の災害が発生することもあります。「色がついていないから安全」とは限りません。

④【誤】 

行政からの避難指示を待つだけでなく、身の危険を感じたら自らの判断で早めに避難を開始する(マイ・タイムラインの活用など)が現代の防災の基本です。

問5:正解②

<問題要旨> 

写真や図から地形的特徴を読み取り、潜在的な自然災害のリスクを判断する問題です。

<選択肢> 

①【誤】 

写真Aのような険しい山岳地域では、大雨や地震の際に「土石流」や「地滑り」が発生するリスクが極めて高いといえます。

②【正】 

写真Bのような低平なデルタ地帯や沿岸低地は、海抜が低いため、台風などの低気圧に伴う「高潮」や、河川氾濫による浸水被害を受けやすい地域です。

③【誤】 

写真Bのような地域は、河川が運んできた細かな土砂が堆積してできており、水分を多く含むため、地盤はむしろ軟弱であることが一般的です。

④【誤】 

急峻な谷間(V字谷)の出口や斜面下にある集落は、土砂が流れ込みやすい場所です。写真Aのような地形で土砂災害の危険を免れているとは判断できません。

問6:正解③

<問題要旨> 

持続可能な防災・減災に向けた、自助・共助・公助の取り組みに関する問題です。

<選択肢> 

①【誤】 

ダムや堤防などの「ハード対策」だけでは、想定外の規模の災害(外力)を防ぎきれません。避難訓練などの「ソフト対策」を組み合わせることが不可欠です。

②【誤】 

過去の災害碑や伝承は、その土地が持つ災害の履歴を後世に伝える貴重な教訓です。景観のために撤去するのではなく、防災教育に活用すべきです。

③【正】

 住民が自分たちの住む地域の危険な場所を歩いて確認し、地図にまとめる活動は、地域の「共助」の精神を養い、防災意識を高める有効な手段です。

④【誤】 

開発途上国への支援では、現地の技術や経済状況に合わない巨大施設を作るよりも、現地の人が自立して維持管理できる持続可能な仕組みを作ることが重要です。

第2問

問1:正解③

<問題要旨> 

世界の主要な宗教の分布と、それに付随する食文化・景観の特色を問う問題です。

<選択肢> 

①【正】 

イスラーム(回教)では、経典に基づき豚肉を食べることを禁じています。また、アルコールの摂取も制限されています。

②【正】 

インドに多いヒンドゥー教徒の間では、牛は神聖な生き物とされており、牛肉を食べる習慣がありません。

③【誤】 

タイやミャンマーなど東南アジア大陸部で最も広く信仰されているのは、上座部仏教です。キリスト教ではありません。

④【正】 

ヨーロッパの伝統的な都市は、町の中心にキリスト教の教会(大聖堂)と広場があり、そこから放射状や格子状に街路が広がる構造が多く見られます。

問2:正解⑥

<問題要旨> 

言語の分布と、過去の植民地支配などの歴史的背景の関係を読み取る問題です。

<選択肢> 

⑥【正】 中南米(ラテンアメリカ)のほとんどの国ではスペイン語が話されていますが、ブラジルはかつてポルトガルの植民地であったため、公用語がポルトガル語になっています。

問3:正解④

<問題要旨> 

地球規模の環境問題(温暖化、酸性雨など)の原因と影響を問う問題です。

<選択肢> 

④【正】 

酸性雨は、石油や石炭の燃焼で生じる硫黄酸化物などが大気中で変化して降るもので、国境を越えて森林を枯らしたり、湖沼の魚を死滅させたりします。

問4:正解②

<問題要旨> 

世界の資源・エネルギーの利用状況と、再生可能エネルギーの特徴を問う問題です。

<選択肢> 

②【正】 

火山帯に位置するアイスランドやニュージーランドなどでは、地下の熱水や蒸気を利用した地熱発電が盛んに行われ、電力供給の大きな柱となっています。

問5:正解③

<問題要旨> 

世界の人口変化と、先進国・途上国それぞれが抱える人口問題を問う問題です。

<選択肢> 

③【正】 

先進国では、出生率の低下(少子化)と医療の進歩による寿命の延長(高齢化)が同時に進み、将来の労働力不足や社会保障費の増大が懸念されています。

問6:正解④

<問題要旨> 

持続可能な社会(SDGs)の実現に向けた、国際的な経済・環境活動を問う問題です。

<選択肢> 

④【正】 

フェアトレード(公正取引)は、発展途上国の農産物などを適正な価格で継続的に購入することで、現地の生産者の生活向上と自立を支援する運動です。

第3問

問1:正解③

<問題要旨> 

世界の主要な農作物の栽培地域と、農業形態(企業的農業など)を問う問題です。

<選択肢> 

③【正】 

アメリカ合衆国のグレートプレーンズ(西経100度付近)では、大規模な機械を導入し、市場への出荷を目的とした企業的な小麦栽培が広く行われています。

問2:正解⑤

<問題要旨> 

主要な鉱産資源の産出・輸出国の動向に関する問題です。

<選択肢> 

⑤【正】 

オーストラリアは、安定陸塊に分布する鉄鉱石や、古期造山帯に分布する石炭の世界的産出・輸出国であり、日本にとって最大の資源供給国の一つです。

問3:正解③

<問題要旨> 

工業の立地移動と、多国籍企業のグローバルな生産体制に関する問題です。

<選択肢> 

③【正】 

多くの労働力を必要とする衣類や電子部品の組み立てなどの産業は、製品コストを下げるため、先進国から賃金の安い発展途上国へと工場を移転させる傾向があります。

問4:正解①

<問題要旨> 

世界の貿易の自由化と、地域経済統合(EPAなど)の影響を問う問題です。

<選択肢> 

①【正】 

自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)を結ぶと、参加国間での関税が撤廃・削減されるため、物の売り買いがより活発になります。

問5:正解③

<問題要旨> 

サービス業(観光業)の発展と、交通手段の変化の関連を問う問題です。

<選択肢> 

③【正】 

格安航空会社(LCC)の航路拡大は、海外旅行のハードルを大きく下げ、中間所得層の国際的な観光移動を増加させる要因となりました。

問6:正解④

<問題要旨> 

情報通信技術(ICT)の普及がもたらした社会の変化(働き方など)に関する問題です。

<選択肢> 

④【正】 

インターネット環境の整備により、オフィスに行かなくても仕事ができる「テレワーク」が普及し、都市部への過度な集中の緩和も期待されています。

第4問

問1:正解①

<問題要旨> 

世界の食料不足と飢餓の発生要因(自然的・社会的要因)を問う問題です。

<選択肢> 

①【正】 

アフリカのサヘル地域などでは、慢性的な干魃に加え、内戦などの紛争が農業生産を妨げることで、深刻な食料不足と飢餓が継続しています。

問2:正解③

<問題要旨> 

発展途上国における急激な都市化と、それに伴う居住環境の問題を問う問題です。

<選択肢> 

③【正】 

途上国の巨大都市では、農村から流入した人々が、上下水道などの設備がない土地に勝手に家を建てることで、不衛生な「スラム」が拡大しています。

問3:正解④

<問題要旨> 

世界各地で発生している民族紛争や地域対立の背景に関する問題です。

<選択肢> 

④【正】 

冷戦期には大国によって抑え込まれていた民族・宗教上の対立が、冷戦終結後の政治的空白によって一気に表面化し、多くの紛争につながりました。

問4:正解②

<問題要旨> 

国際的な人口移動(移民・難民)が、受け入れ国にもたらす社会的な影響を問う問題です。

<選択肢> 

②【正】 

欧州諸国では、難民の受け入れを巡って「博愛主義的な受け入れ派」と「治安や雇用を懸念する反対派」の間で深刻な政治的対立が生じています。

問5:正解③

<問題要旨> 

世界のジェンダー格差や、教育・保健分野における不平等を問う問題です。

<選択肢> 

③【正】 

発展途上国の一部では、家事や育児の負担、あるいは「女子に教育は不要」という伝統的な価値観により、女子の就学率が男子より著しく低い地域があります。

問6:正解④

<問題要旨> 

地球環境保全に向けた国際的な合意事項の理解を問う問題です。

<選択肢> 

④【正】 

2015年に採択された「パリ協定」は、途上国を含むすべての参加国が温室効果ガスの排出削減に取り組むことを定めた、歴史的な国際枠組みです。

第5問

問1:正解③

<問題要旨> 

地形図や空中写真を用いた、地域の景観変遷(土地利用の変化)の読解問題です。

<選択肢> 

③【正】 

過去の地形図と現在の状況を比べると、かつての桑畑や田んぼが、都市化に伴って住宅団地やロードサイド店舗に変わっている様子が読み取れます。

問2:正解③

<問題要旨> 

地域の産業別就業者数の変化などを統計グラフから分析する問題です。

<選択肢> 

③【正】 

多くの日本の地方都市と同様、かつて盛んだった農業(第1次産業)や製造業(第2次産業)が衰退し、商業や医療福祉(第3次産業)へシフトしている傾向がグラフに出ています。

問3:正解④

<問題要旨> 

少子高齢化や過疎化が進む地域が抱える具体的な課題を把握する問題です。

<選択肢> 

④【正】 

地方都市の中心市街地では、居住者の高齢化や空き店舗の増加により、買い物難民の発生や防犯上の不安といった課題が顕在化しています。

問4:正解⑥

<問題要旨> 

写真などの視覚資料から、その地域の歴史的・文化的景観を推測する問題です。

<選択肢> 

⑥【正】 

写真に写っている伝統的な家屋の形状や門構え、あるいは水路の配置などから、江戸時代以降の開拓や街道の宿場町としての歴史を推測できます。

問5:正解③

<問題要旨> 

地域資源を活かした町おこしや、持続可能な地域づくりの取り組みを問う問題です。

<選択肢> 

③【正】 

地域の農産物を使った「6次産業化」や、自然・歴史を活かした「エコツーリズム」の推進などは、地域の雇用創出と活性化に寄与します。

問6:正解②

<問題要旨> 

地域調査を行う際の、データの収集方法や情報の取り扱いの適切さを問う問題です。

<選択肢> 

②【正】 

アンケート調査を行う場合、一部の層だけに偏らないよう対象を広げたり、個人情報が特定されないよう配慮したりすることが、社会調査としての信頼性を担保します。

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