2022年度 大学入学共通テスト 本試験「地学基礎」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。
解答
解説
第1問
問1:正解④
<問題要旨>
図1は逆断層、東西方向の圧縮でできる
図1は北が奥、西が左、東が右の断層の模式図です。断層面は西に向かって傾き下がっており、その断層面の上側にのる西側の岩盤(上盤)が、東側の岩盤(下盤)に対してずり上がっています。実際、濃い色の地層も地表面も西側の方が高い位置にあります。上盤がずり上がる断層が逆断層で、これは断層面の両側から押し合う力、すなわち東西方向の圧縮によってできます。引っぱりの力では上盤がずり下がって正断層になります。
<選択肢>
①【誤】
正断層でも東西方向の引っぱりでもありません。
引っぱりの力では上盤がずり下がり、地表には陥没した地形ができます。図1は上盤がずり上がっているので当てはまりません。
②【誤】
力のはたらき方(圧縮)は合っていますが、断層の種類が違います。
圧縮の力でできるのは逆断層です。正断層と圧縮という組合せは起こりません。
③【誤】
断層の種類(逆断層)は合っていますが、力のはたらき方が違います。
逆断層は引っぱりではなく圧縮でできます。
④【正】
西側の上盤がずり上がっているので逆断層、それをつくるのは東西方向の圧縮です。
断層面をはさんで東西から押し合う力がはたらき、岩盤が上下にずれ違ったと読み取れます。
問2:正解③
<問題要旨>
aはリソスフェア、cは地殻を表す
図2の左側は「流動のしやすさの違いによる区分」なので、上部の硬くて流動しにくい層aがリソスフェア、その下の流動しやすい層bがアセノスフェアです。右側は「物質の違いによる区分」なので、ごく薄い最上部のcが地殻、その下のdがマントルになります。図2でもaの層はcの層よりずっと厚く描かれており、リソスフェアが地殻とマントル最上部を合わせた厚さ約100kmの層であることと対応しています。
<選択肢>
①【誤】
区分の左右が逆です。地殻・マントルは物質の違いによる区分で、図2では右側に入ります。
②【誤】
左右が逆なうえ、c・dのリソスフェアとアセノスフェアの上下も入れ替わっています。
③【正】
流動のしやすさによる区分が上からリソスフェア(a)・アセノスフェア(b)、物質による区分が上から地殻(c)・マントル(d)です。
薄いcが地殻、厚いaがリソスフェアという図2の厚さの違いとも一致します。
④【誤】
aとbが逆です。流動しやすいアセノスフェアは、硬いリソスフェアの下にあります。
問3:正解①
<問題要旨>
断層Dは地層Cも切るので、Cの堆積後の活動
図3で断層Dは地表面から断面の最下部まで達する縦線として描かれ、地層B・花こう岩Aだけでなく、その上の不整合面や地層Cの石炭の層までずらしています。つまり断層Dが動いたのは地層Cが堆積した後であり、「地層Bの堆積から地層Cの堆積開始まで」の出来事ではありません。この期間に起きたのは、花こう岩Aの貫入(境界付近のホルンフェルス化)、地層Bの傾斜、そして侵食による不整合面と礫の形成です。
<選択肢>
①【誤】
これが誤っているもの=正解です。
断層Dは地層Cまで切っているので、その活動は地層Cの堆積後であり、問われている期間の出来事ではありません。
②【正】
地層Bの石炭の層は図3で斜めに傾いており、ほぼ水平な地層Cとは傾きが異なります。
この傾斜は地層Cの堆積前に起きた出来事です。
③【正】
地層Bは花こう岩Aとの境界付近でホルンフェルスになっており、Aの貫入による接触変成を受けたことがわかります。
貫入は地層Bの堆積後、地層Cの堆積前の出来事です。
④【正】
地層Cが地層B・花こう岩Aを不整合に覆い、その境界が波形の線と礫で示されています。
不整合面は陸上などで侵食を受けた証拠で、地層Cの堆積直前の出来事です。
問4:正解③
<問題要旨>
地層Bはフウインボク、地層Cはメタセコイア
地層Bは石炭の層を挟む泥岩からなり、古生代後期の植物化石を含むと本文にあります。古生代後期(石炭紀〜ペルム紀)の大森林をつくったのはフウインボクなどのシダ植物で、これが石炭のもとになりました。一方、地層Cは下部にカヘイ石(ヌンムリテス)の化石を含む礫を含むので、新生代古第三紀より新しい時代の地層です。したがって地層Cの石炭からは新生代の植物メタセコイアが産出する可能性があります。
<選択肢>
①【誤】
地層Bと地層Cが逆です。メタセコイアは新生代、フウインボクは古生代後期の植物です。
②【誤】
地層Bのメタセコイアは新しすぎ、地層Cのクックソニアは古すぎます。
③【正】
地層Bは古生代後期の植物化石を含むのでフウインボク、地層Cはカヘイ石を含む礫から新生代の地層と判断できるのでメタセコイアです。
石炭紀の大森林と新生代の森林という対応になります。
④【誤】
地層Bのフウインボクは正しいですが、クックソニアは古生代シルル紀の植物で、新生代の地層Cには合いません。
⑤【誤】
クックソニアは古生代前期(シルル紀)の最古級の陸上植物で、古生代後期の地層Bには合いません。
⑥【誤】
地層B・地層Cのどちらの時代にも合わない組合せです。
問5:正解①
<問題要旨>
鉄・マグネシウムは有色鉱物、マントル上部も有色鉱物
火成岩をつくる鉱物のうち、かんらん石・輝石・角閃石・黒雲母などの有色鉱物は鉄やマグネシウムを多く含み、そのために黒っぽく見えます。石英や長石などの無色鉱物は主にSiO2や、これにアルミニウム・ナトリウム・カリウム・カルシウムが加わったもので、鉄やマグネシウムはほとんど含みません。よってアは有色鉱物です。またマントル上部をつくる岩石はかんらん岩で、主にかんらん石と輝石、すなわち有色鉱物からなるのでイも有色鉱物です。
<選択肢>
①【正】
鉄やマグネシウムを多く含むのは有色鉱物、マントル上部のかんらん岩も主に有色鉱物(かんらん石・輝石)からなります。
②【誤】
アは正しいですが、イが違います。マントル上部のかんらん岩は無色鉱物が主体ではありません。
③【誤】
アが違います。無色鉱物(石英・長石)は鉄やマグネシウムをほとんど含みません。
④【誤】
ア・イともに違います。どちらも有色鉱物が当てはまります。
問6:正解①
<問題要旨>
a等粒状組織、b石英を含む、c斑状組織
図5は図4と同じ表し方で花こう岩と流紋岩を比べたものです。花こう岩はマグマが地下深くでゆっくり冷えた深成岩なので、結晶が大きくそろった等粒状組織を示します(特徴a)。流紋岩は地表付近で急冷した火山岩なので、細かい石基の中に斑晶が散らばる斑状組織を示します(特徴c)。両者はどちらもSiO2に富む珪長質の岩石で、石英を含む点が共通します(特徴b)。かんらん石は苦鉄質の岩石の鉱物です。
<選択肢>
①【正】
深成岩の花こう岩が等粒状組織、火山岩の流紋岩が斑状組織、共通点は珪長質岩であることによる石英を含む点です。
図4のチャート(SiO2)と石灰岩(CaCO3)が「化石を含むことがある」で重なるのと同じ読み方です。
②【誤】
a・cは正しいですが、bが違います。かんらん石は花こう岩にも流紋岩にも普通は含まれません。
③【誤】
aとcが逆です。花こう岩が等粒状組織、流紋岩が斑状組織です。
④【誤】
a・cが逆で、bも誤りです。かんらん石は共通点になりません。
第2問
問1:正解④
<問題要旨>
太平洋高気圧もオホーツク海高気圧も湿っている
梅雨前線は、南の暖かい太平洋高気圧(小笠原気団)と、北の冷たいオホーツク海高気圧(オホーツク海気団)がぶつかる境界にできる停滞前線です。どちらの気団も海洋上でつくられるため、水蒸気を多く含んで湿っています。つまりアもイも「湿った」が入ります。湿った空気どうしが前線でぶつかって上昇するため、梅雨前線に沿って厚い雲ができ、長雨や大雨をもたらします。乾いた気団は大陸上でできるシベリア気団などです。
<選択肢>
①【誤】
ア・イともに違います。どちらも海洋上の気団なので乾いてはいません。
②【誤】
アが違います。太平洋高気圧は暖かく湿った気団です。
③【誤】
イが違います。オホーツク海高気圧は冷たく湿った気団です。
④【正】
太平洋高気圧は暖かく湿った、オホーツク海高気圧は冷たく湿った気団で、ともに海洋上で形成されます。
湿った空気が供給されることが、梅雨期の大雨の原因になります。
問2:正解②
<問題要旨>
A点は北寄り、B点は南寄りの風
図1の天気図で、A点は梅雨前線の北側、中心気圧1020hPaのオホーツク海高気圧の南東側にあります。北半球の高気圧からは時計回りに風が吹き出すので、その南東側にあるA点では北寄りの風になります。B点は前線の南側で、南東の海上にある太平洋高気圧の北西側にあたり、同じく時計回りの吹き出しから南寄りの風になります。北からの冷たい気流と南からの暖かく湿った気流がぶつかる所に梅雨前線ができています。
<選択肢>
①【誤】
エが違います。B点は太平洋高気圧の北西側なので南寄りの風です。
②【正】
A点は1020hPaの高気圧の南東側で北寄りの風、B点は南東の高気圧の北西側で南寄りの風です。
前線をはさんで北と南から風が吹き寄せていることが読み取れます。
③【誤】
ウ・エがともに逆です。高気圧からの吹き出しの向きを取り違えています。
④【誤】
ウが違います。A点はオホーツク海高気圧の南東側なので北寄りの風です。
問3:正解③
<問題要旨>
オは12分、カは22分で沿岸ほど時間がかかる
X―B間は距離100km、水深2000mなので、図3の「100km」の曲線で水深2000mの値を読むと約12分です(オ)。B―A間は距離50km、水深150mなので、「50km」の曲線で水深150mを読むと約22分になります(カ)。津波の速さは水深が浅いほど遅くなり、水深2000mでは毎秒約140m(時速約500km)ですが、水深150mでは毎秒約38mに落ちます。そのため沖合の100kmは12分で伝わるのに、岸近くの50kmには22分もかかります。
<選択肢>
①【誤】
オが違います。100kmの曲線で水深2000mを読むと6分ではなく約12分です。
②【誤】
オ・カともに違います。6分は100kmの曲線の値ではなく、43分は50kmの曲線での読み取り値でもありません。
③【正】
100kmの曲線・水深2000mで約12分、50kmの曲線・水深150mで約22分と読み取れます。
合計しても約34分で、津波が短時間で沿岸に達することがわかります。
④【誤】
オは正しいですが、カが違います。43分は100kmの曲線で水深150mを読んだ値です。
第3問
問1:正解②
<問題要旨>
太陽の主成分は水素、ビッグバンでできた
太陽の主成分は水素で、質量では約7割、原子の数では9割以上を占め、次に多いのがヘリウムです。この水素は、宇宙が誕生したビッグバンの直後にヘリウムとともにつくられた元素です。太陽内部で起きている核融合反応は、水素4個からヘリウム1個をつくって熱と光を生み出す反応であり、水素を消費する側なので、水素の起源にはなりません。炭素は恒星内部の核融合でつくられる元素で、太陽の主成分ではありません。
<選択肢>
①【誤】
元素名は正しいですが、起源が違います。太陽内部の核融合は水素を消費してヘリウムをつくる反応です。
②【正】
太陽の主成分は水素で、水素はビッグバン直後の宇宙初期に生成されました。
太陽が核融合で水素をつくり出しているわけではない点がポイントです。
③【誤】
太陽の主成分は炭素ではありません。炭素は恒星内部の核融合でつくられる元素です。
④【誤】
元素名・起源ともに違います。ビッグバンでできたのは主に水素とヘリウムです。
問2:正解④
<問題要旨>
黒点は地球の直径の約5倍、自転周期は約27日
図1は経線・緯線が10度ごとに引かれた太陽面のスケッチで、黒点は赤道付近を6月4日から6月7日までの3日間で経度にして約40度、1日あたり約13度移動しています。360度÷13度で自転周期は約27日と求まります。また黒点の差し渡しは経度で約5度分あり、太陽の直径は地球の約109倍なので、109×π×5÷360=約4.8となり、地球の直径の約5倍です。0.05倍では小さすぎて投影板では見えません。
<選択肢>
①【誤】
大きさ・周期ともに違います。0.05倍では直径約600kmにすぎず、観察できません。
②【誤】
周期は正しいですが、大きさが違います。経度で約5度分の広がりは地球の直径の約5倍にあたります。
③【誤】
大きさは正しいですが、周期が違います。1日約13度の移動から求まる周期は13日ではなく約27日です。
④【正】
3日間で経度約40度、1日約13度の移動から周期は約27日、黒点の広がり約5度から大きさは地球の直径の約5倍です。
黒点が日々移動することが、太陽が自転している証拠になります。
問3:正解①
<問題要旨>
金星の大気圧は約90気圧で地球よりずっと高い
金星は二酸化炭素を主成分とする厚い大気をもち、表面での大気圧は約90気圧で、地球の約1気圧の90倍ほどもあります。したがって「地球の方が金星より高い」とする①が誤りで、これが正解です。他の選択肢は正しく、火星と木星の軌道の間には小惑星帯があり、土星は地球の約95倍、天王星は約15倍の質量をもち、海王星の外側にはエッジワース・カイパーベルト天体などの太陽系外縁天体が多数分布しています。
<選択肢>
①【誤】
これが誤っているもの=正解です。
金星の表面気圧は約90気圧で、地球(約1気圧)よりはるかに高くなっています。
②【正】
火星と木星の軌道の間には小惑星帯があり、多数の小惑星が公転しています。
③【正】
土星は地球の約95倍、天王星は約15倍の質量をもつ木星型・天王星型惑星です。
いずれも地球より大きな質量です。
④【正】
海王星の軌道の外側には冥王星などの太陽系外縁天体が多数分布しています。
第4問
問1:正解④
<問題要旨>
山体の膨張などの地殻変動は噴火予測に使われる
火山の地下でマグマが上昇して蓄積すると、山体がわずかに膨張します。この変化はGNSS(GPS)観測や傾斜計、水準測量などでとらえられ、火山性地震や火山性微動、噴気の変化とあわせて噴火の予測・噴火警戒レベルの判断に実際に使われています。よって④が最も適当です。地震についても、活断層は同じ場所で繰り返しずれ動くこと、緊急地震速報が地震発生後の情報であることを押さえておきましょう。
<選択肢>
①【誤】
活断層は数千年から数万年の間隔で同じ場所が繰り返しずれ動く断層です。
一度地震が起きたから今後起こらない、とはいえません。
②【誤】
緊急地震速報は、地震が発生した後に震源に近い観測点でP波をとらえ、大きな揺れ(S波)が到達する前に知らせる仕組みです。
「発生直前に予測している」わけではありません。
③【誤】
火山の直下ではマグマや火山ガスの動きに伴う火山性地震・火山性微動が起こります。
これらの観測は噴火予測の重要な手がかりです。
④【正】
マグマの上昇による山体の膨張は地殻変動として観測でき、噴火の予測に用いられています。
GNSSや傾斜計による監視が代表例です。
問2:正解①
<問題要旨>
地質調査も歴史資料もハザードマップ作成に有効
火山のハザードマップは、過去の噴火でどんな噴出物がどこまで及んだかをもとに、将来の災害の及ぶ範囲を予測して示した地図です。方法aの地質調査で火山噴出物の種類・分布範囲・層序を調べれば、過去の噴火の規模や様式、溶岩流や火砕流の到達範囲、噴火の繰り返し方がわかります。方法bの歴史的な資料からは、噴火の年代や推移、被害の様子を知ることができます。どちらも適した方法です。
<選択肢>
①【正】
方法aの地質調査は過去の噴出物の分布や層序から噴火の規模・到達範囲・繰り返しを知る直接の手がかりになります。
方法bの歴史的資料も噴火の時期や推移、被害の記録として有効で、両方とも適しています。
②【誤】
方法bも適しています。文献や記録に残る過去の噴火の情報はハザードマップの重要な基礎資料です。
③【誤】
方法aも適しています。噴出物の種類・分布範囲・層序の調査は、記録の残らない古い噴火まで復元できます。
④【誤】
a・bとも適した方法であり、両方を否定するのは誤りです。
問3:正解①
<問題要旨>
フロンで成層圏のオゾンは減少する
フロンガスは成層圏まで運ばれると紫外線で分解されて塩素原子を放ち、オゾンを破壊します。つまりオゾンは増加ではなく減少し、南極上空などにオゾンホールができます。オゾンは有害な紫外線を吸収する役割をもつため、減少すると地表に達する紫外線が増え、皮膚がんなどの悪影響が心配されます。下線部が「オゾンが増加する」となっている①が誤りで、これが正解です。②③④の下線部はいずれも正しい記述です。
<選択肢>
①【誤】
これが誤っているもの=正解です。
フロンガスは成層圏のオゾンを破壊するので、オゾンは増加ではなく減少します。紫外線が増えるのはオゾンが減るからです。
②【正】
硫黄酸化物や窒素酸化物が雨水に溶け込むと強い酸性を示す酸性雨となり、生態系や建築物に被害を与えます。
③【正】
前線や台風の周辺で積乱雲が次々と発生すると、狭い範囲に激しい雨が降り続き、集中豪雨による水害や土砂災害が起こります。
④【正】
黄砂は主に春季に、中国内陸の乾燥地から巻き上げられた砂じんが偏西風に乗って運ばれる現象です。
※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

