解答
解説
2024年度 大学入学共通テスト 本試験「数学Ⅰ・数学A」の全設問について、正解と考え方を解説します。第1問・第2問は必答、第3問〜第5問は2問を選択して解答します(計4問・100点)。各設問の見出しをタップすると解説が開きます。
第1問 〔1〕 不等式(√13 の値を絞り込む)
√13 のような無理数を、整数の不等式だけで小数第2位まで追い詰めていく設問です。「値を求める」のではなく「はさみうちで範囲を狭める」という発想が一本の筋になっています。
ア:正解 ⑦(配点2)
<問題要旨>
2√13 が連続する2整数 n と n+1 の間に入るとき、その n を求める設問です。
<考え方>
2√13 は √ の中に入れてしまうのが確実です。
2√13 = √(4 × 13) = √52 7² = 49 < 52 < 64 = 8² よって 7 < √52 < 8
したがって ア=⑦。
イ,ウ:正解 ⑦, ③(配点2)
<問題要旨>
a = 2√13 − 7 の逆数 b を、分母を有理化して整理する設問です。
<考え方>
分母が 2√13 − 7 なので、共役な 2√13 + 7 を分母・分子にかけます。
b = 1/(2√13 − 7)
= (2√13 + 7) / { (2√13 − 7)(2√13 + 7) }
分母 = (2√13)² − 7² = 52 − 49 = 3
b = (7 + 2√13) / 3
問題の形 (<イ> + 2√13)/<ウ> と比べて、イ=⑦、ウ=③。
エ,オ,カ:正解 −, ⑤, ⑥(配点2)
<問題要旨>
a² − 9b² を計算する設問です。
<考え方>
まともに展開しても解けますが、a² − 9b² = (a + 3b)(a − 3b) と因数分解したほうが速く済みます。
a = 2√13 − 7, 3b = 7 + 2√13 a + 3b = (2√13 − 7) + (2√13 + 7) = 4√13 a − 3b = (2√13 − 7) − (2√13 + 7) = −14 a² − 9b² = 4√13 × (−14) = −56√13
したがって エオカ=−56、すなわち エ=−、オ=⑤、カ=⑥。
キ,ク:正解 ①, ④(配点2)
<問題要旨>
b が m/3 と (m+1)/3 の間に入るような整数 m を求める設問です。
<考え方>
b = (7 + 2√13)/3 で、分母はすでに 3 です。あとは分子 7 + 2√13 がどの2整数の間にあるかを見ればよいことになります。ここで①(7 < 2√13 < 8)がそのまま使えます。
7 < 2√13 < 8 14 < 7 + 2√13 < 15 14/3 < b < 15/3
よって キク=14、すなわち キ=①、ク=④。
ケ,コ,サ:正解 ③, ⑥, ⓪(配点2)
<問題要旨>
√13 の整数部分・小数第1位・小数第2位を確定させる、〔1〕の山場です。
<考え方>
③(b = 1/a)より a = 1/b です。14/3 < b < 15/3 の各辺の逆数をとると、不等号の向きが逆になることに注意します。
14/3 < b < 15/3 3/15 < a < 3/14 …… ⑥ a = 2√13 − 7 だから 3/15 < 2√13 − 7 < 3/14 7 + 0.2 < 2√13 < 7 + 0.2142… 7.2 < 2√13 < 7.21428… 3.6 < √13 < 3.60714…
この範囲に入る数は、整数部分が 3、小数第1位が 6、小数第2位が 0 のものに限られます。
よって ケ=③、コ=⑥、サ=⓪。(参考:√13 = 3.605551… です。)
第1問 〔2〕 三角比(坂にのびる電柱の影)
電柱の影が坂にかかっているという設定で、三角比を使って電柱の高さを求める設問です。図2の平面図に落とし込んでしまえば、あとは直角三角形の計算に還元できます。
シ:正解 ④(配点4)
<問題要旨>
道路標識の「7%」から、坂の傾斜角 ∠DCP が何度台かを求める設問です。
<考え方>
「7%」は、水平距離 100 m に対して 7 m 高くなる、という意味です。これは傾斜角の正接(tan)そのものです。
tan∠DCP = 7 / 100 = 0.07
三角比の表より
tan 4° = 0.0699
tan 5° = 0.0875
0.0699 < 0.07 < 0.0875
よって 4° < ∠DCP < 5°
n° < ∠DCP < n°+1° を満たす n は 4。シ=④。
※「7%だから約7°」としないこと。パーセント表示は角度ではなく勾配(tanの値)です。
ス,セ:正解 ④, ⓪(配点4)
<問題要旨>
D から電柱 AB に下ろした垂線の足を E とするとき、BE の長さを求める設問です。
<考え方>
BE は、D が地面からどれだけ高い位置にあるかを表しています。C から D まで坂を 4 m のぼったときの高さの増加分です。
直角三角形で考えると (高さの増加)= CD × sin∠DCP BE = 4 × sin∠DCP
よって ス=④、セ=⓪(sin∠DCP)。
ソ,タ,チ:正解 ⑦, ④, ②(配点4)
<問題要旨>
DE の長さ、すなわち D と電柱との水平距離を求める設問です。
<考え方>
DE は「B から C までの 7 m」に「C から D までの水平方向の移動分」を足したものです。
(水平方向の移動分)= CD × cos∠DCP = 4 × cos∠DCP
DE = BC + 4 × cos∠DCP
= 7 + 4 × cos∠DCP
よって ソ=⑦、タ=④、チ=②(cos∠DCP)。
ツ:正解 ③(配点4)
<問題要旨>
電柱の高さ AB を、小数第2位で四捨五入して求める設問です。
<考え方>
太陽高度 ∠APB = 45° は、太陽光線 AD が水平面となす角です。DE は水平、AE は鉛直なので、直角三角形 AED で ∠ADE = 45°、つまり AE = DE になります。
AE = DE × tan45° = DE = 7 + 4cos4°
AB = AE + EB
= (7 + 4cos4°) + 4sin4°
cos4° = 0.9976, sin4° = 0.0698
AB = 7 + 4×0.9976 + 4×0.0698
= 7 + 3.9904 + 0.2792
= 11.2696
小数第2位で四捨五入して 11.3 m。ツ=③(11.3)。
テ,ト,ナ,ニ:正解 ⑦, ⑤, ⓪, ①(配点4)
<問題要旨>
太陽高度が 42° の日について、坂にある影の長さ CD を AB の式で表す設問です。今度は CD が未知数になります。
<考え方>
CD = x とおいて、ツと同じ手順で AB を x の式にし、それを x について解きます。
BE = x sin∠DCP, DE = 7 + x cos∠DCP
AE = DE × tan42°
AB = AE + BE
= (7 + x cos∠DCP) tan42° + x sin∠DCP
= 7 tan42° + x (cos∠DCP × tan42° + sin∠DCP)
x について解くと
CD = (AB − 7 × tan42°)
/ (sin∠DCP + cos∠DCP × tan42°)
問題の形と比べて テ=⑦、ト=⑤(tan42°)、ナ=⓪(sin∠DCP)、ニ=①(cos∠DCP)。
※ トは分子・分母の2か所に現れますが、同じ tan42° です。分母の並び順(sin が先、cos が後)に注意してください。
検算:AB = 11.3 を代入すると 分子 = 11.3 − 7 × 0.9004 = 4.997 分母 = 0.0698 + 0.9976 × 0.9004 = 0.968 CD = 4.997 / 0.968 = 5.16 (m) 前回の 4 m より約 1.2 m 長い → 問題文と一致
第2問 〔1〕 2次関数(動く2点がつくる三角形の面積)
台形の辺上を動く2点 P,Q と頂点 B がつくる三角形の面積を追う設問です。Q が O で折り返すため、0 ≦ t ≦ 3 と 3 ≦ t ≦ 6 で式が変わるという場合分けが全体の骨格になります。
ア:正解 ⑨(配点3)
<問題要旨>
開始から1秒後の △PBQ の面積を求める、導入の設問です。
<考え方>
まず1秒後の位置を押さえます。P は毎秒1で O から x 軸正方向、Q は毎秒2で C(0, 6) から y 軸を下向きです。
1秒後:P(1, 0), Q(0, 4), B(4, 6)
台形 OPQ… ではなく、直接 △PBQ を求める。
3点の座標から
S = ½|x_P(y_Q − y_B) + x_Q(y_B − y_P) + x_B(y_P − y_Q)|
= ½|1×(4 − 6) + 0×(6 − 0) + 4×(0 − 4)|
= ½|−2 − 16| = ½ × 18 = 9
よって ア=⑨。
イ:正解 ⑧(配点3)
<問題要旨>
開始から3秒間(0 ≦ t ≦ 3)での面積の最小値を求める設問です。
<考え方>
この区間では Q は下向きに動いているので Q(0, 6 − 2t)、P(t, 0) です。面積を t の式にします。
S(t) = ½|t{(6 − 2t) − 6} + 4{0 − (6 − 2t)}|
= ½|−2t² + 8t − 24|
−2t² + 8t − 24 は判別式 64 − 192 < 0 より常に負。
S(t) = t² − 4t + 12 (0 ≦ t ≦ 3)
= (t − 2)² + 8
頂点 t = 2 は区間内にあるので、最小値は 8。イ=⑧。
ウ,エ:正解 ①, ②(配点2)
<問題要旨>
同じ 0 ≦ t ≦ 3 での最大値を求める設問です。
<考え方>
下に凸の放物線なので、最大値は区間の端でとります。両端を比べます。
S(0) = 0 − 0 + 12 = 12
S(3) = 9 − 12 + 12 = 9
頂点 t = 2 からの距離は
t = 0 まで 2, t = 3 まで 1
→ 遠いほう(t = 0)で最大
最大値は 12。ウエ=12、すなわち ウ=①、エ=②。
オ:正解 ⑧(配点1)
<問題要旨>
開始時刻から終了時刻まで(0 ≦ t ≦ 6)全体での面積の最小値を求める設問です。
<考え方>
3 ≦ t ≦ 6 では Q は上向きに戻るので Q(0, 2t − 6) です。この区間の式も作ります。
3 ≦ t ≦ 6 のとき
S(t) = ½|t{(2t − 6) − 6} + 4{0 − (2t − 6)}|
= ½|2t² − 20t + 24|
= |t² − 10t + 12|
t² − 10t + 12 = 0 の解は t = 5 ± √13 ≒ 1.39, 8.61
→ 3 ≦ t ≦ 6 では常に負
S(t) = −t² + 10t − 12 = −(t − 5)² + 13
区間ごとの値域
0 ≦ t ≦ 3 : 最小 8 (t=2), 最大 12 (t=0)
3 ≦ t ≦ 6 : 最小 9 (t=3), 最大 13 (t=5)
(t=6 では 12)
全体の最小値は 8。オ=⑧。
カ,キ:正解 ①, ③(配点2)
<問題要旨>
0 ≦ t ≦ 6 全体での面積の最大値を求める設問です。
<考え方>
オで作った表をそのまま読みます。前半の最大 12 と後半の最大 13 を比べます。
後半 S(t) = −(t − 5)² + 13 は上に凸。 頂点 t = 5 は 3 ≦ t ≦ 6 の内部にあるので 最大値 = 13 (t = 5 のとき)
前半の最大 12 より大きいので、全体の最大値は 13。カキ=13、すなわち カ=①、キ=③。
ク,ケ,コ:正解 ③, ③, ②(配点4)
<問題要旨>
面積が 10 以下となる時間の長さ(合計)を求める設問です。〔1〕でいちばん重い設問です。
<考え方>
前半・後半それぞれで S(t) ≦ 10 を解き、区間の長さを足します。「時刻」ではなく「長さ」を答えることに注意します。
■ 前半 0 ≦ t ≦ 3
t² − 4t + 12 ≦ 10
t² − 4t + 2 ≦ 0
2 − √2 ≦ t ≦ 2 + √2
2 − √2 ≒ 0.586, 2 + √2 ≒ 3.414
区間 0 ≦ t ≦ 3 との共通部分は
2 − √2 ≦ t ≦ 3
長さ = 3 − (2 − √2) = 1 + √2
■ 後半 3 ≦ t ≦ 6
−t² + 10t − 12 ≦ 10
t² − 10t + 22 ≧ 0
t ≦ 5 − √3 または t ≧ 5 + √3
5 − √3 ≒ 3.268, 5 + √3 ≒ 6.732
区間 3 ≦ t ≦ 6 との共通部分は
3 ≦ t ≦ 5 − √3
長さ = (5 − √3) − 3 = 2 − √3
合計 = (1 + √2) + (2 − √3)
= 3 − √3 + √2
(数値では 3 − 1.732 + 1.414 = 2.68 秒間)
問題の形 (<ク> − √<ケ> + √<コ>) と比べて、ク=③、ケ=③、コ=②。
第2問 〔2〕 データの分析(長距離走のベストタイム)
ヒストグラム・箱ひげ図・散布図・標準化(z 値)と、データの分析の道具がひととおり並んだ設問です。計算そのものは軽く、グラフを正確に読み取れるかが得点差になります。
サ:正解 ⑧(配点2)
<問題要旨>
図1(データ A のヒストグラム)から最頻値の入る階級を答える設問です。
<考え方>
最頻値(モード)の階級とは、度数がいちばん大きい階級のことです。棒の高さがいちばん高いところを探すだけです。
図1 A の度数 360〜390 : 1 390〜420 : 2 420〜450 : 1 450〜480 : 9 480〜510 : 10 510〜540 : 19 ← 最大 540〜570 : 8 (合計 50 人)
510 以上 540 未満が最頻値の階級。サ=⑧。
シ:正解 ⑥(配点2)
<問題要旨>
図2(データ B のヒストグラム)から中央値が含まれる階級を答える設問です。
<考え方>
50 人なので、中央値は速いほうから 25 番目と 26 番目の平均です。累積度数を小さいほうから足していきます。
図2 B の度数と累積度数 270〜300 : 1 → 1 300〜330 : 1 → 2 330〜360 : 0 → 2 360〜390 : 2 → 4 390〜420 : 5 → 9 420〜450 : 10 → 19 450〜480 : 16 → 35 ← 25番目・26番目はここ 480〜510 : 14 → 49 510〜540 : 1 → 50
25 番目・26 番目はどちらも 450 以上 480 未満の階級に入ります。シ=⑥。
ス:正解 ④(配点2)
<問題要旨>
図3の箱ひげ図から、A と B それぞれの「速いほうから13番目」のタイムの差を見積もる設問です。
<考え方>
50 個のデータで、下位25個の中央値が第1四分位数です。25 個の中央値は 13 番目なので、第1四分位数がそのまま「速いほうから13番目の値」になります。箱の左端を読めばよいことになります。
図3より A の第1四分位数(箱の左端)≒ 480 秒 B の第1四分位数(箱の左端)≒ 437 秒 差 = 480 − 437 = 43 秒
選択肢のうち最も近いのは 45。ス=④。
セ:正解 ⓪(配点2)
<問題要旨>
A の四分位範囲から B の四分位範囲を引いた差の絶対値がどの範囲かを答える設問です。
<考え方>
四分位範囲 = 第3四分位数 − 第1四分位数 = 箱の横幅です。2つの箱の幅を目で比べるだけで済みます。
図3より A : 箱は約 480 〜 533 → 四分位範囲 ≒ 53 B : 箱は約 437 〜 487 → 四分位範囲 ≒ 50 |53 − 50| = 3
0 以上 20 未満に入ります。セ=⓪。
※ 箱の幅は見た目でほぼ同じです。目盛りを細かく読むより「ほとんど差がない=⓪」と判断したほうが速く確実です。
ソ,タ,チ:正解 ③, ⑤, ①(配点2)
<問題要旨>
B の1位の選手について、標準化した値 z を求める設問です。
<考え方>
示された式は(値)=(平均値)+ z ×(標準偏差)なので、z について解くと、いわゆる標準化の式になります。
z = (値 − 平均値) / 標準偏差
表1より B は
1位のベストタイム 296
平均値 454, 標準偏差 45
z = (296 − 454) / 45
= −158 / 45
= −3.5111…
z = −3.51 なので ソ.タチ=3.51、すなわち ソ=③、タ=⑤、チ=①(マイナスは問題文の z = − の形にすでに含まれています)。
ツ:正解 ①(配点2)
<問題要旨>
A の1位と B の1位を、ベストタイムと z 値の2つの観点で比較する設問です。
<考え方>
A についても z を計算し、2つの基準で並べます。「タイムが速い」と「z が小さい」は別の基準であることに注意します。
A:z = (376 − 504) / 40 = −128 / 40 = −3.20
B:z = −3.51
■ ベストタイムで比較
296 (B) < 376 (A) → B のほうが速い
■ z の値で比較
−3.51 (B) < −3.20 (A) → B のほうが小さい
(小さいほうが優れていると判断する)
どちらの基準でも B が上になります。これは選択肢①の内容です。ツ=①。
※ この設問は「2つの基準で結論が食い違うのでは」と疑わせておいて、実際には一致するという構成になっています。両方を必ず計算してください。
テ:正解 ①(配点3)
<問題要旨>
2つの散布図(図4・図5)についての記述 (a)(b) の正誤を判定する設問です。
<考え方>
(a) は個々の点を数える問題、(b) は相関の強さを見比べる問題です。性質が違うので分けて考えます。
■ (a) について
図4で、マラソンのベストタイムが速い(左端の)
3点を読むと
(約330, 約1657)
(約370, 約1662)
(約377, 約1655)
3点とも 10000 m は 1670 秒未満
→ (a) は 正
■ (b) について
図4(マラソンと10000m)
点が全体に散らばり、右上がりの傾向が弱い
図5(5000mと10000m)
右上がりの直線状に点が集まっている
→ 相関が強いのは図5のほう
→ 「図4の相関のほうが強い」とする (b) は 誤
(a) 正・(b) 誤の組合せは①。テ=①。
第3問(選択問題) 場合の数と確率(カードがそろうまで)
箱からカードを引いて戻す試行を繰り返し、「全種類そろう」までの場合の数を数えていく設問です。2種類でできた数え方を3種類・4種類に持ち上げていくという誘導が最初から最後まで一本で通っています。前半の結果を後半でそのまま使うので、途中を飛ばさないことが大切です。
ア,イ:正解 ①, ②(配点2)
<問題要旨>
A,B の2枚から2回引いて、両方が出そろう確率を求める導入の設問です。
<考え方>
2回の引き方は全部で 2² = 4 通り。そろうのは「A のあと B」「B のあと A」の2通りです。
全事象 : AA, AB, BA, BB の 4 通り そろう : AB, BA の 2 通り 確率 = 2 / 4 = 1 / 2
ア=①、イ=②。
ウ:正解 ⑥(配点2)
<問題要旨>
3回の試行で A,B がそろっている取り出し方の総数を求める設問です。
<考え方>
直接数えてもよいのですが、余事象で引くのが最短です。「そろわない」のは全部 A か全部 B のときだけです。
全体 : 2³ = 8 通り そろわない : AAA, BBB の 2 通り そろう = 8 − 2 = 6 通り
ウ=⑥。(問題文の例では「A を1回、B を2回」が3通り。同様に「A を2回、B を1回」が3通りで、合わせて6通りです。)
エ,オ:正解 ①, ④(配点2)
<問題要旨>
4回の試行で A,B がそろっている取り出し方の総数です。
<考え方>
ウとまったく同じ考え方を4回に広げるだけです。
全体 : 2⁴ = 16 通り そろわない : AAAA, BBBB の 2 通り そろう = 16 − 2 = 14 通り
エオ=14、すなわち エ=①、オ=④。
※ 一般に、2種類を n 回引いてそろう取り出し方は 2ⁿ − 2 通りです。この形を押さえておくと後半が速くなります。
カ,キ:正解 ⑦, ⑧(配点2)
<問題要旨>
4回の試行で A,B がそろう確率です。
<考え方>
エオで数えた 14 を全体の 2⁴ で割り、約分します。
14 / 2⁴ = 14 / 16 = 7 / 8
カ=⑦、キ=⑧。
ク:正解 ⑥(配点2)
<問題要旨>
A,B,C の3枚で、3回目にはじめて3種類そろう取り出し方の数です。
<考え方>
3回で3種類そろうということは、3回とも違うカードが出たということです。しかも最後の1種類が3回目に出るのは自動的に満たされます。
3回とも異なる並べ方 = 3! = 3 × 2 × 1 = 6 通り (ABC, ACB, BAC, BCA, CAB, CBA)
ク=⑥。確率は 6 / 3³ = 6 / 27 = 2 / 9 です。
ケ,コ:正解 ②, ⑨(配点2)
<問題要旨>
4回目にはじめて A,B,C がそろう確率です。
<考え方>
「4回目にはじめてそろう」を分解すると、4回目に出るカードが最後の1種類で、1〜3回目は残り2種類だけでそろっているということです。ここで(1)(ii)のウ=6がそのまま再利用できます。
■ 4回目に出るカードを決める … 3 通り
■ 1〜3回目は、残り2種類だけを使って
その2種類がそろっている … ウ = 6 通り
合計 = 3 × 6 = 18 通り
確率 = 18 / 3⁴ = 18 / 81 = 2 / 9
ケ=②、コ=⑨。
サ,シ:正解 ④, ②(配点2)
<問題要旨>
5回目にはじめて A,B,C がそろう取り出し方の数です。
<考え方>
ケコとまったく同じ構造です。1〜4回目が「2種類でそろっている」場合の数はエオ=14でした。
■ 5回目に出るカードを決める … 3 通り ■ 1〜4回目は残り2種類だけでそろう … 14 通り 合計 = 3 × 14 = 42 通り 確率 = 42 / 3⁵
サシ=42、すなわち サ=④、シ=②。
ス,セ:正解 ⑤, ④(配点2)
<問題要旨>
A〜D の4枚で、「6回のうち3回目にはじめて A,B,C だけがそろい、かつ6回目にはじめて D が出る」取り出し方の数です。
<考え方>
6回を「1〜3回目」「4〜5回目」「6回目」の3つに区切って、それぞれ何通りかを掛けます。
■ 1〜3回目
A, B, C だけで、3回目にはじめてそろう
→ ク = 6 通り
■ 4〜5回目
D はまだ出てはいけないので A, B, C のどれか
→ 3 × 3 = 9 通り
■ 6回目
D → 1 通り
合計 = 6 × 9 × 1 = 54 通り
スセ=54、すなわち ス=⑤、セ=④。
ソ,タ:正解 ⑤, ④(配点2)
<問題要旨>
同じ状況で、A,B,C がそろうのが4回目だった場合の数です。
<考え方>
区切り方が変わるだけで、手順はスセと同じです。
■ 1〜4回目
A, B, C だけで、4回目にはじめてそろう
→ 3 × ウ = 18 通り
■ 5回目
A, B, C のどれか → 3 通り
■ 6回目
D → 1 通り
合計 = 18 × 3 × 1 = 54 通り
ソタ=54、すなわち ソ=⑤、タ=④。
チ,ツ,テ,ト,ナ:正解 ⑦, ⑤, ⑤, ①, ②(配点2)
<問題要旨>
6回目にはじめて A,B,C,D の4種類がそろう確率を求める、第3問の結論にあたる設問です。
<考え方>
ここまでで「D が最後」の場合を、A,B,C がそろう時点(3回目・4回目・5回目)で分けて数えました。5回目のケースを足し、最後に最後に出るカードが D 以外の場合(B,C,A が最後)も同様にあることから4倍します。
■「6回目に初めて D が出る」場合の合計
A,B,C がそろうのが 3回目 … 54 通り
A,B,C がそろうのが 4回目 … 54 通り
A,B,C がそろうのが 5回目 … 42 通り(サシ)
小計 = 54 + 54 + 42 = 150 通り
■ 最後に出るカードは A, B, C, D のどれでもよい
対称性より 4 倍
150 × 4 = 600 通り
■ 全体は 4⁶ = 4096 通り
確率 = 600 / 4096
= 75 / 512
チツ/テトナ=75/512、すなわち チ=⑦、ツ=⑤、テ=⑤、ト=①、ナ=②。
※ 「5回目にそろう」ケースでは、5回目にそろった直後の6回目に D が出るので、間に何も挟まりません。そのため 42 にはそれ以上掛けません。ここを 42 × 3 としてしまう誤りが多い箇所です。
第4問(選択問題) 整数の性質(n 進法のタイマー)
3進法・4進法・6進法で動くタイマーを題材に、n 進法の変換と周期・合同式・最小公倍数を扱う設問です。「3桁で表せる最大の数の1秒後に000に戻る」という設定が、そのまま「周期は nの3乗」という事実に対応しています。ここに気づけば全体が一気に見通せます。
ア,イ,ウ:正解 ①, ⓪, ④(配点2)
<問題要旨>
6進法タイマー T6 が、40 秒後に何と表示されるかを求める設問です。
<考え方>
スタート時が 000 なので、40 秒後の表示は「40 を6進法で表した数」そのものです。
40 ÷ 6 = 6 あまり 4 6 ÷ 6 = 1 あまり 0 1 ÷ 6 = 0 あまり 1 下から読んで 40 = 104₍₆₎ 検算: 1×36 + 0×6 + 4 = 40 ✓
アイウ=104、すなわち ア=①、イ=⓪、ウ=④。
エ,オ,カ:正解 ①, ⓪, ③(配点3)
<問題要旨>
T4(4進法)が、2進法で 10011 秒後に何と表示されるかを求める設問です。
<考え方>
2進法 → 10進法 → 4進法と、いったん10進法を経由するのが確実です。
10011₍₂₎ = 16 + 0 + 0 + 2 + 1 = 19 19 ÷ 4 = 4 あまり 3 4 ÷ 4 = 1 あまり 0 1 ÷ 4 = 0 あまり 1 19 = 103₍₄₎ 検算: 1×16 + 0×4 + 3 = 19 ✓
エオカ=103、すなわち エ=①、オ=⓪、カ=③。
キ,ク:正解 ⑥, ④(配点2)
<問題要旨>
T4 の表示が初めて 000 に戻るまでの秒数、すなわち T4 の周期を求める設問です。
<考え方>
4進法3桁で表せる最大の数は 333₍₄₎ です。その1秒後に 000 に戻るので、周期はその数に1を足したものになります。
333₍₄₎ = 3×16 + 3×4 + 3 = 63 その 1 秒後に 000 に戻る → 周期 = 63 + 1 = 64 秒 (一般に n 進法3桁のタイマーの周期は n³。 ここでは 4³ = 64)
キク=64、すなわち キ=⑥、ク=④。
ケ,コ,サ,シ:正解 ①, ⑦, ②, ⑧(配点3)
<問題要旨>
T4 と T6 を同時にスタートさせて、初めて両方が同時に 000 に戻るまでの秒数です。
<考え方>
T4 は 64 秒ごと、T6 は 6³ = 216 秒ごとに 000 になります。両方が同時に 000 になるのは、64 と 216 の最小公倍数です。
64 = 2⁶
216 = 2³ × 3³
最小公倍数 = 2⁶ × 3³
= 64 × 27
= 1728
ケコサシ=1728、すなわち ケ=①、コ=⑦、サ=②、シ=⑧。
ス,セ,ソ:正解 ⑥, ④, ⑥(配点3)
<問題要旨>
T4 が ℓ 秒後に 012 と表示される条件を、「ℓ を □ で割った余りが □」の形で表す設問です。
<考え方>
012 と表示されるのは、まず 012₍₄₎ 秒後です。そのあとは周期 64 秒ごとに同じ表示が繰り返されます。
012₍₄₎ = 0×16 + 1×4 + 2 = 6 周期は 64 秒(キク) → ℓ = 6, 70, 134, … → ℓ を 64 で割った余りが 6
スセ=64、ソ=⑥、すなわち ス=⑥、セ=④、ソ=⑥。
タ,チ,ツ:正解 ⑤, ①, ⑧(配点4)
<問題要旨>
T3 と T4 を同時にスタートさせて、初めて両方が同時に 012 と表示されるまでの秒数 m を求める、第4問の山場です。
<考え方>
T3 についても同じ考察をして条件を2本立て、連立合同式として解きます。
■ T3 の条件
012₍₃₎ = 0×9 + 1×3 + 2 = 5
周期 = 3³ = 27
→ ℓ を 27 で割った余りが 5
■ T4 の条件(スセソ)
→ ℓ を 64 で割った余りが 6
ℓ = 6 + 64k とおいて T3 の条件に入れる 6 + 64k ≡ 5 (mod 27) 64 = 2×27 + 10 なので 64 ≡ 10 6 + 10k ≡ 5 (mod 27) 10k ≡ −1 ≡ 26 (mod 27) k = 8 を試すと 10×8 = 80 = 2×27 + 26 ✓ ℓ = 6 + 64×8 = 6 + 512 = 518
タチツ=518、すなわち タ=⑤、チ=①、ツ=⑧。
※ 合同式に慣れていなければ、ℓ = 6, 70, 134, 198, 262, 326, 390, 454, 518 と 64 ずつ足しながら「27 で割った余りが 5」になるものを探しても、9個目で見つかります。
テ:正解 ③(配点3)
<問題要旨>
T4 と T6 を同時にスタートさせたとき、両方が同時に 012 と表示されることがあるかを判定する設問です。
<考え方>
タチツと同じように条件を2本立てますが、今度は解が存在しないことを示すのがねらいです。
■ T4 : ℓ を 64 で割った余りが 6
■ T6 : 012₍₆₎ = 0×36 + 1×6 + 2 = 8
周期 = 6³ = 216
ℓ を 216 で割った余りが 8
64 と 216 の最大公約数は 8。 両方の条件が同時に成り立つには、 ℓ を 8 で割った余りが一致していなければならない。 64 で割った余りが 6 → 8 で割った余りは 6 216 で割った余りが 8 → 8 で割った余りは 0 6 ≠ 0 なので、同時に成り立つ ℓ は存在しない。
よって「両方が同時に 012 と表示されることはない」。テ=③。
※ ①(ちょうど m 秒後)を選びたくなりますが、m = 518 は T3 と T4 の話であって T6 とは無関係です。設定のすり替えに注意してください。
第5問(選択問題) 図形の性質(星形の図形)
星形五角形を題材に、メネラウスの定理で比を求め、方べきの定理で点と円の位置関係を判定する設問です。図が複雑に見えますが、着目する三角形と直線を問題文が指定してくれているので、そのとおりに式を立てれば進みます。
ア:正解 ⓪(配点2)
<問題要旨>
△AQD と直線 CE についてメネラウスの定理を書くとき、3つ目の分数の分子を答える設問です。
<考え方>
メネラウスの定理は、三角形の頂点と直線との交点を一周するようにたどって比を掛けます。
△AQD と直線 CE
直線 CE が交わるのは
辺 QD 上の R
辺 DA 上の S
辺 AQ の延長上の C
一周でたどると Q → R → D → S → A → C → Q
(QR/RD) × (DS/SA) × (AC/CQ) = 1
第3項の分子は AC。ア=⓪。
イ,ウ:正解 ①, ④(配点3)
<問題要旨>
アで立てた式から QR : RD を求める設問です。
<考え方>
与えられた比を代入するだけです。AP : PQ : QC = 2 : 3 : 3 から AQ = 5、QC = 3、AC = 8。AT : TS : SD = 1 : 1 : 3 から SA = 2、DS = 3 です。
(QR/RD) × (3/2) × (8/3) = 1 (QR/RD) × 4 = 1 QR/RD = 1/4
QR : RD = 1 : 4、すなわち イ=①、ウ=④。
エ,オ:正解 ③, ⑧(配点2)
<問題要旨>
今度は △AQD と直線 BE に着目して QB : BD を求める設問です。
<考え方>
直線 BE が △AQD と交わる点を確認します。辺 AQ 上の P、辺 AD 上の T、そして辺 QD の延長上の B です。
(QB/BD) × (DT/TA) × (AP/PQ) = 1 DT = TS + SD = 1 + 3 = 4, TA = 1 AP = 2, PQ = 3 (QB/BD) × (4/1) × (2/3) = 1 (QB/BD) × (8/3) = 1 QB/BD = 3/8
QB : BD = 3 : 8、すなわち エ=③、オ=⑧。
あわせて BQ : QR : RD を出しておく BQ = 3, BD = 8 とおくと QD = 5 QR : RD = 1 : 4 より QR = 1, RD = 4 BQ : QR : RD = 3 : 1 : 4
カ:正解 ⑤(配点3)
<問題要旨>
P,Q,R,S,T が同一円周上にあり AC = 8 のとき、AT の長さを求める設問です。
<考え方>
点 A から円に2本の直線(直線 AC と直線 AD)が引かれていると見て、方べきの定理を使います。
AC = 8 で AP : PQ : QC = 2 : 3 : 3 なので
AP = 2, AQ = 5
AT : TS : SD = 1 : 1 : 3 より AS = 2AT
方べきの定理(点 A について)
AP × AQ = AT × AS
2 × 5 = AT × 2AT
10 = 2AT²
AT² = 5
AT = √5
カ=⑤。
(問題文の DR = 4√3 の確認)
点 D について方べきの定理
DS × DT = DR × DQ
AT = √5 より AD = 5√5, DS = 3√5, DT = 4√5
左辺 = 3√5 × 4√5 = 60
BQ : QR : RD = 3 : 1 : 4 より DR = 4n, DQ = 5n
20n² = 60, n = √3
DR = 4√3 ✓
キ,ク,ケ:正解 ④, ⑤, ⓪(配点3)
<問題要旨>
点 Q について AQ・CQ と BQ・DQ を計算し、大小を比べる設問です。
<考え方>
カで n = √3 が求まっているので、BQ と DQ が具体的に出せます。
BQ : QR : RD = 3 : 1 : 4, n = √3 より
BQ = 3√3
DQ = QR + RD = 5√3
BQ × DQ = 3√3 × 5√3 = 15 × 3 = 45
一方 AQ × CQ = 5 × 3 = 15
15 < 45
キク=45、ケ=⓪(<)、すなわち キ=④、ク=⑤、ケ=⓪。
コ,サ,シ:正解 ①, ⓪, ②(配点4)
<問題要旨>
点 D が、3点 A,B,C を通る円の内部・周上・外部のどこにあるかを判定する設問です。
<考え方>
「D を直接調べる」のではなく、円と直線 BD の交点 X を仮に置いて、X と D を比べるという間接的な手が使われています。
■ ② について
X は 3点 A, B, C を通る円と直線 BD の交点(B 以外)。
Q は弦 AC と弦 BX の交点なので、方べきの定理より
AQ × CQ = BQ × XQ … ②(等号)
■ ① と ② を比べる
AQ × CQ < BQ × DQ … ①
AQ × CQ = BQ × XQ … ②
左辺が同じなので
BQ × XQ < BQ × DQ
XQ < DQ
■ 位置関係の結論 Q は BD 上で B と D の間にあり、X も D と同じ側にある。 XQ < DQ なので、Q から見て X のほうが手前、D は X より遠い。 X は円周上の点だから、D はそれより外側 → 外部
コ=①(=)、サ=⓪(<)、シ=②(外部)。
ス,セ:正解 ②, ②(配点3)
<問題要旨>
3点 C,D,E を通る円に対して、点 A と点 B がそれぞれ内部・周上・外部のどこにあるかを判定する設問です。
<考え方>
CR = RS = SE = 3 が与えられるので、直線 CE 上の点について方べきの値が計算できます。それを直線 AD・直線 BD に持ち込みます。
■ まず S と R の方べきを出す
S は弦 CE 上にあり
SC = CR + RS = 3 + 3 = 6, SE = 3
S の方べき(内部) : SC × SE = 18
R も弦 CE 上にあり
RC = 3, RE = RS + SE = 6
R の方べき(内部) : RC × RE = 18
■ 点 A について(直線 AD 上で考える)
円は直線 AD と D と Y の 2 点で交わる。
S は内部なので SD × SY = 18
SD = 3√5 → SY = 18 / 3√5 ≒ 2.68
AS = 2√5 ≒ 4.47
SY < AS なので Y は A より内側。
A は D と Y の外側 → A は円の外部
■ 点 B について(直線 BD 上で考える)
円は直線 BD と D と Z の 2 点で交わる。
R は内部なので RD × RZ = 18
RD = 4√3 → RZ = 18 / 4√3 ≒ 2.60
BR = BQ + QR = 3√3 + √3 = 4√3 ≒ 6.93
RZ < BR なので Z は B より内側。
B は D と Z の外側 → B は円の外部
ス=②(外部)、セ=②(外部)。
※ 星形の図を見れば、A も B も「C,D,E を通る円」からはみ出していることが直感的にわかります。時間がないときは図の概形で判断してもよい設問です。
※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

