2024年度 大学入学共通テスト 追試験「物理」の解答と解説です。全設問の正解と考え方を一問ずつ解説し、公式の解答PDFもあわせて掲載しています。大学受験の森が独自に作成した、無料で読める解説です。
解答
解説
2024年度 大学入学共通テスト 追試験「物理」の解答・解説です。第1問が小問集合、第2問が力学(床ではねかえる小球と2球の弾性衝突)、第3問が音速と温度の関係、第4問が手回し発電機。すべて必答で、配点は 25 点ずつの計 100 点です。
設問ごとにアコーディオンを開くと、<問題要旨><考え方>と計算の流れが読めます。間違えた設問だけを開いて確認してください。
第1問 小問集合(重心と転倒・気体の混合・回折格子・帯電した振り子・クォーク)
力学・熱・波動・電磁気・原子から1問ずつ。問2は「2つの容器の温度がもともと同じ」に気づくと計算がほぼ消えます。問4は「切り離した瞬間の水平方向の力は重力とつり合っていた分=mg」がポイント。
問1:正解 ⑤(配点5)
<問題要旨>
長さ L の板A と長さ 2L の板B(同じ厚さ・同じ幅・同じ密度)を左端をそろえて貼り合わせ、水平な台にのせます。台の右端から板B の重心までの距離を x とするとき、板が落下しない x の最大値を求めます。
<考え方>
密度が同じで厚さも幅も同じなので、質量は長さに比例します。2枚を合わせた重心の位置を左端から測って求め、それが台の右端より左にある、という条件を書きます。
板の左端を原点、右向きを正とする
質量は長さに比例:板A は m、板B は 2m
板A(長さ L)の重心:L/2
板B(長さ 2L)の重心:L
全体の重心
x_G = { m×(L/2) + 2m×L } / (3m)
= (L/2 + 2L)/3
= (5L/2)/3 = 5L/6
台の右端の位置を d とすると
板B の重心(位置 L)は台の右端より右に x だけ出ている
→ d = L − x
落下しない条件:全体の重心が台の右端より左
5L/6 ≦ L − x
x ≦ L/6
x の最大値は L/6
問2:正解 ④(配点5)
<問題要旨>
容積 V の容器A に物質量 3n の単原子分子理想気体(圧力 3p)、容積 2V の容器B に物質量 n の単原子分子理想気体(圧力 p/2)を閉じ込め、コックを開いて熱平衡に達したときの絶対温度を求めます。
<考え方>
まず各容器の温度を状態方程式で求めてみると、なんと両方とも同じ温度です。同じ温度の気体どうしを混ぜても温度は変わりません。
[容器A]3p × V = 3n R T_A T_A = pV/(nR) [容器B](p/2) × 2V = n R T_B pV = nRT_B T_B = pV/(nR) → T_A = T_B ! もともと同じ温度 コックを開いても温度は変わらない T = pV/(nR) (念のためエネルギーで確認。壁は熱を通さず 外部に仕事もしないので内部エネルギーの和が保存) (3/2)(3n)RT_A + (3/2)(n)RT_B = (3/2)(4n)RT 4nT = 3n T_A + n T_B = 4pV/R T = pV/(nR) … 一致
問3:正解 ②(配点5)
<問題要旨>
縦方向に溝を引いた回折格子について、(ア)レーザー光を緑色から赤色に変えたときの回折像の点の間隔、(イ)図6 のように光の点の縦横の間隔が異なる回折像を与える回折格子を図5 の (a)〜(c) から選びます。
<考え方>
回折の条件 d sinθ = mλ より、波長が長いほど回折角が大きくなります。(イ)は「回折像の点の間隔は、格子の溝の間隔に反比例する」を縦・横それぞれに当てはめます。
ア:d sinθ = mλ
緑 → 赤 で波長 λ が長くなる
→ sinθ が大きくなる → 回折角が大きくなる
→ 点の間隔は広くなる
イ:回折像の点の間隔 ∝ 1/(格子の間隔)
図6 を見ると
横方向:点が 5 列(間隔が広い)
縦方向:点が 9 行(間隔が狭い)
横の間隔が広い → 横方向の格子の間隔が狭い
= 縦線が密
縦の間隔が狭い → 縦方向の格子の間隔が広い
= 横線が粗
図5 で「縦線が密・横線が粗」なのは (b)
((c) は逆、(a) は斜め格子)
問4:正解 ④(配点5)
<問題要旨>
正の電気量を与えた2つの小球を、2本の同じ長さの糸で天井からつるすと、糸が 90° の角度を保って静止しました。t = 0 に糸を同時に切り離したときの、右側の小球の速度の x 成分 v_x と y 成分 v_y の時間変化を表すグラフを選びます。
<考え方>
切り離す直前の力のつり合いから、静電気力の大きさが mg に等しいと分かります。したがって t = 0 では x 方向も y 方向も加速度が g で、v_x と v_y のグラフの出だしの傾きは同じ。その後は離れるにつれて静電気力が弱まるので、v_x の傾きだけがゆるくなります。
[切り離す直前のつり合い]右の小球について 糸は鉛直から 45°(2本で 90° なので) 水平:T sin45° = F(静電気力) 鉛直:T cos45° = mg → F = mg [t = 0 の加速度] a_y = g(重力) a_x = F/m = g(静電気力) → 出だしの傾きは v_x も v_y も同じ [その後] y 方向:重力は一定 → a_y = g のまま → v_y は直線的に増える x 方向:離れるほど静電気力は弱まる(1/r²) → a_x は減っていく → v_x は増えるが傾きがゆるくなる曲線 → v_y が直線、v_x が同じ傾きから始まって 下に曲がる ④
問5:正解 ③(配点5)
<問題要旨>
クォーク模型で陽子は u 2個と d 1個、中性子は u 1個と d 2個からなります。d の電荷(ウ)と、π⁺ 中間子が 1個の反d と何個の u からなるか(エ)を答えます。
<考え方>
陽子の電荷 +e、中性子の電荷 0 を連立方程式にして u と d の電荷を求めます。反粒子は電荷の符号が逆であることを使えば、π⁺ の構成もすぐ出ます。
u の電荷を u、d の電荷を d とおく 陽子:2u + d = e …① 中性子:u + 2d = 0 …② ②より u = −2d ①に代入:−4d + d = e −3d = e d = −(1/3)e → ウ (このとき u = −2d = +(2/3)e) π⁺ は 1個の 反d と n 個の u からなる 反d の電荷は d の符号を変えて +(1/3)e (1/3)e + n × (2/3)e = e n × (2/3) = 2/3 n = 1 → エ
第2問 力学(床ではねかえる小球と、2球の弾性衝突)
弾性衝突が2回続く設定。「弾性衝突では速さが変わらない(床との衝突)」「弾性衝突の公式」を押さえれば、最後の問5まで一本道です。重い球が軽い球をはじき返すと、軽い球はもとより速くなる──いわゆる「スーパーボール実験」の題材です。
問1:正解 ①(配点5)
<問題要旨>
床からの高さ h の位置から、小球を速さ v₀ で鉛直に投げ上げる場合と投げ下ろす場合を考えます。どちらの場合も床に到達する直前の速さは同じになります。その速さを求めます。
<考え方>
力学的エネルギー保存を使うだけです。投げ上げでも投げ下ろしでも、はじめの運動エネルギーは (1/2)mv₀² で同じなので、床での速さも同じになります。
力学的エネルギー保存(床を基準) (1/2)mv₀² + mgh = (1/2)mv² v² = v₀² + 2gh v = √(v₀² + 2gh) (速度の向きは違っても、運動エネルギーは 速さの2乗で決まるので同じ結果になる)
問2:正解 ③(配点5)
<問題要旨>
小球は床で弾性衝突ではねかえり、その後最高点に到達します。この最高点の高さについて述べた文を選びます。
<考え方>
弾性衝突では速さが変わりません。したがって床ではねかえった直後の速さは √(v₀²+2gh) のまま。この速さでどこまで上がれるかを計算します。
床ではねかえった直後の速さ v = √(v₀² + 2gh)(弾性衝突なので変わらない) 最高点の高さ H は (1/2)mv² = mgH H = v²/(2g) = (v₀² + 2gh)/(2g) = h + v₀²/(2g) v₀ > 0 なので H > h 投げ上げでも投げ下ろしでも v は同じだから → どちらの場合も h より大きい
問3:正解 ①(配点5)
<問題要旨>
質量 m の小球A と、より軽い質量 km(0 < k < 1)の小球B を自由落下させます。A は床ではねかえり、直後に落ちてきた B と弾性衝突します(衝突直前は A が +v、B が −v)。衝突直後の A の速度 v_A を求めます。
<考え方>
弾性衝突の公式(あるいは「運動量保存+反発係数 1」)をそのまま当てはめます。与えられている v_B の式と形を見比べれば、計算の検算にもなります。
質量 m(速度 +v)と 質量 km(速度 −v)の弾性衝突
弾性衝突の公式
v_A = {(m − km)v + 2(km)(−v)} / (m + km)
= {m(1−k)v − 2kmv} / {m(1+k)}
= {(1−k) − 2k} v / (1+k)
= (1 − 3k)v / (1 + k)
(検算)
v_B = {(km − m)(−v) + 2m·v} / (m + km)
= {(1−k)v + 2v} / (1+k)
= (3 − k)v / (1 + k)
→ 問題文の式と一致
問4:正解 ③(配点5)
<問題要旨>
二つの小球の運動に関する4つの文から正しいものを選びます。
<考え方>
床との衝突も2球の衝突もどちらも弾性衝突なので、力学的エネルギーは全過程で保存されます。個々の球の運動エネルギーが変わるかどうかは別の話で、床との衝突では速さが変わらない=運動エネルギーも変わりません。
① 弾性衝突なので衝突後も力学的エネルギーは保存 → 誤り ② 力学的エネルギーは保存されるので増大しない → 誤り ③ A と床の衝突は弾性衝突 → 速さが変わらない → 運動エネルギーも変わらない → 正しい ← ④ B の速度は −v から (3−k)v/(1+k) に変わる 0 < k < 1 では大きさも変わるので 運動エネルギーは変わる → 誤り
問5:正解 ⑤(配点5)
<問題要旨>
A と衝突した後の B の運動に関する文を選びます。
<考え方>
問3で求めた v_B の大きさを、衝突前の速さ v と比べます。比 (3−k)/(1+k) が 1 より大きいかどうか、また k を変えたときに増えるか減るかを調べます。
衝突後の B の速さ |v_B| = (3 − k)v/(1 + k) (0 < k < 1 で正) [v と比べる] (3 − k)/(1 + k) > 1 ⟺ 3 − k > 1 + k ⟺ 2 > 2k ⟺ k < 1 … つねに成立 → 衝突後の B は落下前より速い → 自由落下前の高さを必ず超える [k を変えると] k が小さくなると 分子 3 − k は大きく、分母 1 + k は小さくなる → 比は大きくなる → k が小さいほど B は高く上がる (B が A よりずっと軽いほど大きく跳ね上がる。 スーパーボールを重いボールの上にのせて 落とすと高く跳ぶのはこのため)
第3問 熱・波動(音の速さと温度の関係を状態方程式から導く)
「気温が1℃ 上がると音速が 0.6 m/s 大きくなる」という公式を、状態方程式と次元解析から導いてしまおうという会話文です。問2の「単位で式の形を当てる」発想は物理全体で使える武器になります。
問1:正解 ②(配点5)
<問題要旨>
理想気体の状態方程式に関する3つの文 (a)〜(c) から、正しいものをすべて選びます。気体定数の値は与えられているものとします。
<考え方>
pV = nRT で決まるのは物質量 n(モル数)であって、分子1個の質量ではありません。分子の質量まで知るには「全体の質量」という別の情報が必要です。
状態方程式 pV = nRT (a) 温度・圧力・体積から気体分子の質量が分かるか → n = pV/(RT) で物質量は出るが、 質量を知るには気体全体の質量が必要 → 誤り (b) 温度・圧力・体積から物質量が分かるか → n = pV/(RT) → 正しい ← (c) 温度と体積から圧力が分かるか → p = nRT/V で n が必要 → 誤り → 正しいのは (b) だけ
問2:正解 ⑤(配点5)
<問題要旨>
m, kg, s を組み合わせて単位を表すとき、速さと同じ単位になる量を、圧力 p と密度 ρ の組合せから選びます。
<考え方>
それぞれの量の単位を m, kg, s だけで書き下し、割り算・掛け算をして [m/s] になる組合せを探します。kg が消えることがまず必要条件です。
単位を書き出す
圧力 p :Pa = kg/(m·s²)
密度 ρ :kg/m³
速さ :m/s
p/ρ の単位
= { kg/(m·s²) } ÷ ( kg/m³ )
= kg/(m·s²) × m³/kg
= m²/s²
√(p/ρ) の単位
= √(m²/s²) = m/s … 速さと同じ ○
(ρ/p は s²/m²、√(ρp) は kg/(m²·s) で不適)
問3:正解 ④(配点5)
<問題要旨>
式 v = C√(RT/M) について、定数 C が等しい2種類の理想気体 X, Y を同じ温度で比べたところ、音の速さは気体X の方が大きくなりました。1モルあたりの質量について分かること(ア)と、温度 T₁ のときと T₂(> T₁)のときの音の速さの差の大小(イ)を答えます。
<考え方>
同じ温度なら v は 1/√M に比例します。速いほうがモル質量が小さい。差のほうは、v = (定数)×√T の「定数」の部分が大きいほど、同じ温度差に対する速さの差も大きくなります。
v = C√(RT/M) ア:同じ温度 T で比べる v ∝ 1/√M v_X > v_Y だから M_X < M_Y → 1モルあたりの質量は気体Y の方が大きい (b) イ:温度 T₁ → T₂ での速さの差 Δv = C√(R/M) × (√T₂ − √T₁) (√T₂ − √T₁)の部分は両方同じ 係数 C√(R/M) は M が小さいほど大きい M_X < M_Y なので Δv_X > Δv_Y → 差の大きさは気体X の方が大きい (d)
問4:正解 ①(配点5)
<問題要旨>
0℃(273 K)での音の速さ v₀ を基準として、セルシウス温度 t での音の速さ v を近似式 √(1+x) ≒ 1 + x/2 を使って表します。
<考え方>
絶対温度 T を 273 + t に書き換え、273 でくくって √(1 + t/273) の形にしてから近似式を当てはめます。分母が 273 ではなく 546 になるところが答えの分かれ目です。
v = v₀√(T/T₀),T = 273 + t,T₀ = 273
v = v₀√{(273 + t)/273}
= v₀√(1 + t/273)
近似式 √(1 + x) ≒ 1 + x/2 に x = t/273 を入れて
v ≒ v₀(1 + t/546)
(確認)v₀ ≒ 331.5 m/s として
331.5/546 ≒ 0.607
→ 気温が 1℃ 上がると約 0.6 m/s 大きくなる
という関係式が得られる
問5:正解 ③(配点5)
<問題要旨>
物体に音波を出して反射して戻るまでの時間と、20℃ における音の速さを使って距離を測る装置があります。気温が 20℃ より 5℃ 上がったとき、この装置は距離をどう見積もってしまうかを答えます。
<考え方>
装置は 20℃ の音速を使い続けるので、実際より遅い速さで計算してしまいます。相対的な誤差は「音速の変化分 ÷ 音速」で見積もれます。
20℃ での音速 v₂₀ ≒ 331.5 + 0.6 × 20 ≒ 343.5 m/s 25℃ での実際の音速 v₂₅ ≒ 343.5 + 0.6 × 5 = 346.5 m/s 実際の距離 = v₂₅ × (時間)/2 装置が出す距離 = v₂₀ × (時間)/2 → 装置は実際より小さく見積もる 相対誤差 (346.5 − 343.5)/346.5 = 3/346.5 ≒ 0.0087 = 約 0.9 % → 約 1 % 小さく見積もる
第4問 電磁気(手回し発電機の「手ごたえ」を式にする)
ハンドルの手ごたえがなぜ変わるのかを、コンデンサーの充電 → 豆電球の並列 → 回転コイルの仕事率、と順に掘り下げていく大問。問4は「力は I L × B なので、B に垂直=真上か真下しかありえない」に気づくと選択肢が一気に2つに絞れます。
問1:正解 ③,⑤(配点3,3)
<問題要旨>
手回し発電機を端子電圧 V₀ の電源とみなし、抵抗とコンデンサーを直列につないで充電します。(解答番号16)抵抗を流れる電流 I は何に比例するか。(解答番号17)充電中の I の時間変化のグラフを選びます。
<考え方>
回路を一周すると「電源の電圧 = 抵抗の電圧降下 + コンデンサーの電圧」。ここから I の式を出せば、充電が進む(V が上がる)ほど I が減ることが読めます。
[解答番号16]キルヒホッフの法則 V₀ = RI + V RI = V₀ − V I = (V₀ − V)/R → I は V₀ − V に比例 [解答番号17] t = 0:V = 0 なので I = V₀/R(最大) 充電が進む:V が上がる → I は減る 十分後:V → V₀ なので I → 0 → 最大値から 0 へ向かって減る曲線 ⑤ (直線的に減る ② ではない。 I が減ると V の上がり方も遅くなるので 指数関数的な減り方になる)
問2:正解 ②(配点5)
<問題要旨>
同じ手回し発電機に、(i) 豆電球1個をつないだ場合と、(ii) 豆電球2個を並列につないだ場合を、同じ速さでハンドルを回して比べます。どちらの方が手ごたえが重かったかを答えます。
<考え方>
同じ速さで回すので発生する電圧は同じ。並列にすると回路全体の抵抗が小さくなり、流れる電流が増えて消費電力が大きくなります。消費した電力はハンドルを回す仕事から来るので、手ごたえは重くなります。
同じ速さ → 発生する電圧は同じ V₀ (i) 豆電球1個:抵抗 R 電流 I₁ = V₀/R 消費電力 P₁ = V₀²/R (ii) 豆電球2個を並列:合成抵抗 R/2 電流 I₂ = 2V₀/R 消費電力 P₂ = 2V₀²/R → (ii) の方が回路の抵抗値が小さく、 消費電力が大きい → ハンドルの手ごたえが重い (電気エネルギーはハンドルを回す仕事から まかなわれるので、電力が大きいほど重い)
問3:正解 ②(配点5)
<問題要旨>
問2の実験で、図2(i) の回路の消費電力 P₁ と図2(ii) の回路の消費電力 P₂ の関係を表す式を選びます。
<考え方>
問2で出した2つの消費電力を比べるだけです。並列にすると合成抵抗が半分になるので、消費電力はちょうど2倍になります。
P₁ = V₀²/R P₂ = V₀²/(R/2) = 2V₀²/R P₂ = 2P₁ つまり P₁ = (1/2)P₂
問4:正解 ⑥,①(配点2,2)
<問題要旨>
長方形コイルを一様な磁場中で角速度 ω で回転させます。コイル面 QRST の法線と磁場のなす角度が θ のとき、(解答番号20)頂点T の速度の向きと、(解答番号21)ST を流れる電流にはたらく力の向きを、QT の側から見た矢印で答えます。
<考え方>
速度は「回転の中心から見た位置ベクトルを 90° 回した向き」。力のほうは F = I L × B で、L は回転軸に平行(=紙面に垂直)なので、力は必ず磁場に垂直、つまり真上か真下しかありえません。あとはレンツの法則(回転を妨げる向き)で符号を決めます。
[解答番号20]頂点T の速度 法線が θ の向き(矢印②の向き)なので、 コイルの面(T,S ─ Q,R の線)は θ + 90° T はその上側の端 → 位置の向きは θ + 90° 反時計回り(正)に回転しているので、 速度は位置の向きをさらに 90° 回した向き → θ + 180° → 矢印② の真逆 = ⑥(左下向き) [解答番号21]ST にはたらく力 F = I L × B L(電流の向き)は回転軸に平行 = 紙面に垂直 B は紙面内で右向き → F は L にも B にも垂直 = 紙面内で上下のみ → ① か ⑤ に絞られる レンツの法則:誘導電流による力は回転を妨げる T の速度は ⑥(左下)なので、 それを妨げる向き = 上向き成分をもつ ① → ①(真上向き)
問5:正解 ②(配点5)
<問題要旨>
RS と QT の長さを 2a とします。コイルが角速度 ω で回転しているときの ST と QR の速さ(ア)と、長さ L の ST と QR が磁場から受ける力を考えたときの、コイルを回すための仕事率の大きさ(イ)を求めます。
<考え方>
ST と QR は回転軸から距離 a のところにあるので、速さは aω。仕事率は(力)×(速度の、力の向きの成分)で計算します。力は真上(または真下)向き、速度は θ+180° の向きなので、なす角から sinθ が現れます。
ア:ST と QR は回転軸から距離 a (RS と QT の長さが 2a で、軸はその中点を通る) 速さ = aω イ:ST が受ける力の大きさ F = IBL(電流は B に垂直なので sin90° = 1) 向きは真上(問4) ST の速度の向きは θ + 180°、大きさ aω 力(真上 = 90°)との角度は (θ + 180°) − 90° = θ + 90° 磁場からの力の仕事率 = F × (aω) × cos(θ + 90°) = −IBL × aω × sinθ (負=運動を妨げている) これを打ち消すために外から加える仕事率は ST について aωIBL sinθ QR についても同じだけ必要 合計 = 2aωIBL sinθ
※ 本記事の解答・解説は当サイトが独立に作成したものです。公式の正解および配点は大学入試センターの発表をご確認ください。

