2026年度 大学入学共通テスト 本試験 数学Ⅰ 解答・解説

2026年度 大学入学共通テスト 本試験「数学Ⅰ」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。

目次

解答

解説

2026年度 大学入学共通テスト 本試験「数学Ⅰ」の解答と解説です。試験時間70分、満点100点、解答すべき項目は全43項目。第1問から第4問まですべて必答で、配点は第1問20点、第2問30点、第3問30点、第4問20点です。

4つの大問はいずれも2つの中問に分かれています。第1問は〔1〕が √6 を含む文字係数の連立1次不等式(a−1 の符号で場合分けし、最後は整数解がただ一つになる a を逆に求める)、〔2〕が「1以外の正の公約数をもつ」という条件で定めた集合 A, B の演算から a, b を決める設問。第2問は〔1〕が余弦定理から角の大小を出して外接円の半径 R₁, R₂, R₃ を比べる設問、〔2〕が「対角の和が180°の四角形」の面積公式を自分で作り、それを円の接線でできる四角形に当てて三角形 PQR の辺を求める設問です。第3問は〔1〕が放物線と x 軸の2交点を結ぶ線分の長さ W と、頂点と x 軸の距離 H を H = (a/4)W² で結ぶ設問、〔2〕が区間と最大値・最小値の条件から2次関数そのものを決める逆問題。第4問は〔1〕が男子1500m自由形の予選記録28人分を散布図・箱ひげ図・分割表で読む設問、〔2〕が x と y の積のデータを使って共分散と相関係数を式変形する設問です。

同じ冊子に収められている「数学Ⅰ・A」とは、文字どおり同一の問題が4区間あります(問題文・数値・選択肢の並び・図表まで一致し、配点も同じ。違うのは解答記号のカナと大問番号だけです)。対応は、第1問〔2〕=数学Ⅰ・A 第1問〔1〕(集合)、第2問〔2〕=数学Ⅰ・A 第1問〔2〕(四角形の面積公式と円の接線)、第3問〔2〕=数学Ⅰ・A 第2問〔1〕(2次関数の最大・最小)、第4問〔1〕=数学Ⅰ・A 第2問〔2〕(データの分析)です。「数学Ⅰ」だけの出題は、第1問〔1〕の文字係数の連立不等式、第2問〔1〕の外接円の半径の大小、第3問〔1〕の W と H の関係、第4問〔2〕の共分散と相関係数の4区間になります。

つまずきやすいのは、第1問〔1〕で a−1 が負のときに不等号の向きが変わるところ、第2問〔2〕の最後で円 O が内接円ではなく傍接円になり RL = RQ + QL と符号が変わるところ、第4問〔1〕で 460 秒の線のすぐ下にある点を「以上」に数えてしまうところです。図やグラフが省略されている設問はありません。

第1問(必答) 数と式/集合

〔1〕は √6 を含む文字係数の連立1次不等式で、a−1 の符号で場合分けして解を求め、最後は整数解がただ1つになる a を逆に決める。〔2〕は「1以外の正の公約数をもつ」という条件で定めた集合 A, B の演算から、逆に a, b を決める。配点20。

ア,イ,ウ:正解 2, 1, 7(配点2)

<考え方>
a = 2 を①②に代入して、それぞれを x について解けばよい。どちらも1次不等式なので移項するだけで両端が出る。②は a−1 = 1 > 0 なので不等号の向きは変わらない。

a = 2 を①に代入
x − √6·2 + 1 ≧ 0
x ≧ 2√6 − 1

a = 2 を②に代入
(2−1)x − 2·2² − 2 + 3 ≦ 0
x − 8 − 2 + 3 ≦ 0
x ≦ 7

2√6 − 1 = 2×2.449… − 1 = 3.89… < 7 なので解は空でない
連立不等式の解は 2√6 − 1 ≦ x ≦ 7
よって ア=2、イ=1、ウ=7

2√6 − 1 ≒ 3.9 なので、この解に含まれる整数は 4, 5, 6, 7 の4個。(3)で整数解が1個になる a を探す下準備になっている。

エ,オ:正解 ①, ④(配点2)

<考え方>
①は x について解くだけ。②は左辺を (a−1) でくくれる形に因数分解するのが目標で、定数部 −2a²−a+3 を a の2次式として因数分解すると (a−1) が現れる。

①:x − √6a + 1 ≧ 0
  x ≧ √6a − 1 …… エ = ①

②の定数部を因数分解する
−2a² − a + 3 = −(2a² + a − 3) = −(2a + 3)(a − 1)
②:(a−1)x − (2a + 3)(a − 1) ≦ 0
  (a−1){x − (2a + 3)} ≦ 0 …… オ = ④
よって エ=①、オ=④

展開して (a−1)x − 2a² − a + 3 に戻ることを確かめておくと安心。これで以降は (a−1) の符号だけで場合分けできる形になった。

カ,キ,ク:正解 ④, 2, 4(配点2)

<考え方>
a−1 > 0 なら②の両辺を a−1 で割っても不等号の向きは変わらない。解が存在する条件は「①の下限 ≦ ②の上限」、すなわち √6a−1 ≦ 2a+3 である。

a − 1 > 0 のとき②は
x − (2a + 3) ≦ 0
x ≦ 2a + 3 …… カ = ④

連立不等式を満たす実数 x があるための必要十分条件は
√6a − 1 ≦ 2a + 3
(√6 − 2)a ≦ 4
√6 − 2 = 0.449… > 0 なので両辺を割って
a ≦ 4/(√6 − 2)
  = 4(√6 + 2)/{(√6)² − 2²}
  = 4(√6 + 2)/2
  = 2√6 + 4
a − 1 > 0 と合わせて
1 < a ≦ 2√6 + 4
よって カ=④、キ=2、ク=4

2√6 + 4 ≒ 8.90 である。分母の有理化で √6−2 の共役 √6+2 を掛け、分母が (√6)²−2² = 2 になるところが計算の山。

ケ:正解 ④(配点2)

<考え方>
a−1 < 0 なら②の両辺を a−1 で割ると不等号の向きが変わり x ≧ 2a+3 になる。①の x ≧ √6a−1 と合わせて、2つの下限の大きい方が答えなので、差をとって大小を比べる。

a − 1 < 0 のとき②は
x − (2a + 3) ≧ 0
x ≧ 2a + 3
①と合わせると x ≧ (√6a − 1 と 2a + 3 の大きい方)

差をとる
(√6a − 1) − (2a + 3) = (√6 − 2)a − 4
a < 1 で √6 − 2 > 0 なので
(√6 − 2)a − 4 < (√6 − 2)·1 − 4 = √6 − 6 < 0
よって √6a − 1 < 2a + 3
連立不等式の解は x ≧ 2a + 3
よって ケ=④

解が上に有界でない半直線になるので、これを満たす整数は無限にある。これが(3)の「a−1 < 0 のときは整数が二つ以上ある」という記述の根拠。

コ:正解 ①(配点2)

<考え方>
a−1 > 0 のとき解は √6a−1 ≦ x ≦ 2a+3 で、a が整数なら右端 2a+3 も整数だから必ず解に入る。したがって「整数がただ一つ」は「2a+2 が解に入らない」と同じ条件になる。

a が整数のとき 2a + 3 は整数で、解の右端だから必ず解に含まれる
整数解がただ一つ ⇔ 2a + 2 が解に含まれない

2a + 2 < √6a − 1
3 < (√6 − 2)a
a > 3/(√6 − 2) = 3(√6 + 2)/2 = (3√6 + 6)/2 = 6.67…

解が空でない条件 a ≦ 2√6 + 4 = 8.89… と合わせて
6.67… < a ≦ 8.89…
a は整数なので a = 7, 8

検算 a = 7:16.14… ≦ x ≦ 17 → 整数は 17 だけ ✓
検算 a = 8:18.59… ≦ x ≦ 19 → 整数は 19 だけ ✓
検算 a = 6:13.69… ≦ x ≦ 15 → 整数は 14, 15 の2個(不適)
よって コ=①

a = 9 では 21.04… ≦ x ≦ 21 となり解そのものが存在しない。上限 2√6+4 を落とすと a = 9 まで拾ってしまい⑤を選びかねない。

サ:正解 ⑥(配点2)

<考え方>
3 の正の約数は 1 と 3 だけなので、「k と 3 が1以外の公約数をもつ」は「k が3の倍数」と同じ。U の中の3の倍数を全部書き出す。

3 の正の約数は 1 と 3 だけ
k と 3 が 1 以外の公約数をもつ ⇔ 3 が k を割る ⇔ k は 3 の倍数

U = {2, 3, 4, …, 20} の中の 3 の倍数は
3, 6, 9, 12, 15, 18
A = {3, 6, 9, 12, 15, 18}
よって サ=⑥

問題文の例「a = 9 のとき A = {3, 6, 9, 12, 15, 18}」と同じ集合になる。9 の素因数も3だけだから当然で、この一致は読み違いの確認に使える。

シ:正解 ⑧(配点2)

<考え方>
4 = 2² なので、k と 4 が1以外の公約数をもつのは 2 が k を割るとき、つまり k が偶数のときに限る。U の偶数を全部書き出す。

4 = 2² なので 4 の 1 以外の正の約数は 2 と 4
k と 4 が 1 以外の公約数をもつ ⇔ 2 が k を割る ⇔ k は偶数

U の中の偶数は
2, 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 18, 20
B = {2, 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 18, 20}
よって シ=⑧

b = 4 だからといって4の倍数 {4, 8, 12, 16, 20} だけを拾うのは誤り(それは選択肢⑤)。「1以外の公約数」でよいので公約数 2 で足りる。

ス,セ:正解 ③, ②(配点2)

<考え方>
A は3の倍数全体、B は偶数全体なので、A∩B は「3の倍数かつ偶数」=6の倍数、A∩B̄ は「3の倍数かつ奇数」。書き出して拾えばよい。

A = {3, 6, 9, 12, 15, 18}、B = {2, 4, 6, …, 20}

A ∩ B は A のうち偶数のもの
A ∩ B = {6, 12, 18} …… ス = ③

B̄ は U のうち奇数のもの
A ∩ B̄ は A のうち奇数のもの
A ∩ B̄ = {3, 9, 15} …… セ = ②

({6, 12, 18} と {3, 9, 15} を合わせると A に戻る)
よって ス=③、セ=②

A ∩ B̄ は A から A ∩ B を除いたものなので、要素の個数が 6 − 3 = 3 になることも確認に使える。

ソ:正解 6(配点2)

<考え方>
「Ā の要素に2の倍数も3の倍数もない」は「U の2の倍数と3の倍数がすべて A に入る」と言い換えられる。とくに 2 ∈ A、3 ∈ A から a の条件が出る。

Ā の要素に 2 の倍数も 3 の倍数もない
⇔ U の 2 の倍数と 3 の倍数はすべて A に属する

2 ∈ A より a と 2 が 1 以外の公約数をもつので a は偶数
3 ∈ A より a と 3 が 1 以外の公約数をもつので a は 3 の倍数
よって a は 6 の倍数で、2 ≦ a ≦ 9 より a = 6

検算 a = 6 のとき
A = {2, 3, 4, 6, 8, 9, 10, 12, 14, 15, 16, 18, 20}
Ā = {5, 7, 11, 13, 17, 19}
Ā に 2 の倍数も 3 の倍数もない ✓
よって ソ=6

a = 2 だと Ā に 3, 9, 15 が残り、a = 3 だと Ā に偶数が残る。2の倍数と3の倍数を同時に消すには a が6の倍数でなければならない。

タ,チ:正解 5, 6(配点2)

<考え方>
A ∩ B̄ = {5} から 5 ∈ A、つまり a は5の倍数で a = 5 と決まる。すると A = {5, 10, 15, 20} なので、B は 10, 15, 20 を含み 5 を含まない集合でなければならない。

5 ∈ A より a と 5 が 1 以外の公約数をもつので a は 5 の倍数
2 ≦ a ≦ 9 より a = 5
このとき A = {5, 10, 15, 20}

A ∩ B̄ = {5} より 10, 15, 20 ∈ B かつ 5 ∉ B
5 ∉ B より b は 5 の倍数でない
15 ∈ B より b は 3 または 5 の倍数、よって b は 3 の倍数
10 ∈ B より b は 2 または 5 の倍数、よって b は偶数
b は 6 の倍数で 2 ≦ b ≦ 9 より b = 6

検算 b = 6 のとき
B = {2, 3, 4, 6, 8, 9, 10, 12, 14, 15, 16, 18, 20}
5 ∉ B、A ∩ B = {10, 15, 20}、A ∩ B̄ = {5} ✓
よって タ=5、チ=6

20 ∈ B は b が偶数であることから自動的に満たされる。b = 5 や b = 10 にすると 5 ∈ B になって A ∩ B̄ = {5} に反する。

第2問(必答) 図形と計量

〔1〕は辺 BC を共通にもつ3つの三角形について、余弦定理で辺と角を出し、外接円の半径 R₁, R₂, R₃ の大小を決める。〔2〕は「対角の和が180°の四角形」の面積公式①を自分で作り、それを円の接線でできる四角形に当てて三角形 PQR の辺を求める。配点30。

ア:正解 5(配点2)

<考え方>
△PBC で2辺 BP, BC とその挟む角の余弦がわかっているので、余弦定理がそのまま使える。P は半直線 BA 上にあるので ∠PBC = ∠ABC であることに注意する。

P は半直線 BA 上にあるので ∠PBC = ∠ABC、cos∠PBC = 2√5/5

△PBC に余弦定理
CP² = BP² + BC² − 2·BP·BC·cos∠PBC
   = 10² + (3√5)² − 2·10·3√5·(2√5/5)
   = 100 + 45 − 60√5·(2√5/5)
60√5·(2√5/5) = 60·2·5/5 = 120
CP² = 145 − 120 = 25
CP > 0 より CP = 5
よって ア=5

CP = 5 は与えられた CA = 5 と一致する。この一致がのちの カ と R₁ = R₂ の根拠になるので、偶然だと思って流さないこと。

イ,ウ:正解 5, 5(配点2)

<考え方>
△PBC の3辺 BC, CP, BP がそろったので、∠BCP は余弦定理から出る。答えの形が −√イ/ウ なので、分母を有理化して √5/5 の形にそろえる。

△PBC の3辺は BC = 3√5、CP = 5、BP = 10

cos∠BCP = (BC² + CP² − BP²)/(2·BC·CP)
     = (45 + 25 − 100)/(2·3√5·5)
     = −30/(30√5)
     = −1/√5
     = −√5/5
よって イ=5、ウ=5

cos∠BCP が負なので ∠BCP は鈍角。−√5/5 = −0.447… から ∠BCP ≒ 116.6° である。

エ:正解 ⓪(配点2)

<考え方>
0° < θ < 180° で cosθ は単調に減少する、という性質に戻せばよい。cos∠BCP = −√5/5 と cos120° = −1/2 の大小を比べる。

cos∠BCP = −1/√5 = −0.447…
cos∠BCQ = cos120° = −1/2 = −0.5

1/5 < 1/4 より 1/√5 < 1/2、負号をつけると
−1/√5 > −1/2
すなわち cos∠BCP > cos∠BCQ

0° < θ < 180° で cosθ は単調に減少するので
∠BCP < ∠BCQ
よって エ=⓪

負の数どうしの大小は、絶対値を比べてから不等号を逆にする。1/√5 と 1/2 は2乗して 1/5 < 1/4 と比べるのが確実。

オ,カ,キ:正解 ⓪, ①, ②(配点2)

<考え方>
半直線 BA 上を B から遠ざかるほど ∠BCX は大きくなるので、∠BCP < ∠BCQ から BP < BQ が出る。あとは C から直線 BA に下ろした垂線の足 H をとり、CX² = CH² + (BX − BH)² で長さを比べればよい。

sin∠ABC = √(1 − (2√5/5)²) = √(1 − 4/5) = √5/5
C から直線 BA に垂線 CH を下ろすと
BH = BC·cos∠ABC = 3√5·(2√5/5) = 6
CH = BC·sin∠ABC = 3√5·(√5/5) = 3
半直線 BA 上の点 X について CX² = 9 + (BX − 6)²

∠BCP < ∠BCQ より BP < BQ、BP = 10 > 6 なので BQ > 10
よって CP < CQ …… オ = ⓪
CP = 5 で CA = 5 なので CP = CA …… カ = ①
CQ > CP = CA より CQ > CA …… キ = ②

検算 △BCQ で ∠BQC = 180° − ∠ABC − 120° = 33.4…°
 正弦定理 CQ = BC·sin∠ABC/sin∠BQC = 5.44… > 5 ✓
よって オ=⓪、カ=①、キ=②

カ は CA = 5 が問題文で与えられているので、CP = 5 を出した時点で決まる。BA そのものは 2(∠BCA が鋭角になる側)だが、ここでは使わなくても判定できる。

ク:正解 ③(配点2)

<考え方>
3つの三角形は辺 BC を共有するので、正弦定理 BC/sin(BC に向かい合う角) = 2R に戻る。対角の正弦が大きいほど半径は小さい。CA = CP から △CAP が二等辺になり、∠BAC と ∠BPC が補角になることが決め手。

正弦定理より
R₁ = BC/(2sin∠BAC)、R₂ = BC/(2sin∠BPC)、R₃ = BC/(2sin∠BQC)

CA = CP = 5 より △CAP は二等辺三角形で ∠CAP = ∠CPA
BA = 2 < BP = 10 より A は線分 BP 上にあるので
∠BAC = 180° − ∠CAP = 180° − ∠CPA = 180° − ∠BPC
よって sin∠BAC = sin∠BPC、すなわち R₁ = R₂

△BPC で cos∠BPC = (100 + 25 − 45)/(2·10·5) = 4/5
∠BPC = 36.8…°(sin∠BPC = 3/5)
△BCQ で ∠BQC = 180° − 26.5…° − 120° = 33.4…°
ともに鋭角で ∠BQC < ∠BPC なので sin∠BQC < sin∠BPC
よって R₃ > R₂

R₁ = R₂ = 3√5/(2·3/5) = 5√5/2 = 5.59…、R₃ = 6.08…
R₁ = R₂ < R₃
よって ク=③

BQ が BP より大きいと ∠BQC は小さくなる。鋭角の範囲では角が小さいほど正弦も小さく、半径は大きくなる——この向きを取り違えると⑧を選んでしまう。

ケ:正解 ①(配点2)

<考え方>
三角形の面積は「2辺とその挟む角の正弦」で出る。△ABD の ∠A は四角形の内角 ∠DAB そのもので、これを挟む2辺は AB と AD である。

△ABD で ∠A を挟む 2 辺は AB と AD
S₁ = (1/2)·AB·AD·sin A
  = (AB·AD/2)·sin A
よって ケ=①

対角線 BD を「共通の1辺」と言われているので BD を含む式を選びたくなるが、sin A が掛かる式なら A を挟む2辺 AB, AD でなければならない。

コ:正解 ④(配点2)

<考え方>
△BCD の ∠C は四角形の内角 ∠BCD で、これを挟む2辺は CB と CD。ケ とまったく同じ形で書ける。

△BCD で ∠C を挟む 2 辺は BC と CD
S₂ = (1/2)·BC·CD·sin C
  = (BC·CD/2)·sin C
よって コ=④

ケ と コ は「その角を挟む2辺」を機械的に拾えばよい。BD を含む選択肢に引っぱられないこと。

サ,シ:正解 ④, ②(配点3)

<考え方>
四角形の内角の和が360°であることに戻る。A+C = B+D と合わせると A+C = 180° になり、C = 180°−A から sin C = sin A となって S₁+S₂ が sin A だけでまとめられる。

四角形の内角の和より
A + B + C + D = 360°
A + C = B + D と合わせて
2(A + C) = 360°
A + C = 180° …… サ = ④

このとき C = 180° − A なので
sin C = sin(180° − A) = sin A

S = S₁ + S₂
  = (AB·AD/2)sin A + (BC·CD/2)sin C
  = (AB·AD + BC·CD)/2 · sin A ……①
よって サ=④、シ=②

sin(180°−A) = sin A(cos なら符号が変わるが sin は変わらない)がこの公式①の急所。(2)ではこの①を、直角を2つもつ四角形に当てて使う。

ス,セ,ソ,タ:正解 7, 2, 4, 5(配点3)

<考え方>
接点に引いた半径は接線と垂直なので、△PMO と △PKO はどちらも直角三角形。円外の1点からの2本の接線の長さが等しいこと(PM = PK = 12)と OM = OK = 6 から面積が出る。その値を①に当てれば sin P が決まる。

円外の点からの 2 本の接線の長さは等しいので PM = PK = 12
OM ⊥ PM、OK ⊥ PK、OM = OK = 6

四角形 PMOK = △PMO + △PKO
  = (1/2)·12·6 + (1/2)·12·6
  = 36 + 36 = 72 …… スセ = 72

四角形 PMOK は ∠M = ∠K = 90° なので
∠P + ∠O = 180° = ∠M + ∠K
よって①が使える(A→P, B→M, C→O, D→K と対応)
72 = (PM·PK + MO·OK)/2 · sin P
72 = (12·12 + 6·6)/2 · sin P
72 = (144 + 36)/2 · sin P = 90·sin P
sin P = 72/90 = 4/5
よって ス=7、セ=2、ソ=4、タ=5

半角で確かめると tan(P/2) = 6/12 = 1/2 で、sin P = 2·(1/2)/(1 + (1/2)²) = 4/5 と一致する。①を当てるには「対角の和が180°」の確認が必要で、ここでは直角2つがそれを保証している。

チ,ツ,テ,ト:正解 1, 2, 1, 3(配点2)

<考え方>
四角形 QLOM も ∠L = ∠M = 90° なので、スセ〜タ とまったく同じ手順が通る。接線の長さ QM = QL = 9 と半径 6 を入れるだけ。

QM = QL = 9、OL = OM = 6、∠L = ∠M = 90°

四角形 QLOM = (1/2)·9·6 + (1/2)·9·6 = 27 + 27 = 54

①より
54 = (QL·QM + LO·OM)/2 · sin Q
54 = (81 + 36)/2 · sin Q = (117/2)·sin Q
sin Q = 108/117
108 と 117 を 9 で約分して
sin Q = 12/13
よって チ=1、ツ=2、テ=1、ト=3

tan(Q/2) = 6/9 = 2/3 から sin Q = 2·(2/3)/(1 + 4/9) = 12/13 と検算できる。108/117 を約分し忘れないこと。

ナ,ニ,ヌ,ネ:正解 1, 5, 1, 3(配点2)

<考え方>
△PQR に正弦定理を使うと、辺は向かい合う角の正弦に比例する。PR に向かい合うのは ∠Q、QR に向かい合うのは ∠P なので PR : QR = sin Q : sin P。

△PQR で正弦定理
PR/sin Q = QR/sin P
PR : QR = sin Q : sin P = 12/13 : 4/5

両方に 65 を掛けて
PR : QR = 12·5 : 4·13 = 60 : 52
4 で約分して
PR : QR = 15 : 13
よって ナ=1、ニ=5、ヌ=1、ネ=3

「辺と、その辺に向かい合う角」の対応を取り違えると PR : QR = sin P : sin Q と逆に置いてしまう。15 と 13 は互いに素なのでこれ以上約せない。

ノ,ハ,ヒ:正解 2, 1, 2(配点2)

<考え方>
R が直線 PQ に関して O と同じ側なので、円 O は △PQR の内接円。R からの接線の長さを t = RK = RL とおくと PR = 12+t、QR = 9+t と書けるので、これを PR : QR = 15 : 13 に入れる。

円 O は △PQR の内接円で、接点は PQ 上の M、PR 上の K、QR 上の L
R からの接線の長さを t = RK = RL とおくと
PR = PK + KR = 12 + t
QR = QL + LR = 9 + t

PR : QR = 15 : 13 より
13(12 + t) = 15(9 + t)
156 + 13t = 135 + 15t
21 = 2t
t = 21/2
RL = 21/2

検算 PQ = 12 + 9 = 21、PR = 22.5、QR = 19.5
 s = (21 + 22.5 + 19.5)/2 = 31.5
 面積 = √(31.5·10.5·9·12) = 189
 内接円の半径 = 189/31.5 = 6 ✓
よって ノ=2、ハ=1、ヒ=2

求めた3辺から cos P = (21² + 22.5² − 19.5²)/(2·21·22.5) = 3/5 となり sin P = 4/5 に戻る。半径が 6 に戻ることまで確かめると安全。

フ,ヘ,ホ:正解 2, 1, 2(配点4)

<考え方>
R が直線 PQ に関して O と反対側なので、円 O は内接円ではなく、辺 PQ に接する傍接円になる。すると K は半直線 RP を P の先へ、L は半直線 RQ を Q の先へ延長した上にあり、RL = RQ+QL と「足し算」になる。角の側も ∠RPQ = 180°−∠KPM に変わる。

PM = PK = 4√2、QM = QL = 3√2、PQ = PM + MQ = 7√2、半径 6

四角形 PMOK = (1/2)·4√2·6 × 2 = 24√2
①より 24√2 = (PM·PK + MO·OK)/2 · sin∠KPM
24√2 = (32 + 36)/2 · sin∠KPM = 34·sin∠KPM
sin∠KPM = 24√2/34 = 12√2/17

四角形 QLOM = (1/2)·3√2·6 × 2 = 18√2
①より 18√2 = (18 + 36)/2 · sin∠LQM = 27·sin∠LQM
sin∠LQM = 18√2/27 = 2√2/3

R は直線 PQ について O と反対側なので、K は半直線 RP を P の先へ、L は半直線 RQ を Q の先へ延長した上にある
よって ∠RPQ = 180° − ∠KPM、∠RQP = 180° − ∠LQM
sin∠RPQ = sin∠KPM、sin∠RQP = sin∠LQM

△PQR で正弦定理
PR : QR = sin∠RQP : sin∠RPQ = (2√2/3) : (12√2/17)
  = (2/3) : (12/17) = 34 : 36 = 17 : 18

また RK = RP + PK、RL = RQ + QL で RK = RL なので
RP + 4√2 = RQ + 3√2
RQ = RP + √2
RP : RQ = 17 : 18 と合わせて RQ = (18/17)RP
(18/17)RP = RP + √2
(1/17)RP = √2
RP = 17√2、RQ = 18√2

RL = RQ + QL = 18√2 + 3√2 = 21√2

検算 3 辺 7√2, 17√2, 18√2 について s = 21√2
 面積 = √(21√2·14√2·4√2·3√2) = 84√2
 PQ に接する傍接円の半径 = 84√2/(s − PQ) = 84√2/(14√2) = 6 ✓
よって フ=2、ヘ=1、ホ=2

(i)では円 O が内接円なので RL = RQ − QL、(ii)では傍接円なので RL = RQ + QL と符号が変わる。図の「R が O と反対側」という一文がこの切り替えの合図で、ここを見落とすとまったく別の値になる。

第3問(必答) 2次関数

〔1〕は y = ax² 型の放物線を平行移動したとき、x 軸との2交点を結ぶ線分の長さ W と、頂点と x 軸の距離 H が H = (a/4)W² で結ばれることを確かめ、それを使って t の範囲を求める。〔2〕は逆に、区間と最大値・最小値の条件から2次関数そのものを決める。配点30。

ア,イ:正解 2, 3(配点2)

<考え方>
C₁ の式を作って x 軸との交点を求めるだけ。W₁ は2交点の x 座標の差、H₁ は頂点の y 座標の絶対値である。

C:y = 3x² を y 軸方向に −3 だけ平行移動すると
C₁:y = 3x² − 3

y = 0 とおくと
3x² = 3
x² = 1
x = ±1
A₁(−1, 0)、B₁(1, 0) より W₁ = 1 − (−1) = 2

C₁ の頂点は (0, −3) なので
H₁ = |−3| = 3
よって ア=2、イ=3

H は「距離」なので符号を落とさず絶対値をとる。頂点が x 軸より下にあっても H は正の値になる。

ウ,エ:正解 ①, ①(配点2)

<考え方>
x 軸方向の平行移動ではグラフの形も x 軸との位置関係も変わらないので、W も H も変わらない。式を書いて確かめてもすぐ済む。

C₂ は C₁ を x 軸方向に 2 だけ平行移動したものなので
C₂:y = 3(x − 2)² − 3

y = 0 とおくと
(x − 2)² = 1
x − 2 = ±1
x = 1, 3
W₂ = 3 − 1 = 2 = W₁ …… ウ = ①

C₂ の頂点は (2, −3) なので
H₂ = 3 = H₁ …… エ = ①
よって ウ=①、エ=①

x 軸方向に動かしても「x 軸に対する形」は変わらないので W と H は両方とも不変。y 軸方向に動かすと両方が変わる。

オ,カ:正解 2, 6(配点2)

<考え方>
C₃ は C を x 軸方向に 2 だけ動かしたものなので軸は x = 2。A₃ と B₃ は軸に関して対称だから、B₃ の x 座標は「軸 + W₃/2」で出る。W₃ は ア(=2)の4倍で 8。

C₃:y = 3(x − 2)² + k なので軸は直線 x = 2 …… オ = 2

W₃ = 4·ア = 4·2 = 8
A₃ と B₃ は軸 x = 2 に関して対称で A₃B₃ = 8、B₃ は x 座標の大きい方なので
B₃ の x 座標 = 2 + 8/2 = 2 + 4 = 6
B₃(6, 0) …… カ = 6
よって オ=2、カ=6

A₃ の x 座標は 2 − 4 = −2 で、差は確かに 8 になる。「軸 ± W/2」という形は(2)でそのまま一般化される。

キ,ク:正解 4, 8(配点2)

<考え方>
B₃(6, 0) が C₃ 上にあることを式に代入するだけ。

B₃(6, 0) は C₃:y = 3(x − 2)² + k 上にあるので
0 = 3(6 − 2)² + k
0 = 3·16 + k
k = −48
k = −キク より キク = 48
よって キ=4、ク=8

k = −48 は「k は負の定数」という条件を満たしている。このとき頂点は (2, −48) で H₃ = 48。

ケ,コ:正解 ①, ④(配点2)

<考え方>
頂点は (p, q) で、a > 0 かつ x 軸と2点で交わるので q < 0。したがって H = |q| = −q、すなわち q = −H。B は軸から W/2 だけ右なので x 座標は p + W/2。

①のグラフの頂点は (p, q)
a > 0 で x 軸と異なる 2 点で交わるので頂点は x 軸より下にあり q < 0
H = |q| = −q
よって q = −H …… ケ = ①

A と B は軸 x = p に関して対称で AB = W、B は x 座標の大きい方なので
B の x 座標 = p + W/2 …… コ = ④
よって ケ=①、コ=④

q = H としてしまうと符号が合わない。a > 0 のとき頂点が x 軸より下にあることを押さえておく。

サ:正解 ⑤(配点2)

<考え方>
B の座標を①に代入し、q = −H を使って H だけの式に直す。W の2乗が出てくる形になる。

B(p + W/2, 0) を①:y = a(x − p)² + q に代入
0 = a(p + W/2 − p)² + q
0 = a(W/2)² + q
0 = aW²/4 + q

q = −H を入れて
0 = aW²/4 − H
H = (a/4)W² ……②
よって サ=⑤

H は W の2乗に比例する。〔1〕(1)で確かめると a = 3、W₁ = 2 のとき H = (3/4)·4 = 3 = H₁ で一致する。

シ,ス,セ,ソ:正解 2, 8, 1, 3(配点3)

<考え方>
③を平方完成して a と q を読み取り、H = −q を作る。次に②の H = (a/4)W² に 2 < W < 4 を入れて H の範囲を出し、それを H = 3t−1 と突き合わせる。

③:y = 2x² − 4tx + 2t² − 3t + 1
  = 2(x² − 2tx + t²) − 3t + 1
  = 2(x − t)² + (−3t + 1)
a = 2、p = t、q = −3t + 1
x 軸と 2 点で交わるので q < 0 で
H = −q = 3t − 1

②より H = (2/4)W² = W²/2
2 < W < 4 の各辺を 2 乗して
4 < W² < 16
2 で割って
2 < W²/2 < 8
2 < H < 8 …… シ = 2、ス = 8

H = 3t − 1 を入れて
2 < 3t − 1 < 8
3 < 3t < 9
1 < t < 3

検算 t = 2 のとき H = 5、W = √(4H/2) = √10 = 3.16… で 2 < W < 4 ✓
よって シ=2、ス=8、セ=1、ソ=3

1 < t < 3 の範囲では q = 1 − 3t < 0 が自動的に成り立つので、交点が2つという前提も満たされている。W から H に移るときは「2乗してから半分」を1段ずつ書くと範囲の取り違えを防げる。

タ,チ:正解 0, 5(配点2)

<考え方>
平方完成して軸と定義域の位置関係を見る。下に凸なので最大値は定義域の両端のうち、軸から遠い方でとる。

y = 2x² − 8x + 5
  = 2(x² − 4x) + 5
  = 2(x − 2)² − 8 + 5
  = 2(x − 2)² − 3
軸は x = 2 で、定義域 0 ≦ x ≦ 3 に含まれる

下に凸なので最大値は端点でとる
x = 0:y = 5
x = 3:y = 2·9 − 24 + 5 = −1
軸 x = 2 から遠いのは x = 0(距離 2)で、こちらが最大
最大値は x = 0 のとき 5
よって タ=0、チ=5

区間の中央 x = 1.5 より軸 x = 2 が右にあるので、遠い端は左端 x = 0。区間の中央と軸を比べるのが速い。

ツ,テ,ト:正解 2, −, 3(配点2)

<考え方>
軸 x = 2 が定義域 0 ≦ x ≦ 3 の内部にあるので、下に凸の最小値は頂点でとる。

y = 2(x − 2)² − 3、軸 x = 2 は 0 ≦ x ≦ 3 の内部にある
下に凸なので最小値は頂点の y 座標
x = 2 のとき y = −3
最小値は x = 2 のとき −3
よって ツ=2、テ=−、ト=3

最大値 5、最小値 −3 なので値域は −3 ≦ y ≦ 5。(2)ではこの「区間・最大値・最小値」を逆向きに使って関数を決める。

ナ:正解 ③(配点2)

<考え方>
最大値をとる x = −1 が定義域 −3 ≦ x ≦ 0 の内部にあることが決め手。定義域の内部の点で最大になるのは上に凸のときで、その点が頂点になる。

条件1 で最大値をとる x = −1 は定義域 −3 ≦ x ≦ 0 の内部にある
下に凸の2次関数は区間の内部の点で最大値をとらないので、y = f(x) は上に凸

上に凸の2次関数が内部の x = −1 で最大値 3 をとるので、その点が頂点
頂点は (−1, 3)
よって ナ=③

最小値 −5 をとる x = −3 は端点なので、頂点の位置を決める材料にはならない。次の設問で係数を決めるのに使う。

ニ,ヌ,ネ,ノ:正解 −, 2, 4, 1(配点2)

<考え方>
頂点が (−1, 3) なので f(x) = A(x+1)²+3 と置ける。残った条件 f(−3) = −5 を代入して A を決め、展開すればよい。

頂点 (−1, 3) より f(x) = A(x + 1)² + 3(上に凸なので A < 0)

条件1 より x = −3 で最小値 −5 なので f(−3) = −5
A(−3 + 1)² + 3 = −5
4A + 3 = −5
4A = −8
A = −2 (A < 0 を満たす)

f(x) = −2(x + 1)² + 3
   = −2(x² + 2x + 1) + 3
   = −2x² − 4x − 2 + 3
   = −2x² − 4x + 1

検算 f(−1) = −2 + 4 + 1 = 3(最大)
 f(−3) = −18 + 12 + 1 = −5(最小)
 f(0) = 1 で −5 ≦ 1 ≦ 3 ✓
よって ニ=−、ヌ=2、ネ=4、ノ=1

空欄が f(x) = □x² − □x + □ の形なので、−4x は「−(4)x」として ネ = 4 になる。マイナスを二重に入れないよう注意。

ハ,ヒ:正解 ⓪, ⑥(配点4)

<考え方>
最小値の条件だけで凸の向きと頂点が決まる。「a ≧ 3 なら m = −2、0 < a < 3 なら m > −2」は、区間 0 ≦ x ≦ a が x = 3 を含むかどうかで最小値が切り替わることを表すので、下に凸で頂点 (3, −2)。あとは最大値の条件 M = 7 で係数を決める。

条件2 の前半:a ≧ 3 なら m = −2、0 < a < 3 なら m > −2
区間 0 ≦ x ≦ a が x = 3 を含むかどうかで最小値が切り替わっているので
y = g(x) は下に凸で、頂点は (3, −2) …… ハ = ⓪
g(x) = A(x − 3)² − 2(A > 0)と置ける

条件2 の後半:0 < a ≦ 6 なら M = 7
a が 3 より小さいとき 0 ≦ x ≦ a で g は減少するので最大値は g(0)
g(0) = 9A − 2 = 7
9A = 9
A = 1

g(x) = (x − 3)² − 2 = x² − 6x + 7 …… ヒ = ⑥

検算 g(0) = 7、g(3) = −2、g(6) = 9 − 2 = 7
 0 < a ≦ 6 では g(a) ≦ 7 なので M = max{g(0), g(a)} = 7 ✓
 a > 6 では g(a) > 7 なので M > 7 ✓
よって ハ=⓪、ヒ=⑥

選択肢⓪ 2x² − 12x + 16 = 2(x−3)² − 2 も頂点が (3, −2) なので最小値の条件は満たすが、g(0) = 16 で M = 7 にならない。最大値の条件まで通して初めて1つに絞れる。

フ,ヘ:正解 2, 6(配点3)(順序は問わない)

<考え方>
M ≧ 0 は「区間 b−1 ≦ x ≦ b+1 の中に h(x) ≧ 0 となる x が1つでもある」ことと同じ。h(x) ≧ 0 となる x の集合を S とすると、条件3 は「区間と S が交わる b の範囲が 1 ≦ b ≦ 7」と読める。あとは S の両端を逆算する。

M ≧ 0 ⇔ b − 1 ≦ x ≦ b + 1 の中に h(x) ≧ 0 となる x が存在する
S = {x | h(x) ≧ 0} とおく

h が下に凸だと S は左右に無限に広がり、条件を満たす b の範囲も無限になるので不適
h の x 軸との共有点が 1 個以下だと、b の範囲は幅 2 以下か空になるので不適
よって h は上に凸で x 軸と 2 点 r, s(r < s)で交わり
S = {x | r ≦ x ≦ s}

区間 b − 1 ≦ x ≦ b + 1 と r ≦ x ≦ s が交わる条件は
b − 1 ≦ s かつ b + 1 ≧ r
r − 1 ≦ b ≦ s + 1

これが 1 ≦ b ≦ 7 と一致するので
r − 1 = 1、s + 1 = 7
r = 2、s = 6

検算 h(x) = −(x − 2)(x − 6) として
 b = 1:区間 0 ≦ x ≦ 2 で M = h(2) = 0 ≧ 0 ✓
 b = 7:区間 6 ≦ x ≦ 8 で M = h(6) = 0 ≧ 0 ✓
 b = 0.9:区間 −0.1 ≦ x ≦ 1.9 で M = h(1.9) = −0.41 < 0 ✓
よって フ=2、ヘ=6(順序は問わない)

h(x) 自体は一つに決まらない(−(x−2)(x−6) の正の定数倍はすべて条件3を満たす)。それでも x 軸との共有点だけは決まる、という会話文の指摘がそのまま答えになっている。

第4問(必答) データの分析

〔1〕は2021年の東京オリンピック男子1500m自由形の予選記録28人分を題材に、散布図・箱ひげ図・分割表を読む。外れ値の定義が問題文で与えられているので、それに沿って計算する。〔2〕は x と y の積のデータを使って共分散と相関係数を式変形で求める。配点20。

ア:正解 ②(配点3)

<考え方>
(a)は図1と図2でそれぞれ該当する点を数えて比べるしかない。(b)は T前後 = (T前 + T後)/2 という定義に戻せばよく、平均は必ず2つの値の間にあるので T前 < T後 かどうかだけで決まる。

(a) T前 < 470 は、右上に離れている T前 ≒ 485 の1点を除いた27人

図1 で、横軸 470 より左・縦軸 460 の線より上にある点を数える
 T前 ≒ 443 に1点
 T前 ≒ 450 のすぐ左右に2点
 A の点(T前 ≒ 453, T後 ≒ 476)
 T前 ≒ 457 に1点
 T前 ≒ 461 に2点
合わせて 7 人

図2 で、同じく 470 より左・460 の線より上にある点を数える
 A の点(T前 ≒ 453, T前後 ≒ 464)
 T前 ≒ 461 に2点
合わせて 3 人
(T前 ≒ 450, 452, 457 の3点は 460 の線のすぐ下にある)

7 ≠ 3 なので (a) は誤

(b) T前後 = (T前 + T後)/2 は2数の平均なので、必ず T前 と T後 の間にある
図1 の A は T前 ≒ 453、T後 ≒ 476 なので T前 < T後
よって T前 < T前後 < T後
すなわち T前 < T前後 かつ T後 > T前後 で、(b) は正
(実際 (453 + 476)/2 ≒ 464 で、図2 の A の位置と合う)

(a) 誤、(b) 正
よって ア=②

図2 では 460 の線のすぐ下に3点あり、ここを「460以上」に数えると 6 人になって (a) が正に見えてしまう。線の上か下かは丸の中心の位置で判断する。

イ:正解 ⑥(配点3)

<考え方>
相関係数は「共分散 ÷ (2つの標準偏差の積)」という定義に戻すだけ。表1の値を代入して割り算する。

相関係数 = 共分散/(T前 の標準偏差 × T前後 の標準偏差)
  = 72.9/(8.3 × 9.3)

8.3 × 9.3 = 77.19
72.9/77.19 = 0.944…

選択肢で最も近いのは 0.94
よって イ=⑥

相関係数は必ず −1 以上 1 以下なので、⑦1.06、⑧1.38、⑨4.14 は値としてありえない。分母は標準偏差の「積」で、和や差ではない。

ウ,エ:正解 1, 3(配点3)

<考え方>
与えられた2つの値は「第1四分位数 − 1.5×四分位範囲」と「第3四分位数 + 1.5×四分位範囲」。この2つの差を四分位範囲で表すと四分位範囲の4倍になるので、差を4で割れば答えが出る。

四分位範囲を R、第1四分位数を Q₁、第3四分位数を Q₃ とすると
Q₃ − Q₁ = R

小さい方の値 Q₁ − 1.5R = 29.315
大きい方の値 Q₃ + 1.5R = 29.835

差をとると
(Q₃ + 1.5R) − (Q₁ − 1.5R) = (Q₃ − Q₁) + 3R = R + 3R = 4R
4R = 29.835 − 29.315 = 0.520
R = 0.130

検算 Q₁ = 29.315 + 1.5·0.13 = 29.51
 Q₃ = 29.51 + 0.13 = 29.64
 Q₃ + 1.5·0.13 = 29.64 + 0.195 = 29.835 ✓
よって ウ=1、エ=3

外れ値が何個あるかは四分位範囲の計算には関係しない。2つの境界の「差」だけで R が決まるのがこの設問の要で、Q₁ や Q₃ を先に求める必要はない。

オ:正解 ②(配点3)

<考え方>
(a)は「29秒より速いのに外れ値ではない値」を1つ見つければ崩れる。外れ値は白丸で描かれているので、白丸ではないひげの左端が29秒より左にある行を探す。(b)は図3が分散の小さい順に並んでいることを使い、下の行の箱が上の行の箱より短い例を1組見つければよい。

(a) 外れ値は白丸で示されているので、白丸ではないひげの左端が 29 秒より左にあれば反例になる

図3 の下から2行目(26位)は、ひげの左端が 27.7 秒あたりまで伸びている
最下行(21位)も、ひげの左端が 27.2 秒あたりまで伸びている
どちらも白丸ではないので外れ値ではない
つまり 29 秒より速く、しかも外れ値でないタイムが存在する
(a) は誤

(b) 図3 は上から分散が小さい順なので、下の行の選手のほうが分散は大きい
上から4行目(12位)の箱の幅は 29.8 から 30.2 で 0.4 秒ほど
上から5行目(4位)の箱の幅は 29.65 から 29.8 で 0.15 秒ほど
4位 のほうが分散は大きいのに、四分位範囲(箱の幅)は小さい
このような2人が実際に選べるので (b) は正

(a) 誤、(b) 正
よって オ=②

分散と四分位範囲はどちらも散らばりの指標だが、分散は外れ値のような端の値に強く引っぱられる。だから箱の幅の順序と分散の順序は一致しない。

カ,キ:正解 7, ②(配点3)

<考え方>
図3 の上から14行の「順位」を読み、そのうち1位から8位までが何人いるかを数える。n が決まれば表2の各欄が埋まり、P と Q を分数にして比べられる。

図3 の上から14行の順位を順に読むと
1位, 6位, 14位, 12位, 4位, 3位, 2位, 20位, 9位, 19位, 15位, 24位, 8位, 5位

このうち 1 位から 8 位までは
1位, 6位, 4位, 3位, 2位, 8位, 5位 の 7 人
n = 7 …… カ = 7

確認 8 − n = 1 で、これは15行目の 7位 ただ1人に対応する
 14 − n = 7、6 + n = 13、7 + 13 = 20 ✓

P = n/8 = 7/8 = 0.875
Q = (14 − n)/20 = 7/20 = 0.35
0.875 > 0.35 より P > Q …… キ = ②
よって カ=7、キ=②

P と Q は「人数」ではなく「割合」なので、分母が 8 と 20 で違う。どちらも 7 人だからといって等しいとしないこと。表2の残りの欄と合計が合うかを確かめると数え間違いを防げる。

ク:正解 ③(配点2)

<考え方>
共分散の定義式に x̄ = ȳ = 0 を入れると、そのまま x と y の積の平均、つまり ū になる。相関係数は共分散を標準偏差の積で割ったもので、標準偏差はどちらも1である。

共分散の定義
sxy = (1/20){(x₁ − x̄)(y₁ − ȳ) + … + (x₂₀ − x̄)(y₂₀ − ȳ)}

x̄ = ȳ = 0 なので
sxy = (1/20)(x₁y₁ + … + x₂₀y₂₀)

u₁ = x₁×y₁, …, u₂₀ = x₂₀×y₂₀ なので
sxy = (1/20)(u₁ + … + u₂₀) = ū

相関係数は
rxy = sxy/(sx·sy)
sx² = sy² = 1 で標準偏差は正なので sx = sy = 1
rxy = ū/(1·1) = ū
よって ク=③

rxy > 0 という条件から ū > 0、また相関係数は1以下なので 0 < ū ≦ 1 が言える。この範囲は(2)の最後で rxz ≧ rxy を確かめるときに使う。

ケ,コ:正解 1, 2(配点3)

<考え方>
z̄ = 0 なので分散は (1/20)Σz² で計算できる。(x + y)² を展開すると x² の平均、xy の平均、y² の平均に分かれ、それぞれ 1、ū、1 になる。相関係数の分子 sxz も同じ要領で出る。

z = (x + y)/2、z̄ = 0 なので
sz² = (1/20)(z₁² + … + z₂₀²)
  = (1/20)·Σ{(x + y)/2}²
  = (1/4)·(1/20)Σ(x² + 2xy + y²)

(1/20)Σx² = sx² = 1
(1/20)Σy² = sy² = 1
(1/20)Σxy = sxy = ū
を入れて
sz² = (1/4)(1 + 2ū + 1)
  = (2 + 2ū)/4
  = (1 + ū)/2 …… ケ = 1、コ = 2

次に x と z の共分散は x̄ = z̄ = 0 より
sxz = (1/20)Σxz
  = (1/20)Σ{x(x + y)/2}
  = (1/2)(sx² + sxy)
  = (1 + ū)/2

よって
rxz = sxz/(sx·sz)
  = {(1 + ū)/2}/√{(1 + ū)/2}
  = √{(1 + ū)/2}

検算 ū = 1 のとき rxz = 1 = rxy
 ū = 0.5 のとき rxz = √0.75 = 0.866 > 0.5 = rxy
 0 < ū ≦ 1 で rxz ≧ rxy ✓
よって ケ=1、コ=2

分散を出すとき (x + y)²/4 の 1/4 を落としやすい。rxz の式は sz² の平方根がそのまま現れる形なので、ケ・コ は sz² と同じ値になる。

※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

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