解答
解説
2024年度 大学入学共通テスト 本試験「数学Ⅰ」の全設問について、正解と考え方を解説します。第1問〜第4問はすべて必答です(計100点)。各設問の見出しをタップすると解説が開きます。
第1問 〔1〕 不等式(√13 の値を絞り込む)
√13 のような無理数を、整数の不等式だけで小数第2位まで追い詰めていく設問です。「値を求める」のではなく「はさみうちで範囲を狭める」という発想が一本の筋になっています。
ア:正解 ⑦(配点2)
<問題要旨>
2√13 が連続する2整数 n と n+1 の間に入るとき、その n を求める設問です。
<考え方>
2√13 は √ の中に入れてしまうのが確実です。
2√13 = √(4 × 13) = √52 7² = 49 < 52 < 64 = 8² よって 7 < √52 < 8
したがって ア=⑦。
イ,ウ:正解 ⑦, ③(配点2)
<問題要旨>
a = 2√13 − 7 の逆数 b を、分母を有理化して整理する設問です。
<考え方>
分母が 2√13 − 7 なので、共役な 2√13 + 7 を分母・分子にかけます。
b = 1/(2√13 − 7)
= (2√13 + 7) / { (2√13 − 7)(2√13 + 7) }
分母 = (2√13)² − 7² = 52 − 49 = 3
b = (7 + 2√13) / 3
問題の形 (<イ> + 2√13)/<ウ> と比べて、イ=⑦、ウ=③。
エ,オ,カ:正解 −, ⑤, ⑥(配点2)
<問題要旨>
a² − 9b² を計算する設問です。
<考え方>
まともに展開しても解けますが、a² − 9b² = (a + 3b)(a − 3b) と因数分解したほうが速く済みます。
a = 2√13 − 7, 3b = 7 + 2√13 a + 3b = (2√13 − 7) + (2√13 + 7) = 4√13 a − 3b = (2√13 − 7) − (2√13 + 7) = −14 a² − 9b² = 4√13 × (−14) = −56√13
したがって エオカ=−56、すなわち エ=−、オ=⑤、カ=⑥。
キ,ク:正解 ①, ④(配点2)
<問題要旨>
b が m/3 と (m+1)/3 の間に入るような整数 m を求める設問です。
<考え方>
b = (7 + 2√13)/3 で、分母はすでに 3 です。あとは分子 7 + 2√13 がどの2整数の間にあるかを見ればよいことになります。ここで①(7 < 2√13 < 8)がそのまま使えます。
7 < 2√13 < 8 14 < 7 + 2√13 < 15 14/3 < b < 15/3
よって キク=14、すなわち キ=①、ク=④。
ケ,コ,サ:正解 ③, ⑥, ⓪(配点2)
<問題要旨>
√13 の整数部分・小数第1位・小数第2位を確定させる、〔1〕の山場です。
<考え方>
③(b = 1/a)より a = 1/b です。14/3 < b < 15/3 の各辺の逆数をとると、不等号の向きが逆になることに注意します。
14/3 < b < 15/3 3/15 < a < 3/14 …… ⑥ a = 2√13 − 7 だから 3/15 < 2√13 − 7 < 3/14 7 + 0.2 < 2√13 < 7 + 0.2142… 7.2 < 2√13 < 7.21428… 3.6 < √13 < 3.60714…
この範囲に入る数は、整数部分が 3、小数第1位が 6、小数第2位が 0 のものに限られます。
よって ケ=③、コ=⑥、サ=⓪。(参考:√13 = 3.605551… です。)
第1問 〔2〕 集合と必要条件・十分条件
全体集合 U = {2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9} のもとで、「a の倍数の集合」を並べていく設問です。倍数を書き出すだけの前半から、必要条件・十分条件の判定まで一続きになっています。U に入る数を最初に全部書き出しておくと、以降がすべて機械的に処理できます。
シ,ス,セ:正解 ④, ⑤, ⑧(配点2)
<問題要旨>
a = 4、b = 5 のときの A∪B を求める設問です。
<考え方>
U = {2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9} の中から、それぞれの倍数を拾うだけです。
A = 4 の倍数 = { 4, 8 }
B = 5 の倍数 = { 5 }
A ∪ B = { 4, 5, 8 }
小さい順に並べて シ=④、ス=⑤、セ=⑧。
ソ,タ,チ:正解 ②, ④, ⑧(配点2)
<問題要旨>
a = 2、b = 3 のときの A ∩ B̄(A から B の要素を取り除いたもの)を求める設問です。
<考え方>
B̄ は「U のうち B に入らないもの」です。A の要素から B の要素を抜くだけと考えると速く済みます。
A = 2 の倍数 = { 2, 4, 6, 8 }
B = 3 の倍数 = { 3, 6, 9 }
A ∩ B̄ = A から B の要素を除く
= { 2, 4, 6, 8 } − { 6 }
= { 2, 4, 8 }
ソ=②、タ=④、チ=⑧。
ツ,テ:正解 ⑤, ⑦(配点2)
<問題要旨>
a = 2、b = 3 のとき、A∪B = C̄ ∩ D̄ が成り立つような c,d を求める設問です。
<考え方>
ド・モルガンの法則より C̄ ∩ D̄ = (C∪D) の補集合です。つまり「C∪D が A∪B の補集合になればよい」と読み替えられます。
A ∪ B = { 2, 3, 4, 6, 8, 9 }
よって C ∪ D は U からこれを除いた
C ∪ D = { 5, 7 }
U の中で 5 の倍数は 5 だけ、7 の倍数は 7 だけ。
b = 3 < c < d より
c = 5, d = 7
ツ=⑤、テ=⑦。
ト,ナ,ニ,ヌ:正解 ②, ③, ⑤, ⑦(配点2)
<問題要旨>
A∪B∪C∪D = U となる a,b,c,d を求める設問です。
<考え方>
「U のすべての数がどれかの倍数になる」条件です。U の中で自分自身しか約数を持たない数から決めていくのが定石です。
U = { 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9 }
5 を含む集合をつくれるのは a〜d のどれかが 5 のときだけ
7 についても同様 → 5 と 7 は必ず選ばれる
残るは 2, 3, 4, 6, 8, 9 を覆うこと。
a < b < c < d で、c = 5, d = 7 が確定しているので
a, b は 5 未満から選ぶ。
a = 2 → A = { 2, 4, 6, 8 }
b = 3 → B = { 3, 6, 9 }
合わせて 2, 3, 4, 6, 8, 9 をすべて覆える。
ト=②、ナ=③、ニ=⑤、ヌ=⑦。
※ a = 2 でないと 8 が覆えず、b = 3 でないと 9 が覆えません。この2点を確かめれば一通りに決まります。
ネ:正解 ②(配点1)
<問題要旨>
「a = 2 であること」は「{2, 6, 8} ⊂ A∪B∪C であること」の何条件かを答える設問です。
<考え方>
十分性と必要性を別々に確かめます。
■ 十分性(a = 2 ⇒ 条件)
a = 2 なら A = { 2, 4, 6, 8 } ⊇ { 2, 6, 8 }
→ 成り立つ
■ 必要性(条件 ⇒ a = 2)
2 を要素に持つ集合をつくれるのは、
倍数のもとの数が 2 のときだけ。
a < b < c で a は最小なので、
2 を選べるのは a しかない。
→ a = 2 が必要
両方成り立つので必要十分条件。ネ=②。
ノ:正解 ③(配点1)
<問題要旨>
今度は「b = 6 であること」について同じ判定をする設問です。
<考え方>
反例を1つずつ探します。
■ 十分でない反例
a = 3, b = 6, c = 7 とすると
A = { 3, 6, 9 }, B = { 6 }, C = { 7 }
A∪B∪C = { 3, 6, 7, 9 }
2 も 8 も入らない → 条件は成り立たない
■ 必要でない反例
a = 2, b = 3, c = 5 とすると
A = { 2, 4, 6, 8 } ⊇ { 2, 6, 8 }
条件は成り立つが b = 6 ではない
どちらでもないので ノ=③(必要条件でも十分条件でもない)。
第2問 〔1〕 三角比(正弦定理・余弦定理と三角形の決定)
BC = 5、∠ABC = 60° に外接円の半径 R を加えたとき、三角形が何通りに決まるかを調べる設問です。「2辺と挟まない角」で三角形が2通りに定まる、いわゆる2解の問題を、外接円の半径という切り口から扱っています。
ア,イ:正解 ②, ①(配点2)
<問題要旨>
外接円の半径が √7 のときの AC の長さを求める設問です。
<考え方>
AC は ∠ABC の対辺なので、正弦定理がそのまま使えます。
正弦定理 AC / sin∠ABC = 2R
AC = 2 × √7 × sin60°
= 2√7 × (√3/2)
= √7 × √3
= √21
アイ=21、すなわち ア=②、イ=①。
ウ,エ:正解 ①, ④(配点3)
<問題要旨>
同じ条件のもとで AB の長さを求める設問です。答えが2つ出ることがポイントです。
<考え方>
AC、BC、∠B がわかっているので 余弦定理を AB についての2次方程式として立てます。
AC² = AB² + BC² − 2·AB·BC·cos∠ABC 21 = AB² + 25 − 2·AB·5·(1/2) 21 = AB² + 25 − 5AB AB² − 5AB + 4 = 0 (AB − 1)(AB − 4) = 0 AB = 1 または AB = 4
どちらも正の値なので両方とも三角形として成立します。だから「外接円の半径が √7 である △ABC は二つある」わけです。ウ,エ=1, 4(順序は問われません)、すなわち ウ=①、エ=④。
オ,カ:正解 ⑤, ②(配点2)
<問題要旨>
三角形が一通りに決まる場合のうち、R が特定の値になるケースを求める設問です。
<考え方>
ウエと同じ手順を R のまま行い、AB についての2次方程式の判別式で場合分けします。
AC = 2R sin60° = √3 R なので
3R² = AB² + 25 − 5AB
AB² − 5AB + (25 − 3R²) = 0 … (★)
判別式 D = 25 − 4(25 − 3R²)
= 12R² − 75
D = 0 のとき(重解=ちょうど一通り) 12R² = 75 R² = 25/4 R = 5/2 このとき AB = 5/2 > 0 なので三角形は成立する。
オ/カ=5/2、すなわち オ=⑤、カ=②。
キ,ク,ケ:正解 ⑤, ③, ③(配点3)
<問題要旨>
もう一方の「一通りに決まる」条件、R ≧ □ を求める設問です。この大問の山場です。
<考え方>
D > 0(R > 5/2)のときは2解が出ますが、正の解が1つしかなければ三角形は一通りです。(★) の2解の積 25 − 3R² の符号で判定します。
(★) の2解について
和 = 5 (つねに正)
積 = 25 − 3R²
■ 積 > 0(R < 5/√3)
→ 2解とも正 → 三角形は二通り
■ 積 = 0(R = 5/√3)
→ 解は 0 と 5。AB = 0 は不適
→ 三角形は一通り
■ 積 < 0(R > 5/√3)
→ 正の解は1つだけ
→ 三角形は一通り
境界の値を有理化すると 5/√3 = 5√3 / 3 よって R ≧ 5√3/3 のとき一通りに決まる。
キ√ク/ケ = 5√3/3、すなわち キ=⑤、ク=③、ケ=③。
※ まとめると、一通りに決まるのは R = 5/2(重解)と R ≧ 5√3/3(正の解が1つ)の場合です。5/2 = 2.5、5√3/3 ≒ 2.89 なので、その間の 2.5 < R < 2.89 では二通りになります。
第2問 〔2〕 三角比(坂にのびる電柱の影)
電柱の影が坂にかかっているという設定で、三角比を使って電柱の高さを求める設問です。図2の平面図に落とし込んでしまえば、あとは直角三角形の計算に還元できます。
コ:正解 ④(配点4)
<問題要旨>
道路標識の「7%」から、坂の傾斜角 ∠DCP が何度台かを求める設問です。
<考え方>
「7%」は、水平距離 100 m に対して 7 m 高くなる、という意味です。これは傾斜角の正接(tan)そのものです。
tan∠DCP = 7 / 100 = 0.07
三角比の表より
tan 4° = 0.0699
tan 5° = 0.0875
0.0699 < 0.07 < 0.0875
よって 4° < ∠DCP < 5°
n° < ∠DCP < n°+1° を満たす n は 4。コ=④。
※「7%だから約7°」としないこと。パーセント表示は角度ではなく勾配(tanの値)です。
サ,シ:正解 ④, ⓪(配点4)
<問題要旨>
D から電柱 AB に下ろした垂線の足を E とするとき、BE の長さを求める設問です。
<考え方>
BE は、D が地面からどれだけ高い位置にあるかを表しています。C から D まで坂を 4 m のぼったときの高さの増加分です。
直角三角形で考えると (高さの増加)= CD × sin∠DCP BE = 4 × sin∠DCP
よって サ=④、シ=⓪(sin∠DCP)。
ス,セ,ソ:正解 ⑦, ④, ②(配点4)
<問題要旨>
DE の長さ、すなわち D と電柱との水平距離を求める設問です。
<考え方>
DE は「B から C までの 7 m」に「C から D までの水平方向の移動分」を足したものです。
(水平方向の移動分)= CD × cos∠DCP = 4 × cos∠DCP
DE = BC + 4 × cos∠DCP
= 7 + 4 × cos∠DCP
よって ス=⑦、セ=④、ソ=②(cos∠DCP)。
タ:正解 ③(配点4)
<問題要旨>
電柱の高さ AB を、小数第2位で四捨五入して求める設問です。
<考え方>
太陽高度 ∠APB = 45° は、太陽光線 AD が水平面となす角です。DE は水平、AE は鉛直なので、直角三角形 AED で ∠ADE = 45°、つまり AE = DE になります。
AE = DE × tan45° = DE = 7 + 4cos4°
AB = AE + EB
= (7 + 4cos4°) + 4sin4°
cos4° = 0.9976, sin4° = 0.0698
AB = 7 + 3.9904 + 0.2792
= 11.2696
小数第2位で四捨五入して 11.3 m。タ=③(11.3)。
チ,ツ,テ,ト:正解 ⑦, ⑤, ⓪, ①(配点4)
<問題要旨>
太陽高度が 42° の日について、坂にある影の長さ CD を AB の式で表す設問です。今度は CD が未知数になります。
<考え方>
CD = x とおいて、タと同じ手順で AB を x の式にし、それを x について解きます。
BE = x sin∠DCP, DE = 7 + x cos∠DCP
AE = DE × tan42°
AB = (7 + x cos∠DCP) tan42° + x sin∠DCP
= 7 tan42° + x (cos∠DCP × tan42° + sin∠DCP)
x について解くと
CD = (AB − 7 × tan42°)
/ (sin∠DCP + cos∠DCP × tan42°)
問題の形と比べて チ=⑦、ツ=⑤(tan42°)、テ=⓪(sin∠DCP)、ト=①(cos∠DCP)。
検算:AB = 11.3 を代入すると 分子 = 11.3 − 7 × 0.9004 = 4.997 分母 = 0.0698 + 0.9976 × 0.9004 = 0.968 CD = 4.997 / 0.968 = 5.16 (m) 前回の 4 m より約 1.2 m 長い → 問題文と一致
第3問 〔1〕 2次関数(グラフの形と係数の符号)
コンピュータソフトに表示された放物線の概形から、a,b,c の符号や判別式の符号を読み取る設問です。グラフの特徴を式の条件に翻訳するという、2次関数の基本がそのまま問われています。
ア:正解 ⓪(配点1)
<問題要旨>
2次の係数 a の符号を答える設問です。
<考え方>
図1の放物線は上に凸です。
上に凸 ⟺ a < 0
ア=⓪(<)。
イ:正解 ⓪(配点2)
<問題要旨>
1次の係数 b の符号を答える設問です。
<考え方>
2つの解がどちらも負であることから、解と係数の関係で判断します。
2解は −2 < x < −1 と −1 < x < 0 にあるので
どちらも負。
解の和 = −b/a < 0
a < 0 なので、両辺に a を掛けると不等号が反転して
−b > 0
b < 0
イ=⓪(<)。
※ 軸 x = −b/(2a) が負の側にあることからも同じ結論になります。
ウ:正解 ⓪(配点1)
<問題要旨>
定数項 c の符号を答える設問です。
<考え方>
c = f(0) です。グラフが x = 0 でどこにあるかを見るのが最短です。
2解のうち大きいほうは −1 < x < 0 にある。 上に凸の放物線は2解の外側で負なので、 x = 0 は解より右側 → f(0) < 0 c = f(0) < 0
ウ=⓪(<)。(解の積 c/a > 0 と a < 0 から c < 0 としても同じです。)
エ:正解 ②(配点2)
<問題要旨>
判別式 b² − 4ac の符号を答える設問です。
<考え方>
グラフが x 軸と異なる2点で交わっていることがそのまま答えです。
x 軸との共有点が2個 ⟺ b² − 4ac > 0
エ=②(>)。
オ,カ:正解 ⓪, ②(配点2)
<問題要旨>
f(−2) = 4a − 2b + c と f(−1) = a − b + c の符号を答える設問です。
<考え方>
式を展開して考えるのではなく、x に値を代入した f の値だと見抜けば、グラフを読むだけで済みます。
4a − 2b + c = f(−2)
a − b + c = f(−1)
上に凸の放物線は
2解の間で正、外側で負
■ x = −2 は小さいほうの解より左
→ f(−2) < 0
■ x = −1 は2解の間
→ f(−1) > 0
オ=⓪(<)、カ=②(>)。
キ:正解 ⑤(配点4)
<問題要旨>
「不等式 f(x) < 0 の解がすべての実数となる」ことが起こり得る操作を選ぶ設問です。
<考え方>
f(x) < 0 がつねに成り立つのは、a < 0 かつ b² − 4ac < 0 のときです。a < 0 は初めから成り立っているので、判別式を負にできるかどうかだけを見ます。
現在 a < 0, b < 0, c < 0 なので ac > 0。
b² − 4ac において −4ac は負の項。
■ 操作A(a を減少)
a がより負になる → ac がより大きい正
→ −4ac がより小さくなる
→ 判別式は減少し、いずれ負にできる ○
■ 操作B(b を減少)
b がより負になる → b² は増加
→ 判別式は増加するだけ ×
■ 操作C(c を減少)
c がより負になる → ac がより大きい正
→ 判別式は減少し、いずれ負にできる ○
起こり得るのは操作 A と操作 C。キ=⑤。
ク:正解 ⓪(配点3)
<問題要旨>
「f(x) = 0 が異なる二つの正の解をもつ」ことが起こり得る操作を選ぶ設問です。
<考え方>
2解がともに正である条件を、解と係数の関係で書き出します。
2解がともに正 ⟺
判別式 > 0
解の和 −b/a > 0
解の積 c/a > 0
a < 0 のもとで
解の和 > 0 ⟺ b > 0
ところが b を変化させられるのは操作Bだけで、
操作Bは b を「減少」させる。
現在 b < 0 なので、減らしてもけっして正にならない。
操作A・操作C は b を変えないので、
やはり b < 0 のまま。
どの操作でも解の和は負のままなので、起こり得ません。ク=⓪(ない)。
第3問 〔2〕 2次関数(動く2点がつくる三角形の面積)
台形の辺上を動く2点 P,Q と頂点 B がつくる三角形の面積を追う設問です。Q が O で折り返すため、0 ≦ t ≦ 3 と 3 ≦ t ≦ 6 で式が変わるという場合分けが全体の骨格になります。
ケ:正解 ⑨(配点3)
<問題要旨>
開始から1秒後の △PBQ の面積を求める、導入の設問です。
<考え方>
まず1秒後の位置を押さえます。P は毎秒1で O から x 軸正方向、Q は毎秒2で C(0, 6) から y 軸を下向きです。
1秒後:P(1, 0), Q(0, 4), B(4, 6)
S = ½|x_P(y_Q − y_B) + x_Q(y_B − y_P) + x_B(y_P − y_Q)|
= ½|1×(4 − 6) + 0×(6 − 0) + 4×(0 − 4)|
= ½|−2 − 16| = 9
よって ケ=⑨。
コ:正解 ⑧(配点3)
<問題要旨>
開始から3秒間(0 ≦ t ≦ 3)での面積の最小値を求める設問です。
<考え方>
この区間では Q は下向きに動いているので Q(0, 6 − 2t)、P(t, 0) です。面積を t の式にします。
S(t) = ½|t{(6 − 2t) − 6} + 4{0 − (6 − 2t)}|
= ½|−2t² + 8t − 24|
−2t² + 8t − 24 は判別式 64 − 192 < 0 より常に負。
S(t) = t² − 4t + 12 = (t − 2)² + 8
頂点 t = 2 は区間内にあるので、最小値は 8。コ=⑧。
サ,シ:正解 ①, ②(配点2)
<問題要旨>
同じ 0 ≦ t ≦ 3 での最大値を求める設問です。
<考え方>
下に凸の放物線なので、最大値は区間の端でとります。頂点 t = 2 から遠いほうの端が最大です。
S(0) = 12 S(3) = 9 − 12 + 12 = 9 → 最大値は 12(t = 0 のとき)
サシ=12、すなわち サ=①、シ=②。
ス:正解 ⑧(配点1)
<問題要旨>
開始時刻から終了時刻まで(0 ≦ t ≦ 6)全体での面積の最小値を求める設問です。
<考え方>
3 ≦ t ≦ 6 では Q は上向きに戻るので Q(0, 2t − 6) です。この区間の式も作って比べます。
3 ≦ t ≦ 6 のとき S(t) = ½|2t² − 20t + 24| = |t² − 10t + 12| t² − 10t + 12 = 0 の解は t = 5 ± √13 ≒ 1.39, 8.61 → 3 ≦ t ≦ 6 では常に負 S(t) = −(t − 5)² + 13
区間ごとの値域 0 ≦ t ≦ 3 : 最小 8 (t=2), 最大 12 (t=0) 3 ≦ t ≦ 6 : 最小 9 (t=3), 最大 13 (t=5)
全体の最小値は 8。ス=⑧。
セ,ソ:正解 ①, ③(配点2)
<問題要旨>
0 ≦ t ≦ 6 全体での面積の最大値を求める設問です。
<考え方>
スで作った表をそのまま読みます。
後半 S(t) = −(t − 5)² + 13 は上に凸。 頂点 t = 5 は区間内なので最大値 13。 前半の最大 12 より大きい。
セソ=13、すなわち セ=①、ソ=③。
タ,チ,ツ:正解 ③, ③, ②(配点4)
<問題要旨>
面積が 10 以下となる時間の長さ(合計)を求める設問です。第3問でいちばん重い設問です。
<考え方>
前半・後半それぞれで S(t) ≦ 10 を解き、区間の長さを足します。「時刻」ではなく「長さ」を答えることに注意します。
■ 前半 0 ≦ t ≦ 3 t² − 4t + 12 ≦ 10 t² − 4t + 2 ≦ 0 2 − √2 ≦ t ≦ 2 + √2 2 + √2 ≒ 3.414 > 3 なので 共通部分は 2 − √2 ≦ t ≦ 3 長さ = 3 − (2 − √2) = 1 + √2
■ 後半 3 ≦ t ≦ 6 −t² + 10t − 12 ≦ 10 t² − 10t + 22 ≧ 0 t ≦ 5 − √3 または t ≧ 5 + √3 5 − √3 ≒ 3.268, 5 + √3 ≒ 6.732 共通部分は 3 ≦ t ≦ 5 − √3 長さ = 2 − √3
合計 = (1 + √2) + (2 − √3)
= 3 − √3 + √2
(数値では約 2.68 秒間)
問題の形 (<タ> − √<チ> + √<ツ>) と比べて、タ=③、チ=③、ツ=②。
第4問 データの分析(長距離走のベストタイム)
ヒストグラム・箱ひげ図・散布図・標準化(z 値)・相関係数と、データの分析の道具がひととおり並んだ設問です。計算そのものは軽く、グラフを正確に読み取れるかが得点差になります。
ア:正解 ⑥(配点1)
<問題要旨>
データ A で、ベストタイムが 420 秒未満の選手の割合を求める設問です。
<考え方>
図1の棒のうち、420 より左のものを足して 50 で割ります。
図1 A の度数 360〜390 : 1 390〜420 : 2 --------------- 420 秒未満の合計 = 3 人 3 / 50 = 0.06 = 6 %
ア=⑥。
イ,ウ:正解 ①, ⑧(配点1)
<問題要旨>
同じことをデータ B について行う設問です。
<考え方>
図2の 420 より左の棒をすべて足します。330〜360 の棒がない(度数 0)ことを見落とさないようにします。
図2 B の度数 270〜300 : 1 300〜330 : 1 330〜360 : 0 360〜390 : 2 390〜420 : 5 --------------- 420 秒未満の合計 = 9 人 9 / 50 = 0.18 = 18 %
イウ=18、すなわち イ=①、ウ=⑧。
エ:正解 ⑧(配点2)
<問題要旨>
図1から A の最頻値が入る階級を答える設問です。
<考え方>
最頻値(モード)の階級とは、度数がいちばん大きい階級のことです。棒がいちばん高いところを探すだけです。
図1 A の度数 360〜390 : 1 390〜420 : 2 420〜450 : 1 450〜480 : 9 480〜510 : 10 510〜540 : 19 ← 最大 540〜570 : 8 (合計 50 人)
510 以上 540 未満。エ=⑧。
オ:正解 ⑥(配点2)
<問題要旨>
図2から B の中央値が含まれる階級を答える設問です。
<考え方>
50 人なので、中央値は速いほうから 25 番目と 26 番目の平均です。累積度数を足していきます。
図2 B の累積度数 270〜300 : 1 → 1 300〜330 : 1 → 2 330〜360 : 0 → 2 360〜390 : 2 → 4 390〜420 : 5 → 9 420〜450 : 10 → 19 450〜480 : 16 → 35 ← 25番目・26番目 480〜510 : 14 → 49 510〜540 : 1 → 50
450 以上 480 未満。オ=⑥。
カ:正解 ④(配点2)
<問題要旨>
図3の箱ひげ図から、A と B それぞれの「速いほうから13番目」のタイムの差を見積もる設問です。
<考え方>
50 個のデータで、下位25個の中央値が第1四分位数です。25 個の中央値は 13 番目なので、第1四分位数がそのまま「速いほうから13番目の値」になります。箱の左端を読めばよいことになります。
図3より A の第1四分位数(箱の左端)≒ 480 秒 B の第1四分位数(箱の左端)≒ 437 秒 差 = 約 43 秒
選択肢のうち最も近いのは 45。カ=④。
キ:正解 ⓪(配点2)
<問題要旨>
A の四分位範囲から B の四分位範囲を引いた差の絶対値がどの範囲かを答える設問です。
<考え方>
四分位範囲 = 第3四分位数 − 第1四分位数 = 箱の横幅です。2つの箱の幅を目で比べるだけで済みます。
図3より A : 箱は約 480 〜 533 → 四分位範囲 ≒ 53 B : 箱は約 437 〜 487 → 四分位範囲 ≒ 50 |53 − 50| = 3
0 以上 20 未満。キ=⓪。
※ 箱の幅は見た目でほぼ同じです。目盛りを細かく読むより「ほとんど差がない=⓪」と判断したほうが速く確実です。
ク,ケ,コ:正解 ③, ⑤, ①(配点2)
<問題要旨>
B の1位の選手について、標準化した値 z を求める設問です。
<考え方>
示された式は(値)=(平均値)+ z ×(標準偏差)なので、z について解くと標準化の式になります。
z = (値 − 平均値) / 標準偏差
表1より B は
1位のベストタイム 296
平均値 454, 標準偏差 45
z = (296 − 454) / 45
= −158 / 45
= −3.5111…
ク.ケコ=3.51、すなわち ク=③、ケ=⑤、コ=①(マイナスは問題文の z = − の形に含まれています)。
サ:正解 ①(配点2)
<問題要旨>
A の1位と B の1位を、ベストタイムと z 値の2つの観点で比較する設問です。
<考え方>
A についても z を計算し、2つの基準で並べます。
A:z = (376 − 504) / 40 = −3.20
B:z = −3.51
■ ベストタイム
296 (B) < 376 (A) → B のほうが速い
■ z の値
−3.51 (B) < −3.20 (A) → B のほうが小さい
(小さいほうが優れていると判断する)
どちらの基準でも B が上になります。サ=①。
※ 「2つの基準で結論が食い違うのでは」と疑わせておいて、実際には一致するという構成です。両方を必ず計算してください。
シ:正解 ①(配点3)
<問題要旨>
2つの散布図(図4・図5)についての記述 (a)(b) の正誤を判定する設問です。
<考え方>
(a) は個々の点を数える問題、(b) は相関の強さを見比べる問題です。分けて考えます。
■ (a) について
図4で、マラソンが速い(左端の)3点を読むと
(約330, 約1657)
(約370, 約1662)
(約377, 約1655)
3点とも 10000 m は 1670 秒未満 → (a) は 正
■ (b) について
図4(マラソンと10000m)
点が全体に散らばり、直線的な傾向が弱い
図5(5000mと10000m)
右上がりの直線状に点が集まっている
→ 相関が強いのは図5のほう → (b) は 誤
(a) 正・(b) 誤の組合せは①。シ=①。
ス:正解 ⑦(配点3)
<問題要旨>
表2の値から、5000 m と 10000 m のベストタイムの相関係数を求める設問です。
<考え方>
相関係数は共分散を2つの標準偏差の積で割った値です。公式さえ覚えていれば代入するだけです。
相関係数 = 共分散 / (標準偏差① × 標準偏差②) = 131.8 / (10.3 × 17.9) = 131.8 / 184.37 = 0.7148…
最も近いのは 0.71。ス=⑦。
※ シで「図5の相関は強い」と判断したことと、0.71 という値は整合しています。ここでも検算になっています。
※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

