2023年度 大学入学共通テスト 本試験 数学Ⅰ・A 解答・解説

2023年度 大学入学共通テスト 本試験「数学Ⅰ・A」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。

目次
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解答

解説

2023年度 大学入学共通テスト 本試験「数学Ⅰ・数学A」の全設問について、正解と考え方を解説します。第1問・第2問は必答、第3問〜第5問は2問を選択して解答します(計4問・100点)。各設問の見出しをタップすると解説が開きます。

第1問 〔1〕 数と式(絶対値の不等式と対称式)

絶対値の不等式を解いたあと、その結果を (a−b)(c−d) というひとかたまりに当てはめる設問です。最後は3つの積の間に成り立つ恒等式に気づけるかが問われます。

ア,イ:正解 −, ⑧(配点2)

<問題要旨>
|x + 6| ≦ 2 の解の左端を求める設問です。

<考え方>
|A| ≦ 2 ⟺ −2 ≦ A ≦ 2 と外します。

−2 ≦ x + 6 ≦ 2

  各辺から 6 を引いて

  −8 ≦ x ≦ −4

アイ=−8、すなわち ア=−、イ=⑧。

ウ,エ:正解 −, ④(配点1)

<問題要旨>
同じ不等式の解の右端です。

<考え方>
アイと同じ計算の右側です。

x ≦ −4

ウエ=−4、すなわち ウ=−、エ=④。

オ,カ:正解 ②, ②(配点2)

<問題要旨>
|(1 − √3)(a−b)(c−d) + 6| ≦ 2 から、(a−b)(c−d) のとり得る範囲の左端を求める設問です。

<考え方>
(a−b)(c−d) = P とおくと、アイウエの結果がそのまま使えます。1 − √3 が負なので、割ったときに不等号の向きが入れかわるのがポイントです。

|(1−√3)P + 6| ≦ 2 より

  −8 ≦ (1−√3)P ≦ −4

  1 − √3 < 0 なので、各辺を割ると向きが反転して

  −4/(1−√3) ≦ P ≦ −8/(1−√3)
左端を有理化する

  −4/(1−√3)
    = −4(1+√3) / {(1−√3)(1+√3)}
    = −4(1+√3) / (1 − 3)
    = −4(1+√3) / (−2)
    = 2(1 + √3) = 2 + 2√3

オ=②、カ=②。

キ,ク:正解 ④, ④(配点2)

<問題要旨>
同じ範囲の右端を求める設問です。

<考え方>
オカと同じ手順で、もう一方を有理化します。

−8/(1−√3)
    = −8(1+√3) / (−2)
    = 4(1 + √3) = 4 + 4√3

  よって  2 + 2√3 ≦ (a−b)(c−d) ≦ 4 + 4√3

キ=④、ク=④。

ケ,コ:正解 ⑦, ③(配点3)

<問題要旨>
①と②から (a−d)(c−b) の値を求める、〔1〕の結論です。

<考え方>
問題文の指示どおり3つの式の左辺を展開して比べると、3つの積の間に恒等式が成り立つことがわかります。

3つの積を展開してみる

  (a−b)(c−d) = ac − ad − bc + bd
  (a−c)(b−d) = ab − ad − bc + cd
  (a−d)(c−b) = ac − ab − cd + bd

  第2式 + 第3式 を計算すると

    (ab − ad − bc + cd) + (ac − ab − cd + bd)
    = ac − ad − bc + bd
    = 第1式
つまり

  (a−b)(c−d) = (a−c)(b−d) + (a−d)(c−b)

  (a−d)(c−b) = (a−b)(c−d) − (a−c)(b−d)
            = (4 + 4√3) − (−3 + √3)
            = 7 + 3√3

ケ=⑦、コ=③。

※ この恒等式は、4文字の差の積についてよく現れる形です。展開して係数を見比べれば必ず確認できます。

第1問 〔2〕 図形と計量(円に内接する三角形と球に内接する三角錐)

前半は円の弦と正弦定理、後半はそれを空間に持ち上げて、球面上の4点でできる三角錐の体積を求める設問です。三角錐の高さは、外接円の中心の真上を通るときに最大になるという一点が山場です。

サ:正解 ⓪(配点3)

<問題要旨>
半径 5 の円周上に AB = 6 となる2点をとったときの sin∠ACB を求める設問です。

<考え方>
∠ACB は弦 AB に対する円周角なので、正弦定理がそのまま使えます。

正弦定理  AB / sin∠ACB = 2R

  sin∠ACB = AB / (2R) = 6 / 10 = 3/5

サ=⓪。

シ:正解 ⑦(配点3)

<問題要旨>
∠ACB が鈍角のときの cos∠ACB を求める設問です。

<考え方>
sin²+cos² = 1 から求め、鈍角なので負のほうを選びます。

cos²∠ACB = 1 − (3/5)² = 1 − 9/25 = 16/25

  鈍角より cos∠ACB < 0 なので

  cos∠ACB = −4/5

シ=⑦。

ス:正解 ④(配点2)

<問題要旨>
△ABC の面積が最大になるように C をとったときの tan∠OAD を求める設問です。

<考え方>
底辺 AB は固定なので、面積が最大になるのは C が AB からいちばん遠いとき、つまり C が弧の中点にあるときです。このとき D は AB の中点になります。

D は AB の中点なので  AD = 3

  直角三角形 OAD で
    OA = 5(半径),  AD = 3
    OD = √(25 − 9) = 4

  tan∠OAD = OD / AD = 4/3

ス=④。

セ,ソ:正解 ②, ⑦(配点2)

<問題要旨>
そのときの △ABC の面積を求める設問です。

<考え方>
高さ CD は、中心 O を越えて反対側まで伸びます。OD と半径を足すのを忘れないでください。

CD = CO + OD = 5 + 4 = 9

  面積 = (1/2) × AB × CD
       = (1/2) × 6 × 9 = 27

セソ=27、すなわち セ=②、ソ=⑦。

タ,チ:正解 ⑤, ⑥(配点2)

<問題要旨>
PQ = 8、QR = 5、RP = 9 の △PQR について cos∠QPR を求める設問です。

<考え方>
3辺がわかっているので余弦定理です。

QR² = PQ² + PR² − 2·PQ·PR·cos∠QPR

  25 = 64 + 81 − 2×8×9×cos∠QPR
  25 = 145 − 144 cos∠QPR

  144 cos∠QPR = 120

  cos∠QPR = 120/144 = 5/6

タ/チ=5/6、すなわち タ=⑤、チ=⑥。

ツ,テ,ト:正解 ⑥, ①, ①(配点3)

<問題要旨>
△PQR の面積を求める設問です。

<考え方>
cos から sin を出して面積公式に入れます。

sin∠QPR = √(1 − 25/36) = √(11/36) = √11 / 6

  面積 = (1/2) × PQ × PR × sin∠QPR
       = (1/2) × 8 × 9 × (√11/6)
       = 36 × √11 / 6
       = 6√11

ツ√テト=6√11、すなわち ツ=⑥、テ=①、ト=①。

ナ:正解 ⑥(配点2)

<問題要旨>
体積が最大になるように T をとったときの PH, QH, RH の大小関係を答える設問です。

<考え方>
底面 △PQR は固定なので、体積が最大 ⟺ 高さ TH が最大です。球面上の点 T を平面 α からいちばん遠くにとると、T は「球の中心を通り α に垂直な直線」の上に来ます。

球の中心 O_S から平面 α に下ろした垂線の足を K とすると

  K は △PQR の外心(3点から等距離だから)

  T が α からいちばん遠いとき、
  T は直線 O_S K 上にあるので H = K

  よって  PH = QH = RH

ナ=⑥。

ニ,ヌ,ネ,ノ,ハ:正解 ①, ⓪, ①, ①, ②(配点3)

<問題要旨>
三角錐 TPQR の体積の最大値を求める、第1問の結論です。

<考え方>
「底面積 × 高さ ÷ 3」です。高さは球の半径 + 中心から平面までの距離になります。まず △PQR の外接円の半径を求めます。

△PQR の外接円の半径 r

  正弦定理より  QR / sin∠QPR = 2r

    r = 5 / (2 × √11/6) = 15 / √11
球の中心 O_S から平面 α までの距離 d

  d² = R² − r² = 25 − 225/11
     = (275 − 225)/11 = 50/11

  d = 5√2 / √11
高さの最大値 = R + d = 5 + 5√2/√11

  体積 = (1/3) × 6√11 × (5 + 5√2/√11)
       = 2√11 × 5 + 2√11 × 5√2/√11
       = 10√11 + 10√2
       = 10(√11 + √2)

ニヌ=10、ネノ=11、ハ=②、すなわち ニ=①、ヌ=⓪、ネ=①、ノ=①、ハ=②。

※ 2√11 × 5√2/√11 で √11 がきれいに約分されます。ここが計算の山です。

第2問 〔1〕 データの分析(家計調査の支出金額)

ヒストグラムから四分位数の階級を読み、箱ひげ図で2地域を比べ、最後に相関係数を計算する設問です。四分位数が「何番目のデータか」を正しく数えられるかが前半の勝負どころです。

ア:正解 ②(配点2)

<問題要旨>
図1から第1四分位数が含まれる階級を答える設問です。

<考え方>
52 市なので、第1四分位数は下位 26 個の中央値=13番目と14番目の平均です。累積度数を足していきます。

図1 の度数と累積度数

  1000〜1400 :  2  →  2
  1400〜1800 :  7  →  9
  1800〜2200 : 11  → 20  ← 13番目・14番目
  2200〜2600 :  7  → 27
  2600〜3000 : 10  → 37
  3000〜3400 :  8  → 45
  3400〜3800 :  5  → 50
  3800〜4200 :  0  → 50
  4200〜4600 :  1  → 51
  4600〜5000 :  1  → 52

13番目・14番目はどちらも 1800 以上 2200 未満。ア=②。

イ:正解 ⑤(配点2)

<問題要旨>
第3四分位数が含まれる階級を答える設問です。

<考え方>
第3四分位数は上位 26 個の中央値、全体では39番目と40番目の平均です。

累積度数を見ると

  2600 未満 : 27
  3000 未満 : 37
  3400 未満 : 45  ← 39番目・40番目はここ

3000 以上 3400 未満。イ=⑤。

ウ:正解 ①(配点2)

<問題要旨>
四分位範囲の大きさを見積もる設問です。

<考え方>
Q1 と Q3 が属する階級の端の値から、差の取り得る範囲を挟みます。

1800 ≦ Q₁ < 2200
  3000 ≦ Q₃ < 3400

  差 Q₃ − Q₁ の最小 : 3000 − 2200 = 800(より大きい)
  差 Q₃ − Q₁ の最大 : 3400 − 1800 = 1600(より小さい)

  800 < 四分位範囲 < 1600

ウ=①。

エ:正解 ②(配点3)

<問題要旨>
図2(地域E)と図3(地域W)の箱ひげ図から正しい記述を選ぶ設問です。

<考え方>
選択肢を1つずつ図と照合します。

図2(地域E, 19市)
  最小 約1150,  Q₁ 約2200,  中央値 約2350,
  Q₃ 約2600,  最大 約3500

図3(地域W, 33市)
  最小 約1400,  Q₁ 約1800,  中央値 約2600,
  Q₃ 約3400,  最大 約5000
■ ⓪ 地域E で小さい方から5番目が2000以下
   19市なので Q₁ が5番目にあたる。約2200 > 2000 → 誤

■ ① 範囲が等しい
   E : 約2350,  W : 約3600 → 誤

■ ② 中央値は W の方が大きい
   2350 < 2600 → 正

■ ③ 2600未満の割合は W の方が大きい
   E は Q₃ が約2600 なので約75%が2600未満
   W は中央値が約2600 なので約50%
   → E の方が大きい → 誤

エ=②。

オ:正解 ②(配点3)

<問題要旨>
分散の定義を選ぶ設問です。

<考え方>
分散=偏差の2乗の平均、です。

分散 = (1/n) Σ(xᵢ − x̄)²

     = 偏差の2乗を合計して、
       データの個数(市の数)で割った値

オ=②。

※ ④は「その平方根」なので標準偏差です。分散と標準偏差を取り違えないでください。

カ:正解 ⑦(配点3)

<問題要旨>
表1から相関係数を求める、〔1〕の結論です。

<考え方>
相関係数 = 共分散 ÷(2つの標準偏差の積)です。

相関係数 = 124000 / (590 × 570)

  590 × 570 = 336300

  124000 / 336300 = 0.3687…

最も近いのは 0.37。カ=⑦。

※ 図4の散布図はゆるやかに右上がりで、0.37 という「弱い正の相関」と整合しています。符号だけでも選択肢は半分に絞れます。

第2問 〔2〕 2次関数(バスケットボールのシュートの軌道)

上に凸の放物線を2本(プロ選手と花子さん)比べる設問です。どちらも M(4, 3) を通るという共通条件があるので、係数を1つ決めれば軌道全体が決まります。

キ,ク:正解 ④, ③(配点3)

<問題要旨>
放物線 C1 の方程式を、x² の係数 a を使って表す設問です。

<考え方>
C1 は P0(0, 3) と M(4, 3) を通ります。2点を代入して係数を決めます。

y = ax² + bx + c とおく

  (0, 3) を通る → c = 3

  (4, 3) を通る → 16a + 4b + 3 = 3
                → 4b = −16a
                → b = −4a

  y = ax² − 4ax + 3

キ=④、ク=③。

※ 2点の y 座標が同じ(どちらも 3)なので、軸は x = 2 だとすぐわかります。b = −4a はその言いかえです。

ケ,コ:正解 ④, ③(配点3)

<問題要旨>
プロ選手の「シュートの高さ」(頂点の y 座標)を求める設問です。

<考え方>
平方完成します。

y = a(x² − 4x) + 3
    = a{(x − 2)² − 4} + 3
    = a(x − 2)² − 4a + 3

  頂点の y 座標 = −4a + 3

ケ=④、コ=③。

サ:正解 ②(配点3)

<問題要旨>
プロ選手と花子さんの「ボールが最も高くなるときの地上の位置」を比べる設問です。

<考え方>
与えられた C2 の式から頂点の x 座標を読み、C1 の 2 と比べます。放物線が上に凸(p < 0)であること、そしてボールは M で下降中であることがカギです。

C₁ の頂点の x 座標 = 2
  C₂ の頂点の x 座標 = 2 − 1/(8p)

  p < 0 なので t = −1/(8p) > 0 とおくと

    C₂ の頂点は  x = 2 + t
ボールは M(4, 3) を「上から」通るので、
  x = 4 では下降中。つまり頂点は x = 4 より左。

    2 + t < 4  →  0 < t < 2
M の x 座標 4 からの距離を比べる

  プロ選手 : |2 − 4| = 2
  花子さん : |(2 + t) − 4| = |t − 2| = 2 − t

  0 < t < 2 なので  2 − t < 2

  → つねに花子さんの方が M に近い

サ=②。

※ 花子さんは低い位置(y = 2)から打つので、同じ M を通るには軌道の頂点をリング寄りに持ってこざるを得ません。式の上でもそれが確認できます。

シ,ス,セ,ソ:正解 ⑤, ③, ⑤, ⑦(配点3)

<問題要旨>
C1 が点 D を通るときの方程式を求める設問です。

<考え方>
D は A(3.8, 3) の真上で AD = √3/15 なので、D(3.8, 3 + √3/15) です。これを C1 に代入して a を求めます。

3 + √3/15 = a(3.8² − 4×3.8) + 3

  3.8² = 14.44,  4×3.8 = 15.2

  √3/15 = a(14.44 − 15.2) = −0.76a
a = −(√3/15) / 0.76
    = −√3 / (15 × 0.76)
    = −√3 / 11.4
    = −10√3 / 114
    = −5√3 / 57

  y = −(5√3/57)(x² − 4x) + 3

シ=⑤、ス=③、セソ=57、すなわち シ=⑤、ス=③、セ=⑤、ソ=⑦。

タ,チ:正解 ⓪, ⓪(配点3)

<問題要旨>
2人の「シュートの高さ」を比べ、その差がボール何個分かを答える、第2問の結論です。

<考え方>
ケコで求めた式 −4a + 3 に、シスセソの a を代入します。

プロ選手のシュートの高さ

  −4a + 3 = −4 × (−5√3/57) + 3
           = 20√3/57 + 3

  √3 = 1.7320508… なので

  20 × 1.7320508 = 34.641016
  34.641016 / 57 = 0.6077…

  高さ ≒ 3.608
花子さんのシュートの高さ = 約 3.4(問題文で与えられている)

  3.608 > 3.4  →  プロ選手の方が大きい

  差 = 3.608 − 3.4 = 0.208

ボールの直径は 0.2 なので、差は約 1 個分。タ=⓪(プロ選手)、チ=⓪(約1個分)。

※ 「√3 = 1.7320508…」がわざわざ与えられているのは、この 0.208 と 0.2 を比べさせるためです。小数第3位まで出さないと 1 個分か 2 個分か判断できません。

第3問(選択問題) 場合の数と確率(球の塗り分け)

ひもでつながれた球を 5 色で塗り分ける、いわゆるグラフの彩色の問題です。ひもが輪になっているかどうかで数え方が変わり、最後は「輪をいったん切って、あとで引く」という発想に到達します。

ア,イ,ウ:正解 ③, ②, ⓪(配点3)

<問題要旨>
図B(球が一列に4つ並んだ形)の塗り方の総数を求める設問です。

<考え方>
端から順に塗ります。2個目以降は「直前の球と違う色」なので、それぞれ 4 通りです。

球1 : 5 通り
  球2 : 球1 と違えばよい → 4 通り
  球3 : 球2 と違えばよい → 4 通り
  球4 : 球3 と違えばよい → 4 通り

  5 × 4 × 4 × 4 = 320

アイウ=320、すなわち ア=③、イ=②、ウ=⓪。

エ,オ:正解 ⑥, ⓪(配点3)

<問題要旨>
図C(三角形)の塗り方の総数を求める設問です。

<考え方>
3つとも互いにつながっているので、3色すべて異なる必要があります。

球1 : 5 通り
  球2 : 球1 と違う → 4 通り
  球3 : 球1 とも球2 とも違う → 3 通り

  5 × 4 × 3 = 60

エオ=60、すなわち エ=⑥、オ=⓪。

カ,キ:正解 ③, ②(配点3)

<問題要旨>
図D(4つの球が輪になった形)で、赤をちょうど2回使う塗り方を求める設問です。

<考え方>
輪 1−2−3−4−1 では、同じ色にできるのは向かい合う2つだけです。

赤を2つ使えるのは

    {球1, 球3} が赤   または   {球2, 球4} が赤

  の2通りの場合分け
■ 球1, 球3 が赤のとき

    球2 は球1・球3 と違えばよい → 赤以外の 4 通り
    球4 も同様に 4 通り
    (球2 と球4 はつながっていないので制限なし)

    4 × 4 = 16 通り

  ■ 球2, 球4 が赤のとき  同様に 16 通り

  合計 16 + 16 = 32

カキ=32、すなわち カ=③、キ=②。

ク,ケ:正解 ③, ⓪(配点3)

<問題要旨>
図E(中心の球1に5つの球がつながった形)で、赤をちょうど3回、青をちょうど2回使う塗り方を求める設問です。

<考え方>
中心の球1 はすべての球とつながっているので、中心の色は赤でも青でもありえないことにまず気づきます。

■ 中心(球1)が赤だとすると
    まわりの5球は赤にできない
    → 赤は1回しか使えず、3回に足りない  ✗

  ■ 中心が青だとすると
    まわりは青にできず、青は1回だけ
    → 2回に足りない  ✗

  → 中心は黄・緑・紫のいずれか … 3 通り
残りの5球で赤3個・青2個を配る

  どの3個を赤にするか : ₅C₃ = 10 通り
  (残り2個が自動的に青)

  合計 3 × 10 = 30

クケ=30、すなわち ク=③、ケ=⓪。

コ:正解 ②(配点3)

<問題要旨>
図F の塗り方のうち「球3と球4が同色になるもの」の総数と一致する図を選ぶ設問です。

<考え方>
「球3と球4を同じ色にする」というのは、その2つを1つの球にまとめてしまうのと同じことです。まとめた図がどうなるかを考えます。

図F のつながり : 4−1−2−3(一列)

  球3 と球4 を1つにまとめると、
  まとめた球 X は 球1 とも球2 ともつながる。
  さらに 球1−球2 もつながっている。

  → 1, 2, X の3つが互いにつながる = 三角形

三角形は図C です。コ=②。

サ,シ,ス:正解 ②, ⑥, ⓪(配点2)

<問題要旨>
図D(4つの輪)の塗り方の総数を求める設問です。

<考え方>
図D は図F に「球3−球4」のひもを1本足したものです。したがって図F の塗り方から、球3と球4が同色のものを除けば図D になります。

図F の塗り方          = 320(図B と同じ)
  うち 球3・球4 が同色  =  60(図C と同じ = コ)

  図D = 320 − 60 = 260

サシス=260、すなわち サ=②、シ=⑥、ス=⓪。

セ,ソ,タ,チ:正解 ①, ⓪, ②, ⓪(配点3)

<問題要旨>
図G(5つの球が輪になった形)の塗り方の総数を求める、第3問の結論です。

<考え方>
サシスと同じ発想を1段深く使います。輪をいったん切って一列にし、両端が同色になるものを除きます。

■ 輪 1−2−3−4−5−1 のうち、
    ひも 5−1 を外すと一列 1−2−3−4−5

    一列5個の塗り方 = 5 × 4⁴ = 1280
■ そこから「球5 と球1 が同色」のものを除く

    球5 と球1 をまとめると、4つの輪になる
    (まとめた球 −2−3−4− もとの球)

    その塗り方 = 図D と同じ = 260
図G = 1280 − 260 = 1020

セソタチ=1020、すなわち セ=①、ソ=⓪、タ=②、チ=⓪。

※ 一般に n 個の輪を k 色で塗る方法は (k−1)ⁿ + (−1)ⁿ(k−1) 通りです。n = 5、k = 5 なら 4⁵ − 4 = 1020 で、上の結果と一致します。

第4問(選択問題) 整数の性質(長方形を並べて正方形をつくる)

長方形のタイルを並べて正方形や長方形をつくる、という設定で最大公約数・最小公倍数を扱う設問です。462 = 2·3·7·11 のように素因数分解しておくと、最後まで見通しよく進みます。

ア,イ:正解 ①, ①(配点2)

<問題要旨>
462 と 110 の両方を割り切る素数のうち最大のものを求める設問です。

<考え方>
それぞれ素因数分解して、共通の素因数を探します。

462 = 2 × 3 × 7 × 11
  110 = 2 × 5 × 11

  共通の素因数 : 2, 11

  最大は 11

アイ=11。(ついでに最大公約数は 2 × 11 = 22 です。)

ウ,エ,オ,カ:正解 ②, ③, ①, ⓪(配点3)

<問題要旨>
横 462・縦 110 の長方形を並べてできる正方形のうち、一辺が最小のものを求める設問です。

<考え方>
横に m 枚、縦に n 枚並べると、横 462m・縦 110n。これが正方形になる最小の値は最小公倍数です。

462 = 2 × 3 × 7 × 11
  110 = 2 × 5 × 11

  最小公倍数 = 2 × 3 × 5 × 7 × 11 = 2310

ウエオカ=2310、すなわち ウ=②、エ=③、オ=①、カ=⓪。

※ このとき横に 2310÷462 = 5 枚、縦に 2310÷110 = 21 枚並べることになります。

キ,ク:正解 ②, ②(配点3)

<問題要旨>
正方形でない長方形をつくるとき、横と縦の差の絶対値の最小値を求める設問です。

<考え方>
差は |462m − 110n| です。462 と 110 の最大公約数の倍数にしかならないこと、そして最大公約数そのものは必ずつくれること(ユークリッドの互除法)を使います。

462 と 110 の最大公約数

  462 = 110 × 4 + 22
  110 =  22 × 5 + 0

  → 最大公約数 = 22
462m − 110n は 22 の倍数なので
  差の絶対値は 22 未満にはならない。

  一方 22 は実際につくれる(例:462×1 − 110×4 = 22)

  → 最小値は 22

キク=22。

ケ,コ,サ,シ:正解 ①, ⑧, ④, ⑧(配点3)

<問題要旨>
縦が横より 22 長い長方形のうち、横が最小のものを求める設問です。

<考え方>
110n − 462m = 22 という不定方程式を、m が最小の正の整数になるように解きます。

110n − 462m = 22

  両辺を 22 で割って

  5n − 21m = 1
5n = 21m + 1 なので、21m + 1 が 5 の倍数

  21 ≡ 1 (mod 5) より  m + 1 ≡ 0 (mod 5)

  m ≡ 4 (mod 5)  →  最小の正の m は 4

  このとき 5n = 85, n = 17
横の長さ = 462 × 4 = 1848

  検算: 縦 = 110 × 17 = 1870
         1870 − 1848 = 22 ✓

ケコサシ=1848、すなわち ケ=①、コ=⑧、サ=④、シ=⑧。

ス,セ,ソ:正解 ⑦, ⑦, ⓪(配点2)

<問題要旨>
赤い長方形と青い長方形(横363・縦154)を横に並べたとき、縦の長さの最小値を求める設問です。

<考え方>
赤を縦に並べた高さは 110 の倍数、青は 154 の倍数。これが等しくなる最小値、つまり最小公倍数です。

110 = 2 × 5 × 11
  154 = 2 × 7 × 11

  最小公倍数 = 2 × 5 × 7 × 11 = 770

スセソ=770、すなわち ス=⑦、セ=⑦、ソ=⓪。縦の長さは 770 の倍数に限られます。

タ,チ:正解 ③, ③(配点2)

<問題要旨>
462 と 363 の最大公約数を求める設問です。

<考え方>
素因数分解します。

462 = 2 × 3 × 7 × 11
  363 = 3 × 11 × 11

  共通部分 = 3 × 11 = 33

タチ=33。横の長さ 462m + 363n は必ず 33 の倍数になります。

ツ,テ,ト,ナ:正解 ②, ③, ①, ⓪(配点2)

<問題要旨>
33 の倍数でも 770 の倍数でもある最小の正の整数を求める設問です。

<考え方>
33 と 770 の最小公倍数です。

 33 = 3 × 11
  770 = 2 × 5 × 7 × 11

  最小公倍数 = 2 × 3 × 5 × 7 × 11 = 2310

ツテトナ=2310、すなわち ツ=②、テ=③、ト=①、ナ=⓪。

ニ,ヌ,ネ,ノ:正解 ⑥, ⑨, ③, ⓪(配点3)

<問題要旨>
図2のような正方形のうち、一辺が最小のものを求める、第4問の結論です。

<考え方>
ツテトナで「一辺は 2310 の倍数」まで絞れました。あとは赤も青も1枚以上使うという条件を満たすかを、小さい候補から順に調べます。

一辺を L とすると

  L = 462m + 363n   (m ≧ 1, n ≧ 1)
  L は 2310 の倍数

  両辺を 33 で割ると  L/33 = 14m + 11n
■ L = 2310 のとき  14m + 11n = 70
    11n = 14(5 − m) なので 11 | (5 − m)
    → m = 5(このとき n = 0)… 不適

  ■ L = 4620 のとき  14m + 11n = 140
    11n = 14(10 − m) なので 11 | (10 − m)
    → m = 10(n = 0)… 不適

  ■ L = 6930 のとき  14m + 11n = 210
    11n = 14(15 − m) なので 11 | (15 − m)
    → m = 4 のとき 11n = 154, n = 14  ○
検算: 462×4 + 363×14 = 1848 + 5082 = 6930
       縦も 770 × 9 = 6930 ✓

ニヌネノ=6930、すなわち ニ=⑥、ヌ=⑨、ネ=③、ノ=⓪。

※ 2310 と 4620 では n = 0、つまり青を1枚も使わない解しか出ません。「両方1枚以上」という条件がここで効いてきます。

第5問(選択問題) 図形の性質(作図した直線が接線になる理由)

手順どおりに作図した直線が、なぜ必ず円の接線になるのかを、円周角と方べきの定理で説明していく設問です。「直角が2つ見えたら、その2点は同じ円の上」という見方が全体を貫きます。

ア,イ:正解 ⑨, ⓪(配点2)

<問題要旨>
直線 EH が円 O の接線であることを示すには、何を示せばよいかを答える設問です。

<考え方>
接線の定義は「接点を通る半径に垂直」です。E は円周上の点なので、OE ⊥ EH を示せばよいことになります。

直線 EH が円 O の接線

  ⟺ 接点 E における半径 OE と EH が垂直

  ⟺ ∠OEH = 90°

アイ=90。

ウ:正解 ③(配点2)

<問題要旨>
C, G, H とともに同一円周上にある点を選ぶ設問です。

<考え方>
(Step 1) と (Step 4) から直角が2つ見つかります。同じ線分を見込む角が直角である2点は、その線分を直径とする円の上にあります。

(Step 1) C は弦 AB の中点
    → OC ⊥ AB, つまり ∠OCH = 90°

  (Step 4) G における接線が直線 ℓ と H で交わる
    → OG ⊥ GH, つまり ∠OGH = 90°
C からも G からも線分 OH が直角に見える

  → C, G は「OH を直径とする円」の上にある

  → C, G, H, O が同一円周上

ウ=③(O)。

エ:正解 ④(配点3)

<問題要旨>
∠CHG と等しい角を選ぶ設問です。

<考え方>
C, G, H, O が同一円周上にあるので、円に内接する四角形の性質(対角の和が 180°)を使います。

四角形 CHGO は円に内接するので

    ∠CHG + ∠COG = 180°

  F は直線 OC 上にあり、O をはさんで C と反対側にある。
  したがって

    ∠FOG = 180° − ∠COG

  よって  ∠CHG = ∠FOG

エ=④。

オ:正解 ③(配点3)

<問題要旨>
∠FOG と等しい角を、E が円周上にあることから選ぶ設問です。

<考え方>
(Step 3) から D と G は直線 OC について対称です。中心角と円周角の関係に持ち込みます。

(Step 3) より DG ⊥ OC で、F はその交点。
  中心を通る直線が弦 DG に垂直なので、
  F は DG の中点。つまり D と G は直線 OC 対称。

  → ∠FOD = ∠FOG
  → 中心角 ∠DOG = 2∠FOG
一方、E は円周上の点なので、弧 DG に対する
  円周角と中心角の関係より

    ∠DEG = (1/2)∠DOG = ∠FOG

オ=③。

カ:正解 ②(配点2)

<問題要旨>
C, G, H とともに同一円周上にある、もう一つの点を選ぶ設問です。

<考え方>
エとオを合わせると ∠CHG = ∠DEG です。E は直線 CD 上にあるので、この角を C を使って書き直せます。

(Step 2) より E は直線 CD 上にある

  → ∠DEG = ∠CEG  (同じ角の別名)

  したがって  ∠CHG = ∠CEG
線分 CG を、H からも E からも同じ角度で見ている
(かつ H と E は CG の同じ側にある)

  → 円周角の定理の逆より
    C, G, E, H は同一円周上

カ=②(E)。

※ ここまでで「C, G, H, O が同一円周上」と「C, G, H, E が同一円周上」の2つが得られました。C, G, H を通る円は1つしかないので、O と E も同じ円の上にあることになります。

キ:正解 ③(配点3)

<問題要旨>
手順2で ∠PTS と等しい角を選ぶ設問です。

<考え方>
手順2は手順1と同じ構造です。C↔P、D↔Q、E↔R、G↔S、H↔T と読みかえるだけで、同じ議論がそのまま通ります。

手順1 で示したこと

    ∠CHG = ∠DEG = ∠CEG

  対応させると

    ∠PTS = ∠QRS

キ=③。

※ 手順1との違いは「直線 ℓ が円と交わるか離れているか」だけで、直角の位置関係は変わりません。P は O から ℓ に下ろした垂線の足なので ∠OPT = 90°、S は接点なので ∠OST = 90° です。

ク,ケ,コ:正解 ③, ⑥, ②(配点3)

<問題要旨>
3点 O, P, R を通る円の半径を求める設問です。

<考え方>
手順1と同じ論法で、O, P, R, S, T が1つの円の上にあることがわかります。その円で OT が直径になります。

∠OPT = 90°(P は垂線の足)
  ∠OST = 90°(S は接点)

  → P, S は OT を直径とする円の上
  → キの議論により R もその円の上

  3点 O, P, R を通る円 = OT を直径とする円
半径 = OT / 2 = 3√6 / 2

ク√ケ/コ=3√6/2、すなわち ク=③、ケ=⑥、コ=②。

サ:正解 ⑦(配点2)

<問題要旨>
RT の長さを求める、第5問の結論です。

<考え方>
R は OT を直径とする円の上にあるので ∠ORT = 90° です。あとは三平方の定理です。

R は円 O の周上でもあるので  OR = √5(半径)

  ∠ORT = 90° の直角三角形 ORT で

    RT² = OT² − OR²
        = (3√6)² − (√5)²
        = 54 − 5 = 49

    RT = 7

サ=⑦。

※ 「直径に対する円周角は 90°」を使って直角三角形を見つけ、三平方の定理で仕上げる、という定番の流れです。

※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

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