2023年度 大学入学共通テスト 本試験「数学Ⅰ」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。
解答
解説
2023年度 大学入学共通テスト 本試験「数学Ⅰ」の全設問について、正解と考え方を解説します。第1問〜第4問はすべて必答です(計100点)。各設問の見出しをタップすると解説が開きます。
第1問 〔1〕 数と式(絶対値の不等式と対称式)
絶対値の不等式を解いたあと、その結果を (a−b)(c−d) というひとかたまりに当てはめる設問です。最後は3つの積の間に成り立つ恒等式に気づけるかが問われます。
ア,イ:正解 −, ⑧(配点2)
<問題要旨>
|x + 6| ≦ 2 の解の左端を求める設問です。
<考え方>
|A| ≦ 2 ⟺ −2 ≦ A ≦ 2 と外します。
−2 ≦ x + 6 ≦ 2 各辺から 6 を引いて −8 ≦ x ≦ −4
アイ=−8、すなわち ア=−、イ=⑧。
ウ,エ:正解 −, ④(配点1)
<問題要旨>
同じ不等式の解の右端です。
<考え方>
アイと同じ計算の右側です。
x ≦ −4
ウエ=−4、すなわち ウ=−、エ=④。
オ,カ:正解 ②, ②(配点2)
<問題要旨>
|(1 − √3)(a−b)(c−d) + 6| ≦ 2 から、(a−b)(c−d) のとり得る範囲の左端を求める設問です。
<考え方>
(a−b)(c−d) = P とおくと、アイウエの結果がそのまま使えます。1 − √3 が負なので、割ったときに不等号の向きが入れかわるのがポイントです。
|(1−√3)P + 6| ≦ 2 より −8 ≦ (1−√3)P ≦ −4 1 − √3 < 0 なので、各辺を割ると向きが反転して −4/(1−√3) ≦ P ≦ −8/(1−√3)
左端を有理化する
−4/(1−√3)
= −4(1+√3) / {(1−√3)(1+√3)}
= −4(1+√3) / (1 − 3)
= −4(1+√3) / (−2)
= 2(1 + √3) = 2 + 2√3
オ=②、カ=②。
キ,ク:正解 ④, ④(配点2)
<問題要旨>
同じ範囲の右端を求める設問です。
<考え方>
オカと同じ手順で、もう一方を有理化します。
−8/(1−√3)
= −8(1+√3) / (−2)
= 4(1 + √3) = 4 + 4√3
よって 2 + 2√3 ≦ (a−b)(c−d) ≦ 4 + 4√3
キ=④、ク=④。
ケ,コ:正解 ⑦, ③(配点3)
<問題要旨>
①と②から (a−d)(c−b) の値を求める、〔1〕の結論です。
<考え方>
問題文の指示どおり3つの式の左辺を展開して比べると、3つの積の間に恒等式が成り立つことがわかります。
3つの積を展開してみる
(a−b)(c−d) = ac − ad − bc + bd
(a−c)(b−d) = ab − ad − bc + cd
(a−d)(c−b) = ac − ab − cd + bd
第2式 + 第3式 を計算すると
(ab − ad − bc + cd) + (ac − ab − cd + bd)
= ac − ad − bc + bd
= 第1式
つまり
(a−b)(c−d) = (a−c)(b−d) + (a−d)(c−b)
(a−d)(c−b) = (a−b)(c−d) − (a−c)(b−d)
= (4 + 4√3) − (−3 + √3)
= 7 + 3√3
ケ=⑦、コ=③。
※ この恒等式は、4文字の差の積についてよく現れる形です。展開して係数を見比べれば必ず確認できます。
第1問 〔2〕 集合(ベン図と要素の決定)
ベン図の読み取りから始まり、具体的な数の集合で共通部分や補集合を求め、最後は条件から未知の集合 C の性質を導く設問です。集合の等式を「要素ごとに場合分けして」読み替えるのが後半のポイントです。
サ:正解 ④(配点3)
<問題要旨>
(A ∩ C̄) ∪ (B ∩ C̄) がベン図のどの部分かを選ぶ設問です。
<考え方>
共通する C̄ でくくると、形がはっきりします。
(A ∩ C̄) ∪ (B ∩ C̄) = (A ∪ B) ∩ C̄ → 「A または B に入るが、C には入らない部分」
A と B を合わせた領域から、C と重なる部分をすべて取り除いた形です。サ=④。
シ,ス,セ:正解 ③, ⑥, ⑨(配点2)
<問題要旨>
A = {0, 2, 3, 4, 6, 8, 9}、B = {1, 3, 5, 6, 7, 9} のとき A ∩ B を求める設問です。
<考え方>
両方に入っている数を拾うだけです。
A = {0, 2, 3, 4, 6, 8, 9}
B = {1, 3, 5, 6, 7, 9}
共通する要素 : 3, 6, 9
小さい順に並べて シ=③、ス=⑥、セ=⑨。
ソ,タ,チ:正解 ①, ⑤, ⑦(配点2)
<問題要旨>
Ā ∩ B を求める設問です。
<考え方>
「B に入るが A に入らない」要素を拾います。
U = {0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9}
Ā = U から A を除く = {1, 5, 7}
Ā ∩ B = {1, 5, 7} ∩ {1,3,5,6,7,9} = {1, 5, 7}
ソ=①、タ=⑤、チ=⑦。(B の要素 1, 5, 7 はいずれも A に入っていません。)
ツ,テ:正解 ①, ①(配点3)
<問題要旨>
(A ∩ C̄) ∪ (B ∩ C) = A を満たす C について、Ā ∩ B と A ∩ B̄ の要素が C に入るかどうかを判定する、第1問の結論です。
<考え方>
集合の等式は要素ごとの条件に読み替えるとはっきりします。「左辺に入る ⟺ A に入る」を、x が A と C に入るかどうかの4通りで整理します。
x が左辺 (A ∩ C̄) ∪ (B ∩ C) に入る条件は
「x ∈ A かつ x ∉ C」 または 「x ∈ B かつ x ∈ C」
■ x ∈ A, x ∉ C
左辺に入る。右辺 A にも入る。 → OK
■ x ∈ A, x ∈ C
A ∩ C̄ には入らないので、右辺 A に入るには
B ∩ C に入る必要がある → x ∈ B が必要
■ x ∉ A, x ∈ C
もし x ∈ B なら左辺に入ってしまうが
右辺 A には入らない → 矛盾
→ x ∉ B でなければならない
■ x ∉ A, x ∉ C
左辺にも右辺にも入らない → OK
まとめると ・x ∈ A かつ x ∈ C ⟹ x ∈ B ・x ∈ B かつ x ∈ C ⟹ x ∈ A
■ Ā ∩ B の要素(B に入るが A に入らない)
もし C に入ると、2つ目の条件に反する
→ どの要素も C の要素ではない → ツ = ①
■ A ∩ B̄ の要素(A に入るが B に入らない)
もし C に入ると、1つ目の条件に反する
→ どの要素も C の要素ではない → テ = ①
ツ=①、テ=①。
※ 具体的には Ā ∩ B = {1, 5, 7}、A ∩ B̄ = {0, 2, 4, 8} で、これら7個はどれも C に入りません。C に入れてよいのは A ∩ B = {3, 6, 9} と、A にも B にも入らない要素だけです。
第2問 〔1〕 図形と計量(円に内接する三角形)
半径 5 の円に AB = 6 の弦を引き、3つ目の点 C の位置をいろいろ変えて調べる設問です。sin∠ACB は C の位置によらず一定(正弦定理)という点が全体の土台になります。
ア:正解 ⓪(配点3)
<問題要旨>
sin∠ACB を求める設問です。
<考え方>
∠ACB は弦 AB に対する円周角なので、正弦定理がそのまま使えます。
正弦定理 AB / sin∠ACB = 2R sin∠ACB = 6 / 10 = 3/5
ア=⓪。C をどこにとってもこの値は変わりません。
イ:正解 ⑦(配点3)
<問題要旨>
∠ACB が鈍角のときの cos∠ACB を求める設問です。
<考え方>
sin²+cos² = 1 から求め、鈍角なので負のほうを選びます。
cos²∠ACB = 1 − (3/5)² = 16/25 鈍角より cos∠ACB = −4/5
イ=⑦。
ウ,エ,オ:正解 ③, ③, ④(配点3)
<問題要旨>
∠ACB が鈍角で BC = 5 のときの AC を求める設問です。
<考え方>
余弦定理を AC についての2次方程式として立てます。
AB² = AC² + BC² − 2·AC·BC·cos∠ACB 36 = AC² + 25 − 2·AC·5·(−4/5) 36 = AC² + 25 + 8·AC AC² + 8AC − 11 = 0
AC = (−8 ± √(64 + 44)) / 2
= (−8 ± √108) / 2
= (−8 ± 6√3) / 2
= −4 ± 3√3
AC > 0 より AC = 3√3 − 4
ウ=③、エ=③、オ=④。
カ:正解 ④(配点2)
<問題要旨>
△ABC の面積が最大になるように C をとったときの tan∠OAD を求める設問です。
<考え方>
底辺 AB は固定なので、面積が最大になるのは C が AB からいちばん遠いとき、つまり C が弧の中点にあるときです。このとき D は AB の中点になります。
D は AB の中点なので AD = 3
直角三角形 OAD で
OA = 5(半径), AD = 3, OD = 4
tan∠OAD = 4/3
カ=④。
キ,ク:正解 ②, ⑦(配点2)
<問題要旨>
そのときの △ABC の面積を求める設問です。
<考え方>
高さ CD は、中心 O を越えて反対側まで伸びます。
CD = CO + OD = 5 + 4 = 9 面積 = (1/2) × 6 × 9 = 27
キク=27、すなわち キ=②、ク=⑦。
ケ:正解 ①(配点2)
<問題要旨>
面積最大のときの tan∠ACB を求める設問です。
<考え方>
このとき △ABC は CA = CB の二等辺三角形で、CD が角の二等分線になります。半角から2倍角へ持ち上げます。
直角三角形 ACD で
tan∠ACD = AD / CD = 3 / 9 = 1/3
∠ACB = 2∠ACD なので、2倍角の公式より
tan∠ACB = 2·(1/3) / (1 − (1/3)²)
= (2/3) / (8/9)
= 3/4
ケ=①。
※ sin∠ACB = 3/5 は変わらず、今度は鋭角なので cos∠ACB = 4/5。tan = 3/4 と整合します。
コ:正解 ②(配点2)
<問題要旨>
C を通り AC に垂直な直線と直線 AB の交点を E とするときの sin∠BCE を求める設問です。
<考え方>
∠ACE = 90° なので、∠BCE は ∠ACB の余角になります。
∠BCE = ∠ACE − ∠ACB = 90° − ∠ACB sin∠BCE = sin(90° − ∠ACB) = cos∠ACB ケより ∠ACB は鋭角で cos∠ACB = 4/5 sin∠BCE = 4/5
コ=②。
サ,シ,ス,セ,ソ:正解 ①, ②, ①, ⓪, ⑤(配点3)
<問題要旨>
F が線分 CE 上を動くときの BF の最小値を求める、〔1〕の結論です。
<考え方>
点から線分までの距離が最小になるのは垂線を下ろしたときです。座標を設定すると計算しやすくなります。
D を原点にとると
A(−3, 0), B(3, 0), C(0, 9)
(O(0, 4) で OA = √(9+16) = 5 ✓)
直線 AC の方向は (3, 9) ∝ (1, 3)
これに垂直な方向は (3, −1)
直線 CE : C(0, 9) を通り方向 (3, −1)
y = 0 とすると 9 − t = 0, t = 9
→ E(27, 0)
直線 CE の方程式は、C(0,9) と E(27,0) を通るので
x/27 + y/9 = 1 → x + 3y − 27 = 0
B(3, 0) からこの直線までの距離
|3 + 0 − 27| / √(1² + 3²)
= 24 / √10
= 24√10 / 10
= 12√10 / 5
サシ√スセ/ソ=12√10/5、すなわち サ=①、シ=②、ス=①、セ=⓪、ソ=⑤。
※ 垂線の足が線分 CE の内部にあることは、E の x 座標が 27 と大きいことから確かめられます。
第2問 〔2〕 図形と計量(球面上の4点でできる三角錐)
前半の円の話を空間に持ち上げ、球面上の4点でできる三角錐の体積を求める設問です。三角錐の高さは、外接円の中心の真上を通るときに最大になるという一点が山場です。
タ,チ:正解 ⑤, ⑥(配点2)
<問題要旨>
PQ = 8、QR = 5、RP = 9 の △PQR について cos∠QPR を求める設問です。
<考え方>
3辺がわかっているので余弦定理です。
QR² = PQ² + PR² − 2·PQ·PR·cos∠QPR 25 = 64 + 81 − 144 cos∠QPR 144 cos∠QPR = 120 cos∠QPR = 5/6
タ/チ=5/6、すなわち タ=⑤、チ=⑥。
ツ,テ,ト:正解 ⑥, ①, ①(配点3)
<問題要旨>
△PQR の面積を求める設問です。
<考え方>
cos から sin を出して面積公式に入れます。
sin∠QPR = √(1 − 25/36) = √11 / 6
面積 = (1/2) × 8 × 9 × (√11/6)
= 6√11
ツ√テト=6√11、すなわち ツ=⑥、テ=①、ト=①。
ナ:正解 ⑥(配点2)
<問題要旨>
体積が最大になるように T をとったときの PH, QH, RH の大小関係を答える設問です。
<考え方>
底面 △PQR は固定なので、体積が最大 ⟺ 高さ TH が最大です。
球の中心 O_S から平面 α に下ろした垂線の足を K とすると K は △PQR の外心(3点から等距離だから) T が α からいちばん遠いとき、 T は直線 O_S K 上にあるので H = K よって PH = QH = RH
ナ=⑥。
ニ,ヌ,ネ,ノ,ハ:正解 ①, ⓪, ①, ①, ②(配点3)
<問題要旨>
三角錐 TPQR の体積の最大値を求める、第2問の結論です。
<考え方>
「底面積 × 高さ ÷ 3」です。高さは球の半径 + 中心から平面までの距離になります。まず △PQR の外接円の半径を求めます。
△PQR の外接円の半径 r
正弦定理より QR / sin∠QPR = 2r
r = 5 / (2 × √11/6) = 15 / √11
球の中心 O_S から平面 α までの距離 d d² = R² − r² = 25 − 225/11 = 50/11 d = 5√2 / √11
高さの最大値 = R + d = 5 + 5√2/√11
体積 = (1/3) × 6√11 × (5 + 5√2/√11)
= 10√11 + 10√2
= 10(√11 + √2)
ニヌ=10、ネノ=11、ハ=②、すなわち ニ=①、ヌ=⓪、ネ=①、ノ=①、ハ=②。
※ 2√11 × 5√2/√11 で √11 がきれいに約分されます。ここが計算の山です。
第3問 データの分析(家計調査の支出金額)
ヒストグラムから中央値・四分位数の階級を読み、箱ひげ図で2地域を比べ、最後は単位変換が分散と相関係数にどう効くかを確かめる設問です。
ア:正解 ③(配点1)
<問題要旨>
図1から中央値が含まれる階級を答える設問です。
<考え方>
52 市なので、中央値は26番目と27番目の平均です。累積度数を足していきます。
図1 の度数と累積度数 1000〜1400 : 2 → 2 1400〜1800 : 7 → 9 1800〜2200 : 11 → 20 2200〜2600 : 7 → 27 ← 26番目・27番目 2600〜3000 : 10 → 37 3000〜3400 : 8 → 45 3400〜3800 : 5 → 50 3800〜4200 : 0 → 50 4200〜4600 : 1 → 51 4600〜5000 : 1 → 52
2200 以上 2600 未満。ア=③。
イ:正解 ②(配点2)
<問題要旨>
第1四分位数が含まれる階級を答える設問です。
<考え方>
下位 26 個の中央値、つまり13番目と14番目の平均です。
累積度数より 1800 未満 : 9 2200 未満 : 20 ← 13番目・14番目はここ
1800 以上 2200 未満。イ=②。
ウ:正解 ⑤(配点2)
<問題要旨>
第3四分位数が含まれる階級を答える設問です。
<考え方>
上位 26 個の中央値、全体では39番目と40番目の平均です。
累積度数より 3000 未満 : 37 3400 未満 : 45 ← 39番目・40番目はここ
3000 以上 3400 未満。ウ=⑤。
エ:正解 ①(配点2)
<問題要旨>
四分位範囲の大きさを見積もる設問です。
<考え方>
Q1 と Q3 が属する階級の端から、差の取り得る範囲を挟みます。
1800 ≦ Q₁ < 2200 3000 ≦ Q₃ < 3400 最小 : 3000 − 2200 = 800(より大きい) 最大 : 3400 − 1800 = 1600(より小さい)
エ=①。
オ:正解 ②(配点3)
<問題要旨>
図2(地域E)と図3(地域W)の箱ひげ図から正しい記述を選ぶ設問です。
<考え方>
選択肢を1つずつ図と照合します。
図2(地域E, 19市) 最小 約1150, Q₁ 約2200, 中央値 約2350, Q₃ 約2600, 最大 約3500 図3(地域W, 33市) 最小 約1400, Q₁ 約1800, 中央値 約2600, Q₃ 約3400, 最大 約5000
■ ⓪ 地域E で小さい方から5番目が2000以下 19市なので Q₁ が5番目。約2200 > 2000 → 誤 ■ ① 範囲が等しい E : 約2350, W : 約3600 → 誤 ■ ② 中央値は W の方が大きい 2350 < 2600 → 正 ■ ③ 2600未満の割合は W の方が大きい E は約75%、W は約50% → 誤
オ=②。
カ:正解 ②(配点3)
<問題要旨>
分散の定義を選ぶ設問です。
<考え方>
分散=偏差の2乗の平均、です。
分散 = (1/n) Σ(xᵢ − x̄)²
= 偏差の2乗を合計して、市の数で割った値
カ=②。(④は平方根なので標準偏差です。)
キ:正解 ⑦(配点3)
<問題要旨>
表1から相関係数を求める設問です。
<考え方>
相関係数 = 共分散 ÷(2つの標準偏差の積)です。
相関係数 = 124000 / (590 × 570)
= 124000 / 336300
= 0.3687…
最も近いのは 0.37。キ=⑦。
ク:正解 ⓪(配点2)
<問題要旨>
データを千円単位に変換したときの分散を答える設問です。
<考え方>
すべての値を a 倍すると、分散は a² 倍になります。ここでは a = 1/1000 です。
x'ᵢ = xᵢ / 1000 なので
x' の分散 = (1/1000)² × (x の分散)
= 348100 / 1000²
ク=⓪。
※ 標準偏差なら 1/1000 倍ですが、分散は2乗なので 1/1000² 倍です。
ケ:正解 ②(配点2)
<問題要旨>
単位変換後の相関係数について答える、第3問の結論です。
<考え方>
相関係数の分子(共分散)と分母(標準偏差の積)が、どちらも同じ倍率で変わることを確かめます。
共分散 : (1/1000)×(1/1000) 倍 = 1/1000² 倍 標準偏差の積 : (1/1000)×(1/1000) 倍 = 1/1000² 倍 相関係数 = 共分散 / (標準偏差の積) → 分子と分母で同じ倍率が約分されて、変わらない
ケ=②(x と y の相関係数と等しい)。
※ 相関係数が単位のとり方によらないのは、この約分のおかげです。だからこそ「円」と「千円」のように単位が違うデータどうしでも比べられます。
第4問 〔1〕 2次関数(グラフと x 軸の位置関係)
f(x) = (x−2)(x−8) + p という、p を上下に動かすだけの放物線を扱う設問です。頂点の y 座標の符号で x 軸との交わり方が決まる、という基本がそのまま問われます。
ア,イ,ウ:正解 ⑤, −, ⑨(配点3)
<問題要旨>
y = f(x) の頂点の座標を求める設問です。
<考え方>
展開して平方完成します。軸は2つの解 2 と 8 の中点なので x = 5 だと先に見当がつきます。
f(x) = (x − 2)(x − 8) + p
= x² − 10x + 16 + p
= (x − 5)² − 25 + 16 + p
= (x − 5)² − 9 + p
頂点 (5, −9 + p)
ア=⑤、イウ=−9、すなわち ア=⑤、イ=−、ウ=⑨。
エ:正解 ⑨(配点3)
<問題要旨>
グラフと x 軸の位置関係が切り替わる p の値を求める設問です。
<考え方>
下に凸なので、頂点の y 座標の符号ですべて決まります。
頂点の y 座標 = −9 + p −9 + p > 0 (p > 9) → 共有点なし −9 + p = 0 (p = 9) → 接する −9 + p < 0 (p < 9) → 異なる2点で交わる
エ=⑨。
オ:正解 ⑤(配点3)
<問題要旨>
p = 9 のときの接点の x 座標を求める設問です。
<考え方>
接点は頂点そのものです。
p = 9 のとき 頂点は (5, 0) → x 軸と点 (5, 0) で接する
オ=⑤。
カ:正解 ④(配点3)
<問題要旨>
y = f(x) を平行移動した g(x) の x の係数を求める設問です。
<考え方>
x 軸方向に −3 の平行移動は x を x + 3 に置き換える操作です。y 軸方向の +5 は最後に足します。
g(x) = f(x + 3) + 5
f(x + 3) = (x + 3)² − 10(x + 3) + 16 + p
= x² + 6x + 9 − 10x − 30 + 16 + p
= x² − 4x − 5 + p
g(x) = x² − 4x − 5 + p + 5
= x² − 4x + p
カ=④。
※ 定数項が p のまま残るように、y 方向の移動量 5 が設定されています。
キ,ク:正解 ⑧, ③(配点3)
<問題要旨>
y = |f(x) − g(x)| が最小になる x を求める、〔1〕の結論です。
<考え方>
先に f(x) − g(x) を計算します。x² の項が打ち消し合って1次式になるのがポイントです。
f(x) − g(x) = (x² − 10x + 16 + p) − (x² − 4x + p) = −6x + 16
y = |−6x + 16| = |6x − 16| 絶対値の中が 0 になるとき最小値 0 をとる 6x = 16 → x = 8/3
キ/ク=8/3、すなわち キ=⑧、ク=③。
※ p が消えるので、答えは p の値によりません。2つの放物線は「同じ形を平行移動しただけ」なので、差が1次式になるのは当然です。
第4問 〔2〕 2次関数(バスケットボールのシュートの軌道)
上に凸の放物線を2本(プロ選手と花子さん)比べる設問です。どちらも M(4, 3) を通るという共通条件があるので、係数を1つ決めれば軌道全体が決まります。
ケ,コ:正解 ④, ③(配点3)
<問題要旨>
放物線 C1 の方程式を、x² の係数 a を使って表す設問です。
<考え方>
C1 は P0(0, 3) と M(4, 3) を通ります。2点を代入して係数を決めます。
y = ax² + bx + c とおく
(0, 3) を通る → c = 3
(4, 3) を通る → 16a + 4b + 3 = 3
→ b = −4a
y = ax² − 4ax + 3
ケ=④、コ=③。
※ 2点の y 座標が同じなので、軸は x = 2 だとすぐわかります。b = −4a はその言いかえです。
サ,シ:正解 ④, ③(配点3)
<問題要旨>
プロ選手の「シュートの高さ」(頂点の y 座標)を求める設問です。
<考え方>
平方完成します。
y = a(x² − 4x) + 3
= a(x − 2)² − 4a + 3
頂点の y 座標 = −4a + 3
サ=④、シ=③。
ス:正解 ②(配点3)
<問題要旨>
プロ選手と花子さんの「ボールが最も高くなるときの地上の位置」を比べる設問です。
<考え方>
与えられた C2 の式から頂点の x 座標を読み、C1 の 2 と比べます。放物線が上に凸(p < 0)であること、そしてボールは M で下降中であることがカギです。
C₁ の頂点の x 座標 = 2
C₂ の頂点の x 座標 = 2 − 1/(8p)
p < 0 なので t = −1/(8p) > 0 とおくと
C₂ の頂点は x = 2 + t
ボールは M(4, 3) を「上から」通るので、
x = 4 では下降中。つまり頂点は x = 4 より左。
2 + t < 4 → 0 < t < 2
M の x 座標 4 からの距離を比べる プロ選手 : |2 − 4| = 2 花子さん : |(2 + t) − 4| = 2 − t 0 < t < 2 なので 2 − t < 2 → つねに花子さんの方が M に近い
ス=②。
※ 花子さんは低い位置(y = 2)から打つので、同じ M を通るには軌道の頂点をリング寄りに持ってこざるを得ません。
セ,ソ,タ,チ:正解 ⑤, ③, ⑤, ⑦(配点3)
<問題要旨>
C1 が点 D を通るときの方程式を求める設問です。
<考え方>
D は A(3.8, 3) の真上で AD = √3/15 なので、D(3.8, 3 + √3/15) です。これを C1 に代入して a を求めます。
3 + √3/15 = a(3.8² − 4×3.8) + 3 3.8² = 14.44, 4×3.8 = 15.2 √3/15 = a(14.44 − 15.2) = −0.76a
a = −(√3/15) / 0.76
= −√3 / 11.4
= −10√3 / 114
= −5√3 / 57
y = −(5√3/57)(x² − 4x) + 3
セ=⑤、ソ=③、タチ=57、すなわち セ=⑤、ソ=③、タ=⑤、チ=⑦。
ツ,テ:正解 ⓪, ⓪(配点3)
<問題要旨>
2人の「シュートの高さ」を比べ、その差がボール何個分かを答える、第4問の結論です。
<考え方>
サシで求めた式 −4a + 3 に、セソタチの a を代入します。
プロ選手のシュートの高さ −4a + 3 = 20√3/57 + 3 √3 = 1.7320508… なので 20 × 1.7320508 = 34.641016 34.641016 / 57 = 0.6077… 高さ ≒ 3.608
花子さんのシュートの高さ = 約 3.4 3.608 > 3.4 → プロ選手の方が大きい 差 = 0.208
ボールの直径は 0.2 なので、差は約 1 個分。ツ=⓪(プロ選手)、テ=⓪(約1個分)。
※ 「√3 = 1.7320508…」がわざわざ与えられているのは、この 0.208 と 0.2 を比べさせるためです。小数第3位まで出さないと 1 個分か 2 個分か判断できません。
※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

