2019年度 大学入試センター試験 本試験 生物 解答・解説

2019年度 大学入試センター試験 本試験「生物」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。

目次
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解答

解説

2019年度(平成31年度)大学入試センター試験 本試験「生物」の全問解説です。第1問〜第5問が必答で各18点(計90点)、第6問と第7問はどちらか1問を選択して解答します(各10点)。このページでは第6問・第7問の両方を解説しているため、表示している配点の合計は110点になります(満点は100点)。解答番号は大問ごとに1から振り直される形式なので、各設問の解答番号はその大問の中での番号です。第1問〜第5問はA・Bの2つの文章に分かれているため、この記事もA・Bごとに見出しを分けています。各設問の見出しをタップすると、その問題の考え方と手順が開きます。まちがえた設問だけを選んで確認してください。

第1問 A 光合成のしくみを明らかにした古典的実験

ヒル反応、¹⁸O を使った酸素の由来の実験、そして ¹⁴C を使ったカルビン・ベンソン回路の研究という3つの古典的実験が並びます。問1は「その実験から言えること」と「言えないこと」を切り分ける設問です。

問1:正解 ④・⑥(解答番号1・2/配点6)

<問題要旨>
実験1(葉緑体片にシュウ酸鉄(Ⅲ)を加え空気を取り除いて光を当てると、シュウ酸鉄(Ⅲ)が還元され酸素が発生。加えない場合は発生しない)、実験2(¹⁸O で置き換えた水を与えると ¹⁸O を含む酸素が発生。¹⁸O の二酸化炭素では発生しない)、実験3(¹⁴C を含む二酸化炭素を与えて温度一定のまま短時間光を当てると ¹⁴C が炭素3個の化合物に取り込まれた。光を当てないと取り込まれない)から導かれる結論や考察として、適当でないものを二つ選びます。

<考え方>
それぞれの実験が「何を変えて何を測ったか」を確認します。変えていない条件については、その実験からは何も言えません。

【各実験が示していること】
 実験1(ヒル反応)
  空気(CO₂ を含む)を取り除いても
  酸素が発生した
  シュウ酸鉄(Ⅲ)がないと発生しない
  → 酸素は CO₂ 由来ではない
  → 電子受容体(還元されやすい物質)が必要

 実験2
  ¹⁸O 水 → ¹⁸O の酸素が発生
  ¹⁸O の CO₂ → ¹⁸O の酸素は出ない
  → 発生した酸素は水に由来する

 実験3
  ¹⁴C の CO₂ → 炭素3個の化合物へ
  光がないと取り込まれない
  → CO₂ が固定される経路の一部が分かる

【選択肢の判定】
① 実験1 … 酸素は CO₂ に由来しない  適当
② 実験1 … 還元されやすい物質が必要  適当
③ 実験2 … 酸素は水に由来する      適当

④ 実験2 から、二酸化炭素が有機物合成に
  使われることが分かる

  実験2 は発生した酸素の由来を
  調べただけで、有機物の話はしていない
  → 適当でない ←これ

⑤ 実験3 … CO₂ が固定される経路の一部  適当

⑥ 実験3 から、この反応が温度変化によって
  影響を受けることが分かる

  実験3 は「温度を一定に保ったまま」
  行っており、温度は変えていない
  → 適当でない ←これ

よって ④ と ⑥
問2:正解 ③(解答番号3/配点3)

<問題要旨>
光合成についての文章中の ア(光が直接関係する過程が起こる場所)、イ(光が直接関係しない過程が起こる場所)、ウ(光の波長と光合成速度の関係を示したもの)に入る語の組合せを選びます。

<考え方>
葉緑体の構造を思い出します。膜が積み重なった部分と、その周りの液状の部分でそれぞれ何が起こるかを対応づけます。ウは「吸収スペクトル」と混同しやすいところです。

【ア・イ 光合成の2段階】
 チラコイド(膜)
  光化学系がある
  光エネルギーで ATP と NADPH をつくる
  → 光が直接関係する過程

 ストロマ(液状部分)
  カルビン・ベンソン回路
  ATP と NADPH を使って CO₂ を固定
  → 光が直接関係しない過程

 ア = チラコイド
 イ = ストロマ

【ウ 波長と光合成速度】
 作用スペクトル(作用曲線)
  波長ごとの「光合成速度」を示す

 吸収スペクトル(吸収曲線)
  波長ごとの「色素の吸光度」を示す

 問題文は「光合成速度を調べる」なので

 ウ = 作用スペクトル

よって ③

第1問 B 生体膜と物質の輸送

二重膜をもつ細胞小器官、チャネルとポンプの違い、そして浸透による赤血球の変化を扱います。問5は「破裂」「収縮」からもとの濃度を逆算する、順番を組み立てる設問です。

問3:正解 ③(解答番号4/配点3)

<問題要旨>
内外2枚の生体膜で囲まれた細胞小器官の組合せとして最も適当なものを、核・液胞・ゴルジ体・葉緑体から選びます。

<考え方>
二重膜をもつのは、核・ミトコンドリア・葉緑体の3つです。共生説とセットで覚えておくと思い出しやすくなります。

【膜の枚数】
 二重膜(2枚)
  核
  ミトコンドリア
  葉緑体

 一重膜(1枚)
  液胞
  ゴルジ体
  小胞体
  リソソーム

 膜をもたない
  リボソーム
  中心体

【判定】
 ⓐ 核   … 二重膜 ○
 ⓑ 液胞  … 一重膜 ×
 ⓒ ゴルジ体… 一重膜 ×
 ⓓ 葉緑体 … 二重膜 ○

(ミトコンドリアと葉緑体が二重膜なのは
  細胞内共生の名残と考えられている)

よって ③
問4:正解 ③(解答番号5/配点3)

<問題要旨>
物質の輸送や細胞どうしの接着などに関与するタンパク質に関する記述として最も適当なものを選びます。

<考え方>
チャネル(受動輸送)とポンプ(能動輸送)の違い、ナトリウムポンプがどのイオンをどちらへ運ぶか、そしてアクアポリンの分類を確認します。

① チャネルによる物質の輸送は能動輸送

  チャネルは濃度勾配に従って通す穴
  → 受動輸送            ×

② ナトリウムポンプは Na⁺ を細胞外へ放出し
  Ca²⁺ を細胞内に取り込む

  取り込むのは K⁺(カリウムイオン)
  Na⁺ 3個を外へ、K⁺ 2個を中へ    ×

③ ナトリウムイオンは
  ナトリウムチャネルを通過する

  電位依存性ナトリウムチャネルなど
  実際に存在する            ○

④ ナトリウムポンプは ADP のエネルギーを利用

  利用するのは ATP           ×

⑤ アクアポリンは水分子の輸送に関わるポンプ

  アクアポリンは水を通すチャネル
  ポンプではない            ×

よって ③
問5:正解 ⑤(解答番号6/配点3)

<問題要旨>
半透膜では膜を隔てて食塩水と蒸留水がある場合、食塩水側に水が移動します。ヒトの赤血球を濃度の異なる食塩水 ⓔ〜ⓗ に浸したところ、ⓔ は破裂、ⓕ は変化なし、ⓖ は収縮、ⓗ は膨張していました。食塩水の食塩濃度の大小関係を選びます。

<考え方>
赤血球がどうなったかから、水がどちらへ動いたかを読みます。水が入れば膨張・破裂、出れば収縮です。膨張と破裂は程度の差で、破裂のほうが外液が薄いことになります。

【赤血球の変化と外液の濃度】

 収縮した
  → 細胞から水が出た
  → 外液のほうが濃い(高張)
  ⓖ が最も濃い

 変化しなかった
  → 水の出入りがつり合う
  → 細胞内と同じ濃さ(等張)
  ⓕ

 膨張した
  → 水が入った
  → 外液のほうが薄い(低張)
  ⓗ

 破裂した
  → 水が大量に入った
  → 外液がさらに薄い
  ⓔ が最も薄い

【並べる】
 ⓖ > ⓕ > ⓗ > ⓔ

よって ⑤

第2問 A 三毛ネコと X 染色体の不活性化

三毛ネコの模様がなぜ個体ごとに違うのかを、X 染色体の不活性化から説明します。問2はクローンをつくったときに模様がどうなるかを問う、印象に残る設問です。

問1:正解 ③(解答番号1/配点4)

<問題要旨>
雌の三毛ネコ(Z茶、Z黒 をそれぞれ1遺伝子もつ)を、黒の雄(Z黒 を1遺伝子だけもつ)と交雑した場合、生まれる子ネコのうち茶と黒の両方の毛色をもつものの割合は何 % かを求めます。

<考え方>
茶と黒の両方が出るのは、Z茶 と Z黒 を両方もつ個体だけです。雄は X 染色体を1本しかもたないので該当しません。雌雄比が1:1であることも忘れずに掛け合わせます。

【親の遺伝子型】
 母(三毛の雌)Z茶 Z黒
 父(黒の雄) Z黒 Y

【子の遺伝子型】
 雌(父から Z黒 を受け取る)
  Z茶 Z黒 … 1/2
  Z黒 Z黒 … 1/2

 雄(父から Y を受け取る)
  Z茶 Y … 1/2
  Z黒 Y … 1/2

 雌 : 雄 = 1 : 1

【茶と黒の両方をもつもの】
 Z茶 と Z黒 の両方が必要
 → Z茶 Z黒 の雌だけ

 割合 = (1/2 が雌) × (1/2 が Z茶Z黒)
   = 1/4
   = 25 %

(雄は X 染色体が1本なので
  茶か黒のどちらか一方にしかならない)

よって ③
問2:正解 ②(解答番号2/配点4)

<問題要旨>
三毛ネコの体細胞から核を採取してクローンネコを作るとき、核移植によって体細胞の X 染色体不活性化の状態が完全に初期の状態(どちらの X 染色体も不活性化されていない状態)に戻るとすると、クローンネコの予想される毛色と模様として最も適当なものを選びます。

<考え方>
不活性化がリセットされるということは、発生の過程でもう一度ランダムに不活性化が起こるということです。遺伝子は同じでも、どの細胞でどちらが不活性化されるかは改めて決まります。

【前提の確認】
 クローンなので
 遺伝子(Z茶 と Z黒 の両方)は同じ

 不活性化がリセットされる
 → 発生が進んだ段階で
  細胞ごとに改めてランダムに
  どちらか一方が不活性化される

【結果として】
 Z茶 と Z黒 の両方をもつので
 茶と黒の両方が現れる
 → 三毛ネコにはなる

 しかしどの細胞でどちらが不活性化されるかは
 偶然で決まるため
 → まだらの模様は元のネコとは異なる

【選択肢の判定】
① 同一の模様になる
  不活性化のパターンは再現されない ×
② 三毛ネコになり、異なるまだらになる ○
③ 茶または黒のみ
  両方の遺伝子をもつので違う    ×
④ 茶も黒ももたない
  遺伝子はあるので違う       ×

よって ②

第2問 B 気孔密度を制御するポリペプチド

気孔の数がどこでつくられる物質によって決まるのかを、遺伝子発現の場所と変異体の組合せから突き止めます。問4は「AとBの両方を欠いた変異体」の値が決め手になる、よく設計された設問です。

問3:正解 ③(解答番号3/配点3)

<問題要旨>
実験1(表皮細胞と葉肉細胞で遺伝子 A の mRNA 量を比較した図2、およびポリペプチド A を含む溶液に芽ばえを浸したときの気孔密度、図3)の結果から導かれる考察として最も適当なものを選びます。

<考え方>
図2 は「どこでつくられるか」、図3 は「どんな効果があるか」を示しています。2つを組み合わせれば答えが決まります。

【図2 の読み取り】
 遺伝子A の mRNA 量
  表皮細胞 ほぼ 0
  葉肉細胞 1.0

 → ポリペプチドA は葉肉細胞でつくられる

【図3 の読み取り】
 気孔密度
  ポリペプチドA なし 約300 個/mm²
  ポリペプチドA あり 約1000 個/mm²

 → ポリペプチドA は気孔密度を上昇させる

【組み合わせる】
 葉肉細胞でつくられ
 表皮組織における気孔密度を上昇させる

(つくられる場所とはたらく場所が違う
  = 細胞間で情報が伝わっている)

よって ③
問4:正解 ④(解答番号4/配点4)

<問題要旨>
実験2(ポリペプチド A を欠く変異体 a、ポリペプチド B を欠く変異体 b、両方を欠く変異体 ab の気孔密度、図4)の結果から導かれる考察として最も適当なものを選びます。

<考え方>
まず変異体 b の値から B のはたらきの向きを決めます。次に変異体 ab の値を変異体 a と比べ、B の効果が A を通したものかどうかを判定します。

【図4 の読み取り】
 野生型   約305 個/mm²
 変異体a  約105
 変異体b  約600
 変異体ab 約105

【B のはたらきの向き】
 B を欠くと 305 → 600 と増える
 → B は気孔密度を低下させている

【B は何を通してはたらくか】
 変異体ab(A も B もない)は 105
 変異体a(A だけない)も 105

 → A がなければ、B があってもなくても
  結果は変わらない
 → B の効果は A を通して現れる
 → B は A のはたらきを抑制している

【まとめ】
 B は A のはたらきを抑制することによって
 気孔密度を低下させる

よって ④
問5:正解 ②(解答番号5/配点3)

<問題要旨>
植物の組織や器官の構造についての文章中の ア(葉や茎の表面を覆い乾燥を防ぐもの)と イ(根冠が保護しているもの)に入る語の組合せを選びます。

<考え方>
葉の表面の構造と、根の先端の構造をそれぞれ思い出します。根冠が何を守っているのかがポイントです。

【ア 葉や茎の表面】
 クチクラ(層)
  表皮細胞の外側を覆うろう質の層
  水の蒸発を防ぐ

 形成層は茎や根の内部にある
 分裂組織で、表面ではない

 ア = クチクラ(層)

【イ 根冠が保護するもの】
 根の先端には
 根端分裂組織(分裂組織)があり
 細胞分裂で根を伸ばしている

 根冠はその外側を覆う帽子状の組織で
 土の中を伸びるときに
 分裂組織を守っている

 根毛は根の伸長部より少し上にでき
 吸収を担う(保護される対象ではない)

 イ = 分裂組織

よって ②

第3問 A 視覚(錐体細胞と桿体細胞・盲斑)

プルキンエ現象や暗い星の見方など、日常の経験と視細胞の性質を結びつける小問が並びます。問3は盲斑の位置と視野の左右が反転することを重ねて考える、この年の難所です。

問1:正解 ⑦(解答番号1/配点4)

<問題要旨>
プルキンエ現象(昼間は赤色の花が明るく見えるが、暗くなると青色の花のほうがはっきり見える)の説明文中の ア(暗くなるにつれて起きること)、イ(感度が上がる細胞)、ウ(桿体細胞で高い吸光量となる波長に近い色)に入る語の組合せを選びます。

<考え方>
暗いところで働くのはどちらの視細胞かをまず決めます。次に図1で桿体細胞のピークがどのあたりの波長かを読み、それが何色の範囲かを確かめます。

【ア 明順応か暗順応か】
 明るいところから暗いところへ
 → 暗順応
 (逆が明順応)

 ア = 暗順応

【イ 感度が上がる細胞】
 桿体細胞
  弱い光でも反応する
  暗順応で感度が大きく上がる

 錐体細胞
  強い光が必要

 イ = 桿体

【ウ 桿体細胞のピーク波長の色】
 図1で桿体細胞の吸光量のピークは
 約500 nm

 図の網かけを見ると
  青色に見える光の波長 … 約450〜500 nm
  赤色に見える光の波長 … 約600 nm 以上

 500 nm は青色側に近い

 ウ = 青

(だから暗くなると青い花のほうが
  はっきり見えるようになる)

よって ⑦
問2:正解 ④(解答番号2/配点3)

<問題要旨>
錐体細胞は弱い光では反応せず黄斑に多く存在し、桿体細胞は弱い光でも反応し黄斑を取り巻く部分に多く分布します。夜空にある暗い星を肉眼で観測したい場合の方法として最も適当なものを選びます。

<考え方>
暗い星=弱い光なので、使うべき視細胞が決まります。その細胞が網膜のどこに多いかを考えれば、視線をどこに向ければよいかが決まります。

【使うべき視細胞】
 暗い星 = 弱い光
 → 弱い光でも反応する桿体細胞を使う

【桿体細胞の分布】
 黄斑(網膜の中央部)… 錐体細胞が多い
 黄斑の周辺     … 桿体細胞が多い

【したがって】
 星の像を黄斑の中心ではなく
 その周辺に結ばせればよい
 → 視線の中心からずらして眺める

【選択肢の判定】
① 目を大きく開く
  取り込む光の量は増えるが
  どの細胞で受けるかが本質    ×
② 明るい街灯があるところで眺める
  明順応してしまい逆効果      ×
③ 視線の中心に捉える
  錐体細胞に当たるので見えにくい ×
④ 視線の中心からずらして眺める  ○

よって ④
問3:正解 ②(解答番号3/配点3)

<問題要旨>
図2(左眼の網膜上における錐体細胞と桿体細胞の分布。黄斑を0°とし、耳側・鼻側それぞれ0°〜40°)と図3(「+」を真上から左眼のみで注視したときの A〜D の位置)から、A〜D の見え方として最も適当なものを選びます。

<考え方>
図2から盲斑が網膜のどちら側の何度にあるかを読みます。次に「網膜の像は上下左右が反転する」ことを使って、視野のどちら側の何度が盲斑に当たるかを決めます。

【図2 から盲斑の位置】
 盲斑(視細胞が存在しない部分)は
 鼻側の 15°〜20° 付近にある

【網膜と視野の対応】
 水晶体で像が反転するので
 視野の左側 → 網膜の鼻側(左眼では内側)
 視野の右側 → 網膜の耳側

 (左眼の鼻側は顔の中心に近い側)

【盲斑に当たる位置】
 網膜の鼻側 15°〜20°
 → 視野では「+」から左に 15°〜20°

【図3 との照合】
 A … 左に 40°
 B … 左に 20° ←ここ
 + … 0°
 C … 右に 20°
 D … 右に 40°

 → B が盲斑に結像して見えない

よって ②

第3問 B 窒素源不足への応答(接ぎ木実験)

根が窒素源不足を感知したとき、その情報がどこを経由して別の根に届くのかを、接ぎ木という古典的な手法で突き止めます。図8の4つの組合せを1つずつ読むだけで答えが出ます。

問4:正解 エ ①・オ ③(解答番号4・5/配点8)

<問題要旨>
実験1(片側の根だけを硝酸イオンのない領域に置き、左右の根で遺伝子 Y の発現量を比較、図6)と実験2(野生型と変異体 x を接ぎ木し、同様に調べた図8)の結果に関する文章中の エ(タンパク質 X がつくられる場所)と オ(タンパク質 X が遺伝子 Y の発現を上昇させる場所)を選びます。

<考え方>
図8の4通りの接ぎ木を「地上部が野生型か」「根が野生型か」で分けて見ます。左右で差が出た組合せに共通しているのが、タンパク質 X をつくっている部分です。オは図6に戻って、どちら側の根で発現が上がったかを読みます。

【図8 の読み取り】
 接ぎ穂(地上部)/台木(根)

 野生型/野生型  左1.8 右1.0 差あり
 野生型/変異体x 左1.8 右1.0 差あり
 変異体x/変異体x 左1.0 右1.0 差なし
 変異体x/野生型 左1.0 右1.0 差なし

【エ タンパク質X がつくられる場所】
 地上部が野生型 → 差が出る
 地上部が変異体x → 根が野生型でも差が出ない

 → 応答に必要なのは地上部
 → タンパク質X は地上部でつくられる

 エ = ① 地上部

【オ どの根で発現が上がるか】
 図6(寒天培地A)
  左の根(硝酸イオンあり)… 2.0
  右の根(硝酸イオンなし)… 1.0

 図6(寒天培地B、両方あり)
  左 1.0、右 1.0

 → 片方の根が窒素源不足のとき
  硝酸イオンがある側の根で
  遺伝子Y の発現が上昇する

 オ = ③ 周囲に窒素源が十分ある根

【全体のしくみ】
 窒素源不足を感知した根
  → 情報が地上部のタンパク質X に伝わる
  → X が、栄養のある側の根で
   遺伝子Y の発現を上げる
  → そちらの根で硝酸イオンを多く取り込む

エ = ①, オ = ③

第4問 A 個体群と群れの大きさ

ジャコウウシの個体数の推移と、オオカミの数・餌の見つけやすさに応じた群れの大きさを扱います。問2は群れをつくる利益(防衛と餌の発見)が、グラフのどの比較に対応するかを見抜く設問です。

問1:正解 ①(解答番号1/配点2)

<問題要旨>
1965年に27頭が放たれたジャコウウシの個体数の推移(図1)と、1988年・1990年の齢構成が同じ型に分類されたことから、ア(年齢ピラミッドの型)と イ(1990年以降の数年間の個体数)に入る語句の組合せを選びます。

<考え方>
図1で個体数がどう変化しているかをまず見ます。増え続けている個体群では、若い個体の割合が高くなります。その型ならこの先どうなるかも決まります。

【図1 の読み取り】
 1965年 27頭
 1977年ごろ 約150頭
 1979年ごろ 約200頭
 1985年 約950頭
 1988年 約1500頭
 1990年 約2500頭

 → 急激に増加を続けている

【ア 年齢ピラミッドの型】
 幼若(若齢)型
  若い個体の割合が高い
  → 今後増加する個体群

 安定型
  各年齢が均等

 老化(老齢)型
  高齢の個体の割合が高い
  → 今後減少する個体群

 増加を続けている個体群なので
 ア = 幼若(若齢)

【イ 今後の予測】
 幼若型のまま1988年・1990年と続いた
 → これから繁殖する個体が多い
 → 個体数は増加していく

 イ = 増加していく

よって ①
問2:正解 ②・⑦(解答番号2・3/配点8)

<問題要旨>
図2(オオカミのいない地域・少ない地域・多い地域における、餌を見つけやすい季節 X と見つけにくい季節 Y の群れの平均構成個体数)から、ジャコウウシが群れの大きさを変化させる理由として適当なものを二つ選びます。

<考え方>
図2は2つの軸で比べられます。「オオカミの多さで比べる」と「季節で比べる」です。それぞれが群れの利益のどちらに対応するかを考えます。

【図2 の数値(群れの構成個体数)】
 オオカミのいない地域
  季節X 約6 / 季節Y 約16
 オオカミの少ない地域
  季節X 約17 / 季節Y 約27
 オオカミの多い地域
  季節X 約28 / 季節Y 約37

【オオカミの多さで比べる】
 6 → 17 → 28(季節X)
 16 → 27 → 37(季節Y)

 オオカミが多いほど群れが大きい
 → 群れを大きくすると
  捕食されにくくなるから
 → ② が適当

【季節で比べる】
 どの地域でも季節Y のほうが大きい
 (季節Y = 餌を見つけにくい季節)

 オオカミがいてもいなくても
 餌が見つけにくい季節に群れを大きくする
 → 群れを大きくすると
  餌を見つけやすくなるから
 → ⑦ が適当

【ほかの選択肢】
① 捕食されやすくなる → 逆    ×
③ 変わらない → 差が出ている   ×
④⑤ 「オオカミがいる地域でのみ」
  「いない地域でのみ」
  どちらの地域でも季節差がある  ×
⑥ 不利益は増えない
  図2からは分からない       ×

よって ② と ⑦

第4問 B 耐塩性と競争力(単植と混植)

海岸の3種のイネ科草本を、単植と混植で比べます。単植は「本来の力」、混植は「競争下の力」を示すので、4つの図を役割ごとに使い分けるのがポイントです。

問3:正解 ①・③(解答番号4・5/配点8)

<問題要旨>
実験1(単植における現存量、図3。および鉢内塩分濃度0 % に対する相対現存量=耐塩性の指標、図4)と実験2(混植における現存量、図5。および優占度=競争力の指標、図6)の結果に関する記述として適当なものを二つ選びます。

<考え方>
図3・図4 は単植(種間競争なし)、図5・図6 は混植(種間競争あり)です。「耐塩性」を見るのは図4、「競争力」を見るのは図6、と対応づけてから選択肢を1つずつ照合します。

【4つの図の役割】
 図3 単植の現存量  … 本来の生産力
 図4 単植の相対現存量 … 耐塩性の指標
 図5 混植の現存量  … 競争下の生産力
 図6 混植の優占度  … 競争力の指標

【選択肢の判定】

① 種A は塩分濃度が最も高いとき
  耐塩性が最も低い
  図4 の 1.4 % で
   種A 約0.43 < 種B 約0.57 < 種C 約0.72
  → 種A が最も低い       ○ 適当

② 種B は 0.7 % で耐塩性が最も高い
  図4 の 0.7 % では
   種A が最も高く、種B が最も低い
                × 不適当

③ 種C は 0 % のとき
  種間競争がなければ最も現存量が大きいが
  種間競争下では最も小さい
  図3 の 0 %:種C 約9 が最大
  図5 の 0 %:種C 約1.2 が最小
                ○ 適当

④ 種間競争がない場合、塩分濃度の増加で
  現存量が増加した種があった
  図3 では A・B・C とも減少
                × 不適当

⑤ 0 % のときの単植と混植の差は
  B < C < A の順に大きい
  実際の差は
   A 4.8−2.1 = 2.7
   B 7.5−3.35 = 4.15
   C 9−1.2 = 7.8
  → A < B < C の順      × 不適当

⑥ 混植で現存量が最大になる濃度と
  優占度が最大になる濃度は一致した
  種B は図5 で 0.5 % 付近が最大
  図6 では 0.7〜0.8 % 付近が最大
  → 一致していない      × 不適当

よって ① と ③

第5問 A 分類の階層と3ドメイン説

分類階級の順序と、3ドメイン説に基づく系統樹を扱います。問2・問3は「破線=細胞内共生」という一点から、どのドメインがどれかを決める設問です。

問1:正解 ④(解答番号1/配点3)

<問題要旨>
ニホンウナギが属する分類群を、綱より下位のものについて階層が高い方から表記したときの ア〜ウ の組合せを選びます。

<考え方>
分類階級の順序を思い出します。ドメイン・界・門・綱・目・科・属・種の順で、綱より下位は目・科・属です。

【分類の階層】
 ドメイン
  界(かい)
  門(もん)
  綱(こう)
  目(もく)
  科(か)
  属(ぞく)
  種(しゅ)

【綱より下位を高い順に】
 目 → 科 → 属

 ニホンウナギの場合
  ウナギ目 → ウナギ科 → ウナギ属

 ア = ウナギ目
 イ = ウナギ科
 ウ = ウナギ属

よって ④
問2:正解 ②(解答番号2/配点2)

<問題要旨>
図1は3ドメイン説に基づいた生物の系統関係を模式的に表しており、2本の破線は葉緑体またはミトコンドリアの(細胞内)共生によって生じた系統関係を表しています。ドメイン A〜C の名称の組合せを選びます。

<考え方>
共生説では、細菌が真核生物の細胞に取り込まれてミトコンドリアや葉緑体になりました。したがって破線は「細菌のドメインから真核生物のドメインへ」向かいます。残る2つの分岐順序も手がかりになります。

【破線の意味】
 ミトコンドリアの起源 … 好気性細菌
 葉緑体の起源    … シアノバクテリア

 どちらも細菌(バクテリア)
 → 破線は 細菌 → 真核生物 の向き

【図1 の破線】
 2本の破線はドメインC から
 ドメインB へ向かっている

 → ドメインC = 細菌
 → ドメインB = 真核生物
 → ドメインA = 古細菌

【分岐の順序でも確認】
 3ドメイン説では
 古細菌と真核生物のほうが
 細菌よりも互いに近縁

 → まず細菌が分かれ
  そのあと古細菌と真核生物が分かれる
 図1の分岐もこの形になっている

よって ②
問3:正解 エ ②・オ ⑨(解答番号3・4/配点4)

<問題要旨>
図1の エ(ドメインAの中の生物種)・オ(ドメインBの中で破線が向かう先の生物種)に入る生物種を選びます。

<考え方>
問2でドメインA=古細菌、B=真核生物と決まりました。エは古細菌の代表例を、オは葉緑体をもつ真核生物(=植物)を選びます。

【選択肢の分類】
 細菌(バクテリア)
  ① 緑色硫黄細菌
  ③ シアノバクテリア
  ④ 大腸菌

 古細菌(アーキア)
  ② メタン生成菌(メタン菌)

 真核生物
  ⑤ 酵母菌(菌類)
  ⑥ ヒト(動物)
  ⑦ バフンウニ(動物)
  ⑧ アメーバ(原生生物)
  ⑨ ゼニゴケ(植物)

【エ ドメインA(古細菌)の中】
 古細菌は選択肢に1つだけ

 エ = ② メタン生成菌

【オ ドメインB(真核生物)の中】
 オ の枝には破線が届いており
 葉緑体の共生を受けた系統
 → 光合成を行う真核生物 = 植物

 オ = ⑨ ゼニゴケ

エ = ②, オ = ⑨

第5問 B 生物の変遷と陸上進出

地質時代ごとの出来事を順に確認します。問5は「エディアカラ生物群はいつか」「裸子植物は子房をもつか」という2つの定番の引っかけを見抜く設問です。

問4:正解 ③(解答番号5/配点3)

<問題要旨>
生物の進化についての文章中の カ(約5.4億年前以降の紀)、キ(ヒトが属する動物群)、ク(キとともに陸上へ進出した動物群)に入る語の組合せを選びます。

<考え方>
約5.4億年前という数字が古生代の始まりを示します。ヒトが属する動物群は分かりやすく、残るクは「陸上に進出した無脊椎動物」として何が代表的かを考えます。

【カ 約5.4億年前以降の紀】
 古生代の始まりがカンブリア紀
 (約5.4億年前)
 オルドビス紀はその次

 カ = カンブリア

【キ ヒトが属する動物】
 ヒト(ホモ・サピエンス)は
 脊椎動物(脊索動物門・哺乳綱)

 キ = 脊椎

【ク 陸上へ進出した動物】
 オゾン層の形成後に上陸したのは
 脊椎動物と節足動物(昆虫・クモなど)

 刺胞動物(クラゲ・イソギンチャク)は
 水中にとどまっている

 ク = 節足

よって ③
問5:正解 ①・⑤(解答番号6・7/配点4)

<問題要旨>
生物の変遷に関する記述として、波線部に誤りを含むものを二つ選びます。

<考え方>
時代と生物群の対応、そして裸子植物と被子植物の違いを確認します。「エディアカラ生物群がいつか」と「裸子植物に子房があるか」が二つの狙いどころです。

① カンブリア紀に出現した生物群として
  エディアカラ生物群やバージェス動物群

  エディアカラ生物群は
  カンブリア紀より前の
  先カンブリア時代末期(約6億年前)
  → 誤り ←これ

② デボン紀に、魚類の一部から
  肺をもち、ひれが四肢に変化した両生類が出現
                正しい

③ 石炭紀にリンボクなどのシダ植物が大森林
  枯死体が石炭になった    正しい

④ 中生代に爬虫類が多様化・大形化し
  地上では恐竜類が繁栄    正しい

⑤ 中生代には、子房がむきだしの裸子植物が繁栄

  裸子植物は「子房がない」植物で
  胚珠がむきだしになっている
  「子房がむきだし」は誤り ←これ

⑥ 新生代に、立体視できる眼や
  平爪をもった霊長類が出現   正しい

⑦ 新生代に被子植物や哺乳類が繁栄 正しい

よって ① と ⑤
問6:正解 ④(解答番号8/配点2)

<問題要旨>
陸上植物に最も近縁な生物として適当なものを選びます。

<考え方>
光合成を行う生物のうち、陸上植物と同じ色素・細胞壁の性質をもつのはどれかを考えます。緑色をした藻類の中でも、系統的に最も近いものが問われています。

【選択肢の分類】
① ミドリムシ類
  二次共生で葉緑体を得た原生生物
② 紅藻類
  クロロフィル a のみ
③ 光合成細菌
  原核生物
④ シャジクモ(藻)類
  クロロフィル a と b をもつ緑色植物
⑤ ケイ藻類
  クロロフィル a と c
⑥ 褐藻類
  クロロフィル a と c、フコキサンチン

【陸上植物との比較】
 陸上植物は
  クロロフィル a と b をもつ
  セルロースの細胞壁
  デンプンを貯蔵

 これらを共有し、細胞分裂の様式まで
 共通するのがシャジクモ類で
 陸上植物の姉妹群と考えられている

よって ④

第6問〔選択問題〕DNA の複製と転写・翻訳

第6問と第7問はどちらか1問を選択します(このサイトでは両方を解説しています)。半保存的複製の割合、塩基配列から読み枠を決める計算、そしてトランスジェニック生物の作製を扱う10点の大問です。

問1:正解 ④(解答番号1/配点3)

<問題要旨>
標識ヌクレオチドを含む培地で大腸菌の DNA をほぼすべて標識ヌクレオチドに置き換えたあと、標識ヌクレオチドを含まない培地に移して1回だけ分裂させました。ア(分裂直後に標識ヌクレオチドを含むゲノム DNA をもつ大腸菌の割合)と イ(連続的に合成される鎖の名前)を選びます。

<考え方>
半保存的複製では、もとの2本鎖が1本ずつ分かれて鋳型になります。したがってどの娘細胞にも必ず古い鎖が1本入ります。イは合成方向と開裂方向の関係から決まります。

【ア 標識をもつ大腸菌の割合】
 はじめの DNA は
  2本とも標識ヌクレオチド

 半保存的複製で1回分裂すると
  それぞれの娘 DNA は
  「標識鎖1本 + 非標識鎖1本」

 → すべての大腸菌が
  標識ヌクレオチドを含む DNA をもつ

 ア = 100 %

【イ 連続的に合成される鎖】
 DNA 鎖の合成は 5′→3′ 方向のみ

 リーディング鎖
  開裂の進む向きと合成方向が一致
  → 連続的に合成される

 ラギング鎖
  向きが逆になるため
  岡崎フラグメントを断続的に合成し
  あとで連結する

 イ = リーディング

よって ④
問2:正解 ①(解答番号2/配点3)

<問題要旨>
図1のあるタンパク質の全長をコードする DNA 領域(開始コドンと終止コドンを含む)について、転写の鋳型となるのは ⓐ 鎖・ⓑ 鎖のどちらか(ウ)と、このタンパク質を構成するアミノ酸の数(エ)を答えます。

<考え方>
まず「鋳型でないほうの鎖と同じ配列が mRNA になる」ことを使い、AUG が現れるほうを探します。見つかったら、そこから3塩基ずつ区切って終止コドンまで数えます。

【まず ⓑ を鋳型と仮定】
 mRNA は ⓐ と同じ配列(T→U)
 UUACUAGCUAAGUUGAAUAGCUACUCAUAU
 → この中に AUG が現れない
 → ⓑ は鋳型ではない

【ⓐ を鋳型とすると】
 mRNA は ⓑ と同じ配列を 5′→3′ で読む
 ⓑ 3′-AATGATCGATTCAACTTATCGATGAGTATA-5′
 を 5′→3′ に直すと
  ATATGAGTAGCTATTCAACTTAGCTAGTAA

 mRNA(5′→3′)
  AUAUGAGUAGCUAUUCAACUUAGCUAGUAA

【開始コドンを探す】
 A U A U G …
 3番目から AUG が現れる

【3塩基ずつ区切る】
 AUG(Met)
 AGU
 AGC
 UAU
 UCA
 ACU
 UAG ← 終止コドン

 開始コドンの Met を含めて
 アミノ酸は 6 個

 ウ = ⓐ
 エ = 6

よって ①
問3:正解 ①(解答番号3/配点4)

<問題要旨>
トランスジェニックマウスの作製についての文章中の オ(RNA ポリメラーゼが認識して結合する領域)と カ(F₀ マウスの産む子に注入 DNA をもつ子孫が出現するために、外来 DNA が組み込まれている必要のある細胞)を選びます。

<考え方>
オは転写の基本用語です。カは「子に伝わるかどうか」なので、次世代へ受け継がれる細胞はどれかを考えます。

【オ RNA ポリメラーゼが結合する領域】
 プロモーター
  転写の開始点付近にあり
  RNA ポリメラーゼが結合する

 オペレーター
  リプレッサーが結合する領域(原核生物)

 エキソン
  スプライシング後に残る配列で
  結合部位ではない

 オ = プロモーター

【カ 子孫に伝わる細胞】
 F₀ マウスはからだの一部の細胞にしか
 外来 DNA をもたない(モザイク)

 次世代に受け継がれるのは
 卵や精子をつくる細胞

 → 生殖細胞のゲノムに
  組み込まれていた場合にのみ
  子に伝わる

 カ = 生殖

よって ①

第7問〔選択問題〕虫こぶをめぐる種間関係

第6問との選択問題です。セイタカアワダチソウ・ハエ・ハチ・鳥がつくる食物網で、虫こぶの直径に相反する2方向の自然選択がはたらく様子を追います。表1と表2をつなげて読むのがポイントです。

問1:正解 ③(解答番号1/配点4)

<問題要旨>
文章中の ア(一次消費者でもあり二次消費者でもある生物)と、表2の イ・ウ(ハエ幼虫を死亡させた生物)に入る生物名の組合せを選びます。

<考え方>
アは「植物も動物も食べる」生物を探します。イ・ウは表1の「虫こぶの直径と、ハチの産卵成功率・鳥の捕食率」の関係を、表2の平均直径と突き合わせます。

【ア 一次消費者でも二次消費者でもある】
 セイタカアワダチソウ … 生産者
 ハエ幼虫 … 虫こぶの組織を食べる
     → 一次消費者
 鳥 … ハエ幼虫を食べる
   → 二次消費者
 ハチ幼虫 … ハエ幼虫を捕食したあと
    虫こぶ内部の組織も食べる
    → 一次消費者でも二次消費者でもある

 ア = ハチ

【表1 の読み取り】
 2 cm 未満
  ハチの産卵成功率 81 % / 鳥の捕食率 5 %
 2 cm 以上
  ハチの産卵成功率 6 % / 鳥の捕食率 23 %

 → ハチは小さい虫こぶに産卵しやすい
 → 鳥は大きい虫こぶを多く襲う

【表2 と対応づける】
 生存        平均 2.1 cm
 イ によって死亡  平均 2.2 cm(大きい)
 ウ によって死亡  平均 1.7 cm(小さい)

 大きい虫こぶで死亡 → 鳥
 小さい虫こぶで死亡 → ハチ

 イ = 鳥
 ウ = ハチ

よって ③
問2:正解 ②(解答番号2/配点3)

<問題要旨>
ハエの遺伝子型によって虫こぶの直径が変わり、ハチと鳥の捕食によって虫こぶの直径に自然選択がはたらくと仮定したとき、エ(鳥の生息地が消失すると増加する虫こぶの直径)と オ(虫こぶの直径によってハチの産卵管の長さに自然選択がはたらく場合に、ハエとハチとの間で起こること)を選びます。

<考え方>
鳥が消えると、大きい虫こぶの不利がなくなります。オは「互いが互いに対して選択圧になる」関係なので、その名前を思い出します。

【エ 鳥がいなくなると】
 大きい虫こぶ
  ハチには刺されにくい(産卵成功率 6 %)
  しかし鳥に襲われやすい(23 %)

 鳥がいなくなると
  大きい虫こぶの不利が消える
  → 大きい虫こぶをつくるハエが有利

 エ = 大きい

【オ ハエとハチの関係】
 虫こぶが大きく(外壁が厚く)なる
  → 産卵管の長いハチが有利になる
  → ハチの産卵管が長くなる
  → ハエはさらに大きい虫こぶが有利

 このように2種が互いに影響し合って
 進化することを 共進化 という

 種分化は1つの種が複数の種に分かれること

 オ = 共進化

よって ②
問3:正解 ④(解答番号3/配点3)

<問題要旨>
自然選択に関する記述として誤っているものを選びます。

<考え方>
自然選択が成り立つ条件と、その結果としての適応を確認します。「人間の活動」を除外している選択肢は、工業暗化や薬剤耐性の例を思い出せば消せます。

① 自然選択は、個体間の遺伝的変異に応じて
  繁殖力や生存率に差がある場合に起こる
              正しい

② 自然選択の結果、生物が生息環境に適した
  形質をもつことを適応とよぶ  正しい

③ 自然選択は、人間の様々な形質にも
  はたらいてきた
  鎌状赤血球貧血症とマラリア耐性、
  乳糖分解酵素の持続など    正しい

④ 人間の活動によって起こった環境の変化は
  自然選択の原因とはならない

  オオシモフリエダシャクの工業暗化
  農薬に対する害虫の抵抗性
  抗生物質に対する細菌の耐性
  いずれも人間の活動が原因の自然選択
  → 誤り ←これ

⑤ 生物集団の遺伝的構成を変化させる原因は
  自然選択だけではない
  遺伝的浮動、突然変異、移住など
              正しい

よって ④

※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

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