2020年度 大学入試センター試験 本試験 生物 解答・解説

2020年度 大学入試センター試験 本試験「生物」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。

目次
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解答

解説

2020年度(令和2年度)大学入試センター試験 本試験「生物」の全問解説です。第1問〜第5問が必答で各18点(計90点)、第6問と第7問はどちらか1問を選択して解答します(各10点)。このページでは第6問・第7問の両方を解説しているため、表示している配点の合計は110点になります(満点は100点)。解答番号は大問ごとに1から振り直される形式なので、各設問の解答番号はその大問の中での番号です。第1問〜第5問はA・Bの2つの文章に分かれているため、この記事もA・Bごとに見出しを分けています。各設問の見出しをタップすると、その問題の考え方と手順が開きます。まちがえた設問だけを選んで確認してください。

第1問 A 遺伝子発現の調節(オペロンとヌクレオソーム)

原核生物と真核生物の転写調節を対比させる小問3題です。オペロンの用語、ラクトースオペロンの動き方、そしてヌクレオソームからスプライシングまでを順に確認します。

問1:正解 ⑧(解答番号1/配点3)

<問題要旨>
大腸菌における遺伝子発現の調節についての文章中の ア(機能的に関連のある遺伝子群のまとまり)、イ(リプレッサーが結合する領域)、ウ(リプレッサーが結合したときの転写)に入る語の組合せを選びます。

<考え方>
原核生物特有の用語を整理します。「イントロン」と「プライマー」は転写調節の用語ではないので、その時点で選択肢が絞れます。

【用語の整理】
 オペロン
  機能的に関連する遺伝子が隣接し
  まとめて転写調節を受けるまとまり

 プロモーター
  RNA ポリメラーゼが結合する領域

 オペレーター
  リプレッサー(調節タンパク質)が
  結合する領域

 イントロン
  真核生物の遺伝子で
  スプライシングにより除かれる部分

 プライマー
  DNA 複製の起点になる短い RNA

【あてはめる】
 ア = オペロン
 イ = オペレーター

 リプレッサーがオペレーターに結合すると
 RNA ポリメラーゼが進めなくなる
 → 転写は 抑制 される

 ウ = 抑制

よって ⑧
問2:正解 ④(解答番号2/配点4)

<問題要旨>
大腸菌がラクトースを栄養源として利用するために、ラクトースを分解する酵素の遺伝子の転写を調節するしくみとして最も適当なものを選びます。

<考え方>
ラクトースがあるときに酵素が必要になる、という向きから逆算します。「必要なときに転写が進む」ためには、抑えていたものが外れる必要があります。

【ラクトースがないとき】
 リプレッサーがオペレーターに結合
 → RNA ポリメラーゼが進めない
 → 転写されない(酵素は不要)

【ラクトースがあるとき】
 ラクトースに由来する物質が
 リプレッサーに結合
 → リプレッサーの立体構造が変わり
  オペレーターに結合できなくなる
 → 転写が進む(酵素がつくられる)

【選択肢の判定】
①② RNA ポリメラーゼが
  ラクトース由来の物質と結合する
  結合するのはリプレッサー ×

③ リプレッサーが結合できるようになる
  向きが逆         ×

④ リプレッサーが結合できなくなる ○

⑤⑥ リプレッサーがつくられない
  リプレッサーは常につくられており
  結合できるかどうかで調節される ×

よって ④
問3:正解 ⑤(解答番号3/配点3)

<問題要旨>
真核生物の染色体と転写についての文章中の エ(DNA が巻きつくもの)、オ(プロモーターに RNA ポリメラーゼとともに結合するもの)、カ(スプライシングが起こる場所)に入る語の組合せを選びます。

<考え方>
ヌクレオソームの構造、転写開始複合体の構成、そしてスプライシングがいつどこで起こるかを順に確認します。翻訳と混同しないことがポイントです。

【エ DNA が巻きつくもの】
 ヒストン(8個のタンパク質)に
 DNA が巻きついた構造がヌクレオソーム

 DNA ポリメラーゼは複製の酵素で
 DNA が巻きつく相手ではない

 エ = ヒストン

【オ プロモーターに結合するもの】
 基本転写因子が RNA ポリメラーゼとともに
 プロモーターに結合して転写が始まる

 リボソームは翻訳の場で
 プロモーターには結合しない

 オ = 基本転写因子

【カ スプライシングの場所】
 転写でできた RNA から
 イントロンが取り除かれて mRNA になる

 転写は核内で起こるので
 スプライシングも核内
 (そのあと mRNA が細胞質へ出る)

 カ = 核内

よって ⑤

第1問 B 細胞周期(増殖曲線と DNA 量のヒストグラム)

培養細胞の増殖曲線から細胞周期の長さを求め、DNA 量の分布から各時期を読み分けます。問4は「倍加時間=細胞周期」という置きかえに気づけるかが勝負です。

問4:正解 ②(解答番号4/配点4)

<問題要旨>
動物細胞を培養して10時間ごとに細胞密度を調べた図1と、培養開始から50時間後に凝縮した染色体をもつ細胞が 10 % 見られたという結果から、細胞周期の中で「分裂期」に要する時間を求めます。

<考え方>
指数増殖している区間で「細胞密度が2倍になるのに何時間かかるか」を読めば、それが細胞周期の長さです。次に「その時期の細胞の割合」を掛ければ、その時期の長さになります。

【細胞周期の長さ(倍加時間)】
 図1は縦軸が対数目盛
 指数増殖している区間で
 密度が2倍になる時間を読む

 50時間 … 1×10⁶
 70時間 … 2×10⁶

 20時間で2倍
 → 細胞周期 = 20時間

【分裂期の割合】
 凝縮した染色体をもつ細胞
  = 分裂期の細胞
  = 全体の 10 %

【分裂期の長さ】
 各時期の長さは
 その時期の細胞の割合に比例する

 20 時間 × 0.10 = 2 時間

よって ②
問5:正解 ⑤(解答番号5/配点4)

<問題要旨>
培養開始から50時間後の細胞集団における細胞あたりの DNA 量を調べた図2で、A・B・C の範囲にある細胞がそれぞれどの時期の細胞かを答えます。

<考え方>
横軸の DNA 量が「2」と「4」のどこにピークがあるかを見ます。複製前が2、複製後が4で、その間が複製中です。分裂期の細胞は複製が済んでいるので4の側にいます。

【図2 の読み取り】
 DNA 量 2 のところに大きなピーク
 DNA 量 4 のところに小さなピーク
 その間はなだらか

 A の範囲 … DNA 量 2 付近
 B の範囲 … DNA 量 2 と 4 の間
 C の範囲 … DNA 量 4 付近

【各時期の DNA 量】
 分裂完了 → 複製開始まで(G₁期)
  DNA 量 2 のまま

 DNA の複製を行う時期(S期)
  2 から 4 へ増えていく途中

 複製完了 → 分裂開始まで(G₂期)
 および 分裂期(M期)
  DNA 量 4

【対応づけ】
 キ「DNA の複製を行う時期」= B
 ク「複製完了から分裂開始まで」
  または「分裂期」= C
 ケ「分裂完了から複製開始まで」= A

よって ⑤

第2問 A ホヤの卵片と発生運命の決定

未受精卵を4つの卵片に分けるという古典的な実験を題材に、「どの実験結果が推論に不可欠か」を問う設問が並びます。問3は細胞質・タンパク質・RNA を別々に注入した4つの実験を突き合わせます。

問1:正解 ⑦(解答番号1/配点3)

<問題要旨>
動物の発生についての文章中の ア(受精後に繰り返される分裂)、イ(発生運命の決定に関わる調節◯◯)、ウ(DNA 領域が調節するもの)に入る語の組合せを選びます。

<考え方>
受精卵が多細胞化していく分裂の名前と、遺伝子発現を調節する分子の種類、そして「DNA 領域に結合して調節する」のが何の段階かを確認します。

【ア 受精後の分裂】
 受精卵が体を大きくせずに
 細胞数だけを増やしていく分裂
 → 卵割

 接合は配偶子が合体すること
 分裂の名前ではない

 ア = 卵割

【イ 調節するもの】
 調節遺伝子から合成された
 調節タンパク質が
 DNA に結合して働く

 「調節遺伝子が DNA 領域に結合する」
 のではない

 イ = タンパク質

【ウ 何を調節するか】
 DNA 領域(プロモーターや
 転写調節領域)に結合して調節するのは
 転写の段階

 翻訳は細胞質のリボソームで起こり
 DNA 領域とは関係しない

 ウ = 転写

よって ⑦
問2:正解 ⑥(解答番号2/配点3)

<問題要旨>
一連の実験から「黒卵片のみに筋肉細胞への分化を決定づける能力がある」と推論できました。実験結果 ⓐ〜ⓔ のうち、この推論を合理的に導くために必要不可欠なものの組合せを選びます。

<考え方>
推論は「黒卵片を加えたときだけ筋肉細胞ができる」という形をしています。そのために必要なのは、①加えないとどうなるか、②加えるとどうなるか、③ほかの卵片ではどうか、の3つです。核は赤卵片にしかない点にも注意します。

【推論を支えるのに必要な3点】

① 黒卵片がないときは筋肉細胞ができない
 ⓑ 赤卵片のみ → 表皮細胞のみ分化
  基準になる結果       必要

② 黒卵片を加えると筋肉細胞ができる
 ⓒ 赤卵片+黒卵片
  → 表皮細胞と筋肉細胞     必要

③ ほかの卵片では筋肉細胞ができない
 ⓓ 赤卵片+茶卵片、赤卵片+白卵片
  → いずれも表皮細胞のみ
  「黒卵片のみ」を言うために  必要

【不要なもの】
 ⓐ 表皮細胞ではたらく遺伝子を
  核内に含んでいた
  遺伝子の所在の話であり
  筋肉分化の決定能とは別    不要

 ⓔ 茶卵片+黒卵片、白卵片+黒卵片
  → 筋肉細胞を含む胚にならなかった
  核は赤卵片にしかないので
  そもそも発生が進まない
  黒卵片の能力の有無は判定できない 不要

必要不可欠なのは ⓑ, ⓒ, ⓓ

よって ⑥
問3:正解 ⑤(解答番号3/配点3)

<問題要旨>
実験1(黒卵片の細胞質の全てを注入 → 筋肉細胞ができた)、実験2(タンパク質の全て → 表皮細胞のみ)、実験3(RNA の全て → 筋肉細胞ができた)、実験4(何も注入しない → 表皮細胞のみ)から、黒卵片に含まれる物質のはたらきについての考察を選びます。

<考え方>
4つの実験を「筋肉細胞ができたか、できなかったか」で2つに分けます。できたほうに共通して入っていた物質が、発生運命を決めている物質です。

【実験の整理】
 筋肉細胞ができた
  実験1 細胞質の全て
  実験3 RNA の全て

 筋肉細胞ができなかった
  実験2 タンパク質の全て
  実験4 何も注入せず

 → 効果があったのは RNA
 → タンパク質には効果がない

【選択肢の判定】
①②③ タンパク質のはたらきとするもの
  実験2で効果がない      ×

④ RNA が DNA に結合して
  遺伝子発現を調節する
  実験からは結合するかどうかまでは
  分からない          ×

⑤ RNA が発生運命を決定する
  実験1・3 と 実験2・4 の対比から
  そのまま言える        ○

⑥ RNA が翻訳され筋収縮タンパク質になる
  何になるかは実験から分からない ×

⑦⑧⑨ タンパク質と RNA の両方が必要
  RNA だけで筋肉細胞ができている ×

よって ⑤

第2問 B アサガオの花器官(ABC モデル)と減数分裂

江戸時代の「牡丹」や明治時代の「枇杷咲き」といった変異体を題材に、ABC モデルを当てはめます。問4は図をよく見て、どの領域がどの器官に置きかわったかを丁寧に対応づけます。

問4:正解 変異体X ③・変異体Y ①(解答番号4・5/配点6)

<問題要旨>
花器官の全てががく片となる変異体 X(図5)と、花弁の代わりにおしべが、がく片の代わりにめしべが形成される変異体 Y(図6)で、それぞれ機能が失われていると考えられる遺伝子のクラスを選びます。

<考え方>
ABC モデルを外側から書き出します。がく片=A、花弁=A+B、おしべ=B+C、めしべ=C。そして A と C は互いに抑制し合うので、片方が失われるともう片方が全体に広がります。

【ABC モデル】
 領域1 がく片 … A
 領域2 花弁  … A+B
 領域3 おしべ … B+C
 領域4 めしべ … C

 A と C は互いに抑制し合う

【変異体X 全てががく片】
 がく片は A のみでできる
 → どの領域も A だけが働いている
 → B も C も機能していない

 変異体X = B と C → ③

【変異体Y】
 がく片 → めしべ に置きかわった
 花弁  → おしべ に置きかわった
 おしべ・めしべはそのまま

 A が失われると
 C が領域1・2 まで広がる

 領域1 C だけ → めしべ ○
 領域2 B+C  → おしべ ○
 領域3 B+C  → おしべ そのまま
 領域4 C   → めしべ そのまま

 すべて一致する

 変異体Y = A → ①

変異体X = ③, 変異体Y = ①
問5:正解 ⑥(解答番号6/配点3)

<問題要旨>
減数分裂についての文章中の エ(キアズマで染色体の一部が交換される現象)、オ(第一分裂終了時の1細胞あたりの DNA 量が減数分裂前の何倍か)、カ(第二分裂終了時は何倍か)に入る語と数値の組合せを選びます。

<考え方>
「乗換え」と「組換え」の違いをはっきりさせます。DNA 量は、減数分裂に入る前を1として、複製で2になってから2回分裂する、と順に追えば決まります。

【エ 乗換えと組換え】
 乗換え
  相同染色体がキアズマで
  染色体の一部を交換する現象そのもの

 組換え
  乗換えの結果として
  遺伝子の組合せが変わること

 「染色体の一部が交換される」現象は
 乗換え

 エ = 乗換え

【オ・カ DNA 量の変化】
 減数分裂に入る前を 1 とする

 DNA の複製 → 2
 第一分裂で2つに分かれる → 1
 第二分裂で2つに分かれる → 1/2

 オ = 1
 カ = 1/2

(第一分裂終了時は、染色体数は半分だが
  各染色体が2本の染色分体をもつので
  DNA 量はもとと同じ 1 になる)

よって ⑥

第3問 A 受容器・神経と筋肉・ガの性フェロモン

遠近調節、神経と筋肉の基本用語、そしてガの走性の実験が並びます。問3は「感知できるか」と「近づけるか」を分けて読むのがポイントで、片側だけ触角を切った実験がその鍵になります。

問1:正解 ⑤(解答番号1/配点3)

<問題要旨>
ヒトが遠くのものを見るときの、毛様筋(毛様体)、チン小帯、および水晶体の変化の組合せを選びます。

<考え方>
毛様筋は輪状の筋肉です。縮むと輪が小さくなり、輪から水晶体を引っぱっているチン小帯がゆるむ、という順に考えます。遠くを見るときはその逆です。

【近くを見るとき】
 毛様筋が収縮
 → 輪が小さくなる
 → チン小帯がゆるむ
 → 水晶体が自らの弾性で厚くなる
 → 屈折力が大きくなり
  近くの像が網膜に結ぶ

【遠くを見るとき】(設問はこちら)
 毛様筋が弛緩
 → 輪が大きくなる
 → チン小帯が緊張して引っぱる
 → 水晶体が薄くなる
 → 屈折力が小さくなり
  遠くの像が網膜に結ぶ

 毛様筋 … 弛緩する
 チン小帯 … 緊張する
 水晶体 … 薄くなる

よって ⑤
問2:正解 ③(解答番号2/配点3)

<問題要旨>
ヒトの神経と筋肉に関する記述として最も適当なものを選びます。

<考え方>
用語のペア(単収縮と強縮、伝導と伝達)を取り違えていないか、また筋小胞体が放出するイオンが何かを確認します。

① 短い刺激を1回与えたときの収縮を強縮

  1回の刺激による収縮は単収縮(攣縮)
  刺激を連続で与えて重なったものが強縮
              ×

② 筋細胞が興奮すると
  筋小胞体はナトリウムイオンを放出

  放出するのはカルシウムイオン ×

③ シナプスにおいて、情報は軸索の末端から
  隣の細胞へ一方向のみに伝わる

  神経伝達物質は軸索側から放出され
  受容体は次の細胞側にある     ○

④ 末梢神経系は自律神経系と中枢神経系の
  二つに分けられる

  末梢神経系は体性神経系と自律神経系
  中枢神経系は脳と脊髄で別のもの ×

⑤ 伝達と伝導の説明が逆
  軸索に沿って伝わるのが伝導
  隣の細胞に伝わるのが伝達    ×

⑥ 無髄のほうが速い
  跳躍伝導のある有髄のほうが速い ×

よって ③
問3:正解 ⑧(解答番号3/配点3)

<問題要旨>
実験1(性フェロモンをしみこませた模型に雄が近づいた)、実験2(両側の触角を切除すると反応なし、片側だけ切除すると盛んに羽ばたくが回転するばかりで近づかない)、実験3(複眼を塗りつぶしても近づいた)、実験4(水をしみこませた模型には反応なし)から導かれる考察の組合せを選びます。

<考え方>
「感知しているか」と「近づけるか」を分けて考えます。片側切除の雄は羽ばたいている=感知はできているが、方向が定まらない、と読むのがこの問題の核心です。

【感知できるかどうか】
 両側切除 → まったく反応しない
  → 触角がないと感知できない

 片側切除 → 盛んに羽ばたく
  → 感知そのものはできている

 → 感知には触角が必要だが
  両側そろっている必要はない
  = ⓒ

【近づけるかどうか】
 片側切除 → 回転するばかりで近づかない
  → 方向を知るには両側必要

 複眼を塗りつぶしても近づいた(実験3)
  → 視覚情報は不要

 → 視覚情報は不要で
  両側の触角がそろっている必要がある
  = ⓔ

【実験4の役割】
 水をしみこませた模型には反応しない
 → 反応の原因が性フェロモンであることの
  対照実験

適当なのは ⓒ と ⓔ

よって ⑧

第3問 B アブシシン酸と乾燥耐性・種子の発芽

乾燥耐性が低下した2つの変異体を、「アブシシン酸をつくれるか」と「アブシシン酸に反応できるか」の2方向から切り分けます。図1と図2をそれぞれ別の指標として読むことが大切です。

問4:正解 ②(解答番号4/配点3)

<問題要旨>
実験5(乾燥ストレスを与えたときのアブシシン酸の量、図1)の結果から導かれる、変異体 C および変異体 D におけるアブシシン酸の合成に関する考察を選びます。

<考え方>
図1が測っているのは「アブシシン酸そのものの量」なので、合成できるかどうかが分かります。乾燥ストレスで増えたかどうかを2つの変異体で比べます。

【図1 の読み取り(アブシシン酸の量)】
 野生型
  ストレスなし 約1 → あり 約37(増加)
 変異体C
  ストレスなし 約1 → あり 約37(増加)
 変異体D
  ストレスなし 約1 → あり 約1.5(増えない)

【判定】
 変異体C は野生型と同じように
 アブシシン酸を合成できる → 正常

 変異体D はほとんど合成できない → 異常

よって ②
問5:正解 ③(解答番号5/配点3)

<問題要旨>
実験5・実験6(アブシシン酸を噴霧したときの遺伝子 X の発現量、図2)の結果をふまえて、アブシシン酸を噴霧したときに予想される変異体 C および変異体 D の乾燥耐性を選びます。

<考え方>
図2はアブシシン酸が「作用しているか」を示す指標です。図1(つくれるか)と図2(効くか)を組み合わせると、外から与えて助けられるのはどちらかが決まります。

【図2 の読み取り(遺伝子Xの発現量)】
 野生型
  噴霧なし 約1 → あり 約47(増加)
 変異体C
  噴霧なし 約1 → あり 約1(増えない)
 変異体D
  噴霧なし 約1 → あり 約47(増加)

【2つの図から分かること】
 変異体C
  合成は正常(図1)
  しかしアブシシン酸に反応しない(図2)
  → 受容・情報伝達が異常

 変異体D
  合成ができない(図1)
  しかし与えれば反応する(図2)
  → 受容・情報伝達は正常

【アブシシン酸を噴霧すると】
 変異体C
  与えても反応できない
  → 乾燥耐性は回復しない

 変異体D
  足りなかったものを補える
  → 乾燥耐性は回復する

よって ③
問6:正解 ②(解答番号6/配点3)

<問題要旨>
種子の発芽についての文章中の ア(ジベレリンが合成される場所)、イ(ジベレリンがはたらきかけてアミラーゼの合成を誘導する場所)、ウ(デンプンが貯蔵されている場所)に入る語の組合せを選びます。

<考え方>
オオムギ種子の発芽のしくみを、信号がどこからどこへ伝わるかの順に思い出します。胚 → 糊粉層 → 胚乳、という流れです。

【オオムギ種子の発芽】

① 種子が吸水する

② 胚 でジベレリンが合成される
  ア = 胚

③ ジベレリンが 糊粉層 にはたらきかけ
  アミラーゼの合成を誘導する
  イ = 糊粉層

④ アミラーゼが 胚乳 に貯蔵されている
  デンプンを分解して糖にする
  ウ = 胚乳

⑤ 糖が胚に吸収され、発芽が進む

(アブシシン酸はこの流れを抑え
  ジベレリンは促進する)

よって ②

第4問 A 外来生物と間接効果・社会性昆虫

ヒアリとアブラムシの関係を通して、間接的な種間関係を読み解きます。問2は「個体数が少ないこと自体が新たな絶滅要因になる」という絶滅の渦の考え方を問う設問です。

問1:正解 ②(解答番号1/配点3)

<問題要旨>
アブラムシは甘露を分泌しヒアリに提供し、ヒアリはアブラムシの天敵であるテントウムシを攻撃してアブラムシを守ります。ア(アブラムシとヒアリの関係)と イ(ワタ畑からヒアリだけを駆除したときのアブラムシによるワタの食害)の組合せを選びます。

<考え方>
まず双方が利益を得ているかどうかで種間関係の名前を決めます。次に、ヒアリを取り除くと守られていたアブラムシがどうなるかを順に追います。

【ア 種間関係】
 アブラムシ → ヒアリ
  甘露(餌)を提供する
 ヒアリ → アブラムシ
  テントウムシから守る

 双方が利益を得ている
 → 相利共生

(寄生は一方だけが利益を得る関係)

 ア = 相利共生

【イ ヒアリを駆除すると】
 ヒアリがいなくなる
 → テントウムシが攻撃されなくなる
 → テントウムシが増える
 → アブラムシが食べられて減る
 → ワタの食害は減少する

 イ = 減少

(ヒアリはワタを直接食べないが
  アブラムシを介して間接的に
  ワタに害を及ぼしていた)

よって ②
問2:正解 ①(解答番号2/配点3)

<問題要旨>
いったん個体数が少なくなると個体群の絶滅する確率は高まります。これは個体数が少ないこと自体が新たな絶滅の要因を誘発するからです。誘発される絶滅の要因として最も適当なものを選びます。

<考え方>
個体数が減ると何が起こるかを考えます。競争はむしろ弱まる方向なので、残るのは集団の遺伝的な性質の変化です。

【個体数が減ると起こること】
 集団が小さいと
  遺伝的浮動の影響が大きくなる
  近親交配が増える

 → 遺伝的多様性が低下する
 → 環境の変化や病気に対応できる
  個体がいなくなる
 → さらに個体数が減る(絶滅の渦)

【選択肢の判定】
① 遺伝的多様性の低下      ○

②③ 種内競争の激化
  個体数が減れば種内競争はむしろ緩和
  向きが逆           ×

④ 相変異による形態や行動の変化
  トノサマバッタなどで
  密度が高いときに起こる現象
  個体数が少ない場合の話ではない ×

⑤ 種間競争の緩和
  緩和はむしろ有利にはたらく  ×

よって ①
問3:正解 ②(解答番号3/配点4)

<問題要旨>
社会性昆虫についての文章中の ウ(アリやハチのほかの社会性昆虫)、エ(コロニーを構成する多数の個体)、オ(哺乳類や鳥類で共同で子育てを行う個体)、カ(エは生殖能力をもつかどうか)の組合せを選びます。

<考え方>
「社会性昆虫」に含まれる昆虫はどれかをまず決めます。次にワーカーとヘルパーがそれぞれどの動物群の用語かを確認します。

【ウ 社会性昆虫】
 アリ・ハチ・シロアリが代表

 トノサマバッタは集団になることはあるが
 女王とワーカーの分業はなく
 社会性昆虫ではない

 ウ = シロアリ

【エ・オ ワーカーとヘルパー】
 ワーカー(働きアリ・働きバチ)
  社会性昆虫のコロニーを構成する
  多数の個体

 ヘルパー
  哺乳類や鳥類で
  自分は繁殖せず
  親の子育てを手伝う個体

 エ = ワーカー
 オ = ヘルパー

【カ 生殖能力】
 ヘルパーは条件が整えば
 自分でも繁殖できる

 一方、社会性昆虫のワーカーは
 多くの場合、一生をとおして
 生殖能力を もたない

 カ = もたない

よって ②

第4問 B 被食防御と成長能力(虫あり区と虫なし区)

網で覆った区と覆わなかった区を、2種類の土壌で比べる実験です。問5は「虫なし区の値」と「虫なし区と虫あり区の差」という2つの読み方を使い分ける必要があり、この年でも手間のかかる設問でした。

問4:正解 ②(解答番号4/配点4)

<問題要旨>
植物の被食量と純生産量の関係を表す式として最も適当なものを選びます。

<考え方>
純生産量が何に分かれていくかを書き出します。総生産量から呼吸量を引いたものが純生産量で、そこからさらに食べられた分と枯れた分を除いた残りが成長量です。

【物質収支の関係】
 総生産量 = 純生産量 + 呼吸量

 純生産量 = 成長量 + 被食量 + 枯死量

【意味】
 純生産量は、光合成でつくった有機物から
 自分の呼吸に使った分を除いたもの

 そのうち
  食べられた分 … 被食量
  枯れて落ちた分 … 枯死量
  体に残った分 … 成長量

 呼吸量はすでに引かれているので
 純生産量の式に呼吸量は入らない

【選択肢の判定】
① 呼吸量が入っている        ×
② 成長量+被食量+枯死量      ○
③ 呼吸量が入っている        ×
④⑤⑥ 引き算になっている      ×

よって ②
問5:正解 ③ ④ ⑤ ④(解答番号5〜8/配点4)

<問題要旨>
実験1(富栄養土壌と貧栄養土壌のそれぞれに虫なし区と虫あり区を設け、富栄養植物と貧栄養植物の成長量を測定、図1)の結果に関する考察文の キ〜コ を埋めます。

<考え方>
「虫なし区の値」は本来の成長能力、「虫なし区と虫あり区の差」は食べられて失った量、つまり被食防御の弱さを表します。2つの読み方を混ぜないことが大切です。

【図1 の数値(成長量)】
 富栄養土壌
  富栄養植物 虫あり 0.235 / 虫なし 0.48
  貧栄養植物 虫あり 0.12 / 虫なし 0.13
 貧栄養土壌
  富栄養植物 虫あり −0.02 / 虫なし 0.205
  貧栄養植物 虫あり 0.10 / 虫なし 0.105

【キ 成長能力(虫なし区で比較)】
 富栄養土壌 0.48 > 0.13
 貧栄養土壌 0.205 > 0.105
 → どちらの土壌でも富栄養植物が高い

 キ = ③ 富栄養土壌と貧栄養土壌の両方

【ク 差と被食防御の関係】
 差が小さい
 = 虫がいても成長量が減らない
 = 食べられていない
 → 被食防御の能力が 高い

 ク = ④ 高い

【ケ 富栄養植物の被食防御】
 富栄養植物の差
  0.48 − 0.235 = 0.245
  0.205 −(−0.02) = 0.225
 貧栄養植物の差
  0.13 − 0.12 = 0.01
  0.105 − 0.10 = 0.005

 → 富栄養植物のほうが差が大きい
 → 被食防御の能力は 低い

 ケ = ⑤ 低い

【コ 貧栄養植物の特徴】
 成長能力は低いが
 差がほとんどないので
 被食防御の能力は 高い

 コ = ④ 高い

キ ③ / ク ④ / ケ ⑤ / コ ④
(解答番号5 が2点、解答番号6〜8 は
  3つ全部正解で2点)

第5問 A 進化のしくみ(遺伝子頻度・同義置換と非同義置換)

中立な突然変異が遺伝的浮動で広がるという考え方を軸にした小問3題です。問3は「置換の率が低い=その変化が許されない=有害」という読みかえができるかどうかで決まります。

問1:正解 ①(解答番号1/配点2)

<問題要旨>
種間の塩基配列の違いについての文章中の ア(生存や繁殖に影響しない突然変異が集団中に広まる主な原因)、イ(種間の塩基配列の違いの多くが由来する突然変異の種類)、ウ(分岐後の時間が長いほど塩基配列の違いはどうなるか)の組合せを選びます。

<考え方>
有利でも不利でもない変異がどうやって広まるのかを考えます。そのような変異は自然選択を受けないので、偶然によって頻度が変わります。

【ア 中立な変異が広まる原因】
 生存や繁殖に影響しない突然変異は
 自然選択を受けない
 → 偶然による頻度の変化
  = 遺伝的浮動 によって広まる

 生殖的隔離は種分化に関わる概念で
 変異が広まるしくみではない

 ア = 遺伝的浮動

【イ 種間の違いの由来】
 有利な変異は数が限られ
 不利な変異は取り除かれる

 実際に蓄積するのは
 生存や繁殖に「影響しない」変異が大半

 イ = 影響しない

【ウ 時間との関係】
 変異は時間とともに蓄積するので
 分岐後の時間が長いほど
 塩基配列の違いは 大きい

 (これが分子時計の考え方)

 ウ = 大きい

よって ①
問2:正解 ④(解答番号2/配点3)

<問題要旨>
ある動物の集団で W の遺伝子頻度が 0.8 のとき、各遺伝子型(WW、Ww、ww)の個体数の割合を示したグラフを選びます(ハーディ・ワインベルグの法則が成立)。

<考え方>
p と q を出して p²、2pq、q² を計算するだけです。ヘテロが最も多くなるわけではない点に注意します。

【遺伝子頻度】
 W の頻度 p = 0.8
 w の頻度 q = 1 − 0.8 = 0.2

【遺伝子型の頻度】
 WW = p² = 0.8 × 0.8 = 0.64
 Ww = 2pq = 2 × 0.8 × 0.2 = 0.32
 ww = q² = 0.2 × 0.2 = 0.04

 合計 0.64 + 0.32 + 0.04 = 1.00 ✓

【百分率に直す】
 WW 64 %
 Ww 32 %
 ww 4 %

 → WW が最も高く
  Ww がその半分ほど
  ww はごくわずか

よって ④
問3:正解 ④(解答番号3/配点4)

<問題要旨>
表1(遺伝子 X〜Z の非同義置換の率と同義置換の率)に基づき、突然変異が起きた場合に個体の生存や繁殖に有害な作用が起きる確率の大小関係を選びます。

<考え方>
同義置換はアミノ酸を変えないので、ほぼ中立な変化としてそのまま蓄積します。一方、非同義置換の率が低いということは、その変化が起きても集団に残らなかった=取り除かれた、ということです。

【同義置換と非同義置換】
 同義置換
  アミノ酸が変わらない
  → ほぼ中立で蓄積しやすい
  → どの遺伝子でも似た率になる

 非同義置換
  アミノ酸が変わる
  → 有害なら自然選択で取り除かれる
  → 有害な遺伝子ほど率が低くなる

【表1 の非同義置換の率】
 遺伝子X 0.0
 遺伝子Z 0.6×10⁻³
 遺伝子Y 1.8×10⁻³

【有害な作用が起きる確率】
 率が低いほど、変化が許されない
 = 有害な作用が起きる確率が高い

 X(0.0)が最も高い
 Y(1.8×10⁻³)が最も低い

 Y < Z < X

よって ④

第5問 B 植物の系統と陸上進出

系統樹への当てはめ、化石が示す年代、そしてコケ植物の吸水を扱います。問6は含水率の定義に戻って「乾燥重量は変わらない」ことを使う計算で、少し骨があります。

問4:正解 ③(解答番号4/配点3)

<問題要旨>
図1(アカマツ、アジサイ、ギンゴケ、ゼニゴケ、ハス、ワラビの系統樹)の エ〜カ に入る植物の組合せを選びます。

<考え方>
系統樹の根元に近いところで分かれた枝ほど古い系統です。コケ植物 → シダ植物 → 裸子植物 → 被子植物 という陸上植物の進化の順序を当てはめます。

【系統樹の分かれ方】
 根元でまず2つに分かれる
  上の枝 … エ と ギンゴケ
  下の枝 … ワラビ, オ, ハス, カ

【上の枝】
 ギンゴケはコケ植物
 → 同じ枝の エ もコケ植物
 → 選択肢のコケ植物は ゼニゴケ

 エ = ゼニゴケ

【下の枝の分かれ方】
 まず ワラビ(シダ植物)が分かれ
 次に オ が分かれ
 最後に ハス と カ が分かれる

 陸上植物の進化の順序は
  シダ植物 → 裸子植物 → 被子植物

 → オ は裸子植物 = アカマツ
 → カ はハスと同じ被子植物 = アジサイ

 オ = アカマツ
 カ = アジサイ

よって ③
問5:正解 ①(解答番号5/配点3)

<問題要旨>
ある地層から、維管束はもつが根や葉をもたない植物の化石が多数得られ、根や葉をもつ植物の化石は見られませんでした。この地層が形成された年代を選びます。

<考え方>
「維管束はあるが根も葉もない」という段階の植物が何かを思い出します。さらに「根や葉をもつ植物がまだいない」ことが年代の上限を決めます。

【維管束はあるが根や葉がない植物】
 クックソニアやリニアなど
 初期の陸上植物(原始的な維管束植物)

 シルル紀(約4.4〜4.2億年前)ごろに出現

【根や葉をもつ植物】
 シダ植物
 デボン紀(約4.2〜3.6億年前)に繁栄

【地層の年代】
 初期の維管束植物はいるが
 シダ植物はまだいない
 → シダ植物が現れる前の時代
 → 4億年より前

(② 3億年前は石炭紀で
  大型のシダ植物の森林ができた時代
  ③ 1億年前は中生代白亜紀
  ④ 6500万年前は中生代の終わり)

よって ①
問6:正解 ②(解答番号6/配点3)

<問題要旨>
湿度 100 % の密閉容器に干からびたギンゴケを入れ、重量の変化を45分ごとに記録した表2について、キ(水分を吸収する場所)と ク(含水率が 60 % を超える最も早い処理時間)を答えます。処理時間0分での含水率は 8 % です。

<考え方>
コケ植物には維管束がないので、水の入り口を考えます。クは「乾燥重量は変わらない」ことを使い、含水率が60%になるときの全重量を先に求めてから表を見ます。

【キ 吸水の場所】
 コケ植物は維管束をもたず
 根も(仮根はあるが)吸水器官ではない

 → からだ全体の表面から
  直接水を吸収する

(気孔はコケ植物のさく(胞子体)に
  わずかにあるが吸水口ではない)

 キ = からだ全体

【ク 含水率が60%を超える時刻】
 処理時間0分
  重量 100、含水率 8 %
  → 水分 8、乾燥重量 92

 乾燥重量 92 は吸水しても変わらない

 全重量を W とすると
  水分 = W − 92

 含水率が 60 % を超える条件
  (W − 92) / W > 0.60
  W − 92 > 0.60 W
  0.40 W > 92
  W > 230

【表2 と照合】
  0分 100  ×
  45分 205  ×
  90分 235  ○ ←ここで初めて超える
 135分 275  ○
 180分 295  ○

 ク = 90

よって ②

第6問〔選択問題〕酵素の細胞内輸送と選択的スプライシング

第6問と第7問はどちらか1問を選択します(このサイトでは両方を解説しています)。ペルオキシソームへの輸送シグナルを GFP で調べ、さらに mRNA の塩基配列から読み枠をたどる、10点の大問です。

問1:正解 ③(解答番号1/配点3)

<問題要旨>
実験1(酵素X1、酵素X2、および「酵素X1の末尾の7つのアミノ酸を削除したタンパク質」の酵素活性はどれも同等)と実験2(GFP と GFP-2 は細胞質基質のみ、GFP-1 はペルオキシソームのみで蛍光)から導かれる考察の ア・イ を埋めます。

<考え方>
実験2は「どこへ行くか」を、実験1は「活性が変わるか」を調べています。GFP という無関係なタンパク質につないでも行き先が変わった、という点が輸送シグナルの証拠になります。

【実験2 から分かること】
 GFP そのもの   → 細胞質基質
 GFP-1(X1の末尾7個を付加)
         → ペルオキシソーム
 GFP-2(X2の末尾2個を付加)
         → 細胞質基質

 本来細胞質基質にとどまる GFP が
 X1 の末尾7アミノ酸をつけただけで
 ペルオキシソームへ運ばれた

 → X1 の末尾7アミノ酸が
  ペルオキシソームへの輸送シグナル

 ア = X1の末尾の7つのアミノ酸

【実験1 から分かること】
 酵素X1(末尾7個あり)
 酵素X2(末尾2個)
 末尾7個を削除したタンパク質

 → どれも同等の活性
 → 末尾の配列は活性に関係しない

 イ = 変化させない

よって ③
問2:正解 ②(解答番号2/配点4)

<問題要旨>
遺伝子 X はゲノム中に一つしかなく、選択的スプライシングによって3種類の mRNA(A〜C)が作られます。図1の塩基配列(下線は終止コドン)から、酵素X1 と酵素X2 に対応する mRNA の組合せを選びます。

<考え方>
3本の mRNA は 5′ 側の AGCCUUGG… を共有しているので、読み枠も共通です。共通部分の最後の G から3塩基ずつ区切って、終止コドンまでにアミノ酸が何個できるかを数えます。X1 は7個、X2 は2個です。

【読み枠のとり方】
 共通部分 …AGCCUUGG の
 最後の G から3塩基ずつ区切る
 (下線の終止コドンが
  ちょうど枠に合うことで確かめられる)

【mRNA-A】
 G|AA UUG CCU GUG UCA AAG CUG UGA…
  GAA UUG CCU GUG UCA AAG CUG
  → アミノ酸 7 個
  次の UGA が終止コドン(下線と一致)

 → 末尾7アミノ酸 = 酵素X1

【mRNA-B】
 G|GU UUC AAU ACU UGA…
  GGU UUC AAU ACU
  → アミノ酸 4 個
  次の UGA が終止コドン(下線と一致)

 → 4個はX1でもX2でもない

【mRNA-C】
 G|GU AUA UAA…
  GGU AUA
  → アミノ酸 2 個
  次の UAA が終止コドン(下線と一致)

 → 末尾2アミノ酸 = 酵素X2

酵素X1 = mRNA-A
酵素X2 = mRNA-C

よって ②
問3:正解 ⑤(解答番号3/配点3)

<問題要旨>
光受容体についての文章中の ウ(レタスの発芽の促進などに関わる受容体)、エ(光屈性や気孔の開口などに関わる受容体)、オ(植物Aが応答した光の色)の組合せを選びます。

<考え方>
光受容体は「何に関わるか」と「どの色の光を受けるか」がセットで決まっています。フィトクロムとフォトトロピンの役割を思い出せば、オも自動的に決まります。

【光受容体の整理】
 フィトクロム
  赤色光・遠赤色光を受容
  レタス種子の発芽、花芽形成、
  茎の伸長などに関わる

 フォトトロピン
  青色光を受容
  光屈性、気孔の開口、
  葉緑体の定位運動に関わる

 クリプトクロム
  青色光を受容
  茎の伸長抑制などに関わる

【あてはめる】
 ウ = フィトクロム(レタスの発芽)
 エ = フォトトロピン(光屈性・気孔)

【オ 光の色】
 ウ(フィトクロム)を欠損した変異体でのみ
 応答が失われた
 → 応答していたのはフィトクロム
 → フィトクロムが受容するのは赤色光

 オ = 赤

よって ⑤

第7問〔選択問題〕生物の進化と地球環境

第6問との選択問題です。大気の変化と生物の進化、節足動物の特徴、そして光合成色素の薄層クロマトグラフィーから系統を推定する、10点の大問です。

問1:正解 ⑧(解答番号1/配点3)

<問題要旨>
生物と地球環境の移り変わりについての文章中の ア(酸素発生型の◯◯を行う生物)、イ(紫外線を吸収する物質とその層)、ウ(約6億年前の先カンブリア時代末期の軟らかいからだをもつ多細胞生物の化石)の組合せを選びます。

<考え方>
酸素をつくる代謝は何か、その酸素からできる層は何かを順にたどります。ウは「先カンブリア時代末期」と「軟らかいからだ」の2つが手がかりです。

【ア 酸素をつくる代謝】
 酸素発生型の光合成
 シアノバクテリアが行い
 大気中の酸素が増加した

 化学合成は無機物の酸化で
 エネルギーを得る代謝で
 酸素を発生しない

 ア = 光合成

【イ 紫外線を吸収する層】
 酸素 O₂ が紫外線でオゾン O₃ になり
 上空にオゾン層が形成された

 フロンはオゾン層を破壊する物質で
 層をつくるものではない

 イ = オゾン

【ウ 先カンブリア時代末期の化石】
 エディアカラ生物群
  約6億年前、先カンブリア時代末期
  硬い骨格をもたない扁平な生物

 バージェス動物群
  古生代カンブリア紀
  硬い殻や骨格をもつものを含む

 ウ = エディアカラ生物群

よって ⑧
問2:正解 ①・⑤(解答番号2・3/配点4)

<問題要旨>
節足動物に関する記述として適当なものを二つ選びます。

<考え方>
節足動物の特徴を2つ思い出します。原口が口になる前口動物であること、そしてからだが体節に分かれることです。そのうえで、比較されている動物がそれと同じかどうかを確かめます。

【節足動物の特徴】
 ・前口動物(胚の原口が将来の口になる)
 ・からだが体節に分かれる
 ・外骨格をもち脱皮する

【比較対象の動物】
 線形動物 … 前口動物、体節なし
 棘皮動物 … 後口動物(原口が肛門)
 環形動物 … 前口動物、体節あり
 軟体動物 … 前口動物、体節なし

【選択肢の判定】
① 線形動物と同様に、原口が将来の口
  どちらも前口動物      ○ 適当

② 線形動物と同様に、原口が肛門
  線形動物は前口動物     ×

③ 棘皮動物と同様に、原口が口
  棘皮動物は後口動物     ×

④ 棘皮動物と同様に、原口が肛門
  節足動物は前口動物     ×

⑤ 環形動物と同様に、体節に分かれる
  どちらも体節あり      ○ 適当

⑥ 環形動物と同様に、体節に分かれない
  環形動物は体節あり     ×

⑦ 軟体動物と同様に、体節に分かれる
  軟体動物に体節はない    ×

⑧ 軟体動物と同様に、体節に分かれない
  節足動物は体節あり     ×

よって ① と ⑤
問3:正解 ③(解答番号4/配点3)

<問題要旨>
シロツメクサの緑葉、アナアオサ(緑藻)、アラメ(褐藻)、マクサ(紅藻)から色素を抽出し薄層クロマトグラフィーで分離した図1について、考察文の エ〜カ を埋めます。

<考え方>
まず A〜D がどの生物かを、特徴的な色素で決めます。クロロフィル c とフコキサンチンは褐藻、クロロフィル b は緑藻と陸上植物、という対応が手がかりです。

【A〜D の判定】
 A クロロフィル c とフコキサンチンあり
  → 褐藻 = アラメ

 B クロロフィル a・カロテン・ルテインのみ
  クロロフィル b も c もない
  → 紅藻 = マクサ

 C クロロフィル b・ネオキサンチンあり
  ビオラキサンチンなし
  → 緑藻 = アナアオサ

 D クロロフィル b・ネオキサンチンに加え
  ビオラキサンチンもある
  → 陸上植物 = シロツメクサ

【エ・オ】
 文章「クロロフィルb と エ は
 アナアオサと オ のみで」

 クロロフィル b をもつのは C と D
 C と D にだけあってほかにないのは
 ネオキサンチン

 エ = ネオキサンチン
 オ = シロツメクサ(=D)

【カ 陸上植物に最も近縁なもの】
 色素組成が陸上植物と最もよく似ているのは
 クロロフィル b とネオキサンチンを共有する
 緑藻

 カ = 緑藻

よって ③

※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

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